JPH0854285A - 黒体炉 - Google Patents
黒体炉Info
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- JPH0854285A JPH0854285A JP6210609A JP21060994A JPH0854285A JP H0854285 A JPH0854285 A JP H0854285A JP 6210609 A JP6210609 A JP 6210609A JP 21060994 A JP21060994 A JP 21060994A JP H0854285 A JPH0854285 A JP H0854285A
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- JP
- Japan
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- furnace
- carbonaceous
- emissivity
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 開口部を大きくしても空洞部の放射率を１に
近似させることができ、長期間安定した放射率特性と均
一な温度分布を発現することができる簡易構造の黒体炉
を提供する。 【構成】 空洞内の炉底部から開口部に向かって尖鋭先
端を有する錐状の炭素質棒状体１を等間隔に配列させて
突設した構造。前記錐状の炭素質棒状体１を突設置した
炉底部おとび炉側面部に炭素質材料の均熱板２を介設
し、炉底部の均熱板部位に発熱手段３を配設した構造が
実用的態様である。
近似させることができ、長期間安定した放射率特性と均
一な温度分布を発現することができる簡易構造の黒体炉
を提供する。 【構成】 空洞内の炉底部から開口部に向かって尖鋭先
端を有する錐状の炭素質棒状体１を等間隔に配列させて
突設した構造。前記錐状の炭素質棒状体１を突設置した
炉底部おとび炉側面部に炭素質材料の均熱板２を介設
し、炉底部の均熱板部位に発熱手段３を配設した構造が
実用的態様である。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、放射温度計の検定・校
正あるいはサーモグラフィー装置の画像校正等に使用さ
れる黒体炉に係り、詳しくは広い開口部を有しながら偏
りのない高い放射率と均一な温度分布を保有する、安定
性能に優れた黒体炉に関する。
正あるいはサーモグラフィー装置の画像校正等に使用さ
れる黒体炉に係り、詳しくは広い開口部を有しながら偏
りのない高い放射率と均一な温度分布を保有する、安定
性能に優れた黒体炉に関する。
【０００２】
【従来の技術】通常、黒体炉は温度放射の標準黒体源を
形成する空洞部、黒体源を加熱するための発熱部および
これら部材を収容する枠体から構成されているが、黒体
炉から得られる見掛けの放射率は、空洞部の形状、形成
材料の表面放射率および温度分布などに大きく支配され
る。このため、前記の課題を改良目的とする技術が数多
く提案されている。
形成する空洞部、黒体源を加熱するための発熱部および
これら部材を収容する枠体から構成されているが、黒体
炉から得られる見掛けの放射率は、空洞部の形状、形成
材料の表面放射率および温度分布などに大きく支配され
る。このため、前記の課題を改良目的とする技術が数多
く提案されている。
【０００３】例えば空洞部の形状や材質の改良を課題と
した技術としては、壷型形状有する可搬型黒体炉の炉心
において、内面を等価的に球状となるように加工し放射
率その他の特性を向上させる炉心の構造（特開昭48−25
576 号公報) 、外周表面の長手方向と底部に複数本の溝
部が形成された一端開口で内部に空洞部を持つ金属ブロ
ックと、この金属ブロックの溝部に埋設された絶縁管に
挿通された発熱線と、この金属ブロックを収納する外筒
とを備えた黒体炉（特開昭58−160828号公報)等が提案
されている。しかし、前者の構造は黒体炉を小型化する
ためには有効であるが放射率が悪く、また後者の構造で
は開口部を小さくしないと放射率の向上が得られない問
題点がある。
した技術としては、壷型形状有する可搬型黒体炉の炉心
において、内面を等価的に球状となるように加工し放射
率その他の特性を向上させる炉心の構造（特開昭48−25
576 号公報) 、外周表面の長手方向と底部に複数本の溝
部が形成された一端開口で内部に空洞部を持つ金属ブロ
ックと、この金属ブロックの溝部に埋設された絶縁管に
挿通された発熱線と、この金属ブロックを収納する外筒
とを備えた黒体炉（特開昭58−160828号公報)等が提案
されている。しかし、前者の構造は黒体炉を小型化する
ためには有効であるが放射率が悪く、また後者の構造で
は開口部を小さくしないと放射率の向上が得られない問
題点がある。
【０００４】また、黒体炉の炉底を除いた空洞内壁に黒
体塗料を塗布して黒色とした黒体炉（特開昭61−29725
号公報）や熱伝導の良好な金属からなる炉体の空洞内壁
に表面処理により金属層を形成し、熱酸化により黒化し
た黒体炉（特開昭62−80524号公報) のように、金属質
の炉体空洞内面に黒体層を形成した黒体炉も知られてい
るが、これら二次的に黒体層を形成した構造では長期に
亘る使用過程で黒体層に剥落が生じて放射率が変動する
現象を起こす問題がある。
体塗料を塗布して黒色とした黒体炉（特開昭61−29725
号公報）や熱伝導の良好な金属からなる炉体の空洞内壁
に表面処理により金属層を形成し、熱酸化により黒化し
た黒体炉（特開昭62−80524号公報) のように、金属質
の炉体空洞内面に黒体層を形成した黒体炉も知られてい
るが、これら二次的に黒体層を形成した構造では長期に
亘る使用過程で黒体層に剥落が生じて放射率が変動する
現象を起こす問題がある。
【０００５】ところで、大型放射温度計の校正やサーモ
グラフィ装置の画面校正などの広い面積を必要とする校
正操作にあっては、黒体炉の開口部を空洞部に対し相対
的に大きく設計することが実用的であるが、開口部を大
きくすると空洞内部を完全黒体にすることが困難とな
る。このため、開口部からの放射エネルギーを補正する
ため数種の発熱ヒータを組み合わせて制御することも知
られている（例えば特開昭58−16184 号公報) が、黒体
炉の発熱制御構造が複雑化する欠点がある。
グラフィ装置の画面校正などの広い面積を必要とする校
正操作にあっては、黒体炉の開口部を空洞部に対し相対
的に大きく設計することが実用的であるが、開口部を大
きくすると空洞内部を完全黒体にすることが困難とな
る。このため、開口部からの放射エネルギーを補正する
ため数種の発熱ヒータを組み合わせて制御することも知
られている（例えば特開昭58−16184 号公報) が、黒体
炉の発熱制御構造が複雑化する欠点がある。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、開口
部を大きくしても空洞内部の放射率を常に１に近似させ
ることができ、長期間安定した高い放射率特性ならびに
均一な温度分布を発現することができる簡易構造の黒体
炉を提供することにある。
部を大きくしても空洞内部の放射率を常に１に近似させ
ることができ、長期間安定した高い放射率特性ならびに
均一な温度分布を発現することができる簡易構造の黒体
炉を提供することにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による黒体炉は、空洞内の炉底部から開口部
に向かって尖鋭先端を有する錐状の炭素質棒状体を等間
隔に配列させて突設してなることを構成上の特徴とす
る。
めの本発明による黒体炉は、空洞内の炉底部から開口部
に向かって尖鋭先端を有する錐状の炭素質棒状体を等間
隔に配列させて突設してなることを構成上の特徴とす
る。
【０００８】また、上記の構成において、錐状の炭素質
棒状体を突設した炉底部および炉側面部に炭素質材料か
らなるの均熱板を介設し、炉底部の均熱板部位に発熱手
段を配設することが本発明の実用的な構成態様となる。
棒状体を突設した炉底部および炉側面部に炭素質材料か
らなるの均熱板を介設し、炉底部の均熱板部位に発熱手
段を配設することが本発明の実用的な構成態様となる。
【０００９】図１は本発明に係る黒体炉を例示した断面
図で、１は空洞内の炉底部から開口部に向かって等間隔
に配列突設された尖鋭先端を有する錐状の炭素質棒状
体、２は前記錐状の炭素質棒状体１を突設した炉底部お
よび炉側面部に介設された炭素質材料からなる均熱板、
３は炉底部の均熱板部位に配設された発熱手段、４は断
熱材５を内蔵した外枠、そして６は開口部である。
図で、１は空洞内の炉底部から開口部に向かって等間隔
に配列突設された尖鋭先端を有する錐状の炭素質棒状
体、２は前記錐状の炭素質棒状体１を突設した炉底部お
よび炉側面部に介設された炭素質材料からなる均熱板、
３は炉底部の均熱板部位に配設された発熱手段、４は断
熱材５を内蔵した外枠、そして６は開口部である。
【００１０】尖鋭先端を有する錐状の炭素質棒状体を構
成する炭素質材料の種類には特に限定はなく、通常の炭
素材、黒鉛材あるいはガラス状カーボン材など適宜なも
のが用いられるが、具備特性として熱伝導率が１００kc
al/m.hr.deg 以上で、かつ放射率が０．８以上であるこ
とが好ましい。熱伝導率が１００kcal/m.hr.deg 未満で
あると黒体炉の均熱性が確保し難くなり、放射率が０．
８を下回ると黒体精度が低下する。
成する炭素質材料の種類には特に限定はなく、通常の炭
素材、黒鉛材あるいはガラス状カーボン材など適宜なも
のが用いられるが、具備特性として熱伝導率が１００kc
al/m.hr.deg 以上で、かつ放射率が０．８以上であるこ
とが好ましい。熱伝導率が１００kcal/m.hr.deg 未満で
あると黒体炉の均熱性が確保し難くなり、放射率が０．
８を下回ると黒体精度が低下する。
【００１１】錐状の炭素質棒状体の形状としては、例え
ば図２に示すような円錐形状、あるいは図３に示したよ
うな円柱の先端部分を尖鋭状に加工した形体とすること
が好ましいが、角錐形や角柱の先端部分を尖鋭化した形
状であってもよい。また、該錐状の炭素質棒状体の寸法
としては、基幹部（最大直径部）の直径が０．２〜５m
m、長さ１０〜１００mm、尖鋭先端部の角度６０°以下
に設計することが好適である。前記直径が０．２mm未満
では材質強度が弱くなって実用性に欠け、他方５mmを越
えると各炭素質棒状体の面が広くなって光の反射損失が
生じ、放射率の減退を招くようになる。また、長さが１
０mmより短くなると乱反射および吸収されずに系外に漏
出する光が生じて放射率が低下し、１００mmを越えると
温度制御が困難となるうえ、大型化し過ぎて実用性に乏
しくなる。尖鋭先端部の角度６０°を越えるような鈍角
になると、反射により直接系外に放射する光が発生し、
放射率が低下するようになる。
ば図２に示すような円錐形状、あるいは図３に示したよ
うな円柱の先端部分を尖鋭状に加工した形体とすること
が好ましいが、角錐形や角柱の先端部分を尖鋭化した形
状であってもよい。また、該錐状の炭素質棒状体の寸法
としては、基幹部（最大直径部）の直径が０．２〜５m
m、長さ１０〜１００mm、尖鋭先端部の角度６０°以下
に設計することが好適である。前記直径が０．２mm未満
では材質強度が弱くなって実用性に欠け、他方５mmを越
えると各炭素質棒状体の面が広くなって光の反射損失が
生じ、放射率の減退を招くようになる。また、長さが１
０mmより短くなると乱反射および吸収されずに系外に漏
出する光が生じて放射率が低下し、１００mmを越えると
温度制御が困難となるうえ、大型化し過ぎて実用性に乏
しくなる。尖鋭先端部の角度６０°を越えるような鈍角
になると、反射により直接系外に放射する光が発生し、
放射率が低下するようになる。
【００１２】上記の形状寸法を備える錐状の炭素質棒状
体１は、炉底部に位置する均熱板２に等間隔に配列さ
せ、尖鋭先端が開口部６の方向に向くように突設され
る。配列の状態は、多数の炭素質棒状体を縦横１列に、
もしくは千鳥掛状に整列させるような一定パターンと
し、配列する各炭素質棒状体の間隔は５mm以内の範囲で
等間隔に設定することが好ましい。間隔が５mmを越える
と光の乱反射および吸収の効率が減退し、放射率が低下
する。なお、錐状の炭素質棒状体１を均熱板２に設置す
る手段としては、均熱板面に嵌入孔を配列して穿設し、
この孔に炭素質棒状体の基端部を嵌合して植設する方
法、あるいは炭素質微粉末を含む樹脂ペーストで接合す
る方法、これらを併用する方法などが適用される。
体１は、炉底部に位置する均熱板２に等間隔に配列さ
せ、尖鋭先端が開口部６の方向に向くように突設され
る。配列の状態は、多数の炭素質棒状体を縦横１列に、
もしくは千鳥掛状に整列させるような一定パターンと
し、配列する各炭素質棒状体の間隔は５mm以内の範囲で
等間隔に設定することが好ましい。間隔が５mmを越える
と光の乱反射および吸収の効率が減退し、放射率が低下
する。なお、錐状の炭素質棒状体１を均熱板２に設置す
る手段としては、均熱板面に嵌入孔を配列して穿設し、
この孔に炭素質棒状体の基端部を嵌合して植設する方
法、あるいは炭素質微粉末を含む樹脂ペーストで接合す
る方法、これらを併用する方法などが適用される。
【００１３】炉底部および炉側面部に介設される均熱板
２は、炭素質材料を加工して形成される。該均熱板２を
構成する炭素質材料も、錐状の炭素質棒状体１と同様に
熱伝導率が１００kcal/m.hr.deg 以上で、放射率が０．
８以上の材質を選択することが好ましい。熱伝導率が１
００kcal/m.hr.deg 未満であると黒体炉の均熱性が確保
し難くなり、放射率が０．８を下回ると黒体精度が低下
からである。炉底部の均熱板部位に配設する発熱手段３
には、ニクロム線ヒーターや面状ヒーターが用いられ、
均熱板２に埋め込むか背面に接合して設置される。
２は、炭素質材料を加工して形成される。該均熱板２を
構成する炭素質材料も、錐状の炭素質棒状体１と同様に
熱伝導率が１００kcal/m.hr.deg 以上で、放射率が０．
８以上の材質を選択することが好ましい。熱伝導率が１
００kcal/m.hr.deg 未満であると黒体炉の均熱性が確保
し難くなり、放射率が０．８を下回ると黒体精度が低下
からである。炉底部の均熱板部位に配設する発熱手段３
には、ニクロム線ヒーターや面状ヒーターが用いられ、
均熱板２に埋め込むか背面に接合して設置される。
【００１４】均熱板２の周囲は、例えばシリカウール、
炭素繊維、炭素粒、レンガ片などの断熱材５を収納した
外枠４により被包し、炭素質棒状体１の尖鋭先端側を開
口させて開口部６を形成する。開口部６の大きさは、最
大で配列した錐状の炭素質棒状体の面積と同等程度に広
く採ることができ、これ以下の開口部を形成することは
任意である。
炭素繊維、炭素粒、レンガ片などの断熱材５を収納した
外枠４により被包し、炭素質棒状体１の尖鋭先端側を開
口させて開口部６を形成する。開口部６の大きさは、最
大で配列した錐状の炭素質棒状体の面積と同等程度に広
く採ることができ、これ以下の開口部を形成することは
任意である。
【００１５】
【作用】本発明の黒体炉によれば、空洞内に炉底部から
開口部に向かって突起する多数の尖鋭先端をもつ錐状の
炭素質棒状体が、光を効率よく乱反射および吸収し、放
射率を限りなく１に近づけるために機能する。この作用
で、開口部を広くしても光が反射して系外に漏出するこ
とはなく、また放射率の変動や分布の不均一を生じるこ
となしに、常に安定した高い放射率が確保される。
開口部に向かって突起する多数の尖鋭先端をもつ錐状の
炭素質棒状体が、光を効率よく乱反射および吸収し、放
射率を限りなく１に近づけるために機能する。この作用
で、開口部を広くしても光が反射して系外に漏出するこ
とはなく、また放射率の変動や分布の不均一を生じるこ
となしに、常に安定した高い放射率が確保される。
【００１６】そのうえ、炭素質棒状体および均熱板が材
質的に安定な炭素質材料により構成されており、特に熱
伝導率が１００kcal/m.hr.deg 以上で、放射率が０．８
以上の材質を選択した場合には、放射率の波長依存性が
少なく、空洞部全体として良好な均熱性を付与すること
ができる。
質的に安定な炭素質材料により構成されており、特に熱
伝導率が１００kcal/m.hr.deg 以上で、放射率が０．８
以上の材質を選択した場合には、放射率の波長依存性が
少なく、空洞部全体として良好な均熱性を付与すること
ができる。
【００１７】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
体的に説明する。
【００１８】実施例１〜３、比較例１〜２ 熱伝導率１２０kcal/m.hr.deg 、放射率０．８２の炭素
材を加工し、寸法形状の異なる錐状の炭素質棒状体およ
び均熱板（厚さ２０mm）を作製した。該均熱板に一定間
隔で整列する多数の孔を穿設し、前記の炭素質棒状体の
基幹部を嵌合したのち、炭素微粉末を分散させた樹脂ペ
ーストで接合した。このようにして錐状の炭素質棒状体
を１００cm2 の円形面積範囲に植設した均熱板を炉底部
とし、側面部に同一の炭素材料で形成した円筒状均熱板
を配置して空洞部を区画形成した。前記炉底部の均熱板
の背面に面状ヒーターを展設し、周辺を炭素粒断熱材を
収納した外枠で囲って図１に示す構造の黒体炉を製作し
た。
材を加工し、寸法形状の異なる錐状の炭素質棒状体およ
び均熱板（厚さ２０mm）を作製した。該均熱板に一定間
隔で整列する多数の孔を穿設し、前記の炭素質棒状体の
基幹部を嵌合したのち、炭素微粉末を分散させた樹脂ペ
ーストで接合した。このようにして錐状の炭素質棒状体
を１００cm2 の円形面積範囲に植設した均熱板を炉底部
とし、側面部に同一の炭素材料で形成した円筒状均熱板
を配置して空洞部を区画形成した。前記炉底部の均熱板
の背面に面状ヒーターを展設し、周辺を炭素粒断熱材を
収納した外枠で囲って図１に示す構造の黒体炉を製作し
た。
【００１９】上記の各黒体炉につき、錐状の炭素質棒状
体の半長部（中間位置）の温度が約１００℃になるよう
に発熱制御しながら、放射率および温度分布を測定し
た。放射率の測定は遠赤外線分光放射率計〔日本電子
（株）製〕を用い、４〜２０μmの積分放射率を求める
方法で行い、この場合の開口部は直径２０mmとした。ま
た温度分布の測定は、サーモグラフィー装置〔日本電子
（株）製〕を用いて開口部の温度差を計測する方法で行
い、この場合の開口部は直径１００mmとした。放射率お
よび温度分布の測定結果を、黒体炉に設置した錐状の炭
素質棒状体の形状寸法と対比させて表１に示した。な
お、比較のために円錐形および球形の空洞部内面に黒体
塗料を塗布した従来構造の黒体炉についても同一の測定
を行い、結果を比較例として表１に併載した。
体の半長部（中間位置）の温度が約１００℃になるよう
に発熱制御しながら、放射率および温度分布を測定し
た。放射率の測定は遠赤外線分光放射率計〔日本電子
（株）製〕を用い、４〜２０μmの積分放射率を求める
方法で行い、この場合の開口部は直径２０mmとした。ま
た温度分布の測定は、サーモグラフィー装置〔日本電子
（株）製〕を用いて開口部の温度差を計測する方法で行
い、この場合の開口部は直径１００mmとした。放射率お
よび温度分布の測定結果を、黒体炉に設置した錐状の炭
素質棒状体の形状寸法と対比させて表１に示した。な
お、比較のために円錐形および球形の空洞部内面に黒体
塗料を塗布した従来構造の黒体炉についても同一の測定
を行い、結果を比較例として表１に併載した。
【００２０】
【表１】
【００２１】表１の結果から、本発明の構造を有する実
施例の黒体炉は、いずれも比較例の黒体炉に比べて全放
射率が高く、放射率分布および温度分布が均一であるこ
とが認められた。
施例の黒体炉は、いずれも比較例の黒体炉に比べて全放
射率が高く、放射率分布および温度分布が均一であるこ
とが認められた。
【００２２】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば空洞内の
炉底部から開口部に向かって尖鋭先端を有する錐状の炭
素質棒状体を等間隔に配列設置した構造とすることによ
り、光を効率よく乱反射および吸収して放射率を１に近
似させることができるから、開口部を大きくしても高放
射率を維持し、かつ放射率分布や温度分布の均一性を損
ねることなしに、常に安定した性能を発揮する黒体炉を
提供することが可能となる。そのうえ、黒体炉の空洞部
材が炭素質材料で構成されているから、黒体塗料を塗布
する必要がなく、また構造的も複雑でないから、放射温
度計の校正あるいはサーモグラフィー装置の画面校正な
どの目的に対して極めて高い実用性が期待される。
炉底部から開口部に向かって尖鋭先端を有する錐状の炭
素質棒状体を等間隔に配列設置した構造とすることによ
り、光を効率よく乱反射および吸収して放射率を１に近
似させることができるから、開口部を大きくしても高放
射率を維持し、かつ放射率分布や温度分布の均一性を損
ねることなしに、常に安定した性能を発揮する黒体炉を
提供することが可能となる。そのうえ、黒体炉の空洞部
材が炭素質材料で構成されているから、黒体塗料を塗布
する必要がなく、また構造的も複雑でないから、放射温
度計の校正あるいはサーモグラフィー装置の画面校正な
どの目的に対して極めて高い実用性が期待される。
【図１】本発明に係る黒体炉を例示した断面図である。
【図２】円錐形状による錐状の炭素質棒状体の配列状態
を示した斜視図である。
を示した斜視図である。
【図３】尖鋭先端をもつ円柱形状による錐状の炭素質棒
状体の配列状態を示した斜視図である。
状体の配列状態を示した斜視図である。
１ 錐状の炭素質棒状体 ２ 均熱板 ３ 発熱手段 ４ 外枠 ５ 断熱材 ６ 開口部
Claims (3)
- 【請求項１】 空洞内の炉底部から開口部に向かって尖
鋭先端を有する錐状の炭素質棒状体を等間隔に配列させ
て突設してなることを特徴とする黒体炉。 - 【請求項２】 錐状の炭素質棒状体を突設した炉底部お
よび炉側面部に炭素質材料からなるの均熱板を介設し、
炉底部の均熱板部位に発熱手段を配設した請求項１記載
の黒体炉。 - 【請求項３】 錐状の炭素質棒状体および均熱板が、熱
伝導率１００kcal/m.hr.deg 以上で、かつ放射率０．８
以上の炭素質材料で構成された請求項１又は２記載の黒
体炉。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6210609A JPH0854285A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 黒体炉 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6210609A JPH0854285A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 黒体炉 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0854285A true JPH0854285A (ja) | 1996-02-27 |
Family
ID=16592164
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6210609A Pending JPH0854285A (ja) | 1994-08-11 | 1994-08-11 | 黒体炉 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0854285A (ja) |
Cited By (9)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007534957A (ja) * | 2004-10-01 | 2007-11-29 | ビ−エイイ− システムズ パブリック リミテッド カンパニ− | 高放射率の放射体 |
| JP2009153770A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Panasonic Corp | 調理器 |
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