JP5020207B2 - エアフィルター、及びそれをもちいたエアフィルター清掃装置並びに空気調和機 - Google Patents

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Description

この発明は、筐体の吸込口に設けられ筐体内部へのほこり侵入を防止するためのエアフィルターの形状に関するものである。
従来、空気調和機の室内機の吸込口部に具備され、縦枠に可動方向に直交する多数の溝を形成して可動方向に撓み易くしたエアフィルターの形状が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−147123号公報(図12)
しかしながら、前記特許文献1に開示された空気調和機には以下の問題があった。
すなわち、この特許文献1の空気調和機は、柔軟性のある素材を用い湾曲させやすくするために、エアフィルターを移送させる駆動手段に噛合するための凹凸が縦枠の可動方向に形成され、凹凸により形成された凸部の他面側に、移動する方向と直行する方向に溝が形成されているために、エアフィルターの移動軌跡上の僅かな凸で引っ掛かり、挿入性が悪化する。さらに可動することのできるエアフィルターに対しては、引っ掛かりが生じても引っ掛かり力に対し移動する力が強ければ動作するが、それが外れた時には異音が発生するという問題があった。
また、空気調和機室内機の限られた空間内でエアフィルターを移動させるため、曲率半径の小さい箇所が発生する。前記特許文献1に開示された空気調和機のように、エアフィルターは、湾曲させやすいように柔軟性を持たせる必要がある。柔軟性を持たせるためには製品を薄くする方法もあるが、その場合、曲率半径が小さくなると樹脂が白化する、または、破壊強度が弱くなってしまうという問題がある。このため構成材料として熱可塑性エラストマー樹脂を用いる場合があるが、安価な熱可塑性エラストマー樹脂は、柔軟性を持たせるためにゴム成分を微量分散させているものが主流であり、そのため表面の摩擦抵抗が一般樹脂(ABSやPP)と比較して大きくなるため、エアフィルターを移動させるために大きな力が必要になり、挿入性の悪化、移動させる場合の駆動トルクの増加という問題があった。
この発明は上記に鑑みてなされたものであって、エアフィルターの移動軌跡に関係なくエアフィルターが移動しているときに周囲と引っ掛ることなくスムーズに動作することができるエアフィルター及びそれをもちいたエアフィルター清掃装置並びに空気調和機の提供を目的とする。
この発明に係るエアフィルターは、通気体とこの通気体が設置された枠体とを備え、エアフィルターの移動する軌跡を決めるエアフィルターガイドに接触する前記枠体の面に、エアフィルターの挿入方向に対し平行に連続した複数の凸凹をエアフィルターの挿入方向に対して途切れることなく連続した形状で設けたことを特徴とする。
なお、エアフィルターはPET繊維のエアフィルター通気体(網状体)とこの通気体が設置された熱可塑性エラストマー樹脂の枠体とを備えて湾曲させやすいようにし、エアフィルターの移動をU字形往復運動により行う場合は、枠体の両端部の一方の面にエアフィルターの移動する軌跡を決める従動ギヤを設け、枠体の従動ギヤ部の反対面でエアフィルターガイドに接触する面に凸凹をエアフィルターを移動させる方向に対して途切れることなく連続した形状で設ける。
なお、熱可塑性エラストマー樹脂製の桟は、PET繊維のエアフィルター通気体(網状体)41を該桟で挟み込むような形に成型し、挿入方向に対して垂直に設けた桟の表側の断面は、台形もしくは円弧になるようにする。
したがって、この発明に係るエアフィルターは、エアフィルターの移動する軌跡を決めるエアフィルターガイド面との接触する枠体の面にエアフィルターの挿入方向に対して平行に凸凹をエアフィルターの挿入方向に対して途切れることなく連続した形状で設けることにより、エアフィルターとエアフィルターガイド面との接触面積を少なくして摩擦を低減することができ、エアフィルターをエアフィルターガイドに沿ってスムーズに移動することができる。また、熱可塑性エラストマー樹脂で枠体を構成することによって、エアフィルターの移動軌跡の最小曲率半径が小さくなったとしても、樹脂が白化することがない。
なお、前記エアフィルターを、エアフィルターが自動で移動され清掃される清掃部を設けたエアフィルター清掃機構に使用する場合には、枠体の両端部の一方の面にエアフィルターを移動させるための従動ギヤを設け、該従動ギヤ部の反対側面においてエアフィルターガイドと接触する面に凸凹をエアフィルターを移動させる方向に対して途切れることなく連続した形状で設けることにより、同様にスムーズにエアフィルターを移動させることができる。さらに、凸凹は挿入方向に対して途切れることなく連続した形状とすることにより移動時の引っ掛かりを防止することができる。
また、熱可塑性エラストマー樹脂、特にオリフィン系のエラストマー樹脂は、安価ではあるが、PET繊維との融着性が悪いため、この材料製の桟の表面にPET繊維のエアフィルター通気体(網状体)を設けた場合、エアフィルター通気体(網状体)が簡単に桟から剥れてしまう。そのためにPET繊維のエアフィルター通気体(網状体)は、桟で挟むように配置しインサート成型し、挿入方向に対して垂直に設けた桟の断面は、台形もしくは円弧になるようにすることによって、エアフィルター通気体(網状体)の剥がれを改善し、エアフィルター清掃機構の清掃部での塵埃除去性能を良好に維持することができる。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る空気調和機を模式的に示す側面視の中央部における断面図である。図1において、空気調和機100は、筐体10と、筐体10内に設置され、空気を吸引すると共に吸引した空気を吹き出す送風ファン20と、送風ファン20が形成する風路内に配置され、吸引した空気を調和する熱交換器30と、吸引した空気に含まれる塵埃を捕捉するエアフィルター40と、エアフィルター40の移動する軌跡を決めるエアフィルターガイド16と、エアフィルター40を清掃するエアフィルター清掃装置50を有している。以下、各構成部材について個別に説明する。
筐体10は、両端面(図示しない)が塞がれた筒状であって、天面(図中、上側)の一部が開口し、該開口部が空気を吸い込む吸込口11を形成し、底面(図中、下側)の一部が開口し、吸込口11から吸い込んだ空気を吹き出す吹出口12を形成している。そして、前面(図中、左側)は開口しており、該開口部を開閉する前面パネル13が設置されている。なお、背面(図中、右側)は塞がれている。
送風ファン20は、筐体10の側面視で略中央部に配置され、吸込口11から吹出口12に至る風路を形成する。送風ファン20と吹出口12との間の吹出側風路は、ノズル14と背面ガイド板15とによって挟まれている。
熱交換器30は、前面側下部の熱交換器と、前面側上部の熱交換器と、背面側の熱交換器から構成され、これらは吸込口11と送風ファン20との間に送風ファン20を取り囲むように配置され、吸い込まれた空気を調和(冷却、加熱、除湿等)する。また、前面側下部の熱交換器はノズル14よりも上側に配置される。
なお、図中、熱交換器30は、送風ファン20の天面側および前面側を取り囲むように配置されているが、この発明は該配置形態に限定するものではない。
また、図1に示すようにエアフィルター40は、筐体10の吸込口11と熱交換器30との間の吸込口側に設けたエアフィルターガイド16に沿って吸込口の全面を覆うように配置されており、エアフィルター清掃装置50は、前面側下部の熱交換器30と前面パネル13との間に設置される。
図2は、図1のエアフィルター40及びエアフィルター清掃装置50の設置部分を拡大して示す前方視の斜視図である。また、図3は、図1のエアフィルター40及びエアフィルター清掃装置50の設置部分を拡大して示す後方視の斜視図である。
図2および図3において、エアフィルター40は、図示しない熱交換器30に沿って前面パネル13から見て回転出力装置60を挟んで左右に1つずつ設けられている。また、エアフィルター40は、左右よりも奥行きが長い略方形の形状を持ち、エアフィルター通気体(網状体)41と、エアフィルター通気体41が設置されたエアフィルター枠体42とから構成されている。また、エアフィルター枠体42は、柔軟性のある材料で成形され、両端裏面には等間隔に配置された凹凸のパターンであるエアフィルター従動ギヤ43が形成されている。
なお、エアフィルター40は、成形時は平板状で形成されるが、空気調和機100に搭載されると柔軟性があるので、図1のようにエアフィルターガイド16に沿って、逆U字状の縦断面を有するような湾曲した形状で保持される。
また、エアフィルター清掃装置50は、図2および図3に示すように、モータ(図示せず)を内蔵し、2枚のエアフィルター40の横方向での間に位置するように設けられた回転出力装置60と、エアフィルター40から塵埃を除去し、この塵埃を溜める塵埃回収部70とから構成される。
また、図4は、この発明の実施の形態1に係るエアフィルターの正面図である。図4に示すようにエアフィルターガイド16と接触する面44には、エアフィルターの挿入方向に対して平行に凸凹45を設けている。また、この凸凹45は挿入方向に対して途中で途切れることなく、そして、凸凹45が逆転することなく連続した形状で形成されている。
図5は、凸凹45を設けた面を挿入方向に対して垂直に切った断面図である。連続して設けた凸凹45の断面形状は、台形もしくは円弧形状で形成されている。
エアフィルターガイド16と接触する面44に設けられる凸凹45の数及び各接触部における接触面の大きさは、接触部の耐久性の観点および接触摩擦を十分考慮して選択されなければならない。このためには図5に記載された台形状または曲率半径の大きな円弧形状による断面を有する凸凹45を、基本的に複数本設けることが好ましい。円弧形状は凸部巾bの約5〜30%の円弧高さhを有する形状であることが望ましい。台形形状もこれに準じる。
また、図6は、エアフィルター枠体42の断面図である。桟の表面にPET繊維製のエアフィルター通気体(網状体)41を配設した場合には、エアフィルター通気体(網状体)41が簡単に桟から剥れてしまうことがある。そのための対策としてエアフィルター通気体(網状体)41を桟で挟むように配置してインサート成型し、且つエアフィルター枠体42の桟の断面を台形もしくは円弧になるようにすることで、エアフィルター通気体(網状体)41の剥がれを改善しつつ、エアフィルター清掃機構の清掃部での塵埃除去性能を良好に維持することができる。
また、図7は、この発明の実施の形態1に係る塵埃回収部のブラシ機構とエアフィルター駆動歯車の取り付け状態を示す前方視の斜視図である。図7に示すように回転出力装置60の左右側面からエアフィルター駆動歯車52とブラシ揺動軸61が突出している。エアフィルター駆動歯車52は、その先に駆動シャフト53が同軸で伸び、駆動シャフト53の先端にエアフィルター駆動歯車51が同軸で設置されている。また、エアフィルター駆動歯車51およびエアフィルター駆動歯車52は、エアフィルター40の両端裏面に形成されたエアフィルター従動歯43と噛み合うようになっている。
また、図8は、塵埃回収部の横断面図である。図3および図8に示すようにこのエアフィルターガイド82の斜め上方に駆動シャフト53に接続されたエアフィルター駆動歯車51およびエアフィルター駆動歯車52を配置し、エアフィルターガイド82とこれらのエアフィルター駆動歯車51、52との間にエアフィルター40をガイドし、エアフィルター40の裏面の左右両端部に形成されたエアフィルター従動歯43をエアフィルター駆動歯車51、52に押し付けることにより、エアフィルター40がエアフィルター駆動歯車51および52の回転軸を中心として枢動される。
また、ブラシ機構90は、図7に示すように、棒状のアルミ製のブラシ係止シャフト91に短冊状のブラシ92が横方向に延びて配置され、ブラシ係止シャフト91に挿入し固定されている。そして、ブラシ係止シャフト91の両端はブラシ92が抜けてこないようにスリーブ93、94で固定される。
また、図8ではブラシ係止シャフト91は中空円筒状で内部にブラシ92を固定する凸部を設けたものであるが、形状はこれに限定されるものではなく、長手方向側面からブラシ92を挿入でき、内側に設けた凸部でブラシ92を固定することができる形状であれば(例えば中空で断面四角形状のシャフトで内側に固定用の凸部を設けるもの)であればどのような形状であってもよい。
ブラシ係止シャフト91は、その両端が本体80の側面板のブラシ係止穴85に挿入され、図8に示すように短冊状のブラシ92の先端が、本体80の細長い開口穴83から上方に出るように配置される。
また、ブラシ係止シャフト91の左右の一方の端面が回転出力装置60のブラシ揺動軸61に同軸で接続される。
また、回転出力装置60の内部にはモータ(図示せず)とギヤなどの伝達機構によるエアフィルター駆動歯車52の回転と連動して180度を往復揺動する機構(例えば、正転用ギヤの連結と反転用ギヤの切り離しによる往動と、正転用ギヤの切り離しと反転用ギヤの連結による復動を繰り返す機構、あるいは往動用ギヤの連結による往動とこのギヤの切り離しおよび予め設けられているフライホイールによる反転力を利用した復動を繰り返す機構など)が内蔵され、これによりブラシ揺動軸61が180度往復揺動するように構成されている。
このときにブラシ揺動軸61の揺動速度は、エアフィルター40の移動速度がブラシ92の移動速度より遅くなるように選択される。すなわちエアフィルター40の移動速度<ブラシ92の移動速度の関係となるように設定される。
また、回転出力装置60、エアフィルター駆動歯車51、エアフィルター駆動歯車52、駆動シャフト53は空気調和機100に固定されているが、エアフィルター40と塵埃回収部70は着脱自由に空気調和機100に固定される。なお、塵埃回収部70の固定時に図7に示すスリーブ93とブラシ揺動軸61の形状が互いに係合して固定される形状を有するために軸固定された状態になる。
上述したように回転出力装置60は空気調和機100の左右方向の中央に配置されており、これまで、この回転出力装置60の一方(図中、左側)に配置されたエアフィルター清掃装置50のみについて説明したが、他方(図中、右側)についても全く同様の構成となっていて、1つの回転出力装置60で左右の両エアフィルター清掃装置50を駆動させている。
なお、送風ファン20は、送風手段を構成し、エアフィルター駆動歯車51、エアフィルター駆動歯車52、回転出力装置60および駆動シャフト53は、エアフィルター移動手段を構成する。
次に、この実施の形態1の動作について説明する。
使用者が空気調和機100の電源スイッチをONすると、空気調和の作動を開始する。
その後使用者が電源スイッチをOFFにして停止指令を出した際に、予め設定した空気調和の積算運転時間を越えていた場合には、空気調和の運転を停止し、エアフィルター清掃装置50が稼働する。
このように構成されたエアフィルター清掃装置50において、まずエアフィルター40の移動動作について説明する。エアフィルター40は、空気調和機100の内部では、図1、図8のように凸形状の駆動シャフト53で連結されたエアフィルター駆動歯車51、エアフィルター駆動歯車52と前面エアフィルターガイド82に挟まれ、エアフィルター従動歯43がエアフィルター駆動歯車51、エアフィルター駆動歯車52と噛み合った状態になる。
駆動シャフト53は、凸形状を設けることによって、エアフィルター駆動歯車51、52の歯数が奇数歯の場合に生じる左右の歯位置ズレを防いでいる。図8では凸形状にしているが、左右で歯車の凸凹形状の位置関係が同じになる形状(たとえば歯車が奇数歯の場合、三角形や台形、歯車が偶数歯の場合小判状や正方形)であればよい。
この状態で使用者が空気調和機100の電源スイッチをOFFすると、回転出力装置60に通電され、図示しないモータおよびギヤなどの伝達機構によってエアフィルター駆動歯車51とエアフィルター駆動歯車52が回転する。これにより、エアフィルター40が前面エアフィルターガイド82に沿って動き始め、エアフィルター駆動歯車51および52の回転軸を中心として回動しながらエアフィルターガイド16に沿って図1の矢印方向に移動して行き、図11のように最終的には始動時に前面エアフィルターガイド82の近傍にあったエアフィルター40の端部は背面側熱交換器の上方の位置まで移動する。
このとき、エアフィルター40の側面は、フィルターガイド16に接触しながら移動する。エアフィルターガイド16は、空気調和機室内機の限られた空間でエアフィルター40を移動させるため、曲率半径の小さい箇所が発生する。そのためエアフィルター40は、湾曲しやすいように柔軟性を持たせる必要がある。柔軟性を持たせるためには、エアフィルター40の厚みを薄くする方法もあるが、この場合、曲率半径が小さくなると樹脂が白化したり、破壊強度が弱くなってしまうという問題があるため、その材料として熱可塑性エラストマー樹脂を用いる。ただし、この安価な熱可塑性エラストマー樹脂は、柔軟性を持たせるためにゴム成分を微量分散させているものが主流であり、そのため表面の摩擦抵抗が一般のABSと比較して大きくなるため、エアフィルターを移動させるために大きな力が必要になる。そのため、エアフィルター40は、エアフィルターガイド16に接触する面44に挿入方向に平行な凸凹溝45を設けることで接触面積を小さくし、小さな力でエアフィルター40を移動させることが可能になる。
また、この凸凹溝45は、エアフィルターガイド16に接触する面44の途中で凸凹が逆転することなく、また連続したラインとして設けることにより、エアフィルターガイド16の成形時に発生するバリなどの僅かな突起物に対しても引っ掛ることなくスムーズに移動させることが可能となる。
また、図5に示すよう凸凹溝45の挿入方向断面形状は、溝が矩形状のごとく90度の頂角をもって構成されるのでなく、台形のごとく鈍角の頂角を持た凸部断面形状として構成する。これにより、挿入方向の対する引っ掛かりのみならず、挿入方向に対し垂直な動き(横方向の動き)に対しても、エアフィルターガイド16の成形時に発生するバリなどの僅かな突起物による引っ掛かりをなくし、スムーズに移動させることが可能になる。また、図では凸凹が台形形状を記載したが、これに限らず円弧形状であっても同様な効果を得ることが出来る。
また、図6に示すように桟の表面にPET繊維のエアエアフィルター通気体(網状体)41を設けた場合、容易にエアフィルター通気体(網状体)41が桟から剥れてしまうためにエアフィルター通気体(網状体)41は桟で挟むように配置してインサート成型し、エアフィルター枠体42の桟の断面は、台形もしくは円弧になるようにすることで、エアフィルター通気体(網状体)41の剥がれを改善し、且つ、エアフィルター清掃機構の清掃部での塵埃除去性能を良好に維持することができる。
次に、塵埃回収部70の動作について説明する。エアフィルター40が移動すると同時にブラシ揺動軸61の往復揺動によりブラシ機構90も作動する。ブラシ機構90は、図8のブラシ92の先端が上方を向いた状態を中心として前後(図中、左右)に90度ずつ揺動する。つまり図9と図10に示す状態に往復揺動することになる。ブラシ92は、その先端が開口穴83から少し飛び出した状態で構成されているため、エアフィルター通気体(網状体)41とラップした状態で往復揺動し、塵埃を掻き落としていく。エアフィルター通気体(網状体)41からブラシ92に移動した塵埃は、ブラシ機構90の少なくとも一方の側に設置した波状の掻き落とし片84に接触し、掻き落とし片84により掻き落とされて集塵室81に回収、貯留される。
さらに、図8に示すように、往復揺動するブラシ92の両側に掻き落とし片84を設けることで、ブラシ92は往復揺動の片道工程毎に掻き落とし片84と接触し、エアフィルター通気体41から移動してきた塵埃は掻き落とされる。従って、往復揺動の往路でブラシ92に移動した塵埃が、復路において再びエアフィルター通気体41に戻ってしまうという事態は回避でき、確実な塵埃回収が成し遂げられる。
ブラシ92は、上方を向いた短冊状であり、且つ180度往復揺動するため、ブラシ機構90の搭載スペースが小さくできるし、それにより、従来の360度回転ブラシのようにブラシが下方に向かって伸長していないことで、そのブラシの高さ分集塵室81を浅くしても集塵室81に必要な容積、すなわち従来同様の容積は確保できる。よって、このエアフィルター装置50は、装置全体が360度回転ブラシを備えた従来のエアフィルター清掃装置に比べて小型化でき、空気調和機100におけるエアフィルター清掃装置50の搭載スペースを小さくすることができる。また、エアフィルター清掃装置50を小型化できることで、空気調和機100本体を小型化することも可能となる。
さらに、ブラシ92の動作が上方に向かって180度の範囲のみなので、集塵室81に貯留した塵埃、すなわち既にブラシ92によりエアフィルター40から回収した塵埃を、ブラシ92によって上に舞上げてしまうこともない。一度回収した塵埃は、確実に集塵室81内に収めておくことができ、一度集塵室81に回収した塵埃がブラシ92によってエアフィルター40に再び戻ってしまうような事態を回避することができる。
エアフィルター40は、図11の位置まで移動したら、再び元の位置(図1)まで戻ってくる。このときにブラシ機構90も往復揺動しているため、前記同様エアフィルター40を清掃し、エアフィルター40の移動時に常に清掃することになる。エアフィルター40の可動方向に対してブラシ92の可動方向が逆の場合は、当然問題なく塵埃を除去でき、お互いの可動方向が同一の場合もブラシ92の方がスピードを速く設定してあるため問題なく除去できる。
なお、上記の例では、ブラシ92を180度往復揺動(前後に90度ずつ揺動)させる場合について説明したが、これに限らず、180度以下の範囲で往復揺動させてもよい。
この場合には、集塵室81に貯留された塵埃を上に飛ばす力もさらに弱くなり、エアフィルター40に戻すことを防げる。
なお、各部品の形状公差やそれらの組み立て公差など、いわゆるバラツキを考慮して、実質的なブラシ機構90の往復揺動範囲が180度となるように、言い換えれば、確実に180度の範囲で往復運動されるように、回転出力装置60による往復揺動範囲は、180度より大きめに設定し、上記のバラツキを吸収するようにしてもよい。例えば、前後にそれぞれ5度ずつバラツキ吸収のための回転出力装置60による揺動角度の余裕代を設け、回転出力装置60は190度の範囲で揺動させるのである。
また、上記の例では電源スイッチをOFFした直後にエアフィルターの清掃をする例で説明したが、これに限らない。例えば、別途エアフィルター清掃専用のスイッチを設け、このスイッチが押されたら、空気調和の運転を一旦停止して、エアフィルター清掃装置50によるエアフィルター清掃を行うように構成してもよい。
また、上記の例では、天面側に吸込口11を形成した例について説明したが、これに限らず、前面側に吸込口を形成してもよい。
以上のように、空気調和機の室内機100の限られたスペースのなかで、エアフィルターガイド16とエアフィルター40の接触面44に凸凹溝45を設けることでエアフィルター40をスムーズに挿入(可動)させることができる。
この発明の実施の形態1に係る空気調和機を示す側面視の中央部における断面図である。 この発明の実施の形態1に係るエアフィルター及びエアフィルター清掃装置の設置部分を拡大して示す前方視の斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るエアフィルター及びエアフィルター清掃装置の設置部分を拡大して示す後方視の斜視図である。 この発明の実施の形態1に係るエアフィルターの正面図である。 この発明の実施の形態1に係るエアフィルターの凸凹溝45を設けた面を挿入方向に対して垂直に切った断面図である。 この発明の実施の形態1に係る、エアフィルターの枠体42の断面図である。 この発明の実施の形態1に係る塵埃回収部のブラシ機構とエアフィルター駆動歯車の取り付け状態を示す前方視の斜視図である。 この発明の実施の形態1に係る塵埃回収部の横断面図である。 この発明の実施の形態1に係るエアフィルター清掃装置を示す側面視の中央部における断面図である。 この発明の実施の形態1に係るエアフィルター清掃装置を示す側面視の中央部における断面図である。 この発明の実施の形態1に係る空気調和機を示す側面視の中央部における断面図である。
符号の説明
10 筐体、11 吸込口、12 吹出口、13 前面パネル、14 ノズル、15 背面ガイド板、16 エアフィルターガイド、20 送風ファン、30 熱交換器、40 エアフィルター、41 エアフィルター通気体(網状体)、42 エアフィルター枠体、43 エアフィルター従動歯、44 エアフィルターガイドとの接触面、45 凸凹溝、 50 エアフィルター清掃装置、51 エアフィルター駆動歯車、52 エアフィルター駆動歯車、53 駆動シャフト、60 回転出力装置、61 ブラシ揺動軸、70 塵埃回収部、80 本体、81 集塵室、82 エアフィルターガイド、83 開口穴、84 掻き落とし片、85 ブラシ係止穴、86 集塵室係止穴、87 突起部、90 ブラシ機構、91 ブラシ係止シャフト、92 ブラシ、93 スリーブ、94 スリーブ、100 空気調和機。

Claims (5)

  1. 筐体に対して装着、取外し自在な、空気中の塵埃を捕捉するためのエアフィルターにおいて、
    通気体と、この通気体が設置された枠体と、を備え、
    前記エアフィルターの移動する軌跡を決めるエアフィルターガイドに接触する前記枠体の面に、前記エアフィルターの挿入方向に対し平行な複数の凸凹溝を前記エアフィルターの挿入方向に対して途切れることなく連続した形状で設けたことを特徴としたエアフィルター。
  2. 筐体に対して装着、取外し自在な、空気中の塵埃を捕捉するためのエアフィルターにおいて、
    通気体と、この通気体が設置された枠体と、を備え、
    前記枠体は柔軟性のあるエラストマー樹脂で成型されており、前記枠体の両端部の一方の面にはエアフィルターを移動させるためのギヤを設け、その反対側で、前記エアフィルターの移動する軌跡を決めるエアフィルターガイドと接触する面には、前記エアフィルターの挿入方向に対し平行な複数の凸凹溝を前記エアフィルターを移動させる方向に対して途切れることなく連続した形状で設けたことを特徴としたエアフィルター。
  3. 前記凸凹溝の前記エアフィルターの挿入方向に対し直交する断面における断面形状が、台形形状または円弧形状を有していることを特徴とした請求項1または2に記載のエアフィルター。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のエアフィルターと、該エアフィルターを移動させるためのエアフィルター移動手段と、前記エアフィルターに捕捉された塵埃を除去するためのエアフィルター清掃機構部を備えたことを特徴とするエアフィルター清掃装置。
  5. 請求項4に記載のエアフィルター清掃装置と、吸込み口から空気を吸い込み、吸込んだ空気を吹出し口へ吹き出すための送風手段を備え、前記エアフィルターが前記吸込み口と送風手段の間に設けられていることを特徴とする空気調和機。
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