JP7312058B2 - 測定治具と水圧分布の測定方法 - Google Patents
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本発明は、切削水ノズルから切削水を噴出させて、回転する切削ブレードを用いて基台に装着されたチャックテーブルに保持されている被加工物を切削する切削装置において、該チャックテーブルの代わりに該基台に装着され、該切削水ノズルから噴出された該切削水が該被加工物の上面に当たった際の水圧を測定する測定治具であって、該切削装置は、該基台の内部における中央に、該振動検知部を備えており、該基台に装着される下台と、該下台の中心から立設される伝達針と、該基台の上面に装着され、該下台を囲繞する側部と、該伝達針の先端を露出させる開口を有し、該側部との間に防振材を介在させ該基台の上面に平行に配設される上板と、を備え、該切削水ノズルから噴出される該切削水が当たって振動する該伝達針の振幅を該振動検知部において測定する、測定治具である。
本発明は、上記の測定治具を用いて、切削ブレードが被加工物を切削する加工点の周囲における切削水ノズルから噴出された切削水の水圧分布を測定する水圧分布の測定方法であって、該チャックテーブルが取り外された該基台に該測定治具を装着する治具装着工程と、該切削水ノズルから噴出された切削水が該伝達針の先端に当たり該振動検知部が検知した振幅と、該チャックテーブルの上面のXY座標と、を対応付けて記憶部に記憶させる記憶工程と、該切削水ノズルと該伝達針とを水平方向に相対的に所定のピッチで移動させる位置変更工程と、該記憶工程と該位置変更工程とを繰り返して、該振動検知部が検知した振幅と、XY座標とからXY座標毎の水圧分布を描く水圧分布形成工程と、を備える水圧分布の測定方法である。
また、本測定治具は、チャックテーブルの代わりに切削装置の基台に装着するだけで切削水の水圧を測定することができるため、上記測定方法の実施に好適である。
図1に示す切削装置1は、チャックテーブル2の上面20aに保持された被加工物Wを、第1切削手段3aと第2切削手段3bとを用いて切削加工する切削装置である。例えば、被加工物Wは、円板形状の半導体ウェーハ等である。被加工物Wの上面Waには、交差する複数の分割予定ラインSが形成されており、分割予定ラインSにより区画された各領域にはデバイスチップCが配設されている。以下、切削装置1について説明する。
ベース10の上には、チャックテーブル2をX軸方向に移動させるX軸移動手段7が配設されている。X軸移動手段7は、X軸方向の回転軸75を有するボールネジ70と、回転軸75を軸にしてボールネジ70を回転させるX軸モータ72と、ボールネジ70に平行に配設された一対のガイドレール71と、底部のナットがボールネジ70に螺合してガイドレール71に沿ってX軸方向に移動可能な可動板73と、を備えている。
可動板73の上には、円筒形状を有するケーシング26が配設されており、ケーシング26の内部には、例えば図示しない回転手段等が配設されている。図1においては、ケーシング26の上方にチャックテーブル2が配設されている状態が示されている。
X軸モータ72を用いてボールネジ70を駆動して、回転軸75を軸にしてボールネジ70を回転させることによって、可動板73がガイドレール71に案内されながらX軸方向に移動するとともに、可動板73に支持されているチャックテーブル2がX軸方向に移動することとなる。また、チャックテーブル2は、図示しない回転手段等により回転可能である。
移動基台43には、第1切削手段3aをZ軸方向に移動させる第1Z軸移動手段5aが配設されており、移動基台43は、第1Z軸移動手段5aを介して、第1切削手段3aを支持している。
Y軸モータ42を用いてボールネジ40を駆動して、回転軸45を軸にしてボールネジ40を回転させることにより、移動基台43がガイドレール41に案内されながらY軸方向に移動するとともに、第1Z軸移動手段5a及び第1切削手段3aがY軸方向に移動することとなる。
第2Y軸移動手段4bは、第1Y軸移動手段4aと同様の構成を有しており、共通の符号を付してその説明を省略する。
Z軸モータ52を用いてボールネジ50を駆動すると、回転軸55を軸にしてボールネジ50が回転する。これに伴って、ガイドレール51に案内されながら昇降板53がZ軸方向に移動するとともに、第1切削手段3aがZ軸方向に昇降移動することとなる。
第2Z軸移動手段5bは、第1Z軸移動手段5aと同様の構成を有しており、共通の符号を付してその説明を省略する。
例えば、ハウジング36の内部に収容されている図示しないモータ等により駆動されて回転している状態の切り刃301を被加工物Wに切り込ませることによって、被加工物Wを切削加工することができる。
第2切削手段3bは、第1切削手段3aと同様に構成されており、共通の符号を付してその説明を省略する。
切削水ノズル32の上部には、図示しない水源に接続された切削水ホース320が連結されている。切削水ノズル32の下端には、切削水を噴出する切削水噴出口321が形成されている。切削水噴出口321には、切削水の噴射方向を調整する方向調整部材322が取り付けられている。
切削水ホース320を通じて該水源から切削水ノズル32に供給された切削水は、方向調整部材322によってその噴射方向が調整されて、切削水噴出口321から切削ブレード30に向けて噴出されることとなる。
冷却水ノズル33の上部には、図示しない水源に接続された冷却水ホース330が連結されている。
図2に示す冷却水ノズル33における切削ブレード30の表面301aに対面している部分(図示しない紙面奥側の冷却水ノズル33においては、切削ブレード30の裏面301bに対面している部分)には、複数の冷却水噴出口331が形成されている。冷却水ホース330を通じて該水源から供給された冷却水は、冷却水ノズル33の冷却水噴出口331から切削ブレード30の表面301a(及び裏面301b)に向けて噴出されることとなる。
例えば、被加工物Wがチャックテーブルの上面20aに載置された状態で、吸引源23が吸引力を発揮すると、生み出された吸引力が吸引路24を通じて上面20aに伝達されて、被加工物Wの下面Wbが吸引される。これにより、被加工物Wをチャックテーブル2の上面20aに吸引保持することができる。
制御手段9は、例えば位置変更手段90を備えている。位置変更手段90は、X軸移動手段7、及び第1Y軸移動手段4a、並びに第2Y軸移動手段4bを制御する機能を有する。位置変更手段90を用いて第1Y軸移動手段4a及び第2Y軸移動手段4bを制御することにより、第1切削手段3a及び第2切削手段3bにそれぞれ備える切削水ノズル32をY軸方向に移動させることができる。また、位置変更手段90を用いてX軸移動手段7を制御することによって、基台22をX軸方向に移動させることができる。
さらに、制御手段9は、メモリ等の記憶素子からなる記憶部91を備えている。
そして、図3に示すように、第1Z軸移動手段5a及び第2Z軸移動手段5bを用いて第1切削手段3aを-Z方向に移動させて、回転する各々の切削ブレード30の切り刃301を被加工物Wの分割予定ラインSに当接させるとともに、X軸移動手段7を用いてチャックテーブル2に保持されている被加工物WをX軸方向に移動させる。これにより、被加工物Wと切削ブレード30とがX軸方向に相対移動して、分割予定ラインSに沿って被加工物Wが切削される。
1つの分割予定ラインSの切削を行った後、例えば、隣り合う分割予定ラインSの間隔の分だけ第1Y軸移動手段4a及び第2Y軸移動手段4bを用いて第1切削手段3a及び第2切削手段3bをY軸方向に移動させて、同様に分割予定ラインSに対して切削ブレード30を切り込ませることにより、隣り合う分割予定ラインSを切削加工することができる。
このようにして、被加工物Wに形成されている同一方向の分割予定ラインSを全て切削した後に、例えば、図示しない回転手段等を用いてチャックテーブル2を例えば90度回転させてから、同様に切削加工を行うことによって、被加工物Wの全ての分割予定ラインSに対して切削加工を行うことができる。
(第1実施形態)
図4においては、基台22の上面22aの上に、チャックテーブル2の代わりに、第1測定治具8が装着されている。
第1測定治具8は、切削水ノズル32から噴出された切削水が被加工物Wの上面Waに当たった際の被加工物Wの上面Waにかかる水圧を測定する測定治具である。
振動検知部82の上には伝達針83が立設されている。
図5に示す第2測定治具8Aにおいては、基台22の内部に振動検知部82Aが配設されている。基台22の上面22aの略中央には、第1下台88Aが装着されており、第1下台88Aの中心には伝達針83Aが立設されている。
また、基台22の上面22aの外周には、第1下台88Aを囲繞する円環形状の側部81Aが装着されている。
第1下台88A及び側部81Aが基台22の上面22aに装着されている状態で、吸引源23が吸引力を発揮することによって、生み出された吸引力が吸引路24を通じて基台22の上面22aに伝達される。これにより、第1下台88A及び側部81Aを基台22の上面22aに固定することができる。
側部81Aの上には、上板84Aが、第1防振材841Aを介して、基台22の上面22aに対して平行に配設されている。上板84Aは第1開口840Aを有しており、第1開口840Aから伝達針83Aの先端が露出している。上板84Aと側部81Aとの間に介在している第1防振材841Aは、例えばスポンジ等であり、切削水の噴出等により上板84Aに生じた振動が側部81Aに伝達されるのを防ぐ機能を有している。
上記の第1測定治具8(図4参照)や第2測定治具8A(図5及び図6参照)を用いて、切削水ノズル32から噴出されて被加工物Wの上面Waに当たる切削水の水圧分布の測定を行うことができる。以下、水圧分布の測定方法について説明する。
まず、図4に示すように、チャックテーブル2が取り外されている状態の基台22の上面22aに第1測定治具8を装着する。そして、吸引源23を作動させて吸引源23に吸引力を発揮させることにより、生み出された吸引力が吸引路24を通じて、基台22の上面22aに伝達される。これにより、第1測定治具8の下台80の装着面80bが基台22の上面22aに吸引されて、第1測定治具8が基台22の上に固定される。
(記憶工程)
いま、基台22に装着された第1測定治具8と切削ブレード30とは、例えば、図7(a)に示すように、伝達針83の真上に加工点Dが位置付けられた位置関係となっており、切削ブレード30の加工点Dと伝達針83の先端とが水平方向(XY方向)において一致しているものとする。図7(a)においては、切削ブレード30の下端である加工点Dと伝達針83の先端とが水平方向において一致するXY座標を原点(X,Y)=(0,0)とする。このXY座標は、例えば、X軸移動手段7及び第1Y軸移動手段4a又は第2Y軸移動手段4bが認識する制御上の座標である。
切削ブレード30の加工点Dと伝達針83の先端とが水平方向において一致している状態で、第1切削手段3aに備える切削水ノズル32から切削水を噴出する。切削水ノズル32から噴出する切削水の流量は、例えば、1.0L/minとする。切削水ノズル32から噴出された切削水が伝達針83の先端に当たると伝達針83が振動して、伝達針83の振動の振幅が振動検知部82により検知される。
図7(b)においては、例えば、チャックテーブル2の上面20aに、被加工物Wが、互いの中心が一致するように保持されて、さらに、被加工物Wの上面Waの中心に向けて切削水が噴出されるように切削水ノズル32が位置付けられている状態が想定されている。
検知された伝達針83の振動の振幅と、チャックテーブル2の上面20aのXY座標とを対応付けて記憶部91に記憶する際、具体的には、例えば図7(b)に示すように、加工点Dの水平位置をチャックテーブル2の上面20aの中心(X,Y)=(0,0)とみなして、チャックテーブル2の上面20aの中心(0,0)と、検知された伝達針83の振動の振幅と、を対応付けて記憶部91に記憶する。
次いで、切削水ノズル32と伝達針83とを相対的に所定のピッチ(間隔)だけ、X軸方向及びY軸方向に移動させる。切削水ノズル32と伝達針83とを相対的にX軸方向及びY軸方向に移動させる際には、位置変更手段90を用いて、例えば図1に示した第1Y軸移動手段4aを制御して、第1切削手段3aに備える切削水ノズル32をY軸方向に移動させるとともに、位置変更手段90を用いて、X軸移動手段7を制御して基台22をX軸方向に移動させて、基台22の上に配設されている第1測定治具8の伝達針83をX軸方向に移動させる。
また、第1切削手段3aに備える切削ブレード30や切削水ノズル32にかえて、第2切削手段3bに備える切削水ノズル32を用いて水圧分布の測定を行うこともできる。かかる場合においても、同様に、得られた水圧分布に基づいてブレードカバー31の形状の変更や切削水ノズル32の噴出方向の変更等の調整を行って、切削ブレード30の左右に均等に切削水を供給することができる。
14:架設部 2:チャックテーブル 20:吸引部 20a:上面 21:枠体
22:基台 22a:基台の上面 23:吸引源
24:吸引路 26:ケーシング 27:クランプ
3a:第1切削手段 3b:第2切削手段 30:切削ブレード 300:フランジ
301:切り刃 表面:301a 301b:裏面
31:ブレードカバー 32:切削水ノズル 320:切削水ホース
321:切削水噴出口 322:方向調整部材
33:冷却水ノズル 330:冷却水ホース 331:冷却水噴出口
34:アライメント手段 36:ハウジング
4a:第1Y軸移動手段 4b:第2Y軸移動手段 40:ボールネジ
41:ガイドレール 42:Y軸モータ 43:移動基台 45:回転軸
5a:第1Z軸移動手段 5b:第2Z軸移動手段 50:ボールネジ
51:ガイドレール 52:Z軸モータ 53:昇降板 55:回転軸
7:X軸移動手段 70:ボールネジ 71:ガイドレール 72:X軸モータ
73:可動板 75:回転軸
8:第1測定治具 80:下台 80a:上面 80b:装着面 81:側部
82:振動検知部 83:伝達針 84:上板 840:開口 841:防振材
8A:第2測定治具 81A:側部 82A:振動検知部
83A:伝達針 84A:上板 840A:開口 841A:第1防振材
88A:第1下台 88B:第2下台 880B:第2開口 881B:第2防振材
9:制御手段 90:位置変更手段 91:記憶部
W:被加工物 Wa:被加工物の上面 Wb:被加工物の下面
S:分割予定ライン C:デバイスチップ D:加工点 F:フレーム
Claims (3)
- 切削水ノズルから切削水を噴出させて、回転する切削ブレードを用いて基台に装着されたチャックテーブルに保持されている被加工物を切削する切削装置において、該チャックテーブルの代わりに該基台に装着され、該切削水ノズルから噴出された該切削水が該被加工物の上面に当たった際の水圧を測定する測定治具であって、
該基台に装着される装着面を有する下台と、
該下台の上面から立設する側部と、
該下台の中央に配設される振動検知部と、
該振動検知部から立設する伝達針と、
該伝達針の先端を露出させる開口を有し、該側部との間に防振材を介在させ該下台に平行に配置される上板と、を備え、
該切削水ノズルから噴出される該切削水が当たって振動する該伝達針の振幅を該振動検知部において測定する、
測定治具。 - 切削水ノズルから切削水を噴出させて、回転する切削ブレードを用いて基台に装着されたチャックテーブルに保持されている被加工物を切削する切削装置において、該チャックテーブルの代わりに該基台に装着され、該切削水ノズルから噴出された該切削水が該被加工物の上面に当たった際の水圧を測定する測定治具であって、
該切削装置は、該基台の内部における中央に、該振動検知部を備えており、
該基台に装着される下台と、
該下台の中心から立設される伝達針と、
該基台の上面に装着され、該下台を囲繞する側部と、
該伝達針の先端を露出させる開口を有し、該側部との間に防振材を介在させ該基台の上面に平行に配設される上板と、を備え、
該切削水ノズルから噴出される該切削水が当たって振動する該伝達針の振幅を該振動検知部において測定する、測定治具。 - 請求項1または請求項2記載の測定治具を用いて、切削ブレードが被加工物を切削する加工点の周囲における切削水ノズルから噴出された切削水の水圧分布を測定する水圧分布の測定方法であって、
該チャックテーブルが取り外された該基台に該測定治具を装着する治具装着工程と、
該切削水ノズルから噴出された切削水が該伝達針の先端に当たり該振動検知部が検知した振幅と、該チャックテーブルの上面のXY座標と、を対応付けて記憶部に記憶させる記憶工程と、
該切削水ノズルと該伝達針とを水平方向に相対的に所定のピッチで移動させる位置変更工程と、
該記憶工程と該位置変更工程とを繰り返して、該振動検知部が検知した振幅と、XY座標とからXY座標毎の水圧分布を描く水圧分布形成工程と、を備える水圧分布の測定方法。
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