実施の形態1.
図1乃至図5は実施の形態1を示す図で、図1は空気調和機100の斜視図、図2は空気調和機100の分解斜視図、図3は清掃ユニット3の正面図、図4は図1のZ−Z断面図、図5は図4で前面パネル13を開いた状態を示す断面図である。
図1乃至図5により、空気調和機100の全体構成を説明する。尚、ここでは、室内機と室外機とを備えるセパレート式の空気調和機の室内機(壁掛け式)を空気調和機100と呼ぶ。
図1に示すように、空気調和機100は、筐体10、外装ケース19、前面パネル13等により略箱形状の外郭が形成される。空気調和機100の上部(天面)に室内の空気を吸い込む吸込口11が設けられ、下部に調和空気(後述する熱交換器30で冷却、加熱、除湿等がなされた空気)を室内に吹き出す吹出口12が形成されている。空気調和機100の前面下部の略中央部に、人体等を検出して空気調和機100の快適な制御を行うための赤外線センサ24が設けられる。
図2は空気調和機100の分解斜視図である。空気調和機100は、以下に示す要素を少なくとも備える。
(1)室内空気と冷凍サイクルの冷媒とが熱交換を行う熱交換器30、送風ファン20(図2では図示せず、図4参照)等を搭載した筐体10;
(2)エアフィルター40a,40bの移動を可能とするエアフィルターガイド16(図2では図示せず、図4参照)を有する支持体18と塵埃回収部70a,70bとを有するエアフィルター清掃装置50a,50b;
(3)外装ケース19;
(4)前面パネル13。
エアフィルター40a,40bは、左右にわかれて設けられる。エアフィルター40aが空気調和機100を正面から見て左側、エアフィルター40bが右側である。
塵埃回収部70aは、エアフィルター40aの塵埃を除去する。また、塵埃回収部70bは、エアフィルター40bの塵埃を除去する。塵埃回収部70aが空気調和機100を正面から見て左側、塵埃回収部70bが右側である。
塵埃回収部70a(エアフィルター40a)の左右の長さは、塵埃回収部70b(エアフィルター40b)の左右の長さよりも長い。長さ以外は、塵埃回収部70a(エアフィルター40a)と塵埃回収部70b(エアフィルター40b)とは鏡面対称である。
塵埃回収部70aと塵埃回収部70bとの長さが異なる理由は、以下のとおりである。空気調和機100を正面から見た場合、熱交換器30の右側に冷媒配管、ドレン配管等を配設するスペースが必要なため、筐体10の中心は、熱交換器30の中心と一致していない。外装ケース19の略中心部に、赤外線センサ24(図1参照)を設けるため、塵埃回収部70aと塵埃回収部70bもそれに合わせた配置になる。塵埃回収部70aと塵埃回収部70bとの境界が、筐体10の中心と略一致する。従って、塵埃回収部70aが塵埃回収部70bよりも長くなる。そのため、外装ケース19の略中心部に赤外線センサ24を設けられていないなど制約がない場合は、左右で大きさを変える必要はない。
図3に示すように、エアフィルター清掃装置50は、エアフィルター清掃装置50a,50bで構成される。エアフィルター40a,40bの自動清掃を行うエアフィルター清掃装置50a,50bは、支持体18の前面下部に塵埃回収部70a,70bとが取り付けられる。
図4、図5により、空気調和機100の内部構成について説明する。但し、本実施の形態は、エアフィルター清掃装置50(特に、塵埃回収部70a,70bの、後述するブラシ92a,92bに付着した塵埃を掻き落とす櫛状の掻き落とし片84a−1,84a−2,84b−1,84b−2)に特徴があるので、その他の構成については、簡単に説明する。
空気調和機100は、筐体10と、この筐体10内に設置され、室内の空気を吸引すると共に吸引した空気を室内へ吹き出す送風ファン20と、送風ファン20が形成する風路内に配置され、吸引した空気を調和(冷却、加熱、除湿等)する熱交換器30と、吸引した空気に含まれる塵埃を捕捉するエアフィルター40a,40b(図4ではエアフィルター40aのみを図示している)と、エアフィルター40a,40bの移動する軌跡を決めるエアフィルターガイド16と、エアフィルター40a,40bを清掃するエアフィルター清掃装置50(図4ではエアフィルター清掃装置50aのみを図示している)を有している。以下、各構成部材について個別に説明する。
筐体10は、両端面(図示しない)が塞がれた筒状であって、天面(図中、上側)の一部が開口し、該開口部が空気を吸い込む吸込口11を形成し、底面(図中、下側)の一部が開口し、吸込口11から吸い込んだ空気を吹き出す吹出口12を形成している。そして、前面(図中、左側)は開口しており、該開口部を開閉する前面パネル13が設置されている。なお、背面(図中、右側)は塞がれている。
送風ファン20は、筐体10の側面視で略中央部に配置され、吸込口11から吹出口12に至る風路を形成する。送風ファン20と吹出口12との間の吹出側風路は、ノズル14と背面ガイド板15とによって挟まれている。この送風ファン20には、例えば、羽根車の一方の半径方向から吸い込み、90°程度の半径方向から送風する横断流送風機(クロスフローファン)を使用する。この横断流送風機は、圧力は高く出来ないものの吹き出し口の長さを長くすることが容易なので、壁掛け型空気調和機の室内機用ファン等に適している。
熱交換器30は、側面視で略逆V字形状である。そして、熱交換器30は、前面側下部の熱交換器(前面側下部熱交換器30aとする)と、前面側上部の熱交換器(前面側下部熱交換器30bとする)と、背面側の熱交換器(背面側熱交換器30cとする)とから構成され、これらは吸込口11と送風ファン20との間に送風ファン20を取り囲むように配置され、吸い込まれた空気を調和(冷却(冷房運転)、加熱(暖房運転)、除湿(除湿運転)等)する。また、前面側下部の熱交換器はノズル14よりも上側に配置される。
各熱交換器30(前面側下部熱交換器30a、前面側下部熱交換器30b、背面側熱交換器30c)は、夫々内部を冷媒(例えば、R410A冷媒)が流れる伝熱管31(通常は、銅管)と、冷媒と空気との熱交換を促進する放熱フィン32(通常は、アルミ薄板を所定の間隔で積層したもの)とを少なくとも備える。図4では、前面側下部熱交換器30bの伝熱管31と、放熱フィン32とを示しているが、他の前面側下部熱交換器30a、背面側熱交換器30cも同様である。
尚、図中、熱交換器30は、送風ファン20の天面側および前面側を取り囲むように配置されているが、この実施の形態に係る空気調和機100は、該配置形態に限定するものではない。
また、図4に示すように、エアフィルター40a,40b(図4ではエアフィルター40aのみが見えている)が、筐体10の天面の一部を開口して形成される吸込口11と熱交換器30との間の吸込口11側に設けたエアフィルターガイド16に沿って吸込口11の全面を覆うように配置されている。エアフィルター40a,40bは、支持体18のエアフィルターガイド16に挿入され、通常は吸込口11に対向する位置にある(図4は通常の位置)。エアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)による自動清掃が開始すると、エアフィルター40a,40bは、支持体18のエアフィルタガイド16に沿って往復する。エアフィルター40a,40bが、室内から吸い込まれる空気から塵埃を除去するので、室内空気の塵埃が空気調和機100の内部に侵入するのを抑制することができる。
筐体10の底面(図中、下側)の一部を開口して形成される吹出口12(横に長い形状、略長方形)には、吹出口12から室内に吹き出される調和空気(熱交換器30で冷却、加熱、除湿等がなされた空気)の風向を制御する上下風向制御板17、左右風向制御板25を備える。上下風向制御板17は、室内へ吹出される調和空気の上下方向の風向を制御する。また、左右風向制御板25は、室内へ吹出される調和空気の左右方向の風向を制御する。図4では、上下風向制御板17が閉じた状態を示している。左右風向制御板25は、上下風向制御板17よりも筐体10の内部に設けられる。尚、上下風向制御板17、左右風向制御板25は、例えば、ステッピングモータ等の駆動装置で駆動されるが、その駆動装置の図示も省略している。
また、筐体10には、熱交換器30の下方に熱交換器30で発生する結露水(ドレン水、室内の空気が熱交換器30で冷却されるときに空気中の水分が熱交換器30の表面(主に放熱フィン32)に付着するもの)を受けるドレンパン28a,28bが形成されている。具体的には、ドレンパン28aが、前面側下部熱交換器30bの下方に形成されている。また、ドレンパン28bが、背面側熱交換器30cの下方に形成されている。ドレンパン28a,28bに一時的に貯留されるドレン水は、やがて空気調和機100から室外に配設されるドレンホース(図示せず)から室外に排出される。このように構成されているので、熱交換器30で発生する結露水(ドレン水)が空気調和機100から室内に漏れることを抑制することができる。ドレンパン28aの裏側(図4では下側)は、送風ファン20と吹出口12との間の吹出側風路の一構成部材であるノズル14になっている。
エアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)は、前面側下部の熱交換器30と前面パネル13との間に設置される。図4では、エアフィルター清掃装置50の塵埃回収部70aが見えている。
図5に示すエアフィルター清掃装置50aに形成された突起部27の役割は、以下のとおりである。図5に示すように、前面パネル13が開いた状態で、例えば、塵埃回収部70aを支持体18に取り付けたとする。しかし、取り付けが不十分で塵埃回収部70aが、支持体18に完全に固定されていない場合もある。このような場合でも、前面パネル13を閉じることにより前面パネル13が突起部27を押すので、塵埃回収部70aを支持体18に確実に固定することができる。
図6乃至図8は実施の形態1を示す図で、図6はエアフィルター清掃装置50b(右側)の斜視図、図7はエアフィルター40a,40b及びエアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)の設置部分を拡大して示す前方視の斜視図、図8はエアフィルター40a及びエアフィルター清掃装置50aの設置部分を拡大して示す後方視の斜視図である。
図6では、エアフィルター清掃装置50の右側部分(エアフィルター清掃装置50b)のみを示す。従って、図6では、回転出力装置60の右側に配置されるエアフィルター40b(支持体18のエアフィルターガイド16に配置される)、本体80bと集塵室81bとを備える塵埃回収部70bとを示している。
図7に示すように、エアフィルター40a,40bは、熱交換器30(図4参照)に沿って前面パネル13(図3参照)側から見て回転出力装置60を挟んで左右に一つずつ設けられている。
また、エアフィルター40a,40bは、図9にも示すように(図9ではエアフィルター40bを示す)、左右よりも奥行きが長い略方形の形状を持ち、エアフィルター通気体41a,41b(網状体)と、エアフィルター通気体41a,41bが設置されたエアフィルター枠体42a,42bとから構成されている。また、エアフィルター枠体42a,42bは、柔軟性のある材料で成形され、両端裏面には等間隔に配置された凹凸のパターンであるエアフィルター従動歯43a,43bが形成されている。図7では、エアフィルター従動歯43a,43bを示しているが、裏面にあるため見えてはいない。また、図8では、エアフィルター従動歯43aだけが見えている。
なお、エアフィルター40a,40bは、成形時は平板状で形成されるが、空気調和機100に搭載されると柔軟性があるので、図4のようにエアフィルターガイド16に沿って、略逆U字状の縦断面を有するような湾曲した形状で保持される。
また、エアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)は、図6乃至図8に示すように、モータ(図示せず)を内蔵し、二枚のエアフィルター40a,40bの横方向での間に位置するように設けられた回転出力装置60と、エアフィルター40a,40bから塵埃を除去し、この塵埃を溜める塵埃回収部70a,70bとから構成される。
塵埃回収部70a,70bについては後述するので、図6乃至図8に示す本体80a,80b、集塵室81a,81bについては、ここでは詳細は説明を省略する。但し、図8に示すように、塵埃回収部70aの回転出力装置60の反対側の端部には、本体80aに達磨形状の集塵室係止穴86aが形成されている。この達磨形状の集塵室係止穴86aには、集塵室81aの略長方形の突起部87aが係合する。集塵室81aが本体80aに取り付けられた状態では、突起部87aは、達磨形状の集塵室係止穴86aの上部に位置する上穴部(下部穴より小さく、略長方形の突起部87aの短辺寸法よりわずかに大きい形状である)に位置してここで固定される。集塵室81aを、下部にスライドすることで、、突起部87aが達磨形状の集塵室係止穴86aの下部に位置する下穴部(上穴部より大きく、略長方形の突起部87aの長辺寸法より大きい径を有する)に移動し、ここで下穴部の大きさが突起部87aの回転を阻害しない大きさであるので、本体80aは、集塵室係止穴86aの下部を支点に回転が可能となり開いた状態になる。これにより集塵室81aに溜まったゴミを捨てることができる。ゴミを捨てた後に再び装着するには、上記の逆の手順で進めればよい。
図9は実施の形態1を示す図で、エアフィルター40bの正面図である。エアフィルター40aとエアフィルター40bとは略同様の構成であり、エアフィルター40aはエアフィルター40bよりも左右方向の長さが長いだけなので、代表してエアフィルター40bで説明する。
図9に示すように、エアフィルターガイド16(図4参照)と接触する接触面44b(左右方向の両端に、奥行き方向に形成されている)には、エアフィルターの挿入方向に対して平行に凹凸溝45bを設けている。また、この凹凸溝45bは挿入方向に対して途中で途切れることなく、そして、凹凸溝45bが逆転することなく連続した形状で形成されている。
図10は実施の形態1を示す図で、エアフィルター40bの凹凸溝45bを設けた面を挿入方向に対して垂直に切った断面図である。図10に示すように、連続して設けた凹凸溝45bの断面形状は、例えば、台形(もしくは円弧形状)で形成されている。
エアフィルターガイド16と接触する接触面44bに設けられる凹凸溝45bの数及び各接触部における接触する面の大きさは、接触部の耐久性の観点および接触摩擦を十分考慮して選択されなければならない。このため、図10に記載された台形形状(または、曲率半径の大きな円弧形状でもよい)の断面を有する凹凸溝45を、基本的に複数本設けることが好ましい。図10の例は、エアフィルターガイド16と接触する接触面44bに設けられる凹凸溝45の数は、片側3本である。これは一例であって、凹凸溝45bの数は、複数本であればよい。また、台形形状は、台形の幅b(図10参照)の約5〜30%の高さh(図10参照)を有する形状であることが望ましい。円弧形状の場合もこれに準じる。
また、図11は実施の形態1を示す図で、エアフィルター40bのエアフィルター枠体42bの断面図(図11(a)は図9に示す第1の横桟42b−1(台形)の断面図、図11(b)は図9に示す第2の横桟42b−2(台形)の断面図、図11(c)は図9に示す第1の横桟42b−1(円弧)の断面図、図11(d)は図9に示す第2の横桟42b−2(円弧)の断面図)である。
エアフィルター40a,40bのエアフィルター枠体42a,42bの桟(横桟、縦桟)の表面にPET(ポリエチレンテレフタレート)繊維製のエアフィルター通気体41a,41b(網状体)を配設した場合には、エアフィルター通気体41a,41b(網状体)が簡単に桟から剥れてしまうことがある。そのための対策として、エアフィルター通気体41a,41b(網状体)を桟で挟むように配置してインサート成型し、且つエアフィルター枠体42a,42bの桟の断面を台形もしくは円弧になるようにすることで、エアフィルター通気体41a,41b(網状体)の剥がれを改善しつつ、エアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)の清掃部での塵埃除去性能を良好に維持することができる。
図11(a)は図9に示す第1の横桟42b−1(台形)の断面図であるが、第1の横桟42b−1(台形)は、奥行き方向の両端を除く、互いの間隔が広い部分の横桟である。隣接する第1の横桟42b−1(台形)間の間隔が両端の第2の横桟42b−2(台形)よりも広いため、第1の横桟42b−1(台形)の厚さd1は、第2の横桟42b−2(台形)の厚さd2よりも大きくしても、エアフィルター40の柔軟性を保つことができる。尚、第1の横桟42b−1(台形)の厚さd1は、例えば、数ミリ程度である。
図11(b)は図9に示す第2の横桟42b−2(台形)の断面図であるが、第2の横桟42b−2(台形)は、奥行き方向の両端の互いの間隔が狭い部分の横桟である。図9に示す第2の横桟42b−2(台形)は、例えば、片側に2本形成されている。但し、第2の横桟42b−2(台形)のそれぞれの数は、任意でよい。第2の横桟42b−2(台形)の厚さd2は、エアフィルター40bの柔軟性を保つために第1の横桟42b−1(台形)の厚さd1よりも小さくしている。第2の横桟42b−2(台形)の厚さd2は、例えば、1mmよりも小さい。
図11(c)は図9に示す第1の横桟42b−1(円弧)の断面図であるが、このように第1の横桟42b−1は、断面形状が円弧でもよい。第1の横桟42b−1(円弧)の厚さd1は、第2の横桟42b−2(円弧)の厚さd2よりも大きく、例えば、数ミリ程度である。
図11(d)は図9に示す第2の横桟42b−2(円弧)の断面図であるが、このように第2の横桟42b−2、断面形状が円弧でもよい。第2の横桟42b−2(円弧)の厚さd2は、エアフィルター40bの柔軟性を保つために第1の横桟42b−1(円弧)の厚さd1よりも小さくしている。第2の横桟42b−2(円弧)の厚さd2は、例えば、1mmよりも小さい。
また、図12は実施の形態1を示す図で、塵埃回収部70aのブラシ機構90aとエアフィルター駆動歯車51a,52aの取り付け状態を示す前方視の斜視図である。図12に示すように、回転出力装置60の左右側面からエアフィルター駆動歯車52a,52bとブラシ揺動軸61a,61bが突出している。但し、図12では、斜視図のため片側(左側、エアフィルター駆動歯車52a、ブラシ揺動軸61a)のみ見えている。以下、回転出力装置60の左側について説明するが、右側についても同様の構成である。
エアフィルター駆動歯車52aは、その先に駆動シャフト53aが同軸で伸び、駆動シャフト53aの先端(図12では、左端)にエアフィルター駆動歯車51aが同軸で設置されている。また、エアフィルター駆動歯車51aおよびエアフィルター駆動歯車52aは、エアフィルター40aの両端裏面に形成されたエアフィルター従動歯43a(例えば、図8参照)と噛み合うようになっている。
また、ブラシ機構90aは、図12に示すように、棒状のアルミ製のブラシ係止シャフト91aに短冊状のブラシ92aが横方向に延びて配置され、ブラシ係止シャフト91aに挿入・固定されている。そして、ブラシ係止シャフト91aの両端はブラシ92aが抜けてこないようにスリーブ93a,94aで固定される。スリーブ93aが、ブラシ揺動軸61aに挿入される。また、スリーブ94aは、本体80aの回転出力装置60の反対側の端部に係合する(図8参照)。
また、図13乃至図15は実施の形態1を示す図で、塵埃回収部70aの横断面図である。図13は塵埃回収部70a,70bのうちの塵埃回収部70aを示すが、以下の説明では、塵埃回収部70aを示す図8も使用する。塵埃回収部70bの構成も塵埃回収部70aと同様である。塵埃回収部70bは、左右方向の長さが塵埃回収部70aと異なる。
図13に示すように、エアフィルターガイド82aの斜め上方に駆動シャフト53aに接続されたエアフィルター駆動歯車51aおよびエアフィルター駆動歯車52aを配置し、エアフィルターガイド82aとこれらのエアフィルター駆動歯車51a,52aとの間にエアフィルター40aをガイドし、エアフィルター40aの裏面の左右両端部に形成されたエアフィルター従動歯43aをエアフィルター駆動歯車51a、52aに押し付けることにより、エアフィルター40aがエアフィルター駆動歯車51a,52aの回転軸を中心として枢動される。
また、図13ではブラシ係止シャフト91aは、中空の断面四角形状で、内部にブラシ92aを固定する凸部91a−1を設けたものであるが、形状はこれに限定されるものではなく、長手方向側面からブラシ92aを挿入でき、内側に設けた凸部91a−1でブラシ92aを固定することができる形状であれば、どのような形状であってもよい。
ブラシ係止シャフト91aは、その両端が本体80aの側面板のブラシ係止穴85a(図示はないが、塵埃回収部70aのブラシ係止穴85aが図8に見えている)に挿入され、図13に示すように短冊状のブラシ92aの先端が、本体80aの細長い開口穴83aから上方に出るように配置される。
また、図12に示すように、ブラシ係止シャフト91aの左右の一方の端面(スリーブ93a)が回転出力装置60のブラシ揺動軸61aに同軸で接続される。
また、回転出力装置60の内部にはモータ(図示せず)とギヤなどの伝達機構によるエアフィルター駆動歯車52a,52b(エアフィルター駆動歯車52aにつては図12参照、エアフィルター駆動歯車52bは図示なし)の回転と連動して180度を往復揺動する機構(例えば、正転用ギヤの連結と反転用ギヤの切り離しによる往動と、正転用ギヤの切り離しと反転用ギヤの連結による復動を繰り返す機構、あるいは往動用ギヤの連結による往動とこのギヤの切り離しおよび予め設けられているフライホイールによる反転力を利用した復動を繰り返す機構など)が内蔵され、これによりブラシ揺動軸61a,61b(ブラシ揺動軸61aについては図12参照、ブラシ揺動軸61bは図示なし、但し、ブラシ揺動軸61bはブラシ揺動軸61aと同様の構成であり、空気調和機100を正面から見た場合、回転出力装置60の右側に設置されている。ブラシ揺動軸61aは、図12に示すように、空気調和機100を正面から見た場合、回転出力装置60の左側に設置されている)が180度往復揺動するように構成されている。
このときにブラシ揺動軸61a,61bの揺動速度は、エアフィルター40a,40bの移動速度がブラシ92a,92bの移動速度より遅くなるように選択される。すなわち、エアフィルター40a,40bの移動速度<ブラシ92a,92bの移動速度の関係となるように設定される。
また、回転出力装置60、エアフィルター駆動歯車51a,51b、エアフィルター駆動歯車52a,52b、駆動シャフト53a,53bは空気調和機100に固定されているが、エアフィルター40a,40bと塵埃回収部70a,70bは着脱自在に空気調和機100に固定される。
なお、塵埃回収部70aの固定時に、図12に示すスリーブ93aとブラシ揺動軸61aの形状が互いに係合して固定される形状を有するために軸固定された状態になる。図示はしないが、塵埃回収部70bについても同様に、スリーブ93bとブラシ揺動軸61bの形状が互いに係合して固定される形状を有するために軸固定された状態になる。
上述したように回転出力装置60は空気調和機100の左右方向の中央に配置されており、これまで、この回転出力装置60の一方(図中、左側)に配置されたのみについて主に説明したが(図6を除いて)、他方のエアフィルター清掃装置50b(図中、右側)についても全く同様の構成となっていて、一つの回転出力装置60で左右の両エアフィルター清掃装置50a,50bを駆動させている。
また、図16乃至図18は実施の形態1を示す図で、図16は本体80aを下から見た斜視図、図17は本体80aを下から見た平面図、図18は図16の部分拡大図である。
図16乃至図18に示すように、塵埃回収部70aの櫛状の掻き落とし片84a−1,84a−2(掻き落とし部)は、山、谷を繰り返す形状である。そして、開口穴83aの両端(空気調和機100の前後方向)二箇所に設けられ、ブラシ92aからホコリを掻き取り、集塵室81aにホコリを溜める。図示はしないが、塵埃回収部70bについても同様である。即ち、塵埃回収部70bの櫛状の掻き落とし片84b−1,84b−2(掻き落とし部)は、山、谷を繰り返す形状である。そして、開口穴83bの両端(空気調和機100の前後方向)二箇所に設けられ、ブラシ92bからホコリを掻き取り、集塵室81bにホコリを溜める。
塵埃回収部70aの櫛状の掻き落とし片84a−1,84a−2(掻き落とし部)は、ブラシ92aの揺動(移動)の範囲内で所定の距離を隔てて(離れて)配置される。図13の例では、ブラシ92aがエアフィルター40aに当接する位置の両側に、ブラシ92aの揺動(移動)の範囲内で所定の距離を隔てて配置される。
図18に示すように、櫛状の掻き落とし片84a−1と、掻き落とし片84a−2とは、それぞれの山、谷がブラシ92aの揺動方向(移動方向)において、重ならないようにずれて配置される。図18では、掻き落とし片84a−1の山が、掻き落とし片84a−2の谷に対応し、掻き落とし片84a−1の谷が、掻き落とし片84a−2の山に対応している。但し、これは、理想的な場合で、必ずしも互いの山と谷が対応していなくてもよい。少なくとも、互いの山と谷がずれて配置されていればよい。
なお、送風ファン20は、送風機を構成し、エアフィルター駆動歯車51a,51b、エアフィルター駆動歯車52a,52b、回転出力装置60および駆動シャフト53a,53bは、エアフィルター移動部を構成する。
次に、この実施の形態1の動作について説明する。
使用者が空気調和機100の電源スイッチをONすると、空気調和機100の運転が開始する。その後使用者が電源スイッチをOFFにして停止指令を出した際に、予め設定した空気調和機100の積算運転時間を越えていた場合には、空気調和機100の運転を停止し、エアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)が稼働する。
このように構成されたエアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)において、まずエアフィルター40a,40bの移動動作について説明する。尚、エアフィルター40a,40bのうちのエアフィルター40aを例に説明するが、エアフィルター40bの動作も同様である。
エアフィルター40a,40bは、空気調和機100の内部では、図12、図13に示すように、凸形状の駆動シャフト53aで連結されたエアフィルター駆動歯車51a、エアフィルター駆動歯車52aと前面エアフィルターガイド82a(本体80aに形成されている)に挟まれ、エアフィルター従動歯43a(図8参照)がエアフィルター駆動歯車51a、エアフィルター駆動歯車52aと噛み合った状態になる。
駆動シャフト53aは、凸形状を設けることによって、エアフィルター駆動歯車51a,52aの歯数が奇数歯の場合に生じる左右の歯位置ズレを防いでいる。図13では、駆動シャフト53aを凸形状にしているが、左右で歯車の凸凹形状の位置関係が同じになる形状(例えば、歯車が奇数歯の場合、三角形や台形、歯車が偶数歯の場合小判状や正方形)であればよい。
この状態で使用者が空気調和機100の電源スイッチをオフすると、回転出力装置60に通電され、図示しないモータおよびギヤなどの伝達機構によって、エアフィルター駆動歯車51aとエアフィルター駆動歯車52aが回転する。これにより、エアフィルター40aが前面エアフィルターガイド82aに沿って動き始め、エアフィルター駆動歯車51a,52aの回転軸を中心として回動しながらエアフィルターガイド16に沿って図4の矢印方向に移動して行き、図19に示すように最終的には始動時に前面のエアフィルターガイド82aの近傍にあったエアフィルター40aの端部は背面側熱交換器30cの上方の位置まで移動する。図19は図1のZ−Z断面図(エアフィルター清掃装置50a動作時で、往路が終了し復路に移行する直前の状態を示す)である。
このとき、エアフィルター40a,40bの側面は、エアフィルターガイド16に接触しながら移動する。エアフィルターガイド16は、空気調和機100(室内機)の限られた空間でエアフィルター40a,40bを移動させるため、曲率半径の小さい箇所が発生する。そのためエアフィルター40a,40bは、湾曲しやすいように柔軟性を持たせる必要がある。柔軟性を持たせるためには、エアフィルター40a,40bの厚みを薄くする方法もあるが、この場合、曲率半径が小さくなると樹脂が白化したり、破壊強度が弱くなってしまうという課題があるため、その材料として熱可塑性エラストマー樹脂を用いる。ただし、この安価な熱可塑性エラストマー樹脂は、柔軟性を持たせるためにゴム成分を微量分散させているものが主流であり、そのため表面の摩擦抵抗が一般のABS樹脂(アクリロニトル・ブタジエン・スチレン)と比較して大きくなるため、エアフィルター40a,40bを移動させるために大きな力が必要になる。そのため、エアフィルター40a,40bは、エアフィルターガイド16に接触する接触面44a,44b(図10参照、但し接触面44bのみ)に挿入方向に平行な凹凸溝45a,45b(図10参照、但し凹凸溝45bのみ)を設けることで接触面積を小さくし、小さな力でエアフィルター40a,40bを移動させることが可能になる。
また、この凹凸溝45a,45b(図10参照、但し凹凸溝45bのみ)は、エアフィルターガイド16に接触する接触面44a,44b(図10参照、但し接触面44bのみ)の途中で凸凹が逆転することなく、また連続したラインとして設けることにより、エアフィルターガイド16の成形時に発生するバリなどの僅かな突起物に対しても引っ掛ることなくスムーズに移動させることが可能となる。
また、図11に示すよう凹凸溝45a,45b(図10参照、但し凹凸溝45bのみ)の挿入方向断面形状は、溝が矩形状のごとく90度の頂角をもって構成されるのでなく、台形のごとく鈍角の頂角を持った凸部断面形状として構成する。これにより、挿入方向の対する引っ掛かりのみならず、挿入方向に対し垂直な動き(横方向の動き)に対しても、エアフィルターガイド16の成形時に発生するバリなどの僅かな突起物による引っ掛かりをなくし、スムーズに移動させることが可能になる。また、図10では、凹凸溝45bが台形形状を記載したが、これに限らず円弧形状であっても同様な効果を得ることが出来る。
また、図11に示すように(但し、図11では、エアフィルター通気体41bのみ示す)、桟の表面にPET繊維のエアフィルター通気体41a,41b(網状体)を設けた場合、容易にエアフィルター通気体41a,41b(網状体)が桟から剥れてしまうためにエアフィルター通気体41a,41b(網状体)は桟で挟むように配置してインサート成型し、エアフィルター枠体42a,42bの桟の断面は、台形もしくは円弧になるようにすることで、エアフィルター通気体41a,41b(網状体)の剥がれを改善し、且つ、エアフィルター清掃装置50a,50bの清掃部でエアフィルター通気体41a,41bとエアフィルター枠体42a,42bの境目の塵埃除去性能を良好に維持することができる。
次に、塵埃回収部70a,70bの動作について説明する。塵埃回収部70a,70bのうちの塵埃回収部70aについて説明する。塵埃回収部70bについても、動作は同じである。
エアフィルター40aが移動すると同時にブラシ揺動軸61aの往復揺動によりブラシ機構90a(図12参照)も作動する。ブラシ機構90aは、図13のブラシ92aの先端が上方を向いた状態を中心として前後(空気調和機100の前後方向、図中、左右)に90度ずつ揺動する。つまり図14と図15に示す状態に往復揺動することになる。ブラシ92aは、その先端が開口穴83aから少し飛び出した状態で構成されているため、エアフィルター通気体41a(網状体)とラップした状態で往復揺動し、塵埃を掻き落としていく。エアフィルター通気体41a(網状体)からブラシ92aに移動した塵埃は、ブラシ機構90aの本体80aに設置した、一対の櫛状の掻き落とし片に接触し、掻き落とし片84a−1,84a−2により掻き落とされて集塵室81aに回収、貯留される。
さらに、図13に示すように、往復揺動するブラシ92aの両側に掻き落とし片84a−1,84a−2を設けることで、ブラシ92aは往復揺動の片道工程毎に掻き落とし片84a−1,84a−2と接触し、エアフィルター通気体41aから移動してきた塵埃は掻き落とされる。従って、往復揺動の往路でブラシ92aに移動した塵埃が、復路において再びエアフィルター通気体41aに戻ってしまうという事態は回避でき、確実な塵埃回収が成し遂げられる。
また、ブラシ92aの両側に設けた櫛状の掻き落とし片84a−1,84a−2の山、谷の位置関係をブラシ92aの移動方向で変えることで、ブラシ92aに付いた、櫛状の掻き落とし片84a−1,84a−2の一方の山、谷によって生じるブラシ92aの粗密のくせを、掻き落とし片84a−1,84a−2の他方で元に戻すことができる。このことにより、ブラシ92aにできた粗密のくせによりエアフィルター40aとブラシ92aが接することができず、ホコリが除去することができない箇所を発生するのを抑制することができる。
ブラシ92aの両側に設けた櫛状の掻き落とし片84a−1,84a−2は、図18に示すように、櫛状の掻き落とし片84a−1と、掻き落とし片84a−2とは、それぞれの山、谷がブラシ92aの揺動方向(移動方向)において、重ならないようにずれて配置される。
ブラシ92aは、上方を向いた短冊状であり、且つ180度往復揺動するため、ブラシ機構90aの搭載スペースが小さくできるし、それにより、従来の360度回転ブラシのようにブラシが下方に向かって伸長していないことで、そのブラシの高さ分集塵室81aを浅くしても集塵室81aに必要な容積、すなわち従来同様の容積は確保できる。
また、ブラシ92aを、図14と図15示す状態に揺動運動させることで、ホコリが集塵室81aの上部まで溜まってきたときに、ブラシ機構90aの揺動運動によってホコリを下方に圧縮させ、小さな集塵室81aに多くのホコリを溜めることができる。
このエアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)は、装置全体が360度回転ブラシを備えた従来のエアフィルター清掃装置に比べて小型化でき、空気調和機100におけるエアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)の搭載スペースを小さくすることができる。また、エアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)を小型化できることで、空気調和機100本体を小型化することも可能となる。
さらに、ブラシ92a,92bの動作が上方に向かって180度の範囲のみなので、集塵室81a,81bに貯留した塵埃、すなわち既にブラシ92a,92bによりエアフィルター40a,40bから回収した塵埃を、ブラシ92a,92bによって上に舞上げてしまうこともない。一度回収した塵埃は、確実に集塵室81a,81b内に収めておくことができ、一度集塵室81a,81bに回収した塵埃がブラシ92a,92bによってエアフィルター40a,40bに再び戻ってしまうような事態を回避することができる。
エアフィルター40aは、図19の位置まで移動したら、再び元の位置(図4)まで戻ってくる(エアフィルター40bについても同じ)。このときにブラシ機構90aも往復揺動しているため、前記同様エアフィルター40aを清掃し、エアフィルター40aの移動時に常に清掃することになる。エアフィルター40aの移動方向に対してブラシ92の移動方向が逆の場合は、当然問題なく塵埃を除去でき、お互いの移動方向が同一の場合もブラシ92aの方がスピードを速く設定してあるため問題なく除去できる。尚、エアフィルターは、往復運動をするのではなく、一方向に回転するようにしてもよい。
なお、上記の例では、ブラシ92aを180度往復揺動(空気調和機100の前後方向に90度ずつ揺動)させる場合について説明したが、これに限らず、180度以下の範囲で往復揺動させてもよい。この場合には、集塵室81aに貯留された塵埃を上に飛ばす力もさらに弱くなり、エアフィルター40aに戻すことを防げる。
なお、各部品の形状公差やそれらの組み立て公差など、いわゆるバラツキを考慮して、実質的なブラシ機構90a,90bの往復揺動範囲が180度となるように、言い換えれば、確実に180度の範囲で往復運動されるように、回転出力装置60による往復揺動範囲は、180度より大きめに設定し、上記のバラツキを吸収するようにしてもよい。例えば、前後にそれぞれ5度ずつバラツキ吸収のための回転出力装置60による揺動角度の余裕代を設け、回転出力装置60は190度の範囲で揺動させるのである。
また、上記の例では電源スイッチをオフした直後にエアフィルター40a,40bの清掃をする例で説明したが、これに限らない。例えば、別途エアフィルター清掃専用のスイッチを設け、このスイッチが押されたら、空気調和機100の運転を一旦停止して、エアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)によるエアフィルター清掃を行うように構成してもよい。
また、上記の例では、天面側に吸込口11を形成した例について説明したが、これに限らず、前面側に吸込口11を形成してもよい。
また、上記の例では、エアフィルター40a,40bをUターン(往復運動)させ、短冊状のブラシ92a,92bを用い揺動運動させることでエアフィルター40a,40bのホコリを除去させるエアフィルター清掃装置50(エアフィルター清掃装置50a,50b)について説明を行なったが、ブラシを短冊状ではなく円周状(ロール状)に設け、ブラシを回転させることでエアフィルターのホコリを除去する機構についても、櫛状の掻き落とし片を、所定距離を隔てて(離して)二箇所以上設け、その山、谷の位置をブラシの移動方向において、重ならないようにずらすように配置した場合でも、ブラシの粗密のくせを抑制する同じ効果が得られる。
また、上記の例では、エアフィルター40a,40bを移動させ、ホコリを除去する機構について説明を行なったが、エアフィルターを固定(固定でなくてもよい)し、ブラシを短冊状に設け、上記ブラシをエアフィルター表面でスライドさせ、ホコリを除去する機構においても、上記ブラシのスライドの範囲内に、櫛状の掻き落とし片を、所定距離を隔てて二箇所以上設け、その山、谷の位置を前記ブラシのスライド方向(移動方向)に、重ならないようにずらして配置する場合でもブラシの粗密のくせを抑制する同じ効果が得られる。
エアフィルターとブラシとの動作をまとめると、先ずエアフィルターについては、
(1)往復;
(2)回転;
(3)静止。
また、ブラシについては、
(1)揺動;
(2)回転;
(3)スライド。
エアフィルターとブラシとは、これらの組み合わせで動作する。このとき、エアフィルターは静止する場合もあるが、ブラシは必ず移動(揺動、回転、スライド)する。そこで、このときのブラシの動作を、「相対運動」と定義する。
以上のように、空気調和機100(室内機)の限られたスペースのなかで、ブラシ92a,92bのホコリを取り除く櫛状の掻き落とし片84a,84bを、ブラシ92a,92bの移動の範囲内で所定距離を隔てて二箇所以上設けるとともに、それぞれの山、谷の位置をブラシ92a,92bの移動方向において、重ならないようにずらすことで、ブラシ92a,92bに櫛状のくせをつくのを防止し、エアフィルター40a,40bのホコリを一様に取り除くことができる。