JP5018340B2 - ピストン型の流体装置 - Google Patents

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この発明は、第1の部材と第2の転部材との相対回転によってピストンが動作することにより、流体室に流体が流入され、かつ、流体室から流体が排出されるように構成された、ピストン型の流体装置に関するものである。
従来、第1の部材と第2の転部材との相対回転によってピストンが動作し、かつ、シリンダ内に流体が流入・排出されるように構成された、ピストン型の流体装置、具体的にはオイルポンプおよび動力伝達装置が知られている。このようなピストン型の動力伝達装置の一例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載された動力伝達装置の構成を説明すると、エンジンの駆動力がトランスミッションで変速されて、フロントデフに伝達されるとともに、フロントデフから方向変換歯車組と出力軸と、トルク伝達装置、プロペラシャフトを介してリヤデフに伝達されるように構成されている。このトルク伝達装置においては、中空の外側回転部材が、ニードルベアリングを介して相対回転可能および軸方向相対移動可能に支承されている。また、内側回転部材の端部に設けられた内周溝にはフォークが摺動自在に係合し、フォークの操作により内側回転部材は外側回転部材に対して軸方向に相対移動する。さらに、前記外側回転部材の内周には、径方向の凹凸を有し、かつ、周方向に高低差を有するカム面が設けられている。このカム面は軸方向で右側に行くほど凹部の径は小さくなり、また凸部の径は大きくなることによって、その径同士の差が小さくなっている。また、前記内側回転部材にはシリンダ部がスプライン嵌合しており、このシリンダ部材には、複数のシリンダ室が設けられている。さらに、各シリンダ室には、ピストン部材がそれぞれ摺動自在に設けられており、各ピストン部材は、それぞれ前記カム面に摺接している。また、各シリンダ室はオリフィスを介して流路で連通されており、各シリンダ室および流路には流体が充填されている。
そして、前記エンジンの駆動力により前記内側回転部材が回転し、前記外側回転部材との間に回転差が生じると、前記ピストン部材は前記カム面を摺動しながら往復動をおこなう。そのときピストン部材が中心方向へ移動し、容積が減少するシリンダ室では前記オリフィスの流動抵抗のために内圧が上昇し、その内圧によって前記ピストン部材がカム面を押圧し、押圧反力によってトルクが外側回転部材に伝達される。また、前記フォークにより内側回転部材を移動動作してカム面の高低差を大きくすると、前記内側回転部材および外側回転部材の差動回転にともなうピストン部材の往復動スピードは速くなり、前記シリンダ室の内圧が大きくなってピストン部材の押圧力が大きくなり、伝達トルクが大きくなる。これに対して、前記フォークにより内側回転部材を移動動作してカム面の高低差を小さくすると、前記内側回転部材および外側回転部材の差動回転にともなうピストン部材の往復動スピードは遅くなり、前記シリンダ室の内圧が低下して前記ピストン部材の押圧力が低下し、伝達トルクが小さくなる。
特開平2−120520号公報
ところで、上記の特許文献1に記載されている動力伝達装置において、各シリンダ室を、外部装置に接続させることも考えられる。この外部装置は、前記シリンダ室とは構成および機能が異なるものであり、前記外部装置としては、例えばオイルパン、オイルポンプが挙げられる。このように、シリンダ室に外部装置を接続させた構成において、内側回転部材と外側回転部材との回転数差が大きくなった場合は、シリンダ室から吐出されるオイル量が増加して、そのオイルの流通経路での流通抵抗が増す。その結果、ピストン部材がカム面に追従できなくなる可能性がある。そこで、ピストン部材をカム面に押し付ける荷重を増大するために、シリンダ室のばね荷重を大きくすることが考えられる。しかしながら、シリンダ室のばね荷重を大きくすると、ピストン部材の全動作範囲で、カム面に対する押し付け荷重が一様に増大することとなる。その結果、ピストン部材とカム面との摺動部分における摩擦損失が増加して、内側回転部材と外側回転部材との間における機械効率が低下する恐れがあった。
この発明は上記事情を背景としてなされたものであって、「ピストンの全動作範囲に亘って、カム面に対するピストンの押し付け荷重が一様に増加すること」を抑制することの可能なピストン型の流体装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、第1の部材と、該第1の部材に外周側を覆われかつ該第1の部材と同一の軸線を中心に相対回転自在に配置された第2の部材と、それら第1の部材と第2の部材とのうちのいずれか一方の部材に設けられ、かつ、前記第1の部材と第2の部材とのうちの他方の部材に向けた凹部と突部とを滑らかに連続された形状を有するカムと、それら第1の部材と第2の部材とのうちのいずれか他方の部材に設けられたシリンダと、このシリンダ内に配置されて流体室を前記シリンダ内に形成するとともに、前記カムの形状に沿って前記シリンダ内で往復動することにより前記流体室の容積を増大および減少させるピストンと、前記ピストンを前記シリンダの外側方向である前記カムに向けて押し付ける力を与える押し付け機構とを有し、前記第1の部材と第2の部材とが相対的に回転した場合に前記ピストンが前記カムおよび押し付け機構によってシリンダ内を前後動して前記流体室の容積が増減することにより流体を前記流体室に流入・排出させるように構成されたピストン型の流体装置において、前記押し付け機構は、前記カムに向けた前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合または少ない場合のいずれにおいても前記ピストンと前記シリンダとによって圧縮状態に保持され、かつ、前記いずれの場合においてもその弾発力で前記ピストンを前記カムに向けて押し付けるように前記シリンダ内に配置された第1のばねと、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合または少ない場合のいずれにおいても圧縮された状態に保持され、かつ、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多くて前記流体室の容積が大きい場合は前記ピストンに対して押し付け力を与えないとともに、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少なくて前記流体室の容積が小さい場合は、前記ピストンに押し付け力を与えるように前記第1のばねと共に前記シリンダ内に配置された第2のばねとを有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2のばねは、圧縮された状態で前記シリンダによって支持されているとともに、前記シリンダは、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多くて前記流体室の容積が大きい場合は、前記第2のばねが前記ピストンに接触しないように前記第2のばねを圧縮した状態に保持し、かつ前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少なくて前記流体室の容積が小さい場合は、前記ピストンにより前記第2のばねを更に圧縮させて、この第2のばねから前記ピストンに弾発力を与えさせる構成を備えていることを特徴とするピストン型の流体装置である。
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記第2のばねは、圧縮された状態で前記ピストンに支持されているとともに、前記ピストンは、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多くて前記流体室の容積が大きい場合は、前記第2のばねが前記シリンダに接触しないように前記第2のばねを圧縮した状態に保持し、かつ前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少なくて前記流体室の容積が小さい場合は、前記シリンダにより前記第2のばねを更に圧縮させて第2のばねから前記ピストンに弾発力を与えさせる構成を備えていることを特徴とするピストン型の流体装置である。
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、車両の車輪に伝達する動力を出力する駆動力源と、この駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に、前記第1の部材および第2の部材が配置されているとともに、前記カムとピストンとの係合力により、前記第1の部材と前記第2の部材との間で動力伝達がおこなわれる構成を有しているピストン型の流体装置である。
また、請求項5の発明は、請求項2の発明において、前記押し付け機構は、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は前記ピストンに弾発力を与えず、かつ、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記第2のばねが圧縮される前に前記ピストンにより圧縮されて、そのピストンに弾発力を与える第3のばねを有しており、この第3のばねのばね定数は、前記第2のばねのばね定数よりも小さく設定されているピストン型の流体装置である。
また、請求項6の発明は、請求項3の発明において、前記押し付け機構は、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は前記ピストンに弾発力を与えず、かつ、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記第2のばねが圧縮される前に前記シリンダにより圧縮されて、前記ピストンに弾発力を与える第3のばねを有しており、この第3のばねのばね定数は、前記第2のばねのばね定数よりも小さく設定されているピストン型の流体装置である。
また、請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明において、前記第1の部材と第2の部材とが相対回転することにともない、前記ピストンが前記カムの形状に沿って前記一方向に往復動することにより、前記流体室の圧力が低下すると流体を吸入し、かつ、前記流体室の圧力が上昇するとその流体室から流体を吐出するポンプとして機能するピストン型の流体装置である。
また、請求項8の発明は、請求項1ないし7のいずれかの発明において、前記第1の部材と前記第2の部材とを回転軸線方向に相対移動させて、前記シリンダ内で前記カムの形状に沿って往復動する前記ピストンの上死点を変化させることにより前記流体室の容量を変更する容量変更機構が設けられているピストン型の流体装置である。
この発明によれば、ピストンがカムに向けて押し付けられるとともに、前記ピストンがカムの形状に沿って一方向に往復動する。また流体室には流体が流入・排出される。そして、シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合、または少ない場合のいずれにおいても、第1のばねが圧縮されており、前記いずれの場合においても、その第1のばねの弾発力で前記ピストンを前記カムに向けて押し付けられる。また、第2のばねは、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合、または少ない場合のいずれにおいても圧縮されているが、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は、前記第2のばねから前記ピストンには弾発力が与えられない。これに対して、前記シリンダの外側へのピストンの動作量が少ない場合は、第2のばねが更に圧縮されて、この第2のばねから前記ピストンをカムに押し付け力が与えられる。このように、前記ピストンの動作位置が変化すると、前記ピストンを前記カムに向けて押し付ける力の特性が変化する。したがって、ピストンが前記カムに追従できなくなることを回避できるとともに、「ピストンの動作範囲の全般に亘って、ピストンがカムに押し付けられる荷重が一様に増加すること」を回避できる。つまり、カムに対してピストンの追従性が要求されない場合は、ピストンをカムに押し付ける荷重を低減させて、第1の部材と第2の部材との間における機械効率の低下を抑制できる。また、前記第2のばねは、前記シリンダの外側へのピストンの動作量が多い場合でも圧縮されているため、その時点で第2のばねがシリンダ内で動いたり、転倒したりすることを防止できる。
この発明は、回転軸線を中心として相対回転可能に設けられた第1の部材および第2の部材と、前記第1の部材に設けられ、かつ、予め定められた一方向に沿って変位された形状を有するカムと、前記第2の部材に設けられたシリンダと、このシリンダ内に配置され、かつ、前記カムの形状に沿って前記シリンダ内で往復動するピストンと、前記ピストンを前記カムに向けて押し付ける力を与える押し付け機構と、前記シリンダ内に設けられ、かつ、流体が流入・排出される流体室とを有するピストン型の流体装置において、前記押し付け機構は、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合または少ない場合のいずれにおいても圧縮され、かつ、前記いずれの場合においてもその弾発力で前記ピストンを前記カムに向けて押し付ける第1のばねと、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合または少ない場合のいずれにおいても圧縮されており、かつ、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は前記ピストンに対して押し付け力を与えないとともに、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記ピストンに押し付け力を与える第2のばねとを有することを特徴とする。
また、一実施形態では、前記第2のばねは、圧縮された状態で前記第2の部材に支持されているとともに、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は、前記第2のばねが前記ピストンに接触しないように構成されており、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記ピストンにより前記第2のばねが更に圧縮されて、この第2のばねから前記ピストンに弾発力を与える構成であることが好ましい。
この実施形態によれば、前記第2のばねは圧縮された状態で前記第2の部材に支持されている。また、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は、前記第2のばねは前記ピストンには接触せず、第2のばねから前記ピストンに弾発力は与えられない。これに対して、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記ピストンが前記第2のばねに接触して、第2のばねが更に圧縮され、その第2のばねから前記ピストンに弾発力が与えられる。
また、一実施形態では、前記第2のばねは、圧縮された状態で前記ピストンに支持されているとともに、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は、前記第2のばねが前記第2の部材に接触しないように構成されており、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記第2の部材により前記第2のばねが更に圧縮されて、この第2のばねから前記ピストンに弾発力を与える構成であることが好ましい。
また、この実施形態によれば、前記第2のばねは圧縮された状態で前記ピストンに支持されている。また、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は、前記第2の部材は前記第2のばねには接触せず、第2のばねから前記ピストンに弾発力は与えられない。これに対して、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記第2の部材が前記第2のばねに接触して、第2のばねが更に圧縮され、その第2のばねから前記ピストンに弾発力が与えられる。
また、この一実施形態では、車両の車輪に伝達する動力を出力する駆動力源と、この駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に、前記第1の部材および第2の部材が配置されているとともに、前記カムとピストンとの係合力により、前記第1の部材と前記第2の部材との間で動力伝達がおこなわれる構成を有していることが好ましい。
この実施形態によれば、駆動力源の動力が車輪に伝達されて駆動力を発生する。また、前記駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に、前記第1の部材および第2の部材が配置されている。そして、ピストンとカムとの係合力により、第1の部材と第2の部材との間で動力伝達がおこなわれる。
また、一実施形態では、前記押し付け機構は、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は前記ピストンに弾発力を与えず、かつ、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記第2のばねが圧縮される前に前記ピストンにより圧縮されて、そのピストンに弾発力を与える第3のばねを有しており、この第3のばねのばね定数は、前記第2のばねのばね定数よりも小さく設定されていることが好ましい。
この実施形態によれば、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は、第1のばねから前記ピストンに押し付け力が与えられているが、第2のばねおよび第3のばねからは、前記ピストンに弾発力が与えられない。これに対して、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、先に前記第3のばねが前記ピストンにより圧縮されて、その第3のばねから前記ピストンに弾発力が与えられる。ついで、前記第2のばねが圧縮されて、その第2のばねから前記ピストンに弾発力が与えられる。ここで、前記第3のばねのばね定数は、前記第2のばねのばね定数よりも小さく設定されている。このため、第3のばねが先に圧縮され、ついで、第2のばねが圧縮されることとなり、前記ピストンに与えられる荷重を緩やかに変化させることが可能である。
また、一実施形態では、前記押し付け機構は、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は前記ピストンに弾発力を与えず、かつ、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記第2のばねが圧縮される前に前記第2の部材により圧縮されて、前記ピストンに弾発力を与える第3のばねを有しており、この第3のばねのばね定数は、前記第2のばねのばね定数よりも小さく設定されていることが好ましい。この実施形態によれば、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は、第1のばねから前記ピストンに押し付け力が与えられているが、第2のばねおよび第3のばねからは、前記ピストンに弾発力が与えられない。これに対して、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、先に前記第3のばねが前記第2の部材により圧縮されて、その第3のばねから前記ピストンに弾発力が与えられる。ついで、前記第2のばねが圧縮されて、その第2のばねから前記ピストンに弾発力が与えられる。ここで、前記第3のばねのばね定数は、前記第2のばねのばね定数よりも小さく設定されている。このため、第3のばねが先に圧縮され、ついで、第2のばねが圧縮されることになり、前記ピストンに与えられる荷重を緩やかに変化させることが可能である。
さらに、一実施形態では、前記第1の部材と第2の部材とが相対回転することにともない、前記ピストンが前記カムの形状に沿って前記一方向に往復動することにより、前記流体室の圧力が低下すると流体を吸入し、かつ、前記流体室の圧力が上昇するとその流体室から流体を吐出するポンプとして機能することが好ましい。
この実施形態によれば、前記第1の部材と第2の部材とが相対回転することにともない、前記ピストンが前記カムの形状に沿って前記一方向に往復動する。このようなピストンの往復動により、前記流体室の圧力が低下すると流体を吸入し、かつ、前記流体室の圧力が上昇するとその流体室から流体を吐出するポンプとして機能する。
また、一実施形態では、前記流体室の容量を変更する容量変更機構が設けられていることが好ましい。この実施形態によれば、前記流体室の容量を変更することができる。
この発明において、ピストン型の流体装置には、ポンプ、モータ、動力伝達装置が含まれる。前記ポンプは、第1の部材と第2の部材とを相対回転させることにより、ピストンをカムの形状に沿って往復動させて、シリンダ室に流体を吸入し、そのシリンダ室から流体を吐出する装置、つまり、流体機械の一種である。前記モータは、シリンダ室に流体を圧入し、かつ、シリンダ室から流体を排出することにより、ピストンを動作させて、ピストンとカムとの係合力により、第1の部材と第2の部材との間で、動力伝達をおこなう装置であり、動力源としての機能を有する。前記動力伝達装置は、動力源の動力を、第1の部材または第2の部材のいずれか一方に伝達して、第1の部材と第2の部材とを相対回転させることにより、ピストンをカムの形状に沿って往復動させるとともに、前記ピストンとカムとの係合力により、第1の部材と第2の部材との間で動力伝達をおこなう装置、具体的にはクラッチである。
この発明において、第1の部材および第2の部材は回転軸線を中心として相対回転可能に配置されている。また、この発明においては、第1の部材または第2の部材のうち、少なくとも一方が回転可能に構成される。言い換えれば、いずれか一方の部材は回転不可能に固定された固定構造物でもよい。具体的には、流体装置がモータまたは動力伝達装置である場合は、第1の部材および第2の部材が、共に回転可能に設けられる。これに対して、流体装置がポンプまたはモータである場合は、何れか一方の部材が固定されていてもよい。この発明において、第1の部材または第2の部材のうち、回転可能に設けられる部材は、動力源の動力が伝達されるように構成されており、前記動力源の動力が一方の部材に伝達されて、第1の部材と第2の部材とが相対回転する。第1の部材または第2の部材のうち、回転可能に設けられる部材、つまり、回転要素には、回転軸、歯車、スプロケット、スリーブ、プーリ、キャリヤ、環状部材などの要素が含まれる。これに対して、流体装置をポンプまたはモータとして用い、いずれか一方の部材を回転不可能に固定する場合、この固定要素としては、ポンプまたはモータが収容されるケーシングまたはハウジング自体、ケーシングまたはハウジングに取り付けられるブラケットもしくはフレーム、ケーシングまたはハウジングに設けられる隔壁などが挙げられる。さらに、前記ケーシングまたはハウジングは、動力源に固定される構造、または車体に固定される構造のいずれでもよい。さらに、流体装置を車両に搭載する場合、車体自体に何れか一方の部材を固定してもよい。
前記動力源としては、熱エネルギを運動エネルギに変換する動力装置である内燃機関を用いることが可能である。さらに、内燃機関としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、LPGエンジン、メタノールエンジンなどを用いることができる。また動力源としては電動機を用いることも可能である。電動機は電気エネルギを運動エネルギに変換する動力装置である。また、電動機は直流電動機または交流電動機のいずれでもよい。また、電動機としては、発電機能を兼備した発電・電動機を用いることも可能である。さらには、内燃機関および電動機の両方を動力源として用いることも可能である。さらにまた、動力源として、フライホイールシステムを用いることも可能である。
前記第1の部材に形成されたカムは、予め定められた方向に変位されている。具体的には、前記回転軸線を中心とする半径方向にカムが変位された構成の流体装置、または前記回転軸線に沿った方向にカムが変位された構成の流体装置のいずれでもよい。前記第1の部材に形成されたカムが、前記回転軸線を中心とする半径方向にカムが変位している場合、前記ピストンは前記回転軸線を中心とする半径方向に動作する。このように、前記ピストンが前記回転軸線を中心とする半径方向に動作する流体装置を、ラジアルピストン型の流体装置と記す。これに対して、前記第1の部材に形成されたカムが、前記回転軸線に沿った方向にカムが変位している場合、前記ピストンは前記回転軸線に沿った方向に動作する。このように、前記ピストンが前記回転軸線に沿った方向に動作する流体装置を、アキシャル(スラスト)ピストン型の流体装置と記す。
前記ラジアルピストン型の流体装置においては、前記カムは、前記回転軸線を中心として環状に形成される湾曲面であり、前記回転軸線と垂直な平面内における形状としては、波形形状、楕円形状、前記回転軸線から中心を偏心させた真円形状などを用いることができる。また、前記アキシャルピストン型の流体装置においては、前記カムは、前記回転軸線を中心として環状に形成される湾曲面であり、前記回転軸線に沿った方向の平面内における形状としては、波形形状を用いることができる。また、前記アキシャルピストン型の流体装置においては、前記回転軸線と垂直な平面に対して傾斜した平面でカムを構成することも可能である。この発明において、予め定められた方向に動作するピストンは、シリンダ内に設けられた可動片と、この可動片に取り付けられた転動体とを有し、この転動体がカムに接触するように構成されている。この転動体としては、ローラまたはボールを用いることが可能である。この発明における流体は、非圧縮性流体、具体的には液体であり、液体としては、水、オイル、不凍液、薬液、温水などが挙げられる。この発明における流体装置を、モータまたはクラッチとして用いる場合、液体としてはオイルが挙げられる。また、この発明において、流体装置をクラッチまたはポンプとして用いる場合、動力源の動力が第1の部材を経由して第2の部材に伝達される構成、または動力源の動力が第2の部材を経由して第1の部材に伝達される構成のいずれでもよい。また、この発明において、流体装置をモータとして用いる場合、流体室に流体を供給・排出し、流体室の圧力で前記ピストンをカムに押し付けて、前記第1の部材または第2の部材を回転させるトルクを発生させる。この発明をオイルポンプとして用いる場合、容量変更機構により、前記回転軸線を中心とする半径方向で、前記ピストンの上死点と下死点との間における流体室の容積が変更され、オイルポンプの容量が制御される。
また、この発明において、ラジアルピストン型の流体装置である場合は、シリンダの外側へのピストンの動作量が多い場合または少ない場合とは、第2の部材の半径方向におけるピストンの位置を意味している。具体的には、このピストンが前記回転軸線から遠い箇所に位置する(動作する)場合は、シリンダの外側へのピストンの動作量が多い場合に相当する。これに対して、前記ピストンが前記回転軸線に近い箇所に位置する(動作する)場合は、シリンダの外側へのピストンの動作量が少ない場合に相当する。つまり、シリンダの外側へのピストンの動作量が多い場合(第1の動作位置)と少ない場合(第2の動作位置)とは、前記半径方向における2つの動作位置同士の相対的な位置関係を指している。
この発明において、アキシャルピストン型の流体装置である場合は、シリンダの外側へのピストンの動作量が多い場合または少ない場合とは、シリンダの底面からの距離を意味している。具体的には、このピストンが前記シリンダの底面から遠い箇所に位置する(動作する)場合は、シリンダの外側へのピストンの動作量が多い場合に相当する。これに対して、前記ピストンが前記シリンダの底面に近い箇所に位置する(動作する)場合は、シリンダの外側へのピストンの動作量が少ない場合に相当する。
この発明において、ラジアルピストン型またはアキシャルピストン型の流体装置のいずれにおいても、シリンダの外側へのピストンの動作量が多い場合(第1の動作位置)と少ない場合(第2の動作位置)とは、予め定められた方向における2つの動作位置同士の相対的な位置関係を指している。そして、この発明では、第1のばねの弾発力が常時ピストンに加わり、かつ、第2のばねの弾発力はピストンに加わらない第1の動作位置と、第1のばねおよび第2のばねの弾発力が常時ピストンに加わる第2の動作位置とが設けられていることが特徴であり、その第1の動作位置と第2の動作位置との境界がどこにあるかを特定する必要はない。ここで必要とは、技術的意義もしくは効果を発生させるための必要性を意味する。このような「境界」がどこに設けられるかは、予め定められた方向に変位するカムの変位量、ピストンに取り付けられる転動体の半径、ピストンの下死点と上死点との差(距離)などに基づいて決定される設計事項である。さらに、この発明におけるピストン型の流体装置を車両の駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に配置することが可能である。この場合、第1の部材および第2の部材がともに回転可能に配置される。そして、前記ピストンと前記カムとの係合力により、前記第1の部材と第2の部材との間で動力伝達がおこなわれる。
つぎに、この発明におけるピストン型の流体装置を車両に用いた場合の具体的な構成例を、図2に基づいて説明する。この図2には、車両1のパワートレーンおよび制御系統の一例が、模式的に示されている。図2に示された車両においては、この発明のピストン型の流体装置が、オイルポンプおよびクラッチとして用いられている。この図2に示すパワートレーンは、いわゆるフロントエンジン・フロントドライブ形式のパワートレーン(二輪駆動車)である。前記車両1にはエンジン2が搭載されている。このエンジン2は、車輪に伝達する動力を発生する駆動力源であり、エンジントルクがダンパ機構3を経由してインプットシャフト4に伝達されるように構成されている。前記ダンパ機構3およびインプットシャフト4は、ケーシング(トランスアクスルケース)5内に配置されている。このケーシング5は、前記エンジンの外壁に固定機構、例えば、ボルトおよびナットにより締め付け固定されている。このケーシング5は、動力伝達経路を構成する回転要素、具体的には回転軸、ギヤ、プーリなど、あるいはこれらの回転要素を支持する軸受を収容する収容機構である。前記インプットシャフト4は、前記エンジン2から車輪11に至る動力伝達経路の一部を構成する回転要素である。このインプットシャフト4の回転軸線は、前記車両1の左右方向に配置されている。そして、前記インプットシャフト4のトルクが、オイルポンプ6および前後進切換装置7を経由して無段変速機8に伝達されるとともに、その無段変速機8から出力されたトルクが、伝動装置9および終減速機10を経由して車輪11に伝達されるように構成されている。以下、オイルポンプ6の具体例を順次説明する。
(具体例1)
前述したオイルポンプ6の具体例を、図1および図3に基づいて説明する。この図1はオイルポンプ6の回転軸線A1に沿った方向における断面図であり、図3は回転軸線A1と垂直な平面における断面図である。この回転軸線A1は、前記インプットシャフト4の回転軸線および前記エンジン2のクランクシャフトの回転軸線と共通である。前記オイルポンプ6は、前記インプットシャフト4と、前記無段変速機8との間における伝達トルクを制御するクラッチとしての機能を兼備している。また、前記ケーシング5であって、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記エンジン2から最も離れた位置にはリヤカバー12が設けられており、このリヤカバー12には、円筒形状のスリーブ13が固定されている。このスリーブ13は、前記インプットシャフト4と同軸上に配置されている。また、スリーブ13の内部にはホルダ14が設けられており、このホルダ14はリヤカバー12に固定されている。このホルダ14は円筒形状に構成されており、このホルダ14と前記インプットシャフト4とが同軸上に配置されている。さらに、前記インプットシャフト4の外側には、コネクティングドラム15が同軸上に配置されている。このコネクティングドラム15は、回転要素同士を接続する接続部材である。また、前記ケーシング5の内部には隔壁16が設けられており、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記リヤカバー12と前記隔壁16とにより取り囲まれた空間に、前記オイルポンプ6が配置されている。そして、前記隔壁16と前記コネクティングドラム15との間には軸受17が介在されており、この軸受17によって前記コネクティングドラム15が回転自在に保持されている。
このコネクティングドラム15におけるリヤカバー12側の端部には、前記オイルポンプ6の一部を構成するアウターレース18が接続されている。このアウターレース18は、前記オイルポンプ6の外側部分を構成する回転要素であり、このアウターレース18が、前記コネクティングドラム15と一体回転するように連結されている。また、前記アウターレース18は、円錐部19と円筒部20とを有している。この円錐部19は、前記回転軸線A1に沿った方向で、外径が異なるようなテーパ形状を有しており、前記回転軸線A1を中心として構成されている。また、円筒部20は、前記回転軸線A1に沿った方向で、外径および内径が共に略一定に構成されている。そして、前記円筒部20が前記スリーブ13の外側に配置され、この円筒部20とスリーブ13との間には軸受21が介在されている。また、前記円錐部19の内周には全周に亘ってカム面22が形成されている。このカム面22は、図3に示すように、前記回転軸線A1と垂直な平面内で、前記回転軸線A1を中心とする半径方向に変位された凹部23および凸部24を有している。具体的には、前記凹部23および凸部24が複数設けられており、前記アウターレース18の円周方向で、前記凹部23と凸部24とが交互に配置され、かつ、連続されて波形形状のカム面22を形成している。前記凹部23は半径方向で外側に向けて窪んでおり、凸部24は半径方向で内向きに突出している。すなわち、凹部23が複数形成され、かつ、凸部24が複数形成されて、凹部23と凸部24とが円周方向で滑らかに連続するように接続されている。
また、前記カム面22であって凹部23の最も外側に相当する部分と回転軸線A1との距離が、回転軸線A1に沿った方向で異なる値に設定されている。つまり、凹部23の最も外側に相当する部分の谷底23Aが、前記スリーブ13に近づくほど前記距離が短くなるようなテーパを有している。このテーパは、前記回転軸線A1との成す鋭角側の角度で表すことができる。言い換えれば、凹部23の谷底23Aに接する外接円(図示せず)と、凸部24の頂点24Aに接する内接円(図示せず)との半径差が、回転軸線A1に沿った方向で連続的に異なる値となっている。また、凸部24の頂点24Aと回転軸線A1との距離は、回転軸線A1に沿った方向で一定となるように構成されている。なお、図3の例では、凹部23が6箇所設けられ、かつ、凸部24が6箇所設けられているが、凹部23および凸部24の数は任意に設定可能である。
上記のように構成されたアウターレース18の内部空間にインナーレース25が設けられている。このインナーレース25は、前記オイルポンプ6の内側部分を構成している。このインナーレース25は2つの円筒部26,27を有しており、一方の円筒部27が前記インプットシャフト4の外側に配置され、このインプットシャフトと前記円筒部27とが一体回転するように連結、具体的にはスプライン結合されている。また、前記インナーレース25は前記インプットシャフト4に対して、前記回転軸線A1に沿った方向に相対移動可能に構成されており、前記円筒部27と前記コネクティングドラム15との間には軸受28が介在されている。さらに、前記インナーレース25には軸部29が設けられており、この軸部29は前記円筒部27の内部に、かつ、円筒部27と同軸上に形成されている。一方、前記インプットシャフト4の端部に開口された凹部30が形成されており、前記軸部29がこの凹部30内に配置されている。そして、前記凹部30の内周面および端面と、前記軸部29の端面とにより取り囲まれた油圧室31が形成されており、前記インプットシャフト4には前記油圧室31に接続された油路32が設けられている。さらに、前記インナーレース25であって、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記円筒部26と円筒部27との間には円板形状のボス部33が形成されており、そのボス部33の外周には、円周方向に沿って複数のシリンダ34が形成されている。
各シリンダ34は、ボス部33の外周面に開口された略円柱形状の凹部であり、複数のシリンダ34が放射状に配置されている。また、各シリンダ34内にはピストン35が各々配置されており、ピストン35がシリンダ34内で、インナーレース25の半径方向に往復移動自在となる構成を有している。すなわち、オイルポンプ6は、いわゆるラジアルピストンポンプである。図4および図5は、前記シリンダ34およびピストン35の構成を示す拡大断面図である。また、各ピストン35により転動体36が転動可能に保持されており、転動体36がカム面22に接触する。この転動体36はボール(球体)またはローラを用いることが可能である。転動体としてローラを用いる場合、その転動体の軸線A1方向の回転軸線を中心として回転可能に保持する。なお、ローラの形状は、円柱ではなく、回転軸線A1に沿った方向に沿って半径が連続的に変化するボビン形状のローラを用いる。なお、図1および図3および図4および図5では、転動体36としてボールを用いた場合が示されている。さらに、前記ピストン35は円柱形状を有しており、ピストン35および前記シリンダ34の中心線C1は共通している。この中心線C1は、前記回転軸線A1と垂直な平面に沿って設けられており、かつ、その中心線C1の延長すると前記回転軸線A1と交差する。また、前記ピストン35は大径部120と小径部121とを有しており、前記シリンダ34内で前記大径部120は小径部121より外側に配置されている。さらに、前記大径部120の外周にはシールリング122が取り付けられており、前記大径部120の外周面が前記シリンダ34の内周面と摺動する構成となっている。さらに、大径部120の外周面と、小径部121の外周面とを連続する環状の端面123が形成されている。この端面123は、前記ピストン35の軸線と垂直に構成されている。また、前記小径部121の端部を構成する底面38が設けられている。ピストン35の軸線と垂直な平面内で、前記底面38は略円形に構成されている。なお、図3においては、シリンダ34およびピストン35が円周方向に8個設けられているが、その数は任意に設定可能である。
一方、前記シリンダ34の底面37は、前記軸線と垂直な平面であり、その底面37と前記底面38との間には油室39が形成されている。また、油室39内には複数個の圧縮コイルばね、この実施例では2個の圧縮コイルばね40,41が設けられており、2個の圧縮コイルばね40,41は、インナーレース25の半径方向に伸縮可能となる状態で、油室39内に配置されている。2個の圧縮コイルばね40,41は、その内径および外径が異なり、かつ、伸縮方向の高さが異なる。具体的には、一方の圧縮コイルばね40の外径は、前記小径部121の外径よりも小さく構成されており、圧縮コイルばね40の伸縮方向の軸線(図示せず)と、前記シリンダ34の軸線とが略一致されている。そして、圧縮コイルばね40は、転動体36がカム面23に接触している場合に、常時、底面37および底面38に接触し、かつ、転動体36をカム面22に向けて押圧する力を発生することの可能な高さを有している。言い換えれば、圧縮コイルばね40は、底面37と底面38との間の距離に関わりなく、底面37および底面38に接触する高さに構成されている。
これに対して、他方の圧縮コイルばね41の内径は、前記圧縮コイルばね40の外径よりも大きく構成されており、前記圧縮コイルばね40の外側に前記圧縮コイルばね41が配置されている。前記圧縮コイルばね40および前記圧縮コイルばね41の伸縮方向の軸線は共通である。また、前記シリンダ34の内周面にスナップリング125が取り付けられている。このスナップリング125の内径は、前記小径部121の外径よりも小さく構成されている。また、前記シリンダ34の深さ方向で、前記スナップリング125よりも底面37に近い位置にプレート136が設けられている。このプレート136は環状に構成されているとともに、このプレート136の内径は、前記小径部121の外径よりも大きく構成されている。また、プレート136の外径は、前記スナップリング125の内径よりも大きく、かつ、前記圧縮コイルばね41の外径以上に構成されている。また、このプレート136は、前記シリンダ134内で深さ方向に移動可能に構成されている。さらに、そのプレート136と前記底面37との間に、前記圧縮コイルばね41が介在されている。すなわち、前記圧縮コイルばね41は、前記底面37およびプレート136により挟み付けられて圧縮荷重が与えられた状態で、前記シリンダ34内に取り付けられている。つまり、圧縮コイルばね41は常時撓まされている。そして、前記ピストン35が前記シリンダ34内で外側に向けて動作している場合に、前記ピストン35の底面38と、前記プレート136とが非接触となるように、前記シリンダ34の深さ方向における前記スナップリング125の取り付け位置が決定されている。このように、前記圧縮コイルばね40,41は、前記インナーレース25に取り付けられている。
つぎに、前記油室39に接続された油路の構成を、図1および図2に基づいて説明する。前記インナーレース25には、油室39に接続された吸入油路42が設けられており、吸入油路42には逆止弁43が設けられている。一方、前記リヤカバー12には油路44が設けられている。さらに、ホルダ14にも油路45が設けられており、油路44と油路45とが接続されている。さらに、前記インナーレース25には、円筒部26からボス部33に亘って円柱形状の凹部25Aが形成されており、凹部25A内にホルダ14が挿入され、かつ、円筒部26がスリーブ13内に挿入されて、前記インナーレース25が、前記スリーブ13およびホルダ14に対して、前記回転軸線A1に沿った方向に移動可能に構成されている。そして、凹部25Aとホルダ14とにより油路25Bが形成されており、前記油路25Bが、前記吸入油路42および油路45に接続されている。そして、前記逆止弁43は、油路25Bのオイルが油室39に吸入される場合に開放する一方、前記油室39のオイルが油路25Bに戻ろうとすると閉じられる構成を有している。さらに、前記インナーレース25の円筒部26には吐出油路46が設けられており、吐出油路46には逆止弁47が設けられている。さらに、リヤカバー12には油路48が設けられており、その油路48が後述する吐出制御弁に接続されている。さらに、この油路48は吐出油路46に接続されている。そして、前記逆止弁47は、前記油室39のオイルが油路48に吐出される場合に開放され、前記油路48のオイルが前記油室39に戻ろうとすると閉じる構成を有している。
つぎに、前記ケーシング5の内部に設けられた前後進切換装置7の構成について説明する。前後進切換装置7は、前記回転軸線A1に沿った方向において、前記エンジン2と前記オイルポンプ6との間に配置されている。前後進切換装置7は、前記コネクティングドラム15の回転方向に対して、前記無段変速機8のプライマリシャフト49の回転方向を正逆に切り換えるための装置であり、この実施例では、前後進切換装置7が遊星歯車機構、具体的には、シングルピニオン型の遊星歯車機構を有している。この遊星歯車機構は、サンギヤ50と、サンギヤ50と同軸上に配置されたリングギヤ51と、前記サンギヤ50およびリングギヤ51に噛合されたピニオンギヤ52を自転、かつ公転可能に保持するキャリヤ53とを有している。そして、前記サンギヤ50が、前記プライマリシャフト49に動力伝達可能に連結されており、前記リングギヤ51が前記コネクティングドラム15と動力伝達可能に連結されている。さらに、前後進切換装置7を構成する回転要素同士の連結・解放を制御する前進用クラッチC1が設けられているとともに、回転要素の回転・停止を制御する後進用ブレーキBRが設けられている。前進用クラッチC1により、サンギヤ50とリングギヤ51との連結・解放が制御され、後進用ブレーキBRにより、キャリヤ53の回転・停止が制御されるように構成されている。
ここで、前進用クラッチC1としては、摩擦クラッチまたは電磁クラッチまたは噛み合いクラッチのいずれを用いてもよいし、後進用ブレーキBRとしては、摩擦ブレーキまたは電磁ブレーキまたは噛み合いブレーキのいずれを用いてもよい。この実施例では、摩擦クラッチまたは噛み合いクラッチを用い、摩擦ブレーキまたは噛み合いブレーキを用いる場合は、油圧制御式のアクチュエータを用いることが可能である。これに対して、電磁クラッチおよび電磁ブレーキを用いる場合は、電磁制御式のアクチュエータを用いることとなる。この実施例では、摩擦クラッチおよび摩擦ブレーキが用いられ、かつ、油圧制御式アクチュエータが用いられている場合について説明する。すなわち、油圧アクチュエータは油圧室(図示せず)およびピストン(図示せず)などを有しており、油圧室の油圧に基づいて、前進用クラッチC1のトルク容量、後進用ブレーキBRのトルク容量が制御されるように構成されている。
つぎに、前述の無段変速機8について説明すると、前記回転軸線A1に沿った方向において、前後進切換装置7とダンパ機構3との間に無段変速機8が設けられている。この実施例では、無段変速機8としてベルト式無段変速機が用いられており、無段変速機8は、前述したプライマリシャフト49およびセカンダリシャフト54を有している。このプライマリシャフト49は、前記インプットシャフト4と同軸上に配置され、かつ、前記インプットシャフト4の外側を取り囲むように配置されている。そして、前記インプットシャフト4とプライマリシャフト49とが相対回転可能に構成されている。また、前記ケーシング5内には、前記インプットシャフト4の回転軸線A1に沿った方向で無段変速機8の両側に隔壁55,56が設けられており、プライマリシャフト49と隔壁55,56との間に軸受57が介在されている。このようにして、前記プライマリシャフト49およびセカンダリシャフト54は相互に平行に配置されており、プライマリシャフト49と一体回転するプライマリプーリ58が設けられ、セカンダリシャフト54と一体回転するセカンダリプーリ59が設けられている。
また、プライマリプーリ58およびセカンダリプーリ59には無端状のベルト60が巻き掛けられている。さらに、プライマリプーリ58からベルト60に加えられる挟圧力を制御する油圧サーボ機構61と、セカンダリプーリ59からベルト60に加えられる挟圧力を制御する油圧サーボ機構62とが設けられている。この油圧サーボ機構61,62の油圧室(図示せず)に供給される圧油の流量および油圧が、後述する油圧制御装置により制御される構成となっている。さらに、前記ケーシング5の内部には、セカンダリシャフト54のトルクが伝達される伝動装置9および終減速機10が設けられており、この終減速機10の出力側にはドライブシャフト63を介在させて車輪(前輪)11が連結されている。なお、伝動装置9としては、歯車伝動装置、巻き掛け伝動装置などを用いることが可能である。
つぎに、車両1の制御系統を説明すれば、車両1の全体を制御するコントローラとしての電子制御装置64が設けられている。この電子制御装置64には、加速要求(例えば、アクセルペダルの操作状態)を検知するセンサ、制動要求(例えば、ブレーキペダルの操作状態)を検知するセンサ、エンジン回転数を検知するセンサ、スロットル開度を検知するセンサ、インプットシャフト49の回転数を検知するセンサ、プライマリシャフト49の回転数を検知するセンサ、セカンダリシャフト54の回転数を検知するセンサ、シフトポジションを検知するセンサ、インナーレース25の回転数を検知するセンサ、アウターレース18の回転数を検知するセンサなどの信号が入力される。これに対して、電子制御装置64からは、エンジン2を制御する信号、油圧制御装置65を制御する信号などが出力される。
この油圧制御装置65は、前記オイルポンプ6におけるオイルの吐出量、前記オイルポンプ6における伝達トルク、前進用クラッチC1および後進用ブレーキBRの油圧室の油圧、油圧サーボ機構61,62の油圧室の油圧、油圧室31の油圧などを制御するとともに、潤滑系統66に供給される潤滑油量を制御するものであり、各油圧室の油圧を制御するソレノイドバルブ(図示せず)などを有する公知のものである。ここで、潤滑系統66には、前後進切換装置7を構成する各ギヤ同士の噛み合い部分、無段変速機8のプーリとベルト60との接触部分、各種の軸受17,21,57などの摺動部分、あるいは、これらの箇所にオイルを供給して冷却および潤滑する油路が含まれる。
また、前記ケーシング5の内部、またはケーシング5の下部あるいは外部にはオイルパン67が設けられている。さらに、前記油圧制御装置65には前記油路44が接続されており、前記オイルパン67のオイルを油路44を経由させて、前記油室39に供給することが可能となるように構成されている。さらに、前記油圧制御装置65は、油室39から油路48を経由して吐出されるオイル量を制御する吐出制御弁69を有している。さらに、前記油圧制御装置65は、油圧室31の油圧を制御する圧力制御弁70を有している。これらの吐出制御弁69および圧力制御弁70は、例えば、ソレノイドバルブにより構成されている。
上記のように構成された車両1において、エンジントルクがダンパ機構3を経由して前記インプットシャフト4に伝達され、このインプットシャフト4のトルクが、前記オイルポンプ6のインナーレース25に伝達される。ここで、前記インナーレース25と前記アウターレース18との間におけるトルクの伝達原理を説明する。前記インナーレース25とアウターレース18とが相対回転した場合、前記転動体36が、前記回転軸線A1と垂直な平面内におけるカム面22の形状に沿って転動し、前記ピストン35がシリンダ34内を往復移動する。また、図1のオイルポンプ6においては、前記油圧室31の油圧に基づいて、前記インナーレース25が前記回転軸線A1に沿った方向に動作可能であり、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記インナーレース25の位置が変化すると、前記インナーレース25の半径方向における前記ピストン35の動作量、すなわち、ストローク量が変化する。具体的には、前記油圧室31の油圧が前記インナーレース25の軸部29の端面に作用するため、前記油圧室31の油圧に基づいて、前記インナーレース25を回転軸線A1に沿った方向でリヤカバー12に近づける向きの力が発生する。
一方、前記インナーレース25の半径方向におけるピストン35の位置に関わりなく、前記圧縮コイルばね40の付勢力が転動体36に加えられており、その転動体36がカム面22に押し付けられている。さらに、後述するように、前記油圧室39の容積を縮小する過程にあるピストン35において、油圧室39から吐出されるオイルの流動抵抗によって生じる油圧室39の油圧により、転動体36がカム面22に押し付けられている。その押し付け力はカム面22に対して略直角に作用する。一方、前記カム面22の凹部23は、前記スリーブ13に近づくことにともない、谷底23Aと軸線A1との距離が短くなる方向のテーパを有しているため、前記転動体36が凹部23に接触している場合は、前記転動体36に与えられる押し付け力に応じた反力が発生し、その反力に応じて回転軸線A1に沿った方向の成分(分力)が、前記ピストン35を経由して前記インナーレース25に伝達される。そして、前記油圧室31の油圧に基づいて前記インナーレース25に加えられる回転軸線A1に沿った方向の力と、前記反力に基づいて前記インナーレース25に伝達される回転軸線A1に沿った方向の力との対応関係により、前記回転軸線A1に沿った方向における前記インナーレース25の位置が決定される。
例えば、前記油圧室31の油圧が上昇した場合は、前記インナーレース25をリヤカバー12側に向けて押圧する力が増加して、前記インナーレース25が図1で左方向に動作する。これに対して、前記油圧室31の油圧が低下した場合は、前記インナーレース25をリヤカバー12から離れる方向に押圧する力が増加して、前記インナーレース25が図1で右方向に動作する。なお、前記インナーレース25に加えられ、かつ、前記回転軸線A1に沿った方向で逆向きの力同士が釣り合った場合は、前記インナーレース25が回転軸線A1に沿った方向の所定位置で停止する。
まず、前記インナーレース25が図1で右方向に動作する場合について説明する。この場合は、凹部23の谷底23Aに接触する外接円と、凸部24の頂点24Aに接触する内接円との半径差が、前記インナーレース25の動作前よりも大きくなる。これに対して、前記インナーレース25が図1で左方向に動作すると、凹部23の谷底23Aに接触する外接円と、凸部24の頂点24Aに接触する内接円との半径差が、前記インナーレース25の動作前よりも小さくなる。前記インナーレース25が、回転軸線A1に沿った方向の所定位置で停止すると、凹部23の谷底23Aに接触する外接円と、凸部24の頂点24Aに接触する内接円との半径差が一定に維持される。つまり、前記回転軸線1を中心とする半径方向で、前記ピストン35の上死点から下死点に至る移動量が制御され、前記油室39の容積が変化する。このように、前記インナーレース25を回転軸線A1に沿った方向に動作させて、前記回転軸線A1を中心とする半径方向で、前記ピストン35の動作範囲を変更すると、前記油室39に吸入されるオイルの容量が変化する。つまり、ラジアルピストンポンプ6は、可変容量型のオイルポンプである。
つぎに、前記ピストン35の動作範囲、すなわちストロークの使用域を、図6の特性線図により説明する。ここで、ストロークとは、前記インナーレース25の半径方向におけるピストン35の位置であり、使用域とは、前記インナーレース25の半径方向における前記ピストン35の動作範囲である。この図6には、前記ストロークとばね荷重関係との一例が示されている。ここで、ばね荷重とは、前記圧縮コイルばね40,41から前記ピストン35に与えられる荷重、言い換えれば、前記ピストン35を前記カム面22に押し付ける向きの力である。
この具体例1においては、前記凹部23の谷底23Aに接触する外接円と、凸部24の頂点24Aに接触する内接円とに半径差があり、その半径差に基づいて、前記回転軸線A1を中心とする半径方向における前記ピストン35の動作量が変化する。そして、ピストン35の動作量および動作位置に基づいて、前記圧縮コイルばね40,41の圧縮量が決定される。まず、前記転動体36が前記カム面22に接触している場合、前記ピストン35のストロークに関わりなく、前記圧縮コイルばね40は前記ピストン35の底面38と、前記シリンダ33の底面37とにより挟まれて、常に圧縮されている。つまり、圧縮コイルばね40は常時撓まされている。このため、前記シリンダ34における外側への動作量が多い場合に相当するストローク領域B1においても、前記圧縮コイルばね40のばね荷重は前記ピストン35には伝達される。このストローク領域B1は、ストロークS1以上の高い領域であり、かつ、前記ピストン35の動作可能範囲のうち、ピストン35の最大上昇位置S2に近い半分程度の領域である。この最大上昇位置S2は、前記カム面22の半径方向における変位量、および前記回転軸線A1に沿った方向における前記インナーレース25の移動量により決定される。
また、このストロークS1とは、前記ピストン35が前記プレート136に接触する直前の位置である。また、前記ピストン35がプレート136に接触して前記圧縮コイルばね41が更に圧縮されるストローク領域B2でも、前記圧縮コイルばね40のばね荷重は、前記ピストン35に伝達される。このストローク領域B2は、ピストン35の動作範囲のうち、下死点に近い半分程度の領域である。なお、具体例1において、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記インナーレース25の位置に関わりなく、前記半径方向で、前記ピストン35の下死点は同じ位置である。これに対して、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記インナーレース25の位置が図1で右側に移動するほど、前記半径方向で、前記ピストン35の上死点が高くなる。このように、前記半径方向における前記ピストン35のストロークに関わりなく、その圧縮コイルばね40のばね荷重が常時前記ピストン35に伝達される。
これに対して、前記圧縮コイルばね41は、前記ピストン35のストロークに関わりなく、常に圧縮されているが、前記ピストン35が前記プレート136に接触していないストローク領域B1では、前記圧縮コイルばね41のばね荷重(初期荷重)は前記ピストン35には伝達されない。そして、前記ピストン35がプレート136に接触して前記圧縮コイルばね41が前記ピストン35により更に圧縮されるストローク領域B2では、前記圧縮コイルばね40のばね荷重、および前記圧縮コイルばね41のばね荷重が、共に前記ピストン35に伝達される。このように、ストローク領域B1におけるばね荷重(実線)よりも、ストローク領域B2におけるばね荷重(実線)の方が高くなる特性を示す。特に、この実施例では、前記圧縮コイルばね41が予め圧縮されているため、ストロークS1を境界としてばね荷重がステップ的に変化する。また、前記ストローク領域S1におけるばね荷重の変化割合よりも、前記ストローク領域S2におけるばね荷重の変化割合の方が大きい。前記図6の特性線図は、前記インナーレース25が図1で右方向に動作されて、凹部23の谷底23Aに接触する外接円と、凸部24の頂点24Aに接触する内接円との半径差が、所定値以上になる場合に相当するものである。つまり、前記ストローク領域B1およびストローク領域B2を含む使用域D1の範囲で、前記ピストン35が動作する。
これに対して、前記インナーレース25を図1で左向に動作させて、凹部23の谷底23Aに接触する外接円と、凸部24の頂点24Aに接触する内接円との半径差が、所定値未満になる場合における特性線図の一例を、図7に基づいて説明する。この図7の特性線図では、前記ピストン35の動作範囲を示すストロークの使用域D2が、ストローク領域B2内に設けられており、ストローク領域B1は使用されない。つまり、使用領域D2発明の詳細な説明、使用領域D1よりも狭い。この図7の特性線図のように、前記ストローク領域B2では、前記圧縮コイルばね40,41のばね荷重が、常時、前記ピストン35に加えられる。なお、図6および図7において、破線で示された特性について説明する。この破線で示す特性は、圧縮コイルばね41に代えて、ピストン35が接触していない状態で圧縮されていない圧縮コイルばねを、前記シリンダ34内に設けた比較例の特性である。この比較例では、ストローク領域B1におけるばね荷重は、実線の特性と同じになる。これに対して、ストローク領域B2では、前記ピストン35が圧縮コイルばねに接触して初めて、その圧縮コイルばねが圧縮されてばね荷重を生じる。このため、ストローク領域B2で生じるばね荷重は、実施例(実線)の方が、比較例(破線)よりも高くなることは明らかである。
上記のようにして、エンジントルクが前記インナーレース25に伝達されて、前記インナーレース25と前記アウターレース18とが相対回転し、前記ピストン35が前記シリンダ34内で前記インナーレース25の半径方向に往復移動する。すると、前記ピストン35の動作により油室39の容積が拡大・縮小される。まず、前記油室39の容積が拡大される場合は、前記油室39が負圧となる。すると、前記逆止弁43が開放されるとともに、前記オイルパン67のオイルが、前記油路44および吸入油路42を経由して、前記油室39内に吸入される。このように、オイルが油室39に吸入される間、逆止弁47は閉じられている。これに対して、前記インナーレース25とアウターレース18とが相対回転して、前記ピストン35の動作により油室39の容積が縮小されると、この油室39の油圧が上昇する。すると、前記逆止弁43が閉じられるとともに、前記逆止弁47が開放され、前記油室39のオイルが、吐出油路46を経由して油路48に吐出される。以後、前記ピストン35が前記シリンダ34内で往復運動を繰り返すことにより、前記オイルポンプ6の油室39へのオイルの吸入と、前記油室39からのオイルの吐出とが、交互に繰り返される。このようにして、前記オイルパン67のオイルが前記オイルポンプ6により吸入・吐出され、吐出されたオイルが、油圧制御装置65を経由して、油圧サーボ機構61,62および潤滑系統66および前後進切換装置7用の油圧室などに供給される。
また、吐出制御弁69の制御により、前記オイルポンプ6の油室39から吐出されるオイルの流量が調整される。そして、インナーレース25とアウターレース18との回転数差が調整される。すなわち、吐出制御弁69における通路の絞り量を増加して、その通路の断面積を縮小させると、この通路を通過するオイルの流動抵抗が高まる。このため、エンジン2からインナーレース25へ一定のトルクが入力される場合、インナーレース25とアウターレース18との間の回転数差は減少する。
これとは逆に、前記吐出制御弁69における通路の絞り量を減少させて、通路の断面積を拡大すると、通路を通過するオイルの流通抵抗が低下する。このため、エンジン2からインナーレース25へ一定のトルクが入力される場合、インナーレース25とアウターレース18との間の回転数差は増加する。このようにして、エンジン2からインナーレース25に伝達されたトルクは、油室39内の圧油の流体エネルギに変換される。そして、油室39の油圧により転動体36がカム面22に押し付けられて、転動体36とカム面22との係合力により、アウターレース18およびコネクティングドラム15にトルクが伝達される。
つぎに、前後進切換装置7の制御について説明する。まず、シフトポジションとしてドライブポジション(前進ポジション)が選択された場合は、前進用クラッチC1が係合され、かつ、後進用ブレーキBRが解放される。すると、前後進切換装置7を構成する遊星歯車機構の3つの回転要素が一体回転する。これに対して、シフトポジションとしてリバースポジション(後進ポジション)が選択された場合は、後進用ブレーキBRが係合され、かつ、前進用クラッチC1が解放される。すると、リングギヤ51が入力要素となり、かつ、停止しているキャリヤ53が反力要素となって、サンギヤ50がリングギヤ51とは逆方向に回転する。このようにして、前記コネクティングドラム15のトルクが、無段変速機8のプライマリシャフト49に伝達される。なお、ニュートラルポジションまたはパーキングポジションが選択された場合は、後進用ブレーキBRが解放され、かつ、前進用クラッチC1が解放される。
以上のようにして、無段変速機8のプライマリシャフト49にトルクが伝達されると、このプライマリシャフト49のトルクがベルト60を経由してセカンダリシャフト54に伝達される。この無段変速機8においては、油圧サーボ機構61,62における圧油の供給状態が油圧制御装置65により制御される。例えば、油圧サーボ機構61に供給される圧油の流量が制御されて、プライマリプーリ58におけるベルト80の巻き掛け半径、およびセカンダリプーリ59におけるベルト60の巻き掛け半径が制御され、無段変速機8の変速比、つまり、プライマリシャフト49の回転速度と、セカンダリシャフト54の回転速度との比を無段階(連続的)に制御することができる。また、この変速制御に加えて、セカンダリプーリ59からベルト60に加える挟圧力が調整されて、無段変速機8のトルク容量が制御される。
このような変速制御と並行して、車速および加速要求(例えばアクセル開度)などに基づいて、車両1における必要駆動力が判断され、その判断結果に基づいて目標エンジン出力が求められる。その目標エンジン出力を最適燃費で達成する目標エンジン回転数が求められ、その目標エンジン回転数に応じて目標エンジントルクが求められる。そして、実エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づけるように、無段変速機8の変速比が制御される。また、無段変速機8の変速比の制御と並行して、電子スロットルバルブの制御などにより、実エンジントルクが目標エンジントルクに近づけられる。なお、実エンジン回転数を目標エンジン回転数に近づける場合、無段変速機8の変速比の制御に加えて、インナーレース25とアウターレース18との相対回転数差の制御も実行される。以上のようにして、エンジントルクがインプットシャフト4および前後進切換装置7を経由して、無段変速機8のセカンダリシャフト54に伝達される。このセカンダリシャフト54のトルクは、伝動装置9および終減速機10を経由して車輪11に伝達される。
ところで、前記ピストン35が前記インナーレース25の半径方向で内側に向けて動作(下降行程)して、前記ピストン35が下死点に到達し、ついで、前記ピストン35が前記インナーレース25の半径方向で外側に向けて動作する上昇行程に切り換わる場合は、前記転動体36が凸部24を乗り越えることとなる。このため、前記インナーレース25とアウターレース18との回転数差が大きい場合は、「転動体36が凸部24を乗り越える場合に、転動体36がカム面22から離れ、その後に、転動体36がカム面22に衝突する現象」が生じる可能性がある。これに対して、この具体例1では、前記ピストン35が下死点を経由して前記凸部24を転動体36が乗り越える作用が、前記ストローク領域B2でおこなわれる構成となっている。そして、このストローク領域B2では、前記ばね荷重がストローク領域B1に比べて高くなっているため、「転動体36が凸部24を乗り越える場合に、転動体36がカム面22から離れ、その後に、転動体36がカム面22に衝突する現象」を回避することができる。したがって、転動体36とカム面22との衝突による振動・騒音を抑制でき、カム面22に対する転動体36の追従性が向上する。また、前記ピストン35が前記シリンダ34内で外側に向けて動作する上昇行程が円滑化され、前記油室39にオイルを吸入するオイルポンプ6のオイル吸入機能(自吸性能)が向上する。また、前記ピストン35が上死点付近に位置しており、前記転動体36が凹部23Bを転動する領域は、前記ストローク領域B1に相当することとなり、前記ピストン35に加えられるばね荷重が過剰となることを抑制できる。したがって、前記インプットシャフト4とコネクティングドラム15との間における機械効率、具体的には動力伝達効率の低下を抑制できる。さらに、前記圧縮コイルばね41が前記ピストン35に接触しない場合でも、常時プレート136により圧縮されているため、シリンダ34内で圧縮コイルばね41が動いたり、転倒したりすることを防止できる。
ここで、図1ないし図7において説明された構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、回転軸線A1が、この発明の回転軸線に相当し、アウターレース18が、この発明における第1の部材に相当し、インナーレース25が、この発明における第2の部材に相当し、カム面22が、この発明のカムに相当し、カム面22が変位された半径方向が、この発明における「予め定められた一方向」に相当し、シリンダ34が、この発明のシリンダに相当し、前記ピストン35および転動体36が、この発明のピストンに相当し、圧縮コイルばね40,41が、この発明の押し付け機構に相当し、油圧室39が、この発明における流体室に相当し、オイルが、この発明における流体に相当し、オイルポンプ6が、この発明における「ピストン型の流体装置」に相当する。また、圧縮コイルばね40が、この発明における第1のばねに相当し、圧縮コイルばね41が、この発明における第2のばねに相当し、図6よび図7に基づいて説明した「ばね荷重」が、この発明の「弾発力」に相当し、前記車両1が、この発明の車両に相当し、車輪11が、この発明の車輪に相当し、エンジン2が、この発明の駆動力源に相当し、カム面22および油圧室31および油路32およびインナーレース25が、この発明における容量変更機構に相当する。さらに、この具体例1は、請求項1、請求項2、請求項4、請求項7、請求項8に対応している。
また、図6で説明したストローク領域B1が、この発明における「シリンダの外側へのピストンの動作量が多い場合」に相当し、図6で説明したストローク領域B2が、この発明における「シリンダの外側へのピストンの動作量が少ない場合」に相当する。この具体例1において、前記シリンダ34の外側へのピストン35の動作量は、例えば、前記底面37と底面38との距離、前記底面37とピストン35の長さ方向の中心との距離、または前記インナーレース25のボス部33の外周面からの転動体36の突出量などに基づいて判断可能である。これらの距離および突出量は、前記シリンダ34の中心線C1に沿った方向の距離もしくは突出量である。そして、前記底面37と底面38との距離が所定距離以上である場合が、ストローク領域B1に相当し、前記底面37と底面38との距離が所定距離未満である場合が、ストローク領域B2に相当する。また、前記底面37とピストン35の長さ方向の中心との距離が所定値以上である場合が、ストローク領域B1に相当し、前記底面37とピストン35の長さ方向の中心との距離が所定値未満である場合が、ストローク領域B2に相当する。また、前記インナーレース25のボス部33の外周面からの転動体36の突出量が多い場合が、ストローク領域B1に相当し、前記インナーレース25のボス部33の外周面からの転動体36の突出量が少ない場合が、ストローク領域B2に相当する。そして、この具体例1において、前記ストローク領域B2は、言い換えれば、前記シリンダ34の深さ方向における前記ストッパ136の位置は、前記凸部24の高さ、凸部24の湾曲程度、転動体36の半径、ピストン35の動作範囲などに基づいて決定される設計事項である。これは、前記転動体36が凸部24を乗り越える場合に、その転動体36が凸部34から離れることを防止するために、前記ピストン35に加えるばね荷重を高くすることを目的としているからである。
(具体例2)
つぎに、図2に示されたオイルポンプ6の他の具体例を、図8および図9および図10に基づいて説明する。図8は、前記回転軸線A1に沿った方向におけるオイルポンプ6の断面図であり、図9および図10は、図8に示されたオイルポンプ6の要部を拡大した断面図である。この図8および図9および図10において、図1および図4および図5と同じ構成部分については、図1および図4および図5と同じ符号を付してある。この具体例2においても、各ピストン35毎に前記油室39内に2種類の圧縮コイルばね137,138が設けられている。まず、前記シリンダ34の底面37には凹部139が設けられており、この凹部139には有底円筒部材140が取り付けられている。この有底円筒部材140は、円筒部140Aおよび底部142を有しており、その開口部141がピストン35に向けて配置されている。また、有底円筒部材140中心線C1は、前記シリンダ34と共通である。一方、前記ピストン35には凹部143が形成されており、前記シリンダ34および凹部143に亘って油室39が形成されている。この凹部143は前記中心線C1を中心として形成された円柱形状を有しており、その凹部143の内径は、前記有底円筒部材140の外径よりも大きく構成されている。そして、前記油室39に設けられた圧縮コイルばね137は、前記凹部143の底面144と、前記有底円筒部材140の前記底部142との間に介在されている。つまり、前記円筒部140Aの内径は前記圧縮コイルスばね137の外径よりも大きく構成されている。そして、前記回転軸線A1を中心とする半径方向で、前記ピストン35の位置に関わりなく、前記ピストン35と前記有底円筒部材140とにより前記圧縮コイルばね137が挟み付けられ、かつ、圧縮されている。つまり、前記回転軸線A1を中心とする半径方向で、前記ピストン35の位置に関わりなく、常時、前記圧縮コイルばね137の弾発力が前記ピストン35に加えられて、前記転動体36が前記カム面22に押し付けられている。
一方、前記圧縮コイルばね138は前記凹部143内に配置されている。また、前記凹部143の内周面にはスナップリング145が取り付けられており、前記底面144とスナップリング145との間には、環状のプレート146および圧縮コイルばね138が配置されている。具体的には、前記スナップリング145には前記プレート146が接触されており、このプレート146と底面144とにより、前記圧縮コイルばね138が挟み付けられて、この圧縮コイルばね138が圧縮されている。また、前記スナップリング145の内径は、前記有底円筒部材140の外径よりも大きく構成されている。さらに前記プレート146の外径は、前記圧縮コイルばね137の外径よりも大きく構成されており、そのプレート146は、前記圧縮コイルばね137の外周側に配置されている。このようにして、前記圧縮コイルばね137および圧縮コイルばね138が、中心線C1を中心として同軸上に配置され、かつ、中心線C1に沿った方向に伸縮自在に構成されている。
この具体例2において、前記カム面22に前記転動体36が接触するとともに、前記インナーレース25とアウターレース18とが相対回転すると、前記転動体36が前記カム面22の形状に沿って転動し、前記ピストン35が動作する原理は、具体例1の場合と同様である。この具体例2においても、前記ピストン35の動作範囲は、図6の特性線図に示されたものと同様になる。具体的には、ストローク範囲B1,B2を含む使用域D1の全部に亘り、圧縮コイルばね137の弾発力が前記ピストン35に加えられる。これに対して、有底円筒部材140の円筒部140Aと前記プレート146とが接触していない場合、つまり、前記ストローク域B1では、前記圧縮コイルばね138の弾発力は、前記ピストン35には加えられない。このストローク領域B1は、前記ピストン35の動作可能範囲のうち、最上昇位置S2に近い半分程度の領域である。
一方、ストローク領域B2は、前記ピストン35の動作可能範囲のうち、下死点に近い半分程度の領域である。このストローク領域B2では、前記有底円筒部140の円筒部140Aが前記プレート146に接触して、前記圧縮コイルばね138が更に圧縮される。つまり、前記圧縮コイルばね138が更に圧縮されるストローク域B2では、前記圧縮コイルばね138の弾発力が前記ピストン35に加えられる。また、前記インナーレース25が図8で左側に位置することにより、前記ピストン35の動作半径を小さくすれば、そのピストン35の動作範囲を、図7に示すように、前記ストローク領域B2に限定することも可能である。なお、具体例2において、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記インナーレース25の位置に関わりなく、前記半径方向で、前記ピストン35の下死点は同じ位置である。これに対して、前記回転軸線A1に沿った方向で、前記インナーレース25の位置が図1で右側に移動するほど、前記半径方向で、前記ピストン35の上死点が高くなる。以上のように、この具体例2においても、具体例1と同様の効果を得られる。
さらに、具体例2の構成と、この発明の構成との対応関係を説明すると、圧縮コイルばね137が、この発明の第1のばねに相当し、圧縮コイルばね138が、この発明の第2のばねに相当する。具体例2のその他の構成と、この発明の構成との対応関係は、具体例1の構成と、この発明の構成との対応関係と同じである。また、具体例2では、前記底面37と底面144との距離が所定距離以上である場合が、ストローク領域B1に相当し、前記底面37と底面144との距離が所定距離未満である場合が、ストローク領域B2に相当する。また、この具体例2において、前記シリンダ34の深さ方向における前記プレート166の位置は、前記凸部24の高さ、凸部24の湾曲程度、転動体36の半径、ピストン35の動作範囲などに基づいて決定される設計事項である。これは、前記転動体36が凸部24を乗り越える場合に、その転動体36が凸部34から離れることを防止するために、前記ピストン35に加えるばね荷重を高くすることを目的としているからである。なお、この具体例2は、請求項1、請求項3、請求項4、請求項7、請求項8に対応している。
(具体例3)
この具体例3は、前記具体例1の構成の一部を変更したものであり、図11に基づいて説明する。図11において、図4および図5と同じ構成部分については、図4および図5と同じ符号を付してある。この具体例3においては、前記シリンダ室34内には前記プレート136に代えて、皿ばね147が設けられている。この皿ばね147は環状に構成されており、皿ばね147は中心線C1を中心として配置されている。また、この皿ばね147の内径は、前記ピストン35の小径部121の外径よりも小さく構成されている。さらに、この皿ばね147の外径は、前記スナップリング125の内径よりも大きく構成されている。さらに、この皿ばね147は、中心線C1に沿った方向に伸縮可能であり、前記ピストン35に近づくことにともない外径が小さくなる方向にテーパが付与されている。この皿ばね147が前記スナップリング125と圧縮コイルばね41とにより挟み付けられて、前記中心線C1に沿った方向に圧縮された状態で、前記シリンダ34内に配置されている。また、この皿ばね147のばね定数は、前記圧縮コイルばね41のばね定数よりも小さく構成されている。なお、この具体例3においても、前記圧縮コイルばね41は、前記皿ばね147および底面37により挟み付けられて、圧縮された状態で前記シリンダ34内に配置されている。
この具体例3においても、具体例1と同様に、ストローク領域B1では、皿ばね147および圧縮コイルばね41の弾発力は、前記ピストン35には伝達されない。ついで、前記ピストン35が下死点に向けて更に下降すると、前記ピストン35の底面38が前記皿ばね147に接触する。ここで、皿ばね147のばね定数の方が、圧縮コイルばね141のばね定数よりも小さいため、先に皿ばね147が更に圧縮され、皿ばね147の弾発力がピストン35に加えられる。この皿ばね147によりピストン35に加えられるばね荷重が、図6および図7では二点鎖線で示されている。ついで、前記圧縮コイルばね41が圧縮されて、その圧縮コイルばね41の弾発力がピストン35に加えられる。
一方、前記ピストン35が下死点に到達し、前記半径方向で外側に向けて動作を開始すると、前記圧縮コイルばね41の圧縮量が徐々に減少し、先に、圧縮コイルばね41からピストン35に加えられる荷重が減少する。ついで、前記ピストン35から皿ばね147から離れると、この皿ばね147からピストン35に加えられるばね荷重がなくなる。このように、具体例3においても、具体例1と同様の効果を得られる。また、具体例3においては、前記圧縮コイルばね40からピストン35にばね荷重が加えられる領域と、圧縮コイルばね41からピストン35にばね荷重が加えられるピストン35の領域との間に、前記皿ばね147からピストン35にばね荷重が加えられる領域が存在する。このため、前記ピストン35に加えられるばね荷重をステップ的に変化させることなく、緩やかな勾配で変化させることができる。したがって、オイルポンプ6の振動・騒音特性、および耐久性が向上する。この具体例3は、請求項5の発明に相当するものでり、皿ばね147が、この発明における第3のばねに相当する。
(具体例4)
この具体例4は、前記具体例2の構成の一部を変更したものであり、図12に基づいて説明する。図12において、図9および図10と同じ構成部分につては、図9および図10と同じ符号を付してある。この具体例4においては、前記シリンダ室34内には前記プレート146に代えて、皿ばね148が設けられている。この皿ばね148は環状に構成されており、皿ばね148は中心線C1を中心として配置されている。また、この皿ばね148の内径は、前記圧縮コイルばね138内径よりも大きく構成されている。さらに、この皿ばね148の内径は、前記圧縮コイルばね137の外径よりも大きく構成されている。さらに、この皿ばね148は、中心線C1に沿った方向に伸縮可能であり、前記底面144から離れることにともない外径が小さくなる方向にテーパが付与されている。この皿ばね148が前記スナップリング145と圧縮コイルばね138とにより挟み付けられて、前記中心線C1に沿った方向に圧縮された状態で、前記シリンダ34内に配置されている。また、この皿ばね148のばね定数は、前記圧縮コイルばね138のばね定数よりも小さく構成されている。なお、この具体例4においても、前記圧縮コイルばね138は、前記皿ばね148および底面144により挟み付けられて、圧縮された状態で前記凹部143内に配置されている。
この具体例4においても、具体例2と同様に、有底円筒部材140が前記皿ばね148に接触していない領域、つまり、ストローク領域B1では、皿ばね148および圧縮コイルばね138の弾発力は、前記ピストン35には伝達されない。ついで、前記ピストン35が下死点に向けて更に下降すると、前記有底円筒部材140が前記皿ばね148に接触する。ここで、皿ばね148のばね定数の方が、圧縮コイルばね138のばね定数よりも小さいため、先に皿ばね148が更に圧縮され、皿ばね148の弾発力がピストン35に加えられる。この皿ばね148によりピストン35に加えられるばね荷重が、図6および図7では二点鎖線で示されている。ついで、前記圧縮コイルばね138が圧縮されて、その圧縮コイルばね138の弾発力がピストン35に加えられる。
一方、前記ピストン35が下死点に到達し、前記半径方向で外側に向けて動作を開始すると、前記圧縮コイルばね138の圧縮量が徐々に減少し、先に、圧縮コイルばね138からピストン35に加えられる荷重が減少する。ついで、前記ピストン35から皿ばね148から離れると、この皿ばね148からピストン35に加えられるばね荷重がなくなる。このように、具体例4においても、具体例2と同様の効果を得られる。また、具体例4においては、前記圧縮コイルばね137からピストン35にばね荷重が加えられる領域と、圧縮コイルばね138からピストン35にばね荷重が加えられるピストン35の領域との間に、前記皿ばね148からピストン35にばね荷重が加えられる領域が存在する。このため、前記ピストン35に加えられるばね荷重をステップ的に変化させることなく、緩やかな勾配で変化させることができる。したがって、オイルポンプ6の振動・騒音特性、および耐久性が向上する。この具体例4は、請求項6の発明に相当するものでり、皿ばね148が、この発明における第3のばねに相当する。
(具体例5)
つぎに、オイルポンプ6の他の構成例を、図13に基づいて説明する。この具体例5は、アウターレース18に形成されるカム面の構成が、具体例1ないし具体例4の場合とは異なる。なお、この具体例5において、前記ピストン35の構成、および前記シリンダ34内の構成、ピストン35にばね荷重を加える圧縮コイルばねの構成は、具体例1と同様に構成されているものとして説明する。このため、図13において、図1および図4および図5と同じ構成部分については、図1および図4および図5と同じ符号を付してある。この具体例5においては、前記カム面22が大径カム面75と小径カム面76と傾斜カム面77とを有している。前記大径カム面75は、円周方向に沿って凹部78と凸部79とを交互に配置して構成されている。つまり、前記大径カム面75は、前記インナーレース25の半径方向に波形に変位している。また、凹部78の谷底の半径が回転軸線A1に沿った方向の全域に亘って一定であり、前記凸部79の頂点の半径が回転軸線A1に沿った方向の全域に亘って一定である。また、小径カム面76は、円周方向に沿って凹部80と凸部81とを交互に配置して構成されている。つまり、小径カム面76は、前記インナーレース25の半径方向に波形に変位している。そして、凹部80の谷底の半径が軸方向の全域に亘って一定であり、凸部81の頂点の半径が軸方向の全域に亘って一定である。
さらに、前記大径カム面75と前記小径カム面76とは、回転軸線A1に沿った方向の異なる位置に形成されており、回転軸線A1に沿った方向で大径カム面75と小径カム面76との間に傾斜カム面77が配置されている。この具体例5では、回転軸線A1に沿った方向で隔壁16に近い位置に大径カム面75が配置されており、回転軸線A1に沿った方向でスリーブ13に近い位置に小径カム面76が配置されている。そして、傾斜カム面77は、凹部82および凸部83を有しており、さらに、傾斜カム面77にはテーパが施されており、凹部82が凹部78,80に連続され、凸部83が凸部79,81に連続されている。このようにして、傾斜カム面77、大径カム面75および小径カム面76に連続されており、前記転動体36がカム面22に接触したまま回転軸線A1に沿った方向に移動できるように滑らかに接続されている。
この具体例5においても、具体例1と同様の原理により、前記転動体36およびピストン35が、前記インナーレース25の半径方向にストロークし、前記インナーレース25と前記アウターレース18との間でトルクが伝達されるとともに、前記油室39にオイルが吸入され、かつ、前記油室39から吐出されたオイルが、油圧制御装置65に供給される。また、この具体例5においては、油圧室31の油圧を制御することにより、具体例1と同様の原理により、前記インナーレース25が回転軸線A1に沿った方向に動作し、かつ、位置決めされる。このように、インナーレース25を回転軸線A1に沿った方向に動作させることにより、転動体36が大径カム面75と小径カム面77との間で、傾斜カム面77を経由して行き来可能である。そして、大径カム面75の凹部78および凸部79に沿って転動体36が転動している場合は、図14に示すように、前記ピストン35が予め定められたストローク領域B1を含む使用域D3の内で往復動する。これに対して、前記転動体36が小径カム面76の凸部81および凹部80に沿って転動する場合は、前記図7に示すように、前記ピストン35が予め定められたストローク領域B2内に形成された使用域D2の範囲で往復動する。このように、具体例5においては、使用域D3と使用域D2とを比べると、前記回転軸線A1を中心とする半径方向で、前記ピストン35の上死点および下死点が共に異なる。そして、前記使用域D3では、前記圧縮コイルばね40のばね荷重が前記ピストン35に加えられるが、前記圧縮コイルばね41のばね荷重は前記ピストン35には加わらない。これに対して、前記使用域D2では、前記圧縮コイルばね40,41のばね荷重が、共に前記ピストン35に加えられる。この具体例5においても、使用域D3に比べて使用域D2の方が前記ピストン35に加えられるばね荷重を高くすることができ、具体例1と同様の効果を得られる。
なお、この具体例5においては、前記具体例2ないし具体例4で説明したピストン23の構成、圧縮コイルばねの構成、シリンダ34の構成を用いることも可能である。例えば、前記具体例2の構成を具体例5に用いると、前記使用域D3では、前記圧縮コイルばね137のばね荷重がピストン35に加えられ、かつ、前記圧縮コイルばね137のばね荷重はピストン35に加えられない。また、前記使用域D2では、前記圧縮コイルばね137,138のばね荷重が、共にピストン35に加えられる。さらに、前記図11で説明した具体例3の構成を具体例5に用いると、前記使用域D3では、前記圧縮コイルばね40のばね荷重がピストン35に加えられ、かつ、前記圧縮コイルばね40および皿ばね147の荷重はピストン35に加えられない。また、前記使用域D2では、前記圧縮コイルばね40,41のばね荷重、および皿ばね147のばね荷重が、共にピストン35に加えられる。さらにまた、前記図12で説明した具体例4の構成を具体例5に用いると、前記使用域D3では、前記圧縮コイルばね137のばね荷重がピストン35に加えられ、かつ、前記圧縮コイルばね138および皿ばね148の荷重はピストン35に加えられない。また、前記使用域D2では、前記圧縮コイルばね137,138のばね荷重、および皿ばね148のばね荷重が、共にピストン35に加えられる。
なお、各具体例において、ストローク量とは、トルクを伝達する回転部材、例えば、インナーレース25などの半径方向におけるピストン35の動作量もしくは行程を意味するものであり、ピストン35が上死点から下死点まで移動する間の距離、回転軸線A1とピストン35の高さ方向の中心との距離、底面37とピストン35の高さ方向の中心との距離などに基づいて、ストローク量を定義付けることも可能である。また、各具体例においては、インプットシャフトに油圧室が設けられ、この油圧室の油圧によりボス部がスリーブ側に向けて回転軸線A1に沿った方向に押圧される構成となっているが、油圧室をスリーブ側に設け、その油圧室の油圧によりボス部がインプットシャフト側に向けて回転軸線A1に沿った方向に押圧される構成にすることも可能である。この場合、ピストン部材を動作させる油圧室に接続される油路は、インプットシャフト側に設けることも可能である。さらに、カム面に、回転軸線A1に沿った方向でスリーブに近づくほど内径が大きくなるようなテーパを施すことも可能である。さらに、コネクティングドラムに連結されたアウターレースにシリンダ室、油室、ピストン、転動体などを設け、インナーレースにカム面を設ける構成を採用することも可能である。さらにまた、特に図示しないが、第1の部材に形成されたカム面が回転軸線A1に沿った方向に変位されており、そのカム面に接触して回転軸線A1に沿った方向に動作するピストンおよび転動体が、第2の部材に取り付けられている構成のオイルポンプ、クラッチ、モータにもこの発明を適用可能である。また、各具体例で用いている圧縮コイルばね、皿ばねは、いずれも金属材料により構成されている。また、第1のばねおよび第2のばねは、圧縮コイルばねに代えて、竹の子ばねを用いることも可能である。さらにまた、上記具体例では、第1の部材と第2の部材とが1回分相対回転する間に、ピストンが予め定められた方向に複数回往復動する構成(多行程)の、ピストン型の流体装置が挙げられているが、第1の部材と第2の部材とが1回分相対回転する間に、ピストンが予め定められた方向に1回往復動する構成(単行程)の、ピストン型の流体装置にも、この発明を用いることができる。
この発明のピストン型の流体装置を、車両用のオイルポンプとして用いる場合の具体例を示す断面図である。 この発明のピストン型の流体装置を、車両用のオイルポンプとして用いる場合における、車両の全体構成を示す概念図である。 図1に示されたオイルポンプの半径方向における断面図である。 図1に示されたオイルポンプの要部を示す断面図である。 図1に示されたオイルポンプの要部を示す断面図である。 図1に示されたオイルポンプの動作特性を示す特性線図である。 図1に示されたオイルポンプの動作特性を示す特性線図である。 この発明のピストン型の流体装置を、車両用のオイルポンプとして用いる場合の他の具体例を示す断面図である。 図8に示されたオイルポンプの要部を示す断面図である。 図8に示されたオイルポンプの要部を示す断面図である。 図4および図5に示されたオイルポンプの一部を変更した具体例を示す断面図である。 図9および図10に示されたオイルポンプの一部を変更した具体例を示す断面図である。 この発明のピストン型の流体装置を、車両用のオイルポンプとして用いる場合の他の具体例を示す断面図である。 図13に示されたオイルポンプの動作特性を示す線図である。
符号の説明
1…車両、 2…エンジン、 6…オイルポンプ、 11…車輪、 18…アウターレース、 22…カム面、 25…インナーレース、 31,39…油圧室、 32…油路、 34…シリンダ、 35…ピストン、 36…転動体、 40,41,137,138…圧縮コイルばね、 147,148…皿ばね、 A1…回転軸線。

Claims (8)

  1. 1の部材と、該第1の部材に外周側を覆われかつ該第1の部材と同一の軸線を中心に相対回転自在に配置された第2の部材と、それら第1の部材と第2の部材とのうちのいずれか一方の部材に設けられ、かつ、前記第1の部材と第2の部材とのうちの他方の部材に向けた凹部と突部とを滑らかに連続された形状を有するカムと、それら第1の部材と第2の部材とのうちのいずれか他方の部材に設けられたシリンダと、このシリンダ内に配置されて流体室を前記シリンダ内に形成するとともに、前記カムの形状に沿って前記シリンダ内で往復動することにより前記流体室の容積を増大および減少させるピストンと、前記ピストンを前記シリンダの外側方向である前記カムに向けて押し付ける力を与える押し付け機構とを有し、前記第1の部材と第2の部材とが相対的に回転した場合に前記ピストンが前記カムおよび押し付け機構によってシリンダ内を前後動して前記流体室の容積が増減することにより流体を前記流体室に流入・排出させるように構成されたピストン型の流体装置において、
    前記押し付け機構は、
    記カムに向けた前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合または少ない場合のいずれにおいても前記ピストンと前記シリンダとによって圧縮状態に保持され、かつ、前記いずれの場合においてもその弾発力で前記ピストンを前記カムに向けて押し付けるように前記シリンダ内に配置された第1のばねと、
    前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合または少ない場合のいずれにおいても圧縮された状態に保持され、かつ、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多くて前記流体室の容積が大きい場合は前記ピストンに対して押し付け力を与えないとともに、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少なくて前記流体室の容積が小さい場合は、前記ピストンに押し付け力を与えるように前記第1のばねと共に前記シリンダ内に配置された第2のばねと
    を有することを特徴とするピストン型の流体装置。
  2. 前記第2のばねは、圧縮された状態で前記シリンダによって支持されているとともに、
    前記シリンダは、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多くて前記流体室の容積が大きい場合は、前記第2のばねが前記ピストンに接触しないように前記第2のばねを圧縮した状態に保持し、かつ前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少なくて前記流体室の容積が小さい場合は、前記ピストンにより前記第2のばねを更に圧縮させて、この第2のばねから前記ピストンに弾発力を与えさせる構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載のピストン型の流体装置。
  3. 前記第2のばねは、圧縮された状態で前記ピストンに支持されているとともに、
    記ピストンは、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多くて前記流体室の容積が大きい場合は、前記第2のばねが前記シリンダに接触しないように前記第2のばねを圧縮した状態に保持し、かつ前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少なくて前記流体室の容積が小さい場合は、前記シリンダにより前記第2のばねを更に圧縮させて第2のばねから前記ピストンに弾発力を与えさせる構成を備えていることを特徴とする請求項1に記載のピストン型の流体装置。
  4. 車両の車輪に伝達する動力を出力する駆動力源と、この駆動力源から車輪に至る動力伝達経路に、前記第1の部材および第2の部材が配置されているとともに、前記カムとピストンとの係合力により、前記第1の部材と前記第2の部材との間で動力伝達がおこなわれる構成を有している請求項1ないし3のいずれかに記載のピストン型の流体装置。
  5. 前記押し付け機構は、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は前記ピストンに弾発力を与えず、かつ、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記第2のばねが圧縮される前に前記ピストンにより圧縮されて、そのピストンに弾発力を与える第3のばねを有しており、この第3のばねのばね定数は、前記第2のばねのばね定数よりも小さく設定されている請求項2に記載のピストン型の流体装置。
  6. 前記押し付け機構は、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が多い場合は前記ピストンに弾発力を与えず、かつ、前記シリンダの外側への前記ピストンの動作量が少ない場合は、前記第2のばねが圧縮される前に前記シリンダにより圧縮されて、前記ピストンに弾発力を与える第3のばねを有しており、この第3のばねのばね定数は、前記第2のばねのばね定数よりも小さく設定されている請求項3に記載のピストン型の流体装置。
  7. 前記第1の部材と第2の部材とが相対回転することにともない、前記ピストンが前記カムの形状に沿って前記一方向に往復動することにより、前記流体室の圧力が低下すると流体を吸入し、かつ、前記流体室の圧力が上昇するとその流体室から流体を吐出するポンプとして機能する請求項1ないし6のいずれかに記載のピストン型の流体装置。
  8. 前記第1の部材と前記第2の部材とを回転軸線方向に相対移動させて、前記シリンダ内で前記カムの形状に沿って往復動する前記ピストンの上死点を変化させることにより前記流体室の容量を変更する容量変更機構が設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載のピストン型の流体装置。
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