本発明によるエネルギ回収装置の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態における車両1のエンジンシステムの概念を図1に示す。車両1は、いわゆるFF車(フロントエンジンフロントドライブ:エンジン前置き前輪駆動車両)として構成されている。本実施形態における車両1のエンジン10は、図1から明らかなように、燃料であるガソリンを燃料噴射弁12から燃焼室14内に直接噴射し、点火プラグ16によって着火させる筒内噴射型式のものである。
燃焼室14にそれぞれ臨む吸気ポート18および排気ポート20が形成されたシリンダヘッド22には、吸気バルブ24および排気バルブ26を駆動する動弁機構28と、燃焼室14内の混合気を着火させる前述の点火プラグ16とが組み込まれ、さらにこの点火プラグ16に火花を発生させるイグナイタ30が搭載されている。
吸気ポート18に連通するようにシリンダヘッド22に連結されて吸気ポート18と共に吸気通路32を区画形成する吸気管34の上流端側には、大気中に含まれる塵埃などを除去して吸気通路32に導くためのエアクリーナ36が設けられている。このエアクリーナ36よりも下流側に位置すると共に、サージタンク38よりも上流側に位置する吸気管34の部分には、運転者によって操作されるアクセルペダル40の踏み込み量に基づき、スロットルアクチュエータ42によって開度が調整される吸気絞り弁、すなわち電子制御式のスロットルバルブ44が組み込まれている。ただし、アクセルペダル40の踏み込み動作と、スロットルバルブ44の開閉動作とを切り離して電子的に制御できるようにしている。
排気ポート20に連通するようにシリンダヘッド22に連結されて排気ポート20と共に排気通路46を区画形成する排気管48の途中には、排気通路46の閉塞を可能にする排気絞り弁50が配置されている。排気絞り弁50は、排気ガスの流れの向きに可動である傘状の弁体50aが環状の弁座50bに直角方向に移動するポペット式バルブである。それゆえ、弁体50aが弁座50bに着座することにより、排気絞り弁50の閉弁時において排気通路46の優れた閉塞性が確保される。排気絞り弁50の弁体50aは、空圧式のアクチュエータ52によって作動され、弁座50bに着座する閉位置と、弁座50bに所定の間隔を開けて保持される開位置とを有する。
排気絞り弁50よりも上流側の排気通路46には、制御弁54を有する回収管56により区画形成される回収通路57の一端が連通している。そして、回収通路57の排気通路46とは異なる側の他端は、蓄圧タンク58に連通され、これにより蓄圧タンク58内は排気通路46に連通している。なお、蓄圧タンク58には、回収管56とは別に、蓄圧タンク58内の圧力を利用可能にするために、制御弁60を有する放出管62が接続されている。
車両1には、上記エンジンシステムの制御を行うため、各種値を検出してこれを電子制御装置(以下、ECUと称する。)64に出力する各種センサ類が設けられている。具体的には、吸気管34内の空気の圧力、すなわち吸気圧を検出する吸気圧センサ66を備えている。また運転者によって操作されるアクセルペダル40の踏み込み量に対応する位置を検出するアクセルポジションセンサ68を備えている。また、スロットルバルブ44の開度を検出するスロットルポジションセンサ69を備えている。また、ピストン70が往復動するシリンダブロック72には、連接棒74を介してピストン70が連結されるクランクシャフト76のクランク回転信号を検出するクランクポジションセンサ78が取り付けられている。本実施形態においては、このクランクポジションセンサ78をエンジン回転数センサとしても利用している。さらに、排気管48内の排気ガスあるいは空気である流体の圧力を検出する圧力センサ80を備えている。また、蓄圧タンク58内の圧力を検出する圧力センサ82も備えられている。さらには、ブレーキペダル84の踏み込みに基づく信号を出力するストップランプスイッチ86を備えている。さらに、車速を検出する車速センサ88をも備えている。
ECU64は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器、入力インタフェース、出力インタフェース等を含むマイクロコンピュータで構成されている。入力インタフェースには、上記吸気圧センサ66等のセンサ類などが電気的に接続されている。これらのセンサ類などからの検出信号に基づき、予め設定されたプログラムにしたがって円滑なエンジン10の運転がなされるように、ECU64は出力インタフェースから電気的に信号を出力して、燃料噴射弁12、動弁機構28、イグナイタ30、スロットルアクチュエータ42、アクチュエータ52、制御弁54および制御弁60などの作動を制御するようになっている。ただし、運転者によって操作されるアクセルペダル40の踏み込み量に基づき、スロットルアクチュエータ42によってスロットルバルブ44の開度を調整すべく、通常の運転時用のマップ(以下、通常開度マップと称する。)が予めROMに記憶されている。また、本実施形態のECU64は、後述する変速比制御手段、判定手段、変速比保持手段の一部を構成する。なお、変速比制御手段、変速比保持手段には、後述する自動変速機において変速を可能にする各種アクチュエータも含まれる。
エンジン10では、通常の運転時、吸気圧センサ66からの出力値に基づく吸気圧や、クランクポジションセンサ78からの出力値に基づくエンジン回転数など、すなわちエンジン負荷およびエンジン回転数で表される運転状態に基づいて燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期等が設定される。その際、アクセルポジションセンサ68からの出力値に基づくアクセルペダル40の踏み込み量などに応じてそれらの補正がなされ、これらの補正された燃料噴射量、燃料噴射時期、点火時期に基づいて、燃料噴射弁12や点火プラグ16などが制御される。なお、エンジン10では、通常の運転時、特にエンジン負荷やエンジン回転数に急激な変動のない定常走行時などには、理論空燃比になるように燃料量が調整されるようにされている。
なお、エンジン10では、クランクポジションセンサ78からの出力値を用いて導かれるエンジン回転数が所定回転数(以下、燃料カット回転数と称する。)以上であり、且つアクセルポジションセンサ68により検出されるアクセルペダル40の踏み込み量が「0」、すなわちアクセルペダル40が踏み込まれていないときに、燃料噴射弁12からの燃料噴射が停止(以下、燃料カットと称する。)されるように設定されている。ただし、このような燃料カットの状態が続いて、エンジン回転数が低下して別の所定回転数(以下、燃料カット復帰回転数と称する。)に達すると、燃料噴射は再開される。なお、燃料カットが行われているときは、概ね減速時に対応する。
上記エンジン10を駆動源として備える車両1は、図2に示すようにエンジン10の側方に配置され、エンジン10のクランクシャフト76と連結されるトランスアクスル100を有している。なお、図2においては、後述する各種センサ類および制御バルブ、並びにECU64の記載を、簡略化するために省略している。
図2に示されるように、トランスアクスル100は、トランスアクスルハウジング102、トランスアクスルケース104およびトランスアクスルリヤカバー106を含んでいる。ハウジング102は、エンジン10の側方に配置され、ケース104は、ハウジング102のエンジン10とは反対側の開口端に固定されている。また、リヤカバー106は、ケース104のハウジング102とは反対側の開口端に固定されている。そして、トランスアクスルハウジング102の内部には、トルクコンバータ108が配置されており、トランスアクスルケース104およびトランスアクスルリヤカバー106の内部には、前後進切り換え機構110、ベルト式無段変速装置(CVT)112、最終減速機(差動装置)114が配置されている。すなわち、本実施形態では、自動変速機として、無段変速機112が採用されている。
トルクコンバータ108は、ドライブプレート116と、ドライブプレート116を介してエンジン10のクランクシャフト76に固定されるフロントカバー118とを有している。フロントカバー118には、図2に示されるように、ポンプインペラ120が取り付けられている。また、トルクコンバータ108は、ポンプインペラ120と対向する状態で回転可能なタービンランナ122を含んでいる。
タービンランナ122は、クランクシャフト76と概ね同軸に延びる入力シャフト124に固定されている。更に、ポンプインペラ120およびタービンランナ122の内側にはステータ126が配置されており、ステータ126の回転方向は、ワンウェイクラッチ128によって一方向にのみ設定される。ステータ126は、ワンウェイクラッチ128を介して中空軸130に固定されており、上述の入力シャフト124は、この中空軸130の内部に挿通されている。そして、入力シャフト124のフロントカバー118側の端部には、ダンパ機構132を介してロックアップクラッチ134が取り付けられている。また、中空軸130はケース104に固定されている。
上述のポンプインペラ120、タービンランナ122およびステータ126は、作動油室を区画形成し、この作動油室には、トルクコンバータ108と前後進切り換え機構110との間に配置されたオイルポンプ136から作動油が供給される。そして、エンジン10が作動し、フロントカバー118およびポンプインペラ120が回転すると、作動油の流れによりタービンランナ122が引きずられるようにして回転し始める。また、ステータ126は、ポンプインペラ120とタービンランナ122との回転速度差が大きい時に、作動油の流れをポンプインペラ120の回転を助ける方向に変換する。
これにより、トルクコンバータ108は、ポンプインペラ120とタービンランナ122との回転速度差が大きい時には、トルク増幅機として作動し、両者の回転速度差が小さくなると、流体継手として作動する。そして、車両1の発進後、車速が所定速度に達すると、ロックアップクラッチ134が作動され、エンジン10からフロントカバー118に伝えられた動力が入力シャフト124に機械的かつ直接に伝達されるようになる。また、フロントカバー118から入力シャフト124に伝達されるトルクの変動は、ダンパ機構132によって吸収される。
トルクコンバータ108と前後進切り換え機構110との間のオイルポンプ136は、ロータ138を有し、このロータ138は、ハブ140を介してポンプインペラ120と接続されている。なお、オイルポンプ136の本体142は、トランスアクスルケース104側に回転可能に支持されている。したがって、エンジン10の動力、すなわちエンジン10からのトルクは、ポンプインペラ120を介してロータ138に伝達されることになり、これにより、オイルポンプ136が駆動される。
前後進切り換え機構110は、ダブルピニオン形式の遊星歯車機構144を有している。遊星歯車機構144は、入力シャフト124の無段変速機112側の端部に取り付けられたサンギヤ146と、サンギヤ146の外周側に同心状に配置されたリングギヤ148と、サンギヤ146と噛み合う複数のピニオンギヤ150と、リングギヤ148およびピニオンギヤ150の双方と噛み合う複数のピニオンギヤ152と、各ピニオンギヤ150を自転可能に保持し、かつ、ピニオンギヤ150をサンギヤ146の周囲で一体的に公転可能な状態に保持するキャリヤ154とを含んでいる。
前後進切り換え機構110のキャリヤ154は、ベルト式無段変速装置112に含まれるプライマリシャフト160に固定され、キャリヤ154と入力シャフト124との間の動力伝達経路は、フォワードクラッチ156を用いて接続または遮断される。また、前後進切り換え機構110は、リングギヤ148の回転・固定を制御するリバースブレーキ158を有している。
一方、ベルト式無段変速装置112は、入力シャフト124と概ね同軸に延びるプライマリシャフト(駆動側回転軸)160と、プライマリシャフト160と平行をなすように配置されたセカンダリシャフト(従動側回転軸)162とを有している。プライマリシャフト160は、軸受164および166によって回転自在に支持されており、セカンダリシャフト162は、軸受168および170によって回転自在に支持されている。そして、プライマリシャフト160には、プライマリプーリ172が、セカンダリシャフト162には、セカンダリプーリ174がそれぞれ装備されている。
プライマリプーリ172は、プライマリシャフト160の外周に一体に形成された固定シーブ176と、プライマリシャフト160の外周に摺動自在に装着された可動シーブ178とにより構成されている。固定シーブ176と可動シーブ178とは互いに対向し合い、両者間には、略V字形状のプーリ溝180が形成される。また、可動シーブ178は、固定シーブ176に対してプライマリシャフト160の軸方向に移動可能であり、無段変速機112は、可動シーブ178をプライマリシャフト160の軸方向に移動させて可動シーブ178と固定シーブ176とを接近・離間させる油圧アクチュエータ182を有している。
同様に、セカンダリプーリ174も、セカンダリシャフト162の外周に一体に形成された固定シーブ184と、セカンダリシャフト162の外周に摺動自在に装着された可動シーブ186とにより構成されている。固定シーブ184と可動シーブ186とは互いに対向し合い、両者間には、略V字形状のプーリ溝188が形成される。また、可動シーブ186も、固定シーブ184に対してセカンダリシャフト162の軸方向に移動可能であり、無段変速機112は、可動シーブ186をセカンダリシャフト162の軸方向に移動させて可動シーブ186と固定シーブ184とを接近・離間させる油圧アクチュエータ190を有している。
上述のプライマリプーリ172のプーリ溝180と、セカンダリプーリ174のプーリ溝188とには、多数の金属製の駒および複数本のスチールリングにより構成されるベルト192が巻き掛けられる。そして、図2では明示していないが、不図示の各種制御油圧室等への流入油量を制御するのに用いられる、ECU64により制御可能なソレノイドバルブ等の制御バルブを有する油圧回路が設けられている。その結果、各油圧アクチュエータ182および190による油圧がECU64により別個に制御され、これにより、プライマリプーリ172およびセカンダリプーリ174の溝幅が変更されてベルト192の巻き掛け半径が変化する。この結果、無段変速機112による変速比が所望の値に設定されると共に、ベルト192の張力が調整されることになる。ただし、セカンダリシャフト162を支持する軸受170はトランスアクスルリヤカバー106に固定されており、軸受170とセカンダリプーリ174との間には、パーキングギヤ194が設けられている。
図2に示されるように、ベルト式無段変速装置112のセカンダリシャフト162には、軸受196および198によって支持されたシャフト200が連結されている。シャフト200には、ドライブギヤ202が固定されており、このドライブギヤ202を介して、ベルト式無段変速装置112から最終減速機114に動力が伝達される。最終減速機114は、セカンダリシャフト162と平行をなすように配置されたインターミディエイトシャフト204を含む。インターミディエイトシャフト204は、軸受206および208によって支持されており、シャフト204には、セカンダリシャフト162のドライブギヤ202と噛み合うカウンタドリブンギヤ210と、ファイナルドライブギヤ212とが固定されている。
また、最終減速機114は、中空のデフケース214を有している。デフケース214は、軸受216および218によって回転自在に支持されており、その外周には、リングギヤ220が形成されている。このリングギヤ220は、インターミディエイトシャフト204のファイナルドライブギヤ212と噛み合っている。更に、デフケース214は、その内部にピニオンシャフト222を支持しており、ピニオンシャフト222には、2体のピニオンギヤ224が固定されている。各ピニオンギヤ224には、2体のサイドギヤ226が噛み合わされており、各サイドギヤ226には、フロントドライブシャフト228がそれぞれ別個に接続され、各フロントドライブシャフト228には、車輪(前輪)230が固定されている。
車両1には、上述の如く、ECU64に各種値を出力する各種センサ類、例えば吸気圧センサ66、アクセルポジションセンサ68、スロットルポジションセンサ69、エンジン回転数センサとしても機能するクランクポジションセンサ78、圧力センサ80、圧力センサ82、ストップランプスイッチ86、車速センサ88が備えられている。さらに、トランスアクスル100の状態を表す各種値をECU64に出力する各種センサ類、例えば、図1に示すように(図2では省略)、トルクコンバータ108のトルク比やプライマリシャフト160の回転速度(以下、入力軸回転数と称する。)およびセカンダリシャフト162の回転速度(以下、出力軸回転数と称する。)、作動油の温度すなわち油温等の情報を出力する、プライマリシャフト回転速度センサ250、セカンダリシャフト回転速度センサ252、油温センサ254も設けられている。さらには、プライマリプーリ制御油圧およびセカンダリプーリ制御油圧をそれぞれ検出するプライマリ圧力センサ256およびセカンダリ圧力センサ258も設けられている。そして、これらの検出値を用いて、予め実験等により求められてROMに記憶されているマップ等に基づいて得られた、所要の変速比やベルト挟圧力を得るべく、上述の制御バルブ等が制御され、プライマリプーリ制御油圧およびセカンダリプーリ制御油圧が形成される。
さらに、ECU64には、各種の信号に基づいてエンジン10およびロックアップクラッチ134ならびにベルト式無段変速装置112の変速制御を行うためのデータも記憶されている。例えば、アクセルペダル40の踏み込み量および車速などのような走行状態に基づいて、ベルト式無段変速装置112の変速比を制御することにより、エンジン10の最適な運転状態を選択するためのデータや、アクセルペダル40の踏み込み量および車速をパラメータとするロックアップクラッチ制御マップがECU64に記憶されており、このロックアップクラッチ制御マップに基づいてロックアップクラッチが係合・解放・スリップの各状態に制御される。そして、ECU64に入力される各種の信号や、ECU64に記憶されているデータに基づいて、ECU64から作動信号が出力される。
なお、上記の如くエンジン10において燃料カットがされているときには、ロックアップクラッチは、スリップの状態にされている。これにより、いわゆるエンジンブレーキを用いて制動が行われると共に、車輪230からの回転トルクがエンジン10側に伝達されてエンジン回転数の著しい低下が防止される。
なお、ベルト式無段変速装置112への入力軸トルクは、マップにより、例えばスロットルバルブ44の開度とエンジン回転数とに基づきエンジントルクを求め、更にトルクコンバータ108の入出力軸回転数から速度比を計算し、該速度比によりマップにてトルク比を求め、エンジントルクに上記トルク比を乗じて求められる。なお、上述の出力軸回転数は、車速にほぼ比例する関係にある。
ところで、エンジン10では、排気通路46を流れる排気ガスは、通常の運転時、排気絞り弁50が全開にされていて、大気に放出されている。これに対して、所定条件を満たすとき、具体的には燃料カットがされている状態のとき、排気通路46を流れる流体を有効に活用することでエネルギの回収がなされるように設定されている。以下にそのエネルギの回収について詳細に説明する。
まず、エネルギの回収の概略を説明する。本実施形態では、エネルギを回収をするとき、排気通路46の圧力を高めるように、排気絞り弁50が閉弁されて排気通路46は閉じられる。そして、排気絞り弁50よりも上流側の排気通路46を流れる流体、すなわち燃料カットがされていることにより燃焼に用いられなかった空気をせき止めて、排気絞り弁50よりも上流側の排気通路44の圧力を高めて、その高められた圧力をエネルギとして回収することにしている。しかしながら、燃料カットをしているときは、上記の如くアクセルペダル40が踏み込まれていないので、概ねスロットルバルブ44の開度は小さく、例えばスロットルバルブ44が全閉にされている場合に対応する。これでは、排気通路46へ吸気通路32から空気が導かれることは難しく、排気絞り弁50よりも上流側の排気通路46の圧力が短時間で上昇するのが困難になりうる。そこで、排気絞り弁50が閉じられると共に、排気絞り弁50の上流側の排気通路46に空気を導入すべく、スロットルバルブ44が所定開度にまで開かれるように、スロットルアクチュエータ42を制御することにしている。さらに、排気絞り弁50よりも上流側の排気通路46に的確に且つ迅速に空気を導いてその圧力を短時間で高めるために、エンジン回転数を高めるようにしていて、それを実行すべく変速比制御手段が備えられている。本実施形態の変速比制御手段は、エネルギ回収の開始のとき、それまでの通常の制御によるそのときのエンジン回転数をエネルギ回収用に高くすべく、自動変速機の変速比を大きくする制御を行う。そして、このようにしてエンジン回転数を高めるが、エネルギ回収の終了の際に、通常の制御に戻して急激にエンジン回転数を下げてしまうと、例えばエンジン音が急激に変化して、運転者に大きな違和感を生じさせてしまう可能性がある。そこで、この違和感を低減すべく、変速比保持手段が設けられている。後述するように、本実施形態の変速比保持手段は、エネルギ回収の終了に際して、変速比を元に戻さないようにしている。以下に、このようなことを含めたエネルギ回収の流れの一例について、図3の制御フローチャートにしたがって、以下に詳細に説明する。ただし、図3の制御フローチャートは、およそ20ms毎に繰り返されるものである。
まず、ECU64は、ステップS301において、回収フラグがON、すなわち「1」であるか否かを判定する。ここで、回収フラグが「1」ということは、エネルギの回収が行われる所定条件を満たしている、あるいはエネルギ回収を行っている状態であることを表し、これに対してそれが「0」ということは、エネルギの回収が行われる所定条件を満たしていない、あるいはエネルギ回収が終了したことを表す。初期状態では同フラグはリセットされているためここでは否定される。
そして、ステップS303に進むと、保持フラグがOFF、すなわち「0」であるか否かを判定する。ここで、保持フラグが「0」ということは、後述の如く自動変速機である無段変速機112の変速比が保持されていない状態であることを表し、これに対してそれが「1」ということは、その変速比が保持されている状態であることを表す。初期状態では同フラグはリセットされているためここでは肯定されて、ステップS305へ進む。
ステップS305では、所定条件である、燃料カット中か否かが判定される。「燃料カット中」ということは、上述の如く、アクセルペダル40の踏み込み量が「0」であり、エンジン回転数が所定回転数以上のときに対応している。具体的には、燃料カット中か否かは、燃料噴射量が「0」とされているか否かで判定される。通常の運転時では、エンジン10により所定出力を生み出すべく、「0」より大きな燃料噴射量が上述の如く導かれて燃料噴射が行われているので、この場合には否定されて、該ルーチンは終了される。なお、ストップランプスイッチ86がONになっているか、あるいはこれをも含めて、ステップS305での判定が行われても良い。さらには、車速センサ88により車速を求めて、車速の変化により減速時であるか、あるいはこれをも含めて、ステップS305での判定が行われても良い。
一方、ステップS305において、燃料カット中と判断されると、ステップS307へ進み、蓄圧タンク58内の圧力(以下、タンク内圧と称しうる。)が、蓄圧タンク58に許容される圧力であって、所定圧力である予め決められてROMに記憶されている上限値と比較される。蓄圧タンク58の容量が十分であるときに、さらにエネルギ回収を行うことを防ぐためである。それゆえ、蓄圧タンク58内の圧力が上限値より高いと判断されると、否定されて、該ルーチンは終了される。そして、蓄圧タンク58内の圧力が上限値以下と判断されると、肯定されて、ステップS309へ進み、回収フラグが「1」にされる。
回収フラグが「1」にされたということは、上記の如く、エネルギの回収が行われる所定条件を満たしていることを表している。したがって、次のステップS311に至ったときは、エネルギ回収が開始されるときに相当する。そこで、本実施形態では、ステップS311で、このようなエネルギ回収の開始のとき、このときのエンジン回転数よりもエンジン回転数が所定量高くなるように、自動変速機の変速比を所定量大きくなるように変速比を変更制御することにしている。具体的には、まず、エンジン回転数を予めROMに記憶されている所定量分高くさせるように、現在のエンジン回転数にその所定量のエンジン回転数を加算して求められた目標となるエンジン回転数を求めて、それを実現させるべく、不図示のマップをそのエンジン回転数、車速等で検索して最適の変速比を求める。そして、この求められた変速比を実現すべく、油圧アクチュエータ182および190の油圧がそれぞれに制御されることになる。なお、このように変速比が大きくされることで、車速が大きく変化しないように、ロックアップクラッチ134等の状態が別途調整されることになる。なお、ロックアップクラッチ134等の状態の調整に関しては、予め実験により求めてROMに記憶されているマップ等に基づいて制御が行われることを記すにとどめて、詳細な説明は省略する。
次いで、本実施形態のステップS313では、この変速比を保持することが設定される。すなわち、変速比がこのときの変速比に保持、すなわち固定されることになる。そして、変速比が保持されたことを表すべく、ステップS315で上記保持フラグがON、すなわち「1」にされることになる。なお、ステップS311に至って変速比が確実に大きくされた後に、ステップS313でその切り替えられた変速比が保持されるように、変速制御から保持の間に十分な時間が確保されるのが好ましい。
なお、本実施形態では、ステップS311での変速比を大きな変速比に変更することが変速比制御手段により行われ、またステップS313で変速比を保持することが変速比保持手段により行われる。そして、このような変速比保持手段による変速比の保持は、後述するように所定の条件のもとでエネルギ回収が終了と判断されたときにも継続して行われる。すなわち、エネルギ回収の終了と判断されたときも、変速比保持手段により、自動変速機における変速比が保持されることになる。
次のルーチンでは、ステップS301で、回収フラグが「1」であるので肯定されて、ステップS317へ進み、アクセルペダルの踏み込み量が「0」であるか否かが判定される。すなわちアクセル開度が「0」であるか否かが判定される。この判定は、いわゆる強制復帰により、燃料カットが終了されるか否かを判別するために行われる。ここでは、燃料カットが継続して行われているので、肯定されて、ステップS319へ進む。
次いで、ステップS319では、エンジン回転数が燃料カット復帰回転数以上であるか否かが判定される。この判定は、いわゆる蛇行復帰により燃料カットが終了されたか否かを判別するために行われる。ここでは、同様に、燃料カットが継続して行われているので、肯定されて、ステップS321へ進む。
ステップS321では、上記ステップS307と同様に、蓄圧タンク58内の圧力が、上記上限値以下か否かが判定される。その結果、蓄圧タンク58内の圧力が上限値以下と判断されると、エネルギの回収を行うべく、ステップS323で、まず排気通路46内の圧力を高めるように空気を流すべく、アクセルペダル40の踏み込み量およびエンジン回転数に基づいて通常開度マップを検索することで規定される所定開度、ここでは全閉にされているスロットルバルブ44が、それよりも大きな所定開度に開かれるように回収開度が設定される。このスロットルバルブ44の回収開度は、所定開度であって、スロットルバルブ44を全閉と全開との間の一定の開度に規定する規定値である。そして、この回収開度になるようにスロットルアクチュエータ42へ作動信号が出力される。
それに伴い、ステップS325で排気絞り弁50が全閉にまで閉じられるように、アクチュエータ52へ作動信号が出力される。これにより、吸気通路32からの流体が燃焼室14など筒内へ流れ込み、その流れ込んだ空気がそのままピストン70の上下動で排気通路46に流されて、排気絞り弁50でそれがせき止められることになり、排気絞り弁50よりも上流側の排気通路46の圧力が上昇することになる。ただし、燃料噴射量が「0」であるので、排気通路46に至る流体は、排気絞り弁50を閉じた当初は排気ガスである可能性もあるが、概ね空気、すなわち新気である。なお、これは新気のみであることが望ましい。
さらに、このとき、上記の如く、ステップS311で変速比が切り替え変更されて、エンジン回転数が概ね所定量高くされているので、エンジン回転数の増大に応じて、単位時間当たりに筒内に吸入される空気量が増大する。したがって、排気通路46に筒内を経た空気が的確に且つ迅速に導かれることになり、排気絞り弁50よりも上流側の圧力を確実に高めることが可能になる。
ここで、排気通路46の圧力が高くなって、排気絞り弁50よりも上流側の排気通路46の圧力が蓄圧タンク58内の圧力を超えるようになると、エネルギとしての圧力が回収可能になる。そこで、この圧力の回収が可能であるかの判定を行うべく、ステップS327で、排気通路46の圧力が蓄圧タンク58内の圧力以上であるか否かが判定される。そして、排気絞り弁50を閉じた当初などは排気通路46の圧力が蓄圧タンク58内の圧力よりも低いので否定されて、ステップS329へ進み、制御弁54が閉じたままにされる。一方、排気通路46の圧力が蓄圧タンク58内の圧力以上の圧力に至るとステップS327で肯定されて、ステップS331へ進み、制御弁54が開かれることになる。これにより、排気絞り弁50よりも上流側の排気通路46の高められた圧力により、排気通路46のその部分の流体が回収通路57を介して蓄圧タンク58内へ流れることになり、その排気通路46の圧力が高まるにつれて、蓄圧タンク58内の圧力が高まることになる。すなわち、これにより蓄圧タンク58内の圧力が上昇して、蓄圧タンク58へエネルギとしての圧力が回収されることになる。これは、本実施形態では、アクセルペダル40が踏み込まれるまで(ステップS317で否定されるまで)、あるいはエンジン回転数が上記燃料カット復帰回転数を下回るまで(ステップS319で否定されるまで)、さらにあるいは蓄圧タンク58内の圧力がその上限値を超えるまで(ステップS321で否定されるまで)、行われることになる。
そして、ステップS317で、アクセルペダル40の踏み込み量が「0」でないとして否定されることになると、ステップS333へ進み、変速比の保持が解除されて、ステップS335で保持フラグが「0」にされることになる。これにより、変速比を変えることが可能になる。その結果、エンジン10の最適な運転状態を選択するべく、通常の運転用のマップに従って、変速比が求められて、この変速比に切り換える制御がなされることになる。
さらに、エネルギ回収を終了すべく、まず、ステップS337で、アクセルペダル40の踏み込み量に対応するスロットルバルブ44の開度にするように、回収開度の設定を解除して、通常開度マップを設定することが行われる。これにより、ECU64は、アクセルペダル40の踏み込み量およびエンジン回転数で通常開度マップを検索して、スロットルバルブ44の開度を求め、このスロットルバルブ44の開度を実現すべく、スロットルアクチュエータ42へ作動信号を出力することになる。そして、ステップS339で、蓄圧タンク58へのエネルギ回収を停止すべく、制御弁54が閉じられることになる。次いで、ステップS341では、排気絞り弁50が開かれるように、アクチュエータ52に作動信号が出力されることになり、ステップS343で回収フラグがOFF、すなわち「0」にされることになる。
一方、ステップS319で、エンジン回転数が燃料カット復帰回転数以上でなく、下回ったとして否定されると、上述の如くステップS337からステップS343でエネルギ回収が終了されることになる。あるいは、ステップS321で蓄圧タンク58内の圧力がその上限値以下でなく、超えたとして否定されると、同様にしてステップS337からステップS343でエネルギ回収が終了されることになる。
ステップS319やステップS321で否定されて、このようにエネルギ回収が終了されるときには、ステップS333やステップS335を経ないので、ステップS311で変更設定された変速比は保持されたままであり、保持フラグは「1」のままである。換言すると、エネルギ回収の終了と判断されたとき、自動変速機である無段変速機112における変速比が保持されることになる。このため、エネルギ回収が終了してもエンジン回転数か不意に大きく変化することは防止されるので、例えばエンジン回転数が急に下がってエンジン音が大幅に低下することは防止される。あるいは、このため、エンジンブレーキの急低減が生じることは防止される。したがって、エネルギ回収に際して、運転者の意思に基づかずに上記制御がなされても、運転者に生じる違和感を低減することが可能になる。
ところで、変速比は大きな変速比に設定されてエンジン回転数は高く設定されているが、エネルギ回収は終了されているので、エンジン10の最適な運転状態が選択されるように、変速比保持は解除された方が好ましい。一方では、変速比を可変に戻すに際して、運転者に違和感を生じさせない方が好ましい。そこで、以下の制御が継続して行われることになる。
回収フラグが「0」であり、且つ保持フラグが「1」であるので、ステップS301およびステップS303で共に否定されて、ステップS345へ進み、アクセルペダル40の踏み込み量が「0」であるか否かが判定される。そして、ここで否定されるとステップS347へ進み、変速比の保持が解除されることになり、ステップS349で保持フラグが「0」にされることになる。これは、アクセルペダル40が踏み込まれたときは、概ね運転者が自動変速機である無段変速機112における変速比の変化を許容しているときに対応しているからである。したがって、アクセルペダル40が踏み込まれたときに、無段変速機112の変速比の保持が解除されて、その変速比が変化することになってエンジン回転数が喩え大きく変化しても、運転者に違和感を生じさせることが低減可能になる。
一方、ステップS345で肯定されたときには、ステップS351へ進み、ロックアップクラッチ134が解放の状態になったか否かが判定される。そして、ここで肯定されるとステップS347へ進み、変速比の保持が解除されることになり、ステップS349で保持フラグが「0」にされることになる。これは、ロックアップクラッチが解放の状態となることで、エンジン10からの動力は車輪230に伝達されなくなるからである。したがって、無段変速機112の変速比の保持が解除されて、その変速比が変化することになっても、エンジン10から車輪230へ動力、すなわちトルクが伝達されず、車輪230に不意のトルク変動が及ぼされることなどは確実に防止されることになる。その結果、望ましくない振動等の発生は防止され、運転者に違和感を生じさせることが低減可能になる。
以上、本発明を上記実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、自動変速機を無段変速機としたが有段変速機としても良い。本発明の「自動変速機」には、あらゆるタイプの自動変速機が含まれる。
さらに、上記実施形態では、大きくされた変速比がエネルギ回収の開始から終了まで一定であることにしたが、例えば、エネルギ回収において、それまでの通常の制御に基づいて走行が継続して行われる場合のエンジン回転数よりも、エンジン回転数が高くされれば、変速比はエネルギ回収中に変動されても良い。具体的には、自動変速機が無段変速機である上記の場合には、通常の制御に基づいて走行が継続して行われるときのエンジン回転数を基準として、それよりもエンジン回転数が高くなるように、エンジン回転数の増加分、または変速比の増大分や増大率を予め決めておいて、エネルギ回収が行われているときの最初のみならず、最中あるいは最後においても変速比の切換変更制御がなされることを本発明は含むものである。また、自動変速機が有段変速機である場合には、通常の制御に基づいて走行が継続して行われる場合のエンジン回転数よりもエンジン回転数が高くなるように、車速に対する変速段を予め決めておいて、その変速段に切り換えることとしても良い。例えば、車速に応じて4速から3速に変速段が切り換えられる。
要するに、自動変速機の種類に関わらず、エネルギ回収を行っているときには、自動変速機の変速比の制御用に、通常用いる通常変速マップに代えて、エネルギ回収をしているときに用いる回収変速マップを設定して、自動変速機の変速比を大きくする制御がなされれば良い。ただし、エンジン回転数があまりにも急激に増大変化することが無いような、変速比が、この回収変速マップにより導出されるのが望ましい。なお、ここでの「通常変速マップ」とは、無段変速装置112などである自動変速機の変速比を制御するべく、エンジン10の最適な運転状態を選択するための変速比に関するデータをマップ化したものであり、これはエネルギ回収が行われていないときに設定されて用いられる。なお、上記実施形態における制御に当てはめると、この通常変速マップは、ステップS309でエネルギ回収が開始されるときから、ステップS343でエネルギ回収が終了されるときまでを除いて設定され、変速比保持が解除されているときに用いられる。また、ここでの「回収変速マップ」とは、エンジン10の最適な運転状態か否かに関わらず、エネルギ回収に適した高いエンジン回転数、すなわち上記したようなエンジン回転数が得られるための変速比に関するデータをマップ化したものであり、エネルギ回収を行っているときに設定されて用いられる。なお、上記実施形態における制御に当てはめると、この回収変速マップは、ステップS309でエネルギ回収が開始されるときから、ステップS343でエネルギ回収が終了されるときまで設定されて用いられる。ただし、この場合には、上記制御フローチャート(図3参照)におけるステップS313、ステップS333、およびステップS335はなく、ステップS319やステップS321で否定されて、エネルギ回収が終了される(ステップS337からステップS343)とき、好ましくはその直前にそのときの変速比の保持設定がなされることになる。そして、上記ステップS345で否定、あるいは上記ステップS351で肯定されたときにその変速比の保持設定が解除されて、通常変速マップを用いた制御に切り換えられることになる。
また、上記実施形態では、蓄圧タンク内の圧力が上限値を超えた、あるいはエンジン回転数が燃料カット復帰回転数を下回ったためにエネルギ回収を終了するとき、自動変速機における変速比を保持し、その後アクセルペダルが踏み込まれたときや、ロックアップクラッチが解放の状態にされたときに同時にその変速比の保持を解除する制御をすることとしたが、このような制御に限定されない。例えば、自動変速機が無段変速機である場合には、変速比の保持を解除するのではなく、エネルギ回収の終了の後、通常の制御に基づいて走行が継続して行われるときの変速比に徐々に戻すようにしても良い。徐々に戻すのであれば、運転者に違和感を生じさせるのが低減されるからである。
さらに、例えば、上記実施形態では、本発明を筒内噴射型式のエンジン10に適用して説明したが、これに限定されず、ポート噴射型式のエンジン、ディーゼルエンジン等の各種のエンジンに適用可能である。また、用いられる燃料は、ガソリンに限らず、アルコール燃料、液化天然ガス等でも良い。また、上記実施形態では、吸気絞り弁として、スロットルバルブ44を用いたが、それ以外であっても良い。例えば、吸気絞り弁は、スロットルバルブ44と並行に設けられ、それを迂回するように吸気通路32から分岐して、合流する通路を開閉するアイドル制御用のアイドル・スピード・コントロール・バルブ(ISCV)が備えられているエンジンでは、そのISCVであり得る。ただし、本発明では、吸気絞り弁は必ずしも設けられなくていなくても良い。さらに、排気絞り弁50は、上記ポペット式バルブに限定するものではなく、バタフライ式バルブ、シャッター式バルブ、軸を基準として弁体が回動して開閉するバルブ等、如何なるバルブであっても良い。そして、排気絞り弁50を作動させるアクチュエータ52は、空圧式のアクチュエータに限らず、油圧式あるいは電子制御式のアクチュエータであっても良い。さらに、制御弁54は、排気通路46の圧力が規定圧以上になったときに自動的に開弁する逆止弁であっても良い。
さらに、上記実施形態では、蓄圧タンク58を一つとしたが、複数有するようにしても良い。さらには、複数の蓄圧タンクをエンジンルーム、車体床下等に分割配置しても良い。なお、蓄圧タンク58には、新気である空気のみならず、排気ガスが一部流入する可能性もあるので、蓄圧タンク58は排気管48と同様に耐腐食性に優れる材料から作製されると良い。なお、回収管56や放出管62も同様に耐腐食性に優れる材料から作製されると良い。
なお、蓄圧タンク58内に回収されたエネルギとしての圧力は、ECU64からの作動信号により制御弁60が開弁されることによって利用される。その用途としては、図示しないが、ターボチャージャの初期駆動などがある。