JP5015485B2 - 避雷器 - Google Patents
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このような避雷器の従来の技術としては、例えば、積層した酸化亜鉛素子の上下に上金具と下金具を配置し、上下の金具間を強度部材であるFRP棒で固定し、それらの周囲をゴム系高分子材料を主材とする外被部材でモールドしたものが知られている。上金具,下金具とFRP棒とは、両金具にFRP棒を貫通させ、その両側からナットを締め付けて固定している(例えば、特許文献1参照)。
また、上記素子受け部に替えて押圧ばねとし、押圧ばねは、外径が酸化亜鉛素子の外径より小さく、一方の電極の鍔部と酸化亜鉛素子ブロックとの間に配置されており、酸化亜鉛素子の外径と押圧ばねの外径との差分を、一方の電極の鍔部の直列体に対向する側における絶縁ロッドのナットの外径と絶縁ロッドの外径との差分より大きくして、絶縁ロッドを酸化亜鉛素子ブロックに当接させたものである。
縁ロッドを取付穴の両側からナットで鍔部に締め付け、他方の電極との締結部は、取付穴に貫通させた絶縁ロッドを取付穴の反直列体側からナットで鍔部に締め付けて固定するようにし、酸化亜鉛素子の外径と素子受け部の外径部との差分を、一方の電極の鍔部の直列体に対向する側における絶縁ロッドのナットの外径と絶縁ロッドの外径との差分より大きくして、絶縁ロッドを酸化亜鉛素子ブロックに当接させたので、酸化亜鉛素子ブロックを両電極間に組み込むとき、絶縁ロッドがずり落ちたりぐらついたりせず、また、ナットを締め付けるときに共回りが発生しないため、組立時の作業性が改善される。また、ナットによる締結のため、電極と絶縁ロッドとの締結部に十分な強度を確保できる。更に、絶縁ロッドを酸化亜鉛素子ブロックに当接させたことにより、外被の外径を小さくでき、避雷器を小型軽量化できる。
また、素子受け部に替えて押圧ばねとした場合も、上記と同様の効果を得ることができる。
図1はこの発明の実施の形態1による避雷器の断面図である。図の(a)は側面断面図、(b)は(a)のI−Iから見た要部の平面断面図を示す。図のように、中心部に、円柱状をした酸化亜鉛素子1aが複数個積層されて形成され酸化亜鉛素子ブロック1が配置されている。この酸化亜鉛素子ブロック1の一端側(図では上部側)に、酸化亜鉛素子ブロック1に押圧力を与える押圧ばね2が配置されている。なお、押圧ばね2は、図ではコイルばねとして図示しているが、皿ばね等でも良い。
酸化亜鉛素子ブロック1と押圧ばね2とで直列体3を構成する。直列体3の両側に、下部電極4と上部電極5が配置されており、両電極4,5の、直列体3に対向する側には、それぞれ鍔部4a,5aが形成されている。各鍔部4a,5aの外周部には絶縁ロッド6を取り付けるための取付穴4b,5bが複数個(図では各4個)設けられている。
酸化亜鉛素子ブロック1と絶縁ロッド6部分の配置関係を平面断面図で示せば、図1(b)のようになり、酸化亜鉛素子ブロック1の径方向に若干の隙間を空けて絶縁ロッド6が配置されている。これは、下部電極4の酸化亜鉛素子ブロック1に接する側に存在するナット7aが、酸化亜鉛素子1aと干渉しないようにし、且つナット7aの締結作業を可能にするための隙間である。
先ず、最初に絶縁ロッド6の一端側にナット7a(ナットには座金が組み合わされるが、以下の説明では座金については省略する)を挿入し、所定の位置までねじ込んでおく。次に、ナット7aをねじ込んだ側の端部を、下部電極4の鍔部4aに形成した取付穴4bに、ナット7aが当接するまで挿入し、端部側から別のナット7bをねじ込む。そして、取付穴4bの両側のナットのうちの一方を工具で固定しておき、他方を所定のトルクで締め付けて鍔部4aに固定する。全ての絶縁ロッド6を、同様の方法で鍔部4aに取り付ける。完了すれば、下部電極4の鍔部4aには、垂直に4本の絶縁ロッド6が立設された状態となる。
なお、絶縁ロッドの本数は、4本に限定するものではなく、3本や6本等でも良い。
これらの作業により、酸化亜鉛素子ブロック1と押圧ばね2との直列体3が、両電極4,5に挟まれ、絶縁ロッド6及びナット7(7a〜7c)により強固に固定されて一体となった、酸化亜鉛素子モジュール8が組み立てられる。
この後は、先に説明した外被9を酸化亜鉛素子モジュール8の外周にモールドにより形成して避雷器が完成する。
図2はこの発明の実施の形態2による避雷器の断面図であり、(a)は側面断面図、(b)は(a)のII−IIから見た要部の平面断面図である。酸化亜鉛素子ブロック,押圧ばね,上下電極,絶縁ロッド,ナット及び外被で構成される基本構造は実施の形態の図1と同等なので、同等部分は同一符号で示して説明は省略し、相違点を中心に説明する。
なお、素子受け部10cは、図では下部電極10と一体に形成したものを示したが、別部材としても良い。また、図とは逆に、上部電極5側を2個のナットで締結し、その鍔部5aの面に素子受け部を設けても良い。要は、絶縁ロッドの一端を2個のナットで締結する側の電極に素子受け部が設けられていればよい。
避雷器の構成部品については実施の形態1の図1と同等である。図1と異なる部分は、押圧ばね2の挿入位置と、それに伴う絶縁ロッド6の配置である。
図3に示すように、押圧ばね2は、2個のナット7a、7bを使用して締結した側の電極、すなわち本図では下部電極4と、酸化亜鉛素子ブロック1との間に介在させている。そして、押圧ばね2の外径は、酸化亜鉛素子1aの外径より小さくしている。
2 押圧ばね 3 直列体
4 下部電極 4a 鍔部
4b 取付穴 5 上部電極
5a 鍔部 5b 取付穴
6 絶縁ロッド 7a,7b,7c ナット
8 酸化亜鉛素子モジュール 9 外被
10 下部電極 10a 鍔部
10b 取付穴 10c 素子受け部。
Claims (3)
- 複数の酸化亜鉛素子が積層された酸化亜鉛素子ブロックと、
上記酸化亜鉛素子ブロックの一端面に配置される押圧ばねと、
上記酸化亜鉛素子ブロックと上記押圧ばねとの直列体の両側に配置される一対の電極と、上記一対の電極に両端部を取付けて上記一対の電極を締結する複数の絶縁ロッドとで酸化亜鉛素子モジュールが構成され、
上記酸化亜鉛素子モジュールの周囲に外被が絶縁材料によってモールドされる避雷器において、
上記一対の電極は上記直列体に対向する側にそれぞれ鍔部を有し、上記各鍔部には、上記絶縁ロッドの挿入用の取付穴がそれぞれ形成され、上記一対の電極のうち、一方の電極の鍔部の上記直列体に対向する側に、上記酸化亜鉛素子の外径より小さい外径部を有する素子受け部が設けられており、
上記絶縁ロッドの一端部側が上記一方の電極の鍔部の取付穴に挿入されてその取付穴の両側からナットで締め付けられ、
上記絶縁ロッドの他端部側が上記一対の電極のうちの他方の電極の鍔部の取付穴に挿入されて反直列体側からナットで締め付けられ、
上記酸化亜鉛素子の外径と上記素子受け部の上記外径部との差分を、上記一方の電極の鍔部の上記直列体に対向する側における上記絶縁ロッドのナットの外径と上記絶縁ロッドの外径との差分より大きくして、上記絶縁ロッドを上記酸化亜鉛素子ブロックに当接させたことを特徴とする避雷器。 - 複数の酸化亜鉛素子が積層された酸化亜鉛素子ブロックと、
上記酸化亜鉛素子ブロックの一端面に配置される押圧ばねと、
上記酸化亜鉛素子ブロックと上記押圧ばねとの直列体の両側に配置される一対の電極と、上記一対の電極に両端部を取付けて上記一対の電極を締結する複数の絶縁ロッドとで酸化亜鉛素子モジュールが構成され、
上記酸化亜鉛素子モジュールの周囲に外被が絶縁材料によってモールドされる避雷器において、
上記一対の電極は上記直列体に対向する側にそれぞれ鍔部を有し、上記各鍔部には、上記絶縁ロッドの挿入用の取付穴がそれぞれ形成されており、
上記絶縁ロッドの一端部側が上記一対の電極のうちの一方の電極の鍔部の取付穴に挿入されてその取付穴の両側からナットで締め付けられ、
上記絶縁ロッドの他端部側が上記一対の電極のうちの他方の電極の鍔部の取付穴に挿入されて反直列体側からナットで締め付けられ、
上記押圧ばねは、外径が上記酸化亜鉛素子の外径より小さく、上記一方の電極の鍔部と上記酸化亜鉛素子ブロックとの間に配置されており、
上記酸化亜鉛素子の外径と上記押圧ばねの上記外径との差分を、上記一方の電極の鍔部の上記直列体に対向する側における上記絶縁ロッドのナットの外径と上記絶縁ロッドの外径との差分より大きくして、上記絶縁ロッドを上記酸化亜鉛素子ブロックに当接させたことを特徴とする避雷器。 - 請求項1又は請求項2に記載の避雷器において、上記一対の電極はそれぞれ二段の鍔部を有し、
上記絶縁ロッドと上記一対の電極との締結は、上記絶縁ロッドと上記一対の電極の上記直列体側のそれぞれの鍔部とで締結されていることを特徴とする避雷器。
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