JPH101087A - 全没型水中翼付き船舶 - Google Patents

全没型水中翼付き船舶

Info

Publication number
JPH101087A
JPH101087A JP15246296A JP15246296A JPH101087A JP H101087 A JPH101087 A JP H101087A JP 15246296 A JP15246296 A JP 15246296A JP 15246296 A JP15246296 A JP 15246296A JP H101087 A JPH101087 A JP H101087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrofoil
hull
ship
boat
propeller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP15246296A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumitaka Yokoyama
文隆 横山
Teruyasu Sugiyama
照泰 杉山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Motor Co Ltd filed Critical Yamaha Motor Co Ltd
Priority to JP15246296A priority Critical patent/JPH101087A/ja
Publication of JPH101087A publication Critical patent/JPH101087A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で漁船などの小型の船にも好適に
適用することができ、船の推進抵抗を大幅に減少させる
ことができるようにする。 【解決手段】 モノハル型船体1において船体の重心1
0より前側であって船体排水量の60〜80%の重量を
支える位置に全没型水中翼5が設けられ、船尾部にはプ
ロペラ21が設置され、水中翼5は翼本体50とその後
端部に設けられたフラップ51とからなり、このフラッ
プ51は翼本体50の船幅方向両側に互いに対称に設け
られ、各フラップ51は互いに独立に操作可能に構成さ
れ、船の航走時にこの水中翼5によって船体中央部およ
びそれより前側の船底が水面上に上昇するように水中翼
のフラップ51を制御する機械的な制御手段が設けら
れ、上記水中翼5は、縦断面形状において上下対称形状
に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、漁船などのモノ
ハル型(単胴型)の船体からなる全没型水中翼付き船舶
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、プラスチック製の小型船舶がプレ
ジャーボートや漁船として広く用いられるようになって
いる。そしてプレジャーボートのみならず、漁船におい
ても高速化の要求が高まっており、このため船に大馬力
のエンジンを搭載して船体を滑走させることにより高速
走行が行なわれるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】船の高速化のために推
進機のエンジンを大型化すると、船のコストが上昇する
とともに、燃費も上昇することになり、したがって船体
の推進抵抗を減少させるために水中翼を設ける構造を採
用することが好ましい。水面貫通型の水中翼では、船体
の安定性の面では優れているが、この水中翼の場合には
船体の側方に水中翼が突出することが避けられない。漁
船の場合には、他の漁船と船側を接触させて係留するこ
とが多く、また荷揚げ時の接舷や漁労時の船側での作業
などのために、船側には突出物を形成させないようにす
る必要がある。このため、漁船に水面貫通型の水中翼を
採用することはできない。
【0004】船側に突出物が生じないようにするには、
全没型の水中翼を採用すればよいが、全没型の水中翼で
は、それ自体に船体の上下動や横傾斜を制御する作用が
ないために、翼の仰角やフラップの操作によって常に上
下動などを制御する必要がある。従来、この制御は、船
の浮上高度などを超音波センサーなどで計測し、その計
測値を用いてコンピュータによって制御するようにして
いる。このためこれらの制御装置は非常に複雑で高価な
ものになり、小型の漁船などには不向きなものである。
【0005】この発明は、このような従来の課題を解決
するためになされたものであり、簡単な構成で漁船など
の小型の船にも好適に適用することができ、船の推進抵
抗を大幅に減少させることができる全没型水中翼付き船
舶を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、モノ
ハル型船体において船体の重心より前側であって船体排
水量の60〜80%の重量を支える位置に全没型水中翼
が設けられ、船尾部にはプロペラが設置され、水中翼は
翼本体とその後端部に設けられたフラップとからなり、
このフラップは翼本体の船幅方向両側に互いに対称に設
けられ、各フラップは互いに独立に操作可能に構成さ
れ、船の航走時にこの水中翼によって船体中央部および
それより前側の船底が水面上に上昇するように水中翼の
フラップを制御する制御手段が設けられているものであ
る。
【0007】請求項1の発明では、全没型水中翼が船体
排水量の60〜80%の重量を支えるために、制御手段
によってフラップを操作して水中翼による揚力を調整す
ることにより船体の上下動を容易に制御することができ
る。
【0008】請求項2の発明は、上記水中翼は、縦断面
形状において上下対称形状に形成されているものであ
る。
【0009】請求項2の発明では、水中翼自体が上下対
称の形状であってそれ自体が揚力を発生させる形状では
ないために、フラップによる揚力の調整を行ないやす
い。すなわち、低速状態から高速滑走状態に移る際など
に水中翼の仰角が大きく変化するために、従来の水中翼
のような上下非対称の翼型断面形状であってそれ自体の
形状が揚力を発生させる形状のものでは、マイナス側の
揚力を出す際の抵抗が大きく、制御力の変化が大きいた
めに、フラップによる揚力の調整が行ないにくいという
問題がある。
【0010】請求項3の発明は、上記水中翼の船底下方
への突出量は、上記プロペラの船底下方への突出量より
大きくなるように構成されているものである。
【0011】請求項3の発明では、海中に流木などがあ
った場合、プロペラより前方に配置された水中翼に当た
ることになり、これによってプロペラに流木が当たるの
が防止されてプロペラが保護されることになる。
【0012】請求項4の発明は、上記プロペラの少なく
とも一部が水中翼の高さ方向の中心線よりも下方に位置
するように構成されている者である。
【0013】請求項4の発明では、低速状態から高速状
態に移る際に、翼本体とフラップとの間の隙間から発生
した気泡がプロペラに達し、この気泡のかみ込みによっ
てプロペラが空回りするために回転速度が上昇し、これ
によって船の加速性が向上することになる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1および図2において、FRP
製の漁船の船体1にはその船体のほぼ中央部にエンジン
2が設置され、このエンジン2によって回転駆動される
プロペラ軸20が船底下で船尾方向に延び、その先端部
にはプロペラ21が取付けられ、プロペラ軸20は船底
に突出して設けられたブラケット23によって回転可能
に保持されている。またこのプロペラ21の後側にはラ
ダー22が配置されている。船体1は船底部がいわゆる
モノハル型(単胴型)に構成され、この船体1の重心1
0は船体の前後方向ほぼ中央部に位置し、その重心10
より前側には全没型の水中翼5が設けられている。上記
水中翼5の船底下方への突出量は、上記プロペラ21の
船底下方への突出量より大きくなるように構成されてい
る。
【0015】上記水中翼5は、図3〜図5にも示される
ように、水中で船幅方向に水平に配置される翼本体50
と、この翼本体50の後端部に設けられた左右一対のフ
ラップ51とからなり、この翼本体50とフラップ51
とによって全体がいわゆる流線形の翼形状に形成されて
いる。この翼本体50は両側端部付近がサイドストラッ
ト40で保持されるとともに、船幅方向中央部ではセン
ターストラット4によって保持されている。そしてサイ
ドストラット40はその上端部が船底板13と船側板1
4との交差部に形成された凹部12において船体に取付
けられてほぼ真下方向に延び、センターストラット4は
船底板13の中央部に形成された凹部11に上端部が嵌
合されてボルトなどにより固定されてほぼ真下に延びて
いる。
【0016】また図2に示すように、船底板13の両側
部には波返し15がサイドストラット40の内側に取付
けられ、船底板13に沿って側方に放出される水がこの
波返し15によって下向きに落されるようにし、これに
よって水がサイドストラット40の内面側に当たってし
ぶきが発生するのを防止するようにしている。
【0017】上記水中翼5は、図4に示すように構成さ
れている。すなわち、水中翼本体50は、FRP製の上
下一対の外皮55とその内部に充填された発泡体とから
なる芯材52とで基本構成され、上下方向の中心線30
0に対して互いに対称な構造に形成され、前端部はボル
ト58によって外皮55が互いに結合されている。また
この結合部を覆うように金属製の先端ピース54が取付
けられ、この先端ピース54と外皮55とによって縦断
面が流線形に形成されている。一対の外皮55の内面に
はそれぞれ山形に形成されたFRP製の補強部材53が
形成されてこの補強部材53の頂部が互いに当接してい
る。この補強部材53はこの山形の断面形状で紙面に直
交方向および左右方向に延びて格子状に形成され、これ
によって翼本体50に上下から加えられる外力によって
翼本体50が変形しないようにしている。外皮55の後
端部は互いに近接するように折り曲げられて後方に延
び、その内側にはT字型の取付け部材33が取付けら
れ、これに対向して外側にも上下一対の取付け部材34
が取付けられ、取付け部材33と34とはボルト330
で締め付けられることにより外皮55に固定されてい
る。取付け部材34の外面側には翼本体50の外表面を
形成するように後方に延びるリップ340が形成されて
いる。
【0018】また上記フラップ51は、翼本体50の後
端部において船幅方向両側に互いに対称に一対設けら
れ、左右のフラップ51は互いに独立に揺動可能に構成
されている。このフラップ51は、FRP製の一対の外
皮56とその内部に充填された発泡体とからなる芯材5
2とで基本構成され、前端部はそれぞれ内向きにU字形
に折り曲げられて互いに当接し、ボルト38によって互
いに結合され、この折り曲げ部内にはそれぞれ取付け部
材36が嵌入されている。またこの折り曲げ部の先端部
には金属製の先端ピース35がボルト360によって取
付けられ、この先端ピース35と外皮56とによって縦
断面が流線形に形成されている。一対の外皮55の内面
にはそれぞれ山形に形成されたFRP製の補強部材53
が形成されてこの補強部材53の頂部が互いに当接して
いる。この補強部材53も上記翼本体50と同様に紙面
に直交方向および左右方向に延びて格子状に形成され、
これによって翼本体50に上下から加えられる外力によ
ってフラップ51が変形しないようにしている。取付け
部材35の外面側にはフラップ51の外表面を形成する
ように前方に延びるリップ350が形成され、このリッ
プ350の外表面に上記リップ340の先端内面が当接
してこの当接部が滑らかな面を形成するようにし、かつ
その内側に空間59が形成されている。
【0019】この翼本体50は、図2に示すように船幅
方向に延びる単一の翼であり、またこれに連続するフラ
ップ51は船幅方向中央部で左右に分かれた一対の互い
に独立の構成である。
【0020】上記空間59は水中翼5の幅方向に延び、
翼本体50の両端部に図2に示すように端板69が取付
けられることにより空間59の両側が塞がれている。ま
たこの空間59中には幅方向に延びる軸3が配置され、
この軸3回りに回転可能に取付け板31および32が取
付けられ、取付け板31はボルト37によって翼本体5
0の後端部に結合され、取付け板32はボルト360に
よってフラップ51の前端部に取付けられている。これ
によって、フラップ51は翼本体50に対してこの軸3
回りに揺動可能に結合されている。このフラップ51の
揺動角度は、この実施形態では図4に仮想線で示すよう
に上向きに15°、下向きに20°の範囲で設定されて
いる。
【0021】上記フラップ51の上面には、図4および
図5に示すように作動腕68が固定して取付けられ、こ
の作動腕68は中空構造のサイドストラット40の下端
部の開口部41から内部へ延び、その先端部には上方に
延びるリンク73の下端部が連結ピン74を介して連結
されている。このリンク73の上端部は連結ピン75を
介して連結部材71に連結され、この連結部材71はサ
イドストラット40に取付けられた水平な枢軸72に揺
動可能に取付けられている。またこの連結部材71に
は、枢軸72と反対側の端部にハイトセンサー7のアー
ム70の基端部が取付けられ、かつこの基端部には上端
部がサイドストラット40の上端部に取付けられたガス
スプリング77の下端部が結合され、これによってアー
ム70の先端部が下向きに付勢されるようにしている。
【0022】またサイドストラット40の下端部には取
付け部材44が取付けられ、この取付け部材44の下面
に水中翼の翼本体50の上面が当接し、下方から締め付
けボルト63が翼本体50を貫通して締め付けられるこ
とにより翼本体50がサイドストラット40の下面に固
定されている。またセンターストラット4の下端部に
も、図3に示すように取付け部材42が取付けられ、こ
の取付け部材42の下面に水中翼の翼本体50の上面が
当接して下方から締め付けボルト63が翼本体50を貫
通して締め付けられることにより翼本体50がセンター
ストラット4の下面に固定されている。
【0023】なお、船の旋回の際にはサイドストラット
40の側面に水圧が加わって外傾斜となるモーメントが
作用することになるため、サイドストラット40の側面
積はできるだけ小さくすることが望ましい。そこで側面
積の小さいサイドストラットを採用すると、水中翼5に
対して船幅方向に作用する力を保持する保持力は弱まる
ので、その保持力の不足はセンターストラット4で補う
ようにすることが考えられる。またサイドストラット4
0の前後方向の保持力を補うために、図1仮想線に示す
ように補助ストラット49を設け、サイドストラット4
0の下端部と前方船体とを連結するようにしてもよい。
そしてこの補助ストラット49は水平断面を流線形にす
るとともに、常に流れの方向に向くように上下を回転可
能に保持するようにしてもよい。
【0024】上記締め付けボルト63の頭部を覆うとと
もに頭部の座を形成するために、図6〜図8に示すよう
な補助部材6が翼本体50の下面に沿って取付けられて
いる。この補助部材6は、横断面形状がほぼ長方形で翼
本体50の下面に沿うように弓形に湾曲し、かつ平面形
状が流線形で水流による抵抗が大きくならないように構
成されている。また締め付けボルト63の頭部が嵌入さ
れてその頭部の座を形成する凹部60が所定数形成され
ている。
【0025】上記ハイトセンサー7は、図9および図1
0に示すように構成されている。すなわち、ハイトセン
サー7は横断面形状が長方形のアーム70とその先端部
に取付けられたスキマー78とからなり、アーム70は
長さ方向に延びる繊維のみからなる強化繊維を用いたF
RPの芯材76がFRP製の外皮77で覆われて形成さ
れている。アーム70は横断面形状が上下方向に長い長
方形に形成され、スキマー78に加えられる水圧によ
り、上下方向には撓まず、左右方向には撓むようにして
いる。上記スキマー78は、図10に示すようにアーム
70の下面に当接し、この当接部の角部が目張り782
により接合されている。またスキマー78は水面に接す
る平面部780とその両側部において直角に折り曲げら
れた垂直翼781とからなっている。したがって、スキ
マー78は平面部780とその両側に下向きに突出した
垂直翼781とから形成されるが、平面部780の中央
部でアーム70の先端部が下方に突出し、その両側に平
面部780が形成されるようにしてもよい。このような
構成のハイトセンサー7および上記図5に示すアーム7
0から作動腕68までの伝達機構により、水中翼のフラ
ップ51を制御する機械的な制御手段が構成されてい
る。
【0026】上記の構成において、船体1の低速走行時
には、図1の喫水面9で示すように船底が船尾部から船
首部まで浸水する。船速がある程度以上になると、水中
翼5の揚力により船体前部が押し上げられ、図1に示す
ように喫水面90で走行するようになる。すなわち、船
体中央部およびそれより前側の船底が水面上に上昇し、
船尾部船底と水中翼5とによって船体重量が支持されて
走行するようになる。この際、船体1の全重量の60〜
80%は水中翼5によって支持されるようにしている。
この走行状態では、スキマー78が水面を滑走する。そ
して水面が上昇すると平面部780に上向きの力が作用
し、この揚力によってハイトセンサアーム70に枢軸7
2回りに図5の時計方向の回転力を付与することにな
り、この回転力が連結部材71、リンク73を介して作
動腕68の先端部を引き上げることになる。これによっ
てフラップ51の後端部が図5仮想線に示すように下降
することになり、水中翼5の揚力が増大して船体を上昇
させ、水面を下降させることになる。またフラップ51
が水平な状態から水面が下降すると、ハイトセンサーア
ーム70の先端部が下降してリンク73を介して作動腕
68の先端部を押し下げるために、フラップ51の後端
部を上昇させることになり、これによって水中翼5の揚
力が減少して水面を上昇させるようになる。このように
して、直進状態ではスキマー7の制御作用により、水中
翼5は常に一定深さを保って走行することになる。上記
フラップ51の操作は、運転者がキャビン内の運転席に
おいて行なうことができる。
【0027】なお、船の直進状態では左右のフラップ5
1は同じ作用をする。またこの実施形態では安定浮上走
行時のフラップ51を水平に描いているが、翼全体の仰
角と荷重との関係でフラップ51は水平になるとは限ら
ない。
【0028】つぎに船体1が旋回を行なう際には、ラダ
ー22が操作されることによって図示しないティラーか
らの力で制御機構により一方の側の枢軸72を上下動さ
せ、これによって左右のフラップ51の揺動範囲を異な
らせ、これによって船体1を横傾斜させることになる。
また旋回中には水流はスキマー78に対して斜め方向に
流れるが、この際スキマー78が平面部780のみでな
く、垂直翼781を備えているためにこの垂直翼781
が水を受けて横すべりするのが妨げられ、アーム70が
横方向に撓むことによりスキマー78が進行方向の水面
高さのみに追従することになり、これによって水面高さ
を正確に計測することになる。すなわち、スキマー78
の部分の水面は、その前方に位置するサイドストラット
40により横(船幅)方向に凹凸が生じているため、ス
キマー78が旋回時に横方向に動くと横方向の水面の凹
凸に追従することになって水面の計測が乱れ、不正確に
なる。このような不都合を、上記アーム70が横方向に
撓むことにより防止している。
【0029】上記水中翼5の船底下方への突出量Aは、
上記プロペラ21の船底下方への突出量Bより大きくな
るように構成されており、このため海中に流木などがあ
った場合、プロペラ21より前方に配置された水中翼5
に当たることになり、これによってプロペラ21に流木
が当たるのが防止されてプロペラ21が保護されること
になる。また翼本体50とフラップ51との間の空間5
9には空気が入り、船の走行時にはこの空間59内の空
気が水中翼5の上面に気泡となって発生し、後方に移動
するが、上記プロペラ21の少なくとも一部が水中翼5
の高さ方向の中心線500よりも下方に位置するように
構成されており、このため低速状態から高速状態に移る
際に、水中翼5の翼本体50とフラップ51との間から
発生した気泡がプロペラ21に達し、この気泡のかみ込
みによってプロペラ21が空回りするために回転速度が
上昇し、これによって船の加速性が向上することにな
る。またフラップ51の高さ方向の中心線と水中翼の中
心線500とを一致させた状態において、船が浮上した
とき(滑走状態)の水面90と水中翼の中心線500と
がほぼ一致するように構成され、これによって走行時の
水の抵抗が小さくなるようにしている。
【0030】図11はいけすに対する水の供給、排出手
段を示す側面説明図であり、船体1には前後一対のいけ
す8が形成され、またセンターストラット4の下端部前
側に開口する水取入れ口80を有する水取入れ管81が
設けられ、この水取入れ管81は上方に延びて分岐し、
各分岐管の端部はいけす8内で開口している(開口部8
2)。また水取入れ管81の分岐管には適宜の位置に運
転室から制御可能な電磁弁83が設けられている。また
いけす8の船側には上部に船側排水口83、下部には電
磁弁付きの船底排水口85がそれぞれ形成されている。
【0031】この構成では、船が高速で走行するように
なると喫水面9から喫水面90に変化するが、電磁弁8
3を開くと水取入れ口80からいけす8内に水を取入れ
ることができ、また電磁弁付きの船底排水口85から電
磁弁の操作により水を排出していけす8内の水を循環さ
せ、あるいは水位を所望の高さに調整することができ
る。
【0032】
【発明の効果】請求項1の発明では、全没型水中翼が船
体排水量の60〜80%の重量を支えるために、制御手
段によってフラップを操作して水中翼による揚力を調整
することにより船体の上下動を容易に制御することがで
きる。
【0033】請求項2の発明では、水中翼自体が上下対
称の形状であってそれ自体が揚力を発生させる形状では
ないために、フラップによる揚力の調整を行ないやす
い。すなわち、低速状態から高速滑走状態に移る際など
に水中翼の仰角が大きく変化するために、従来の水中翼
のような上下非対称の翼型断面形状であってそれ自体の
形状が揚力を発生させる形状のものでは、マイナス側の
揚力を出す際の抵抗が大きく、制御力の変化が大きいた
めに、フラップによる揚力の調整が行ないにくいという
問題がある。
【0034】請求項3の発明では、海中に流木などがあ
った場合、プロペラより前方に配置された水中翼に当た
ることになり、これによってプロペラに流木が当たるの
が防止されてプロペラが保護されることになる。
【0035】請求項4の発明では、低速状態から高速状
態に移る際に、翼本体とフラップとの間の隙間から発生
した気泡がプロペラに達し、この気泡のかみ込みによっ
てプロペラが空回りするために回転速度が上昇し、これ
によって船の加速性が向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す船体の側面図である。
【図2】水中翼取付け部の船体横断面説明図である。
【図3】水中翼およびセンターストラットの縦断面図で
ある。
【図4】水中翼の内部構造を示す縦断面図である。
【図5】フラップの制御機構を示すサイドストラットお
よび水中翼の縦断面図である。
【図6】水中翼に取付けられる補助部材の側面図であ
る。
【図7】図6の正面図である。
【図8】図6の右側面図である。
【図9】ハイトセンサーの斜視図である。
【図10】図9のA−A線断面図である。
【図11】いけすに対する水の供給、排出手段を示す側
面説明図である。
【符号の説明】
1 船体 3 フラップの揺動中心となる枢軸 4 センターストラット 5 水中翼 6 補助部材 7 ハイトセンサー 10 船体の重心 11,12 凹部(ストラット取付け用) 13 船底板 14 船側板 21 プロペラ 40 サイドストラット 50 水中翼本体 51 フラップ 68 フラップ用の作動腕 70 ハイトセンサーのアーム 78 スキマー 780 平面部 781 垂直翼

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノハル型船体において船体の重心より
    前側であって船体排水量の60〜80%の重量を支える
    位置に全没型水中翼が設けられ、船尾部にはプロペラが
    設置され、水中翼は翼本体とその後端部に設けられたフ
    ラップとからなり、このフラップは翼本体の船幅方向両
    側に互いに対称に設けられ、各フラップは互いに独立に
    操作可能に構成され、船の航走時にこの水中翼によって
    船体中央部およびそれより前側の船底が水面上に上昇す
    るように水中翼のフラップを制御する制御手段が設けら
    れていることを特徴とする全没型水中翼付き船舶。
  2. 【請求項2】 上記水中翼は、縦断面形状において上下
    対称形状に形成されていることを特徴とする請求項1記
    載の全没型水中翼付き船舶。
  3. 【請求項3】 上記水中翼の船底下方への突出量は、上
    記プロペラの船底下方への突出量より大きくなるように
    構成されていることを特徴とする請求項1または2記載
    の全没型水中翼付き船舶。
  4. 【請求項4】 上記プロペラの少なくとも一部が水中翼
    の高さ方向の中心線よりも下方に位置するように構成さ
    れていることを特徴とする請求項1または2記載の全没
    型水中翼付き船舶。
JP15246296A 1996-06-13 1996-06-13 全没型水中翼付き船舶 Withdrawn JPH101087A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15246296A JPH101087A (ja) 1996-06-13 1996-06-13 全没型水中翼付き船舶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15246296A JPH101087A (ja) 1996-06-13 1996-06-13 全没型水中翼付き船舶

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH101087A true JPH101087A (ja) 1998-01-06

Family

ID=15541049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15246296A Withdrawn JPH101087A (ja) 1996-06-13 1996-06-13 全没型水中翼付き船舶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH101087A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101865551B1 (ko) * 2017-02-21 2018-06-08 동명대학교산학협력단 전복방지 기능을 갖는 제트 스키

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101865551B1 (ko) * 2017-02-21 2018-06-08 동명대학교산학협력단 전복방지 기능을 갖는 제트 스키

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4903626A (en) Planing motor boat hull
US4756265A (en) High speed boat lifting structures
US7204196B2 (en) Powered boat hull
KR100479792B1 (ko) 고속 하이브리드 선박
KR100415770B1 (ko) 수면 항행기
JP5380369B2 (ja) 減揺制御の双胴船およびその制御方法
US5301624A (en) Stern planes for swath vessel
US6453836B1 (en) Sailboat keel with a rotatable secondary foil
KR100216452B1 (ko) 다중 선체 선박
EP1104385B1 (en) Trimaran construction
CA1184810A (en) Rear extension for boat hull
CA1172915A (en) Sailing boat and method of operating the same
US4058077A (en) Power boats with hydrodynamic lifting devices
US6805068B1 (en) Hydrofoil system for lifting a boat partially out of water an amount sufficient to reduce drag
US4095549A (en) High performance water vehicle
US5188049A (en) Catamaran boat
US4655157A (en) High speed planing boat with cantilevered planing surface
JPH101087A (ja) 全没型水中翼付き船舶
US7497179B2 (en) Quadrapod air assisted catamaran boat or vessel
JPH101086A (ja) 全没型水中翼の制御用のメカニカルハイトセンサー
JP2507990Y2 (ja) 超高速船
JP3319788B2 (ja) 水中翼付き船舶
JPS587514B2 (ja) センパク
JPH101088A (ja) 全没型水中翼などの翼構造
JP2812686B2 (ja) 滑水式双胴船

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030902