JP2000271216A - 気泡検出装置および気泡検出方法 - Google Patents

気泡検出装置および気泡検出方法

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JP2000271216A
JP2000271216A JP11084147A JP8414799A JP2000271216A JP 2000271216 A JP2000271216 A JP 2000271216A JP 11084147 A JP11084147 A JP 11084147A JP 8414799 A JP8414799 A JP 8414799A JP 2000271216 A JP2000271216 A JP 2000271216A
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heater
temperature
liquid
heating
difference
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JP11084147A
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Hiromasa Kono
弘昌 河野
Ko Ishikawa
皇 石川
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Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 気泡検出のための素子を流路と一体に配置で
き、流体や環境の温度変化の影響を受けにくく、検出の
確度が向上した、小型で、操作が簡便で検出確度が高い
気泡検出装置とその検出方法を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 液体が送液される流路4に、液体を加熱
するヒータ5と、ヒータ5の下流側に配置されたサーミ
スタ6と、サーミスタ6で測定された信号が気泡の混入
により正常なものでない場合にエラー処理し、バルブ8
を閉鎖し、エアポンプ1を停止する制御回路9を備えた
ことを特徴とする気泡検出装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を輸送する回
路中の気体の混入を検出できる気泡センサに関し、特に
医療用途で使用される薬液注入装置において有効な気泡
検出装置及び気泡検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用薬液注入装置においては、流路に
混入した気体が誤って患者の体内に注入されるのを防止
する目的で、気泡検出のためのセンサを装備しているも
のが多くある。
【0003】このような従来の装置における気泡の検出
方法としては、一般に超音波センサを用いた方式が知ら
れている。これは薬液を体内に輸送するためのチューブ
等で構成された流路の所定部分に超音波を照射する超音
波発振素子と、前記流路を透過した超音波を受信するた
めの超音波受信素子を備えたものであり、チューブ等の
流路内が水で満たされているときには、流路中の水を媒
体として超音波信号を受信できるが、気泡が流れてくる
と空気が超音波を伝達できず、信号が途絶えることを利
用して気泡を検出する方法である。
【0004】このような超音波センサは、超音波受送信
素子を薬液注入装置内に組み込んだものと、装置から外
部へケーブルで引き出し、送液するチューブに装着でき
るプローブタイプがある。
【0005】また類似の気泡検出の方法として、超音波
の代わりに光を用いて、流路内の流体の屈折率の違いか
ら検出するというものもある。
【0006】さらに他の異なる方法として、流体の流れ
の中または流路側面にヒータを配置し、一定電力でヒー
タを発熱させ、そのヒータ近傍の温度変化を検出するこ
とにより、液体と気体の熱伝導率の違いによる流体の冷
却効果が異なるという性質を利用し、気泡を検出すると
いう方式もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
超音波や光を用いた方式では、信号を透過させる流路が
単なるプラスチック製のチューブでよいというメリット
もあるが、受送信素子を薬液注入装置内に設置するか、
ケーブルで引き出されたプローブ形態とすることが必須
となるため、装置内の構成が複雑になり、また流路を装
置やプローブにセットする際に、チューブとセンサの位
置関係や配置等が信号の強度や感度に影響を与えること
から、注意深くセットすることが必要となり、操作が煩
雑になるといった欠点もある。
【0008】またヒータを利用した後者は、気体検出の
ためのヒータと温度検出素子を流路と一体に配置でき、
前者の欠点を解決できるが、この方式では、相対的な温
度変化を検出しているため、気温や体温などに影響され
て流体の温度が急激に変化するような状況においては、
検出された温度変化が流体の温度変化と区別できず、検
出の信頼性が低下するという問題点がある。
【0009】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであり、気泡検出のための素子を流路と一体に配置で
き、流体や環境の温度変化の影響を受けにくく、検出の
確度が向上した、小型で、操作が簡便で検出確度が高い
気泡検出装置とその検出方法を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、以下に示
す本発明により達成される。
【0011】(1)液体が送液される流路に、前記液体
を加熱し流路中の液体の温度を上昇させるための加熱手
段と、前記加熱手段の下流側に配置された温度測定手段
と、前記温度測定手段で測定された信号を処理する解析
手段とを備えたことを特徴とする気泡検出装置。
【0012】(2)前記加熱手段は、電気的な抵抗体で
形成されたヒータと、前記ヒータにパルス的に通電する
ことでスポット的に加熱させ前記液体に対しスポット温
度を発生させるための駆動手段を含むことを特徴とする
上記(1)に記載の気泡検出装置。
【0013】(3)前記解析手段は、前記加熱手段で発
生させた前記スポット温度が前記温度測定手段を通過す
るとき、前記温度測定手段において所定周期で測定され
た温度信号の差分を演算する差分演算手段を具備し、前
記差分演算手段により演算された前記差分の符号のパタ
ーンを判断する判断手段をさらに具備したことを特徴と
する上記(1)または(2)に記載の気泡検出装置。
【0014】(4)前記気泡検出装置が、前記液体の流
速および/または流量を検出することが可能であること
を特徴とする上記(1)に記載の気泡検出装置。
【0015】(5)流体に対してヒータによりスポット
温度上昇のために加熱する加熱工程と、前記ヒータの下
流側に配置された温度センサを備え、加熱された液体の
スポット温度を測定する液体温度測定工程と、測定され
た温度データの差分を所定周期で演算するための差分演
算工程と、前記差分演算工程により演算された差分デー
タの符号のパターンを判断する判断工程とを有すること
を特徴とする気泡検出方法。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に本発明における好適な実施
形態を、図面を利用して詳細に説明する。
【0017】図1は、本発明を薬液注入装置に応用した
例を示すブロック図である。図1において、1はエアポ
ンプで、薬液バッグ3に収容されている薬液管を通して
体内に送液するための駆動源である。制御回路9からの
指示でエアポンプ1が駆動されることにより、エア管2
を介して加圧された空気が3に送りこまれる。薬液バッ
グ3はエアバッグ3a(第1層)と薬液が充填されてい
る薬液部3b(第2層)とを有する2層構造になってお
り、エアポンプ1からエアバッグ3aにエアが送り込ま
れることにより、その内部を所定の陽圧にする。こうし
てエアバッグ3a内が陽圧になると、エアバッグ3aが
膨張し、その膨張による加圧が薬液バッグ3内の隔壁を
通して薬液が充填されている薬液部3bを圧縮し、その
内圧が上昇する。これにより薬液バッグ3の薬液3bか
ら薬液が薬液管4に押し出され、その薬液管4を通して
患者の体内に送液される。
【0018】5はヒータで、薬液管4に接して薬液が流
れる方向の上流側に配置されており、制御回路9の指示
により所定時間間隔で、薬液管4内の薬液を加熱する加
熱動作を繰り返す。6はサーミスタで、ヒータ5の下流
側に配置され、ヒータ5によって薬液管4の流体内に発
生させた熱マーカ(薬液の温度上昇)を検出している。
このヒータ5により発生させた熱マーカをサーミスタ6
で検出することにより、気泡検出が行われる。7は第2
のサーミスタであり、サーミスタ6,7は所定の間隔
(L)で配置されており、これら2つのサーミスタ6,
7により検出された熱マーカを示す信号に基づいて、薬
液管4を流れる薬液の流速を算出する。またさらには、
その流速と薬液管4の断面積(S)に基づいて単位時間
当たりの流量が算出される。
【0019】8はバルブで、制御回路9により開閉が制
御される。バルブ8が開くと、薬液管4を介して薬液が
患者の体内に供給され、バルブ8が閉じると薬液の供給
が停止される。制御回路9は、図示していないマイクロ
コンピュータ等を備え、バルブ8を予め設定されている
投与プログラムに従って制御する。
【0020】制御回路9に設定される投与プログラム
は、薬液を規定の時間に規定の量、規定の回数投与する
よう医師が自由に設定できるものである。
【0021】本実施形態の薬液注入装置は、この投与プ
ログラムに従い、サーミスタ6、7により測定した移動
時間に基づいて算出された単位時間当たりの流量と、バ
ルブ8を開き送液している時間との積で求められる送液
量が、予め定められた一回に送液されるべき設定量とな
った場合にそして、タイマ9aによる時間の計時に従
い、次の投与を開始する時刻になると、制御回路9のマ
イクロコンピュータ等に通報し、バルブ8を開き送液を
開始する。また、これらの計測値から演算に用いる数
値、すなわち、薬液管4の断面積、ヒータ5と各サーミ
スタ6、7との間の距離、ピーク検出時刻、算出した薬
液管4を流れる薬液の流速、流量、及び設定された流量
値等は、図中の記録部10に記録される。
【0022】本実施形態の薬液注入装置は、薬液管4の
薬液中に気泡が混入したとき、その気泡を検出する。気
泡が検出されると、制御回路9は装置の送液エラーと判
定し、バルブ8の閉鎖や、エアポンプ1の駆動停止等を
行い、薬液の流れを停止させる。
【0023】気泡の検出は、ヒータ5に対する制御回路
9からの指示により、所定時間間隔で薬液管4内の薬液
を加熱する加熱動作を繰り返し、それによって薬液管4
の流体に発生した熱マーカをヒータ5の下流に配置され
たサーミスタ6または7で測定し、その測定された熱マ
ーカの波形信号を、正常に薬液が流れているときの波形
信号と比較、解析するものである。
【0024】以下に、気泡検出のための具体的な方法に
ついて説明する。
【0025】図2は、薬液管4におけるヒータ5の駆動
波形(上段)、上流側サーミスタ6における正常に送液
されているときの検出波形信号(中段)と、流路に気泡
が混入したときの検出波形信号(下段)を示す図であ
る。
【0026】図2に示すように、正常に薬液が送液され
ているときの検出信号は、駆動信号21によりヒータ5
の駆動をタイミングT0まで行なうと、薬液管4内のヒ
ータ5近傍の薬液がスポット加熱され、その加熱された
薬液に発生した熱マーカが薬液管4内を下流方向に流れ
て、上流側サーミスタ6に到達し、図3の中段に示すよ
うな凸のピークをただ1つ持つ波形信号が計測される。
【0027】ここで、もし薬液管4中に気泡が混入し、
ヒータ5がスポット加熱され、熱マーカを発生させてい
る時にその気泡がヒータ5を通過した場合には、液体に
比べ気体の熱伝導率は小さいので、薬液の温度上昇に比
べ低い温度になる。そのような気泡が混入した熱マーカ
を、サーミスタ6で検出すると、図3の下段に示すよう
な、正常に送液された波形とは異なる乱れた信号として
検出される。従って、この波形を解析することで、気泡
混入の有無が検出できることとなる。なお、ヒータ5の
スポット加熱は、加熱時間0.1〜1秒(例えば0.8
秒)、非加熱時間1〜5秒程度の極短い間隔で繰り返し
行われるパルス状のものであるため、混入した気泡がヒ
ータ5の非加熱時に通過する可能性は殆どなく、また万
が一気泡が通過したとしても、人体に悪影響を及ぼす程
の量ではない。
【0028】この加熱時間と非加熱時間は、使用される
ヒータやサーミスタの特性や流路の形状、断面積などに
より最適なものを選択されるべきである。
【0029】本実施形態のように、波形を計測するため
のサーミスタが複数個設置されている場合には、下流側
に配置されたサーミスタや、他のサーミスタがある場合
には、そのサーミスタからの信号を用いることもでき
る。
【0030】ヒータ5は、熱を流路中の液体に効率よく
伝達できるように配置され、サーミスタ6は、液体の温
度を好感度に測定できるよう配置されることが必要であ
る。また、サーミスタ6とヒータ5の距離は、近すぎる
とヒータ5の加熱温度を直接検出するおそれがあり、離
れすぎると熱マーカが崩れ、正確に検出できないおそれ
があるため、両者は適切な距離に配置することが必要で
ある。
【0031】図3は、本発明の気泡検出のための波形解
析処理アルゴリズムの例を示すフローチャートである。
【0032】処理が開始されると、まずステップS1で
FLAGに“0”を記録する。ここで用いた変数FLA
Gは、初期状態でその番号を“0”、解析処理の途中で
正常な凸形状の波形信号における単調に上昇する部分を
確認したとき“1”と、単調に下降する部分を確認した
とき“2”となる変数である。
【0033】ステップS2で、ヒータ5に駆動信号を出
力して一定時間ヒータ5の加熱を行い、ステップS3で
サーミスタ6の信号(薬液温度信号)を計測する。サー
ミスタ6の計測は、一旦始まると、送液を終了するまで
所定の周期(例えば0.2秒間隔程度の短い周期)で繰
り返し実行される。この1周期の間に以降の処理判断が
実行できないときには、一般に実施される手段として、
周期的な計測処理を割り込み処理として実行し、フロー
チャートで示すメインルーチンから独立させても良い。
【0034】ステップS4では、前回の計測値と今回の
計測値との差分(最新の計測値から一つ前の計測値を引
く)を計算する。ステップS5ではFLAGの番号をチ
ェックし、“0”のときはヒータ5を加熱後、最初の熱
マーカ波形の解析でありステップS6に進む。ステップ
S6ではステップS4で演算された差分データの正符号
が複数回(例えば2回)連続して出現したかどうか(す
なわち、薬液温度が上昇中かどうか)を判断し、2回連
続で出現していない場合には、ステップS7に進む。
【0035】ステップS7は、ヒータ5の加熱で熱マー
カを発生させてから、熱マーカがサーミスタ6に到達す
るまでの時間のチェックである。ここで所定時間内(例
えば2秒)であれば、まだ熱マーカがサーミスタに到達
していないものとしてステップS3に戻る。所定時間を
経過してもステップS6での判断が‘はい’にならない
場合には、ヒータ5で加熱をしたタイミングに薬液がな
かったことを意味しており、気泡が混入したと判断し、
エラー処理を行う。エラー処理が行われると、バルブ8
の閉鎖やエアポンプ1の停止処理が行われる。
【0036】ステップS6で2回連続して正符号が出現
したと判断された場合、ステップS8に進む。ステップ
S8は、熱マーカによる凸形状波形信号の薬液温度上昇
部分を検出したとして、FLAGの番号を“1”として
記録する。ステップS9で熱マーカの波形信号のピーク
を越えて単調に薬液温度が低下する部分の有無をチェッ
クするため、負の符号を持つ差分データが複数回(例え
ば4回)連続して出現するかどうかを判断する。ここで
差分の負符号が4回連続しなかった場合には、ステップ
10に進み、FLAGの番号が“1”になってから所定
時間(例えば4.3秒)経過したかどうかを判断する。
所定時間経過していなければ、ステップS3に戻る。ま
た所定時間を経過してもステップS10での判断が‘は
い’にならない場合には、ヒータ5で加熱したことによ
り熱マーカが生成される過程で、気泡がヒータ5を通過
し、正常な熱マーカが形成されなかったと考えられ、気
泡混入と判断しエラー処理を行う。
【0037】再度処理がステップS3に戻った後、ステ
ップS4で差分データを演算し、ステップS5では、F
LAGの番号をチェックする。このときFLAGの番号
は前述のステップS8で“1”と記録されているため
“いいえ”と判断し、ステップS12に進み、再度FL
AGのチェック(“2”か否か)を行う。ここでは、F
LAGの番号が“1”であるため、“いいえ”と判断
し、ステップS9に進む。
【0038】ステップS9で4回連続して負符号が出現
したと判断されたときには、ステップS11に進み、F
LAGを“2”にするとともに正常波形と判断し、ステ
ップS2に戻り、2回目のヒータ加熱を行う。
【0039】ステップS2で2回目のヒータ加熱後、1
回目と同様ステップS3、S4を経てステップS5で、
FLAGが“0”かどうかが判断される。前述のように
1回目の熱マーカが正常と判断されているのでFLAG
の番号は“2”となっており、“いいえ”と判断し、ス
テップS12に進む。ステップS12では再度FLAG
の番号が“2”かどうかをチェックされ、“はい”と判
断しステップS13に進む。ステップS13では、ステ
ップS4で演算された差分データの正符号が2回連続し
て出現したかどうかを判断し、2回連続で出現していな
い場合には、ステップS14に進む。
【0040】ステップS14は、前述の1回目のヒータ
加熱時のステップS7の判断と同様に、ヒータ5の加熱
で熱マーカを発生させてから、サーミスタ6に到達する
までの時間のチェックである。ここで所定時間(例えば
2.9秒)内であれば、ステップS3に戻る。また所定
時間を経過してもステップS13の判断が‘はい’にな
らない場合には、ヒータ5で加熱をしたタイミングにち
ょうど薬液がなかったことを意味しており、気泡混入と
判断しエラー処理を行う。
【0041】ステップS13で2回連続して正符号が出
現したと判断された場合、ステップS15に進む。ステ
ップS15は、熱マーカによる凸形状波形信号の温度上
昇部分を検出したとして、FLAGの番号を“1”とし
て記録し、ステップS9に進む。
【0042】ステップS9で熱マーカの波形信号のピー
クを越えて単調に温度が低下する部分の有無をチェック
するため、負の符号を持つ差分データが4回連続して出
現するかどうかを判断する。ここで差分の負符号が4回
連続しなかった場合には、ステップS10に進み、FL
AGが“2”になってから所定時間経過したかどうかを
判断する。所定時間経過していなければ処理は、ステッ
プS3に戻る。また所定時間を経過してもステップS1
0での判断が‘はい’にならない場合には、ヒータ5で
加熱したことにより熱マーカが生成される過程で、気泡
がヒータ5を通過し、正常な熱マーカが形成されなかっ
たことを意味しており、気泡混入と判断しエラー処理を
行う。
【0043】再度処理がステップS3に戻った後、ステ
ップS4で差分データを演算し、ステップS5では、F
LAGの番号をチェックする。このときFLAGの番号
は前述のステップS15で“1”と記録されているため
“いいえ”と判断し、ステップS12に進み、さらにこ
こで、FLAGの番号が“1”であるため、“いいえ”
と判断し、ステップS9に進む。
【0044】ステップS9で4回連続して負符号が出現
したと判断されたときには、ステップS11に進み、F
LAGを“2”にするとともに正常波形と判断し、ステ
ップS2に戻り、3回目のヒータ加熱を行う。
【0045】以降、送液中は常に気泡の混入を監視する
ため、このサイクルを繰り返し実行し、所定量の送液が
終了すると、図4のアルゴリズムで説明した気泡検出処
理も終了する。
【0046】尚、ここで示したフローチャートの処理で
は、所定時間の例として具体的な数値を記載したが、こ
れは使用するヒータや駆動回路、また流路の形状等によ
り決められる値であり、具体的に設計されたシステムで
それぞれ決定されるべき値である。
【0047】本実施形態の薬液注入装置における気泡検
出装置は、その各構成要素を利用して、薬液の流速及び
流量を検出することができる。
【0048】次に、薬液の流速及び流量を測定するため
の具体的な方法を以下に説明する。図4は、薬液管4に
おけるヒータ5の駆動波形及び上流側サーミスタ6、下
流側サーミスタ7における検出波形信号を示す図であ
る。
【0049】図4は、横軸を時間軸としたもので、21
はヒータ5の駆動信号、22は上流側サーミスタ6によ
り検出された波形信号(サーミスタの出力信号)、23
は下流側サーミスタ7により検出された波形信号(サー
ミスタの出力信号)を示している。
【0050】図4に示すように、駆動信号21によりヒ
ータ5の駆動をタイミングT0まで行なうと薬液管4の
ヒータ5の近傍の薬液がスポット加熱され、その加熱さ
れた薬液が薬液管4内を下流方向に流れて、最初に上流
側サーミスタ6に到達する。信号22のピーク検出時間
(T1)から信号23におけるピーク検出時間(T2)
までの時間(△T1)を求めることができる。この時間
(△T1)と上流側サーミスタ6と下流側サーミスタと
の間の距離(L)を基に、薬液管4内における薬液の流
速(L/△T1)か、また薬液管4内における薬液の流
速及び薬液管4の断面積(S)より、薬液の単位時間当
たりの流量(S・L/△T1)を求めることができる。
【0051】信号22のピークと信号23のピークとの
間の時間的間隔を算出する方法として、信号22の波形
と信号23の波形において相互相関をとり、それぞれの
信号の最大値間の距離を時間間隔値とする方法や、単に
各信号において最大値となる時点の時間的間隔をとる方
法など様々考えられる。
【0052】また、上記の方法では、2つのサーミスタ
6、7により流速を算出したが、ヒータ5と、1つのサ
ーミスタ(例えば6)の間の距離およびヒータ5加熱終
了時間(T0)からサーミスタ6のピーク検出時間(T
1)までの時間(△T0)から流速を検出することもで
きる。
【0053】上記の実施例では、薬液の送液に薬液注入
装置を使用した例で説明したが、一般の医療で広く行わ
れている自然落下での点滴においても、本発明の気泡検
出装置が適用できるのは自明である。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ヒ
ータの加熱により発生させた熱マーカの波形をヒータの
下流に設置したサーミスタで計測し、その計測された波
形の形状を解析することにより、薬液に混入した気泡を
確実に検出することができる。これにより、医療用途で
使用される薬液注入装置において、誤って気泡を患者の
体内に注入することを防止することができる。また、1
つの構成で気泡の検出と、薬液の流速及び流量を検出す
ることが可能であるため、複数の装置を設ける必要がな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】 ヒータ駆動波形とサーミスタで計測された波
形を示す図である。
【図3】 本発明の実施形態の気泡検出処理を示すフロ
ーチャートである。
【図4】 流量が正常時のヒータ駆動波形及び上流サー
ミスタ・下流サーミスタでサンプリングされる波形を示
す図である。
【符号の説明】
1 エアポンプ 2、4 薬液流路 3 薬液バッグ 5 ヒータ 6 第1のサーミスタ 7 第2のサーミスタ 8 バルブ 9 制御回路 10 記録部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体が送液される流路に、前記液体を加
    熱し流路中の液体の温度を上昇させるための加熱手段
    と、前記加熱手段の下流側に配置された温度測定手段
    と、前記温度測定手段で測定された信号を処理する解析
    手段とを備えたことを特徴とする気泡検出装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱手段は、電気的な抵抗体で形成
    されたヒータと、前記ヒータにパルス的に通電すること
    でスポット的に加熱させ前記液体に対しスポット温度を
    発生させるための駆動手段を含むことを特徴とする請求
    項1に記載の気泡検出装置。
  3. 【請求項3】 前記解析手段は、前記加熱手段で発生さ
    せた前記スポット温度が前記温度測定手段を通過すると
    き、前記温度測定手段において所定周期で測定された温
    度信号の差分を演算する差分演算手段を具備し、前記差
    分演算手段により演算された前記差分の符号のパターン
    を判断する判断手段をさらに具備したことを特徴とする
    請求項1または2に記載の気泡検出装置。
  4. 【請求項4】 前記気泡検出装置が、前記液体の流速お
    よび/または流量を検出することが可能であることを特
    徴とする請求項1に記載の気泡検出装置。
  5. 【請求項5】 流体に対してヒータによりスポット温度
    上昇のために加熱する加熱工程と、前記ヒータの下流側
    に配置された温度センサを備え、加熱された液体のスポ
    ット温度を測定する液体温度測定工程と、測定された温
    度データの差分を所定周期で演算するための差分演算工
    程と、前記差分演算工程により演算された差分データの
    符号のパターンを判断する判断工程とを有することを特
    徴とする気泡検出方法。
JP11084147A 1999-03-26 1999-03-26 気泡検出装置および気泡検出方法 Pending JP2000271216A (ja)

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