JP2004342626A - 非水電解液リチウム二次電池の低温放電特性向上方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 非水電解液リチウム二次電池の低温放電特性向上方法を提供する。
【解決手段】 遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物を活物質として含む正極と、黒鉛を主として含む炭素材料を活物質として含む負極と、電解質として少なくともLiPF6 を有機溶媒に溶解した電解液と、セパレーターとを備えた非水電解液リチウム二次電池において、有機溶媒として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含み、その組成比率が、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの総和に対するエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの割合をそれぞれx、y、z(単位体積%)と表したとき、10≦x≦35、10≦y≦85かつ5≦z≦80である有機溶媒を用いることを特徴とする非水電解液リチウム二次電池の低温放電特性向上方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物を活物質として含む正極と、黒鉛を主として含む炭素材料を活物質として含む負極と、電解質として少なくともLiPF6 を有機溶媒に溶解した電解液と、セパレーターとを備えた非水電解液リチウム二次電池において、有機溶媒として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含み、その組成比率が、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの総和に対するエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの割合をそれぞれx、y、z(単位体積%)と表したとき、10≦x≦35、10≦y≦85かつ5≦z≦80である有機溶媒を用いることを特徴とする非水電解液リチウム二次電池の低温放電特性向上方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は非水電解液を用いるリチウム二次電池に関する。
α−NaFeO2 型構造を母体とする層状リチウム複合酸化物またはスピネル型構造を母体とする遷移金属酸化物を活物質として含む正極と、リチウムをドープ・脱ドープできる炭素材料を活物質として含む負極を用いたリチウムイオン二次電池は、体積当たりと重量当たりのエネルギー密度が高く、小型化・軽量化が容易であり、かつ充放電サイクル性および安全性に優れているため、携帯電話や携帯式ビデオカメラなどポータブル電気機器用の二次電池または電気自動車用途の二次電池として大きな注目を浴びている。
上記の電極活物質を用いる場合、正極活物質、負極活物質ともに電気化学的にきわめて活性であるため、これらの物質に対して電気化学的に安定な電解液を用いる必要がある。このように高い耐酸化性、耐還元性を持つ電解液用の非水溶媒としては、一般に非プロトン性の非水溶媒が適している。
リチウム電池の非水電解液用非プロトン性溶媒としては、環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒にリチウム塩を溶解させた電解液が提案されている(特開平2−172162号公報、特開平2−172163号公報、特開平4−171674号公報)。
一方で、さらに電池の容量特性を改善するために電池活物質自体の検討も広く行なわれており、特に負極の炭素材料の場合、単位重量あたりの充放電容量が大きく、充放電中の平均電位が低くエネルギー密度が大きいという点で、黒鉛系材料が優れた材料であることが指摘されている(特開昭57−208079号公報、特開平5−13088号公報)。しかしながら、負極の炭素材料として黒鉛系材料を用いた場合、従来のプロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等を用いた電解液(特開平2−10666号公報、特開平4−184872号公報)では負極で分解するため、負極材料に黒鉛系炭素材料を用いた場合に初期および保存後の放電特性のいずれにも優れ、かつ、サイクル特性にも優れた非水系電解液であり、さらに常温下大電流放電特性および低温放電特性のいずれにも優れるものとして、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートの3成分の混合溶媒を含有する電解液が提案された(特開平5−13088号公報)。
しかしながら、従来提案されていた組成の電解液を検討した結果、−20℃での電導度から期待される放電容量より低い放電容量しか得られず、低温放電特性が十分でないことがわかった。
本発明の目的は、負極炭素材料に黒鉛系の材料を用いたリチウム二次電池において、室温での充放電の効率、大電流放電特性およびサイクル特性を損なうことなく、低温放電特性に優れたリチウム二次電池を提供することにある。
本発明の目的は、負極炭素材料に黒鉛系の材料を用いたリチウム二次電池において、室温での充放電の効率、大電流放電特性およびサイクル特性を損なうことなく、低温放電特性に優れたリチウム二次電池を提供することにある。
このような事情をみて、本発明者らは鋭意検討を行った結果、電解液の有機溶媒であるエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの3成分が特定の組成範囲内にあるときに、前記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、次に記す発明である。
(1)遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物を活物質として含む正極と、黒鉛を主として含む炭素材料を活物質として含む負極と、電解質として少なくともLiPF6 を有機溶媒に溶解した電解液と、セパレーターとを備えた非水電解液リチウム二次電池において、該有機溶媒がエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含み、その組成比率が、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの総和に対するエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの割合をそれぞれx、y、z(単位体積%)と表したとき、10≦x≦35、10≦y≦85かつ5≦z≦80であることを特徴とする非水電解液リチウム二次電池。
(1)遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物を活物質として含む正極と、黒鉛を主として含む炭素材料を活物質として含む負極と、電解質として少なくともLiPF6 を有機溶媒に溶解した電解液と、セパレーターとを備えた非水電解液リチウム二次電池において、該有機溶媒がエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含み、その組成比率が、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの総和に対するエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの割合をそれぞれx、y、z(単位体積%)と表したとき、10≦x≦35、10≦y≦85かつ5≦z≦80であることを特徴とする非水電解液リチウム二次電池。
(2)電解液中のLiPF6 の濃度範囲が0.5〜1.5モル/リットルであることを特徴とする(1)記載の非水電解液リチウム二次電池。
本発明の非水電解液リチウム二次電池は、負極炭素材料に黒鉛系の材料を用いたリチウム二次電池でありながら、室温での充放電の効率、大きなエネルギー密度、サイクル特性といった好ましい特性を損なうことなく、−20℃という低温でも大きな放電容量を維持し、かつ1C以上の大電流放電時にも放電容量の極端な低下がもたらされない。さらには80℃という高温でも動作するため、野外などで使用する携帯電子機器または電気自動車等の輸送機器用途として工業的価値が大きい。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明の非水電解液リチウム二次電池は、遷移金属を少なくとも一つ含むリチウム複合酸化物を活物質として含む正極と、黒鉛を主として含む炭素材料を活物質として含む負極と、電解質として少なくともLiPF6 を有機溶媒に溶解した電解液と、セパレーターとを備える。
本発明の非水電解液リチウム二次電池において、電解液に用いる有機溶媒は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含み、その組成比率が、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの総和に対するエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの割合をそれぞれx、y、z(単位体積%)と表したとき、10≦x≦35、10≦y≦85かつ5≦z≦80であることを特徴とする。該割合は好ましくは15≦x≦35、15≦y≦70、10≦z≦70であり、さらに好ましくは20≦x≦35、20≦y≦60、10≦z≦60である。
本発明の非水電解液リチウム二次電池は、遷移金属を少なくとも一つ含むリチウム複合酸化物を活物質として含む正極と、黒鉛を主として含む炭素材料を活物質として含む負極と、電解質として少なくともLiPF6 を有機溶媒に溶解した電解液と、セパレーターとを備える。
本発明の非水電解液リチウム二次電池において、電解液に用いる有機溶媒は、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含み、その組成比率が、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの総和に対するエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの割合をそれぞれx、y、z(単位体積%)と表したとき、10≦x≦35、10≦y≦85かつ5≦z≦80であることを特徴とする。該割合は好ましくは15≦x≦35、15≦y≦70、10≦z≦70であり、さらに好ましくは20≦x≦35、20≦y≦60、10≦z≦60である。
電解液に用いる有機溶媒として、エチレンカーボネートの体積分率が10体積%未満の場合は、サイクル毎の放電容量劣化が大きいため好ましくない。サイクル毎の放電容量劣化が大きくなる原因については未だ明らかではないが、エチレンカーボネートが電極表面での不可逆的な電気化学的反応を抑制する作用があると考えられる。また、エチレンカーボネートが35体積%を越える場合は、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの混合比率に関わらず低温(−20℃)での放電容量が著しく悪くなるので好ましくない。この原因については未だ明らかではないが、電池のように直流電流を流す場合には電極近傍でのイオンの濃度不均一が生じやすく、濃度分極の影響が相対的に大きくなったためと考えられる。
電解液に用いる有機溶媒として、ジメチルカーボネートの体積分率が10体積%未満の場合は、サイクル特性が悪化するため好ましくない。また、ジメチルカーボネートが85体積%を越える場合は、低温で電解液が凝固し放電できなくなるため好ましくない。
電解液に用いる有機溶媒として、エチルメチルカーボネートの体積分率が5体積%未満の場合は、−20℃での放電容量が小さいため好ましくない。これはエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート両者とも凝固点が34℃、0℃と高いため、溶質を1モル/リットル程度溶解しても電解液が凝固するためと考えられる。また、エチルメチルカーボネートが80体積%を越える場合は、サイクル特性が悪化するため好ましくない。
該有機溶媒中のジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの総和に対するジメチルカーボネートの割合をwと表したとき、低温放電容量および大電流放電容量の点で、0.15<w<4であることが好ましい。
本発明の非水電解液リチウム二次電池における正極は、活物質として遷移金属を少なくとも一種含むリチウム複合酸化物を用いる。具体的には該正極として、該リチウム複合酸化物の活物質粉末、補助導電剤粉末、これら粉末同士を決着するためのバインダーなどとを均一に混合した後加圧成形するか、または溶媒等を用いてペースト化し集電体上に塗布乾燥後プレスするなどして、集電体シートに固着した構成のものが挙げられる。
該正極における、遷移金属を少なくとも一種含むリチウム複合酸化物としては、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等の遷移金属を少なくとも一種含むリチウム複合酸化物が挙げられる。中でも好ましくは、平均放電電位が高いという点で、コバルト、ニッケル等のα−NaFeO2 型構造を母体とする層状リチウム複合酸化物、またはマンガン等のスピネル型構造を母体とするリチウム複合酸化物が挙げられる。中でも好ましくはサイクル特性が優れているという点で、リチウム・ニッケル複合酸化物を主体とする層状リチウム複合酸化物が好ましい。
該正極に用いる補助導電材粉末としては、導電効果があり、使用する非水電解液に対する耐性や、正極での電気化学反応に対する耐性を有するものであればよく、例えば黒鉛粉末、カーボンブラック、コークス粉末、導電性高分子などが挙げられる。
該補助導電材の量は、使用する活物質粉末100重量部に対して1〜20重量部程度とすることが好ましい。
該補助導電材の量は、使用する活物質粉末100重量部に対して1〜20重量部程度とすることが好ましい。
本発明の非水電解液リチウム二次電池における負極は、活物質として黒鉛を主として含む炭素材料を用いる。該炭素材料中の黒鉛の割合は、70重量%以上が好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。黒鉛以外の炭素材料としては、カーボンブラック、コークスなどが挙げられる。
本発明における負極として、具体的には黒鉛を主として含む炭素材料粉末と、さらにこれら粉末同士を決着するためのバインダーなどとを均一に混合した後、加圧成形するか、または溶媒等を用いてペースト化し集電体上に塗布乾燥後プレスするなどして、集電体シートに固着した構成のものが挙げられる。
本発明における負極として、具体的には黒鉛を主として含む炭素材料粉末と、さらにこれら粉末同士を決着するためのバインダーなどとを均一に混合した後、加圧成形するか、または溶媒等を用いてペースト化し集電体上に塗布乾燥後プレスするなどして、集電体シートに固着した構成のものが挙げられる。
該黒鉛として天然黒鉛や人造黒鉛が挙げられる。該黒鉛として、具体的には、X線回折における格子面間隔(d002 )が3.37Å以下であり、真比重が2.23以上のものが好ましい。さらに好ましくはX線回折における格子面間隔(d002 )が3.36Å以下であり、真比重が2.24以上のものである。
ここで格子面間隔(d002 )とは、X線としてCuKα線を用い、高純度シリコンを標準物質とするX線回折法[大谷杉郎、炭素繊維、733〜742頁(1986)近代編集社]によって測定された値のことを意味する。
ここで格子面間隔(d002 )とは、X線としてCuKα線を用い、高純度シリコンを標準物質とするX線回折法[大谷杉郎、炭素繊維、733〜742頁(1986)近代編集社]によって測定された値のことを意味する。
本発明において用いる黒鉛の灰分は好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下である。天然黒鉛の場合は産地によっても異なるが、含有する灰分が数重量%以上と大きいため、好ましくは2500℃以上、さらに好ましくは2800℃以上の高温度で処理して、灰分を好ましくは0.5重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下にしたものがよい。ここで灰分はJISM8812による値を意味する。
本発明において用いる人造黒鉛は、例えば鱗片状黒鉛(SEC社製、商品名SGP5、SGP15、SGO5、SGX5;LONZA社製、商品名SFG6、SFG15、KS6、KS15)、球状黒鉛(大阪ガス社製、商品名MCMB6−28、MCMB20−28)、繊維状黒鉛(大阪ガス社製、商品名SG241、F500)などが例示できる。
本発明において用いる黒鉛系炭素材料の粒度は特に制限されないが、平均粒径が1〜50μm程度のものが好ましい。さらに好ましくは、2〜20μmである。
本発明において用いる黒鉛系炭素材料の粒度は特に制限されないが、平均粒径が1〜50μm程度のものが好ましい。さらに好ましくは、2〜20μmである。
本発明における黒鉛以外の炭素材料としては、カーボンブラックやコークス、さらにはカーボンブラックを約1500〜3000℃の温度で熱処理することにより得られる、いわゆる擬黒鉛性カーボンブラックなどが挙げられる。
前記の正極や負極に用いるバインダーとしては、結着効果があり、使用する非水電解液に対する耐性や、正極や負極での電気化学反応に対する耐性を有するものであればよく、例えばポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEということがある。)、ポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFということがある。)等のフッ素樹脂やポリエチレン、ポロプロピレンなどが挙げられる。
該バインダーの量は、使用する活物質粉末100重量部に対して1〜20重量部程度とすることが好ましい。
該バインダーの量は、使用する活物質粉末100重量部に対して1〜20重量部程度とすることが好ましい。
前記の正極や負極に用いる集電体としては、使用する非水電解液に対する耐性や、正極や負極での電気化学反応に対する耐性を有するものであればよく、例えば、ニッケル、チタン、ステンレス鋼、銅、アルミニウムなどが挙げられる。
該集電体の厚みは、電池としての体積エネルギー密度が上がるという点で、強度が保たれる限り薄いほど好ましく、5〜100μm程度が好ましい。
該正極の集電体として、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でアルミニウム箔が好ましい。
該負極の集電体として、リチウムと合金を作りにくく、かつ薄膜に加工しやすいと言う点で銅箔が好ましい。
該集電体の厚みは、電池としての体積エネルギー密度が上がるという点で、強度が保たれる限り薄いほど好ましく、5〜100μm程度が好ましい。
該正極の集電体として、薄膜に加工しやすく、安価であるという点でアルミニウム箔が好ましい。
該負極の集電体として、リチウムと合金を作りにくく、かつ薄膜に加工しやすいと言う点で銅箔が好ましい。
本発明の非水電解液リチウム二次電池において、セパレーターとしては、両極の接触を防止し絶縁性を持ち、かつ非水電解液を保持し、リチウムイオンが透過できる機能を有し、使用する非水電解液に対する耐性や、正極や負極での電気化学反応に対する耐性を有するものであればよく、例えばフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどオレフィン系樹脂、ナイロンなどの不織布、織布が例示できる。
該セパレーターの厚みは電池としての体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなると言う点で機械的な強度が保たれる限り薄いほどよく、10〜200μm程度が好ましい。
該セパレーターの厚みは電池としての体積エネルギー密度が上がり、内部抵抗が小さくなると言う点で機械的な強度が保たれる限り薄いほどよく、10〜200μm程度が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
(I)試験に供したリチウム二次電池の仕様
正極として、硝酸リチウムと炭酸ニッケルを混合し酸素気流中において700℃で15時間焼成して得られたニッケル酸リチウム粉末と、人造黒鉛粉末と、ポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製)を重量比で87:10:3とした混合粉末を、2−メチルピロリドン溶液に分散させてスラリーとし、アルミ箔上に塗布後真空乾燥し、プレスして作製したシート状電極を1.5cm×2.0cmの大きさに切り出したものを用いた。上記ニッケル酸リチウム粉末のX線回折測定を行ったところ、α−NaFeO2 型構造を有することが確認された。
(I)試験に供したリチウム二次電池の仕様
正極として、硝酸リチウムと炭酸ニッケルを混合し酸素気流中において700℃で15時間焼成して得られたニッケル酸リチウム粉末と、人造黒鉛粉末と、ポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製)を重量比で87:10:3とした混合粉末を、2−メチルピロリドン溶液に分散させてスラリーとし、アルミ箔上に塗布後真空乾燥し、プレスして作製したシート状電極を1.5cm×2.0cmの大きさに切り出したものを用いた。上記ニッケル酸リチウム粉末のX線回折測定を行ったところ、α−NaFeO2 型構造を有することが確認された。
負極として、3000℃で処理したマダガスカル産の鱗片状天然黒鉛粉末と、3800℃で処理したカーボンブラック(東海カーボン社製)と、ポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製)を重量比で86:4:10とした混合粉末を2−メチルピロリドン溶液に分散させてスラリーとし、銅箔上に塗布後乾燥し、プレスして作製したシート状電極を1.5cm×2cmの大きさに切り出したものを用いた。
セパレーターとしてはポリプロピレン多孔質フィルム(ダイセル化学社製、商品名セルガード#2240)を用いた。
セパレーターとしてはポリプロピレン多孔質フィルム(ダイセル化学社製、商品名セルガード#2240)を用いた。
(II)充放電試験
(1)充電:充電は常に20℃で充電最大電圧Vmax =4.1V、6mA、3時間の定電流定電圧充電を実施した。
(2)放電
(i)常温放電試験:20℃において、カットオフ電圧2.75V、1.2mAの定電流で放電試験を実施した。これは0.2Cの放電条件に相当する。
(ii)低温放電試験:−20℃において、カットオフ電圧2.75V、1.2mAの定電流で放電試験を実施した。これは0.2Cの放電条件に相当する。 (iii)大電流放電試験:20℃において、カットオフ電圧2.75V、6mAの定電流で放電試験を実施した。これは1C放電条件に相当する。
(3)サイクル試験
試験は室温(25℃)でおこなった。充電は20℃で充電最大電圧Vmax =4.1V、6mA、3時間の定電流定電圧充電を行い、0.5時間の休止の後、放電は、カットオフ電圧2.75V、1.2mAの定電流で放電試験を行ない、再び0.5時間休止した。これは1C充電、0.2C放電に相当する。この充放電サイクルを20回繰り返した。1回目の放電容量に対する20回目の容量の割合を容量保持率として示す。
(1)充電:充電は常に20℃で充電最大電圧Vmax =4.1V、6mA、3時間の定電流定電圧充電を実施した。
(2)放電
(i)常温放電試験:20℃において、カットオフ電圧2.75V、1.2mAの定電流で放電試験を実施した。これは0.2Cの放電条件に相当する。
(ii)低温放電試験:−20℃において、カットオフ電圧2.75V、1.2mAの定電流で放電試験を実施した。これは0.2Cの放電条件に相当する。 (iii)大電流放電試験:20℃において、カットオフ電圧2.75V、6mAの定電流で放電試験を実施した。これは1C放電条件に相当する。
(3)サイクル試験
試験は室温(25℃)でおこなった。充電は20℃で充電最大電圧Vmax =4.1V、6mA、3時間の定電流定電圧充電を行い、0.5時間の休止の後、放電は、カットオフ電圧2.75V、1.2mAの定電流で放電試験を行ない、再び0.5時間休止した。これは1C充電、0.2C放電に相当する。この充放電サイクルを20回繰り返した。1回目の放電容量に対する20回目の容量の割合を容量保持率として示す。
実施例1
電解液として、表1および表2に示す組成のエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)混合溶媒のいずれも電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように調製したもの用い、上記のようにして得た正極、負極をセパレーターを介して対向させ、ステンレス製の容器に収納し、電池A1〜A11を作製した。得られた電池の放電容量は約6mAhであった。
作製した電池の電解液組成比と、各種放電条件での放電容量を表1および表2に示した。
電解液として、表1および表2に示す組成のエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)混合溶媒のいずれも電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように調製したもの用い、上記のようにして得た正極、負極をセパレーターを介して対向させ、ステンレス製の容器に収納し、電池A1〜A11を作製した。得られた電池の放電容量は約6mAhであった。
作製した電池の電解液組成比と、各種放電条件での放電容量を表1および表2に示した。
比較例1
電解液として、表3および表4に示す組成比を持つエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)混合溶媒を調製し、そのいずれも電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように調製したもの用いた他は実施例1と同様にして電池R1〜R12を作製した。充放電試験は実施例1と同様に行ない、作製した電池の電解液組成比と、放電容量とを表3および表4に示す。
電解液として、表3および表4に示す組成比を持つエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)混合溶媒を調製し、そのいずれも電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように調製したもの用いた他は実施例1と同様にして電池R1〜R12を作製した。充放電試験は実施例1と同様に行ない、作製した電池の電解液組成比と、放電容量とを表3および表4に示す。
比較例2
電解液としてエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=30:67:3(体積%)の混合溶媒を調製し、電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように調製した。この電解液は−20℃で凝固したので、二次電池用電解液として不適切であった。
電解液としてエチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=30:67:3(体積%)の混合溶媒を調製し、電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように調製した。この電解液は−20℃で凝固したので、二次電池用電解液として不適切であった。
本発明品である電池A1〜A11は、エチレンカーボネートの組成比xが40体積%以上の電池R1〜R6と比較して、特に低温での放電容量に格段に優れることがわかる。
本発明品である電池A1〜A11は、エチレンカーボネートを含有しない電池R9〜R12と比較して、サイクル特性の点で優れることがわかる。
本発明品である電池A1〜A11は、ジメチルカーボネートの含有量が5体積%未満の電池R7、R8と比較してサイクル特性に優れることがわかる。
本発明品である電池A1〜A11は、エチレンカーボネートを含有しない電池R9〜R12と比較して、サイクル特性の点で優れることがわかる。
本発明品である電池A1〜A11は、ジメチルカーボネートの含有量が5体積%未満の電池R7、R8と比較してサイクル特性に優れることがわかる。
実施例2
電解液として、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=30:35:35(体積%)の混合溶媒を調製し、電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように調製したものを用いた以外は実施例1と同様にして電池B1を作製した。充電試験は実施例1と同様に行ない、−20℃〜80℃の使用温度範囲での放電特性を測定した。結果を表5に示す。
電解液として、エチレンカーボネート(EC):ジメチルカーボネート(DMC):エチルメチルカーボネート(EMC)=30:35:35(体積%)の混合溶媒を調製し、電解質としてLiPF6 を1モル/リットルとなるように調製したものを用いた以外は実施例1と同様にして電池B1を作製した。充電試験は実施例1と同様に行ない、−20℃〜80℃の使用温度範囲での放電特性を測定した。結果を表5に示す。
Claims (2)
- 遷移金属を少なくとも1種含むリチウム複合酸化物を活物質として含む正極と、黒鉛を主として含む炭素材料を活物質として含む負極と、電解質として少なくともLiPF6 を有機溶媒に溶解した電解液と、セパレーターとを備えた非水電解液リチウム二次電池において、有機溶媒として、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートとを含み、その組成比率が、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの総和に対するエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートの割合をそれぞれx、y、z(単位体積%)と表したとき、10≦x≦35、10≦y≦85かつ5≦z≦80である有機溶媒を用いることを特徴とする非水電解液リチウム二次電池の低温放電特性向上方法。
- 電解液中のLiPF6 の濃度範囲が0.5〜1.5モル/リットルであることを特徴とする請求項1記載の方法。
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