JP2012032137A - 空気調和機 - Google Patents

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弘志 ▲廣▼▲崎▼
Hiroshi Hirosaki
Hidetomo Nakagawa
英知 中川
Hisanori Ikeda
久典 池田
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Abstract

【課題】エアフィルタを湾曲させる際に屈曲率を一定にし、エアフィルタ清掃装置においてフィルタの清掃効率の悪化を抑制できる空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機100は、吸込み口2に設けられたエアフィルタ40、及びエアフィルタ40を清掃するエアフィルタ清掃装置50を備えている。エアフィルタ40は、背面側にラック48が形成された縦枠42、横枠43、縦棧44及び横棧45を有する枠体41と、枠体41に設けられたフィルタ通気体46と、を備えている。エアフィルタ清掃装置50は、縦枠42の背面側に形成されたラック48と噛合う歯車61,62を有するエアフィルタ移動手段を備え、エアフィルタ40を縦枠42の長手方向に移動させて湾曲させ、この湾曲部でエアフィルタ40に捕捉された塵埃を除去する。また、エアフィルタ40には、縦棧44の背面側にもラック48が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、空気調和機に関し、特に、エアフィルタ及びこのエアフィルタに捕捉された塵埃を除去するエアフィルタ清掃装置を備えた空気調和機に関するものである。
従来のエアフィルタに、フィルタ網と、このフィルタ網の四方を支持するフィルタ枠とからなり、フィルタ枠は、側方を支持する縦枠と上下を支持する横枠とから構成され、縦枠の両面の縦方向に凹凸が設けられて全体として波形状に形成し、縦枠を薄肉で撓み易くし、フィルタを湾曲し易くしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−147123号公報(第4、5頁、図7)
特許文献1のエアフィルタは、両側の縦枠の一方の面に長手方向と直交して、エアフィルタの駆動手段と噛合う凹凸を設けると共に、他方の面にも同様に凹凸を設けてあるが、両縦枠の間にある縦リブには凹凸が設けられていない。そのため、エアフィルタをガイド手段に沿って湾曲させた際に、凹凸が設けられた縦枠と凹凸のない縦棧との間で曲率が異なるため、エアフィルタを一様に湾曲させることができなかった。
そのため、エアフィルタがガイド手段から外れたり、エアフィルタが撓んで他の構造体に引っ掛ったりして動作不良を起こし易いという問題があり、また、このために清掃手段によるフィルタの清掃効率が悪いなどの問題があった。さらに、エアフィルタが他の構造体との引っ掛りが外れたとしても、外れる際に異音が発生して好ましくない等の問題もあった。
また、エアフィルタの縦枠の表面には、長手方向と直交して凹凸が設けられており、この凹凸がガイド手段と接触するため摩擦抵抗が大きく、そのため、ガイド手段への挿入性が悪いばかりでなく、移動させる際に大きなトルクが必要である等の問題もあった。
本発明は、上記の課題のうちの少なくとも1つを解決するためになされたもので、エアフィルタを湾曲させる際に屈曲率を一定にし、エアフィルタ清掃装置においてフィルタの清掃効率の悪化を抑制することが可能な空気調和機を提供することを目的としたものである。
本発明に係る空気調和機は、筐体の吸込み口に設けられたエアフィルタと、該エアフィルタに捕捉された塵埃を除去するエアフィルタ清掃装置と、を備えた空気調和機において、前記エアフィルタは、左右両側に設けられて背面側にラックが形成された縦枠、これら縦枠の上下端を接続する横枠、前記縦枠の間に設けられた縦棧、及び前記横枠の間に設けられた横棧を有する枠体と、該枠体に設けられたフィルタ通気体と、を備え、前記エアフィルタ清掃装置が、前記縦枠の背面側に形成された前記ラックと噛合う歯車を有し、これら歯車を駆動させることにより前記エアフィルタを移動させるエアフィルタ移動手段を備え、該エアフィルタ移動手段により、前記エアフィルタを前記縦枠の長手方向に移動させて湾曲させ、該湾曲部で前記エアフィルタに捕捉された塵埃を除去するものであるとともに、前記エアフィルタは、前記縦棧の背面側にも前記ラックと略同一形状のラックが形成されているものである。
本発明によれば、エアフィルタを湾曲させる際に屈曲率が一定となるので、エアフィルタ清掃装置の塵埃除去機能を良好に維持することができる。
本発明の一実施の形態に係る空気調和機の模式的断面図である。 図1のエアフィルタの正面図である。 図2のエアフィルタの背面斜視図である。 図2のエアフィルタ及びエアフィルタガイドの一部拡大図である。 図2のエアフィルタの縦棧及び横棧の断面図である。 エアフィルタ清掃装置を含むエアフィルタの取付状況を示す斜視図である。 図6の背面の一部拡大図である。 図6の回転出力部とこれに連結されたエアフィルタ駆動手段及びブラシ揺動手段の説明図である。 エアフィルタ駆動手段の一部及び塵埃回収装置を示す模式図である。 図9の作用説明図である。 図1のエアフィルタ駆動手段の作用説明図である。
図1は本発明の一実施の形態に係る空気調和機の模式的断面図である。
本発明に係る空気調和機100は、筐体1と、筐体1内に設置されて外部の空気を吸引すると共に、吸引した空気を外部へ吹出す送風ファン20と、送風ファン20が形成する風路内に設置され、吸引した空気を調和する熱交換器30と、吸引した空気に含まれる塵埃を捕捉するエアフィルタ40と、このエアフィルタ40を清掃するエアフィルタ清掃装置50とを備えている。
筐体1は両端部が閉塞されたほぼ筒状に形成され、天面には空気の吸込み口2が設けられており、下面には吸込み口2から吸込んだ空気を外部へ吹出す吹出し口3が設けられている。また、前面側は開口され、この開口部を開閉する前面パネル4が設けられており、背面側は背面板5により閉塞されている。
送風ファン20は筐体1内のほぼ中央部に設置されており、吸込み口2から吹出し口3に至る風路を形成する。なお、送風ファン20と吹出し口3との間の吹出し側風路は、ノズル6と背面板5の一部をなす背面ガイド板7とによって挟まれている。8は吹出し口3に設けた風向板である。
吸込み口2と送風ファン20との間の吸込み側風路には熱交換器30が設置されており、この熱交換器30は、前面側下部の熱交換器30a、前面側上部の熱交換器30b及び背面側の熱交換器30cによって構成され、送風ファン20を取り囲むように配置され、吸込み口2から吸引された空気を空気調和(冷却、加熱、加湿等)する。そして、前面側下部の熱交換器30aはノズル6より上方に設置されている。なお、上記の説明では、送風ファン20を取り囲むように熱交換器30を配置した場合を示したが、熱交換器30の配置はこれに限定するものではない。
エアフィルタ40は、図2の正面図、図3の背面斜視図に示すように、左右の縦枠42a,42b(以下、単に42と記すことがある)、上下の横枠43a,43b、1本又は複数本の縦棧44及び複数本の横棧45からなり、左右の幅より奥行方向が長い長方形で、例えば、熱可塑性エラストマー樹脂の如き柔軟性を有する材料からなる枠体41と、例えば、PET繊維からなり、枠体41にインサートされて一体成形されたフィルタ通気体(網状体)46とからなっている。
そして、エアフィルタ40の縦枠42a,42bの前面側(後述のエアフィルタガイド10と接触し易い面)には、長手方向に沿って複数条の凹凸部47が設けられている。この場合、凹凸部47の数、エアフィルタガイド10と接触する接触面の大きさは、接触部の耐久性の観点及び接触摩擦を十分考慮して選択しなければならない。
そのため、凹凸部47は、図4に示すように、その断面形状が台形状に形成されており、凸部の高さhは、その幅wの10〜30%程度であることが望ましい。なお、台形状の凸部に代えて、曲率半径の大きい円弧状の断面形状であってもよい。
また、縦棧44及び横棧45の前面側は、図5に示すように、長手方向に沿って断面台形状47a又は円弧状47bに形成されて、後述のエアフィルタ清掃装置50による塵埃除去性能を良好に維持するようになっている。
さらに、エアフィルタ40の縦枠42a,42b及び縦棧44の背面側には、図3に示すように、長手方向の全長にわたって長手方向と直交するラック48が設けられている。
上記のように構成したエアフィルタ40は、図1に示すように、筐体1の吸込み口2から前面上部にかけて、エアフィルタ40の縦枠42a,42bに対応して設けたエアフィルタガイド10に沿って設置される。この場合、エアフィルタ40は成形時は平板状に形成されているが、筐体1にセットされると柔軟性を有するため、図1に示すように、フィルタガイド10に沿ってほぼC字状に湾曲した状態で保持される。
ところで、エアフィルタガイド10は、図1に示すように、吸込み口2の下流側において吸込み口2に沿って設けられた天面エアフィルタガイド10a、これに続く上部エアフィルタガイド10b、前面側から上部エアフィルタガイド10bの側壁の下面にかけて配置された前面エアフィルタガイド10c及び前面エアフィルタガイド10cに続く下面エアフィルタガイド10dからなっている。そして、下面エアフィルタガイド10dに連続して、上部エアフィルタガイド10bの側壁に対向して設けられたほぼ半円状の巻取りガイドリブ13が設けられている。
図6はエアフィルタ清掃装置50を含むエアフィルタ40の取付状態を示す斜視図、図7は図6の背面一部拡大図である。2枚のエアフィルタ40a,40bは間に回転出力部60を挟んで、それぞれ両側に設けたエアフィルタガイド10に沿ってセットされる。ここで、図6には、左右2枚のエアフィルタ40等を示してあるが、両者はほぼ同じ構造なので、以下図の左側のエアフィルタ40及びエアフィルタ清掃装置50について説明する。なお、エアフィルタ清掃装置50は、図6、図7に示すように、モータ等(図示せず)を内蔵し、2枚のエアフィルタ40a,40bの間に設けられた回転出力部60と、エアフィルタ40から塵埃を除去してこれを溜める塵埃回収部70とからなっている。
図8は図6の回転出力部6と、これに連結されたエアフィルタ駆動手段及びブラシ揺動手段の説明図である。
モータ等を内蔵した回転出力部60の両側には、モータによって回転駆動されるエアフィルタ40の駆動歯車(ピニオン)61及びモータによって揺動駆動されるブラシ揺動軸64が設けられている。63は断面ほぼ凸字状の歯車駆動軸で、一端は回転出力部60のエアフィルタの駆動歯車61に連結され、他端にはエアフィルタの駆動歯車61と同じ大きさのエアフィルタの駆動歯車(ピニオン)62が設けられている。このエアフィルタの駆動歯車61,62は、エアフィルタ40を筐体1にセットしたときに、その縦枠42a,42bに設けたラック48が噛合うようになっている。
71はブラシ装置で、一端が回転出力部60のブラシ揺動軸64に連結され、長手方向にブラシ73が取付けられた棒状でアルミニウム製のブラシ取付軸72からなり、ブラシ取付軸72の両端部には、ブラシ73が抜け出るのを防止するために、スリーブ74a,74bが設けられている。
図9はエアフィルタ40の駆動手段の一部及び塵埃回収装置70を示す模式図である。
図7〜図9に示すように、前面エアフィルタガイド10cの内側には、歯車駆動軸63に設けたエアフィルタ40の駆動歯車61,62が配置され、前面エアフィルタガイド10cとエアフィルタの駆動歯車61,62との間にエアフィルタ40の縦枠42を挟持して、縦枠42に設けたラック48をエアフィルタの駆動歯車61,62と噛合わせることにより、エアフィルタ40は図1の矢印a方向(又は反矢印a方向)に移動しうるように保持される。
ブラシ装置71は図9に示すように、本例においては内部に凸状のブラシ固定部が設けられ、長手方向にブラシ取付溝が設けられたアルミニウム製で中空円筒状のブラシ取付軸72を有し、ブラシ取付溝にほぼ短柵状のブラシ73が挿入保持されたもので、その両端部にはブラシ73の脱落を防止するスリーブ74a,74bが設けられている。なお、ブラシ取付軸72は、図8、図9に図示の構造に限定するものではなく、長手方向にブラシ73を取付けて固定できるものであれば、他の構造であってもよい。
このブラシ取付軸72は、その両側が集塵室74の両側壁に揺動可能に支持され、ブラシ73の上部が集塵室75の上部から、前面エアフィルタガイド10cの下面の長手方向(幅方向)に設けた開口部11から突出するようになっている。
そして、回転出力部60内に設けたモータと、歯車などの伝達機構によるエアフィルタ40の駆動歯車61と連動して180°往復揺動する機構(例えば、正転用歯車の連結と反転用歯車の切り離しによる往動と、正転用歯車の切り離しと反転用歯車の連結により復動を繰り返えす機構、あるいは、往動用歯車の連結による往動とこの歯車の切り離し及び予め設けられているフライホイールによる反転力を利用した復動を繰り返えす機構など)が内蔵され、これにより、ブラシ揺動軸64、したがってブラシ取付軸72が180°の範囲で往復揺動するように構成されている。
このときのブラシ取付軸72の揺動速度は、エアフィルタ40の移動速度より速くなるように選択される。すなわち、エアフィルタ40の移動速度<ブラシ73の移動速度となるように設定されている。
また、回転出力部60に連結されたエアフィルタ40の駆動歯車61,62を有する歯車駆動軸63は、回転出力部60及び筐体1の側壁に回転自在に支持されており、ブラシ装置71を含む塵埃回収部70は、前面フィルタガイド10cの下部に着脱可能に取付けられる。なお、ブラシ取付軸72は、塵埃回収部70を前面フィルタガイド10cに取付ける際に、その一端に設けたスリーブ74bがブラシ揺動軸64に係合して連結される。
次に、上記のように構成した本発明に係る空気調和機100の動作について説明する。
使用者が空気調和機100の電源スイッチをONすると、運転を開始する。その後使用者が電源スイッチをOFFして運転停止指令を出したときに、あらかじめ設定した積算運転時間を超えている場合は、空気調和機の運転を停止し、エアフィルタ清掃装置50を稼動させる。
このようなエアフィルタ清掃装置50において、先ず、エアフィルタ40の移動について説明する。
エアフィルタ清掃装置50の稼動に伴って、回転出力部60のモータが回転駆動され、この回転はエアフィルタの駆動歯車61,62に伝達される。これにより、縦枠42a,42bに設けたラック48がエアフィルタの駆動歯車61,62と噛合うエアフィルタ40は、エアフィルタガイド10に沿って図1の矢印a方向に移動する。そして、下部エアフィルタガイド10dから巻取りガイドリブ13に沿って送られ、図11に示すように、上部熱交換器30bと上部エアフィルタガイド10bとの間に、その大部分が収容される。
このとき、エアフィルタ40はエアフィルタガイド10に接触しつつ移動するが、エアフィルタ40は筐体1内の限られた空間内を移動するため、曲率半径の小さい箇所が発生し、エアフィルタ40がエアフィルタガイド10に強く押し付けられることがある。
このため、エアフィルタ40は湾曲し易いようにできるだけ柔軟性を持たせる必要があり、エアフィルタ40の枠体41の厚みを薄くすることが考えられる。しかし、このようにすると、曲率半径が小さくなると枠体41を構成する樹脂が白化したり、強度が低下するという問題がある。
このようなことから、本発明においては、エアフィルタ40の枠体41に熱可塑性エラストマー樹脂を用いた。このような熱可塑性エラストマー樹脂は、柔軟性を持たせるためにゴム成分を微量に分散させているものが主流である。そのため、一般のABSに比べて表面の摩擦抵抗が大きくなり、エアフィルタガイド10と接触するエアフィルタ40を移動させるためには、大きな力が必要である。
そこで、本発明においては、エアフィルタガイド10と多く接触するエアフィルタ40の枠体41の左右の縦枠42a,42bの表面に、長手方向に沿って複数条の凹凸部47を設け、エアフィルタガイド10との接触面積を小さくして、小さい力でエアフィルタ40を移動させることができるようにした。
上記のように構成したエアフィルタ40の移動手段において、両端部にエアフィルタの駆動歯車61,62を有する歯車駆動軸63は、断面凸字状に形成されているので、エアフィルタの駆動歯車61にこの凸部を合わせ歯車駆動軸63を連結し、エアフィルタの駆動歯車62を凸部に合わせて歯車駆動軸63に取付ければよいため、エアフィルタの駆動歯車61,62が奇数歯の場合に生じる左右の歯位置のずれを防止することができる。なお、図には歯車駆動軸63の断面形状が凸字状の場合を示したが、これに限定するものではなく、両エアフィルタの駆動歯車61,62の歯位置を整合しうるものであれば、他の断面形状であってもよい。
また、エアフィルタ40の枠体41の縦枠42a,42bの表面の長手方向に設けた複数条の凹凸部47は、長手方向の途中で凹凸が逆転したり途切れたりすることがなく、連続したラインで設けられているので、成形時に発生した小さなバリなど、僅かな突起物があっても引っ掛かることがなく、スムーズに移動することができる。
さらに、枠体41の縦枠42a,42bの表面の長手方向に設けた凹凸部47は、図4に示すように、通常の溝の断面形状のように90°の頂角で形成するのではなく、例えば、台形のように鈍角の頂角をもった凹凸断面形状となっているので、エアフィルタ40の移動方向(矢印a方向又は反矢印a方向)の動きは勿論、移動方向と直交する方向の動き(横方向の動き)に対しても、成形時に発生した小さなバリなどの僅かな突起などに影響されることなく、スムーズに移動させることができる。なお、この凹凸部47の断面形状が円弧状の場合も同様である。
また、枠体41の表面に例えばPET繊維からなるフィルタ通気体46を設けた場合、枠体41を構成する熱可塑性エラストマー樹脂、特に、オリフィン系のエラストマー樹脂は、安価ではあるがPET繊維との融着性が悪いため枠体41から離れ易い。
本発明においては、PET繊維からなるフィルタ通気体46を、縦棧44と横棧45にインサートして成形し、縦棧44と横棧45の表面を台形状46a又は円弧状46bに形成したものである。これにより、フィルタ通気体46が枠体41から離れることがなく、また、エアフィルタ清掃装置50による塵埃除去機能を良好に維持することができる。
さらに、図3、図7に示すように、エアフィルタ40を構成する枠体41の縦枠42a,42bの背面側に、エアフィルタの駆動歯車61,62と噛合ってエアフィルタ40を移動させるラック48を設けると共に、エアフィルタ40の移動に関係のない縦棧44の背面側にも同様にラック48を設けたので、エアフィルタ40を湾曲させる際の湾曲箇所が同じになって、屈曲率を一定にすることができ、また、エアフィルタ40の移動軌路の最小曲率半径が小さくなっても容易に追従することができ、枠体41が白化することもない。
このように、エアフィルタ40の屈曲率を一定にすることにより、エアフィルタ40がフィルタ清掃装置50を通過する際に撓みがなくなり、また片当りすることもないので、ブラシ73の当りが一定になって除塵効率を高めることができる。
また、エアフィルタ40の屈曲率が一定になって撓みが無くなることにより、エアフィルタ40がエアフィルタガイド10に片当りしたり外れたりすることがなく、スムーズに移動することができ、さらに、近傍の構造物との接触による動作不良や異音を発生したりすることもない。なお、図にはラック48を設けた左右の縦枠42a,42bと縦棧44の幅が異なる場合を示したが、これらを同じ幅に形成してもよく、このように構成することによりエアフィルタ40が湾曲するときの力が一定になり、屈曲率をより一定にすることができる。
次に、フィルタ清掃装置50の塵埃回収部70の作用について説明する。
エアフィルタ40が移動すると同時に、回転出力部60のブラシ揺動軸64の揺動により、ブラシ装置71が作動する。ブラシ装置71は図9に示すように、ブラシ73の先端部が上に向いた状態を中心(死点)とし、前後(図の左右)に90°ずつ揺動する。つまり、図9の状態から図10(a)又は(b)の状態に揺動する。
ブラシ73はその先端部が開口部11から上方に突出状態に配置されているため、エアフィルタ通気体46に摺接した状態で往復揺動し、エアフィルタ40に付着した塵埃を掻き落す。この場合、ブラシの揺動方向がエアフィルタ40の移動方向に対して逆の場合は問題なく塵埃は除去されるが、ブラシ73の揺動方向がエアフィルタ40の移動方向と同方向の場合でも、前述のようにブラシ73の揺動速度の方がエアフィルタ40の移動速度より速く設定してあるので、この場合も問題なく塵埃を除去することができる。
エアフィルタ40から除去されてブラシ73に付着した塵埃は、前面エアフィルタガイド10cの開口部11の両側の長手方向に設けられた掻き落し片12a,12bのいずれか一方に接触し、ブラシ73から掻き落されて集塵室75内に回収され、集積される。
図1の矢印a方向(以下、正方向という)に移動し、巻取りガイドリブ13に巻かれたエアフィルタ40は、図11の状態になると回転出力部60のモータが逆回転し、これに連結されたエアフィルタ40の駆動歯車61,62を逆回転させ、エアフィルタ40を反矢印a方向(以下、逆方向という)に移動させて、再び元の位置に戻す。
このとき、回転出力部60に設けたブラシ揺動軸64は、引続き揺動運動を行ってブラシ取付軸72を揺動させ、エアフィルタ40の正方向への移動の場合と同様に、逆方向に移動するエアフィルタ40をブラシ73により清掃する。このように、エアフィルタ40は、正逆方向のいずれの移動時にも常にブラシ73により清掃される。
この場合、図9、図10に示すように、塵埃の掻き落し片12a,12bは開口部11の両側に設けられているので、ブラシ73は、往復揺動の片道工程ごとに掻き落し片12a,12bのいずれかに接触し、ブラシ73に付着した塵埃が掻き落される。このため、例えば往復揺動の往路でエアフィルタ40からブラシ73に掻き落された塵埃が、復路で再びエアフィルタ40に付着するという事態を回避することができ、エアフィルタ40に付着した塵埃を確実に除去し、回収することができる。
また、ブラシ73は上を向いた短柵状であり、かつ、180°往復揺動するため、ブラシ装置71の搭載スペースを小さくすることができ、また、従来の360°回転する回転ブラシのように、ブラシが下方に向って突出することがないので、その分集塵室75を浅く(小さく)することができ、このようにしても、集塵室75の必要容積を従来と同様に確保することができる。
このため、本発明においては、エアフィルタ清掃装置50を従来より小型化することができ、空気調和機100におけるエアフィルタ清掃装置50の搭載スペースを小さくすることができる。さらに、エアフィルタ清掃装置50を小型化できることにより、空気調和機100そのものを小型化することができる。
本発明においては、各部品の形状公差やそれらの組立公差など、いわゆるバラツキを考慮して、実質的にブラシ73の往復揺動範囲が180°になるように、換言すればブラシ73が確実に180°の範囲で往復運動できるように、回転出力部60によるブラシ揺動軸64の往復揺動範囲を180°より大きめに設定し、上記のバラツキを吸収するようにしてもよい。例えば、回転出力部60に設けたブラシ揺動軸64の揺動範囲を、バラツキ吸収のために前後にそれぞれ5°ずつ揺動範囲の余裕化を持たせ、ブラシ駆動軸64を190°の範囲で揺動させるようにしてもよい。
また、上記の説明では、ブラシ73を180°往復揺動(前後に90°ずつ揺動)させる場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、180°以下の範囲でブラシ73を往復運動させるようにしてもよい。この場合は集塵室75に集積された塵埃を上方に飛ばす力がさらに弱くなり、塵埃がエアフィルタ40に戻るのを確実に防止することができる。
また、上記の説明では、空気調和機100の電源スイッチをOFFした直後にエアフィルタ清掃装置50が稼動を開始するように説明したが、これに限定するものではなく、例えば、エアフィルタ清掃装置50の専用スイッチを別に設け、このスイッチをONしたときは空気調和機の運転を一旦停止して、エアフィルタ清掃装置50によるエアフィルタ40の清掃を行うようにしてもよい。
さらに、上記の説明では、天面側に吸込み口2を有する空気調和機100に本発明を実施した場合を示したが、例えば、前面側に吸込み口を有する空気調和機等、他の構造の空気調和機にも本発明を実施することができる。
1 筐体、2 吸込み口、3 吹出し口、10 エアフィルタガイド、11 開口部、12a,12b 掻き落し片、13 巻取りガイドリブ、20 送風ファン、30 熱交換器、40 エアフィルタ、41 枠体、42a,42b 縦枠、44 縦棧、45 横棧、46 フィルタ通気体、47 凹凸部、48 ラック、50 エアフィルタ清掃装置、60 回転出力部、61,62 エアフィルタの駆動歯車、63 歯車駆動軸、64 ブラシ揺動軸、70 塵埃回収部、72 ブラシ取付軸、73 ブラシ、75 集塵室、100 空気調和機。
本発明に係る空気調和機は、筐体の吸込み口に設けられたエアフィルタと、該エアフィルタに捕捉された塵埃を除去するエアフィルタ清掃装置と、を備えた空気調和機において、前記エアフィルタは、左右両側に設けられて背面側の全域にラックが形成された縦枠、これら縦枠の上下端を接続する横枠、上下端がこれら横枠に接続されて前記縦枠の間に設けられた縦棧、及び前記横枠の間に設けられた横棧を有する枠体と、該枠体に設けられたフィルタ通気体と、を備え、前記エアフィルタ清掃装置が、前記縦枠の背面側に形成された前記ラックと噛合う歯車を有し、これら歯車を駆動させることにより前記エアフィルタを前記縦枠の長手方向に移動させて湾曲させるエアフィルタ移動手段と、前記エアフィルタの湾曲箇所に接するブラシと、を備え、該エアフィルタ移動手段により、前記エアフィルタを前記縦枠の長手方向に移動させて、前記エアフィルタの前記湾曲箇所を前記縦枠の長手方向に移動させ、該湾曲箇所において前記ブラシにより前記エアフィルタに捕捉された塵埃を除去するものであるとともに、前記エアフィルタは、前記縦棧の背面側にも、その全域に前記ラックと略同一形状のラックが形成されているものである。

Claims (5)

  1. 筐体の吸込み口に設けられたエアフィルタと、該エアフィルタに捕捉された塵埃を除去するエアフィルタ清掃装置と、を備えた空気調和機において、
    前記エアフィルタは、
    左右両側に設けられて背面側にラックが形成された縦枠、これら縦枠の上下端を接続する横枠、前記縦枠の間に設けられた縦棧、及び前記横枠の間に設けられた横棧を有する枠体と、
    該枠体に設けられたフィルタ通気体と、
    を備え、
    前記エアフィルタ清掃装置が、
    前記縦枠の背面側に形成された前記ラックと噛合う歯車を有し、これら歯車を駆動させることにより前記エアフィルタを移動させるエアフィルタ移動手段を備え、
    該エアフィルタ移動手段により、前記エアフィルタを前記縦枠の長手方向に移動させて湾曲させ、該湾曲部で前記エアフィルタに捕捉された塵埃を除去するものであるとともに、
    前記エアフィルタは、
    前記縦棧の背面側にも前記ラックと略同一形状のラックが形成されていることを特徴とする空気調和機。
  2. 前記エアフィルタは、筐体の左右方向に2枚設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 前記エアフィルタは、
    前記縦棧の幅が前記縦枠の幅よりも狭く構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気調和機。
  4. 前記枠体を熱可塑性エラストマー樹脂で構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の空気調和機。
  5. 前記フィルタ通気体をPET繊維で構成し、前記枠体にインサートして成形したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の空気調和機。
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