JP6338332B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動変速機を有する車両に適用される内燃機関の制御装置に関する。
従来、所謂オートマチック車と称されるような自動変速機を備えてなる車両の発進時にシフトポジションが例えばDレンジやRレンジといった所謂走行レンジである場合であっても道路の急勾配の影響等で車両がDレンジであっても後進したり、Rレンジであっても前進したりする、換言すれば車両がシフトポジションに対し逆方向の走行が認められた可能性を関知して、クラッチの内燃機関と変速機との間に介在する液圧クラッチの液圧を初期圧とし、車軸から内燃機関のクランクシャフトへの動力伝達を断つ技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、通常の内燃機関から液圧クラッチたるトルクコンバータを介して自動変速機を備える車両において、シフトポジションに対し逆方向の走行が行われるとわずかな車速であってもエンジンストールを招来してしまうためである。
ところでドライバによっては、勾配が急な道路を下る際、確実な制動を実現すべく、敢えて進行方向とは逆方向へ走行するためのシフトポジションを選択する場合もある。シフトポジションによる進行方向へ働くクリープ現象を、道路を下る際の制動に利用するためである。つまりドライバの趣向により上記のような運転をすれば、エンジンストールを招来する可能性は常に包含される。そして車両がエンジンストールを来した場合には内燃機関が停止しているため吸気系の負圧を利用するブレーキブースタが作動しない。そのため、ブレーキペダルを踏み込んでもブレーキが十分に利かないといった不具合がエンジンストールに伴い発生する。すなわちこのような場合、ドライバは急勾配の坂道を下る際に不意にブレーキペダルによる制動が利かない事態に陥り、当該事態に対処しなければならない。そしてドライバは、例えばサイドブレーキを咄嗟に操作する等という煩わしい格別な運転操作を要求され、ドライバビリティは著しく阻害される。
しかしながら上記特許文献1の技術を実際に導入しようとすると、機械式のクラッチではなく、精密な液圧制御を実現できる電子制御式の液圧クラッチを搭載しなければならない。その結果、車両の構造や制御の複雑化を招来してしまう。
特開平8−177892号公報
本発明は、上述したような不具合に着目したものであり、運転中のエンジンストールを回避してドライバビリティを有効に向上させ得る内燃機関の制御装置を提供することを目的としている。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち本発明に係る内燃機関の制御装置は、自動変速機のシフトポジションが車両を前後何れかの方向へ走行させるための走行レンジであり、アクセルペダルが踏まれていない状態でエンジン回転数の降下及び吸気管内圧力の上昇が認められかつ車速センサの出力信号が所定の車速に達した旨を示した場合に、前記車両が前記シフトポジションに係る走行方向とは逆方向に走行し所定の車速に達したことを検知したとして内燃機関の回転数を上昇させる制御を行うことを特徴とする。
このようなものであれば、自動変速機を具備する車両の構成に拘わらず、シフトポジションに係る走行方向とは逆方向への走行である逆シフト状態での所定速度以上での走行をエンジンストールすることなく許容することができる。その結果、ドライバは自らの趣向に応じたシフトポジションの選択を安心して選択することができるため、ドライバにとってのドライバビリティが有効に向上される。すなわち本発明によれば、運転中のエンジンストールを回避してドライバビリティを有効に向上させ得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
本発明によれば、運転中のエンジンストールを回避してドライバビリティを有効に向上させ得る内燃機関の制御装置を提供することができる。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態における駆動系の構成を示す図。 同実施形態に係る模式的な説明図。 同実施形態に係るフローチャート。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両に搭載される内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。加えて、吸気通路3における、スロットルバルブ32の上流側と下流側とを短絡するバイパス流路35には、当該流路35の開度を調節することのできるアイドルスピードコントロールバルブ(ISCバルブ)36を設けてある。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
図2に、車両が備える駆動系の例を示す。この駆動系は、トルクコンバータ7及び自動変速機8、9を備えてなる。特に、本実施形態では、自動変速機8、9の構成要素として、遊星歯車機構を利用した前後進切換装置8、及び無段変速機の一種であるベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)9を採用している。
内燃機関が出力する回転トルクは、内燃機関のクランクシャフトからトルクコンバータ7の入力側のポンプインペラ71に入力され、出力側のタービンランナ72に伝達される。タービンランナ72の回転は、前後進切換装置8を介してCVT9の駆動軸94に伝わり、CVT9における変速を経て従動軸95を回転させる。従動軸95の回転は、出力ギア101に伝達される。出力ギア101は、デファレンシャル装置のリングギア102と噛合し、デファレンシャル装置を介して車軸103及び駆動輪(図示せず)を回転させる。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構を備える。ロックアップ機構は、この分野では既知のもので、トルクコンバータ7の入力側と出力側とを相対回動不能に締結するロックアップクラッチ73と、ロックアップクラッチ73を断接切換駆動するための作動液圧(油圧)を制御するロックアップソレノイドバルブ(図示せず)とを要素とする。ロックアップソレノイドバルブは、制御信号lを受けてその開度を変化させる流量制御バルブである。
CVT9を搭載した車両においては、車速が所定値(例えば、10km/h)以上である場合、ほぼ常時トルクコンバータ7をロックアップする。車速が所定値以下となれば、トルクコンバータ7のロックアップを解除する。ロックアップ時、ロックアップクラッチ73はトルクコンバータカバー74に押し付けられ、トルクコンバータカバー74と一体となって回転する。ロックアップ時、トルクコンバータ7の出力側回転数の入力側回転数に対する比である速度比は1となる。
翻って、非ロックアップ時には、ロックアップクラッチ73がトルクコンバータカバー74から離反する。非ロックアップ時、内燃機関のトルクはトルクコンバータカバー74からポンプインペラ71、タービン72へと伝わり、前後進切換装置8に伝達される。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の速度比は、駆動状態に応じて1よりも小さくなったり大きくなったりする。
前後進切換装置8は、そのサンギア81がタービンランナ72と連絡し、リングギア82が駆動軸94と連絡している。プラネタリギア831を支持するプラネタリキャリア83と変速機ケースとの間には、断接切換可能な液圧クラッチであるフォワードブレーキ84を介設している。また、プラネタリキャリア83とサンギア81(または、トルクコンバータ7の出力側)との間にも、断接切換可能な液圧クラッチであるリバースクラッチ85を介設している。
走行レンジのうちのDレンジでは、フォワードブレーキ84を締結し、リバースクラッチ85を切断する。これにより、トルクコンバータ7の出力軸の回転が逆転されかつ減速されて駆動軸94に伝達され、前進走行となる。翻って、Rレンジでは、リバースクラッチ85を締結し、フォワードブレーキ84を切断する。これにより、サンギア81とプラネタリキャリア83とが一体的に回転し、トルクコンバータ7の出力軸と駆動軸94とが直結して後進走行となる。フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85を断接切換駆動するための作動液圧を制御するソレノイドバルブ(図示せず)は、制御信号mを受けてその開度を変化させる流量制御バルブである。
非走行レンジであるNレンジ、Pレンジでは、フォワードブレーキ84及びリバースクラッチ85をともに切断する。
CVT9は、駆動プーリ91及び従動プーリ92と、両プーリ91、92に巻き掛けられたベルト93とを要素とする。駆動プーリ91は、駆動軸94に固定した固定シーブ911と、駆動軸91上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ912と、可動シーブ912の後背に配設された液圧サーボ913とを有しており、液圧サーボ913を操作し可動シーブ912を変位させることを通じて変速比を無段階に変更できる。並びに、従動プーリ92は、従動軸95に固設した固定シーブ921と、従動軸95上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ922と、可動シーブ922の後背に配設された液圧サーボ923とを有しており、液圧サーボ923を操作し可動シーブ922を変位させることを通じてトルク伝達に必要なベルト推力を与える。
走行レンジを操作するべくフォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85に供給される作動液(作動油)、また変速比を操作するべく液圧サーボ913、923に供給される作動液は、トルクコンバータ7に用いられる流体と共通である。
本実施形態の車両には、ブレーキブースタ(図示せず)が付帯している。ブレーキブースタは、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側の部位、より具体的にはサージタンク33から吸気負圧を導き入れ、その負圧を用いてブレーキペダルの踏力を倍力する、この分野では広く知られているものである。ブレーキブースタは、負圧を蓄える定圧室と、大気圧が加わる変圧室とを有し、定圧室が負圧管路を介してサージタンク33に接続している。負圧管路は、スロットルバルブ32の下流側の吸気負圧を定圧室へと導く。負圧管路上には、負圧を定圧室内に留め、定圧室に正圧が加わることを防止するためのチェックバルブを設けてある。
運転者によりブレーキペダルが操作されていないとき、定圧室と変圧室とが連通し、かつ変圧室が大気圧から隔絶される。ブレーキペダルが操作されると、定圧室と変圧室との間が遮断され、かつ変圧室に大気が導入される。結果、定圧室と変圧室との圧力差が、ブレーキペダルの踏力を倍力する制御圧力となる。ブレーキブースタにより増幅されたブレーキ踏力は、マスタシリンダ(図示せず)において所謂ブレーキマスタ圧と称される液圧力に変換され、液圧回路(図示せず)を介してブレーキキャリパやホイールシリンダといったブレーキ装置(図示せず)に伝達される。また本実施形態では、前記ブレーキマスタ圧と称される液圧力をリアルタイムに検出するための図示しないブレーキマスタ圧センサが設けられている。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及び回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気負圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、作動液の温度を検出する作動液温センサから出力される作動液温信号p、ブレーキスイッチから出力されるブレーキスイッチ信号r等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32及びアイドルスピードコントロールバルブ36に対して開度操作信号k、ロックアップソレノイドバルブに対して開度制御信号l、フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85の断接切換用のソレノイドバルブに対して開度制御信号m、CVT9に対して変速比制御信号n等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、p、rを入力インタフェースを介して取得し、回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それら回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、トルクコンバータ7のロックアップを行うか否か、自動変速機8、9の変速比といった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、m、nを出力インタフェースを介して印加する。
しかして本実施形態に係る内燃機関の制御装置であるECU0は、自動変速機8、9のシフトポジションが車両を前後何れかの方向へ走行させるための走行レンジであるDレンジ或いはRレンジであり、アクセルペダルが踏まれていない状態に係るアクセル開度信号cを受信し、前記車両がDレンジにある場合では後進、又は、前記車両がRレンジにある場合では前進し、所定の車速に達した旨の車速信号aを検知した時に、内燃機関の回転数を上昇させる制御を行うことを特徴とする。
ここで、本実施形態の車両に搭載されている車速センサから発せられる車速信号aは車両速度の絶対値のみを示すものである。そのため、当該車速信号aのみからではDレンジ或いはRレンジといった走行ポジションに対し、順方向へ走行しているのか逆方向へ走行しているのかが把握できない。
そこで本実施形態では、図3の如く通常のアイドル状態からの吸気管内圧力並びに回転数の挙動により、シフトポジションに対する車両の走行方向を把握するようにしている。同図について具体的に説明すると、本実施形態では予め適合等により、停車時のアイドル回転時及び当該アイドル回転時からアクセルペダルを踏み込まない発進時の回転数及び吸気管内圧力を車両の走行方向及びシフトポジションに関連づけてマップとして記憶させている。そしてそのマップに基づいて、発進時の走行方向がシフトポジションに対し順方向に走行しているか逆方向に走行している逆シフト状態かを判定するようにしている。すなわち本実施形態では、回転数と吸気管内圧力のマップから車速0の点に対して、停車時のアイドル回転時に比べて吸気管内圧力が高く、且つ回転数が低い領域を逆シフト状態の走行移動と判定するようにしている。つまりこのことは、スロットルバルブ32が閉じバイパス通路35からの一定吸気を行うアイドリング状態で、逆シフト走行により回転数が下がることで、1回転当たりの吸気量が負圧状態において上昇し吸気管内圧力が大気圧に近付くことをという原理を利用したものである。翻って同図に示すように、回転数と吸気管内圧力のマップから車速0の点に対して、吸気管内圧力が低く、回転数が高い領域を順シフト状態での走行移動、すなわちDレンジであればクリープ走行を含む前進、Rレンジであれば後進と判定する。
続いて、上述したようなシフトポジションに対する走行方向の判定を利用した本実施形態に係る制御の態様を図4のフローチャートを用いて説明する。
しかして本実施形態に係る車両の制御装置たるECU0は、図4に示すように、シフトポジションが車両を発進させるための走行レンジすなわち本実施形態ではDレンジ又はRレンジであり(ステップS1)、ドライバがアクセルペダルを踏んでいない旨のアクセル開度信号cを検知した場合であって(ステップS2)、回転数の降下と吸気管内圧力の上昇がクランク角信号b及び吸気温・吸気圧信号eを検知することにより認められた場合に(ステップS3)上述した逆シフト状態と判定し、車速がβを超えたときに(ステップS4)、回転数を上昇させる制御、すなわちISCバルブ36の開度を上昇させる(ステップS5)ようにしている。
すなわち、ドライバの趣向によっては、例えば急勾配の坂道が存在する環境において車両が坂道を登坂するためのシフトポジションであっても坂道の勾配を利用して坂道を下らせるという運転操作を選択する場合がある。つまり、坂道の勾配により通常の坂道を下るための順方向の走行レンジであればブレーキペダルを踏み込まない状態では速度が意図した速度以上となってしまうため、シフトポジションを車両前進時であればRレンジ、後進時であればDレンジといった、所謂逆シフト状態とすることでブレーキペダルを頻繁に踏まずともクリープ現象を利用して常に制動させながら坂道を下ろうとするものである。
しかしながら上述した操作により車両に坂道を下らせる場合本実施形態では、逆シフト状態で走行する車両の速度が例えば5km/h以上となった場合には内燃機関への負荷が過度に掛かることにより、エンジンストールを来してしまう。
具体的に説明すると、斯かる場合はアクセルペダルが踏まれない為、トルクコンバータ7は非ロックアップ状態となっている。このとき車軸103が逆方向に回転することにより起因する内燃機関のトルクとは逆方向の負荷がCVT9を経て前後進切換装置8に伝達し、さらに前後進切換装置8から作動液を介してタービン72、ポンプイペイラ71からトルクコンバータカバー74へと伝達される。そしてこのようにトルクコンバータ7からの負荷は内燃機関のクランクシャフトへと伝達される。このとき内燃機関はアクセルペダルが踏まれていないアイドル回転時であるため、前記負荷により、いわゆるエンジンストールが起こり得る。
そこで本実施形態では、ステップS1、S2、S3及びS4を経た上記の条件が揃った場合に、内燃機関の回転数を上昇させるべくISCバルブ36の開度を上昇させるという、ステップS5の制御を行うようにしている。
ここで上記ステップS3において、アクセルペダルが踏まれていないにも拘わらず車両が発進するということは勿論、ブレーキペダルが踏まれていないか、ブレーキマスタ圧がある一定の値よりも低い状態となっていることはいうまでもない。しかしながら本実施形態では上記ステップS2においてアクセル開度信号cに併せてブレーキペダルの踏み込みが無いことをブレーキスイッチ信号rにより判断したり、ブレーキマスタ圧が所定値以下である点をも加味してステップS3へ移行するか否かを判断したりする態様としても良い。
上記ステップS4においては一例として、本実施形態では通常エンジンストールを来してしまう速度である5km/hよりも遅い速度βを超えて車両が走行する状況により判断するものとしている。また所定の車速として設定しているβの値や5km/hという速度は車両の具体的な構造、仕様や運転状況により適宜変更しても良い。
上記ステップS5において本実施形態では内燃機関の回転数を上昇させる制御は、ISCバルブ36を制御、換言すれば開度を上げることにより行うようにしているが、ISCバルブ36の開度の上昇量は、そのときの冷却水温や車速に応じた量を適宜選定するようにしている。具体的には、冷却水温信号f及び作動液温信号pにより冷却水温や自動変速機8、9の作動液温が高いと判断されればメカロスが比較的小さい状態にあるとしてISCバルブ36の開き量を冷却水温や自動変速機8、9の作動液温が低い場合よりも小さくするようにしている。またISCバルブ36を制御する瞬間の車速が大きければ、よりISCバルブ36の開き量を大きくするようにしている。
加えて、内燃機関の回転数を増大させるための制御は他にも種々の制御を適用することができる。例えば点火時期を進角側に補正する制御も挙げられる。さらに本実施形態では、当該ISCバルブ36を開き側へ制御、換言すれば開度を上昇させる制御を実行するのに併せて、同じくクランクシャフトの回転を利用するエアコンディショナのスイッチをOFFとしたり、オルタネータによる発電量を低下させたりする等、内燃機関への負荷を低減させる制御を実行しても良い。
以上のような構成とすることにより、本実施形態では、トルクコンバータ7へ格別な制御を行うことなく、シフトポジションに係る走行方向とは逆方向への走行である逆シフト状態での所定速度β以上での走行をエンジンストールすることなく許容することを実現している。このことはトルクコンバータ7の仕様に拘わらず、換言すれば電子制御式のものを用いずに比較的構造がシンプルである機械式のトルクコンバータ7を用いても、エンジンストールの回避を実現せしめている。その結果、ドライバは自らの趣向に応じたシフトポジションの選択を安心して選択することができるため、ドライバにとってのドライバビリティが有効に向上されている。すなわち本実施形態によれば、運転中のエンジンストールを回避してドライバビリティを有効に向上させ得るECU0を実現している。
特に本実施形態では、図3に示すように、逆シフト状態での走行時に起こる回転数の降下と吸気管内圧力の上昇という挙動を検出することにより、他の格別な構成を何ら負荷することなく前記エンジンストールの回避を実現せしめている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、スロットルバルブの上流側と下流側とを短絡するバイパス流路を設けるとともに当該流路の開度を調節することのできるアイドルスピードコントロールバルブを設けた態様を開示したが、勿論、スロットルバルブを電子スロットルバルブとし、アクセルペダル踏み込み時のみならずアイドル回転時の吸気量の制御も併せて行わせるようにしたものであってもよい。また上記実施形態では、車速センサによる車速に加え、回転数と吸気管内圧力から車両の進行方向を検知する態様を開示したが勿論、前記車速センサに加え、車両の車輪の回転に応じて回転する回転部材たる車軸の回転速度及び回転方向を検出する車輪速センサを別途設けた態様としてもよい。燃料噴射量や点火時期等の具体的な制御の態様は上記実施形態のものに限定されることはなく、既存のものを含め、種々の態様のものを適用することができる。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は自動変速機を有する車両に適用される内燃機関の制御装置として利用することができる。
0…内燃機関の制御装置(ECU)
8、9…自動変速機
36…アイドルスピードコントロールバルブ(ISCバルブ)
a…車速信号
c…アクセル開度信号
k…開度操作信号
β…所定の車速

Claims (1)

  1. 自動変速機のシフトポジションが車両を前後何れかの方向へ走行させるための走行レンジであり、
    アクセルペダルが踏まれていない状態でエンジン回転数の降下及び吸気管内圧力の上昇が認められかつ車速センサの出力信号が所定の車速に達した旨を示した場合に、前記車両が前記シフトポジションに係る走行方向とは逆方向に走行し所定の車速に達したことを検知したとして内燃機関の回転数を上昇させる制御を行うことを特徴とする内燃機関の制御装置。
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