JP2007218542A - フィルタ清掃装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 油汚れやタバコのヤニ等の塵埃をフィルタから効果的に除去することができるフィルタ清掃装置を提供する。
【解決手段】 空気中の塵埃を除去するフィルタを案内する案内路を有し内部に空気流路を発生する除塵ボックス10,11と、該除塵ボックス内でその長さ方向に沿って配置された清掃ブラシ41と、該清掃ブラシを回転駆動する電動モータ47と、前記フィルタを除塵ボックスに対してその長さ方向と直交する方向に相対的に往復移動させる移動手段とを備え、フィルタを除塵ボックスの長さ方向と直交する方向に相対的に往復移動させながら、モータにより清掃ブラシを回転駆動させてフィルタの表面に付着した塵埃を強制的に離脱させる。この際、清掃ブラシの回転方向を一定方向にしたり、電圧起動時のロータ位置に応じてモータの回転方向が定まるように回転させたり、あるいは正逆回転の組み合わせからなるシーケンス制御を行う。
【選択図】 図5

Description

本発明は、空気中の塵埃を除去するフィルタを清掃するフィルタ清掃装置及びこのフィルタ清掃装置を搭載した空気調和機等の空気調節装置に関するものである。
従来、この種の空気調和機として、特許文献1には、塵埃を除去するブラシを備えたダストボックスをフィルタに接触するように配設し、フィルタを移動させることによりフィルタ全体を除塵するフィルタ清掃装置が開示されている。
また、特許文献2には、フィルタに付着した塵埃を吸入する、移動可能な吸込ノズルを設け、この吸込ノズルに吸込みダクトを接続し、該ダクトを通して吸引排気装置により、吸込んだ塵埃を室外に排気するようにしたフィルタ装置が開示されている。
特開2005−188808号公報 特開2004−283703号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の空気調和機においては、フィルタに付着した塵埃をブラシで掻き落とすため、ブラシの接触によりフィルタを傷める原因となり、また、ブラシに付いた塵埃がフィルタに再付着するおそれがある。さらに、特許文献1記載のフィルタ清掃装置では、ダストボックス内に塵埃が溜まるたびに塵埃を廃棄しなければならないといった問題があった。
一方、特許文献2記載のフィルタ清掃装置は、ブラシでフィルタに付着した塵埃を除去するのではなく、空気の吸引力によって除去する方式であるために、フィルタを傷めたり、清掃装置に塵埃が溜まるおそれはない。しかし、特許文献2記載のフィルタ清掃装置は、吸入ノズルに形成された吸入口をフィルタ表面に接触させて塵埃を吸込むため、吸入口の面積を大きくして塵埃の吸込み範囲を広くすると吸引力が弱くなる。
除塵効率を上げるためには、風量の大きな吸引排気装置が必要となり、逆に吸入口の面積を小さくして吸引力を高めると、フィルタ全体を清掃するのに時間がかかるという問題があった。
本発明は、上記に鑑み、空気などの流体によって塵埃を除去する方式を採用しつつ、一度に広い範囲でフィルタの除塵が可能となり、かつ油汚れやタバコのヤニがフィルタに付着するのを防止できるフィルタ清掃装置及びこれを搭載した空気調節装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、空気中の塵埃を除去するフィルタを清掃するフィルタ清掃装置であって、フィルタを案内する案内路を有し内部に空気流路を発生する除塵ボックスと、該除塵ボックス内でその長さ方向に沿って配置された清掃ブラシと、該清掃ブラシを回転駆動するモータと、前記フィルタを除塵ボックスに対してその長さ方向と直交する方向に相対的に往復移動させる移動手段とを備え、前記フィルタを除塵ボックスの長さ方向と直交する方向に相対的に往復移動させながら、モータにより清掃ブラシを回転駆動させてフィルタの表面に付着した塵埃を強制的に離脱させることを特徴とする。
上記構成によると、除塵ボックスの案内路に沿ってフィルタを相対的に往復移動させながら、清掃ブラシを回転駆動させてフィルタの表面に付着した塵埃を強制的に離脱させるので、フィルタの表面にこびり付いた頑固な汚れも強制的に浮き上がらせて取り除くことができる。
この際、清掃ブラシの回転方向は以下のように設定することができる。すなわち、清掃ブラシの回転方向を一定方向になるようにモータを制御する。このような制御は、モータの回転方向を一定方向とするので、簡単な制御となる。なお、この際の清掃ブラシの回転方向は、往動又は復動するフィルタに対して対向する方向に回転させるのが好ましい。また、清掃ブラシは、フィルタの往復動のうち往動時に回転駆動する方が復動時に回転駆動する場合よりもフィルタの表面に付着した塵埃を取り除きやすくなる。
また、モータは、その電圧起動時のロータ位置に応じてモータの回転方向が定まるように設定され、清掃ブラシの回転方向が任意の方向とすることもできる。
上記構成によると、電圧起動時のロータ位置に応じてモータの回転方向が正転又は反転するので、1/2の確率で回転方向が変わることになる。そのため、モータが一方向に回転し、清掃ブラシも一方向ばかり回転する場合に比べて、塵埃がフィルタ上を前後に往復動することになり、長期的にみればフィルタの片方の端に埃が溜まるのを防止することができる。
さらに、モータは、その回転方向が正回転と逆回転との組み合わせからなるようにシーケンス制御することもできる。上記構成により、多少制御は複雑になるが、確実にフィルタの片方の端に埃が溜まるのを防止することができる。
なお、清掃ブラシは、その形状を特に限定するものではないが、回転軸の周囲に対して螺旋状に配置された複数枚の弾性ブレードを有するものが例示できる。この構成によると、複数枚の弾性ブレードによりフィルタを傷付けることなく、確実にフィルタ表面に塵埃を除去することができる。
また、除塵ボックス内に空気流を発生させる空気流発生手段が設けられ、前記清掃ブラシによりフィルタから強制的に離脱させた塵埃を空気流発生手段により除塵ボックスから除去することができる。
上記構成によると、清掃ブラシによりフィルタの表面に付着した塵埃を強制的に離脱させることができ、離脱した塵埃は空気流発生手段により除塵ボックスから除去することができる。
この場合、除塵ボックスをフィルタを横切るように配置し、空気流発生手段として、除塵ボックスのフィルタ横断方向一端側に形成された吸気口と、他端側に接続されて空気を吸引する吸引手段とから構成することができる。
上記構成によると、除塵ボックスをフィルタを横切るように配置し、除塵ボックスの一端側の吸気口から空気を吸込み、他端側から外部に排出するようにしているので、従来のように大きな吸込口から空気を吸込む必要がなく、空気流発生手段として風量の大きなものを必要とせず、装置の小型化が実現できる。
さらに、除塵ボックスをフィルタを挟んでその表裏両側に夫々配置し、両除塵ボックス間に形成れた隙間をフィルタの案内路とすることができる。この構成によると、フィルタの表裏両面を同時に吸引して清掃することができ、清掃効率が向上する。その際、清掃ブラシを設けたので、フィルタの表裏両面に付着した塵埃を確実に除去することができる。
なお、この種のフィルタ清掃装置は、吸込口から吹出口に至る空気通路に介在されて、空気中の塵埃を除去するフィルタを備えた空気調節装置に搭載することで、空気調節装置を大型化することなく、フィルタ清掃機能を付加することができる。この空気調節装置としては、空気中の塵埃を除去するフィルタを備えているものであれば特に限定されず、例えば、空気調和機、加湿機、除湿機、空気清浄機、暖房機等を挙げることができる。
以上のとおり、本発明によると、除塵ボックスの開口部に沿ってフィルタを相対的に往復移動させながら、清掃ブラシを回転駆動させてフィルタの表面に付着した塵埃を強制的に離脱させ、かつ空気流発生手段により、離脱して浮き上がった塵埃を空気流発生手段によって発生した空気流によって除塵ボックスから外部に排出させるので、フィルタの表面にこびり付いた頑固な汚れも強制的に浮き上がらせて取り除くことができる。
以下、本発明の実施の形態であるフィルタ清掃装置を図面に基づいて説明する。本実施形態においては、空気調節装置として冷暖房機能をメイン機能とするセパレート型空気調和機の室内ユニットを用い、この室内ユニットに本発明に係るフィルタ清掃装置を搭載した例を説明する。図1は空気調和機の室内ユニットの外観斜視図であり、図2はその断面図を示す。
本実施形態の空気調和機は、図1及び図2に示すように、室内ユニット本体1の上部と下部にはそれぞれ吸込口2と吹出口3とが形成されており、ユニット本体1の内部には、吸込口2から吹出口3に至る通風路で、吸込口2側を上流側として、フィルタ4、室内熱交換器5、送風ファン6がこの順に配置され、また、フィルタ4を清掃するフィルタ清掃装置40が設けられている。
吹出口3には、空気の流れの向きを上下方向に変えるルーバー9が揺動自在に取り付けられている。このルーバー9は冷暖房気流の送風をOFFしたときには速やかに稼働し、図示のごとく、吹出口3を閉じた状態にする。
そして、室内ユニットの運転を開始すると、送風ファン6が稼動して吸込口2から室内空気が吸い込まれ、室内空気はフィルタ4を通過して室内熱交換器5と接触して熱交換され、空気調和された室内空気が吹出口3から室内に放出される。
室内ユニット本体1の前面部分は、前面パネル7によって開閉自在に覆われている。前面パネル7の内側にはフィルタガイド8が形成されており、図3に示すように、前面パネル7を上方に引き上げて開けることにより、これに連動してフィルタガイド8の先端が回動して前方に向き、これによりフィルタ4を着脱自在に挿入することができる。前面パネル7を閉めると、フィルタガイド8の先端も連動して下方に回動し、図2に示すように、フィルタ4が室内機本体1内にセットされるようになっている。
吸込口2は、本体1の上面の左右両側2箇所に形成されており、その下方(下流側近傍)には、図4に示すように、各吸込口2に対応して縦長長方形に形成されたフィルタ4が左右横並びに2枚配置されている。フィルタ4の横方向の長さは、各吸込口2とほぼ同じ長さに形成されている。フィルタ4の縦方向の長さは、吸込口2の縦方向長さよりも長く形成され、フィルタ4の下部は前面パネル7を閉じた状態でフィルタガイド8に沿って屈曲保持されている。
フィルタ4を清掃するフィルタ清掃装置40は、フィルタ4の表面を覆う表側の除塵ボックス10(以下、表側ボックス10という)と、フィルタ4の裏面を覆う裏側の除塵ボックス11(以下、裏側ボックス11という)と、表側の除塵ボックス10内でその長さ方向に沿って配置された清掃ブラシ41と、表裏のボックス10、11内に空気流を発生させる空気流発生手段42と、フィルタ4を表裏のボックス10,11に対してその長さ方向と直交する縦方向に相対的に往復移動させる移動手段43とを備えている。
除塵ボックス10,11は、図4に示すように、吸込口2よりもやや前方、すなわち、吸込口2が形成された上面パネル13と、前面パネル7との境界付近のフィルタ4部分を挟んで対向配置されており、これにより吸込口2から吸込んだ空気がフィルタ4を通過するのを妨げないようにしている。
表側ボックス10および裏側ボックス11は、図5に示すように、細長い半割状の筒体から構成され、左右に並べて配置された2枚のフィルタ4を横切るように長手方向をフィルタ横方向に配向させて設置され、また、フィルタ4を挟んで両者の開口端面同士10a及び11aが対向するように間隔Xをあけて配置され、その隙間18がフィルタ4の案内路とされている。
また、表側ボックス10及び裏側ボックス11の長手方向一端側には吸気口15が形成され、他端側は両者の間に間隔Xを保持した状態で吸引配管14に嵌合保持され、吸引配管管14の他端側には吸引手段としての吸引ファン12に接続され、これらにより空気流発生手段42が構成されている。
すなわち、表裏のボックス10、11は、互いに対向配置されることにより、一端側に吸気口15が形成され、他端側に吸引ファン12が接続されたボックス体16を構成し、内部空間が空気流路17とされる。この空気流路17は、ボックス体16の吸気口15を入口とし、この入口から吸引ファン12まで空気を吸引することで空気流を発生させる構成とされている。
また、表側の除塵ボックス10の開口端縁部には、断面半円筒状の弾性シール材46が取り付けられ、フィルタ4と弾性的に接触してフィルタ4を縦方向にスムーズに案内できるようにしている。
なお、本実施形態では、図2に示すように、表裏のボックス10,11のうち、フィルタが汚れやすいフィルタ表面側と接触する表側の除塵ボックス10のみに清掃ブラシ41を配置する構成としたが、表裏の除塵ボックス10、11の両方に清掃ブラシを配置する構成であってもよい。
また、ボックス体16は、表側ボックス10と、裏側ボックス11とを別体として形成し、これを対向配置するようにしているが、筒状体の長手方向に2つのスリットを設けることにより、表側ボックスと裏側ボックスとを一体的に形成することも可能である。
清掃ブラシ41は、回転軸41aと、その周囲に螺旋状に配置された複数枚(本実施形態では2枚)の弾性ブレード41bとから構成され、吸引配管14側に設けられた電動モータ47により回転駆動される。
回転軸41aは、一端の吸気口15側と他端の吸引配管14側で共に軸受44,45に回転自在に支持されているが、吸引側の軸受45部分は吸引配管14に連通され、除塵ボックス10,11から空気と共に吸引された塵埃は、他端の軸受45の周囲を通って吸引配管14に流出するように設定されている。
一方、弾性ブレード41bは、フィルタ4の表面に弾性的に接触するように配置され、フィルタ4の表面に付着した塵埃を掻き上げ浮き上がらせるように作用する。この弾性ブレード41bは、図6に示すように、回転軸41aの一端吸気口15側から他端側まで、回転軸41aの軸方向に沿って2周巻き程度の螺旋巻きに形成されるが、その他端の吸引配管14側の端部では、弾性ブレード41bが回転軸41aの軸方向で外端側に延設され、該延設部41cが回転軸41aの軸受部45の周囲に位置するように設定され、軸受部45に堆積しやすい塵埃を吸引配管14側へ流出するように設定されている。
図5(a)(b)(c)は夫々異なる電動モータの制御手法を示すフィルタ清掃装置の概要図である。同図(a)は、電動モータ47は、清掃ブラシ41の回転方向を一定方向になるようにマイクロコンピュータからなる制御部50により制御される。このような制御は、電動モータ47の回転方向を一定方向とするので、簡単な制御となる。この際の清掃ブラシ41の回転方向は、フィルタ4の往動時にフィルタ4の移動方向と対向する方向で回転駆動される。例えば、図5(a)に示すように、フィルタ4がA方向に移動するとき、清掃ブラシ41の回転方向は、A方向と対向するB方向に回転駆動され、フィルタ4の表面に付着した塵埃を取り除きやすくする。
図5(b)は、電動モータは、その電圧起動時のロータ位置に応じてモータの回転方向が定まるように設定される。清掃ブラシ41はどの方向に回転するか不定である。通常、電動モータ47には、起動時の回転方向に一定方向にするために、停止時のロータ位置を制御するロック機構(図示略)が設けられている。このロック機構は、周知のとおり、ロータ(図示略)に係脱自在に設けられている電磁プランジャー等から構成されているが、このロック機構を廃止する。そうすると、ロータの停止位置は不定となり、再起動時には、その停止したロータ位置に応じて電動モータ47の回転方向が正転又は反転することになる。
したがって、電動モータ47に連結される清掃ブラシ41は、1/2の確率で回転方向が変わることになる。このような電動モータ47の制御を行うと、モータの回転方向が一方向で、清掃ブラシ41も一方向に回転する場合には、フィルタ4の片方の端に埃が溜まってしまうおそれがあるが、1/2の確率で回転方向が変わるので、塵埃がフィルタ上を前後に往復移動することになり、長期的にみればフィルタ4の片方の端に埃が溜まるのを防止することができる。
図5(c)は電動モータ47をその回転方向が正回転と逆回転との組み合わせからなるように制御部50によりシーケンス制御するものである。制御部50では、例えば、清掃運転1回おきに回転方向を逆にする、あるいは、清掃運転の10回に1回は回転方向を反対方向にする制御を行う。
上記構成においては、電動モータ47のシーケンス制御により多少制御が複雑になるが、回転方向が常に一定の場合のようにフィルタ4の片方の端に埃が溜まるようなおそれもなく、フィルタ4上の塵埃を確実に除去することができる。
また、除塵ボックス10,11は、左右両側の吸込口2に亘って左右方向に長く形成されるが、図6に示すように、ボックス10,11の中間位置で補強材48を差渡して補強する構造であってもよい。この場合、清掃ブラシ41の弾性ブレード41bが補強材48に擦れて異音を発生するのを防止するために、弾性ブレード41bの軸方向で中央部分を切欠いて凹部49を形成し、回転時に補強材48を回避できるようにしてもよい。
フィルタ4は、図9及び図10に示すように、メッシュフィルタ19と、メッシュフィルタ19を補強すべく、その周囲に設けられた合成樹脂製の枠体31とを備えており、枠体31は、縦枠32及び横枠33から構成されている。さらに、フィルタ4は、縦リブ20及び横リブ21で補強されている。
縦リブ20及び横リブ21は、合成樹脂製でそれぞれメッシュフィルタ19の表面に等間隔に複数形成されている。横枠33及び横リブ21がフィルタ4の反りや波うちを防止するために突状に、すなわち、厚肉に形成されているのに対して、縦枠32及び縦リブ20は、横枠33及び横リブ21に比べて薄肉に形成されている。これにより、フィルタ4は、横方向の剛性を維持しつつ、縦方向には容易に屈曲可能とされている。
縦枠2の外縁部には縦方向にラック部22が設けられている。ラック部22は、後述する移動手段43であるピニオン28に噛合してフィルタ4を縦方向に往復移動させるものであり、帯状材を波形に成形した形状を有し、この山部がラックとして機能するようになっている。
また、ラック部22は、図11に示すように、隣接する横リブ21とは分離して形成されている。このように、ラック部22を波形に形成し、かつ隣接する横リブ21と分離することにより、フィルタ4の縦方向の屈曲性を維持するようにしている。
フィルタ4の上部には、上述のごとく、吸込口2から吸込まれた空気を通過させるメッシュフィルタ19が張設されており、フィルタ下部はメッシュフィルタ19の代わりに薄い樹脂製シート23が使用され、フィルタ下部は空気が通過しない構造とされている。なお、樹脂製シート23は、縦リブ20と同様に薄肉に形成されており、これによりフィルタ4全体にわたって縦方向の屈曲性が確保されている。
フィルタ4を縦方向に往復移動させる移動手段43は、図12に示すように、フィルタ4を保持するフィルタ保持手段24と、モータ25によってフィルタ4を移動させる駆動手段26とを備えている。
フィルタ保持手段24は、図2に示すように、フィルタ4の左右両端部を挿入可能な左右一対の案内路から構成されている。この案内路は、図2に示すように、側面視で略U字型に形成される。図2において黒塗り部分及び網掛け部分が案内路である。
また、フィルタ保持手段24は、図2に示すように、吸込口2に沿って設けられており、吸込口2よりも前方側ではゆるやかに下方に傾斜しつつ、表側ボックス10及び裏側ボックス11の間を通過し、そこから前面パネル7に沿ってほぼ垂直に下降した後に、内側にUターンして吸込口に向って上昇するU字形経路24aが形成されている。なお、前述したフィルタガイド8は、前面パネル7を閉じた状態でフィルタ保持手段24の一部を構成するようになっている。
駆動手段26は、図2に示すように、モータ25と、モータ25に連結された駆動ギヤ27と、駆動ギヤ27に噛合するピニオン28及びゴムローラ29とから構成されている。ゴムローラ29の回転軸には図示しないピニオンと同形のギヤが取り付けられており、これによりピニオン28とゴムローラ29とは同じ方向に回転するようになっている。
ピニオン28は、ボックス体16の近くのフィルタ保持手段24から一部露出して、フィルタ4に設けられたラック部22の裏面側に噛合するように配置される。ゴムローラ29は、U字形案内路24aに一部露出するように配置され、U字形案内路24a中のフィルタ4の裏面側に当接して回転することにより、その摩擦力によって屈曲状態のフィルタ4の移動がスムーズに行なえるような構成とされている。
なお、モータ25は、図12に示すように、2組の駆動手段26に対して1台とし、左右に配された各駆動ギヤ27がモータ25に連結された同一の回転軸30に固定され、左右同期して回転駆動する。
フィルタ4を室内ユニット本体1にセットする場合は、フィルタ上部を先頭にして、フィルタガイド8からフィルタ保持手段24内に挿入し、フィルタ4を吸込口2の下方に配置する。このとき、両ボックス10及び11の隙間18の間隔Xは、横リブ21の厚さとフィルタの厚さを合せた厚さYよりも若干大きくなるように設定しておくことにより、フィルタ4と両ボックス10及び11との間で大きな摩擦を生じることなく、スムーズにフィルタ4をセットすることが可能となる。
また、図5に示すように、フィルタ4には、ボックス10及び11の幅(塵埃除去ボックスの開口端面10a及び11a間の距離)とほぼ同じ間隔で横リブ21が形成されている。これにより、ボックス体16に形成される2ヶ所の隙間18に横リブ21を位置させて隙間18を塞ぐようにしている。このように、表側ボックス10、裏側ボックス11及びその間に介在する横リブ21とで隙間のない筒状のボックス体16を形成することが可能となる。
なお、本実施形態では、間隔18は、横リブ21の厚さとフィルタの厚さを合せた厚さよりも若干大きくなるように設定しているが、これはフィルタの反り等を考慮してフィルタ4の挿入をスムーズにするためであり、吸引ファン12を稼動させると、流路17内が負圧になり、除塵ボックス同士が密着するため、実質的にはXとYとをほぼ同じに設定した場合と同じ吸引力を得ることができる。
上記構成において、空気調和機の運転を行なうと、室内ユニット本体1の吸込口2から空気が吸い込まれ、メッシュフィルタ19の表面に空気中の塵埃Aが付着する。室内機ユニット1内には、入力回路、CPU、メモリ、出力回路を備えた制御手段が設けられており、制御手段がフィルタ4の清掃が必要と判断した場合、例えば、空気調和機の運転時間が所定時間(例えば200時間)に達したと判断した場合や、前回のフィルタ4の清掃終了から所定時間(例えば24時間)が経過した場合や、光センサ等の汚れ検出手段の検出結果等に基づいてフィルタ4表面が汚れていると判断した場合に、吸引ファン12や移動手段等の稼動を制御してフィルタ4の清掃が行なわれる。
その場合、清掃中に内部に埃が侵入するのを防止するため、空気調和機の運転を停止した状態で清掃を行う必要があるため、制御手段では、清掃が必要と判断してから最初の空気調和機の運転の開始時や終了時に清掃を行うのが望ましい。
まず、移動手段43が稼動し、フィルタ4を縦方向に横リブ21間の間隔zだけ移動させて停止する。この状態で、吸引ファン12を稼動し、流路17の入口である吸気口15から吸引ファン12まで空気を吸引する。同時に、清掃ブラシ41を回転させて弾性ブレード41bによりフィルタ4の表面に付着した塵埃を掻き上げ浮き上がらせて、吸引ファン12による空気流によって塵埃を吹き飛ばして除塵する。
吸引ファン12によって除去された塵埃は、流路17と吸引ファン12との間に集塵パックを設置してそこに捕集したり、吸引ファン12から屋外に排気することができる。以後、上記動作を繰り返すことにより、フィルタ4の清掃を行なうことができる。
また、フィルタ4を縦方向に移動させてフィルタ4を最後まで清掃した場合、フィルタ4はフィルタ保持手段24内に屈曲保持されるため、フィルタ4が室内機の外部に露出することがなく、美感を損ねるおそれがない。また、清掃が終了すると、フィルタ4は移動手段43によって元の位置まで移動される。
このように、本実施形態では、除塵ボックス10,11の案内路18に沿ってフィルタ4を移動させながら、清掃ブラシ41を回転駆動させてフィルタ4の表面に付着した塵埃を強制的に離脱させ、かつ、離脱して浮き上がった塵埃を空気流発生手段によって発生した空気流によって除塵ボックス10,11から吸引ファン12側に排出させるので、フィルタ4の表面にこびり付いた頑固な汚れも強制的に浮き上がらせて取り除くことができる。
このとき、清掃ブラシ41を回転駆動する電動モータ47では、その回転方向を一定方向としているので、制御が簡単になる。また、清掃ブラシ41の回転方向は、フィルタ4の往動時にフィルタ4の移動方向と対向する方向に回転駆動されているので、フィルタ4の表面に付着した塵埃を取り除き易くなる。
また、回転軸の吸引ファン側に形成された弾性ブレード41bの延設部41cが回転軸41aの軸受部45の周囲に配置されるので、吸引された塵埃を含んだ空気が弾性ブレード41bの端部から軸受部45に侵入するのを防止することができる。
なお、上記実施形態では、電動モータ47の回転方向は図5(a)に示すように、一定回転方向に制御したが、これに代わり、図5(b)のように、電動モータ47の電圧起動時のロータ位置に応じてモータの回転方向が定まるように設定し、清掃ブラシ41の回転方向を任意の方向とすることもできる。これにより、電動モータ47に連結される清掃ブラシ41は、1/2の確率で回転方向が変わることになるため、電動モータ47が一方向に回転し、清掃ブラシ41も一方向に回転する場合に比べて、塵埃がフィルタ上を前後に往復移動することになり、長期的にみればフィルタ4の片方の端に埃が溜まるのを防止することができる。
また、図5(c)に示すように、電動モータ47の回転方向が正回転と逆回転との組み合わせからなるようにシーケンス制御することもできる。これにより、多少制御が複雑になるが、確実にフィルタ4の片方の端に埃が溜まるのを防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、本実施形態においては、表側ボックス10と裏側ボックス11とで構成されるボックス体16の長手方向の一端側は全面開放された吸気口15としているが、吸気口15の開口面積を小さくすることも可能である。この場合、流路17を流れる空気の流速を速めることができ、フィルタ表面に付着した塵埃を効率よく除去することが可能となる。
さらに、フィルタ4の表面に形成される横リブ21は、両ボックス10及び11の幅とほぼ同じ間隔で形成されているが、間隔Zを等分割する間隔で形成することもできる。また、上記実施形態では、フィルタを縦方向に移動させているが、これに代わり、除塵ボックスおよび清掃ブラシをフィルタに対して移動する方式であってもよい。
本発明の実施形態を示す空気調和機の室内ユニットの斜視図 室内ユニットの断面図 室内ユニットの前面パネル開放状態を示す一部断面図 室内ユニットのパネルを外した状態を示す斜視図 (a)(b)(c)は夫々異なるモータ制御手法を示すフィルタ清掃装置の概要図 除塵ボックスの分解斜視図 除塵ボックスの断面図 除塵ボックスの清掃ブラシを示す斜視図 (a)は室内ユニットで使用されるフィルタの平面図、(b)はA−A断面図、(c)はB−B断面図 フィルタの斜視図 図10の一部拡大斜視図 室内ユニットのフィルタを取り外した状態を示す斜視図
符号の説明
1 室内機本体
2 吸込口
3 吹出口
4 フィルタ
5 室内熱交換器
6 送風ファン
7 前面パネル
8 フィルタガイド
9 ルーバー
10 表側の除塵ボックス
11 裏側の除塵ボックス
12 吸引ファン
13 上面パネル
14 配管
15 通気口
16 ボックス体
17 流路
18 スリット
19 メッシュフィルタ
20 縦リブ
21 横リブ
22 ラック部
23 樹脂製シート
24 フィルタ保持手段
25 モータ
26 駆動手段
27 駆動ギヤ
28 ピニオン
29 ゴムローラ
30 回転軸
31 枠体
32 縦枠
33 横枠
41 清掃ブラシ
41a 回転軸
41b 弾性ブレード
41c 延設部
44,45 軸受
47 電動モータ
50 制御部

Claims (9)

  1. 空気中の塵埃を除去するフィルタを清掃するフィルタ清掃装置であって、フィルタを案内する案内路を有し内部に空気流路を発生する除塵ボックスと、該除塵ボックス内でその長さ方向に沿って配置された清掃ブラシと、該清掃ブラシを回転駆動するモータと、前記フィルタを除塵ボックスに対してその長さ方向と直交する方向に相対的に往復移動させる移動手段とを備え、
    前記フィルタを除塵ボックスの長さ方向と直交する方向に相対的に往復移動させながら、モータにより清掃ブラシを回転駆動させてフィルタの表面に付着した塵埃を強制的に離脱させることを特徴とするフィルタ清掃装置。
  2. 前記清掃ブラシの回転方向が一定方向になるようにモータが制御されることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ清掃装置。
  3. 前記モータは、その電圧起動時のロータ位置に応じてモータの回転方向が定まるように設定され、前記清掃ブラシの回転方向が任意の方向とされたことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ清掃装置。
  4. 前記モータは、その回転方向が正回転と逆回転との組み合わせからなるようにシーケンス制御されたことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ清掃装置。
  5. 前記清掃ブラシは、回転軸の周囲に螺旋状に配置された複数枚の弾性ブレードから構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のフィルタ清掃装置。
  6. 除塵ボックス内に空気流を発生させる空気流発生手段が設けられ、前記清掃ブラシによりフィルタから強制的に離脱させた塵埃を空気流発生手段により除塵ボックスから除去することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のフィルタ清掃装置。
  7. 除塵ボックスがフィルタを横切るように配置され、前記空気流発生手段は、除塵ボックスのフィルタ横断方向一端側に形成された吸気口と、他端側に接続されて空気を吸引する吸引手段とから構成されたことを特徴とする請求項6に記載のフィルタ清掃装置。
  8. 除塵ボックスが、フィルタを挟んでその表裏両側に夫々配置され、前記除塵ボックス間に形成れた隙間がフィルタの案内路とされたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のフィルタ清掃装置。
  9. 装置本体の吸込口から吹出口に至る空気通路に空気中の塵埃を除去するフィルタを備えた空気調節装置において、前記フィルタを清掃する請求項1〜8のいずれかに記載の清掃装置が搭載されたことを特徴とする空気調節装置。
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