JP5021012B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技動作制御を統括する主制御手段と、主制御手段が送信する賞球数を示すコマンドを受信したことに応じて、賞球数について賞球払出動作を行う球払出制御手段と、を備えた遊技機に関する。
近年の遊技機は、遊技動作制御を統括するメインCPU(主制御部)からのコマンドに応じて周辺装置等のサブCPUが動作を行うようになっていて、賞球払出制御部のサブCPUも主制御部からのコマンド送信によって実行されるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001―190800号公報
しかしながら、電源供給が開始された場合に主制御部から賞球払出制御部に払出を許可する指令を送信することがないため、主制御部が何らかの事情で異常となり通常動作が行えないときにでも、賞球払出制御部が勝手に払出動作を進行させてしまう恐れがあり、遊技機の信頼性を損ねることに繋がっていた。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、主制御手段が球払出制御手段へ送信するコマンドを改良することによって、球払出に関わる制御効率や信頼性を向上させた遊技機を提供することを目的とする。
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
遊技動作制御を統括する主制御手段と、前記主制御手段が送信する賞球数を示すコマンドを受信したことに応じて、前記賞球数について賞球払出動作を行う球払出制御手段と、を備えた遊技機において、前記主制御手段は、電源供給が開始されたことを検出した場合、前記球払出制御手段に対して賞球払出動作を許可するコマンドを送信し、前記球払出制御手段は、前記賞球払出動作を許可するコマンドを受信した場合、賞球払出動作が可能な状態に設定し、前記賞球数を示すコマンド及び前記賞球払出動作を許可するコマンドは、それぞれコマンドの分類を示すため第一のデータと実行されるコマンドの内容を定義した第二のデータとを組合せて1つのコマンドとして構成され、前記主制御手段から送信される前記賞球数を示すコマンドを構成する前記第一のデータを、前記球払出制御手段が受信した直後に前記電源供給が遮断された場合、前記球払出制御手段は、バックアップ電源により前記第一のデータを第一のデータ記憶領域に記憶し、その後に前記電源供給が開始された場合には、前記主制御手段から送信される前記賞球払出動作を許可するコマンドを受信して、前記コマンドを専用領域であるバッファに記憶するとともに、前記主制御手段から送信される前記賞球数を示すコマンドを構成する前記第二のデータを受信して、第二のデータ記憶領域に記憶し、前記第二のデータと記憶済の前記第一のデータとに基づいて前記賞球払出動作を行う。
なお、このような制御は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に制御プログラムを記録しておき、コンピュータがこの記録媒体に記録した制御プログラムを読み取って実行することによって実現できる。このような記録媒体としては、ROM、半導体IC等の半導体記録媒体、DVDROM、CDROM等の光記録媒体、フレキシブルディスク等の磁気記録媒体、MO等の光磁気記録媒体が挙げられる。また、制御プログラムは、通信網を介して情報処理装置からダウンロードさせるようにすることも可能である。なお、本発明では、賞球と貸玉で「球」と「玉」とをそれぞれ別個のものと理解し易いように区別しているが、物体としては同一のものであり、また、払出しと排出も同様に同じ意味である。
本発明によれば、コマンド形態を簡素化するとともに、内容の異なるコマンドを明瞭に区別可能なデータとすることで、球払出に関わる制御効率や信頼性を向上できるという効果が得られる。
遊技盤10の模式的な説明図である。 遊技機の制御ブロック図である。 特別図柄表示装置100のブロック構成図である。 キャラクタROMメモリマップ、パレットデータの説明図である。 コマンド送受信のタイミングを示すタイミングチャートである。 コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。 コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。 コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。 コマンドデータテーブル領域202に格納されるコマンドの説明図である。 遊技機の遊技制御動作を説明するためのゼネラルフローチャートである。 特別図柄表示装置100のCPU1020の制御動作を説明するためのフローチャートである。 コマンドのデータ構造の説明図である。 図柄表示のためのコマンド送信タイミングを示すタイミングチャートである。 送信コマンドの説明図である。 遊技機3000の正面側構成の模式的説明図である。 球排出機構の構造の模式的説明図である。 各制御部を含む構成図である。 テーブル1800の説明図である。 バッファ1740の説明図である。 動作の説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。先ず通常の遊技機の構成や動作を説明してから、本発明の主要な動作を説明することによって本発明の理解の容易化を図る。
図1は、遊技盤10の模式的な説明図である。遊技盤10の略中央部には、3つ(左、中、右)の表示エリアを有していて、各表示エリアにおいて、独立して数字やキャラクタによる図柄で構成される識別情報が変動表示可能である特別図柄表示装置100が配設されており、その真下には特別図柄始動口104が配設されている。この特別図柄始動口104の両側には、普通図柄作動ゲート102、102が配設されている。また、一対の開閉部材120、120が特別図柄始動口104を形成するように離間して開閉可能に設けられている。
さらに、特別図柄始動口104の下方には、大入賞口106、普通図柄表示装置108、アウト口114がこの順で配設されている。特別図柄始動口104の両斜め上方には、ランプ表示装置110、110が配設されていると共に、遊技盤10の両側端部近傍にもランプ表示装置(より具体的にはLED装置)112、112が配設されている。
特別図柄始動口104に遊技玉が入賞されて乱数抽選が行われ、この抽選された乱数が大当り値である時には、各表示エリアにおいて少なくとも1つの識別情報の変動表示が開始され、その後、当り有効ライン上に所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて遊技者にとって有利な大当り遊技状態となる。
普通図柄作動ゲート102が遊技玉の通過を検出すると、乱数抽選が行われ、この抽選された乱数が小当り値である時には、普通図柄表示装置108の表示部を所定パターン(例えば「7」や「3」)に表示させ、その後に、開閉部材120が開状態となって、遊技玉が特別図柄始動口104に入賞した場合にも、同様に乱数抽選が行われ、この抽選された乱数が大当り値である時には、各表示エリアにおける変動表示が開始され、その後、当り有効ライン上に所定表示パターン(例えば「7、7、7」)の表示が特別図柄表示装置100によって行われ、大入賞口106が所定パターンで開閉制御されて、遊技者にとって有利な大当り状態となる。一方、入賞されない打玉は、アウト口114を介して排出される。
図2は、このような遊技の進行状況に応じた遊技機制御が行われる遊技機の主要部のみを示した制御ブロック図である。遊技動作制御を統括する主制御部200は、CPUを内蔵したマイクロプロセッサを搭載していて、後に説明する特別図柄表示装置100を制御するための各種のコマンドを少なくとも含む多種多様な制御コマンドを格納するコマンドデータテーブル領域202及び一連の遊技機制御手順を記述した制御プログラムや制御データ等の遊技制御プログラムを格納するROM201とワークエリアが形成されるRAM203とが設けられていて、一体型のワンチップマイコンとなっている。主制御部200が所定周期で遊技制御プログラムを繰り返して実行することによって遊技動作が行われることになる。
主制御部200には、入力ポート210を介して各種の周辺装置が接続されている。即ち、主制御部200には、特別図柄始動口104内部に設けられ遊技玉の特別図柄始動口104への入賞を検出する特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動ゲート102の内部に設けられ遊技玉のゲート通過を検出する普通図柄作動スイッチ306、及び大入賞口106の内部に設けられ遊技玉の大入賞口106への入賞を検出する大入賞口スイッチ308が接続され、主制御部200は各検出信号を受信可能となっている。
また、主制御部200には、出力ポート215を介して多数の周辺装置が接続されている。この周辺装置として、図2では、特別図柄やキャラクタを表示する表示部を3つ有して夫々を独立して可変表示可能でLCD等で実現される特別図柄表示装置100、ランプを点灯制御するランプ表示装置110、112、効果音を発生する効果音発生装置116、例えば7セグメント表示デバイスで実現される普通図柄表示装置108、始動口の開閉部材120を開閉制御するための始動口作動ソレノイド300、及び大入賞口106の幅広な開閉部材を開閉制御するための大入賞口作動ソレノイド302等が接続され、主制御部200は各装置を制御するための制御信号を送信可能となっている。
主制御部200は、特に特別図柄表示装置100に対しては所定数個の表示制御用のコマンドを所定のタイミングで送信可能となっている。特別図柄表示装置100は、受け取ったコマンドに基いて、主制御部200に頼らずに自身内のCPUが細かな表示制御を行うようになっている。
特別図柄始動口104への遊技球の入賞に応じて図柄表示演出を行なう特別図柄表示装置100、この図柄表示演出と共に効果音発生による音出力演出を行う効果音発生装置116、及び図柄表示演出と共に図示しない点灯部の点消灯制御を行って点消灯演出を行なうランプ表示装置110(112)が演出用周辺装置群を構成している。
主制御部200には、電源供給を行うための電源回路212や所定時間毎にリセット信号を出力するリセット回路213とが接続されている。リセット回路213には、主制御部200から周期的タイマカウンタによって生成されたパルス信号が入力されると共に、電源回路212からの電流供給状況を監視するためのモニタ信号が入力される。
図12に示すように、主制御部200から特別図柄表示装置100に送られる表示制御用のコマンドは、コマンドの分類を識別するための識別子で1バイト長のデジタル情報であるモード(MODE)と、実行されるコマンドの内容(機能)を示す1バイト長のデジタル情報であるイベント(EVENT)とでなっている。図6乃至図9は、ROM201のコマンドデータテーブル領域202上や図3の特別図柄表示装置100のプログラムROM1040に格納される表示制御用コマンドの一部を示している。
図6乃至図9に示すように、表示制御用のコマンドには、「特別図柄を変動させるとともに、変動パターンを指定するためのコマンド(第1のコマンド)」、「特別図柄左の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄中の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄右の停止図柄を指定するコマンド(第2のコマンド)」、「特別図柄を停止させるためのコマンド(第3のコマンド)」がある。なお、第1のコマンドには、図柄をどのようなパターンで変動表示させるか、キャラクタをどのようなパターンで表示演出させるか等の変動パターンを指定する情報を含んだコマンドとなっている。主制御部200は、図柄変動表示を開始させるような遊技状況となったとき、これらの5つのコマンドを1回の変動表示制御において所定のタイミングで特別図柄表示装置100に送信する。
図3は、特別図柄表示装置100のブロック構成図である。特別図柄表示装置100は、主制御部200からのストローブ信号やコマンドを受信するためのデータ受信回路1140(データレベルを変換する電圧変換回路を含む)と、この電圧変換回路等に電源供給を行う電源回路1160と、受信したコマンドに基づいて表示制御を行うために必要な制御データを生成して画像処理用LSI(VDP)1060に出力するCPU1020(表示制御手段)と、CPU1020の動作手順を記述したプログラムを内蔵するプログラムROM1040と、ワークエリアやバッファメモリとして機能するRAM1090と、画像展開処理を行う画像処理用LSI(VDP)1060と、画像処理用LSI(VDP)1060が展開した画像データを一時的に記憶するビデオRAM1080と、画像処理用LSI(VDP)1060が画像展開するために必要なデータを格納したキャラクタROM1180と、ビデオRAM1080に一時的に記憶された画像データを受け取って送出するLCDパネル用インターフェイス回路1100と、このLCDパネル用インターフェイス回路1100から送出された画像データを用いて表示画像を出力するLCDパネル1120とを有している。
主制御部200がROM201に記録されている制御プログラムを実行することによって、本発明の特徴部を含む以下の処理が実行されるようになっている。なお、プログラムを記録しておくための記録媒体は、ROMには限られず、デジタル情報を記録可能で、この記録したデジタル情報をアクセス可能な記録媒体であればいかなるものでも良い。また、この制御プログラムは、図示しない通信網(有線・無線を問わない)を介して情報処理装置(図示せず)からダウンロードするようにしても良い。
図4(a)に示すように、キャラクタROM1180は、ROMタイトル領域、ROM管理情報領域、実際のキャラクタデータを格納したキャラクタイメージデータ領域、キャラクタの色彩データを格納したパレットデータ領域、及びキャラクタの動きを定義した情報を格納したシナリオデータ領域を有している。キャラクタデータは、特定の圧縮方法で圧縮された状態でキャラクタイメージデータ領域に格納されており、さらに、図4(b)に示すように、パレットデータ領域は、色番号とカラーコードとが対となったものが複数種類格納されている。
特別図柄表示装置100のCPU1020は、データ受信回路1140が受信したコマンドに応じて生成した制御データを画像処理用LSI(VDP)1060に与えると、画像処理用LSI(VDP)1060は、キャラクタイメージデータ領域から獲得したキャラクタデータを解凍してパレットデータ領域から獲得した色彩データで色付けして、シナリオデータ領域から獲得した情報で指定されたビデオRAM1080上の位置に画像展開したデータを一時的に格納し、一時的に格納したデータをLCDパネル用インターフェイス回路1100に送ることによって、LCDパネル1120によって、変動表示速度変化等を含む様々な画像表示が細かに行われる。
図5は、コマンド送受信タイミングを示したタイミングチャートである。前述したように、コマンドは、1バイト長のモードデータ(MODE)と、同じく1バイト長のイベントデータ(EVENT)からなっている。この例では、主制御部200は、コマンド変化時に自身が生成するストローブ信号(DUSTB)の1つ目の立ち上がりを契機として、モードデータ(MODE)情報を送信し、次いでストローブ信号(DUSTB)の2つ目の立ち上がりを契機として、イベントデータ(EVENT)情報を送信する。すると、これに対応して、特別図柄表示装置のCPU1020は、ストローブ信号(DUSTB)が送信されてくると割り込みを発生させ、この割り込み処理によってコマンドを受信してRAM1090に格納する。
次に、主制御部200や特別図柄表示装置100のCPU1020が行う通常の制御動作を図10(遊技制御のゼネラルフローチャート)や図11を参照して説明し、その後、本発明の特徴的な動作について説明して本発明の理解の容易化に努める。なお、図10に示す一連の処理は、主制御部200が実行するが、リセット回路213から所定時間(例えば4msec)毎に供給されるリセット信号をトリガとして先頭のステップから実行され、この一連の処理が繰り返し実行させるようになっている。
図示しない電源スイッチによって電源回路212を起動状態とすると主制御部200が起動状態となるが、この電源投入が行われてから初めての処理が実行されたか否かを判定する(ステップS110)。電源投入後、初めての処理の場合には(Yes)ステップS200に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS120に移行する。
ステップS200では、RAM203の初期化処理として記憶エリアのクリア処理を実行し、次いで、ステップS210では、初期制御処理を行うためのデータをRAM203の所定の領域にセットする。一方、ステップS120では、RAM203内に形成される図示しない大当り判定用、小当り判定用等の各種の乱数生成用ループカウンタのカウント値をインクリメントし、ステップS130では、遊技機制御に用いる各種のタイマのタイマ値を更新する。
ステップS140において、特別図柄始動スイッチ304、普通図柄作動スイッチ306、大入賞口スイッチ308が出力した検出信号を入力ポート210を介して図示しない自身内のレジスタに読み込み格納する入力ポート処理を実行し、次いで、ステップS150に移行してポート入力処理で読み込み格納したデータを把握するためのスイッチチェック処理を実行する。
次に、ステップS160にて各スイッチ304、306、308等の断線や短絡の有無のチェックを行い、これらの障害が発生している場合には(Yes)ステップS220に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS180に移行する(ステップS170)。
ステップS180において、普通図柄表示装置108の表示制御に必要なデータをRAM203の所定領域に格納すると共に、特別図柄表示装置100の表示制御に必要なコマンド(先に図6乃至図9にて説明したコマンドを含む)をRAM203の所定領域に格納して、前記各種のタイマのタイマ値を減じる(ステップS190)。なお、ステップS180において、主制御部200は、遊技制御に応じて必要なモード、イベントのコマンドをコマンドデータテーブル領域202を参照して決定し、決定したモード、イベントを示すデジタル情報をRAM203の所定エリアに格納する。
ステップS195において、大入賞口106と特別図柄始動口104の開閉部材120とを所定パターンで開閉制御するために、始動口作動ソレノイド300と大入賞口作動ソレノイド302とを駆動制御する。次いで、ステップS220において、後述する球払出制御部1700に払出し動作を行わせるための制御情報(賞球数信号)を出力するための賞球セット処理を実行し、さらにステップS230、240、250において、図示しない遊技機管理装置に各種の遊技データを出力する外部情報処理、ランプ表示装置110、112を遊技状態に対応させて点灯制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する表示灯制御処理、効果音発生装置116を遊技状態に対応させて効果音発生制御するためのコマンドをRAM203の所定エリアに格納する効果音処理を実行する。
ステップS260では、各処理でRAM203に格納したデータを出力ポート215を介して対応する装置に出力し(ポート出力処理)、これを受け取った装置側はこれに基づいた制御動作を行う。そして、特別図柄表示装置100に対して、まず、ストローブ信号を出力し、ステップS180にてRAM203に格納されたモード、イベントのデータを先に図5に示したようにして送信する。これによって、特別図柄表示装置100には、例えば図6乃至図9にて示したコマンドが主制御部200から送信され、受信することになる。
ステップS270では、リセット回路213からリセット信号が入力されるまでリセット待機処理を実行すると共に、リセット信号が入力された場合にはステップS110に移行して遊技機制御を継続する。なお、このリセット待機処理としては、先に述べた各種の乱数生成用のカウンタの更新等が挙げられる。
次に、コマンドを受け取った特別図柄表示装置100のCPU1020の動作について、図11を参照しつつ説明する。まず、ステップS1100において、CPU1020は、自身のスタックポインタの設定、RAM1090の初期化、レジスタクリア等の自身の初期化等を行い、ステップS1102において、新しいコマンドが入力されたか否かを判断する。新たな表示制御のためのコマンドが入力されたと判断された場合には(Yes)、ステップS1104に移行する一方、これ以外の場合には(No)ステップS1110に移行する。
ステップS1104では、図5において説明した割り込み処理において、データ受信回路1140が受信したコマンドをRAM1090にコピーし、コマンドが正常か否かのチェック等を行う。次に、CPU1020は、主制御部200とは独立して細かな表示制御を行うための必要なコマンドを得るべく、処理テーブル(図示せず)の先頭アドレスを決定し、次いでステップS1108において、画像処理用LSI1060へ出力するためにRAM1090の必要なエリアのデータを更新する。
ステップS1110において、RAM1090にセットされている図柄制御用データに基づいて、画像処理用LSI1060へ出力するためのスクロールデータを求めてRAM1090にセットし、図柄表示位置を設定し、次いで、ステップS1112において、図柄速度制御に必要なデータを、プログラムROM1040に内蔵されている速度テーブル(図示せず)から取得してRAM1090にセットし、次にステップS1114において、速度データに基づいて図柄オフセット値を更新し、設定された速度で図柄変動を行うための準備を行う。
ステップS1116において、RAM1090にセットされているアニメーション処理用データが格納されているアニメーション処理用テーブル(図示せず)からアニメーションデータを取得し背景画像の表示のための準備を行い、RAM1090内のVDP出力用バッファにセットし、出力許可フラグが「1」か否かを判断する(ステップS1118)。
出力許可フラグが「1」でない場合(No)には、ステップS1102に戻って一連の処理を繰り返す。また、出力許可フラグが「1」の場合(Yes)には、ステップS1120にて、VDP出力用バッファにセットされているデータを画像処理用LSI1060に出力する。画像処理用LSI1060は、これに応じてキャラクタROM1180のデータを獲得して画像展開し、画像展開されたデータは、ビデオRAM1080に一時的に記憶された後、LCDパネル用インターフェイス回路1100に送られLCDパネル1120による画像表示が行われる。このようにして、特別図柄表示装置100における設定された表示位置において、設定された速度での図柄変動表示や背景画像の表示等が行われる。
図13、図14は、主制御部200から特別図柄表示装置100へ送信するコマンドの送信タイミングの一例、送信コマンドの説明図である。これらの図を参照すれば分かるように、主制御部200は、特別図柄始動口104に遊技球が入賞した等の所定の条件が満足されると、まず、「図柄変動を開始させるとともに変動パターンを指定するためのコマンドを送信し(1)、これからT1時間経過後に左停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(2)、これからT2時間経過後に中停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(3)、これからT3時間経過後に右停止図柄を指定するためのコマンドを送信し(4)、そして、変動開始からT時間経過後に全図柄を停止させるためのコマンド(5)を送信する。そして、これらのコマンドを受信した特別図柄表示装置100のCPU1020は、コマンド1の受信を契機として図柄変動表示を行い、その後、コマンド5の受信を契機としてコマンド2から4で指定された停止図柄での停止表示制御を行う。
本発明の実施形態の遊技機3000の正面側外観図は、図15に示すようになっており、遊技機3000の中央部やや下方に設けられ賞球や貸玉が供給される上皿3010の右端部には、玉貸ボタン3020が設けられている。さらに、遊技機3000の左方には、縦長のプリペードカードユニット500が配設されている。このプリペードカードユニット500には、貸出可能球数等の有価価値が記録されたカード(図示せず)を挿入するためのカード挿入口501が形成されている。
図17に示すように、プリペードカードユニット500内に設けられるカードユニット側制御部1710と、遊技機3000内に設けられる球払出制御部1700とは相互に所要の情報を通信可能に接続される。球払出制御部1700は、主制御部200からの賞球払出し指示コマンドを受信可能に構成されている。また、球払出制御部1700は、後に説明する回転軸1630を回転駆動するためのモーター1705を駆動制御可能に構成されている。さらに、球貸ボタン3020の操作信号は、カードユニット側制御部1710が検出可能にされている。なお、より具体的には、貸玉数を入力するための操作ボタン等が設けられるようにしても良い。そして、これら制御部1700、1710は、CPUがROMに記録された制御プログラムを、ワークエリアとしてのRAMを使用しながら実行することによって実現可能である。
また、球払出制御部1700には受信したコマンドを格納するバッファ1740が設けられている。さらに球払出制御部1700は、バックアップ電源1720と電源供給検出部1730とが接続されている。電源供給検出部1730は電源供給が行われている場合にはこれを検出してハイレベルの検出信号を出力する一方、電源供給が途絶えた場合(電断)にはこれを検出してローレベルの検出信号を出力する。かくして球払出制御部1700は電源供給検出部1730からの検出信号を把握することによって電断や電断からの復旧を把握可能になっている。そして電断時にはバックアップ電源1720を使用してバッファ1740内のデータ等の所要の情報を保持可能に構成されている。
図19はバッファ1740の詳細構成図である。バッファ1740は、通常時のコマンドを格納するための通常コマンド用バッファ1741と、復旧時の初期化用のコマンドを格納するための復旧時許可コマンド用バッファ1745とを備えている。両コマンド共に1バイト長のモードデータとイベントデータとから成っていて、通常コマンド用バッファ1741はモードデータ記憶領域1742とイベントデータ記憶領域1743とを備えていて、両記憶領域1742、1743の記憶データによってコマンドが構成される。
復旧時許可コマンド用バッファ1745は、モードデータ記憶領域1746とイベントデータ記憶領域1747とを備え、両記憶領域1746、1747の記憶データによってコマンドが構成される。球払出制御部1700は、初期電源投入時を含む電断時には賞球払出禁止状態に自動的に設定されるように構成されている。したがって電断からの復旧時には、これを解除する賞球払出解除コマンド(後述する)を主制御部200が送信しこれを受信して自身を賞球払出可能状態に自動設定するように構成されている。なお、各記憶領域1742、1743、1746、1747は、それぞれに記憶されるデータ長に合せて1バイト長にすることが好ましいが各記憶領域の容量は1バイト以上の容量において適宜定め得る。
図16は、遊技機3000の裏面側から見た球排出機構の模式的説明図である。図示しないタンクには、図示しない球供給樋から遊技球が供給されていて、このタンクからの遊技球Pは、筒状部材で構成される案内部材1625によってスプロケット1600まで案内される。このスプロケット1600は、中心部にモーター1706の回転軸1630が貫通固定されていて、モーター1705が時計方向に回転軸1630を回転駆動すると符号bに示すように回転駆動される。このとき、スプロケット1600に適宜の間隔を設けて周設された凹部1601が遊技球Pを保持しながら貸玉案内部材1620に遊技球PBを落下させるので、貸玉排出動作が行われる。なお、実際には遊技球Pは多数供給されるので、球排出制御部1700がスプロケット1600の回転量を調整することによって所望貸玉数での貸玉排出を行うようになっている。
モーター1705が反時計方向に回転軸1630を回転駆動すると、符号aに示すようにスプロケット1600が回転駆動される。このとき、スプロケット1600に適宜の間隔を設けて周設された凹部1601が遊技球Pを保持しながら賞球案内部材1610に遊技球PAを落下させるので、賞球払出し動作が行われる。なお、実際には遊技球Pは多数供給されるので、主制御部200からの信号によって賞球払出し条件が満足されたと判断した球排出制御部1700が、スプロケット1600の回転量を調整することによって所望賞球数での賞球払出しを行うようになっている。かくして、同一の球排出機構を用いて球払出制御部1700が賞球払出し動作と、貸玉排出動作とを行うように構成されている。
(動作)
図18は、テーブル1800の説明図である。このテーブル1800は、主制御部200側のROM201や球払出制御部1700の不図示の記憶部に格納されている。コマンドは、図6乃至図9に示すものと同様に共に1バイト長のモード、イベントデータで成っている。例えば、主制御部200が5個の賞球払出を指示する場合に主制御部200がモード、イベント「$80、$05」なるコマンドを送信した場合には、球払出制御部1700は第一のデータであるモードデータ「$80」をモードデータ記憶領域1742に記憶し、また、第二のデータであるイベントデータ「$05」をイベントデータ記憶領域1743に記憶する。図19は、この状態を図示している。なお、この賞球払出を指示することを示すコマンドであるモードデータとイベントデータを或るコマンドと定義する。また、モードデータは、コマンドの分類を識別するための識別子であり、イベントデータは、実行されるコマンドの内容(機能)を定義するものである。
主制御部200が復旧時の賞球払出を許可するモード、イベント「$A0、$21」なるコマンドを送信した場合には、球払出制御部1700は所定コマンドデータであるモードデータ「$A0」をモードデータ記憶領域1742とは異なるモードデータ記憶領域1746に記憶し、また、所定コマンドデータであるイベントデータ「$21」をイベントデータ記憶領域1743とは異なるイベントデータ記憶領域1747に記憶する。かくして、電断発生後の復旧時に主制御部200から送信されてくる賞球払出許可状態設定用のコマンドは、通常のコマンドとは別の専用領域である復旧時許可コマンド用バッファ1745に記憶される。
図20を参照して本実施形態の特徴的な動作を説明する。図20(a)に示すように、MODE(A1)が主制御部200から送信されてくると、球払出制御部1700はMODEデータ記憶領域1742にこれを記憶する(図20(b)参照)。そしてこの後、電断が発生し(符号X)、さらに復旧が行われたとすると(符号Y)、球払出制御部1700は、電源供給検出部1730からの検出信号によって電断発生、復旧を把握する。そして電断発生と同時に、MODEデータ記憶領域1742、EVENTデータ記憶領域1743の記憶データを保持するように記憶する。
電断復旧直後には、主制御部200から賞球払出許可状態設定用のコマンド「$A0、$21」が送信されてくるので、球払出制御部1700は、モード、イベントデータを把握して賞球払出許可状態設定用のコマンドを受信したと判定した場合にはモード、イベントデータをそれぞれ復旧時許可コマンド用1745のMODEデータ記憶領域1746、EVENTデータ記憶領域1747に記憶する(図20(c)参照)。
MODE(A1)と共にコマンド(或るコマンド)を構成するEVENT(A2)が主制御部200から送信されてくると、球払出制御部1700は、通常コマンドを構成するイベントデータを受信したとして、EVENTデータ記憶領域1743にEVENT(A2)を記憶する(図20(b)参照)。賞球払出許可状態設定用コマンドは、専用の復旧時許可コマンド用バッファ1745に記憶されるので、これが従来のように電断前のデータに上書きされることはなく、しかも、電断前のモードデータと一緒にコマンドを構成する他のイベントデータは、両データがコマンドを構成するようにして通常コマンド用バッファ1741に記憶されることになる。球払出制御部1700は、賞球払出許可状態設定後に、通常コマンド用バッファ1741に記憶されるデータから成るコマンドを実行する。
本発明の実施形態によれば、球払出制御部1700は、或るコマンドの一部を構成するモードデータ(第一のデータ)の受信後に電断が発生した場合にはモードデータを保持するように記憶しておき、電源供給復旧直後に送信されてくる所定コマンドを専用領域に記憶し、この所定コマンドの送信後に送信されてくる、或るコマンドの一部を構成するイベントデータ(第二のデータ)と記憶保持しておいたモードデータとで或るコマンドを構成するように記憶する。したがって、所定コマンドを専用領域に記憶し、しかも或るコマンドの一部を構成するモードデータを保持記憶しておき、これと復旧時に所定コマンドの送信後に送信されてくる或るコマンドの一部を構成するイベントデータとを組合せて1つのコマンドとするので、複数種類のデータから成る或るコマンドの受信中に電断が発生して復旧が行われてもデータが消失されないため、正常な賞球払出を実現することができる。
所定コマンドは、復旧初期時に賞球払出禁止状態にあるのを解除して賞球払出許可状態とするためのコマンドとして復旧後の初期化処理を迅速に行うことを可能にする。また、コマンドは、共に1バイト長のモードデータとイベントデータとから成るようにしているので、コマンド構成が簡素化されバッファエリア設定上も面倒さを低減することができる。
なお、以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で上記実施形態に種々の変形や変更を施すことが可能となる。例えば、復旧時許可コマンド用バッファ1745にデータが記憶されていることや通常コマンド用バッファ1741にデータを保持中であることをLED点灯等で通知する通知手段を備えること等が挙げられる。またパチンコ機のみならずパチスロ機等にも本発明を適用し得る。
10 遊技盤
200 主制御部
201 ROM
202 コマンドデータテーブル領域
203 RAM
213 リセット回路
212 電源回路
500 プリペイドカードユニット
501 カード挿入口
1020 CPU
1180 キャラクタROM
1600 スプロケット
1601 凹部
1610 賞球案内部材
1620 貸玉案内部材
1625 案内部材
1630 回転軸
1700 球払出制御部
1705 モーター
1710 カードユニット側制御部
3000 遊技機
3010 上皿
3020 玉貸ボタン

Claims (1)

  1. 遊技動作制御を統括する主制御手段と、前記主制御手段が送信する賞球数を示すコマンドを受信したことに応じて、前記賞球数について賞球払出動作を行う球払出制御手段と、を備えた遊技機において、
    前記主制御手段は、電源供給が開始されたことを検出した場合、前記球払出制御手段に対して賞球払出動作を許可するコマンドを送信し、
    前記球払出制御手段は、前記賞球払出動作を許可するコマンドを受信した場合、賞球払出動作が可能な状態に設定し、
    前記賞球数を示すコマンド及び前記賞球払出動作を許可するコマンドは、それぞれコマンドの分類を示すため第一のデータと実行されるコマンドの内容を定義した第二のデータとを組合せて1つのコマンドとして構成され、
    前記主制御手段から送信される前記賞球数を示すコマンドを構成する前記第一のデータを、前記球払出制御手段が受信した直後に前記電源供給が遮断された場合、前記球払出制御手段は、バックアップ電源により前記第一のデータを第一のデータ記憶領域に記憶し、その後に前記電源供給が開始された場合には、前記主制御手段から送信される前記賞球払出動作を許可するコマンドを受信して、前記コマンドを専用領域であるバッファに記憶するとともに、前記主制御手段から送信される前記賞球数を示すコマンドを構成する前記第二のデータを受信して、第二のデータ記憶領域に記憶し、前記第二のデータと記憶済の前記第一のデータとに基づいて前記賞球払出動作を行うことを特徴とする遊技機。
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