JPH1114450A - レーザ出力測定器 - Google Patents

レーザ出力測定器

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JPH1114450A
JPH1114450A JP16444597A JP16444597A JPH1114450A JP H1114450 A JPH1114450 A JP H1114450A JP 16444597 A JP16444597 A JP 16444597A JP 16444597 A JP16444597 A JP 16444597A JP H1114450 A JPH1114450 A JP H1114450A
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JP
Japan
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laser
photoreceptor
measuring device
inner shell
water
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Application number
JP16444597A
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English (en)
Inventor
Tomoko Izeki
関 朋 子 井
Etsuo Noda
田 悦 夫 野
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大出力レーザの出力測定を高精度で行うこと
ができるレーザ出力測定器を提供する。 【解決手段】 レーザ出力測定器1は、中空状の球体で
ある内殻2および外殻3を備えている。内殻2および外
殻3は中心が略一致するように配置され、内殻2の外面
と外殻3の内面との間には水等の流体を循環させるため
の空間4が形成されている。外殻3には空間4に対して
水を供給および排出するための水冷管14,15が連結
されている。ここで、水冷管14の所定箇所には流量計
18が接続され、水冷管14から空間4内へ供給される
水の流量が測定できるようになっている。また、水冷管
14,15内には温度センサ16,17が挿入され、供
給側および排出側での水の温度Ti ,To が測定できる
ようになっている。さらに、内殻2および外殻3にはレ
ーザ光を内部に引き込むための開口部7が設けられてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ出力を測定す
るためのレーザ出力測定器に係り、とりわけ大出力レー
ザの出力測定を高精度で行うことができるレーザ出力測
定器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ出力の測定方法として
は、レーザ光の照射による測定部の加熱現象を利用した
熱的方法と、レーザ光の照射による測定部からの電子の
放出現象(光電効果)を利用した光電的方法とが知られ
ている。これらの方法のうち、大出力レーザの出力測定
には熱的方法が適しており、現在市販されている大出力
レーザ用のパワーメータの多くもこの方法を採用してい
る。
【0003】ここで、熱的方法を採用した従来のパワー
メータによるレーザ出力測定方法について図7により説
明する。図7に示すように、熱的方法を採用した従来の
パワーメータは、レーザ光が照射される受光板41と、
所定の基準温度に保たれた基準板42とを有する測定部
40を備えている。
【0004】図7において、測定対象となるレーザ(図
示せず)から受光板41に対してレーザ光が照射される
と、受光板41は加熱されて高温状態(温度T2 )とな
る。一方、基準板42は水等により冷却されて低温状態
(温度T1 )に保たれる。このため、測定対象となるレ
ーザのレーザ出力Pは、受光板41と基準板42との間
の熱抵抗γと、受光板41と基準板42との間に生じた
温度差dT(=T2 −T1 )とから次式(1)により求
められる。 P=γ・dT … (1)
【0005】なお上式(1)において、熱抵抗γは計算
によって理論的に求めることができないパラメータであ
る。このため熱抵抗γは、出力値が既知の基準レーザと
の比較により求められる。すなわち、レーザ出力Po
基準レーザから受光板41に対してレーザ光を照射した
ときの受光板41と基準板42との間の温度差dTを測
定するとともに、この測定された温度差dTと既知のレ
ーザ出力Po とから上式(1)に基づいて熱抵抗γを決
定する。なお、実際のレーザ出力Pは、このようにして
決定された熱抵抗γを用いて上式(1)に基づいて相対
的に求められる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、図7
に示す従来のレーザ出力測定方法においては、測定部4
0の受光板41にレーザ光を照射して受光板41を加熱
させ、この加熱により生じた受光板41と基準板42と
の間の温度差dT(=T2 −T1 )と、出力値が既知の
レーザを基準として求められた熱抵抗γとに基づいてレ
ーザ出力を測定している。
【0007】しかしながら、図7に示す従来のレーザ出
力測定方法では、レーザ光が照射されて高温となる受光
板41の受光面が外部に解放されているので、この受光
面から熱伝導や輻射等によりかなりの熱損失が生じ、ま
たこのような熱損失の度合いはレーザ出力が大きくなっ
て受光面の温度上昇が大きくなるにつれて増大する。
【0008】また、受光板41の受光面は照射されるレ
ーザ光の波長に依存して異なった反射率を有するので、
受光面に照射されたレーザ光の反射によって光の損失が
生じるとともに、このような光の損失はレーザ光の波長
に応じて変動する。また、受光面に大出力のレーザ光が
照射された場合には、レーザ光により受光面が損傷を受
けて劣化し、これにより受光面の波長依存性が変化する
ことも考えられる。
【0009】さらに、熱抵抗γを求めるための基準レー
ザとしてどのような波長のものを用いるか、またはその
出力値や精度がどの程度であるかということが熱抵抗γ
の精度すなわちレーザ出力の測定精度に影響を与える。
【0010】このように、図7に示す従来のレーザ出力
測定方法では、測定部40の構造上熱損失および光の損
失が大きく、またこれらの損失の度合いが測定状況に応
じて変動すること、さらにレーザ出力を求めるために必
要とされる熱抵抗γが基準レーザとの関係で相対的に求
められることから、実際のレーザ出力測定において大き
な測定誤差が生じる可能性があるという問題がある。な
お実際に、図7に示すレーザ出力測定方法によりレーザ
出力の測定を行うと、同一レーザからのレーザビームで
あっても、測定状況に応じて、またパワーメータの個体
差に応じて異なる出力値が表示されるという現象が見ら
れる。
【0011】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、大出力レーザの出力測定を高精度で行うこ
とができるレーザ出力測定器を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部に空間を
有するとともにこの内部の空間にレーザ光を引き込むた
めの引込部を有する中空状の受光体と、前記受光体の外
側に配置され前記受光体との間で熱の授受を行う流体を
循環させる流路と、前記流路の供給側および排出側での
前記流体の温度を測定する温度測定手段とを備えたこと
を特徴とするレーザ出力測定器を提供する。
【0013】本発明によれば、引込部を介してレーザ光
を受光体の内部に引き込むとともに、この引き込まれた
レーザ光による受光体の加熱の度合いを受光体の外側を
循環する流体の温度変化として測定するので、レーザ出
力を絶対方式により求めることができる。
【0014】また、レーザ光を受光体の内部に閉じ込め
るようにするので、受光面からの熱損失およびレーザ光
の損失を低減させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0016】第1の実施の形態 図1乃至図3は本発明によるレーザ出力測定器の第1の
実施の形態を示す図である。図1に示すように、レーザ
出力測定器1は、互いに大きさの異なる中空状の球体で
ある内殻(受光体)2および外殻(包囲体)3を備え、
これら内殻2および外殻3は樹脂製の支柱5を介して真
空引きが可能な容器6内に固定されている。なお、内殻
2および外殻3はいずれも金属からなり、内殻2および
外殻3の内面はいずれも球面となっている。また、内殻
2および外殻3は中心が略一致するように配置され、内
殻2の外面と外殻3の内面との間には水等の流体を循環
させるための空間4が形成されている。さらに、外殻3
のまわりは例えば後述する開口部7の近傍を除いて発泡
性の断熱材13により覆われている。
【0017】ここで、外殻3には空間4内へ水を供給す
るための樹脂製の水冷管14と、空間4から外部へ水を
排出するための樹脂製の水冷管15とが連結されてい
る。水冷管14にはタンク(図示せず)およびポンプ
(図示せず)が接続され、これらタンクおよびポンプを
調整することにより水冷管14から空間4内へ供給され
る水の流量が一定に保たれるようになっている。なお、
水冷管14の所定箇所には流量計18が接続され、この
流量計18により水冷管14から空間4内へ供給される
水の流量が測定できるようになっている。
【0018】また、水冷管14内には温度センサ(温度
測定手段)16が挿入され、水冷管14から空間4内へ
供給される供給側での水の温度Ti が測定できるように
なっている。同様に、水冷管15内にも温度センサ(温
度測定手段)17が挿入され、空間4から水冷管15へ
排出される排出側での水の温度To が測定できるように
なっている。
【0019】さらに、内殻2および外殻3にはレーザ光
を内部に引き込むための開口部7が設けられている。こ
こで、開口部7は内殻2から延びる筒状連通路(引込
部)7aを外殻3の開口孔(第2引込部)7bの内周面
に嵌め合わせることにより構成されており、測定対象と
なるレーザ(図示せず)から出射されたレーザ光9は開
口部7を介して内殻2の内部に引き込まれるようになっ
ている。なおレーザ光9は、開口部7を通る内殻2の中
心軸10から所定角度αだけずれて引き込まれるととも
に、内殻2の中心10aを通らないように光路が調整さ
れている。またレーザ光9は、レンズ8により開口部7
近傍で焦点を結ぶようになっている。
【0020】なお、内殻2の内面のうち開口部7から引
き込まれたレーザ光が直接照射される部分11を除いた
部分12には黒化処理が施されている。
【0021】次に、図2および図3により、図1に示す
内殻2、外殻3およびこれらの間に形成される流路の一
例について説明する。ここで、図2(a)は内殻および
外殻が組み合わされた構造体の一例を示す斜視図、図2
(b)は図2(a)に示す構造体の半球部分の構造を示
す分解斜視図である。また、図3(a)(b)は図2
(a)(b)に示す外殻の半球部分の内面構造を示す斜
視図である。
【0022】図2(a)(b)に示すように、内殻2お
よび外殻3からなる構造体は、フランジ部28,29を
有する一対の内殻用半球体2a,2bと、内面に複数の
仕切り板25,26,27(図3(a)(b)参照)を
有する一対の外殻用半球体3a,3bとが組み合わされ
て構成され、内殻用半球体2a,2bの外面側と外殻用
半球体3a,3bの内面側とが互いに嵌め合わされ、内
殻用半球体2a,2bと外殻用半球体3a,3bとの間
に空間4(図1参照)が形成される。なお、図2(b)
には内殻用半球体2aおよび外殻用半球体3aからなる
図2(a)の右半分の構造が示されているが、内殻用半
球体2bおよび外殻用半球体3bからなる左半分の構造
も基本的には図2(b)に示すものと同一である。
【0023】ここで外殻用半球体3a,3bの内面に
は、図3(a)(b)に示すように、複数の仕切り板2
5,26,27が所定間隔で配置されている。このうち
仕切り板25は、外殻用半球体3a,3bの接合端側か
ら頂点側に向かって延びるとともに頂点側端部が頂点と
の間で所定距離だけ離間して終わっている。また仕切り
板26は、外殻用半球体3a,3bの頂点側から接合端
側に向かって延びるとともに接合端側端部が接合端との
間で所定距離だけ離間して終わっている。なお、これら
仕切り板25,26は外殻用半球体3a,3bの内面に
所定間隔で交互に配置されている。また仕切り板27
は、水冷管14または接続管22から供給口20または
接続口23を介して供給された水が隣接した接続口21
または排出口24に直接導かれないようにするためのも
のであり、この仕切り板27はその両端部が外殻用半球
体3a,3bの頂点側および接合端側まで完全に延びて
いる。
【0024】そして、このような内面構造を有する外殻
用半球体3a,3bの内面側と内殻用半球体2a,2b
の外面側とが互いに嵌め合わされた場合には、仕切り板
25,26,27の上部はいずれも内殻用半球体2a,
2bの外面に密着され(図2(b)参照)、また仕切り
板25,27の接合端側端部は内殻用半球体2a,2b
のフランジ部28,29に密着される(図2(b)参
照)。なお図3(b)において、仕切り板26,27の
頂点側端部は内殻用半球体2bから突出した筒状連通路
7aの外面に密着される(図1参照)。このようにし
て、内殻用半球体2a,2bと外殻用半球体3a,3b
との間の空間4は仕切り板25,26,27により完全
に仕切られ、この空間4での水の流れは図3(a)
(b)に矢印で示すような方向に制限される。
【0025】次に、このような構成からなる本発明の第
1の実施の形態の作用について説明する。
【0026】図1および図2(a)において、タンク
(図示せず)およびポンプ(図示せず)を介して供給さ
れる所定流量の水は、水冷管14から内殻2と外殻3と
の間の空間4に供給される。ここで、一方の外殻用半球
体3aに設けられた供給口20を介して供給された水
は、一方の内殻用半球体2aおよび一方の外殻用半球体
3aとの間の空間において複数の仕切り板25,26,
27により仕切られて形成された流路を循環し、接続口
21を介して接続管22へ排出される(図3(a)参
照)。
【0027】その後、接続管22へ排出された水は、他
方の外殻用半球体3aに設けられた接続口23を介して
他方の内殻用半球体2bおよび他方の外殻用半球体3b
との間の空間に供給され、これら他方の内殻用半球体2
bおよび他方の外殻用半球体3bとの間の空間において
複数の仕切り板25,26,27により仕切られて形成
された流路を循環し、排出口24を介して水冷管15に
排出される(図3(b)参照)。
【0028】なお、このようにして内殻2と外殻3との
間の空間4に供給される水の流量は一定に保たれてお
り、このような水の流量qは流量計18により測定され
る。
【0029】一方、測定対象となるレーザから出射され
たレーザ光9は、内殻2および外殻3に設けられた開口
部7を介して内殻2の内部に引き込まれ、内殻2の内面
において反射が繰り返されて内殻2を加熱する。
【0030】なお、このようにして内殻2が加熱される
と、この加熱された内殻2と、空間4内を循環する水と
の間で熱の授受が行われ、これにより水が供給側から排
出側まで循環する間に水の温度変化が生じる。具体的に
は、水冷管14,15内に挿入された温度センサ16,
17により測定された水の供給側および排出側での温度
i ,To に温度差dt(=To −Ti >0)が生じ
る。
【0031】このため、測定対象となるレーザのレーザ
出力Pは、流量計18により測定された水の流量qと、
内殻2と外殻3との間の空間4に形成される流路の供給
側および排出側での水の温度差dTとに基づいてコンピ
ュータ等の情報処理装置により次式(2)により求めら
れる。なお、次式(2)においてρは水の密度、Cは水
の比熱である。 P=ρ・C・q・dT … (2)
【0032】このように本発明の第1の実施の形態によ
れば、開口部7を介して内殻2の内部にレーザ光を引き
込むとともに、この引き込まれたレーザ光9による内殻
2の加熱の度合いを内殻2と外殻3との間の空間4内を
循環する水の温度変化として測定するので、上式(2)
に基づいてレーザ出力Pを絶対方式により求めることが
できる。
【0033】なお、上述した第1の実施の形態において
は、内面が球面である内殻2の内部にレーザ光9を引き
込むので、レーザ光9の照射により最も高温となる受光
面からの熱損失を効果的に抑制することができる。
【0034】ここで、内殻2の内面のうちレーザ光9が
直接照射される部分11を除いた部分12には黒化処理
が施されているので、レーザ光9の反射が繰り返される
内殻2の内面での熱の吸収率を高めることができる。ま
た、内殻2の内面のうちレーザ光9が直接照射される部
分11を金属面のまま残してその部分11での反射率が
黒化処理が施された部分12での反射率よりも高くなる
ようにしているので、最大強度のレーザ光が照射される
部分11での熱の吸収率を下げることができ、このため
局所的な加熱を抑制して大出力レーザによる受光面の損
傷を防ぐことができる。
【0035】また、支柱5や水冷管14,15を熱伝導
率の小さな樹脂製とし、外殻3を断熱材13で覆い、ま
た容器6を真空引きとしているので、外殻3や支柱5、
水冷管14,15等から生じる熱伝導や輻射等による熱
損失を低減させることができる。
【0036】さらに、レーザ光9が内殻2の中心10a
からずれているので、内殻2の内面からの反射光がレー
ザ光9の開口部7に直接戻ることを防止することができ
る。なお、開口部7を通る内殻2の中心軸10からのレ
ーザ光9のずれ(角度α)を適切な角度とすることによ
り、反射光がレーザ光9の開口部7に直接戻らないよう
にするとともに、レーザ光9が内殻2の内部で所望の複
数回の反射を繰り返すようにすることができるので、レ
ーザ光の損失を低減させることができる。
【0037】さらにまた、内殻2と外殻3との間の空間
4を仕切り板25,26,27により仕切るとともに、
この空間4内での水の流れを図3(a)(b)に矢印で
示すような方向に制限しているので、供給された水は内
殻2と外殻3との間に形成された空間4内をよどみなく
循環することができ、このためレーザ光9の照射により
加熱される内殻2を一様に冷却することができる。
【0038】第2の実施の形態 次に、図4により、本発明の第2の実施の形態について
説明する。本発明の第2の実施の形態は、図1乃至図3
に示す内殻2および外殻3からなる構造体に変更を加え
て中空状の球体である内殻2の外側に水冷管30を直接
巻き付けるようにしたものである。なお、本発明の第2
の実施の形態において、図1乃至図3に示す第1の実施
の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省
略する。
【0039】図4において、内殻2の外側には水が循環
する流路である水冷管(管状部材)30が巻き付けら
れ、図1乃至図3に示すような外殻3は取り除かれてい
る。水冷管30には供給側Aから水が供給され、内殻2
のまわりを水冷管30に沿って循環した後、排出側Bか
ら排出されるようになっている。なお、図4に示されて
いない部分、例えば内殻2の内面や温度センサ16,1
7、流量計18等の構成は上述した第1の実施の形態と
略同一のものとすることができ、また上述した第1の実
施の形態と略同一の方法により測定対象となるレーザの
レーザ出力を求めることができる。
【0040】なお、図4に示すように内殻2のまわりに
水冷管30が所定間隔で巻き付けられる場合には、内殻
2および水冷管30の全体を断熱材等で覆うことによ
り、水冷管30が巻き付けられていない部分からの熱損
失を低減させるようにするとよい。また、内殻2のまわ
りに水冷管30を緊密に(隣り合った水冷管30同士を
隣接させて)巻き付けることにより、内殻2からの熱損
失を低減させるようにしてもよい。
【0041】このように本発明の第2の実施の形態によ
れば、上述した第1の実施の形態のように内殻2と外殻
3との間の空間4内で水を循環させるのではなく、内殻
2のまわりに巻き付けられた水冷管30を用いて水を循
環させるようにしているので、上述した第1の実施の形
態の作用および効果を奏しつつレーザ出力測定器の構成
を簡素化することができる。
【0042】なお、上述した第1および第2の実施の形
態において、受光体である内殻2は球体であり、その内
面も球面となっているが、内殻2の外形および内面の形
状はこれに限定されるものではなく、例えば図5に示す
ような回転楕円体としたり、これ以外の任意の形状とす
ることもできる。
【0043】また、水冷管14,15内の温度センサ1
6,17の先端近傍にオリフィス31を設けたり(図6
(a)参照)、細管14を嵌挿させることにより(図6
(b)参照)、水冷管14,15の内径を小さくするよ
うにしてもよい。このようにすることにより、水の温度
の水冷管14,15内の径方向分布を打ち消して水の供
給側および排出側での正確な温度測定を実現することが
できる。
【0044】さらに、外殻3の外面および容器6の内面
は輻射率の小さな材料で製作するか、または外殻3の外
面および容器6の内面を研磨して輻射率を抑えることに
より、輻射による熱損失を低減させることができる。な
お、輻射率を低下させるために外殻3と容器6との間に
低輻射率の反射板を何層か挿入するようにしてもよい。
【0045】さらにまた、開口部7は内殻2から延びる
筒状連通路(引込部)7aを外殻3の開口孔(第2引込
部)7bの内周面に嵌め合わせることにより構成されて
いるが、開口部7の構造はこれに限定されるものではな
く、例えば内殻2および外殻3にレンズ等の透明部材を
嵌め込むことにより引込部および第2引込部を構成する
ようにしてもよい。
【0046】なお、上述した第1および第2の実施の形
態において、内殻2の内面のうちレーザ光9が直接照射
される部分11を除いた部分12には黒化処理が施され
ているが、熱の吸収が十分に行われるであれば内殻2の
内面は全体を金属面のままとすることもできる。また逆
に、レーザ出力がそれ程大きくなくレーザ光9が直接照
射される部分11での損傷のおそれがない場合には、内
殻2の内面の全体に黒化処理を施すようにしてもよい。
【0047】また、上述した第1および第2の実施の形
態においては、流量計18により水冷管14から空間4
内へ供給される水の流量が測定されているが、水冷管1
4から空間4内へ供給される水の流量があらかじめ所定
の流量に定められている場合には流量計18を省略する
ことも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、レ
ーザ出力を絶対方式により求めることができるととも
に、受光面からの熱損失およびレーザ光の損失を低減さ
せることができるので、大出力レーザの出力測定を高精
度で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ出力測定器の第1の実施の
形態を示す概略断面図。
【図2】図1に示すレーザ出力測定器の内殻および外殻
からなる構造体の一例を示す斜視図。
【図3】図2に示す外殻の半球部分の内面構造を示す斜
視図。
【図4】本発明によるレーザ出力測定器の第2の実施の
形態を示す斜視図。
【図5】レーザ出力測定器の内殻を回転楕円体とした場
合を示す図。
【図6】図1に示すレーザ出力測定器の水冷管の構造を
示す断面図。
【図7】従来のレーザ出力測定方法を説明するための
図。
【符号の説明】
1 レーザ出力測定器 2 内殻(受光体) 3 外殻(包囲体) 6 容器 7 開口部(引込部、第2引込部) 9 レーザ光 11 黒化処理が施されていない部分 12 黒化処理が施された部分 14,15 水冷管 16,17 温度センサ(温度測定手段) 18 流量計 25,26,27 仕切り板 30 管(管状部材)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に空間を有するとともにこの内部の空
    間にレーザ光を引き込むための引込部を有する受光体
    と、 前記受光体の外側に配置され前記受光体との間で熱の授
    受を行う流体を循環させる流路と、 前記流路の供給側および排出側での前記流体の温度を測
    定する温度測定手段とを備えたことを特徴とするレーザ
    出力測定器。
  2. 【請求項2】前記受光体を内部に収容する包囲体をさら
    に備え、 前記包囲体は前記受光体の前記引込部にレーザ光を引き
    込むための第2引込部を有し、前記流路は前記受光体と
    前記包囲体との間の空間に形成されることを特徴とする
    請求項1記載のレーザ出力測定器。
  3. 【請求項3】前記受光体および前記包囲体はそれぞれ、
    互いに大きさが異なる中空状の球体からなることを特徴
    とする請求項2記載のレーザ出力測定器。
  4. 【請求項4】前記流路は前記受光体と前記包囲体との間
    の空間に形成されることを特徴とする請求項2または3
    記載のレーザ出力測定器。
  5. 【請求項5】前記流路は前記受光体の外側に巻き付けら
    れた管状部材であることを特徴とする請求項1記載のレ
    ーザ出力測定器。
  6. 【請求項6】前記受光体の内面は球面であることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれか記載のレーザ出力測定
    器。
  7. 【請求項7】前記受光体の内面は回転楕円面であること
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載のレーザ出
    力測定器。
  8. 【請求項8】前記受光体の内部に引き込まれるレーザ光
    の光軸は前記受光体の中心からずれていることを特徴と
    する請求項1乃至7のいずれか記載のレーザ出力測定
    器。
  9. 【請求項9】前記受光体の内面のうち前記引込部からレ
    ーザ光が直接照射される部分の反射率を、前記レーザ光
    が直接照射される部分以外の部分の反射率よりも高くし
    たことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載のレ
    ーザ出力測定器。
  10. 【請求項10】前記受光体は真空引きが可能な容器内に
    収容されていることを特徴とする請求項1乃至9のいず
    れか記載のレーザ出力測定器。
  11. 【請求項11】前記受光体は前記引込部近傍を除いて断
    熱処理されていることを特徴とする請求項1記載のレー
    ザ出力測定器。
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