JP3713066B2 - 非水電解液およびこれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents

非水電解液およびこれを用いたリチウム二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は非水電解液およびこれを用いたリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピューター、携帯電話、携帯情報端末などを含むポータブル情報機器の普及が著しい。また、マルチメディアとしてのこれらの機器は多機能であることが望まれるため、必要とされる電源としては小型、軽量でありながら大容量の電池が求められている。特にコバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム等の複合酸化物を正極活物質とし、非水電解液を含み、負極活物質にリチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材を使ったリチウム二次電池の開発が盛んである。
【0003】
リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な炭素材の中でも、黒鉛は、容量が大きい、電位平坦性が高い、平均放電電位が低い、リチウムのドープ・脱ドープが速度が大きいという特徴を持つため、リチウム二次電池用負極活物質材料として最適な化合物の一つであると考えられ、負極活物質に黒鉛系材料を使ったリチウム二次電池の開発が盛んである(特開昭57−208079号公報、特開平5−13088号公報)。
黒鉛系材料を負極活物質として用いたリチウム二次電池における非水電解液には、炭酸エチレン等の環状炭酸エステルおよび炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の非環状炭酸エステルとの混合溶媒が用いられている。
【0004】
しかしながら、黒鉛系材料を負極活物質として用いた非水電解液リチウム二次電池を検討した結果、放電可能な温度範囲が必ずしも充分でないことがわかった。黒鉛系材料を負極活物質として用いる場合、非水電解液としては環状炭酸エステルである炭酸エチレンが含有されている混合溶媒系が一般に用いられているが、炭酸エチレンは凝固点が39℃と比較的高く、非水電解液中での炭酸エチレンの含有率が高くなると、低温放電時における電池容量が低下するという問題があることがわかった。
【0005】
一方、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の非環状炭酸エステルは常圧(760mmHg)における沸点が90℃〜130℃と比較的低く、蒸気圧が比較的高いため、これら溶媒を取り扱う場合に溶媒蒸気の蒸散の問題や、これら溶媒を用いた非水電解液を備える電池が高温環境におかれた場合、電池の内部圧力が上昇するなどの問題があることがわかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、放電可能な温度範囲に優れ、かつ取り扱いが簡便でかつ安全性の高い非水電解液およびこれを用いたリチウム二次電池を提供することにある

【0007】
【課題を解決するための手段】
このような事情をみて、本発明者らは鋭意検討を行った結果、放電可能な温度範囲に優れた非水電解液として、非水溶媒として特定の炭酸エステル化合物を用いることで、前記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、次に記す発明である。
(1)非水溶媒と電解質とからなる非水電解液において、該非水溶媒として一般式[I]、[II]で表される炭酸エステル化合物の群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする非水電解液。
【化6】
Figure 0003713066
【化7】
Figure 0003713066
(式中、R1 6 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。但し、R 1 および R 2 の少なくとも 1 つがメチル基であり、 R 3 R 6 の3個以上がメチル基である。
【0009】
(2)さらに下記一般式[IV]、[V]または[VI]で表される炭酸エステル化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする(1)記載の非水電解液。
【化8】
Figure 0003713066
(式中、R13、R14、R15、R16は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキルを表す。)
【化9】
Figure 0003713066
(式中、R17、R18は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【化10】
Figure 0003713066
(式中、R19、R20は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
【0010】
(3)電解質としてリチウム塩を用いることを特徴とする(1)または(2)記載の非水電解液。
(4)リチウム塩を溶解する前の溶媒中の水分量が200ppm以下であり、かつリチウム塩として6フッ化リン酸リチウムを用いることを特徴とする(3)記載の非水電解液。
(5)電解質濃度が0.5モル/リットル〜1.5モル/リットルであることを特徴とする(1)、(2)、(3)または(4)記載の非水電解液。
(6)リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な負極活物質または金属リチウムもしくはリチウム合金を含む負極と、非水電解液と、セパレーターとを備えたリチウム二次電池において、該非水電解液が(1)、(2)、(3)、(4)または(5)記載の非水電解液を用いてなることを特徴とするリチウム二次電池。
(7)正極として、遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物を活物質として用いてなることを特徴とする(6)記載のリチウム二次電池。
(8)負極として、天然黒鉛、人造黒鉛またはコークスを単一成分または主成分とする炭素材料を活物質として用いてなることを特徴とする(6)記載のリチウム二次電池。
【0011】
次に本発明を詳細に説明する。
一般式[I]、[II]で表される炭酸エステル化合物は、電気化学的に安定であり、特に耐酸化性に優れ、充電時に高電位(例えばリチウム金属電極に対して4V以上)になる遷移金属のリチウム複合酸化物中でも酸化されにくいので、該炭酸エステル化合物を用いた非水電解液は遷移金属のリチウム複合酸化物を正極活物質に用いた電池の非水電解液として好適である。
【0012】
また、該炭酸エステル化合物は、充電時に低電位(例えばリチウム金属電極に対して2V以下)になる炭素材料またはアルカリ金属含有合金もしくはアルカリ金属を負極活物質を用いた場合にも分解されにくいので、該炭酸エステル化合物を用いた非水電解液は前記の負極活物質を用いた電池の非水電解液として好適である。
さらに、該炭酸エステル化合物は、特に該負極活物質として黒鉛材料を用いた場合にも分解されにくいといった特徴を持つため、容量が大きい、電位平坦性が高い、平均放電電位が低い、リチウムのドープ・脱ドープが速度が大きいという特徴を持つ黒鉛材料を負極活物質として用いた電池の非水電解液として好適である。
また、コークス系の炭素材料を負極活物質として用いることもできる。
【0013】
さらに、該炭酸エステル化合物は、60℃以上の高温雰囲気においても電気化学的に安定で耐酸化性および耐還元性に優れ、充電時に高電位(例えばリチウム金属電極に対して4V以上)になる遷移金属のリチウム複合酸化物中でも酸化されにくく、かつ充電時に低電位(例えばリチウム金属電極に対して2V以下)になる炭素材料またはアルカリ金属含有合金もしくはアルカリ金属を負極活物質を用いた場合にも分解されにくいので、本発明の非水電解液は遷移金属酸化物を正極活物質に用い、かつ充電時に低電位(例えばリチウム金属電極に対して2V以下)になる負極活物質を用い、かつ60℃以上の高温雰囲気で保存または使用される可能性のある電池の非水電解液として好適である。
【0014】
また、該炭酸エステル化合物は、通常常圧で凝固点が0℃以下、沸点が150℃以上と液体である温度範囲が広く、溶質を溶解した電解液の凝固点は−10℃以下、沸点が160℃以上と、さらに液体である温度範囲が広く、電池の動作温度が広がるため、本発明の非水電解液は常温型電池の非水電解液として好適である。
【0015】
該炭酸エステル化合物において、一般式[I]で表される該炭酸エステル化合物中のR1 がメチル基であり、その他が水素原子である化合物が好ましい。
具体的には、下記の化11が凝固点が低く、電解質の溶解度も高いため好ましい。
【0016】
【化11】
Figure 0003713066
【0017】
さらに該非水電解液として、一般式[I]、[II]で表される炭酸エステル化合物に対して、必要に応じてこれ以外の一般式[IV]、[V]または[VI]で表される炭酸エステル化合物を少なくとも1種添加した混合溶媒を用いることができる。
【0018】
一般式[IV]または[V]で表される環状炭酸エステル化合物として、炭酸エチレン、炭酸ビニレン、炭酸プロピレン、炭酸1,2−ブチレン、炭酸2,3−ブチレン、炭酸イソブチレンなどが例示できる。
一般式[VI]で表される非環状炭酸エステル化合物として、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル、炭酸メチルプロピル、炭酸イソプロピルメチル、炭酸エチルプロピル、炭酸イソブチルメチルなどが例示できる。
これらの炭酸エステル化合物は1種単独を使用してもよく、必要に応じて2種
以上を併用してもよい。
【0019】
環状炭酸エステルとの混合溶媒を用いた場合、大電流放電時の電池容量低下および充放電サイクルを多数回繰り返したのちの電池容量低下を少なくすることができるため好ましい。特に負極活物質に黒鉛を用いる場合、電気分解を受けにくいという点で、環状炭酸エステルとしては炭酸エチレン、炭酸ビニレンが好ましい。
さらには環状炭酸エステルの含有量としては50体積%以下であることが、低温放電時での電池容量低下を少なくすることができるため好ましい。
【0020】
また、非環状炭酸エステルとの混合溶媒を用いた場合、混合溶媒の凝固点温度を降下させ、かつ粘度を低下させることで、低温放電時の電池容量低下が少なくすることができるため好ましい。
さらには非環状炭酸エステルについては70体積%以下であることが、非水電解液の蒸気圧を低くでき、取り扱い上簡便になり、かつ安全性が向上し、また、大電流放電時の電池容量低下を少なくすることができるため好ましい。
【0021】
一般式[I]、[II]で表される炭酸エステル化合物は、単に難分解性であるだけでなく、炭酸ジエチル等の易分解性の炭酸エステル化合物の分解抑制効果がある。すなわち、炭酸ジエチル等の鎖状炭酸エステル化合物は、黒鉛を主体とする炭素材料や金属リチウムを負極活物質として用いた場合、充電時に容易に分解するが、驚くべきことに、本発明である、一般式[I]、[II]で表される炭酸エステル化合物との混合溶媒を用いた非水電解液では、黒鉛を主体とする炭素材料や金属リチウムを負極活物質として用いた場合においても、充電時に分解しにくくなり、一般式[I]、[II]で表される炭酸エステル化合物が分解抑制効果を持つことを示している。
【0022】
本発明の非水電解液について、電解質としてリチウム塩を用いることが好ましい。該リチウム塩として、非水電解液のイオン導電性が大きくすることができ、大電流放電時の電池容量低下を少なくできるという点で、6フッ化リン酸リチウム、4フッ化ホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムまたはトリフルオロメタンスルホン酸リチウムなどが挙げられる。該リチウム塩としては、いずれか1種単独で使用してもよく、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
なかでも好ましくはイオン導電性が大きいという点で、6フッ化リン酸リチウムが好ましい。ただし、6フッ化リン酸リチウムはきわめて水と反応しやすく、電池にとって有害な酸を発生するため、溶質を溶解する前の非水溶媒中の水分量が200ppm以下であることが好ましい。
【0023】
上記リチウム塩電解質濃度は、0.5モル/リットル〜1.5モル/リットルであることがイオン導電性が大きいという点で好ましい。中でも好ましくはリチウム塩電解質濃度が0.7モル/リットル〜1.3モル/リットルであることがイオン導電性が大きいという点で好ましい
【0024】
本発明のリチウム二次電池は、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な負極活物質または金属リチウムもしくはリチウム合金を含む負極と、非水電解液と、セパレーターとを備えたリチウム二次電池において、前記(1)ないし(5)記載の非水電解液を用いていることを特徴とするリチウム二次電池である。
【0025】
本発明のリチウム二次電池において、該正極活物質として充電時の正極活物質の開回路電位がリチウム金属に対して4V以上の高電位を持つ化合物を用い、かつ、該負極活物質として充電時の負極活物質の開回路電位がリチウム金属に対して2V以下の低電位を持つ材料を用いることが好ましい。
該正極活物質として、充電電圧が高く、電池のエネルギー密度を大きくすることができるため、遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物を用いることが好ましい。
【0026】
該正極における、遷移金属を少なくとも一種含むリチウム複合酸化物としては、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等の遷移金属を少なくとも一種含むリチウム複合酸化物が挙げられる。中でも好ましくは、平均放電電位が高いという点で、コバルト、ニッケル等のα−NaFeO2 型構造を母体とする層状リチウム複合酸化物、またはマンガン等のスピネル型構造を母体とするリチウム複合酸化物が挙げられる。
中でも好ましくはサイクル特性が優れているという点で、リチウム・ニッケル複合酸化物を主体とする層状リチウム複合酸化物が好ましい。
【0027】
本発明のリチウム二次電池における正極として、具体的には、該リチウム複合酸化物の活物質粉末、補助導電材粉末、これら粉末同士を結着するためのバインダーなどとを均一に混合した後加圧成形するか、または溶媒等を用いてペースト化し、集電体上に塗布乾燥後プレスするなどして、集電体シートに固着した構成のものが挙げられる。
【0028】
該正極に用いる補助導電材粉末としては、導電効果があり、使用する非水電解液に対する耐性や、正極での電気化学反応に対する耐性を有するものであればよく、例えば黒鉛粉末、カーボンブラック、コークス粉末、導電性高分子などが挙げられる。
該補助導電材の量は、使用する活物質粉末100重量部に対して1〜20重量部程度とすることが好ましい。
【0029】
本発明のリチウム二次電池における負極は、活物質として天然黒鉛、人造黒鉛またはコークスを単一成分もしくは主成分とする炭素材料またはリチウム金属もしくはリチウム金属合金を用いることが好ましい。
中でも好ましくは、容量が大きい、電位平坦性が高い、平均放電電位が低い、リチウムのドープ・脱ドープ速度が大きいという特徴を持つ黒鉛を主として含む炭素材料が挙げられる。
該炭素材料中の黒鉛の割合は、70重量%以上が好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。黒鉛以外の炭素材料としては、カーボンブラックやコークス、さらにはカーボンブラックを約1500〜3000℃の温度で熱処理することにより得られる、いわゆる擬黒鉛性カーボンブラックなどが挙げられる。
【0030】
本発明における負極として、具体的には黒鉛を主として含む炭素材料粉末と、さらにこれら粉末同士を結着するためのバインダーなどとを均一に混合した後加圧成形するか、または溶媒等を用いてペースト化し、集電体上に塗布乾燥後プレスするなどして、集電体シートに固着した構成のものが挙げられる。
【0031】
該黒鉛として、天然黒鉛や人造黒鉛が挙げられる。該黒鉛として、具体的には、X線回折における格子面間隔(d002 )が3.37Å以下であり、真比重が2.23以上のものが好ましい。さらに好ましくはX線回折における格子面間隔(d002 )が3.36Å以下であり、真比重が2.24以上のものである。
ここで格子面間隔(d002 )とは、X線としてCuKα線を用い、高純度シリコンを標準物質とするX線回折法[大谷杉郎、炭素繊維、733〜742頁(1986)、近代編集社]によって測定された値のことを意味する。
【0032】
本発明において用いる黒鉛の灰分は、好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下である。天然黒鉛の場合は産地によっても異なるが、含有する灰分が数重量%以上と大きいため、好ましくは2500℃以上、さらに好ましくは2800℃以上の高温度で処理して、灰分を好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.1重量%以下にしたものがよい。ここで灰分はJISM8812による値を意味する。
【0033】
本発明において用いる人造黒鉛は、例えば鱗片状黒鉛(SEC社製、商品名SGP5、SGP15、SGO5、SGX5;LONZA社製、商品名SFG6、SFG15、KS6、KS15)、球状黒鉛(大阪ガス社製、商品名MCMB6−28、MCMB20−28)、繊維状黒鉛(大阪ガス社製、商品名SG241、F500)などが例示できる。
本発明において用いる黒鉛系炭素材料の粒度は特に制限されないが、平均粒径が1〜50μm程度のものが好ましい。さらに好ましくは、2〜20μmである。
【0034】
前記の正極や負極に用いるバインダーとしては、結着効果があり、使用する非水電解液に対する耐性や、正極や負極での電気化学反応に対する耐性を有するものであればよく、例えばポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFということがある。)等のフッ素樹脂やポリエチレンポリプロピレン等が挙げられる。
該バインダーの量は、使用する活物質粉末100重量部に対して1〜20重量部とすることが好ましい。
【0035】
前記の正極や負極に用いる集電体としては、使用する非水電解液に対する耐性や、正極や負極での電気化学反応に対する耐性を有するものであればよく、例えば、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、アルミニウムなどが挙げられる。
該集電体の厚みは、電池としての体積エネルギー密度が上がるという点で、強度が保たれる限り薄い程好ましく、5〜100μm程度が好ましい。
該正極の集電体として、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でアルミニウム箔が好ましい。
該負極の集電体として、リチウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工しやすいと言う点で銅箔が好ましい。
【0036】
本発明のリチウム二次電池において、セパレーターとしては、両極の接触を防止し、絶縁性を持ち、かつ非水電解液を保持し、リチウムイオンが透過できる機能を有し、使用する非水電解液に対する耐性や、正極や負極での電気化学反応に対する耐性を有するものであればよく、例えばフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどオレフィン系樹脂、ナイロンなどの不織布、織布が例示できる。
該セパレーターの厚みは電池としての体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなると言う点で機械的な強度が保たれる限り薄い程よく、10〜200μm程度が好ましい。
【0037】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
参考実施例1
(I)合成
エチレングリコールとクロロギ酸メチルをピリジン中で、公知の方法〔Taylor他、J.Chem.Soc.Perkin Trans.2、291、(1983)〕に従い、反応させて、下記の1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン(以下、DDMCと呼ぶことがある。)を得た。
【化12】
Figure 0003713066
【0038】
(II)試験に供したリチウム二次電池の仕様
硝酸リチウムと炭酸ニッケルを混合し、酸素気流中において700℃で15時間焼成して得られたニッケル酸リチウム粉末87重量%に、重量平均粒径が7.2μmの鱗片状人造黒鉛(ロンザ社製、商品名:KS15)10重量%を混合したものに対して、バインダーとしてN−メチルピロリドンを溶媒としたポリフッ化ビニリデン〔呉羽化学工業(株)製、商品名:KF#1300〕を3重量%相当分加えて充分に混練し、ペーストとした。上記ニッケル酸リチウム粉末は、粉末X線回折によりα−NaFeO2 型構造を有することが確認された。
該ペーストを集電体である10μm厚のアルミニウム箔に塗布した後、乾燥、プレスしてシート化した後、1.3×1.8cmの小片に切断して正極を得た。この正極の活物質重量は40mg〜45mgである。
【0039】
3000℃で熱処理した、窒素吸着法による比表面積が9m2 /g、数平均粒径が10μm、真比重が2.26、X線回折における格子面間隔d002 が3.36Å、灰分が0.05重量%の天然黒鉛(マダガスカル産)粉末95重量部に対して、2800℃で黒鉛化処理した窒素吸着法による比表面積が30m2 /g、真比重が2.04、数平均一次粒子径が66nmの擬黒鉛質カーボンブラック粉末〔東海カーボン(株)製、商品名:TB3800〕5重量%との混合炭素材を用い、シランカップリング剤(日本ユニカー社製、商品名:A186)を予め純粋に分散したものを1重量部相当分添加して充分混合後、150℃で真空乾燥して、シランカップリング剤で処理した炭素粉末を得た。
【0040】
次に、前記シランカップリング剤処理材料97重量%に対して、バインダーとしてN−メチルピロリドンを溶媒としたポリフッ化ビニリデンを3重量%相当分加えて充分に混練し、ペーストとした。
該ペーストを集電体である10μm厚の銅箔に塗布した後、乾燥、プレスしてシート化した後、該シートを1.5×2cmの小片に切断して負極を得た。
セパレーターとしては、ポリプロピレン多孔質フィルム(ダイセル化学社製、商品名:セルガード#2400)を用いた
【0041】
参考実施例2
非水電解液溶媒としてDDMCを用い、該溶媒に電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように溶解した非水電解液を用い、上記のようにして得られた正極、負極をセパレーターを介して対向させ、ステンレス製の容器に収納し電池A1を作製した。
27℃で充電電流0.6mA、充電最大電圧4.3V、充電時間12時間の定電流定電圧充電を行い、−10℃〜100℃の環境において放電電流0.6mA、終止電圧2.75Vで放電した。
得られた電池の放電容量を表1に示す。黒鉛を負極材料に使用した電池において、本発明による非水電解液を用いることで−10℃〜100℃という広い温度範囲で動作する非水電解液リチウム二次電池が作製できた。
【0042】
【表1】
Figure 0003713066
【0043】
参考実施例3
非水電解液溶媒として、DDMCと炭酸ジメチル(以下、DMCと呼ぶことがある。)を体積比で1:1に混合した混合溶媒を用い、該溶媒に電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように溶解した非水電解液を用いた他は、実施例2と同様にして、電池A2を作製した。
27℃で充電電流0.6mA、充電最大電圧4.3V、充電時間12時間の定電流定電圧充電を行い、−20℃および27℃の環境において放電電流0.6mA、終止電圧2.75Vで放電した。−20℃における放電容量は4.15mAh、27℃における放電容量は5.43mAhとなった。
鎖状炭酸エステルである炭酸メチルを添加した本発明による非水電解液を用いることで、低温における放電容量の低下を少ない電池を得ることができた。
【0044】
参考実施例4
非水電解液溶媒としてDDMCと炭酸ジエチル(以下、DECと呼ぶことがある。)を体積比で1:1に混合した混合溶媒を用い、該溶媒に電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように溶解した非水電解液を用いた他は、実施例2と同様にして、電池A3を作製した。
27℃で充電電流0.6mA、充電最大電圧4.3V、充電時間12時間の定電流定電圧充電を行い、−20℃および27℃の環境において放電電流0.6mA、終止電圧2.75Vで放電した。−20℃における放電容量は3.88mAh、27℃における放電容量は4.68mAhとなった。
【0045】
参考比較例1
非水電解液溶媒としてDECを用いた他は、参考実施例2と同様にして、比較電池R1を作製した。
参考実施例4と同様の条件で充電を行ったが、充電最大電圧まで達することなく充電が終了し、27℃の環境において全く放電されなかった。充電操作後の比較電池R1を分解して調べたところ液が分解されていることがわかった。
【0046】
参考実施例4および参考比較例1から、黒鉛または金属リチウムを負極とした場合、易分解性である炭酸ジエチルが、DDMCとの混合溶媒を用いた本発明による非水電解液を用いることで分解が抑制され、かつ低温における放電容量の低下を少ない電池を得ることができた。
【0047】
【発明の効果】
本発明の非水電解液をリチウム二次電池などに用いると、放電可能な温度範囲に優れ、かつ取り扱いが簡便でかつ安全性が高いリチウム二次電池が得られるので、工業的価値が大きい。

Claims (8)

  1. 非水溶媒と電解質とからなる非水電解液において、該非水溶媒として一般式[I]、[II]で表される炭酸エステル化合物の群から選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする非水電解液。
    Figure 0003713066
    Figure 0003713066
    (式中、R1 6 は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を表す。但し、R 1 および R 2 の少なくとも 1 つがメチル基であり、 R 3 R 6 の3個以上がメチル基である。
  2. さらに下記一般式[IV]、[V]または[VI]で表される炭酸エステル化合物を少なくとも1種含むことを特徴とする請求項1記載の非水電解液。
    Figure 0003713066
    (式中、R13、R14、R15、R16は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキルを表す。)
    Figure 0003713066
    (式中、R17、R18は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
    Figure 0003713066
    (式中、R19、R20は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  3. 電解質としてリチウム塩を用いることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解液。
  4. リチウム塩を溶解する前の溶媒中の水分量が200ppm以下であり、かつリチウム塩として6フッ化リン酸リチウムを用いることを特徴とする請求項3記載の非水電解液。
  5. 電解質濃度が0.5モル/リットル〜1.5モル/リットルであることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の非水電解液。
  6. リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な正極活物質を含む正極と、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な負極活物質または金属リチウムもしくはリチウム合金を含む負極と、非水電解液と、セパレーターとを備えたリチウム二次電池において、該非水電解液が請求項1、2、3、4または5記載の非水電解液を用いてなることを特徴とするリチウム二次電池。
  7. 正極として、遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物を活物質として用いてなることを特徴とする請求項6記載のリチウム二次電池。
  8. 負極として、天然黒鉛、人造黒鉛またはコークスを単一成分または主成分とする炭素材料を活物質として用いてなることを特徴とする請求項6記載のリチウム二次電池。
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