JP5011845B2 - 熱伝導基板の製造方法及びこれによって製造した熱伝導基板 - Google Patents

熱伝導基板の製造方法及びこれによって製造した熱伝導基板 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器の大電力回路等に使用される熱伝導基板の製造方法及びこれによって製造した熱伝導基板に関するものである。
近年、電子機器の高性能化、小型化の要求に伴い、半導体等の電子部品の高密度化、高機能化が要求されている。この動きに対応するために、各種電子部品を実装する回路基板もまた小型・高密度化が求められている。その結果、高密度実装されたパワー半導体等の発熱をいかに放熱するかが重要な課題となっている。このような放熱性を改良する回路基板(高放熱性基板)が、特許文献1に開示されている。
以下、図面を用いて、従来の熱伝導基板の製造方法を説明する。図11(A)、(B)は従来の熱伝導基板の構造を示す斜視図と断面図である。図11(A)において、リードフレーム1は、熱伝導樹脂2に埋め込まれた状態で、金属板3の上に固定されている。ここで熱伝導樹脂2は、例えばシート状に形成されたものであり、熱硬化性樹脂と熱伝導性フィラーとを混合して構成されている。そしてリードフレーム1は、回路パターン状に形成されている。なお図11(A)において、リードフレーム1の一部は、「パターン省略」として図示していない。
図11(B)は、図11(A)の任意部分の断面図である。図11(B)に示すように、シート状に形成された熱伝導樹脂2を介して、放熱用の金属板3と、リードフレーム1とは一体化されている。そして、前記リードフレーム1の表面に、最終的に電子部品(図示していない)を実装する。図11(B)におけるボイド5は、熱伝導樹脂2の内部や、熱伝導樹脂2の表面、あるいはリードフレーム1と熱伝導樹脂2の界面に発生した空気の泡(あるいは空気残り)であり、ボイド5は熱伝導基板の放熱性や熱伝導性に影響を与える場合がある。
次に図12(A)、(B)、図13(A)、(B)を用いて、熱伝導基板の製造方法を説明する。図12(A)、(B)は、リードフレームに、汚れ防止フィルムを貼り付ける様子を示す断面図である。図12(A)において、リードフレーム1は、回路パターンに成形したものである。そしてリードフレーム1の一面側に、汚れ防止フィルム6をセットし、図12(B)に示すように、貼り付ける。
図13(A)、(B)は、リードフレーム1と金属板3を、熱伝導樹脂2を用いて一体化する様子を示す断面図である。まず図13(A)に示すように、汚れ防止フィルム6を貼り付けられたリードフレーム1の下に、熱伝導樹脂2と、金属板3と、をセットする。そして矢印7に示すように、金型(図示していない)を用いて、これらをプレスする。図13(B)は、プレス途中の断面図であり、リードフレーム1は、熱伝導樹脂2に埋め込まれている。図13(B)におけるボイド5は、プレス工程において、熱伝導樹脂2に巻き込まれた(あるいは発生した、あるいは逃げ切れなかった)空気に相当する。
次に汚れ防止フィルム6の効果について説明する。図12(A)、(B)、図13(A)、(B)において、汚れ防止フィルム6を用いない場合、プレスで加熱・加圧による一体化を行う場合、前記熱伝導樹脂2が軟化して流動する。その結果、熱伝導樹脂2がリードフレーム1に設けられた回路パターン間に回り込み、リードフレーム1の表面(あるいは部品実装面)に、滲み出し、はみ出してしまう。そして、その滲み出したままの状態や、はみ出したままの状態で熱伝導性樹脂2が硬化してしまうと、回路パターンの汚れとなる可能性があった。汚れ防止フィルム6は、こうした対策を行うためである。しかし汚れ防止フィルム6を用いた場合、汚れ防止フィルム6に空気透過性(あるいは通気性)が無いため、図12、図13に示したような、積層工程において、熱伝導樹脂2の内部やその表面、あるいはリードフレーム1と汚れ防止フィルム6との隙間に残った空気が、ボイド5となって残る。そしてボイド5は、リードフレーム1と高伝熱樹脂2の接着強度や、複数のリードフレーム1間の絶縁性、あるいはリードフレーム1から高伝熱樹脂2への放熱性や熱伝導性に影響を与える可能性がある。
特開2002−33558号公報
しかしながら従来の熱伝導基板では、汚れ防止フィルム6を用いることで、リードフレーム1表面への汚れ防止は可能になったが、高伝熱樹脂2やリードフレーム1との界面、あるいは高伝熱樹脂2の内部等に、ボイド5が発生しやすくなるという課題が新たに発生することがあった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、加熱・加圧時の熱伝導樹脂の滲みやはみ出しによるリードフレームの表面上の汚れを抑制すると共に、ボイドの発生を抑制する熱伝導基板の製造方法及びこれによって製造した熱伝導基板を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明は、配線パターン状にリードフレームを加工する工程と、フィルムに、前記リードフレームを貼り付ける工程と、前記リードフレームの隙間に露出した前記フィルムの露出部に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔を複数個形成する工程と、前記フィルムの前記リードフレームを貼り付けた面側に、樹脂と無機フィラーとからなる伝熱樹脂と、金属板と、を順にセットし、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を形成する工程と、前記積層体中の前記伝熱樹脂を硬化させる工程と、前記伝熱樹脂が半硬化状態または完全硬化状態で、前記フィルムを前記積層体から剥離する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法及び、これによって製造した熱伝導基板を提供する。
このような構成によって、前記高伝熱樹脂と前記リードフレームとの間に空気が残ったとして、金型を用いて加熱圧着する際に、前記リードフレームを固定するフィルムに形成された孔を介して、前記空気を外部に逃がすことができる。
その結果、伝熱樹脂を、リードフレームの微細な隙間まで回り込ませることができるため、リードフレームと熱硬化性樹脂の密着面積を高めることができ、リードフレームと伝熱樹脂との界面、あるいは高伝熱樹脂の内部に空気が残らない。また前記フィルムによって、伝熱樹脂と、金型が直接接することを阻害できるため、金型が熱硬化性樹脂によって汚れにくくなる。
またリードフレームの一面側に貼り付けたフィルムが、伝熱樹脂と金型との接触を防止するために、前記金型の表面に伝熱樹脂が汚れとして付着しない。
その結果、リードフレームと伝熱樹脂との熱伝導性を高めることができ、熱伝導基板の熱伝導性(あるいは放熱性)を高められる。またリードフレーム表面に貼り付けたフィルムのため(更にはリードフレームに重なった部分のフィルムには孔を形成していないため)、リードフレーム表面(部品実装面)への伝熱樹脂の回り込みを防止でき、更に伝熱樹脂と金型とが直接、接しないために金型の伝熱樹脂による汚れ発生を防止できる。
以上のように本発明によれば、加熱・加圧時の熱硬化樹脂組成物の滲みやはみ出しによるリードフレーム表面への汚れを抑制することができると共に、加熱・加圧時に残った空気をフィルムに形成した孔を介して外部に逃がすことができるため、ボイド発生を防止できる。
その結果、伝熱樹脂をリードフレームの微細な隙間まで確実に回り込ませることができ、リードフレームから伝熱樹脂への熱伝導性(あるいは放熱性)を高められる。またリードフレーム表面に貼り付けたフィルムのため(更にはリードフレームに重なった部分のフィルムには孔を形成していないため)、リードフレーム表面(部品実装面)への伝熱樹脂の回り込みを防止できる。更に伝熱樹脂と金型とが直接、接しないために金型の伝熱樹脂による汚れ発生も防止できる。
なお本発明の実施の形態に示された一連の製造工程は、成型金型を用いて行われる。但し、説明するために必要な場合以外は、成形金型は図示していない。また図面は模式図であり、各位置関係を寸法的に正しく示したものではない。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態1における熱伝導基板について、図面を参照しながら説明する。
図1(A)、(B)は本発明の熱伝導基板の斜視図及び断面図である。図1(A)において、10はリードフレーム、11は伝熱樹脂、12は点線、13は金属板である。図1(B)は、図1(A)の任意の位置での断面図であり、図1(B)より、伝熱樹脂11はリードフレーム10を埋め込んだ状態で、金属板13の上に固定している。そして図1(B)において、伝熱樹脂11の内部、あるいは伝熱樹脂11とリードフレーム10の界面には、ボイド5は発生していない。なお図1(A)において、リードフレーム10の中央部(いわゆる部品実装部)は、「パターン省略」として図示していない。次に図2〜図4を用いて、更に詳しく説明する。
図2〜図4は、熱伝導基板の製造方法の一例を示す断面図である。図2(A)〜(C)において、14はフィルムであり、例えばPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)、PPフィルム(ポリプロピレンフィルム)等の市販の樹脂性フィルムである。また必要に応じて、その片面に接着層を形成しておくことで、リードフレーム10と、フィルム14の密着性を高められる。15は孔開手段、16は矢印である。また17は孔であり、孔開手段15によって、フィルム14に形成したものである。リードフレーム10は所定の金属材料を、配線パターン状に形成したものである。具体的にはリードフレーム10にはアルミニウム、銅、銀、鉄等の高導電性、熱伝導性を有する金属を使用する。そして配線パターン形状にリードフレーム10を形成するには、プレス加工、エッチング加工、あるいはレーザー加工等により所定の配線パターンに加工する。
そして図2(A)に示すように、リードフレーム10と、フィルム14を向かい合わせにセットした後、図2(B)に示すようにリードフレーム10と、フィルム14とを互いに張り合わせる。ここでフィルム14の一面側(リードフレーム10に接する面)に、接着層を形成しておくことが望ましい。なおリードフレーム10の片面を粗面化しておいても良い。リードフレーム10の片面(フィルム14を貼り付けない面)を粗面化することで、後述する伝熱樹脂11との密着性を高められる。またフィルム14を貼り付ける面(電子部品の実装面に相当)は粗面化する必要はない。この面を粗面化すると、リードフレーム10の表面(部品実装面)に伝熱樹脂11が回り込みやすくなったり、フィルム14を引き剥がす際、フィルム14が剥がれにくくなったり、リードフレーム10の表面に接着剤が表面に残る場合がある。
次に図2(B)に示すように、孔開手段15を矢印16に示すように用いて、フィルム14の、リードフレーム10からの露出部分に孔17を形成する。孔17の形成は、リードフレーム10とフィルム14を張り合わせた後で行う。なお孔17の形成手段としては物理的手段(例えば、金型や針、剣山等を用いる)、光学的手段(例えば、レーザー等を用いる)等を選ぶ(あるいは組み合わせる)ことができる。また孔17は前記露出部分の一部に選択的に形成しても良い。
図2(C)は、こうしてリードフレーム10から露出したフィルム14に、孔17を形成した後の状態を説明する断面図である。このようにリードフレーム10を、フィルム14に貼り付けた状態で取り扱う(ハンドリング)することで、リードフレーム10の一部が引っかかって変形することがなく、生産工程を自動化しやすい。
図3(A)、(B)は、リードフレーム10を伝熱樹脂11に埋め込みながら、金属板13に固定する様子を示す断面図である。図3(A)において、リードフレーム10の上に貼り付けられたフィルム14には孔17を形成している。そしてその下に、伝熱樹脂11と、金属板13と、を順にセットする。そして矢印16aに示すように、これらを金型(図示していない)を用いて、加熱・加圧して積層、一体化する。図3(B)は、この一体化の途中(あるいはプレス途中)で、リードフレーム10と伝熱樹脂11の隙間に残った空気が、フィルム14に形成した孔17を介して、逃げる様子を示す断面図である。図3(B)において、矢印16bは、リードフレーム10と、フィルム14の隙間に閉じ込められた空気が、孔17を介して外部に逃げる方向を示す。なお伝熱樹脂11をフィルム状(あるいはシート状)とする際、図3(A)に示すように、中央部を若干膨らませて(厚くして)おくことで、伝熱樹脂11の流動性を高めることができる。
なお図3において、伝熱樹脂11と、金属板13を予め一体化したものを用いることも可能である。例えば、金属板13の一面側に、伝熱樹脂11と、金属板13を予め一体化している一体化物を使うことで、積層工程の合理化が可能となる。
図4は、リードフレーム10を、伝熱樹脂11を介して金属板13と一体化させた後の様子を説明する断面図である。図4において、18は突起であり、フィルム14に形成した孔17に、伝熱樹脂11の一部が充填された部分(あるいは充填された痕跡)である。図4(A)に示すように、金型(図示していない)を用いて、金属板13とフィルム14を加熱、圧着する。この時、例えば図4(A)に示すように、伝熱樹脂11の一部を、フィルム14に形成した孔17に入るようにしても良い。このようにすることで、リードフレーム10とフィルム14の隙間に空気が残らない。そしてこの状態で、伝熱樹脂11を硬化、もしくは半硬化させ、リードフレーム10と金属板13を、伝熱樹脂11を用いて積層、一体化する。図4(B)は、フィルム14を剥離した後の様子を示す断面図である。図4(B)に示すような、伝熱樹脂11からなる突起18を、リードフレーム10の隙間に露出した伝熱樹脂11の表面に形成するようにすることで、空気残りの発生の抑制を確認できる。このように積極的に孔17の中に、伝熱樹脂11を充填させることで、ボイド5の発生防止を確実に行える。また伝熱樹脂11の表面に積極的に発生させた、突起18の発生状況を解析することで、プレス条件(更には加熱・加圧時の圧力ムラ、温度ムラ、熱伝導基板の流動性のムラ等)も評価できる。このように突起18を形成させることで、現場における製品の品質向上を可能にする。なお突起18は必ずしも凸状である必要はない。孔17が細長い場合、孔17の中で硬化した伝熱樹脂11は、フィルム14と共に除去されるため、凹状の窪みとなる場合もある。
なお伝熱樹脂11の表面に発生した突起18は、バフ研磨等によって簡単に除去できる。このようにその表面を軽く研磨することで、リードフレーム10の表面の汚れ(例えば、油汚れ、あるいはフィルム14を接着していた糊残り)を除去でき、後加工(例えば、表面に錫めっき、半田めっきをする。あるいはソルダーレジストを形成する)をしやすくできる。そしてソルダーレジスト(図示していない)を形成することで、リードフレーム10の上での半田の濡れ広がりを抑えられる。なお本実施の形態では、その表面を研磨することで、伝熱樹脂11と、リードフレーム10の表面は、更に同一面側(望ましくは互いの段差50μm以下、更に望ましくは20μm以下、更には10μm未満)にできるため、ソルダーレジストの形成が容易となる。また伝熱樹脂11とリードフレーム10との間の厚み段差が小さい分、ソルダーレジストの厚みバラツキを抑えられ、電子部品の実装性を高められる。なおバフ研磨等の工程で、突起18の痕跡が消えるまで、完全に除去する必要は無い。突起18の残渣として残している微細な凹凸は、ソルダーレジストの均一な形成には阻害要因にはならず、ソルダーレジストの密着力を改善(下地の清浄効果、アンカー効果)する。
図5は、プレス後(フィルム14を剥離した後)の製品表面の断面斜視図である。図5において、19はリードフレーム10の隙間である。図5に示すように、金属板13の上には、リードフレーム10を埋設した伝熱樹脂11を固定している。そしてリードフレーム10の隙間19に露出した、伝熱樹脂11の表面には、突起18が残っている。なお突起18は突起状であっても良いが、前述したような凹状の窪みや、その痕跡であっても良い。また伝熱樹脂11やリードフレーム10の表面を研磨する際、突起18の痕跡まで完全に除去する必要は無い。ここで突起18の痕跡とは、例えば図5に示すように、その表面を顕微鏡等で観察した際に観察できるものであり、例えば研磨後に直径0.01〜0.5mm程度の丸い窪み跡(突起18の周囲が局所的に削られにくいため、丸いリングが形成されることがある)である。そしてこの突起18の痕跡を見ることで、研磨のムラの有無やその程度を評価できる。リードフレーム10は金属であり、伝熱樹脂11に比べ、削られにくいため研磨のムラ、あるいは研磨ブラシの当たり方の違いは見分けにくい。一方、伝熱樹脂11は樹脂や無機フィラーを含むため、研磨のムラを見分けやすい。このように突起18を形成し、突起18を工程のモニターとして活用することで、例えばリードフレーム10の表面研磨(表面研磨を行うことで、後工程での半田めっき、錫めっき等の工程を安定化できる)工程の安定化が可能となり、現場における製品の品質向上に役立てられる。このように、突起18やその痕跡を積極的に活用することで、工程中での品質管理に役立てることができる。
なおフィルム14として、不織布等の通気性のある材料、あるいは特殊な通気性フィルムを用いることも可能であるが、こうした材料は高価であり、製品コストに影響を与える。またこうした通気性部材は、その通気性を制御することが難しい。一方、熱伝導基板の製造工程において、その品質の高位標準化が重要となる。しかし市販の通気性フィルムの場合、通気性が固定されるため、製品仕様(リードフレーム10の材質や厚み、金属板13の材質や厚み等)によってはプレス条件側の再調整が必要となる。そしてプレス条件(例えば温度や圧力)が複数種類に増加することで、金型等の温度が安定するまでに一定時間(いわゆる待ち時間)が発生し、その生産性に影響を与える。しかし本願のように通気性の無いフィルム材料を用い、これに孔17を形成する場合、フィルム14に形成する孔17の大きさ、孔17の密度等によって、その通気性を自由にコントロールできる。製品仕様によって、その通気性を調整できるため、その分プレス条件を少なくでき、プレス装置が安定するまでの待ち時間を減らせる。また製品仕様に応じてフィルム14に形成する孔17を最適なものに設計することが可能となる。なお本実施の形態において、通気性が無いとは、気孔率が0.1%以下であり、通気性、透湿性が殆ど無いものを意味する。こうした部材に、直径0.01〜0.50mmの孔17を形成することで、フィルム14の強度を保ちながら、ボイド5の発生を防止する。
次に図6から図10を用いて、更に詳しく説明する。図6(A)、(B)は、リードフレーム10の一例を示す上面図及び断面図である。図6(A)はリードフレーム10の上面図である。図6(B)はリードフレーム10の断面図であり、図6(A)の矢印16の位置での断面に相当する。図6において、隙間19は、リードフレーム10のパターン同士が、一定の間隔で離れていることを示す。こうして配線パターン形状に、リードフレーム10を構成する。なお図6で、リードフレーム10の最外部を、額縁のようにして固定(一体化)しているのは、リードフレーム10をバラバラにしないためである。
次に図7に示すように、リードフレーム10の上にフィルム14を貼り付ける。ここでリードフレーム10よりフィルム14の大きさ(あるいは面積)を大きくすることが望ましい。図7(A)、(B)は、リードフレーム10よりもフィルム14を大きくした場合の上面図及び断面図である。ここでフィルム14に片面糊付きのものを選ぶことが望ましい。フィルム14として、片面糊付を選んでリードフレーム10を固定しておくことで、リードフレーム10の隙間19が作業工程内で変形しにくくできる。なおリードフレーム10よりも、フィルム14の方を大きく(あるいは広く)することが望ましい。リードフレーム10より、フィルム14を大きく(少なくとも一部がはみ出すように)することで、プレス加工後でフィルム14を、リードフレーム10から剥がしやすくできる。また耐熱性の低い安価なフィルム14を用いた場合、プレスや加熱工程等でフィルム14が縮み、更にはフィルム14の表面の糊がリードフレーム10の表面にベタベタと残ってしまうことがある。そしてこの糊は、金型(図示していない)の表面に汚れとして付着しやすい。そのため、図7に示すように、フィルム14を、リードフレーム10より大きく(少なくとも一辺、もしくは一部分で1mm以上、望ましくは2mm以上、更に望ましくは5mm以上はみ出すように)することが望ましい。フィルム14のリードフレーム10からのはみ出し長さが1mm未満の場合、後で引き剥がしにくくなる場合がある。また長尺のフィルム14に、複数個のリードフレーム10を一定距離だけ離して貼り付けることで、リードフレーム10を長尺のフィルム14として、連続的に取り扱うことができ、製造工程の合理化が可能となる。
次に図8に示すように、フィルム14の一部(特に、リードフレーム10から露出した部分)に、選択的に孔17を形成する。図8(A)、(B)はフィルム14の一部に孔17を形成した上面図及び断面図である。図8に示すようにフィルム14をリードフレーム10に固定した後、孔17を形成することで、フィルム14の強度の低下防止が可能となる。その結果、プレス工程の後、フィルム14を引き剥がす際、フィルム14の一部が、引き千切られてリードフレーム10の表面に残りにくい。発明者らの実験によると、フィルム14の全面(リードフレーム10に重なっている部分にも)に孔17を形成した場合、プレス後でフィルム14を、機械で自動的に引き剥がした場合、フィルム14の一部が、リードフレーム10の上で引き千切られる(リードフレーム10に重なっている面積部分に形成した孔17によって、フィルム14が途中で破れた)ことが有った。
次に、図9に示すように、リードフレーム10を、伝熱樹脂11を用いて金属板13に固定する。この時、リードフレーム10と、伝熱樹脂11の間に残った空気はフィルム14に形成した孔17を介して、外部に逃げるため、ボイド5が発生しにくい。図9(A)、(B)はリードフレーム10と金属板13を、伝熱樹脂11を用いて固定した様子を示す上面図及び断面図である。
次に図10に示すように、フィルム14を剥離する。この時、図5で説明したように、フィルム14に形成した孔17に起因する突起18やその痕跡を、伝熱樹脂11の表面に残しても良い。図10(A)、(B)は、プレス後にフィルム14を剥離した様子を示す上面図及び断面図である。なお図10(A)に示すように、リードフレーム10の中央部(電子部品を実装する部分)よりも、伝熱樹脂11や金属板13を、少しはみ出すような設計(図10では、矢印16bで示している)とすることができる。図10(A)、(B)の矢印16bで示すように、余分にはみ出させることで、例えばリードフレーム10の外周部(いわゆる額縁部分、この部分は部品実装部に切断除去することで、リード部となる)、リード部分の保護(リード部分の一部を伝熱樹脂11に埋め込む)が可能となり、ユーザーにおける熱伝導基板の取り扱い性を改善できる。
また伝熱樹脂11をプレスする場合、伝熱樹脂11の外周部(図10で矢印16bで示す部分)は、圧力や温度が変化しやすい。ここに不織布等の通気性を有する通気性部材をフィルム14として用いた場合、通気性部材の有するクッション性(あるいは圧縮性)によって、伝熱樹脂11の外周部(図10で示した矢印16bで示す部分)において、圧力不足しやすく、成形性に影響を与える場合がある。またプレス終了後に、前記通気性部材を引き剥がす際に、通気性部材は破れやすく、その一部がリードフレーム10の表面に残り、作業性に影響を与えることがある。
一方、本願で用いるフィルム14は通気性が無い(つまりクッション性に乏しい、あるいは非圧縮性)ため、圧力が伝熱樹脂11の外周部(図10で矢印16bで示す部分)においても、逃げない(しっかり圧力をかけられるため、ボイド5も減らせる)。そのためフィルム14を用いることで、伝熱樹脂11の外周部(図10で矢印16bで示した部分)の成形精度が影響を受けにくい。
なお孔17の大きさは、10μm以上500μm以下(望ましくは20μm以上、300μm以下、更には200μm以下、更に望ましくは50μm以下)が望ましい。孔17の大きさ(直径)が、10μm未満の場合、伝熱樹脂11に充填された無機フィラーによって、詰まってしまい、プレス時の空気抜きの効果が得られにくい場合がある。また孔17の大きさが500μmを超える場合、孔17を介して伝熱樹脂11が外部に流れ出しやすくなり、金型の表面に付着し、汚す場合がある。またリードフレーム10の隙間19を狭くすることが難しくなる。なお、孔17のピッチはランダムでも、規則的なものであっても良い。孔17の密度は、0.1個/平方mm以上、1000個/平方mm以下(望ましくは1個/平方mm以上、100個/平方mm以下)が望ましい。0.1個/平方mm未満の場合、空気が抜けにくく、プレス速度(特にプレスで荷重をかける際の速度)に影響を与える場合がある。また孔17の密度が1000個/平方mmより多い場合、フィルム14の強度が低下する場合があり、プレス後にフィルム14を引き剥がす際に、フィルム14が不規則に伸び、破れやすくなる。なお、孔17の大きさは略同一が望ましい。孔17の大きさを変化させた場合、工数が増えたり、コストアップしたりする可能性がある。
なおフィルム14は、樹脂フィルムが望ましい。樹脂フィルムは安価で、リサイクル性に優れており、孔17も形成しやすい。フィルム14の厚みは10μm以上500μm以下(更には30μm以上、300μm以下)が望ましい。フィルム14の厚みが10μm未満の場合、孔17を形成する際(更にはプレス後に引き剥がす際にも)破れやすくなる。またフィルム14の厚みが500μmを超えると、孔17の加工性に影響を与える場合があり、フィルム14の材料費に影響を与える。なおフィルム14にはある程度の伸縮性や、耐熱性(Tgが100℃以上、望ましくは110℃以上)があるものを用いることが望ましい。しかし、耐熱性が劣る(例えば、ガラス転移温度Tgが100℃未満のもの)であっても、図7等で示したように、リードフレーム10より、フィルム14の縮み分を予め計算して、フィルム14をリードフレーム10よりはみ出すように設計しておくことで、対応できる。このようにして、Tgが80〜100℃程度の耐熱性の低い(その分安価な)フィルム14であっても、図7に示すように使用することができ、製品の低コスト化を実現する。
更に詳しく説明する。リードフレーム10の厚みは0.10以上2.00mm以下(望ましくは1.00mm以下)程度が望ましい。リードフレーム10の厚みが0.10mm未満の場合、フニャフニャしたり、折れ曲がったりしやすく、その取り扱いが難しい。リードフレーム10の厚みが2.00mmを超えると、プレスによる打抜きが難しくなり、リードフレーム10自体のパターン精度が低下する。そのため加工精度の面から、リードフレーム10としては0.2〜1.00mm(更に望ましくは0.30〜0.50mm)が望ましい。
また伝熱樹脂11としては、無機フィラー70重量%以上95重量%以下と、熱硬化性樹脂5重量%以上30重量%以下からなることが望ましい。ここで無機フィラーは略球形状で、その直径は0.1μm以上100μm以下が適当である(0.1μm未満の場合、樹脂への分散が難しくなる場合、また100μmを超えると伝熱樹脂11の厚みが厚くなり熱拡散性に影響を与える)。そのため伝熱樹脂11における無機フィラーの充填量は、熱伝導率を上げるために70から95重量%と高濃度に充填している。特に、本実施の形態では、無機フィラーは、平均粒径3μmと平均粒径12μmの2種類のアルミナを混合したものを用いている。この大小2種類の粒径のアルミナを用いることによって、大きな粒径のアルミナの隙間に小さな粒径のアルミナを充填できるので、アルミナを90重量%近くまで高濃度に充填できるものである。この結果、伝熱樹脂11の熱伝導率は5W/(m・K)程度となる。なお無機フィラーとしてはアルミナの代わりに、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、及び窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種以上を含んでもよい。
なお無機フィラーを用いると、放熱性を高められるが、特に酸化マグネシウムを用いると線熱膨張係数を大きくできる。また酸化ケイ素を用いると誘電率を小さくでき、窒化ホウ素を用いると線熱膨張係数を小さくできる。こうして伝熱樹脂11としての熱伝導率が1W/(m・K)以上20W/(m・K)以下のものを形成することができる。なお熱伝導率が1W/(m・K)未満の場合、熱伝導基板の放熱性に影響を与える。また熱伝導率を20W/(m・K)より高くしようとした場合、フィラー量を増やす必要があり、プレス時の加工性に影響を与える場合がある。
なお熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂およびシアネート樹脂の内、少なくとも1種類の樹脂を含んでいる。これらの樹脂は耐熱性や電気絶縁性に優れている。伝熱樹脂11の厚みは、薄くすれば、リードフレーム10に装着した電子部品に生じた熱を金属板13に伝えやすいが、逆に絶縁耐圧が問題となり、厚すぎると、熱抵抗が大きくなるので、絶縁耐圧と熱抵抗を考慮して最適な厚さである50μm以上1000μm以下に設定すれば良い。
次にリードフレーム10の材質について説明する。リードフレーム10の材質としては、銅を主体とするものが望ましい。これは銅が熱伝導性と導電率が共に優れているためである。またリードフレーム10としての加工性や、熱伝導性を高めるためには、リードフレーム10となる銅素材に銅以外の少なくともSn、Zr、Ni、Si、Zn、P、Fe等の群から選択される少なくとも1種類以上の材料とからなる合金を使うことが望ましい。例えばCuを主体として、ここにSnを加えた、銅材料(以下、Cu+Snとする)を用いることができる。Cu+Sn銅材料(あるいは銅合金)の場合、例えばSnを0.1重量%以上0.15重量%未満添加することで、その軟化温度を400℃まで高められる。比較のためSn無しの銅(Cu>99.96重量%)を用いて、リードフレーム10を作製したところ、導電率は低いが、出来上がった熱伝導基板において特に形成部等に歪みが発生する場合があった。そこで詳細に調べたところ、その材料の軟化点が200℃程度と低いため、後の部品実装時(半田付け時)に変形する可能性があることが予想された。一方、Cu+Sn>99.96重量%の銅系の材料を用いた場合、実装された各種部品の発熱の影響は特に受けなかった。また半田付け性やダイボンド性にも影響が無かった。そこでこの材料の軟化点を測定したところ、400℃であることが判った。このように、銅を主体として、いくつかの元素を添加することが望ましい。銅に添加する元素として、Zrの場合、0.015重量%以上0.15重量%以下の範囲が望ましい。添加量が0.015重量%未満の場合、軟化温度の上昇効果が少ない場合がある。また添加量が0.15重量%より多いと電気特性に影響を与える場合がある。また、Ni、Si、Zn、P等を添加することでも軟化温度を高くできる。この場合、Niは0.1重量%以上5重量%未満、Siは0.01重量%以上2重量%以下、Znは0.1重量%以上5重量%未満、Pは0.005重量%以上0.1重量%未満が望ましい。そしてこれらの元素は、この範囲で単独、もしくは複数を添加することで、銅素材の軟化点を高くできる。なお添加量がここで記載した割合より少ない場合、軟化点上昇効果が低い場合がある。またここで記載した割合より多い場合、導電率への影響の可能性がある。同様に、Feの場合0.1重量%以上5重量%以下、Crの場合0.05重量%以上1重量%以下が望ましい。これらの元素の場合も前述の元素と同様である。
なおリードフレーム10に使う銅材料の引張り強度は、600N/平方mm以下が望ましい。引張り強度が600N/平方mmを超える材料の場合、リードフレーム10の加工性に影響を与える場合がある。一方、引張り強度が600N/平方mm以下(更にリードフレーム10に微細で複雑な加工が必要な場合、望ましくは400N/平方mm以下)とすることでスプリングバック(必要な角度まで曲げても圧力を除くと反力によってはねかえってしまうこと)の発生を抑えられ、形成精度を高められる。このようにリードフレーム10の材料としては、Cuを主体とすることで導電率を下げられ、更に柔らかくすることで加工性を高められ、更にリードフレーム10による放熱効果も高められる。なおリードフレーム10に使う銅合金の引張り強度は、10N/平方mm以上が望ましい。これは一般的な鉛フリー半田の引張り強度(30〜70N/平方mm程度)に対して、リードフレーム10に用いる銅合金はそれ以上の強度が必要なためである。リードフレーム10に用いる銅合金の引張り強度が、10N/平方mm未満の場合、リードフレーム10上に電子部品等を半田付け実装する場合、半田部分ではなくてリードフレーム10部分で凝集破壊する可能性がある。
なおリードフレーム10の、伝熱樹脂11から露出している面(電子部品等の実装面)に、予め半田付け性を改善するように半田層や錫層を形成しておくことも有用である。なおリードフレーム10の伝熱樹脂11に接する面(もしくは埋め込まれた面)には、半田層は形成しないことが望ましい。このように伝熱樹脂11と接する面に半田層や錫層を形成すると、半田付け時にこの層が柔らかくなり、リードフレーム10と伝熱樹脂11の接着性(もしくは結合強度)に影響を与える場合がある。金属板13としては、熱伝導の良いアルミニウム、銅またはそれらを主成分とする合金からできている。特に、本実施の形態では、金属板13の厚みを1mmとしているが、その厚みは製品仕様に応じて設計できる(なお金属板13の厚みが0.1mm以下の場合、放熱性や強度的に不足する可能性がある。また金属板13の厚みが50mmを超えると、重量面で不利になる)。金属板13としては、単なる板状のものだけでなく、より放熱性を高めるため、伝熱樹脂11を積層した面とは反対側の面に、表面積を広げるためにフィン部(あるいは凹凸部)を形成しても良い。全膨張係数は8〜20ppm/℃としており、本発明の熱伝導基板や、これを用いた電源ユニット全体の反りや歪みを小さくできる。またこれらの部品を表面実装する際、互いに熱膨張係数をマッチングさせることは信頼性的にも重要となる。また金属板13を他の放熱板(図示していない)にネジ止めできる。
以上のようにして、配線パターン状にリードフレーム10を加工する工程と、フィルム14と前記リードフレーム10とを貼り付ける工程と、前記リードフレーム10の隙間に露出した前記フィルム14の露出部に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔17を複数個形成する工程と、前記フィルム14の前記リードフレーム10を貼り付けた面側に、樹脂と無機フィラーとからなる伝熱樹脂11と、金属板13と、を順にセットし、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を形成する工程と、前記積層体中の前記伝熱樹脂11を硬化させる工程と、前記伝熱樹脂11が半硬化状態または完全硬化状態で、前記フィルム14を前記積層体から剥離する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法によって、成形用の金型やリードフレーム10の表面が伝熱樹脂11によって汚れることを防止すると共に、その内部や表面のボイド5の発生を抑制できる熱伝導基板を提供でき、各種機器の高性能化、高寿命化に貢献できる。
配線パターン状にリードフレーム10を加工する工程と、フィルム14と前記リードフレーム10とを貼り付ける工程と、前記リードフレーム10の隙間に露出した前記フィルム14の露出部に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔17を複数個形成する工程と、前記リードフレーム10の前記フィルム14の貼り付けた面側に、樹脂と無機フィラーとからなる伝熱樹脂11を予め金属板13上に形成してなる一体化物をセットし、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を形成する工程と、前記積層体中の前記伝熱樹脂11を硬化させる工程と、前記伝熱樹脂11が半硬化状態または完全硬化状態で、前記フィルム14を前記積層体から剥離する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法によって、成形用の金型やリードフレーム10の表面が伝熱樹脂11によって汚れることを防止すると共に、その内部や表面のボイド5の発生を抑制できる熱伝導基板を提供でき、各種機器の高性能化、高寿命化に貢献できる。
配線パターン状にリードフレーム10を加工する工程と、フィルム14と前記リードフレーム10とを貼り付ける工程と、前記リードフレーム10の隙間に露出した前記フィルム14の露出部に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔17を複数個形成する工程と、前記フィルム14の前記リードフレーム10を貼り付けた面側に、樹脂と無機フィラーとからなる伝熱樹脂11と、金属板13と、を順にセットし、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を形成する工程と、前記積層体中の前記伝熱樹脂11を硬化させる工程と、前記伝熱樹脂11が半硬化状態または完全硬化状態で、前記フィルム14を前記積層体から剥離する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法によって製造した熱伝導基板であって、前記伝熱樹脂11の表面には、直径0.01mm以上0.50mm以下の突起18もしくは突起18の痕跡を複数個有している熱伝導基板とすることで、リードフレーム10の表面への伝熱樹脂11の回り込みが無く、ソルダーレジスト等に対するアンカー効果を得ながら、ボイド5の発生も抑制でき電子部品を効率的に放熱できるため、各種機器の高性能化、高寿命化に貢献できる。
配線パターン状にリードフレーム10を加工する工程と、フィルム14と前記リードフレーム10とを貼り付ける工程と、前記リードフレーム10の隙間に露出した前記フィルム14の露出部に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔17を複数個形成する工程と、前記フィルム14の前記リードフレーム10を貼り付けた面側に、樹脂と無機フィラーとからなる伝熱樹脂11を予め金属板13上に形成してなる一体化物をセットし、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を形成する工程と、前記積層体中の前記伝熱樹脂11を硬化させる工程と、前記伝熱樹脂11が半硬化状態または完全硬化状態で、前記フィルム14を前記積層体から剥離する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法であって、前記伝熱樹脂11の表面には、直径0.01mm以上0.50mm以下の突起18もしくは突起18の痕跡を複数個有している熱伝導基板とすることで、リードフレーム10の表面への伝熱樹脂11の回り込みが無く、更に前記突起18もしくは突起18の痕跡によってソルダーレジストの密着性が高く、ボイド5の発生も抑制でき電子部品を効率的に放熱できるため、各種機器の高性能化、高寿命化に貢献できる。
また伝熱樹脂11として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含むことで、熱伝導基板の熱的安定性(あるいは熱変形に対する耐力)を向上できる。また無機フィラーは、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を含むものとすることで、伝熱樹脂11の熱伝導性を高められる。
またリードフレーム10を形成する金属板13は、Snは0.1重量%以上0.15重量%以下、Zrは0.015重量%以上0.15重量%以下、Niは0.1重量%以上5重量%以下、Siは0.01重量%以上2重量%以下、Znは0.1重量%以上5重量%以下、Pは0.005重量%以上0.1重量%以下、Feは0.1重量%以上5重量%以下である群から選択される少なくとも一種以上を含む、銅を主体とする金属材料とすることで、低抵抗を金型による加工性を高められる。
またリードフレーム10の隙間19に露出する伝熱樹脂11の一部分以上の表面に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔17に起因する模様、もしくは孔17の痕跡、を有することで、その上に形成するソルダーレジストとの密着性を高めるのみならず、工程中でプレス圧力のムラや、表面研磨の程度をモニターできるため、工程の安定性を高められる。
以上のように、本発明にかかる熱伝導基板とその製造方法を、各種PDP(プラズマディスプレイパネル)や電装用の大電力回路等に適用することによって、機器の小型化、高性能化が可能となる。
(A)(B)は、本発明の実施の形態における熱伝導基板の斜視図及び断面図 (A)〜(C)は全て、本発明の実施の形態における熱伝導基板の断面図 (A)(B)は共にリードフレームを伝熱樹脂に埋め込みながら、金属板に固定する様子を示す断面図 (A)〜(C)は全て、リードフレームを、伝熱樹脂を介して金属板と一体化させた後の様子を説明する断面図 プレス後(フィルムを剥離した後)の製品表面の断面斜視図 (A)(B)は、リードフレームの一例を示す上面図及び断面図 (A)(B)は、リードフレームよりもフィルムを大きくした場合の上面図及び断面図 (A)(B)は、フィルムの一部に孔を形成した上面図及び断面図 (A)(B)は、リードフレームと金属板を、伝熱樹脂11を用いて固定した様子を示す上面図及び断面図 (A)(B)は、プレス後にフィルムを剥離した様子を示す上面図及び断面図 (A)(B)は、従来の熱伝導基板の構造を示す斜視図と断面図 (A)(B)は共に、リードフレームに、汚れ防止フィルムを貼り付ける様子を示す断面図 (A)(B)は共に、リードフレームと金属板を、伝熱樹脂を用いて一体化する様子を示す断面図
符号の説明
10 リードフレーム
11 伝熱樹脂
12 点線
13 金属板
14 フィルム
15 孔開手段
16 矢印
17 孔
18 突起
19 隙間

Claims (8)

  1. 配線パターン状にリードフレームを加工する工程と、
    フィルムと前記リードフレームとを貼り付ける工程と、
    前記リードフレームの隙間に露出した前記フィルムの露出部に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔を複数個形成する工程と、
    前記フィルムの前記リードフレームを貼り付けた面側に、樹脂と無機フィラーとからなる伝熱樹脂と、金属板と、を順にセットし、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を形成する工程と、
    前記積層体中の前記伝熱樹脂を硬化させる工程と、
    前記伝熱樹脂が半硬化状態または完全硬化状態で、前記フィルムを前記積層体から剥離する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法。
  2. 配線パターン状にリードフレームを加工する工程と、
    フィルムと前記リードフレームとを貼り付ける工程と、
    前記リードフレームの隙間に露出した前記フィルムの露出部に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔を複数個形成する工程と、
    前記リードフレームの前記フィルムの貼り付けた面側に、樹脂と無機フィラーとからなる伝熱樹脂を予め金属板上に形成してなる一体化物をセットし、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を形成する工程と、
    前記積層体中の前記伝熱樹脂を硬化させる工程と、
    前記伝熱樹脂が半硬化状態または完全硬化状態で、前記フィルムを前記積層体から剥離する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法。
  3. 前記フィルムは、厚み10μm以上500μm以下の通気性を有さない樹脂性フィルムである請求項1もしくは2記載の熱伝導基板の製造方法。
  4. 伝熱樹脂は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、及びイソシアネート樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を含む請求項1もしくは2記載の熱伝導基板の製造方法。
  5. 無機フィラーは、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素及び窒化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも一種を含む請求項1もしくは2記載の熱伝導基板の製造方法。
  6. 金属板は、Snは0.1重量%以上0.15重量%以下、Zrは0.015重量%以上0.15重量%以下、Niは0.1重量%以上5重量%以下、Siは0.01重量%以上2重量%以下、Znは0.1重量%以上5重量%以下、Pは0.005重量%以上0.1重量%以下、Feは0.1重量%以上5重量%以下である群から選択される少なくとも一種以上を含む、銅を主体とする金属材料である請求項1もしくは2記載の熱伝導基板の製造方法。
  7. 配線パターン状にリードフレームを加工する工程と、
    フィルムと前記リードフレームとを貼り付ける工程と、
    前記リードフレームの隙間に露出した前記フィルムの露出部に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔を複数個形成する工程と、
    前記フィルムの前記リードフレームを貼り付けた面側に、樹脂と無機フィラーとからなる伝熱樹脂と、金属板と、を順にセットし、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を形成する工程と、
    前記積層体中の前記伝熱樹脂を硬化させる工程と、
    前記伝熱樹脂が半硬化状態または完全硬化状態で、前記フィルムを前記積層体から剥離する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法によって製造した熱伝導基板であって、
    前記伝熱樹脂の表面には、直径0.01mm以上0.50mm以下の突起もしくは突起の痕跡を複数個有している熱伝導基板。
  8. 配線パターン状にリードフレームを加工する工程と、
    フィルムと前記リードフレームとを貼り付ける工程と、
    前記リードフレームの隙間に露出した前記フィルムの露出部に、直径0.01mm以上0.50mm以下の孔を複数個形成する工程と、
    前記フィルムの前記リードフレームを貼り付けた面側に、樹脂と無機フィラーとからなる伝熱樹脂を予め金属板上に形成してなる一体化物をセットし、金型を用いて、加熱・加圧して積層体を形成する工程と、
    前記積層体中の前記伝熱樹脂を硬化させる工程と、
    前記伝熱樹脂が半硬化状態または完全硬化状態で、前記フィルムを前記積層体から剥離する工程と、を有する熱伝導基板の製造方法によって製造した熱伝導基板であって、前記伝熱樹脂の表面には、直径0.01mm以上0.50mm以下の突起もしくは突起の痕跡を複数個有している熱伝導基板。
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