JP5016383B2 - センサ装置 - Google Patents

センサ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5016383B2
JP5016383B2 JP2007138277A JP2007138277A JP5016383B2 JP 5016383 B2 JP5016383 B2 JP 5016383B2 JP 2007138277 A JP2007138277 A JP 2007138277A JP 2007138277 A JP2007138277 A JP 2007138277A JP 5016383 B2 JP5016383 B2 JP 5016383B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal layer
substrate
electrical connection
sensor
sealing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007138277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008292312A (ja
Inventor
幸司 辻
山中  浩
宜志 竹川
亮 友井田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2007138277A priority Critical patent/JP5016383B2/ja
Publication of JP2008292312A publication Critical patent/JP2008292312A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5016383B2 publication Critical patent/JP5016383B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)

Description

本発明は、赤外線センサからなるセンサ装置に関するものである。
近年、チップサイズパッケージ(Chip Size Package:CSP)を有するセンサ装置として、ウェハレベルパッケージング技術を利用して形成したセンサ装置が各所で研究開発されている(例えば、特許文献1参照)。
ここにおいて、上記特許文献1には、図9(a)に示すように、複数のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子211およびMEMS素子211に電気的に接続された金属配線(引き出し電極)217を形成した第1の半導体ウェハ210と、金属配線217に電気的に接続される貫通孔配線224およびMEMS素子211を気密封止する空間を形成するための凹所221を形成した第2の半導体ウェハ220とを対向させてから、図9(b)に示すように第1の半導体ウェハ210と第2の半導体ウェハ220とをウェハレベルで貼り合わせることでウェハレベルパッケージ構造体200を形成し、ウェハレベルパッケージ構造体200から個々のセンサ装置に分割する技術が開示されている。なお、このようにして製造されたセンサ装置は、第1の半導体ウェハ210から切り出された部分がセンサ基板を構成し、第2の半導体ウェハ220から切り出された部分が貫通孔配線形成基板を構成している。
ここで、第1の半導体ウェハ210における第2の半導体ウェハ220との対向面には、各センサ装置に対応する領域ごとに、MEMS素子211および当該MEMS素子211に電気的に接続された金属配線217を囲む第1の封止用金属層(封止用下地金属膜)218が形成され、第2の半導体ウェハ220における第1の半導体ウェハ210との対向面には、各センサ装置に対応する領域ごとに、凹所221を囲み第1の封止用金属層218に対向する第2の封止用金属層(封止用下地金属膜)228が形成されている。
また、第1の半導体ウェハ210は、第1の封止用金属層218よりも内側で金属配線217と電気的に接続された第1の電気接続用金属層219が形成され、第2の半導体ウェハ220は、第2の封止用金属層228よりも内側に貫通孔配線224と電気的に接続された第2の電気接続用金属層229が形成されている。
また、上述のウェハレベルパッケージ構造体200は、第1の半導体ウェハ210の第1の封止用金属層218と第2の半導体ウェハ220の第2の封止用金属層228とが例えばAuSnなどの半田からなる第1の半田部238を介して接合されるとともに、第1の電気接続用金属層219と第2の電気接続用金属層229とが第2の半田部239を介して接合されている。
ところで、上記特許文献1に記載されたセンサ装置は、MEMS素子211として熱型赤外線検出素子(熱型赤外線検出部)を設けることにより、赤外線センサとして用いることができる。
特開2005−251898号公報
上記特許文献1に記載のウェハレベルパッケージング技術を利用して形成されたセンサ装置では、金属配線217と電気的に接続される第1の電気接続用金属層219が、金属配線217のうち厚み方向において第2の電気接続用金属層229と重なる部位上に形成されているので、第1の電気接続用金属層219と金属配線217との接触面積を比較的大きくすることができて第1の電気接続用金属層219と金属配線217とのコンタクト抵抗を小さくすることができる。
しかしながら、上述のセンサ装置では、第2の半導体ウェハ220側に形成されている第2の電気接続用金属層229と第2の封止用金属層228とが同一平面上において略同じ高さに形成されている一方で、第1の半導体ウェハ210側では第1の電気接続用金属層219の形成面を含む平面に対して第1の電気接続用金属層219と第1の封止用金属層218とで高さが異なっており、第2の電気接続用金属層229と第1の電気接続用金属層219との間の距離と、第2の封止用金属層228と第1の封止用金属層218との間の距離との距離差を吸収して電気接続用金属層229,219同士および封止用金属層228,218同士を接合するために、製造にあたっては、第2の電気接続用金属層229および第2の封止用金属層228それぞれにおける接合箇所に所定量の半田をソルダーシュート法により供給してから、第1の半導体ウェハ210と第2の半導体ウェハ220とを重ね合わせてリフローを行う必要があり、製造プロセスが複雑になるとともに、センサ基板と貫通孔配線形成基板との間の距離の高精度化が難しかった。また、上記特許文献1に記載の技術では、半田としてAuSnを用いる場合には、リフローの工程のプロセス温度が280℃以上になり、接合界面近傍の残留応力が大きくなって当該残留応力に起因してセンサ特性が変動してしまうという不具合があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、センサ基板と貫通孔配線形成基板との間の接合を容易に行うことが可能で且つ接合信頼性の高いセンサ装置を提供することにある。
請求項1の発明は、第1の半導体基板を用いて形成され熱型赤外線検出部を有するセンサ基板と、第2の半導体基板を用いて形成され熱型赤外線検出部に電気的に接続される貫通孔配線を有しセンサ基板の一表面側に封着された貫通孔配線形成基板とを備え、センサ基板は、第1の半導体基板の主表面側に絶縁層が形成され該絶縁層のうちセンサ基板における貫通孔配線形成基板との接合用領域部に形成されている部位をエッチバックすることにより接合用領域部の表面を平坦化した後で、接合用領域部の表面上にセンサ基板の前記一表面における周部の全周に亘って第1の封止用金属層が形成されるとともに、第1の封止用金属層よりも内側に熱型赤外線検出部と電気的に接続された第1の電気接続用金属層が形成され、貫通孔配線形成基板は、センサ基板側の表面における周部の全周に亘って第2の封止用金属層が形成されるとともに、第2の封止用金属層よりも内側に貫通孔配線と電気的に接続された第2の電気接続用金属層が形成され、センサ基板と貫通孔配線形成基板とは、前記各電気接続用金属層と前記各封止用金属層とが同一の金属材料によりなり、それぞれの接合面が活性化された第1の封止用金属層と第2の封止用金属層とが常温接合されるとともに、それぞれの接合面が活性化された第1の電気接続用金属層と第2の電気接続用金属層とが常温接合され、貫通孔配線形成基板は、第2の電気接続用金属層における第1の電気接続用金属層との接合部位を、当該第2の電気接続用金属層における貫通孔配線との接続部位からずらしてあることを特徴とする。
この発明によれば、第2の電気接続用金属層における第1の電気接続用金属層との接合部位を、当該第2の電気接続用金属層における貫通孔配線との接続部位からずらしてあるので、第2の電気接続用金属層において第1の電気接続用金属層との接合部位の接合前の表面の平滑性を高めることができ、第1の電気接続用金属層と第2の電気接続用金属層とを常温接合法により常温接合する場合の接合信頼性を高めることが可能となるから、センサ基板と貫通孔配線形成基板との間の接合を容易に行うことが可能で且つ接合信頼性が高くなる。また、この発明によれば、第1の電気接続用金属層と第2の電気接続用金属層との接合と、第1の封止用金属層と第2の封止用金属層との接合とを、常温接合法により同時に行うことが可能となり、従来のように接合箇所ごとに半田を供給する工程およびリフローの工程をなくすことができ、製造プロセスの簡略化を図れるとともに前記センサ基板と前記貫通孔配線形成基板との間の距離の高精度化を図れ、しかも、残留応力に起因したセンサ特性の変動を抑制することができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記貫通孔配線形成基板における前記第2の電気接続用金属層は、細長の形状であり且つ長手方向が前記第2の封止用金属層の周方向に一致する形で配置されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記第2の電気接続用金属層が、細長の形状であり且つ長手方向が前記第2の封止用金属層の周方向に一致する形で配置されているので、前記センサ基板の前記第1の封止用金属層の幅方向における前記第1の電気接続用金属層の外形寸法を小さくすることが可能となり、前記センサ基板に対して前記熱型赤外線検出部の占める面積比である開口率を大きくしたり、あるいは、センサ装置全体の小型化を図れる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記センサ基板は、前記熱型赤外線検出部と協働する集積回路が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、センサ装置と、前記熱型赤外線検出部と協働する集積回路を形成したICチップとを1つのパッケージに収納したセンサモジュールに比べて小型化および低コスト化を図れ、また、前記熱型赤外線検出部と集積回路との間の配線長を短くすることができ、センサ性能の向上を図れる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記第1の半導体基板と前記第2の半導体基板とはウェハレベルで接合されてから所望のチップサイズに切断されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記貫通孔配線形成基板が前記センサ基板と同じ外形サイズとなり、小型のチップサイズパッケージを実現できる。
請求項1の発明では、センサ基板と貫通孔配線形成基板との間の接合を容易に行うことが可能で且つ接合信頼性を高めることができるという効果がある。
(実施形態1)
以下、本実施形態のセンサ装置について図1および図2を参照しながら説明する。なお、図1は、図2をA−A’で階段状に切断し矢印の方向から見た場合の概略の断面図に対応するものである。
本実施形態のセンサ装置は、赤外線センサであり、第1の半導体基板10の主表面側に周囲と熱絶縁された熱型赤外線検出部13を形成したセンサ基板1と、第2の半導体基板20を用いて形成されセンサ基板1の主表面(一表面)側において熱型赤外線検出部13を囲みセンサ基板1との間にキャビティ30が形成される形でセンサ基板1の主表面側に封着されたパッケージ用基板2とを備えている。ここにおいて、センサ基板1およびパッケージ用基板2の外周形状は矩形状であり、パッケージ用基板2はセンサ基板1と同じ外形寸法に形成されている。なお、本実施形態では、各半導体基板10,20それぞれに、シリコン基板を採用している。
センサ基板1は、第1の半導体基板10と当該第1の半導体基板10の主表面上に形成されたシリコン窒化膜からなる絶縁膜11とで構成されるベース基板部12と、上述の熱型赤外線検出部13と、熱型赤外線検出部13とベース基板部12とを熱絶縁する断熱部14とを備えている。なお、本実施形態における断熱部14は、ベース基板部12の一表面から熱型赤外線検出部13が離間して配置されるように熱型赤外線検出部13を支持している。
断熱部14は、熱型赤外線検出部13を保持した保持部14aと、保持部14aとベース基板部12とを連結した2つの脚部14b,14bとを有している。なお、断熱部14については、後述する。
熱型赤外線検出部13は、温度に応じて電気抵抗値が変化するボロメータ形のセンシングエレメントであり、保持部14a側のTi膜と当該Ti膜上のTiN膜とからなるセンサ層で構成されている。ここで、TiN膜は、Ti膜の酸化防止膜として設けてある。なお、センサ層の材料としては、Tiに限らず、例えば、アモルファスSi、VOxなどを採用してもよい。また、熱型赤外線検出部13は、温度に応じて電気抵抗値が変化するセンシングエレメントに限らず、温度に応じて誘電率が変化するセンシングエレメント、サーモパイル型のセンシングエレメント、焦電型のセンシングエレメントなどを採用してもよく、いずれのセンシングエレメントを採用した場合でも、材料を適宜選択することで一般的な薄膜形成技術を利用して形成することができる。ここにおいて、温度に応じて誘電率の変化するセンシングエレメントの材料としては、例えば、PZT、BSTなどを採用すればよい。
熱型赤外線検出部13は、平面形状が蛇行した形状(ここでは、つづら折れ状の形状)に形成されており、両端部が断熱部14の脚部14b,14bに沿って延長された配線層15,15および当該配線層15,15に電気的に接続された引出し配線16,16を介してベース基板部12の周部の接合用領域部E3における絶縁膜11上の第1の電気接続用金属層19,19と電気的に接続されている。ここにおいて、本実施形態におけるセンサ基板1では、引き出し配線16の一端部が配線層15上に形成されるとともに、他端部が絶縁膜11上に形成された第1の電気接続用金属層19上に形成されている。本実施形態では、断熱部14が、絶縁膜11の表面側に形成した絶縁膜である多孔質シリカ膜からなる多孔質膜140(図3(c)参照)をパターニングすることにより形成されており、シリコン窒化膜からなる絶縁膜11と当該絶縁膜11の表面側に形成された多孔質膜140とで、第1の半導体基板10の主表面側に形成された絶縁層を構成している。要するに、本実施形態におけるセンサ基板1では、第1の半導体基板10の主表面側に形成された絶縁層において熱型赤外線検出部13および配線層15,15が形成された第1の領域と第1の電気接続用金属層19および第1の封止用金属層18が形成された第2の領域との間に段差が形成され、熱型赤外線検出部13と第1の電気接続用金属層19とを電気的に接続する引き出し配線16が絶縁層の表面に沿って形成されている。ここで、本実施形態では、引き出し配線16の膜厚と第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19の膜厚とが独立して設定されており、引き出し配線16の設定膜厚(第1の規定膜厚)を第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19の設定膜厚(第2の規定膜厚)よりも厚く設定してある。なお、引き出し配線16は、密着性改善用のTi膜と、Au膜との積層膜により構成してある。また、本実施形態では、配線層15,15の材料として、熱型赤外線検出部13を構成するセンサ層と同じ材料を採用しており(ここでは、Ti膜とTiN膜との積層膜)、配線層15,15と熱型赤外線検出部13とを同時に形成している。また、第1の電気接続用金属層19と引き出し配線16とは、第1の電気接続用金属層19における引き出し配線16との接続部位が、パッケージ用基板2におけるセンサ基板1との対向面に形成された後述の熱絶縁用凹部21内に位置する形で電気的に接続されている。
上述の断熱部14における脚部14b,14bは、ベース基板部12の上記一表面側において立設された支持ポスト部14b,14bと、支持ポスト部14b,14bの上端部と保持部14aとを連結した梁部14b,14bとで構成されており、保持部14aとベース基板部12との間に間隙17が形成されている。ここで、保持部14aの外周形状が矩形状であって、各梁部14b,14bは、保持部14aの一側縁の長手方向の一端部から当該一側縁に直交する方向に延長され更に当該一側縁の上記一端部から他端部に向う方向に沿って延長された平面形状に形成されており、保持部14aの厚み方向に沿った中心軸に対して回転対称性を有するように配置されている。なお、上述の配線層15,15の線幅は、当該配線層15,15を通した熱伝達を抑制するために梁部14b,14bの幅寸法よりも十分に小さく設定してある。また、支持ポスト部14b,14bは、引き出し配線16,16により補強されている。
また、上述の断熱部14の脚部14b,14bおよび保持部14aは、電気絶縁性を有する多孔質材料により形成されている。ここで、断熱部14の脚部14b,14bおよび保持部14aの多孔質材料として、多孔質の酸化シリコンの一種であるポーラスシリカを採用しているが、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマーの一種であるメチル含有ポリシロキサン、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの一種であるSi−H含有ポリシロキサン、シリカエアロゲルなどを採用してもよく、多孔質材料として、多孔質の酸化シリコン、多孔質の酸化シリコン系有機ポリマー、多孔質の酸化シリコン系無機ポリマーの群から選択される材料を採用すれば、断熱部14の形成にあたっては、ゾルゲル溶液をベース基板部12の上記一表面側に回転塗布してから、乾燥させるプロセスを採用することができ、断熱部14を容易に形成することが可能となる。
ここにおいて、本実施形態における断熱部14は、多孔度が60%のポーラスシリカ膜(多孔質シリコン酸化膜)により構成してあるが、多孔度が小さ過ぎると十分な断熱効果が得られず多孔度が大き過ぎると機械的強度が弱くなって構造形成が困難となるので、ポーラスシリカ膜の多孔度は例えば10%〜80%程度の範囲内で適宜設定すればよい。
上述のセンサ基板1では、断熱部14における保持部14aが多孔質材料により形成されているので、保持部14aがSiOやSiなどの非多孔質材料により形成されている場合に比べて、保持部14aの低熱容量化を図れ、応答速度のより一層の高速化を図れる。さらに、本実施形態におけるセンサ基板1では、断熱部14における脚部14bも多孔質材料により形成されているので、脚部14bがSiOやSiなどの非多孔質材料により形成されている場合に比べて、脚部14bの熱コンダクタンスを小さくできて高感度化を図れるとともに脚部14bの熱容量を小さくできて応答速度の高速化を図れるから、高性能化を図れる。
ところで、センサ基板1の接合用領域部E3では、上述の絶縁膜11上に、枠状(矩形枠状)の第1の封止用金属層18が形成されており、上述の複数の第1の電気接続用金属層19が第1の封止用金属層18よりも内側で絶縁膜11上に形成されている。要するに、センサ基板1は、第1の封止用金属層18と各電気接続用金属層19とが、絶縁膜11を下地層として同一レベル面上に同一厚さで形成されている。
第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19は、接合用のAu膜と絶縁膜11との間に密着性改善用のTi膜を介在させてある。言い換えれば、第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19は、絶縁膜11上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第1の電気接続用金属層19と第1の封止用金属層18とは同一の金属材料により形成されているので、第1の電気接続用金属層19と第1の封止用金属層18とを同時に形成することができるとともに、第1の電気接続用金属層19と第1の封止用金属層18とを略同じ厚さに形成することができる。なお、第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、本実施形態では、各Au膜と絶縁膜11との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
一方、パッケージ用基板2は、センサ基板1側の表面である一表面に、熱型赤外線検出部13を熱絶縁する熱絶縁用凹部21が形成されている。また、パッケージ用基板2は、熱絶縁用凹部21の周部に、厚み方向に貫通する複数(本実施形態では、2個)の貫通孔22が形成されており、上記一表面および他表面と各貫通孔22の内面とに跨って熱酸化膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜23が形成され、貫通孔22の内側に形成された貫通孔配線24と貫通孔22の内面との間に絶縁膜23の一部が介在している。なお、本実施形態では、パッケージ用基板2が、熱型赤外線検出部13に電気的に接続される貫通孔配線24を有する貫通孔配線形成基板を構成している。
ここにおいて、パッケージ用基板2は、熱絶縁用凹部21の開口面の投影領域内にセンサ基板1の熱型赤外線検出部13および断熱部14が収まるように熱絶縁用凹部21の開口面積を大きくしてある。なお、貫通孔配線24の材料としては、Cuを採用しているが、Cuに限らず、例えば、Niなどを採用してもよい。また、パッケージ用基板2における絶縁膜23は、熱絶縁用凹部21の開口面の投影領域内には形成されていない。
また、パッケージ用基板2は、センサ基板1側の表面において熱絶縁用凹部21の周部に、各貫通孔配線24それぞれと電気的に接続された複数の第2の電気接続用金属層29が形成されている。また、パッケージ用基板2は、センサ基板1側の表面の周部の全周に亘って枠状(矩形枠状)の第2の封止用金属層28が形成されており、上述の複数の第2の電気接続用金属層29が第2の封止用金属層28よりも内側に配置されている(ここで、第2の封止用金属層28と各電気接続用金属層29とは絶縁膜23の同一レベル面上に同一厚さで形成してある)。ここにおいて、第2の電気接続用金属層29は、外周形状が長方形状であり、長手方向の一端部が貫通孔配線24と接合されており、他端側の部位がセンサ基板1の第1の電気接続用金属層19と接合されて電気的に接続されるように配置してある。要するに、貫通孔配線24と当該貫通孔配線24に対応する第1の電気接続用金属層19との位置をずらしてあり、第2の電気接続用金属層29を、貫通孔配線24と第1の電気接続用金属層19とに跨る形で配置してある。
また、第2の封止用金属層28および第2の電気接続用金属層29は、接合用のAu膜と絶縁膜23との間に密着性改善用のTi膜を介在させてある。言い換えれば、第2の封止用金属層28および第2の電気接続用金属層29は、絶縁膜23上に形成されたTi膜と当該Ti膜上に形成されたAu膜との積層膜により構成されている。要するに、第2の電気接続用金属層29と第2の封止用金属層28とは同一の金属材料により形成されているので、第2の電気接続用金属層29と第2の封止用金属層28とを同時に形成することができるとともに、第2の電気接続用金属層29と第2の封止用金属層28とを略同じ厚さに形成することができる。なお、第2の封止用金属層28および第2の電気接続用金属層29は、Ti膜の膜厚を15〜50nm、Au膜の膜厚を500nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。ここにおいて、各Au膜の材料は、純金に限らず不純物を添加したものでもよい。また、本実施形態では、各Au膜と絶縁膜23との間に密着性改善用の密着層としてTi膜を介在させてあるが、密着層の材料はTiに限らず、例えば、Cr、Nb、Zr、TiN、TaNなどでもよい。
また、パッケージ用基板2におけるセンサ基板1側とは反対側の表面には、各貫通孔配線24それぞれと電気的に接続された複数の外部接続用電極25が形成されている。ここで、各外部接続用電極25は、例えば、Cu膜とNi膜とAu膜との積層膜により構成されており、例えば、リフロー用パッドとして利用することができる。なお、各外部接続用電極25の外周形状は矩形状となっている。
ところで、上述のセンサ基板1とパッケージ用基板2とは、第1の封止用金属層18と第2の封止用金属層28とが接合されるとともに、第1の電気接続用金属層19と第2の電気接続用金属層29とが接合されている。本実施形態の赤外線センサの製造にあたっては、上述の第1の半導体基板10の基礎となる第1のシリコンウェハにセンサ基板1を複数形成したセンサウェハと、上述の第2の半導体基板20の基礎となる第2のシリコンウェハにパッケージ用基板2を複数形成したパッケージウェハとをウェハレベルで常温接合することでウェハレベルパッケージ構造体を形成してから、個々の赤外線センサに分割する分割工程(ダイシング工程)により個々の赤外線センサに分割されている。したがって、パッケージ用基板2とセンサ基板1とが同じ外形サイズとなり、小型のチップサイズパッケージを実現できるとともに、製造が容易になる。ここにおいて、本実施形態の赤外線センサでは、センサ基板1とパッケージ用基板2とで囲まれた空間が真空雰囲気となっている。また、本実施形態では、センサ基板1とパッケージ用基板2との接合方法として、センサ基板1の残留応力(熱応力)を少なくするためにより低温での接合が可能な常温接合法を採用している。
以下、センサ基板1の製造方法について図3を参照しながら説明する。なお、図3では、図2をA−A’で階段状に切断し矢印の方向から見た場合の断面に対応する部位の断面を示してある。
まず、第1の半導体基板10の主表面側にシリコン窒化膜からなる絶縁膜11を例えばLPCVD法により形成する絶縁膜形成工程を行うことによって、図3(a)に示す構造を得る。
その後、第1の半導体基板10と絶縁膜11とからなるベース基板部12の一表面側(図3(a)における上面側)に断熱部14を形成するためにポリイミドからなる犠牲層31を形成する犠牲層形成工程を行うことによって、図3(b)に示す構造を得る。
続いて、ベース基板部12の上記一表面側の全面に断熱部14の材料である多孔質材料(例えば、ポーラスシリカ、シリカエアロゲルなど)からなる多孔質膜140を成膜する多孔質膜成膜工程を行うことによって、図3(c)に示す構造を得る。ここにおいて、多孔質膜140の形成にあたっては、上記多孔質材料がポーラスシリカの場合には、ゾルゲル溶液をベース基板部12の上記一表面側に回転塗布してから、熱処理で乾燥させるプロセスを採用することで容易に形成することができ、上記多孔質材料がシリカエアロゲルの場合には、ゾルゲル溶液をベース基板部12の上記一表面側に回転塗布してから、超臨界乾燥処理で乾燥させるプロセスを採用することで容易に形成することができる。なお、本実施形態では、絶縁膜11と当該絶縁膜11の表面側の絶縁膜である多孔質膜140とで第1の半導体基板10の主表面側に形成された絶縁層を構成しているが、この段階では絶縁層に上記段差は形成されていない。
上述の多孔質膜成膜工程の後、ベース基板部12の上記一表面側の全面に熱型赤外線検出部13および配線層15,15の基礎となるTi膜とTiN膜との積層膜からなるセンサ材料層をスパッタ法などにより成膜するセンサ材料層成膜工程を行い、続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してセンサ材料層をパターニングすることでそれぞれセンサ材料層の一部からなる熱型赤外線検出部13および配線層15,15を形成するパターニング工程を行うことによって、図3(d)に示す構造を得る。
次に、上述の多孔質膜140のうち断熱部14に対応する部位に形成されている部分以外をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してエッチング除去する多孔質膜パターニング工程を行うことによって、図3(e)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、多孔質膜パターニング工程が、第1の半導体基板10の主表面側に形成された絶縁層のうち接合用領域部E3に形成されている部位をエッチバックすることにより接合用領域部E3の表面を平坦化する平坦化工程を兼ねており、当該平坦化工程のエッチバックでは、シリコン窒化膜からなる絶縁膜11をエッチングストッパ層として利用している。また、平坦化工程を行うことにより、絶縁層に上記段差が形成される。
その後、接合用領域部E3の絶縁膜11の表面上に第2の規定膜厚の第1の封止用金属層18および第2の規定膜厚の第1の電気接続用金属層19を形成する金属層形成工程を行うことによって、図3(f)に示す構造を得る。したがって、第1の半導体基板10の主表面側に形成された絶縁層において熱型赤外線検出部13が形成された領域と第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19が形成された接合用領域部E3との間には段差が形成されている。ここにおいて、金属層形成工程では、第1の半導体基板10の主表面側に、第1の封止用金属層18、第1の電気接続用金属層19をスパッタ法などの薄膜形成技術およびリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して形成している。
上述の金属層形成工程の後、第1の半導体基板10の主表面側に第1の規定膜厚の引き出し配線16を形成する引き出し配線形成工程を行うことによって、図3(g)に示す構造を得る。ここにおいて、引き出し配線形成工程では、第1の半導体基板10の主表面側に、引き出し配線16をスパッタ法などの薄膜形成技術およびリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して形成している。
その後、第1の半導体基板10の主表面側の犠牲層31を選択的にエッチング除去することで間隙17を形成することによって、図3(h)に示す構造のセンサ基板1を得る。
以下、パッケージ用基板2の製造方法について図4を参照しながら説明する。なお、図4では、図2のA−A’断面に対応する部位の断面を示してある。
まず、第2の半導体基板20の一表面に熱絶縁用凹部21をリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して形成する熱絶縁用凹部形成工程を行った後で、第2の半導体基板20に貫通孔22をリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して形成する貫通孔形成工程を行い、その後、第2の半導体基板20の厚み方向の上記一表面側および他表面側および各貫通孔22の内周面に熱酸化膜(シリコン酸化膜)からなる絶縁膜23を熱酸化法により形成する熱酸化工程を行い、続いて、電気メッキ技術およびCMP技術を利用して貫通孔配線24を形成する貫通孔配線形成工程を行ってから、第2の半導体基板20の上記他表面側に外部接続用電極25を形成する外部接続用電極形成工程を行うことによって、図4(a)に示す構造を得る。
その後、第2の半導体基板20の上記一表面側に第2の封止用金属層28および第2の電気接続用金属層29を形成する金属層形成工程を行うことによって、図4(b)に示す構造を得る。ここにおいて、金属層形成工程では、第2の半導体基板20の上記一表面側に、第2の封止用金属層28、第2の電気接続用金属層29をスパッタ法などの薄膜形成技術およびリソグラフィ技術およびエッチング技術などを利用して形成している。
その後、第2の半導体基板20に形成されている絶縁膜23のうち上記一表面側および上記他表面側に形成されている部分のうち熱絶縁用凹部21の開口面の投影領域内に形成されている部位をエッチング除去することによって、図4(c)に示す構造のパッケージ用基板2を得る。
上述のセンサ基板1およびパッケージ用基板2それぞれを形成した後、センサ基板1とパッケージ用基板2との封止用金属層18,28同士および電気接続用金属層19,29同士を直接接合する接合工程を行うことによって、図1に示す構造の赤外線センサを得る。要するに、接合工程では、センサ基板1とパッケージ用基板2との封止用金属層18,28同士および電気接続用金属層19,29同士が金属−金属(ここでは、Au−Au)の常温接合により接合されている。要するに、センサ基板1とパッケージ用基板2との接合方法としては常温接合法を採用している。常温接合法では、接合前に互いの接合表面へアルゴンのプラズマ若しくはイオンビーム若しくは原子ビームを真空中で照射して各接合表面の清浄化・活性化を行ってから、接合表面同士を接触させ、常温下で直接接合する。ここで、接合工程では、上述の常温接合法により、常温下で適宜の荷重を印加して、第1の封止用金属層18と第2の封止用金属層28とを直接接合するのと同時に、第1の電気接続用金属層19と第2の電気接続用金属層29とを直接接合している。
ところで、本実施形態の赤外線センサの製造方法では、上述の接合工程が終了するまでの全工程をセンサ基板1およびパッケージ用基板2それぞれについてウェハレベルで行うことで赤外線センサを複数備えたウェハレベルパッケージ構造体を形成するようにし、当該ウェハレベルパッケージ構造体から個々の赤外線センサに分割する分割工程(ダイシング工程)を行うようにしている。したがって、パッケージ用基板2の外形サイズ(平面サイズ)をセンサ基板1の外形サイズ(平面サイズ)に合わせることができるとともに、量産性を高めることができる。
以上説明した本実施形態の赤外線センサの製造方法によれば、第1の半導体基板10の主表面側に形成された上記絶縁層のうちセンサ基板1におけるパッケージ用基板2との接合用領域部E3に形成されている部位をエッチバックすることにより接合用領域部E3の表面を平坦化した後で、接合用領域部E3の表面上に第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19を形成しているので、第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19を同一レベル面上に同一厚さで形成することができるとともに、第1の封止用金属層18の表面および第1の電気接続用金属層19の表面の平坦性を高めることができ、センサ基板1とパッケージ用基板2との封止用金属層18,28同士および電気接続用金属層19,29同士を直接接合する接合工程の歩留まりを高めることができるから、製造歩留まりの向上を図れる。
また、本実施形態の赤外線センサでは、パッケージ用基板2の第2の電気接続用金属層29におけるセンサ基板1の第1の電気接続用金属層19との接合部位を、当該第2の電気接続用金属層29における貫通孔配線24との接続部位からずらしてあるので、第2の電気接続用金属層29において第1の電気接続用金属層19との接合部位の接合前の表面の平滑性を高めることができ(第2の電気接続用金属層29の成膜時の表面の平滑性を高めることができ)、第1の電気接続用金属層19と第2の電気接続用金属層29とを上述のように常温接合法により直接接合する場合の接合信頼性を高めることが可能となるから、センサ基板1とパッケージ用基板2との間の接合を容易に行うことが可能で且つ接合信頼性が高くなる。
また、本実施形態の赤外線センサでは、センサ基板1とパッケージ用基板2との間の接合がAu−Au接合となっており、センサ基板1とパッケージ用基板2とを半田リフローや陽極接合などの加熱を必要とする方法により接合する場合に比べて、熱型赤外線検出部13および断熱部14が熱応力の影響を受けにくくなるという利点がある。また、本実施形態では、センサ基板1とパッケージ用基板2とが同じ半導体材料であるSiにより形成されているので、センサ基板1とパッケージ用基板2との線膨張係数差に起因した応力(センサ基板1における残留応力)が熱型赤外線検出部13の出力信号に与える影響を低減でき、パッケージ用基板2がセンサ基板1と異なる材料により形成されている場合に比べて、センサ特性のばらつきを低減することができる。なお、センサ基板1は、第1の半導体基板10としてシリコン基板を採用しているが、第1の半導体基板10は、シリコン基板に限らず、SOI基板を採用してもよい。
また、上述のように、各電気接続用金属層19,29と各封止用金属層18,28とが同一の金属材料により形成されているので、第1の電気接続用金属層19と第2の電気接続用金属層29との接合と、第1の封止用金属層18と第2の封止用金属層28との接合とを、常温接合法により同時に行うことができるから、従来のように接合箇所ごとに半田を供給する工程およびリフローの工程をなくすことができ、製造プロセスの簡略化を図れるとともにセンサ基板1とパッケージ用基板2との間の距離の高精度化を図れ、しかも、残留応力に起因したセンサ特性の変動を抑制することができる。
ところで、上述の例では、第2の電気接続用金属層29が、細長の形状であり且つ長手方向が第2の封止用金属層28の幅向に一致する形で配置されているが、図5に示すように、第2の電気接続用金属層29が、細長の形状であり且つ長手方向が第2の封止用金属層28の周方向に一致する形で配置されるようにすれば、センサ基板1の第1の封止用金属層18の幅方向における第1の電気接続用金属層19の外形寸法を小さくすることが可能となり、センサ基板1に対して熱型赤外線検出部13の占める面積比である開口率を大きくしたり、あるいは、赤外線センサ全体の小型化を図れる。
(実施形態2)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図6に示すように、センサ基板1において第1の半導体基板10の主表面側にIC部E2が形成されており、熱型赤外線検出部13に電気的に接続された引き出し配線16がIC部E2を介して第1の電気接続用金属層19と電気的に接続されている点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
IC部E2は、熱型赤外線検出部13の出力信号を増幅回路、当該増幅回路の後段のウィンドウコンパレータなどが集積化されている。
しかして、本実施形態の赤外線センサでは、熱型赤外線検出部13とIC部E2との間の配線長を短くすることができるとともに、両者を接続する配線から入るノイズを防止でき、高感度化を図れる。
なお、本実施形態の赤外線センサにおいても、実施形態1と同様に、パッケージ用基板2の第2の電気接続用金属層29におけるセンサ基板1の第1の電気接続用金属層19との接合部位を、当該第2の電気接続用金属層29における貫通孔配線24との接続部位からずらしてあるので、第2の電気接続用金属層29において第1の電気接続用金属層19との接合部位の接合前の表面の平滑性を高めることができ(第2の電気接続用金属層29の成膜時の表面の平滑性を高めることができ)、第1の電気接続用金属層19と第2の電気接続用金属層29とを上述のように常温接合法により直接接合する場合の接合信頼性を高めることが可能となる。
(実施形態3)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図7に示すように、センサ基板1におけるベース基板部12が第1の半導体基板10と第1の半導体基板10の主表面側に形成されたシリコン窒化膜からなる絶縁膜11と裏面側に形成されたシリコン窒化膜からなる絶縁膜10dとで構成され、ベース基板部12に厚み方向に貫通する開孔部12aが形成され、第1の半導体基板10の主表面側において開孔部12aが断熱部14により閉塞されている点が相違する。ここにおいて、センサ基板1は、断熱部14がダイヤフラム状の形状に形成されている。なお、本実施形態においても、実施形態1と同様、第1の半導体基板10の主表面側に形成された絶縁層において熱型赤外線検出部13が形成された第1の領域と第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19が形成された第2の領域(接合用領域部E3)との間に段差が形成されている。また、他の構成は実施形態1と同じなので、説明を省略する。
(実施形態4)
本実施形態の赤外線センサの基本構成は実施形態1と略同じであって、図8に示すように、センサ基板1の構造が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態におけるセンサ基板1は、第1の半導体基板10の主表面側の絶縁膜11が当該第1の半導体基板10の主表面側の熱酸化膜(シリコン酸化膜)からなる第1の絶縁膜11aと第1の絶縁膜11a上のシリコン窒化膜からなる第2の絶縁膜11bとで構成されており、当該絶縁膜11の一部からなる断熱部14上に熱型赤外線検出部13および配線層15,15が形成されている。ここにおいて、センサ基板1は、断熱部14および第1の半導体基板10の主表面に形成された凹所10aにより熱型赤外線検出部13とベース基板部12とが熱絶縁されている。なお、本実施形態では、第1の半導体基板10として、導電形がn形で、主表面が(100)面のシリコン基板を用いており、凹所10aは、アルカリ系溶液(例えば、TMAH水溶液など)を用いた異方性エッチングにより形成されている。
また、第1の半導体基板10の主表面側には熱型赤外線検出部13および配線層15,15を保護するシリコン酸化膜からなる保護層(第3の絶縁膜)11cが形成されており、絶縁膜11と保護層11cとで構成される絶縁層のうち接合用領域部E3に対応する部分をエッチバックすることにより平坦化された接合用領域部E3の表面上に、第1の封止用金属層18および第1の電気接続用金属層19が形成されている。また、引き出し配線16は、保護層11cに形成したコンタクトホールを通して配線層15と電気的に接続されている。
以上説明した本実施形態の赤外線センサにおいても、実施形態1と同様に、パッケージ用基板2の第2の電気接続用金属層29におけるセンサ基板1の第1の電気接続用金属層19との接合部位を、当該第2の電気接続用金属層29における貫通孔配線24との接続部位からずらしてあるので、第2の電気接続用金属層29において第1の電気接続用金属層19との接合部位の接合前の表面の平滑性を高めることができ(第2の電気接続用金属層29の成膜時の表面の平滑性を高めることができ)、第1の電気接続用金属層19と第2の電気接続用金属層29とを上述のように常温接合法により直接接合する場合の接合信頼性を高めることが可能となる。
また、本実施形態の赤外線センサでは、熱型赤外線検出部13および配線層15,15が保護層11cにより保護されているので、熱型赤外線検出部13および配線層15に水分などが吸着するのを抑制できる。
ところで、上述の各実施形態で説明した赤外線センサは、センサ基板1とセンサ基板1の主表面側に封着されたパッケージ用基板2とで構成されているが、センサ基板1の構造によっては、センサ基板1の裏面側にも別途にパッケージ用基板を封着する構造としてもよいことは勿論である。
また、上述の上記各実施形態で説明した赤外線センサは、熱型赤外線検出部13を1つだけ設けた赤外線センサであるが、熱型赤外線検出部13をセンサ基板1の主表面側において2次元アレイ状(マトリクス状)に配列し各熱型赤外線検出部13それぞれが画素を構成するようにした赤外線画像センサでもよい。
実施形態1の赤外線センサの概略断面図である。 同上におけるセンサ基板の概略斜視図である。 同上におけるセンサ基板の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上におけるパッケージ用基板の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上の赤外線センサの他の構成例を示し、(a)はパッケージ用基板の概略下面図、(b)は赤外線センサの要部概略断面図、(c)は赤外線センサの他の要部概略断面図である。 実施形態2の赤外線センサの概略断面図である。 実施形態3の赤外線センサの概略断面図である。 実施形態4の赤外線センサの概略断面図である。 従来例のウェハレベルパッケージ構造体の製造方法の説明図である。
符号の説明
1 センサ基板
2 パッケージ用基板(貫通孔配線形成基板)
10 第1の半導体基板
13 熱型赤外線検出部
14 断熱部
15 配線層
16 引き出し配線
17 間隙
18 第1の封止用金属層
19 第1の電気接続用金属層
20 第2の半導体基板
24 貫通孔配線
28 第2の封止用金属層
29 第2の電気接続用金属層
E3 接合用領域部

Claims (4)

  1. 第1の半導体基板を用いて形成され熱型赤外線検出部を有するセンサ基板と、第2の半導体基板を用いて形成され熱型赤外線検出部に電気的に接続される貫通孔配線を有しセンサ基板の一表面側に封着された貫通孔配線形成基板とを備え、センサ基板は、第1の半導体基板の主表面側に絶縁層が形成され該絶縁層のうちセンサ基板における貫通孔配線形成基板との接合用領域部に形成されている部位をエッチバックすることにより接合用領域部の表面を平坦化した後で、接合用領域部の表面上にセンサ基板の前記一表面における周部の全周に亘って第1の封止用金属層が形成されるとともに、第1の封止用金属層よりも内側に熱型赤外線検出部と電気的に接続された第1の電気接続用金属層が形成され、貫通孔配線形成基板は、センサ基板側の表面における周部の全周に亘って第2の封止用金属層が形成されるとともに、第2の封止用金属層よりも内側に貫通孔配線と電気的に接続された第2の電気接続用金属層が形成され、センサ基板と貫通孔配線形成基板とは、前記各電気接続用金属層と前記各封止用金属層とが同一の金属材料によりなり、それぞれの接合面が活性化された第1の封止用金属層と第2の封止用金属層とが常温接合されるとともに、それぞれの接合面が活性化された第1の電気接続用金属層と第2の電気接続用金属層とが常温接合され、貫通孔配線形成基板は、第2の電気接続用金属層における第1の電気接続用金属層との接合部位を、当該第2の電気接続用金属層における貫通孔配線との接続部位からずらしてあることを特徴とするセンサ装置。
  2. 前記貫通孔配線形成基板における前記第2の電気接続用金属層は、細長の形状であり且つ長手方向が前記第2の封止用金属層の周方向に一致する形で配置されてなることを特徴とする請求項1記載のセンサ装置。
  3. 前記センサ基板は、前記熱型赤外線検出部と協働する集積回路が形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセンサ装置。
  4. 前記第1の半導体基板と前記第2の半導体基板とはウェハレベルで接合されてから所望のチップサイズに切断されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のセンサ装置
JP2007138277A 2007-05-24 2007-05-24 センサ装置 Expired - Fee Related JP5016383B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007138277A JP5016383B2 (ja) 2007-05-24 2007-05-24 センサ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007138277A JP5016383B2 (ja) 2007-05-24 2007-05-24 センサ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008292312A JP2008292312A (ja) 2008-12-04
JP5016383B2 true JP5016383B2 (ja) 2012-09-05

Family

ID=40167190

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007138277A Expired - Fee Related JP5016383B2 (ja) 2007-05-24 2007-05-24 センサ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5016383B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5538974B2 (ja) * 2010-03-26 2014-07-02 セイコーインスツル株式会社 電子デバイスパッケージの製造方法及び電子デバイスパッケージ
JP6294113B2 (ja) * 2014-03-17 2018-03-14 新光電気工業株式会社 キャップ及びその製造方法、半導体装置及びその製造方法
KR102588790B1 (ko) * 2016-02-04 2023-10-13 삼성전기주식회사 음향파 필터 장치, 음향파 필터 장치 제조용 패키지
JP7485581B2 (ja) 2020-10-16 2024-05-16 セイコーNpc株式会社 赤外線センサ素子及び赤外線センサ

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH041535A (ja) * 1990-04-18 1992-01-07 Terumo Corp 赤外線センサ
JP3519720B2 (ja) * 2001-06-11 2004-04-19 松下電器産業株式会社 電子デバイス
JP4342174B2 (ja) * 2002-12-27 2009-10-14 新光電気工業株式会社 電子デバイス及びその製造方法
JP2004221351A (ja) * 2003-01-15 2004-08-05 Seiko Epson Corp 半導体装置及びその製造方法、回路基板並びに電子機器
JP2004304622A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Fujitsu Media Device Kk 弾性表面波デバイス及びその製造方法
JP4312631B2 (ja) * 2004-03-03 2009-08-12 三菱電機株式会社 ウエハレベルパッケージ構造体とその製造方法、及びそのウエハレベルパッケージ構造体から分割された素子
JP4828182B2 (ja) * 2005-08-31 2011-11-30 新光電気工業株式会社 半導体装置の製造方法
JP3938205B1 (ja) * 2005-11-25 2007-06-27 松下電工株式会社 センサエレメント
JP4081496B2 (ja) * 2005-11-25 2008-04-23 松下電工株式会社 ウェハレベルパッケージ構造体、加速度センサ
JP4877239B2 (ja) * 2006-03-28 2012-02-15 パナソニック電工株式会社 発光装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008292312A (ja) 2008-12-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7045430B2 (ja) ウェハレベルパッケージ内の熱赤外線センサアレイ
JP6487032B2 (ja) 応力低減レイヤを有する密封されたパッケージ
JP5486271B2 (ja) 加速度センサ、及び加速度センサの製造方法
JP5842118B2 (ja) 赤外線センサ
TWI336394B (en) Infrared ray sensor and manufacturing method for the same therefore
KR101199904B1 (ko) 적외선 센서
JP4989037B2 (ja) 容量型力学量センサおよび半導体装置
US20170107097A1 (en) Inter-poly connection for parasitic capacitor and die size improvement
KR20110066187A (ko) 적외선 센서
TW201534883A (zh) 微機械壓力感測器裝置及相關製造方法(二)
JP5260890B2 (ja) センサ装置およびその製造方法
JP5016383B2 (ja) センサ装置
JP4867792B2 (ja) ウェハレベルパッケージ構造体およびセンサ装置
JP5016382B2 (ja) センサ装置およびその製造方法
JP5139032B2 (ja) 微細構造体及びその製造方法
JP2013186038A (ja) 赤外線検出装置
JP2012173156A (ja) 赤外線センサモジュール
CN109216534B (zh) 一种晶圆级封装的单片集成红外温度传感器及其制造方法
JP2012230010A (ja) 赤外線センサ
JP2010078425A (ja) 加速度センサ
JP2012063221A (ja) 赤外線センサ
JP2009047650A (ja) センサ装置およびその製造方法
JP2011203221A (ja) 赤外線センサモジュール
JP2012063222A (ja) 赤外線センサおよびその製造方法
JP6891203B2 (ja) 応力低減レイヤを有する密封されたパッケージ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091218

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20101018

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110620

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110628

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110829

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120515

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120608

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150615

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees