JP5016943B2 - 船外推進装置の揚力発生板取付構造 - Google Patents

船外推進装置の揚力発生板取付構造 Download PDF

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Description

本発明は船外推進装置を装着した船艇において、停船状態から滑走し始めた際に、船舶推進装置を上方に持ち上げ、円滑な滑走に移行し得るようにした船外推進装置において、揚力発生板の取り付けを、外観性良好に行い得るようにした揚力発生板取付構造に関するものである。
船外推進装置(船外機或いは船外内機)で滑走する船艇は、滑走していない状態や滑走の開始に際し、船尾が下がって水中に沈み込み、即ち、船首が上がった前上傾の状態、船尾が下がった後下傾した状態の斜めの状態であり、滑走開始に際しては、このように傾斜した状態で滑走し始める。
滑走開始に際しては抵抗が大きく、十分な船速が得られ難い。ある程度の船速を得るには、船尾がある程度持ち上がり、船体の姿勢が水平に近い状態になる必要があり、この姿勢に近づくには長い時間がかかり、円滑な加速が得られ難い。
そこで、従来、滑走開始に際し、船尾、船外推進装置を持ち上げる揚力装置が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
特開昭57−60995号公報 アメリカ特許第4756265号明細書 アメリカ特許第5645009号明細書
特許文献1に開示された発明は、船外推進装置のロアケーシングのプロペラ上方にキャビテーションプレート、スプラッシュプレートを有し、この上方に加速プレートを取り付けた構成である。
加速プレートは、ロアケーシングの左右に突出し、前部の突出量が少なく、後部の突出量が大きく、且つ左右2枚の平坦な板状体で構成されている。
特許文献2に開示された発明は、プロペラの後部〜後方に延び、且つプロペラの左右に延びるように水中翼(ハイドロフォイルウイング)を備える構成である。
特許文献3に開示された発明は、マウンティングプレートにデフレクタプレートがヒンジを介して取り付けられており、油圧アクチュエータで伸縮されるコントロールロッドで角度を調整可能としたものである。
特許文献1の発明では、左右の板材からなる加速プレートは中央部に凹部23が発生し、揚力を得る加速プレートの有効面積が小さくなり、効果的な揚力を得る上で不利であり、また、加速プレートの設置位置がキャビテーションプレートの真上で、且つプロペラの真上に近い位置であり、揚力発生中心が比較的推進器(プロペラ)と同じ位置にあるので、リフト効果が少ない。
特許文献2の発明では、揚力を得る水中翼がプロペラの後部〜後方に延び、プロペラの左右に延びるように配置されているので、特許文献1の発明と同様に揚力発生中心が比較的推進器(プロペラ)と同じ位置にあるので、リフト効果が少ないこと、水中翼の滑走時の抗力を考慮し、横幅が大きく取れない、という不都合がある。
また、特許文献3の発明では、マウンティングプレートがキャビテーションプレートと同じ高さ位置なので、滑走時の抗力を考慮し、デフレクタプレートは可動である必要があり、翼部の可動構造、駆動源等の構造が複雑化する。
本発明は、以上の問題点を解決すべくなされたものである。
本発明は、船外推進装置を取り付けた船艇において、滑走の開始時に極めて迅速に、そして円滑に船舶推進機、船尾を、揚力発生板により上方に持ち上げ、極めて短時間に、滑走する船体の姿勢を水平に近い状態とすることができるようにし、船外推進装置を取り付けた船艇の高速滑走に迅速、円滑に移行し得るようにした船外推進装置を提供し、特に本発明は、揚力発生板を外観性良好に船外推進装置に取り付け得るようにした揚力発生板の取付構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、取付装置により船体の後尾に取り付けられる船外推進装置において、船外推進装置のロアユニットの後縁よりも後方に前縁が位置する揚力発生板を、該ロアユニットの後方且つアンチキャビテーションプレートよりも上方に配置し、揚力発生板は、左右方向に長さのある板状体であって、揚力発生板の下面の左右の部分を前後方向に長い板状体からなる左右のステーの後部に支持されており、揚力発生板の左右の取付ステーの前部は、船外推進装置本体のロアユニットの両側に左右の固定具によって取り付けられており、少なくとも左右の固定具と左右の取付ステーの連結部を、取付装置の外観部品で覆うようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、船外推進装置の取付装置の取付部のカバーと、前記揚力発生板の取付ステーの一部と、固定具一部とを外観部品で覆うようにしたことを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2において、船外推進装置の取付装置の取付部のカバーを、固定具の一部に一体に設けたことを特徴とする。
請求項4に係る発明は、取付装置により船体の後尾に取り付けられる船外推進装置において、船外推進装置のロアユニットの後縁よりも後方に前縁が位置する揚力発生板を、該ロアユニットの後方且つアンチキャビテーションプレートよりも上方に配置し、揚力発生板を船外推進装置本体に固定具によって取り付け、固定具は、ロアユニットの両側部に取付支持される両側の左右のアーム部と、該アーム部の後端部を一体的に連結するブリッジ部とからなる平面視略U字形であり、固定具の一部を外観部品で覆うようにしたことを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4において、前記両側の左右のアーム部の各先端部を、前記外観部品の両側の後部で覆うようにしたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、船外推進装置のロアユニットの後縁よりも後方に前縁が位置する揚力発生板を、該ロアユニットの後方且つアンチキャビテーションプレートよりも上方に配置したので、揚力発生板により、滑走の開始時における船外推進装置の上方への持ち上げ作用が効果的になされ、迅速、円滑に、短時間で船外推進装置、船尾を、揚力発生板により上方に持ち上げ、滑走する船体の姿勢を水平に近い状態とすることができる。
そして本発明では、船外推進装置に設けられる揚力発生板が、船外推進装置のロアユニットの後縁よりも後方に前縁が位置するようにロアユニットの後方に配置し、且つロアユニットの左右に突設するアンチキャビテーションプレートよりも上方に配置したので、船舶推進機が持ち上げられ、滑走状態後において、揚力発生板は水上に出た状態となり、水による抗力の影響を受けることがない。
特に本発明では、左右方向に長さのある板状体からなる揚力発生板の下面の左右の部分を後部で支持する前後方向に長い板状体からなる左右の取付ステー前部を、船外推進装置本体のロアユニットの両側に左右の固定具によって取り付け、左右の固定具と左右の取付ステーの連結部を、取付装置の外観部品で覆うので、揚力発生板を船外推進装置に取り付けつつ外観性が向上する。
請求項2に係る発明では、請求項1において、船外推進装置の取付装置の取付部のカバーと、揚力発生板の取付ステーの一部と、固定具一部とを外観部品で覆うようにしたので、各部が共通の外観部品で覆われることとなり、少ない部品で揚力発生板を取付支持しつつ、外観性が向上する。
請求項3に係る発明では、請求項2において、船外推進装置の取付装置の取付部のカバーを固定具の一部に一体に設けたので、揚力発生板の取付部品を共用することとなり、備品点数の減少を図りつつ、外観性を向上させることができる。
請求項4に係る発明では、固定具は、ロアユニットの両側部に取付支持される両側の左右のアーム部と、該アーム部の後端部を一体的に連結するブリッジ部とからなる平面視略U字形であり、固定具の一部を外観部品で覆うようにしたので、平面視U字形構造体により、ロアユニットの後半外周を挟み込むように該ロアユニットに取付支持するので、取付支持構造が簡単であり、また、左右のアーム部の後端部はブリッジ部で一体或いは一体的に連結され、平面視U字形なので、固定具の剛性が高いものが得られる。
特に請求項4に係る発明では、請求項1と同様に、船外推進装置のロアユニットの後縁よりも後方に前縁が位置する揚力発生板を、該ロアユニットの後方且つアンチキャビテーションプレートよりも上方に配置したので、揚力発生板により、滑走の開始時における船外推進装置の上方への持ち上げ作用が効果的になされ、迅速、円滑に、短時間で船外推進装置、船尾を、揚力発生板により上方に持ち上げ、滑走する船体の姿勢を水平に近い状態とすることができる。
そして本発明では、船外推進装置に設けられる揚力発生板が、船外推進装置のロアユニットの後縁よりも後方に前縁が位置するようにロアユニットの後方に配置し、且つロアユニットの左右に突設するアンチキャビテーションプレートよりも上方に配置したので、船舶推進機が持ち上げられ、滑走状態後において、揚力発生板は水上に出た状態となり、水による抗力の影響を受けることがない。
また特に本発明では、揚力発生板を船外駆動装置本体に固定具によって取り付け、該固定具の固定部を前記取付装置の外観部品で覆うようにしたので、揚力発生板の船外推進装置への取付部が外観部品で覆われ、揚力発生板を船外推進装置に取り付けつつ外観性が向上する。
請求項5に係る発明では、両側の左右のアーム部の各先端部を、前記外観部品の両側の後部で覆うようにしたので、請求項4の効果に加えるに、揚力発生板の固定具によるロアユニットへの取付支持の一層の外観性向上を図ることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は、本発明の実施の形態の一例に係る船舶駆動装置の側面図、図2は前方から見た船外推進装置の外観斜視図である。
この図面に従って船外推進装置の概略を説明する。
船外推進装置1は、外観的には最上部のエンジンカバー2、この下方のアンダーカバー3、この下方のエクステンションケース4及びこの下方のギヤケース5からなる船外機である。実施例ではエクステンションケース4及びギヤケース5はロアユニットを構成し、アルミ合金等の軽金属で形成されている。エクステンションケース4及びギヤケース5は、後述する揚力発生板を取付支持するロアユニットを構成する。
エンジンカバー2内にはクランクシャフト及びカムシャフトが縦置きのバーチカルエンジンからなるエンジン6が収容され、エンジン6は軸線が横を向いたシリンダを、上下に複数個並べた多気筒エンジンである。
エンジン6は船外推進装置1の後部側がシリンダヘッドやヘッドカバーを含むエンジンヘッド6aであり、中間部側がシリンダブロック及びクランクケースからなるエンジン本体6bであり、エンジン6の下部はアンダーカバー3内に臨む。アンダーカバー3内にはエンジン本体の底部6cが臨み、且つこれの下方にオイルパンを内装したマウントケース7が配設されており、スロットル弁6f等により、運転を制御する。
アンダーカバー3内の底部6c、マウントケース7を通して縦向きの駆動軸6eがエクステンションケース4,ギヤケース5の上部を縦通し、駆動軸6eでギヤケース5の中間部に設けたギヤボックス5a内のギヤ機構5cを駆動し、ギヤ機構5cで駆動される軸出力軸5bの後端部には推進力を発生するプロペラ8を結合し、推進機を構成する。
船外推進装置1の前側には縦長の凹部1aを設け、凹部1aはアンダーカバー3の前部下半、エクステンションケース4の前部にかけて設けられており、この凹部にスイベルケース51及びスターンブラケット52を設け、スイベル軸51aで操舵し、スターンブラケット52により船外推進装置は上下動(チルト動)する。
このスターンブラケット52を介して前記したように船体の船尾に船外推進装置1を取り付ける。このスターブラケット52及びスイベルケース51で船外推進装置1の船体(艇体)への取付装置50を構成する。
取付装置50については、揚力発生板の船外推進装置への取付構造として後で詳細に説明する。
以上の船外推進装置1の下部で、プロペラ8の上方には、該プロペラ8と離間し、アンチキャビテーションプレート9をプロペラ8より前方から、且つ両側方に、フランジ状に突出するように設ける。アンチキャビテーションプレート9は、プロペラ8の上方にかかるように設けられている。
前記アンチキャビテーションプレート9の上方には、離間してアンチスプラッシュプレート10を設け、アンチスプラッシュプレート10は船外推進装置1の前後方向の前部から中間部の両側方にフランジ状に突出するように設ける。
実施例では、アンチキャビテーションプレート9はギヤケース5の上端近傍、アンチスプラッシュプレート10はギヤケース5上方のエクステンションケース4の下部設けた。
尚図面中11はシフトロッドであって、アンダーカバー3、ロアユニット4を縦通し、ギヤケース5内のギヤ機構5cのクラッチ体に係合している。
以上の船外推進装置1に揚力発生板20を設ける。
揚力発生板20の船外推進装置1への取付状態は、図1の船外推進装置の外観側面図、図2の斜視図で示す通りで、揚力発生板20の単体は図3、図4に示す通りである。
図3は、揚力発生板20の本体部分の斜視図、図4は、図3の4−4線の断面図である。
揚力発生板20は、後部に上下2枚の板状本体21,22を有し、前部に一枚の板状本体23を有する。
後部の上下の板状本体21,22は、左右方向に長さを有し、その長さは、船外推進装置1の左右の幅よりも十分に大きく、各板状本体21,22の左右方向に長さは同じである。前部の板状本体23は前後方向の長さが後部の板状本体21,22よりも長く、夫々の断面は翼状断面をなす。前部の板状本体23は、上下に離間して配置された後部の板状本体21,22の間にあって、その後端部は後部の板状本体21,22の前部間に臨んで配置されている。
実施例では、後部の上下に配置した板状本体21,22は後部が下方に傾斜した後下傾配置であり、前部の板状本体23は若干後方に傾斜して配置されており、各板状本体21,22,23の左右の両端部には側端板24,24が縦向きに直立するように固着、設置されている。
左右の側端板24,24により三枚の板状本体21,22,23の左右両端部を一体的に結合して支持し、揚力発生板20の剛性を高める。
揚力発生板20は、左右の取付ステー25,25で支持されている。左右の取付ステー25,25は前後方向に長い厚手の細長い板状本体からなる。
取付ステー25,25の後半部25aの各前部には棚部25bを設け、この棚部25bの上縁で前部の板状体23の下面を取付支持し、後端部に設けたL形部25cの上下の緩い傾斜の縁部で後部の上下に配置される板状体21,22を取付支持する。
取付ステー25,25の船外推進装置1の本体への取り付けは後述する。
以上において、揚力発生板20であるが、図1に示した通り、船外推進装置1のロアユニット4の後方に揚力発生板20が位置し、具体的には、ロアユニット4の後縁4bの後方に、上下の板状本体21,22の前方に配置された前部板状体23の前縁部23aが離間して位置し、また、側端板24,24の前縁部24aが位置する。
また、揚力発生板20は、船外推進装置1の前記したアンチキャビテーションプレート11よりも上方に位置し、即ち、板状本体21、側端板27はアンチキャビテーションプレート11よりも上方に位置する。
以上においては、停船時においては船外推進装置1を取り付けた船体は、船尾が重く、船外推進装置1のロアユニット4を含む下半部は水没しており、ロアユニット4の後方に配設した前記揚力発生板20も略々水平か、若干後下方に傾斜して水没している。水面を図1の鎖線Aで示した。
船外推進装置1の運転、駆動によりプロペラ8は回転し推進するが、船外推進装置1の加速の開始直後においては、更に後部が下がり鎖線Bの状態となる。
加速の継続により、揚力発生板20の上下の板状本体21,22の抗力で、船外推進装置1を含む船尾は持ち上げられる。
滑走状態では、水面は鎖線Cで示した通りアンチキャビテーションプレート11の位置となり、この際、揚力発生板20はアンチキャビテーションプレート11の上方に位置するので水上に露出し、水の抗力を受けることが無く、高速での滑走を行うことができる。
ところで、複数の揚力発生板21,22を、各々の前縁部21b,22bが上下方向に離れて配置し、後縁部21a,22a上下方向に離間して配置したので、揚力発生装置として大きな揚力が得られる。
そして、上下に離間して配置することで、面(板或いは翼)が上下に広がって配置されることとなり、浅い喫水から深い喫水まで変化に応じて幅広く対応することができる。
即ち、上の板の上下両面と下の板の上下両面とで走り始めの低速域での揚力が大きく得られ、船艇の姿勢補正が早い段階から行うことができ、下の板の下面が喫水下に有る限り揚力が得られ、短時間で補正が行われることとなる。
次に揚力発生板20の取付構造を図5及び図6に基づいて説明する。
図5は、図1の5−5線断面図、図6は取付構造の要部を示す分解斜視図である。
図5において示されるように、スイベルケース51は、船外推進装置1のロアユニットを構成するエクステンションケース4の前部に設けた凹部1aに縦向きに収容される。スイベルケース51内のスイベル軸51aの下端の本体51bには、その左右後端部から後方に延びるマウントステー53,53をボルト54,54を介して固着されており、マウントステー53,53の後部にはマウントラバー53a,53aを有し、凹部1aの後方に向けて形成した左右の取付凹状部1b,1b(図6も参照)にマウントラバー53a,53aを含むマウントステー53,53の中間部〜後部を収容する。
爾後、取付凹状部1b,1bの外側から、該取付凹状部1b、1b及びマウントラバー53a,53aを覆うように取付ハウジング55,55(取付装置の取付部のカバー)を被せ、該取付ハウジング55,55は複数のボルト56…(…は複数を表す。以下同じ)を介してロアユニットの凹状部1b,1b周辺部に固定する。
図5において51aはスイベル軸、6eは駆動軸、11はシフトロッドである。
揚力発生板20を構成する板状本体、実施例では三枚の板状本体21,22,23を取付、支持する取付ステー25は側面視が湾曲した略L形であり、後半部25aの前記した棚部25b、L形後端部25cで各板状本体21,22,23に取付支持している。
この取付ステー25,25の中間部を含む前半部25dの夫々の内側面に、取付ブラケット30,30(固定具)を固着し、取付ステー25,25を含む揚力発生板20を、船外推進装置1側に取付支持する。
揚力発生板20の固定具を構成する取付ブラケット30,30は左右で対称形状をなし、前後方向に長さのある板状部材で構成される。
後半部30a,30aには内側に潜る凹状部30b,30bを有し、この前後に夫々平坦部30c,30dを備え、この平坦部30c,30dに各取付ステー25の後半部25dの内面を当接し、夫々ボルト26,26を介して取付ステー25,25を取付ブラケット30,30に取付支持する。これにより、揚力発生板20を支持する取付ステー25,25は取付ブラケット30,30に結合され、支持されることとなる。
固定具を構成する取付ブラケット30,30は、実施例では、後半部の凹状部30b,30bの前後二箇所をカラー31,31を介してボルト32,32によりロアユニット4の後部両側面に固定支持する。
各取付ブラケット30,30の各前部30e,30eには、左右で対称に形成した内側が潜り、外側に膨出した当接部30f,30fを設け、該当接部30f,30fを前記した取付ハウジング55,55の外側面に当接させてその外側面を覆うように被せる。
スイベルケース51を含む凹部1a、左右の凹状部1b,1b、取付ハウジング55,55の外側を覆う取付ブラケット30,30の前半部、取付ステー25,25の前部の外側面に掛かるように外観部品である外観カバー57,57で覆う。
外観カバー57,57は上記した部分を覆い、左右で対称形状の二つの部材からなり、図6における取付ボス部57bをボルトでロアユニット4の両側面に結合し、取付一体化する。
図7及び図8は、本発明の他の実施例の図で、図7は図5と同様の部位の横断平面図、図8は同分解斜視図である。
本実施例は、前記した取付ハウジングと取付ブラケットを一体化したものであり、他の部分の構造は前記実施例と同様なので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
取付ブラケット30の前部に、ロアユニット4の前部左右に設けた凹状部1b,1b及びここに収容されるスターンブラケット51の前記した取付ハウジング55,55に相当する部分を一体に設けた。
即ち、取付ブラケット30の前部に、ロアユニット4の前部左右に設けた取付凹状部1b、1b及びこれに収容させたマウントラバー53a,53aを覆う取付ハウジング155,155を、各取付ブラケット30,30の先部に一体に設けたものである。
以上の実施例では、取付カバーが揚力発生板20の取付ブラケット25と一体に設けたので、部品点数が少なくなり、また組付工数も減少する。
図9〜図13は、本発明の他の実施の形態を示す図であり、図9は、船外推進装置の外観側面図、図10は、揚力発生板及び固定具を一体化したユニットを示す斜視図、図11は、同底面図、図12は同側面図、図13は取付状態の説明的平面図である。
これらの図面に従って詳細に説明する。
尚、船外推進装置及び揚力発生板は、前記と同様の構造なので、同一部分には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
揚力発生板20はアルミニウム合金製、またはカーボンファイバー等の堅牢な強化樹脂製である。
実施例では、3枚の板状本体21,22,23からなり、左右の取付ステー125,125の後半部125aの各前部の棚部125bの上縁で前部の板状体23の下面を取付支持し、後端部のL形部125cの上下の緩い傾斜の縁部で後部の上下に配置される板状体21,22が取付支持されている。
3枚の板状本体21,22,23を、取付支持する左右の取付ステー125,125の前半部125d,125dを固定具130の左右に固着して取付支持する。
固定具130は、平面視U字形をなし、左右のアーム部131,131と、該アーム部131,131の後端部を一体に連結するブリッジ部132とを備える。
左右のアーム部131,131、ブリッジ部132は上下方向に高さを有し、スカート状であり、左右のアーム部131,131の先部131a,131aは上縁部が前下傾し、先端部は取付孔を有する矩形座部状の先端取付部131b,131bが設けられており、中間部の下部には複数の取付孔131c…が設けられている。
固定具130の後部のブリッジ部132は先部は平面視U字形であり、上部には後方に延びる矩形状のステージ部133が後方に延出するように一体に設けられており、ステージ部133は後端部133aが揚力発生板20の前部の板状本体23の前部下方に位置するように後方に延出されている。
ブリッジ部132のU字形の前開きの半円状の凹部134の左右方向の中央部には、後方に所定長さ後方の延びるスリット部135を設け、該スリット部135は図10に示すように後方への切り込み長さが短く、前方及び上下方向に開放されている。
以上の固定具130は、図13に示すように、船外推進装置1のロアユニットを構成するエクステンションケース4の後端部から左右のアーム部131,131が左右の側面部41,41を挟み込むように挿入し、凹部134がエクステンションケース4の後端部に当接するように嵌合する。
この挿入の際、スリット135が開き、実施例ではスリット部135の後端部に円形部135aを備え、スリット部135が拡開可能であり、エクステンションケース4への固定具130の挿入作業が容易となる。
以上においては、固定具130をロアユニット4の左右の側面部41,41を挟み込んだ後、ボルト等の締結具を介して取付孔131c…により、また、矩形座部状の先端取付部131b,131bに設けた取付孔131dを介してロアユニット4の周囲に固定具をボルト140…介して、マウントラバーを覆うように取付ハウジング55,55と共締めで取付、固定する。この部分を外観部材である化粧カバー57,57で覆う。
以上実施例を説明した。実施例では揚力発生板の板状本体(翼板)が三枚の例を説明したが、板状本体は一枚のもの、2枚のもの等任意である。
また、揚力発生板を取付ステーで支持し、取付ステーを取付ブラケットで船外推進装置に取付支持したが、取付ステーと取付ブラケットを一体化した構造でも良い。
本発明は、揚力発生装置を備える船外推進装置に好適である。
本発明の実施の形態の一例に係る船舶駆動装置の側面図である。 前方から見た船外推進装置の外観斜視図である。 揚力発生板の本体部分の斜視図である。 図3の4−4線断面図である。 図1の5−5線断面図である。 取付構造の要部を示す分解斜視図である。 本発明の他の実施例の図で、図5と同様の部位の横断平面図である。 図7の実施例の分解斜視図である。 本発明の他の実施の形態を示す図で、船外推進装置の外観側面図である。 揚力発生板及び固定具を一体化したユニットを示す斜視図である。 上記ユニットの底面図である。 上記ユニットの側面図である。 取付状態の説明的平面図である。
符号の説明
1…船外推進装置、 4…ロアユニット、 4b…後縁、 9…アンチキャビテーションプレート、 20…揚力発生板、 50,51,52…船外推進装置の船体(艇体)への取付装置、 25…取付ステー、 30…固定具、 55,155…カバー、 56…外観部品、 130…固定具、 131…アーム部、 132…ブリッジ部、 134…U形部。

Claims (5)

  1. 取付装置により船体の後尾に取り付けられる船外推進装置において、
    前記船外推進装置のロアユニットの後縁よりも後方に前縁が位置する揚力発生板を、該ロアユニットの後方且つアンチキャビテーションプレートよりも上方に配置し、
    前記揚力発生板は、左右方向に長さのある板状体であって、揚力発生板の下面の左右の部分を前後方向に長い板状体からなる左右のステーの後部に支持されており、
    前記揚力発生板の左右の取付ステーの前部は、船外推進装置本体のロアユニットの両側に左右の固定具によって取り付けられており、
    少なくとも前記左右の固定具と左右の取付ステーの連結部を、前記取付装置の外観部品で覆うようにした、
    ことを特徴とする船外推進装置の揚力発生板取付構造。
  2. 船外推進装置の取付装置の取付部のカバーと、前記揚力発生板の取付ステーの一部と、前記固定具一部とを、前記外観部品で覆うようにしたことを特徴とする請求項1に記載の船外推進装置の揚力発生板取付構造。
  3. 前記船外推進装置の取付装置の取付部のカバーを、前記左右の固定具の一部に一体に設けたことを特徴とする請求項2に記載の船外推進装置の揚力発生板取付構造。
  4. 取付装置により船体の後尾に取り付けられる船外推進装置において、
    前記船外推進装置のロアユニットの後縁よりも後方に前縁が位置する揚力発生板を、該ロアユニットの後方且つアンチキャビテーションプレートよりも上方に配置し、
    前記揚力発生板を船外推進装置本体に固定具によって取り付け、
    前記固定具は、ロアユニットの両側部に取付支持される両側の左右のアーム部と、該アーム部の後端部を一体的に連結するブリッジ部とからなる平面視略U字形であり、
    前記固定具の一部を外観部品で覆うようにした、
    ことを特徴とする船外推進装置の揚力発生板取付構造。
  5. 前記両側の左右のアーム部の各先端部を、前記外観部品の両側の後部で覆うようにしたことを特徴とする請求項4記載の船外推進装置の揚力発生板取付構造。
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