JP5011606B2 - 有機電解液電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高容量であり、且つ高負荷放電特性及び長期信頼性に優れた有機電解液電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
負極にリチウム金属またはその合金を用いる有機電解液電池は、エネルギー密度が高く、また小型化および軽量化が可能であることから、携帯端末やコードレス機器の主電源をはじめとし、情報機器のバックアップ用電源など、様々な用途に使用されている。有機電解液電池の正極材料としては、二酸化マンガン、塩化チオニル、酸化銅、硫化鉄、フッ化炭素などが使用されている。これらの中でも酸化銅あるいは硫化鉄を正極とし、リチウム負極を組み合わせた電池は1.5V程度の電圧を得られる。また、二酸化マンガンあるいはフッ化炭素を正極とし、リチウム負極と組み合わせた電池では、3.0V以上の電圧が得られる。後者の電池は高いエネルギー密度を有することから、コードレス機器の電源として要望され、その研究開発が行われてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
フッ化炭素は、黒鉛や石油コークスなどの易黒鉛化性炭素を熱処理することにより結晶化度をあげた黒鉛に近い構造をもつ炭素材料、あるいはアセチレンブラックや活性炭のような非晶質の炭素材料を用い、これらを300〜700℃程度の温度にてフッ素ガスと反応させることにより形成される。非晶質の炭素材料から得られるフッ化炭素は、放電維持電圧および放電利用率のいずれもが低いことから、正極材料としての適用に問題を有する。また、黒鉛から得られるフッ化炭素は、放電維持電圧は高いが、非晶質炭素を用いた場合と同様に放電利用率が低くなる問題がある。
【0004】
これらに対して易黒鉛化性炭素を熱処理した炭素からなるフッ化炭素は、放電維持電圧および放電利用率の点で優れている(特開昭54−9730号公報)。このフッ化炭素は、フッ素化処理の方法に応じて(CFX)n(但しX=0.5〜1)、(C2F)nあるいはこれらの混合物を得ることができる。そして、この易黒鉛化炭素からなるフッ化炭素を正極に用い、負極にリチウムを組み合わせた電池は、リチウムがフッ化炭素と反応して炭素とフッ化リチウムが生成することで、放電反応が生じ電流が流れる。前記反応において、リチウムイオンは層状構造を有するフッ化炭素の層間に入り込み、フッ化炭素の層間内部に拡散することで、反応が継続するものと考えられる。易黒鉛化炭素をフッ素化した正極活物質は、先に述べた通り放電維持電圧及び放電利用率の面で優れる。しかし、リチウム金属を負極として組み合わせた電池は、強負荷放電特性が悪いことに加えて放電初期に電圧が急激に低下するという問題を有している。
【0005】
本発明は前記問題に鑑み、放電特性、特に強負荷放電特性に優れた電池を提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために本発明の有機電解液電池は、リチウムイオンの放出が可能な負極、有機電解液、熱硬化性樹脂を窒素雰囲気下において熱処理して得られた難黒鉛化性炭素にフッ素化処理を施したフッ化炭素を主体とする正極、を基本構成とするものである。フッ化炭素を形成する難黒鉛化性炭素としては、X線広角回折法における(002)面の面間隔が3.5〜4.0Åにあるものが用いられる。また、有機電解液としては、プロピレンカーボネート(PC)を含む有機溶媒と溶質からなる電解液が用いられ、溶質には、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、リチウム六フッ化リン(LiPF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、及び一般式(LiN(CnF2n+1SO2)2)で表されるイミド結合を有するリチウム塩から選択される少なくとも一種が用いられる。
【0007】
そして、前記の構成によれば、従来のフッ化炭素を正極に用いたリチウム電池と利用率、容量維持率の面で同等の性能を有し、さらに強負荷放電特性を改良することが可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明する。
【0009】
本願の第1の発明に係る電池は、リチウムもしくはその合金からなる負極、有機電解液、熱硬化性樹脂を窒素雰囲気下において熱処理して得られた難黒鉛化性炭素をフッ素化処理したフッ化炭素を主体とする正極、を基本構成とするものである。さらにこのフッ化炭素を形成する難黒鉛化性炭素としては、CuKαを用いたX線広角回折法における(002)面の面間隔が3.5〜4.0Åにあるものが用いられる。
【0010】
一般的に炭素材料は、黒鉛化が進んだ黒鉛系材料と、黒鉛化が進んでおらず結晶性が低い炭素質材料の大きく二つに大別される。さらに炭素質材料は、高温での熱処理により黒鉛化が進行しやすい材料である易黒鉛化性炭素と、黒鉛化し難い材料の難黒鉛化性炭素の二つに分類される。これらの炭素材料において、従来、フッ化炭素の骨格となる炭素材料には、黒鉛系材料またはコークスなどの易黒鉛化炭素を熱処理し、黒鉛化が進んだ材料、あるいは非晶質のアセチレンブラックや活性炭が検討されている。
【0011】
このような従来のフッ化炭素に対し、本実施形態における有機電解液電池は、難黒鉛化性炭素を骨格にしたフッ化炭素を用いる点に特徴を有している。難黒鉛化性炭素は、易黒鉛化炭素と同様に黒鉛化が進んでおらず非晶質に近い構造をもつ炭素材料である。基本構造単位は、炭素六員環網目の積層による乱層構造であるが、構造(結晶子)のサイズが小さく、ランダムに配向し、微細な空隙を有している点が構造上の特徴であり、それ故に非晶質構造に近いといわれている。
【0012】
難黒鉛化性炭素は、熱硬化性樹脂等を出発材料にし、これに熱処理を施すことで得られる。出発材料の具体例として、フルフリルアルコール樹脂、フェノール系樹脂、ポリパラフェニレン樹脂やピッチ系の材料などが上げられる。
【0013】
次に、炭素材料へのフッ素化処理について説明する。フッ素化処理は、黒鉛あるいは易黒鉛化性炭素に熱処理を施し、黒鉛化された炭素材料(以下、出発炭素材料)に対して、高温下でフッ素ガスと反応させて行われる。この処理において、フッ素ガスは層間にインターカレーションし、炭素と反応することによってフッ化炭素を形成する。
【0014】
フッ化炭素を正極に用いた電池では、放電反応においてフッ素化された黒鉛層間にリチウムイオンがインターカーレションしてフッ素と反応することで進行する。このため、リチウムイオンの層間内での拡散速度が放電反応速度に大きく関係していると考えられる。放電反応速度は、炭素材料の構造面から判断すると、(002)面の面間隔が大きいほどリチウムイオンの移動速度が速くなり、結晶子の大きさが小さいほど移動距離が小さくなると関係付けられる。従来、出発炭素材料として用いられていた黒鉛系材料の(002)面は3.35〜3.4Å以下の値を示し、また易黒鉛化性炭素を熱処理した材料は(002)面の面間隔が3.4〜3.5Åの範囲が代表的である。一方、結晶化がまったく進んでいない、すなわち非晶質体であるアセチレンブラックや活性炭等の炭素材料は、(002)面の面間隔をX線回折にて測定できない場合が多い。これら従来の出発炭素材料に対して、本実施形態の出発炭素材料である難黒鉛化性炭素では、出発材料により(002)面の面間隔は異なるが、何れの場合も3.5Å以上となる。
【0015】
このように難黒鉛化性炭素は、黒鉛系材料や易黒鉛化性炭素を熱処理した出発炭素材料に比べ、黒鉛層間距離に関係する(002)面の面間隔が大きく、さらに結晶子の大きさが小さいことから、放電反応速度の向上が可能となる。したがって、従来の出発炭素材料に比べて、(002)面の面間隔が3.5Å以上にある難黒鉛化炭素が放電反応速度の面において好ましいことは明らかである。しかし、前記の面間隔が4.0Å以上の難黒鉛化炭素は、真密度が小さくなることから、容量密度の低下につながってしまう。さらに出発材料の未反応部分が残存し、前記樹脂自体の官能基が多く残存することから、フッ素化処理により形成されたフッ化炭素は容量密度の減少を招いてしまう。従って、電池容量の面から判断すると、(002)面の面間隔の値は4.0Å以下が好ましい。しかし、4.0Å以上であっても、本願の目的とする強負荷での放電特性が損なわれるものではない。
【0016】
本願の第2の発明に係る電池は、リチウムもしくはその合金からなる負極、有機電解液、難黒鉛化性炭素をフッ素化処理したフッ化炭素を主体とする正極、を基本構成とするものであって、前記有機電解液が、プロピレンカーボネートを含む有機溶媒と、ホウフッ化リチウム、リチウム六フッ化リン、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、イミド結合を有するリチウム塩を主成分とする溶質から構成される点に特徴を有する。
【0017】
従来の黒鉛系材料、及び易黒鉛化性炭素を熱処理した炭素材料からなるフッ化炭素は、放電反応が進むことにより黒鉛層間構造の炭素とフッ化リチウムが生成する。このフッ化炭素を正極に用いた電池において、電解液にプロピレンカーボネートを含有する場合には、有機被膜の生成と有機ガスの発生が生じる。これらによる影響は、連続放電時だけでなく、間欠放電や長期保存等の場合にも顕著に認められ、電池特性を大きく悪化させてしまう。
【0018】
従来、黒鉛系材料、及び易黒鉛化性炭素を熱処理した炭素材料からなるフッ化炭素を正極に用いた電池は、プロピレンカーボネートの分解に起因する電池特性の悪化を回避するために、γ−ブチロラクトンを主溶媒とする有機電解液を使用している。γ−ブチロラクトンは、プロピレンカーボネートに比べて粘性は低いものの誘電率が小さいことから、これを主溶媒とする電解液はリチウムイオンの伝導率が小さくなり、強負荷放電特性の悪化を一層悪化させる原因となっている。
【0019】
本願の第2の発明は、前記知見、及び従来構成における問題点を検討することでなされたものである。難黒鉛化性炭素を出発炭素材料にしたフッ化炭素からなる正極は、プロピレンカーボネートを主体とする電解液を適用した場合でも、出発材料である難黒鉛化性炭素の(002)面の面間隔が3.5Å以上の物をフッ素化したフッ化炭素はリチウムイオンが層間へ挿入し易く、プロピレンカーボネートの分解反応は殆ど生じないと推察される。このため、前述したプロピレンカーボネート及び難黒鉛化性炭素の特性により、優れた間欠放電特性や長期保存特性が得られ、加えて強負荷放電特性も向上する。
【0020】
尚、有機電解液としてはプロピレンカーボネートを単独からなる電解液を用いる構成に加え、プロピレンカーボネートを主体とした混合溶媒でもあっても良い。混合される溶媒としては、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ビニレンカーボネート等の極性溶媒と、1,2ジメトキシエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等の低粘度溶媒が挙げられる。
【0021】
溶質としてはホウフッ化リチウム、リチウム六フッ化リン、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム及びイミド結合を有するリチウム塩を用いた場合にさらに優れた放電特性が得られる。リチウム電池の溶質として代表的な過塩素リチウムを用いた場合には、放電時の分極抵抗が大きくなり、放電維持電圧が急激に降下する。フッ化炭素と過塩素酸リチウムとの親和性があまりよくなく、フッ化炭素へのリチウムイオンのインターカーレーション反応がスムーズに進行しにくいものと考えられる。一方、ホウフッ化リチウム、リチウム六フッ化リン、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムや分子構造内にイミド結合を有するLiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2、LiN(CF3SO2)(C4F9SO2)を用いた場合には過塩素酸リチウムの場合に比べて放電時の分極抵抗がかなり小さくなる。これは、フッ化炭素と、ホウフッ化リチウム、リチウム六フッ化リン、トリフルオロメタンスルホン酸リチウムまたはイミド結合を有するリチウム塩との親和性がよいことに起因していると推察される。
【0022】
一方、本実施形態の有機電解液電池に適用される負極材料としては、リチウムイオンを放出可能なものであり、金属リチウムや、リチウムアルミ合金、リチウム鉛合金などのリチウム合金や、あらかじめリチウムを吸蔵させた炭素材料や金属酸化物などが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1に示すコイン型電池を用いて詳しく説明する。
【0024】
(実施例1)
図1に本実施例におけるコイン型電池の断面図である。正極ケース1、負極ケース2は共にステンレス鋼製のケースであり、ポリプロピレン製の絶縁パッキング3を介して発電要素を収容している。負極5は金属リチウムからなり、ポリプロピレン製の不織布からなるセパレータ6を介して正極4に対向配置されている。電解液はγ−ブチロラクトンにホウフッ化リチウムを1mol/l溶解させたものを用いた。作製された電池寸法は直径が20mm、厚みが2.0mmであった。以下、正極4について詳しく説明する。
【0025】
本実施例では、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂)を窒素雰囲気下において熱処理を施し、難黒鉛化性炭素材料を得た。熱処理時の温度を調整することにより(002)面の面間隔がことなる難黒鉛化性炭素A〜Fを得た。表1に難黒鉛化性炭素A〜Fの面間隔値を示す。また、比較例として、出発材料として石油ピッチを用いた。これを窒素雰囲気下、2800℃で焼成して得られた鱗片状の易黒鉛化性炭素1を作製した。易黒鉛化性炭素1の面間隔値も表1に併せて示す。
【0026】
【表1】
【0027】
難黒鉛化性炭素A〜Fを400℃でフッ素化させることによりフッ化炭素とした。このフッ化炭素に導電剤としてカーボンブラックを、結着剤としてフッ素系樹脂を用い。これらを重量比で85:8:7の割合で混合し、正極合剤を得た。この正極合剤を2ton/cm2で直径16mmのペレットに加圧成形した後、水分1%以下のドライ雰囲気中、110℃で乾燥して正極4とした。この正極を用いた電池を電池A〜Fとする。
【0028】
比較例として、鱗片状の易黒鉛化性炭素1を用い、本実施例の難黒鉛化性炭素と同様の条件にてフッ化を施してフッ化炭素を得た。さらに、得られたフッ化炭素を用いた以外は構成が電池Aと同じとした比較電池1を作製した。尚、電池A〜Fおよび比較品1に用いたフッ化炭素のフッ化度はともに炭素原子に対して1であった。
【0029】
この電池a〜fおよび比較電池Aを、室温で10kΩの負荷に接続して放電させた。その時の放電容量を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】
難黒鉛化性炭素A〜Eを出発炭素材料としたフッ化炭素を用いた電池A〜Eは、易黒鉛化性炭素を出発炭素材料としたフッ化炭素を用いた比較電池1よりもかなり大きな放電容量が得られた。また、難黒鉛化性炭素A〜Eの(002)面の面間隔値が大きくなるほど、放電容量が大きくなった。しかし、面間隔が4.0Åより大きい難黒鉛化性炭素Fを用いた電池Fは、比較電池1よりも若干大きな放電容量が得られたが、難黒鉛化性炭素A〜Eに比べて放電容量が減少している。このように、難黒鉛化性炭素を出発炭素材料に用いた電池は易黒鉛化性炭素を用いた電池に比べて大きな放電容量が得られる。特に(002)面の面間隔が3.5〜4.0Åの難黒鉛化性炭素は、強負荷放電特性に優れたフッ化炭素リチウム電池を得ることができる。
【0032】
(実施例2)
実施例1の電池Aの有機電解液に代えて、他の有機電解液を用いた電池G〜Jを作製した。電池Gは、電池Aにおけるγ−ブチロラクトンにホウフッ化リチウムを1mol/l溶解させた有機電解液に代えて、プロピレンカーボネート(PC)とジメトキシカーボネート(DMC)が体積比で(1:1)の混合溶媒に溶質としてホウフッ化リチウムを1mol/l溶解させた有機電解液を用いた。尚、有機電解液以外の構成は電池Aと同じ構成とした。
【0033】
さらに電池Hは、リチウム6フッ化リンを溶質として用い、これをプロピレンカーボネート(PC)とジメトキシカーボネート(DMC)が体積比で(1:1)の混合溶媒に1mol/lで溶解させた有機電解液を使用した。また、電池Iは、イミド結合を有するLiN(CF3SO2)2を溶質として用い、これをプロピレンカーボネート(PC)とジメトキシカーボネート(DMC)が体積比で(1:1)の混合溶媒に1mol/lで溶解させた有機電解液を使用した。電池Jは、イミド結合を有するLiN(C2F5SO2)2を溶質として用い、これをプロピレンカーボネート(PC)とジメトキシカーボネート(DMC)が体積比で(1:1)の混合溶媒に1mol/lで溶解させた有機電解液を使用した。
【0034】
一方、比較電池としては電池Gの有機電解液に代えて、過塩素酸リチウムを溶質として用い、これをプロピレンカーボネート(PC)とジメトキシカーボネート(DMC)が体積比で(1:1)の混合溶媒に1mol/lで溶解させた有機電解液を使用し、他の構成は電池Gと同じとした比較電池2を作製した。さらに、電池Gのフッ化炭素の出発炭素材料として難黒鉛化性炭素に代えて、2800℃で焼成して得られた鱗片状の易黒鉛化性炭素((002)面の面間隔3.38Å)を用いた以外は電池Gと構成が同じとした比較電池3を作製した。
【0035】
本実施例2によって作製された電池G〜Jと比較電池2、3に加え、実施例1における電池Aおよび比較電池1の構成を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
表3に示す各々の電池について、室温で10kΩの負荷に接続して放電させた。その結果を表3に併せて示す。放電容量は電池電圧が2.0Vに達した時の容量とする。
【0038】
表3の結果から、プロピレンカーボネート(PC)とジメトキシカーボネート(DMC)が体積比で(1:1)の混合溶媒にホウフッ化リチウム、リチウム六フッ化リンまたはイミド結合を有するLiN(CF3SO2)2、LiN(C2F5SO2)2を1mol/l 溶解させた電解液を用いた電池G、H、I、Jにおいて放電容量が最も大きくなった。溶質として、本発明のトリフルオロメタンスルホン酸リチウムについて示さなかったが、同様の効果が得られる。
【0039】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、強負荷放電特性に優れたリチウム電池を提供することができ、その工業的価値は大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例におけるコイン型電池の構成を示す断面図
【符号の説明】
1 正極ケース
2 負極ケース
3 ガスケット
4 正極
5 負極
6 セパレータ
Claims (5)
- リチウムイオンの放出が可能な負極、有機電解液、熱硬化性樹脂を窒素雰囲気下において熱処理して得られた難黒鉛化性炭素をフッ素化処理したフッ化炭素を主体とする正極、を基本構成とする有機電解液電池。
- 難黒鉛化性炭素のX線広角回折法における(002)面の面間隔が3.5〜4.0Åにある請求項1記載の有機電解液電池。
- 有機電解液が、プロピレンカーボネート(PC)を含む有機溶媒と溶質からなり、前記溶質が、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、リチウム六フッ化リン(LiPF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、及び一般式(LiN(CnF2n+1SO2)2)で表されるイミド結合を有するリチウム塩から選択される少なくとも一種である請求項1あるいは2記載の有機電解液電池。
- イミド結合を有するリチウム塩が、リチウムビスパーフルオロメチルスルホン酸イミド(LiN(CF3SO2)2)である請求項3記載の有機電解液電池。
- イミド結合を有するリチウム塩が、リチウムビスパーフルオロエチルスルホン酸イミド(LiN(C2F5SO2)2)である請求項3記載の有機電解液電池。
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