JP6168805B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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本発明は、内燃機関の吸気負圧を動力源として作動する負圧式ブレーキブースタを備えた車両を制御する車両の制御装置に関する。
従来より、燃費の向上を図るべく、車両が所定の燃料カット条件を満たす際に燃料カット制御を行うとともに、燃料カット制御中に所定のアイドルストップ条件が成立した場合には燃料カットからの復帰を行うことなくそのままアイドルストップを行うことが考えられている(例えば、特許文献1を参照)。
ところが、このような制御を行った場合、以下に述べるような不具合が発生し得る。すなわち、燃料カット制御中に燃料カットからの復帰を行うことなくそのままアイドルストップを行った場合、回転数が低下するのでアイドルストップ中は内燃機関の吸気通路に十分な負圧が発生せず、ブレーキブースタに負圧が十分蓄えられない。このとき、ブレーキブースタによるブレーキ操作力の倍力作用が減殺され、ドライバビリティの低下を招くことがある。
特開2000−337190号公報
本発明は以上の点に着目し、燃料カット制御中に所定のアイドルストップ条件が成立した場合には燃料カットからの復帰を行うことなくそのままアイドルストップを行い燃費の改善を図りつつ、ブレーキブースタの負圧を十分確保しドライバビリティの低下を招かないようにすることを目的とする。
以上の課題を解決すべく、本発明に係る車両の制御装置は、以下に述べるような構成を有する。すなわち本発明に係る車両の制御装置の一つは、内燃機関の吸気負圧を動力源として作動する負圧式ブレーキブースタを備えた車両を制御するものであって、燃料カット条件が成立した際に燃料カット制御を開始し、燃料カット制御中に所定のアイドルストップ条件が成立した場合には、燃料カットからの復帰を行うことなくアイドルストップを行うとともに、燃料カット制御中に所定のアイドルストップ条件が成立しなかった場合と比較してロックアップクラッチの開放を遅らせる制御を行い、ロックアップクラッチの開放を遅らせる制御の実行中にはブレーキブースタの負圧確保を実施する
このようなものであれば、燃料カットからの復帰を行うことなくアイドル停止制御を行うことにより燃費の向上を図りつつ、ロックアップクラッチの開放を遅らせることにより、ロックアップクラッチを開放するまでの間は車軸によりエンジンのピストンが駆動されるのでエンジン回転数はロックアップクラッチの開放を遅らせない場合と比較して高く、ロックアップクラッチを開放するまでの間にブレーキブースタの負圧を十分確保することができる。
また、本発明に係る車両の制御装置の他の一つは、内燃機関の吸気負圧を動力源として作動する負圧式ブレーキブースタを備えた車両を制御するとともに、ブレーキブースタの負圧が所定値を上回ることを含む所定のアイドル停止条件が全て成立した際にアイドル停止を行うものであって、車両が所定の運転条件にある際に燃料カット制御を行い、燃料カット制御中に前記アイドル停止条件のうち前記ブレーキブースタの負圧が所定値を上回ること以外全てが成立した場合には、燃料カットからの復帰を行うことなく、燃料カット制御中に前記アイドル停止条件のうち前記ブレーキブースタの負圧が所定値を上回ることを含む全てが成立した場合と比較してロックアップクラッチの開放を遅らせ、前記ブレーキブースタの負圧が所定値を上回った際にアイドル停止制御を行う。
このようなものであれば、前記ブレーキブースタの負圧が所定値を下回った場合でも燃料カットからの復帰を行わないので、燃料カットからの復帰を行うことなくアイドル停止制御を行う回数を増やすことができるとともに、ブレーキブースタの負圧が所定値を下回っている場合にはロックアップクラッチの開放を遅らせてブレークブースタの負圧を確保することができる。
本発明によれば、燃料カット制御中に所定のアイドル停止条件が成立した場合には燃料カットからの復帰を行うことなくそのままアイドル停止制御を行い燃費の改善を図りつつ、ブレーキブースタの負圧を十分確保しドライバビリティの低下を招かないようにすることができる。
本発明の第一実施形態における車両用内燃機関の全体構成を示す概略図。 同実施形態における駆動系の構成を示す概略図。 同実施形態の制御装置が実行する処理の手順例を示すフローチャート。 同実施形態に係る制御による作用を概略的に示すタイムチャート。 本発明の第二実施形態の制御装置が実行する処理の手順例を示すフローチャート。
本発明の第一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
図2に、車両が備える駆動系の例を示す。この駆動系は、トルクコンバータ7及び自動変速機8、9を備えてなる。特に、本実施形態では、自動変速機8、9の構成要素として、遊星歯車機構を利用した前後進切換装置8、及び無段変速機の一種であるベルト式CVT(Continuously Variable Transmission)9を採用している。
内燃機関が出力する回転駆動力は、内燃機関のクランクシャフトからトルクコンバータ7の入力側のポンプインペラ71に入力され、出力側のタービンランナ72に伝達される。タービンランナ72の回転は、前後進切換装置8を介してCVT9の駆動軸94に伝わり、CVT9における変速を経て従動軸95を回転させる。従動軸95の回転は、出力ギア101に伝達される。出力ギア101は、デファレンシャル装置のリングギア102と噛合し、デファレンシャル装置を介して車軸103及び駆動輪(図示せず)を回転させる。
トルクコンバータ7は、ロックアップ機構を備える。ロックアップ機構は、この分野では既知のもので、トルクコンバータ7の入力側と出力側とを相対回動不能に締結するロックアップクラッチ73と、ロックアップクラッチ73を断接切換駆動するための作動液圧(油圧)を制御するロックアップソレノイドバルブ(図示せず)とを要素とする。ロックアップソレノイドバルブは、制御信号lを受けてその開度を変化させる流量制御弁である。
原則として、車速がある程度以上高い状況下、例えば10km/h以上では、ほぼ常時トルクコンバータ7をロックアップする。そして、車速が10km/hよりも低くなったならば、トルクコンバータ7のロックアップを解除する。
ロックアップ時、ロックアップクラッチ73はトルクコンバータカバー74に押し付け
られ、トルクコンバータカバー74と一体となって回転する。ロックアップ時、トルクコンバータ7の入力側のドライブプレートに入力された機関のトルクは、トルクコンバータカバー74からロックアップクラッチ73を経由してトルクコンバータ7の出力側にある前後進切換装置8に直接伝達される。ロックアップ時、トルクコンバータ7の出力側回転数の入力側回転数に対する比である速度比は1となる。
非ロックアップ時には、ロックアップクラッチ73がトルクコンバータカバー74から離反する。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の入力側に入力された機関のトルクは、トルクコンバータカバー74からポンプインペラ71、タービン72へと伝わり、前後進切換装置8に伝達される。非ロックアップ時、トルクコンバータ7の速度比は、駆動状態に応じて1よりも小さくなったり大きくなったりする。
前後進切換装置8は、そのサンギア81がタービンランナ72と連絡し、リングギア82が駆動軸94と連絡している。プラネタリギア831を支持するプラネタリキャリア83と変速機ケースとの間には、断接切換可能な液圧クラッチたるフォワードブレーキ84を介設している。また、プラネタリキャリア83とサンギア81(または、トルクコンバータ7の出力側)との間にも、断接切換可能な液圧クラッチたるリバースクラッチ85を介設している。
走行レンジのうちのDレンジでは、フォワードブレーキ84を締結し、リバースクラッチ85を切断する。これにより、トルクコンバータ7の出力軸の回転が逆転されかつ減速されて駆動軸94に伝達され、前進走行となる。Rレンジでは、リバースクラッチ85を締結し、フォワードブレーキ84を切断する。これにより、サンギア81とプラネタリキャリア83とが一体的に回転し、トルクコンバータ7の出力軸と駆動軸94とが直結して後進走行となる。フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85断接切換駆動するための作動液圧を制御するソレノイドバルブ(図示せず)は、制御信号mを受けてその開度を変化させる流量制御弁である。
非走行レンジであるNレンジ、Pレンジでは、フォワードブレーキ84及びリバースクラッチ85をともに切断する。要するに、前後進切換装置8は、内燃機関と車軸103との間を接続し、並びに、内燃機関と車軸103との間を切断するためのクラッチとしての役割を担っている。
CVT9は、駆動プーリ91及び従動プーリ92と、両プーリ91、92に巻き掛けられたベルト93とを要素とする。駆動プーリ91は、駆動軸94に固定した固定シーブ911と、駆動軸91上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ912と、可動シーブ912の後背に配設された液圧サーボ913とを有しており、液圧サーボ913を操作し可動シーブ912を変位させることを通じて変速比を無段階に変更できる。並びに、従動プーリ92は、従動軸95に固設した固定シーブ921と、従動軸95上にローラスプラインを介して軸方向に変位可能に支持させた可動シーブ922と、可動シーブ922の後背に配設された液圧サーボ923とを有しており、液圧サーボ923を操作し可動シーブ922を変位させることを通じてトルク伝達に必要なベルト推力を与える。
走行レンジを操作するべくフォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85に供給される作動液(作動油)、また変速比を操作するべく液圧サーボ913、923に供給される作動液を吐出する液圧ポンプ(図示せず)は、内燃機関のクランクシャフトから回転駆動力の伝達を受けて稼働する、既知の機械式(非電動式)のものである。この作動液は、トルクコンバータ7に用いられる流体と共通である。
また、本実施形態の車両には、ブレーキブースタ5が付帯している。ブレーキブースタ5は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側の部位、より具体的にはサージタンク33から吸気負圧を導き入れ、その負圧を用いてブレーキペダルの踏力を倍力する、この分野では広く知られているものである。ブレーキブースタ5は、負圧を蓄える定圧室と、大気圧が加わる変圧室とを有し、定圧室が負圧管路51を介してサージタンク33に接続している。負圧管路51は、スロットルバルブ32の下流側の吸気負圧を定圧室へと導く。負圧管路51上には、負圧を定圧室内に留め、定圧室に正圧が加わることを防止するためのチェックバルブ52を設けてある。
運転者によりブレーキペダルが操作されていないとき、定圧室と変圧室とが連通し、かつ変圧室が大気圧から隔絶される。ブレーキペダルが操作されると、定圧室と変圧室との間が遮断され、かつ変圧室に大気が導入される。結果、定圧室と変圧室との圧力差が、ブレーキペダルの踏力を倍力する制御圧力となる。ブレーキブースタ5により増幅されたブレーキ踏力は、マスタシリンダ(図示せず)において液圧力に変換され、液圧回路(図示せず)を介してブレーキキャリパやホイールシリンダといったブレーキ装置(図示せず)に伝達される。
本実施形態の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及び機関の回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、シフトレバーのレンジを知得するためのセンサ(または、シフトポジションスイッチ)から出力されるシフトレンジ信号g、フットブレーキ装置に付設されているブレーキブースタ5内の負圧を検出するセンサから出力されるブレーキブースタ負圧信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、ロックアップクラッチ73の断接切換用のロックアップソレノイドバルブに対して開度制御信号l、フォワードブレーキ84またはリバースクラッチ85の断接切換用のソレノイドバルブに対して開度制御信号m、CVT9に対して変速比制御信号n等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、機関の回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それら機関回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、トルクコンバータ7のロックアップを行うか否か、クラッチ84、85の接続/切断、自動変速機8、9の変速比といった各種運転パラメータを決定する。運転パラメータの決定手法自体は、既知のものを採用することが可能である。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、m、nを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、車両への減速要求時に、インジェクタ11からの燃料噴射(及び、点火プラグ12による火花点火)を停止し、気筒1への燃料供給を中断する燃料カットを実行する。ECU0は、少なくとも、アクセルペダルの踏込量が0または0に近い閾値以下となり、かつ機関の回転数が燃料カット許可回転数以上あることを以て、燃料カット条件が成立したものと判断する。
燃料カットの最中に、所定の燃料カット終了条件が成立したときには、燃料カットを終了することとし、燃料噴射(及び、点火)を再開する。ECU0は、アクセルペダルの踏込量が閾値を上回った、機関の回転数が下限回転数(燃料カット復帰回転数)まで低下した等のうちの何れかを以て、燃料カット終了条件が成立したものと判断する。
並びに、本実施形態のECU0は、信号待ち等による車両の停車時に、内燃機関のアイドル回転を停止させるアイドルストップを実行する。ECU0は、車速が所定値、例えば13km/h以下で、ブレーキペダルが踏み込まれており、冷却水温及びバッテリ電圧が十分高く、ブレーキブースタ負圧が十分に確保されている等といった諸条件がおしなべて成立したことを以て、アイドルストップ条件が成立したものと判断する。
アイドルストップ条件の成立後、所定のアイドルストップ終了条件が成立したときには、内燃機関を再始動する。ECU0は、運転者がブレーキペダルから足を離した、逆にブレーキペダルがさらに強く踏み込まれた、アクセルペダルが踏み込まれた、アイドルストップ状態で所定時間(例えば、3分)が経過した等のうちの何れかを以て、アイドルストップ終了条件が成立したものと判断する。
車両の走行中に運転者がアクセルペダルから足を離し、車両が減速して停止する際には、まず燃料カット条件が成立して燃料カットが開始され、その後にアイドルストップ条件が成立してアイドルストップへと移行する。従前の制御では、車速が10km/h程度まで低下した時点で燃料カット終了条件が成立し、燃料噴射が一時再開される。しかる後、トルクコンバータ7のロックアップが解除され、車速が7km/h程度に低下することでアイドルストップ条件が成立して、再び燃料噴射が停止され、内燃機関の回転が停止する。最終的に、車両が停車するに至る。
本実施形態では、アイドルストップする機会を増やし、アイドルストップ期間を延長する目的で、アイドルストップ条件の一である車速の条件を従前よりも引き上げている。例えば、車速が13km/h以下であれば(ブレーキペダルの踏み込み操作やその他の条件の成立により)アイドルストップを容認する。これにより、燃料カット終了条件の成立前にアイドルストップ条件が成立するようになり、燃料噴射の再開を伴うことなく、燃料カット状態のままアイドルストップへと突入することとなる。
また、ECU0は、車両の現在の車速に応じて、CVT9の変速比を恒常的に制御している。CVT9の変速比は、CVT9がハードウェア的に実現し得るローギア側の限界とハイギア側の限界との間で、車速が低いほどローギア寄り(減速比の値が大きい)となり、逆に車速が高いほどハイギア寄り(減速比の値が小さい)となる。
燃料カットから燃料噴射を再開することなしにアイドルストップへと移行する場合、燃料カットとアイドルストップとの間に一時的な燃料噴射が発生する場合と比較して、内燃機関の回転がより高い車速域にて停止しようとする。
既に述べた通り、CVT9は、内燃機関に従動して回転する液圧ポンプが吐出する作動液の圧力を利用して可動シーブ912、922を駆動するものである。内燃機関の回転が停止した後は、液圧ポンプも稼働を停止するため、可動シーブ912、922を駆動してCVT9の変速比を操作することが困難となる。内燃機関の回転が高い車速域で停止してしまうことで、CVT9の変速比が目標である最もローギア側の限界の変速比まで変化できず、中途半端な変速比で車両が停車し、後の再発進時の加速性を悪化させるおそれがあ
る。
さらに、本実施形態の車両の駆動系は、副変速機構を持っていない。即ち、内燃機関の停止後に駆動系の変速比を変化させる他の手段は存在しない。
上述の問題を解消するべく、本実施形態のECU0は、燃料カット中、燃料カット終了条件の成立前にアイドルストップ条件が成立した場合において、即座にロックアップクラッチ73及び/またはフォワードブレーキ84を切断するのではなく、内燃機関の回転数がある回転数に低落するまでロックアップクラッチ73及びフォワードブレーキ84を締結したままとする。
これにより、アイドルストップ条件の成立後暫くの間、車軸103から内燃機関のクランクシャフトに回転駆動力が伝わり続ける状態となり、内燃機関及び液圧ポンプの回転が維持される。ひいては、アイドルストップ条件の成立後も、暫くの間は可動シーブ912、922を駆動してCVT9の変速比を操作でき、変速比を最もローギア側の限界に近づけることが可能となる。
ロックアップクラッチ73及びフォワードブレーキ84の接続は、内燃機関の回転数が、液圧ポンプからクラッチ73、84の接続を維持するのに必要な作動液圧を吐出できる限界近傍の回転数に低落した後、切断する。クラッチ73、84を切断することにより、車軸103からクランクシャフトに向けた回転駆動力の供給が失われ、内燃機関の回転が停止するに至る。
クラッチ73、84の切断は、ECU0から各ソレノイドバルブに対して制御信号l、mを入力することにより行ってもよいし、ECU0からクラッチ73、84を切断するための制御信号l、mを積極的に入力せず、液圧ポンプから供給される作動液圧が低下してクラッチ73、84の締結が自ずから解消されるのを待ってもよい。
しかして本実施形態では、ECU0のプロセッサは、以下に述べるようなロックアップ制御プログラムを実行する。すなわち、燃料カット中に前記アイドルストップ条件が成立しており、減速度が所定値を上回っている際には、燃料カットからの復帰を行うことなくアイドルストップを実行する。その上で、自動変速機のロックアップクラッチ73の開放タイミングを遅らせる制御を行う。
以下、プロセッサがこのロックアップ制御プログラムを実行することにより行われる制御の手順を、フローチャートである図3を参照しつつ以下に示す。
燃料カット条件が成立した際には(ステップS1)、燃料カット制御を開始し(ステップS2)、燃料カット制御が行われている間に所定のアイドルストップ条件が成立した際には(ステップS3)、直ちにアイドルストップを行う(ステップS4)。また、減速度が所定値以上である場合には(ステップS5)、トルクコンバータ7のロックアップクラッチ73を開放するための車速の閾値vthを第一の閾値v1(10km/h)から第二の閾値v2(7km/h)に低下させることによりトルクコンバータ7のロックアップクラッチ73の開放を遅らせる(ステップS6)。その後、車速vが前記第二の閾値v2に低下した時点で(ステップS7)ブレーキブースタ5の負圧Pが所定値P0を上回っているならば(ステップS8)、ロックアップクラッチ73を開放し(ステップS9)、アイドルストップを続行する。一方、車速が第二の閾値v2に低下した時点でブレーキブースタ5の負圧Pが所定値P0を下回っているならば、燃料カットを終了して内燃機関の運転を再開する(ステップS10)。また、減速度が所定値以上でない場合には(ステップS5)、トルクコンバータ7のロックアップクラッチ73を開放するための車速の閾値vthは第一の閾値v1(10km/h)のままにしておく(ステップS11)。
すなわち本実施形態によれば、減速時において、燃料カット制御が行われている間にアイドルストップ条件が成立しなかった場合は、車速が第一の閾値v1まで低下した時点でロックアップクラッチ73を開放するとともに、燃料カット終了条件が成立した時点で燃料カット制御を終了する。一方、燃料カット制御が行われている間に所定のアイドルストップ条件が成立した場合には、図4の実線に示すように、車速が第二の閾値v2に低下するまでロックアップクラッチ73は接続されたままであるので、同図の破線に示すような従来の制御を行った場合と比較して、エンジンの回転数は高く保たれブレーキブースタ5の負圧をより多く蓄えることができる。その一方で、燃料カット制御は第二の閾値v2に低下するまで続行されるので、同図に示すように、燃料噴射量の節約すなわち燃費の向上を図ることができる。
次いで、本発明の第二実施形態を、図面を参照して説明する。なお、前述した第一実施形態におけるものに対応する各部位には、同一の名称及び符号を付している。
本実施形態に係る車両用内燃機関及び駆動系は、第一実施形態に係るものと同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。以下、第一実施形態との相違点についてのみ述べる。
本実施形態では、ECU0のプロセッサは、以下に述べるようなロックアップ制御プログラムを実行する。すなわち、燃料カット中に前記アイドル停止条件のうち前記ブレーキブースタ5の負圧が所定値を上回ること以外全てが成立し、かつ減速度が所定値を上回っている場合には、燃料カットからの復帰を行うことなく自動変速機のロックアップクラッチ73の開放タイミングを遅らせる制御を行う。その上で、前記ブレーキブースタ5の負圧が所定値を上回った際にアイドル停止制御を行う。
以下、プロセッサがこのロックアップ制御プログラムを実行することにより行われる制御の手順を、フローチャートである図5を参照しつつ以下に示す。
燃料カット条件が成立した際には(ステップS21)、燃料カット制御を開始し(ステップS22)、燃料カット制御が行われている間に所定のアイドルストップ条件が前記ブレーキブースタ5の負圧Pが所定値P0を上回ることを含めて全て成立した場合には(ステップS23)、トルクコンバータ7のロックアップクラッチ73を開放するための車速の閾値vは第一の閾値v1(10km/h)のままとし(ステップS24)、アイドルストップを実行する(ステップS25)。一方、燃料カット制御が行われている間に所定のアイドルストップ条件が前記ブレーキブースタ5の負圧Pが所定値P0を上回ること以外全て成立した場合で(ステップS26)、減速度が所定値以上である場合には(ステップS27)、トルクコンバータ7のロックアップクラッチ73を開放するための車速の閾値vthを第一の閾値v1(10km/h)から第二の閾値v2(7km/h)に低下させることによりトルクコンバータ7のロックアップクラッチ73の開放を遅らせる(ステップS28)。その後、車速vが第二の閾値v2に低下した時点で(ステップS29)ブレーキブースタ5の負圧Pが所定値P0を上回っている際には(ステップS30)、アイドルストップ条件が全て成立したこととなるので、燃料の供給を中断したままアイドルストップを実行する(ステップS31)。一方、ブレーキブースタ5の負圧Pが所定値P0を上回っていない場合は(ステップS30)、燃料カット制御を終了し(ステップS32)、内燃機関の運転を再開する。そして、燃料カット制御が行われている間に所定のアイドルストップ条件が前記ブレーキブースタ5の負圧Pが所定値P0を上回ること以外全て成立した場合で(ステップS26)、減速度が所定値以上でない場合には(ステップS27)、トルクコンバータ7のロックアップクラッチ73を開放するための車速の閾値vを第一の閾値v1のままとしておく(ステップS32)。
すなわち本実施形態によれば、減速時において、燃料カット制御が行われている間にアイドルストップ条件が前記ブレーキブースタ5の負圧Pが所定値P0を上回ること以外全て成立した場合にはトルクコンバータ7のロックアップクラッチ73を開放するための車速の閾値vを第二の閾値v2に引き下げてロックアップクラッチ73の開放を遅らせることによりブレーキブースタ5の負圧をより多く蓄えることができる。一方、燃料カット制御が行われている間にアイドルストップ条件が前記ブレーキブースタ5の負圧Pが所定値P0を上回ることも含めて全て成立した場合には、トルクコンバータ7のロックアップクラッチ73を開放するための車速の閾値vを第一の閾値v1のままとすることで惰性で走行する距離を長くし、より一層の燃費の向上を図ることができる。
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限らない。
例えば、燃料カット条件や、自動変速機のロックアップクラッチの開放を遅らせる幅等は、任意に設定してよい。
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
0…制御装置(ECU)
5…ブレーキブースタ
7…トルクコンバータ
73…ロックアップクラッチ
a…車速信号
d…ブレーキ踏量信号
f…冷却水温信号
h…ブレーキブースタ負圧信号
l…開度制御信号

Claims (2)

  1. 内燃機関の吸気負圧を動力源として作動する負圧式ブレーキブースタを備えた車両を制御する制御装置であって、
    燃料カット条件が成立した際に燃料カット制御を開始し、
    燃料カット制御中に所定のアイドルストップ条件が成立した場合には、燃料カットからの復帰を行うことなくアイドルストップを行うとともに、燃料カット制御中に所定のアイドルストップ条件が成立しなかった場合と比較してロックアップクラッチの開放を遅らせる制御を行い、ロックアップクラッチの開放を遅らせる制御の実行中にはブレーキブースタの負圧確保を実施する車両の制御装置。
  2. 内燃機関の吸気負圧を動力源として作動する負圧式ブレーキブースタを備えた車両を制御するとともに、ブレーキブースタの負圧が所定値を上回ることを含む所定のアイドルストップ条件が全て成立した際にアイドルストップを行う制御装置であって、
    燃料カット条件が成立した際に燃料カット制御を開始し、
    燃料カット制御中に前記アイドル停止条件のうち前記ブレーキブースタの負圧が所定値を上回ること以外全てが成立した場合には、燃料カットからの復帰を行うことなく、燃料カット制御中に前記アイドル停止条件のうち前記ブレーキブースタの負圧が所定値を上回ることを含む全てが成立した場合と比較してロックアップクラッチの開放を遅らせ、前記ブレーキブースタの負圧が所定値を上回った際にアイドル停止制御を行う車両の制御装置。
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