JP3522410B2 - リチウム二次電池用負極材とその製造方法 - Google Patents
リチウム二次電池用負極材とその製造方法Info
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンブラック
を含有する樹脂炭と高結晶性黒鉛とからなる複合組成炭
素質粉末をリチウム担持体とした電池性能に優れるリチ
ウム二次電池用負極材とその製造方法に関する。
を含有する樹脂炭と高結晶性黒鉛とからなる複合組成炭
素質粉末をリチウム担持体とした電池性能に優れるリチ
ウム二次電池用負極材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型電子機器の電源あるいは電力
貯蔵用の電池として、高エネルギー密度のリチウム二次
電池が盛んに開発されている。該リチウム二次電池の負
極材としては、当初、金属リチウムが用いられていた
が、金属リチウム負極材は充電時のデンドライド生成等
によりサイクル寿命が短く、また安全性の面でも問題が
あったため、その後、負極活物質であるリチウムをある
種の炭素材に担持させて負極体とする研究が活発に行わ
れており、担持炭素材の性状を対象とする提案が数多く
提案されている(特開昭62−90863 号公報、特開昭62−
193463号公報、特開昭63−236259号公報、特開昭64−22
58号公報、特開平1−274360号公報、特開平2−44644
号公報、特開平2−66856 号公報、特開平2−230660号
公報、特開平3−93162 号公報等) 。
貯蔵用の電池として、高エネルギー密度のリチウム二次
電池が盛んに開発されている。該リチウム二次電池の負
極材としては、当初、金属リチウムが用いられていた
が、金属リチウム負極材は充電時のデンドライド生成等
によりサイクル寿命が短く、また安全性の面でも問題が
あったため、その後、負極活物質であるリチウムをある
種の炭素材に担持させて負極体とする研究が活発に行わ
れており、担持炭素材の性状を対象とする提案が数多く
提案されている(特開昭62−90863 号公報、特開昭62−
193463号公報、特開昭63−236259号公報、特開昭64−22
58号公報、特開平1−274360号公報、特開平2−44644
号公報、特開平2−66856 号公報、特開平2−230660号
公報、特開平3−93162 号公報等) 。
【0003】この種の炭素系ドープ基材のうち、天然黒
鉛に代表される高結晶性の黒鉛粉末は六角網面構造の黒
鉛層間が発達しているため理論的に300mAh/g 以上の
電池容量を示すうえ、電位の平坦性に優れ、また真比重
が高く、粒子性状が鱗片状を呈することから充填密度を
高めることができる利点がある。しかし、高結晶性の黒
鉛粉末にも負極性能を損ねる種々の問題がある。このた
め、多くの改良提案がなされているが、比較的有効な解
決手段として黒鉛単独の欠点を補完するために物性の異
なる他の炭素質材料を混合して負極材とする試みがあ
る。
鉛に代表される高結晶性の黒鉛粉末は六角網面構造の黒
鉛層間が発達しているため理論的に300mAh/g 以上の
電池容量を示すうえ、電位の平坦性に優れ、また真比重
が高く、粒子性状が鱗片状を呈することから充填密度を
高めることができる利点がある。しかし、高結晶性の黒
鉛粉末にも負極性能を損ねる種々の問題がある。このた
め、多くの改良提案がなされているが、比較的有効な解
決手段として黒鉛単独の欠点を補完するために物性の異
なる他の炭素質材料を混合して負極材とする試みがあ
る。
【0004】例えば特開平6−36760号公報には、
黒鉛を負極材とすると電池容量がなくなる直前に電池電
圧が急降下する現象を解決するために、天然黒鉛または
人造黒鉛に対してリチウム吸蔵放出可能な他の炭素質材
料を5〜30容量%の割合で混合した炭素質材料を負極
とする非水電解液二次電池が提案されており、前記他の
炭素質材料として有機系高分子化合物を不活性ガスまた
は窒素ガス雰囲気下で最高900〜1600℃に炭化し
て得られる特定の結晶性状を有するものが使用されてい
る。特開平6−163032号公報には、黒鉛粉末を負
極材として結着剤と混合するとペースト粘度が低くなり
過ぎて電極基材に厚く塗布できない事態を解消するた
め、黒鉛粉末とメソフェーズ小球体炭素粉末の混合粉末
を結着剤と混合して電極基材に塗布して負極板とした非
水電解質リチウム電池が提案されている。
黒鉛を負極材とすると電池容量がなくなる直前に電池電
圧が急降下する現象を解決するために、天然黒鉛または
人造黒鉛に対してリチウム吸蔵放出可能な他の炭素質材
料を5〜30容量%の割合で混合した炭素質材料を負極
とする非水電解液二次電池が提案されており、前記他の
炭素質材料として有機系高分子化合物を不活性ガスまた
は窒素ガス雰囲気下で最高900〜1600℃に炭化し
て得られる特定の結晶性状を有するものが使用されてい
る。特開平6−163032号公報には、黒鉛粉末を負
極材として結着剤と混合するとペースト粘度が低くなり
過ぎて電極基材に厚く塗布できない事態を解消するた
め、黒鉛粉末とメソフェーズ小球体炭素粉末の混合粉末
を結着剤と混合して電極基材に塗布して負極板とした非
水電解質リチウム電池が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、高結
晶性の黒鉛粉末は真比重が高く、粒子形態が鱗片状を呈
するため電池内部に容易に高密度充填し得る利点がある
が、高密度化するに従って黒鉛六角網面が電極集電体に
平行に配向してリチウム侵入サイトの減少や電極の内部
抵抗が増大するため、放電容量が相対的に低下する問題
がある。
晶性の黒鉛粉末は真比重が高く、粒子形態が鱗片状を呈
するため電池内部に容易に高密度充填し得る利点がある
が、高密度化するに従って黒鉛六角網面が電極集電体に
平行に配向してリチウム侵入サイトの減少や電極の内部
抵抗が増大するため、放電容量が相対的に低下する問題
がある。
【0006】本発明者は、この点を解決課題として高結
晶性黒鉛粉末に混合する最も有効な他の炭素質粉末につ
いて多角的に研究を重ねた結果、黒鉛粉末と同等の粒子
径を有し、かつ粒子組織が適度の多孔質である難黒鉛化
性の炭素質物質が効果的に機能することを知見し、特に
カーボンブラックが分散した樹脂炭の微粒子を高結晶性
黒鉛粉末に混合すると高密度充填した場合においても3
00mAh/g 以上の電池容量が得られる事実を解明し、本
発明を完成するに至った。
晶性黒鉛粉末に混合する最も有効な他の炭素質粉末につ
いて多角的に研究を重ねた結果、黒鉛粉末と同等の粒子
径を有し、かつ粒子組織が適度の多孔質である難黒鉛化
性の炭素質物質が効果的に機能することを知見し、特に
カーボンブラックが分散した樹脂炭の微粒子を高結晶性
黒鉛粉末に混合すると高密度充填した場合においても3
00mAh/g 以上の電池容量が得られる事実を解明し、本
発明を完成するに至った。
【0007】したがって、本発明が課題とする目的は、
リチウム担持量ならびに電池容量が大きく、高度のエネ
ルギー密度と優れたサイクル特性を備えるリチウム二次
電池用負極材とその製造方法を提供することにある。
リチウム担持量ならびに電池容量が大きく、高度のエネ
ルギー密度と優れたサイクル特性を備えるリチウム二次
電池用負極材とその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明によるリチウム二次電池用負極材は、組織内
部にDBP吸油量100ml/100g 以上のカーボンブラッ
クが均一に分散一体化した複合組織を呈する樹脂炭の微
粒子を、C軸方向の結晶子の大きさLc(002)が50nm以
上で、平均格子面間隔d002 が0.337nm以下の結晶
性状を備える高結晶性黒鉛粉末に対し5〜30重量%の
範囲で混合した複合組成炭素質粉末をリチウム担持体と
したことを特徴とする。
めの本発明によるリチウム二次電池用負極材は、組織内
部にDBP吸油量100ml/100g 以上のカーボンブラッ
クが均一に分散一体化した複合組織を呈する樹脂炭の微
粒子を、C軸方向の結晶子の大きさLc(002)が50nm以
上で、平均格子面間隔d002 が0.337nm以下の結晶
性状を備える高結晶性黒鉛粉末に対し5〜30重量%の
範囲で混合した複合組成炭素質粉末をリチウム担持体と
したことを特徴とする。
【0009】また、本発明に係るリチウム二次電池用負
極材の製造方法は、DBP吸油量100ml/100g 以上の
カーボンブラック100重量部に炭化残留率40%以上
の熱硬化性樹脂10〜100重量部を混合した分散液を
調製し、該分散液を平均粒径10〜30μm の微粒子に
造粒成形したのち非酸化性雰囲気中で700〜1200
℃の温度により焼成炭化してカーボンブラックが分散す
る樹脂炭の微粒子を形成し、該カーボンブラックが分散
する樹脂炭の微粒子を、C軸方向の結晶子の大きさLc
(002)が50nm以上で、平均格子面間隔d002 が0.3
37nm以下の結晶性状を備える高結晶性黒鉛粉末に対し
5〜30重量%の範囲で均一に混合し、得られた複合組
成炭素質粉末をリチウム担持体としてフッ素系結着剤に
混合することを技術的特徴とする。
極材の製造方法は、DBP吸油量100ml/100g 以上の
カーボンブラック100重量部に炭化残留率40%以上
の熱硬化性樹脂10〜100重量部を混合した分散液を
調製し、該分散液を平均粒径10〜30μm の微粒子に
造粒成形したのち非酸化性雰囲気中で700〜1200
℃の温度により焼成炭化してカーボンブラックが分散す
る樹脂炭の微粒子を形成し、該カーボンブラックが分散
する樹脂炭の微粒子を、C軸方向の結晶子の大きさLc
(002)が50nm以上で、平均格子面間隔d002 が0.3
37nm以下の結晶性状を備える高結晶性黒鉛粉末に対し
5〜30重量%の範囲で均一に混合し、得られた複合組
成炭素質粉末をリチウム担持体としてフッ素系結着剤に
混合することを技術的特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のリチウム二次電池用負極
材は、負極材を構成するリチウム担持体が高結晶性黒鉛
粉末を主体とし、これにカーボンブラックが分散した樹
脂炭の微粒子を混合した三成分系の複合組成炭素質粉末
からなるものである。このうち、高結晶性黒鉛粉末は、
300mAh/g 以上の高電池容量と電位の平坦性を与える
ために機能する主要成分で、黒鉛層状構造が発達した天
然黒鉛または人造黒鉛を微粉砕した粉末が用いられる。
黒鉛粉末の好ましい粒度は、平均粒子径として10〜3
0μm の範囲である。
材は、負極材を構成するリチウム担持体が高結晶性黒鉛
粉末を主体とし、これにカーボンブラックが分散した樹
脂炭の微粒子を混合した三成分系の複合組成炭素質粉末
からなるものである。このうち、高結晶性黒鉛粉末は、
300mAh/g 以上の高電池容量と電位の平坦性を与える
ために機能する主要成分で、黒鉛層状構造が発達した天
然黒鉛または人造黒鉛を微粉砕した粉末が用いられる。
黒鉛粉末の好ましい粒度は、平均粒子径として10〜3
0μm の範囲である。
【0011】カーボンブラックが分散した樹脂炭とは、
炭化性の熱硬化性樹脂を焼成炭化して得られる嵩密度が
1.45g/cc以上の緻密質組織を備える炭素質物(樹脂
炭)の組織内部にカーボンブラックが均一に分散して一
体に結合した複合組織を呈するものである。該カーボン
ブラックが分散した樹脂炭は球状微粒子であり、好まし
くは上記黒鉛粉末と同一範囲の粒径を有する実質的に単
一球状形態の微粒子である。樹脂炭およびカーボンブラ
ックはいずれも難黒鉛化性であって黒鉛結晶が層状に配
向しないアモルファス構造の結晶性状を呈しており、カ
ーボンブラックの分散により硬質組織内に適度の細孔が
形成される。したがって、黒鉛粉末に混合して高密度充
填した場合、黒鉛粉末の配向性を抑制緩和し、同時にリ
チウム担持容量および電池の放充電電圧を高水準に維持
する機能を営む。
炭化性の熱硬化性樹脂を焼成炭化して得られる嵩密度が
1.45g/cc以上の緻密質組織を備える炭素質物(樹脂
炭)の組織内部にカーボンブラックが均一に分散して一
体に結合した複合組織を呈するものである。該カーボン
ブラックが分散した樹脂炭は球状微粒子であり、好まし
くは上記黒鉛粉末と同一範囲の粒径を有する実質的に単
一球状形態の微粒子である。樹脂炭およびカーボンブラ
ックはいずれも難黒鉛化性であって黒鉛結晶が層状に配
向しないアモルファス構造の結晶性状を呈しており、カ
ーボンブラックの分散により硬質組織内に適度の細孔が
形成される。したがって、黒鉛粉末に混合して高密度充
填した場合、黒鉛粉末の配向性を抑制緩和し、同時にリ
チウム担持容量および電池の放充電電圧を高水準に維持
する機能を営む。
【0012】樹脂炭に分散させるカーボンブラックは、
種類や製造履歴には制約はなく、ファーネスカーボンブ
ラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセ
チレンブラックなど各種のものを適用することができる
が、粒子性状としてDBP吸油量が100ml/100g 以上
のものを選択使用することが要件となる。DBP吸油量
はカーボンブラックのストラクチャーの発達度合、すな
わち粒子凝集体(aggregate) の大きさを示す指標となる
が、このDBP吸油量が100ml/100g 未満のカーボン
ブラックでは、粒子内部へのリチウム拡散が円滑に進ま
なくなって担持容量が小さくなる。なお、DBP吸油量
はJIS K−6221「ゴム用カーボンブラックの試
験方法」6.1.1項で規定されている吸油量A法(機
械法)によって測定された値を指す。
種類や製造履歴には制約はなく、ファーネスカーボンブ
ラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、アセ
チレンブラックなど各種のものを適用することができる
が、粒子性状としてDBP吸油量が100ml/100g 以上
のものを選択使用することが要件となる。DBP吸油量
はカーボンブラックのストラクチャーの発達度合、すな
わち粒子凝集体(aggregate) の大きさを示す指標となる
が、このDBP吸油量が100ml/100g 未満のカーボン
ブラックでは、粒子内部へのリチウム拡散が円滑に進ま
なくなって担持容量が小さくなる。なお、DBP吸油量
はJIS K−6221「ゴム用カーボンブラックの試
験方法」6.1.1項で規定されている吸油量A法(機
械法)によって測定された値を指す。
【0013】高結晶黒鉛粉末に対するカーボンブラック
分散樹脂炭の混合比率は、5〜30重量%の範囲に設定
する。この配合量が5重量%未満では高密度充填した場
合の電池容量の向上は期待できす、30重量%を上回る
と高い充填嵩密度を形成することができず電池容量の減
退を招く。
分散樹脂炭の混合比率は、5〜30重量%の範囲に設定
する。この配合量が5重量%未満では高密度充填した場
合の電池容量の向上は期待できす、30重量%を上回る
と高い充填嵩密度を形成することができず電池容量の減
退を招く。
【0014】上記のリチウム二次電池用負極材を製造す
るに当たっては、まずDBP吸油量が100ml/100g 以
上のカーボンブラックを予め熱硬化性樹脂を適宜な有機
溶媒に溶解した溶液に撹拌分散させ、均一な分散液を調
製する。熱硬化性樹脂は、炭化処理後の炭化残留率が4
0%以上のものが選択される。この要件を満たす熱硬化
性樹脂としては、フラン系樹脂、フェノール系樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルベンゼン、
ポリスチレン等を挙げることができ、これらは1種また
は2種以上の混合物として使用に供される。熱硬化性樹
脂の配合量は、カーボンブラック100重量部に対し1
0〜100重量部、好ましくは20〜80重量部の範囲
である。熱硬化性樹脂の量が10重量部未満では電池容
量の向上効果が期待できないうえ造粒成形した微粒子の
強度が弱くて破砕され易く、他方、100重量部を越え
ると組織の緻密性が増大して高密度充填ができなくな
る。熱硬化性樹脂の溶解に用いる有機溶媒には、例えば
メタノール、エタノール、アセトンなどが適用され、カ
ーボンブラック100重量部に対し200〜300重量
部の比率で配合される。分散処理にはボールミルが好ま
しく使用され、カーボンブラックが均一分散する状態の
分散液を調製する。
るに当たっては、まずDBP吸油量が100ml/100g 以
上のカーボンブラックを予め熱硬化性樹脂を適宜な有機
溶媒に溶解した溶液に撹拌分散させ、均一な分散液を調
製する。熱硬化性樹脂は、炭化処理後の炭化残留率が4
0%以上のものが選択される。この要件を満たす熱硬化
性樹脂としては、フラン系樹脂、フェノール系樹脂、ポ
リイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルベンゼン、
ポリスチレン等を挙げることができ、これらは1種また
は2種以上の混合物として使用に供される。熱硬化性樹
脂の配合量は、カーボンブラック100重量部に対し1
0〜100重量部、好ましくは20〜80重量部の範囲
である。熱硬化性樹脂の量が10重量部未満では電池容
量の向上効果が期待できないうえ造粒成形した微粒子の
強度が弱くて破砕され易く、他方、100重量部を越え
ると組織の緻密性が増大して高密度充填ができなくな
る。熱硬化性樹脂の溶解に用いる有機溶媒には、例えば
メタノール、エタノール、アセトンなどが適用され、カ
ーボンブラック100重量部に対し200〜300重量
部の比率で配合される。分散処理にはボールミルが好ま
しく使用され、カーボンブラックが均一分散する状態の
分散液を調製する。
【0015】上記の分散溶液をスプレードライ法を用い
て霧化乾燥して、単一の微粒子に造粒成形する。造粒成
形する微粒子の粒度は、高結晶性黒鉛粉末との良好な混
合分散を考慮して平均粒径が10〜30μm になるよう
に調整することが好ましい。
て霧化乾燥して、単一の微粒子に造粒成形する。造粒成
形する微粒子の粒度は、高結晶性黒鉛粉末との良好な混
合分散を考慮して平均粒径が10〜30μm になるよう
に調整することが好ましい。
【0016】造粒成形した微粒子は、不活性雰囲気下に
おいて700〜1200℃の温度域で焼成炭化する。焼
成温度が700℃を下回ると樹脂成分の炭化が十分に進
行しなくなり、1200℃を越えるとカーボンブラック
の電池容量が低下するようになる。この焼成炭化処理の
過程で、樹脂成分が炭化収縮して硬質緻密な樹脂炭に転
化するとともに、樹脂炭組織にカーボンブラックが均質
に分散一体化した球状微粒子となる。この分散液の調
製、乾燥および焼成炭化の工程は必須であり、予め製造
された樹脂炭粉末と高ストラクチャー水準のカーボンブ
ラックを二次的に混合する手段ではカーボンブラックが
均一分散した組織の樹脂炭は得られない。
おいて700〜1200℃の温度域で焼成炭化する。焼
成温度が700℃を下回ると樹脂成分の炭化が十分に進
行しなくなり、1200℃を越えるとカーボンブラック
の電池容量が低下するようになる。この焼成炭化処理の
過程で、樹脂成分が炭化収縮して硬質緻密な樹脂炭に転
化するとともに、樹脂炭組織にカーボンブラックが均質
に分散一体化した球状微粒子となる。この分散液の調
製、乾燥および焼成炭化の工程は必須であり、予め製造
された樹脂炭粉末と高ストラクチャー水準のカーボンブ
ラックを二次的に混合する手段ではカーボンブラックが
均一分散した組織の樹脂炭は得られない。
【0017】ついで、上記の工程により調製したカーボ
ンブラックが分散する樹脂炭の微粒子を高結晶性黒鉛粉
末に均一に混合する。高結晶性黒鉛粉末としては、天然
黒鉛あるいは人造黒鉛であって、c軸方向の結晶子の大
きさLc(002)が50nm以上で、平均格子面間隔d002 が
0.337nm以下の結晶性状を備えるものであることが
好ましい。高結晶性黒鉛粉末に対するカーボンブラック
を分散した樹脂炭微粒子の混合比率は5〜30重量%の
範囲に設定し、適宜な機械的混合装置を用いて十分均一
に撹拌混合する。
ンブラックが分散する樹脂炭の微粒子を高結晶性黒鉛粉
末に均一に混合する。高結晶性黒鉛粉末としては、天然
黒鉛あるいは人造黒鉛であって、c軸方向の結晶子の大
きさLc(002)が50nm以上で、平均格子面間隔d002 が
0.337nm以下の結晶性状を備えるものであることが
好ましい。高結晶性黒鉛粉末に対するカーボンブラック
を分散した樹脂炭微粒子の混合比率は5〜30重量%の
範囲に設定し、適宜な機械的混合装置を用いて十分均一
に撹拌混合する。
【0018】得られた結晶性黒鉛粉末、カーボンブラッ
クおよび樹脂炭を含む三成分系の複合組成炭素質粉末
は、フッ素系結着剤成分と混合してペースト状のリチウ
ム二次電池用負極材を調製する。この混合操作は、例え
ば2本ロール、バンバリーミル、ドウミル等の混練装置
を用い、複合組成炭素質粉末が結着剤成分と均一に分散
するペーストを形成する。結着剤としては、例えばテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)等のフッ素系結着剤が適用され、複合組成炭素質粉末
はこれら結着剤成分に対して80〜95重量%の量比で
混合する。
クおよび樹脂炭を含む三成分系の複合組成炭素質粉末
は、フッ素系結着剤成分と混合してペースト状のリチウ
ム二次電池用負極材を調製する。この混合操作は、例え
ば2本ロール、バンバリーミル、ドウミル等の混練装置
を用い、複合組成炭素質粉末が結着剤成分と均一に分散
するペーストを形成する。結着剤としては、例えばテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)等のフッ素系結着剤が適用され、複合組成炭素質粉末
はこれら結着剤成分に対して80〜95重量%の量比で
混合する。
【0019】負極体の製造は、前記の混合物をテトラフ
ルオロエチレンの水性ディスパージョンあるいはポリフ
ッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し
た溶媒と均一に混合したペーストを金属集電体に塗布
し、乾燥する方法で行われる。金属集電体としては、
銅、ニッケルなどリチウム二次電池に使用される有機電
解質に対して安定な金属により板状、網状などの形状と
して作製される。
ルオロエチレンの水性ディスパージョンあるいはポリフ
ッ化ビニリデンをN−メチル−2−ピロリドンに溶解し
た溶媒と均一に混合したペーストを金属集電体に塗布
し、乾燥する方法で行われる。金属集電体としては、
銅、ニッケルなどリチウム二次電池に使用される有機電
解質に対して安定な金属により板状、網状などの形状と
して作製される。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれら実施例
に制約されるものではない。
体的に説明する。しかし、本発明の範囲はこれら実施例
に制約されるものではない。
【0021】実施例1〜6、比較例1〜2
(1) カーボンブラック分散樹脂炭の調製
DBP吸油量132ml/100g のファーネスカーボンブラ
ック100重量部に、炭化残留率50%のフェノール樹
脂初期縮合物20重量部を配合し、アセトン250重量
部と共にボールミルに投入して30分間混練処理を施
し、均一な分散液を調製した。ついで、分散液をスプレ
ードライヤーにより、アトマイザー回転数16000rp
m 、溶媒注入速度1000ml/min、系内温度100℃の
条件で造粒成形した。得られた造粒成形体を窒素雰囲気
に保持された電気炉に入れ、800℃の温度で焼成炭化
処理してカーボンブラックが分散する樹脂炭の球状微粒
子を調製した。この球状微粒子の平均粒径は30μm で
あった。
ック100重量部に、炭化残留率50%のフェノール樹
脂初期縮合物20重量部を配合し、アセトン250重量
部と共にボールミルに投入して30分間混練処理を施
し、均一な分散液を調製した。ついで、分散液をスプレ
ードライヤーにより、アトマイザー回転数16000rp
m 、溶媒注入速度1000ml/min、系内温度100℃の
条件で造粒成形した。得られた造粒成形体を窒素雰囲気
に保持された電気炉に入れ、800℃の温度で焼成炭化
処理してカーボンブラックが分散する樹脂炭の球状微粒
子を調製した。この球状微粒子の平均粒径は30μm で
あった。
【0022】(2) 複合組成炭素質粉末の調製
c軸方向の結晶子の大きさLc(002)が100nm以上で、
平均格子面間隔d002が0.336nmの結晶性状を有
し、平均粒径20μm の天然黒鉛粉末に、上記のカーボ
ンブラック分散樹脂炭の微粒子を添加量を変えて配合
し、V型混合機を用いて均一になるまで混合処理して複
合組成炭素質粉末を調製した。
平均格子面間隔d002が0.336nmの結晶性状を有
し、平均粒径20μm の天然黒鉛粉末に、上記のカーボ
ンブラック分散樹脂炭の微粒子を添加量を変えて配合
し、V型混合機を用いて均一になるまで混合処理して複
合組成炭素質粉末を調製した。
【0023】(3)リチウム二次電池用負極体の作製
上記で得られた複合組成炭素質粉末をリチウム担持体と
し、その88重量部をポリフッ化ビニリデン粉末(結着
剤)12重量部およびN−メチル−2−ピロリドン(有
機溶剤)100重量部と共にロール混練処理して均質な
混合ペーストを調製した。これらのペーストを、厚さ2
0μmの銅箔面に均一に塗布し、有機溶剤を加熱除去し
たのち圧延条件を変えてプレスし、充填密度の異なる負
極体を作製した。
し、その88重量部をポリフッ化ビニリデン粉末(結着
剤)12重量部およびN−メチル−2−ピロリドン(有
機溶剤)100重量部と共にロール混練処理して均質な
混合ペーストを調製した。これらのペーストを、厚さ2
0μmの銅箔面に均一に塗布し、有機溶剤を加熱除去し
たのち圧延条件を変えてプレスし、充填密度の異なる負
極体を作製した。
【0024】(4) 負極体の特性評価
作製した各負極体を試料極とし、単極での電気化学的試
験により充放電試験を行った。条件として、プロピレン
カーボネート(PC)と1,2−ジメトキシエタン(DME) の
1:1混合溶媒を電解液とし、1mol/l のLiPF6 を
電解質とした。電気化学的測定は、対極および参照極を
共に金属リチウムとし、リチウムの試料極中への電気化
学的ドープ挙動を各電解液中で定電流充放電試験法によ
り測定した。測定は充放電終止電位を0VVS Li/Li
+(充電時)、1.5VVS Li/Li +(放電時)とし、電
流密度は1mA/cm2とした。得られた電解化学的評価結果
(5サイクル目の放電電気量)を各負極体の変動条件と
対比させて表1に示した。
験により充放電試験を行った。条件として、プロピレン
カーボネート(PC)と1,2−ジメトキシエタン(DME) の
1:1混合溶媒を電解液とし、1mol/l のLiPF6 を
電解質とした。電気化学的測定は、対極および参照極を
共に金属リチウムとし、リチウムの試料極中への電気化
学的ドープ挙動を各電解液中で定電流充放電試験法によ
り測定した。測定は充放電終止電位を0VVS Li/Li
+(充電時)、1.5VVS Li/Li +(放電時)とし、電
流密度は1mA/cm2とした。得られた電解化学的評価結果
(5サイクル目の放電電気量)を各負極体の変動条件と
対比させて表1に示した。
【0025】
【表1】
〔表注〕(1) 天然黒鉛粉末に対する添加量(以下、同
じ)。
じ)。
【0026】表1の結果から明らかなとおり、本発明の
要件を満たす実施例による負極体は、いずれも1.7cc
/gを越える充填嵩密度においても300mAh/g を越える
高い放電容量を示した。これに対し、天然黒鉛粉末に対
するカーボンブラック分散樹脂炭微粒子の添加量が5重
量%未満の比較例1では放電容量が低く、また30重量
%を越える添加量の比較例2では充填嵩密度が上昇しな
くなり、電池容量が不足する。
要件を満たす実施例による負極体は、いずれも1.7cc
/gを越える充填嵩密度においても300mAh/g を越える
高い放電容量を示した。これに対し、天然黒鉛粉末に対
するカーボンブラック分散樹脂炭微粒子の添加量が5重
量%未満の比較例1では放電容量が低く、また30重量
%を越える添加量の比較例2では充填嵩密度が上昇しな
くなり、電池容量が不足する。
【0027】比較例3〜4
実施例1で用いたと同一の天然黒鉛粉末のみをリチウム
担持体とし、その他は実施例1と同一条件により負極体
を作成した。この負極体を用いて実施例1と同様の充放
電試験を行った結果を、変動条件と対比させて表2に示
した。
担持体とし、その他は実施例1と同一条件により負極体
を作成した。この負極体を用いて実施例1と同様の充放
電試験を行った結果を、変動条件と対比させて表2に示
した。
【0028】比較例5〜6
実施例1のカーボンブラック分散樹脂炭に代え、これに
用いたカーボンブラックのみを同一の天然黒鉛粉末に1
0重量%および20重量%の添加量で混合し、その他は
実施例1と同一条件により負極体を作成した。これらの
負極体を用いて実施例1と同様の充放電試験を行った結
果を、変動条件と対比させて表2に併載した。
用いたカーボンブラックのみを同一の天然黒鉛粉末に1
0重量%および20重量%の添加量で混合し、その他は
実施例1と同一条件により負極体を作成した。これらの
負極体を用いて実施例1と同様の充放電試験を行った結
果を、変動条件と対比させて表2に併載した。
【0029】比較例7〜8
実施例1のカーボンブラック分散樹脂炭に代え、同一手
段によりカーボンブラックを分散させないで樹脂炭のみ
からなる球状微粒子を調製した。この樹脂炭微粒子を天
然黒鉛粉末に10重量%および20重量%の添加量で混
合し、その他は実施例1と同一条件により負極体を作成
した。これらの負極体を用いて実施例1と同様の充放電
試験を行った結果を、変動条件と対比させて表2に併載
した。
段によりカーボンブラックを分散させないで樹脂炭のみ
からなる球状微粒子を調製した。この樹脂炭微粒子を天
然黒鉛粉末に10重量%および20重量%の添加量で混
合し、その他は実施例1と同一条件により負極体を作成
した。これらの負極体を用いて実施例1と同様の充放電
試験を行った結果を、変動条件と対比させて表2に併載
した。
【0030】比較例9〜10
実施例1のカーボンブラック分散樹脂炭に代え、メソフ
ェーズピッチを800℃の温度で焼成炭化した平均粒径
20μm のメソフェーズ小球体炭素粉末を用いて同一の
天然黒鉛粉末に10重量%および20重量%の添加量で
混合し、その他は実施例1と同一条件により負極体を作
成した。これらの負極体を用いて実施例1と同様の充放
電試験を行った結果を、変動条件と対比させて表2に併
載した。
ェーズピッチを800℃の温度で焼成炭化した平均粒径
20μm のメソフェーズ小球体炭素粉末を用いて同一の
天然黒鉛粉末に10重量%および20重量%の添加量で
混合し、その他は実施例1と同一条件により負極体を作
成した。これらの負極体を用いて実施例1と同様の充放
電試験を行った結果を、変動条件と対比させて表2に併
載した。
【0031】
【表2】
【0032】表2の結果から、比較例1、2の負極体は
充填嵩密度が低い場合には優れた放電容量を示すが、充
填嵩密度が1.7cc/gを越えると放電容量は著しく低下
するため、電池容量の大きな負極体を得ることができな
い。また、天然黒鉛粉末にカーボンブラックまたは樹脂
炭微粒子を単独で添加した比較例3〜6や、メソフェー
ズ球状炭素粉を添加した比較例7、8では充填嵩密度の
変動に係わりなく、放電容量が250mAh/g 程度までし
か上がらないことが判る。
充填嵩密度が低い場合には優れた放電容量を示すが、充
填嵩密度が1.7cc/gを越えると放電容量は著しく低下
するため、電池容量の大きな負極体を得ることができな
い。また、天然黒鉛粉末にカーボンブラックまたは樹脂
炭微粒子を単独で添加した比較例3〜6や、メソフェー
ズ球状炭素粉を添加した比較例7、8では充填嵩密度の
変動に係わりなく、放電容量が250mAh/g 程度までし
か上がらないことが判る。
【0033】実施例7〜9、比較例11〜14
実施例1と同一の製造方法において、カーボンブラック
分散樹脂炭の調製工程におけるフェノール樹脂初期縮合
物の配合量または造粒成形体の焼成炭化温度を変動させ
てカーボンブラックが分散する樹脂炭の球状微粒子を調
製した。このようにして調製したカーボンブラック分散
樹脂炭を天然黒鉛粉末に10重量%の添加量で混合し、
その他の条件は実施例1と同様にして負極体を製造し
た。これらの負極体を用いて実施例1と同様の充放電試
験を行った結果を、変動条件と対比させて表3に示し
た。
分散樹脂炭の調製工程におけるフェノール樹脂初期縮合
物の配合量または造粒成形体の焼成炭化温度を変動させ
てカーボンブラックが分散する樹脂炭の球状微粒子を調
製した。このようにして調製したカーボンブラック分散
樹脂炭を天然黒鉛粉末に10重量%の添加量で混合し、
その他の条件は実施例1と同様にして負極体を製造し
た。これらの負極体を用いて実施例1と同様の充放電試
験を行った結果を、変動条件と対比させて表3に示し
た。
【0034】比較例15
実施例2において、樹脂炭微粒子に分散するカーボンブ
ラックをDBP吸油量が90ml/100g のものに代え、そ
の他は同一条件で負極体を製造した。この負極体を用い
て実施例1と同様の充放電試験を行った結果を、表3に
併載した。
ラックをDBP吸油量が90ml/100g のものに代え、そ
の他は同一条件で負極体を製造した。この負極体を用い
て実施例1と同様の充放電試験を行った結果を、表3に
併載した。
【0035】
【表3】
〔表注〕*カーボンブラック100重量部に対するフェノール樹脂初期縮合物の
添加量(重量部)。
【0036】表3から、本発明の製造条件により得られ
る負極体は放電容量が300mAh/gを越えるが、カーボ
ンブラックの吸油量、樹脂量あるいは焼成炭化温度が本
発明の要件を外れると、同等の充填嵩密度での放電容量
が減退する結果となる。
る負極体は放電容量が300mAh/gを越えるが、カーボ
ンブラックの吸油量、樹脂量あるいは焼成炭化温度が本
発明の要件を外れると、同等の充填嵩密度での放電容量
が減退する結果となる。
【0037】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればDBP吸
油量が100ml/100g 以上のカーボンブラックが分散す
る樹脂炭の球状微粒子を天然黒鉛粉末に特定量混合した
複合組成炭素質粉末をリチウム担持体とし、これをフッ
素系結着剤に含有させることにより、高いリチウム吸蔵
容量と優れた電池容量を保持するリチウム二次電池用負
極材を提供することができる。また、本発明の製造方法
に従えば、上記の負極材を工業的に有利に製造すること
ができるから、長期安定性能を備えるリチウム二次電池
の負極材を生産する方法として有用である。
油量が100ml/100g 以上のカーボンブラックが分散す
る樹脂炭の球状微粒子を天然黒鉛粉末に特定量混合した
複合組成炭素質粉末をリチウム担持体とし、これをフッ
素系結着剤に含有させることにより、高いリチウム吸蔵
容量と優れた電池容量を保持するリチウム二次電池用負
極材を提供することができる。また、本発明の製造方法
に従えば、上記の負極材を工業的に有利に製造すること
ができるから、長期安定性能を備えるリチウム二次電池
の負極材を生産する方法として有用である。
Claims (2)
- 【請求項1】 組織内部にDBP吸油量100ml/100g
以上のカーボンブラックが均一に分散一体化した複合組
織を呈する樹脂炭の微粒子を、C軸方向の結晶子の大き
さL c(002) が50 nm 以上で、平均格子面間隔d 002 が
0.337 nm 以下の結晶性状を備える高結晶性黒鉛粉末
に対し5〜30重量%の範囲で混合した複合組成炭素質
粉末をリチウム担持体としたことを特徴とするリチウム
二次電池用負極材。 - 【請求項2】 DBP吸油量100ml/100g 以上のカー
ボンブラック100重量部に炭化残留率40%以上の熱
硬化性樹脂10〜100重量部を混合した分散液を調製
し、該分散液を平均粒径10〜30μm の微粒子に造粒
成形したのち非酸化性雰囲気中で700〜1200℃の
温度により焼成炭化してカーボンブラックが分散する樹
脂炭の微粒子を形成し、該カーボンブラックが分散する
樹脂炭の微粒子を、C軸方向の結晶子の大きさL c(002)
が50 nm 以上で、平均格子面間隔d 002 が0.337 nm
以下の結晶性状を備える高結晶性黒鉛粉末に対し5〜3
0重量%の範囲で均一に混合し、得られた複合組成炭素
質粉末をリチウム担持体としてフッ素系結着剤に混合す
ることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池用
負極材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24839995A JP3522410B2 (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | リチウム二次電池用負極材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24839995A JP3522410B2 (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | リチウム二次電池用負極材とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0973903A JPH0973903A (ja) | 1997-03-18 |
JP3522410B2 true JP3522410B2 (ja) | 2004-04-26 |
Family
ID=17177534
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24839995A Expired - Fee Related JP3522410B2 (ja) | 1995-09-01 | 1995-09-01 | リチウム二次電池用負極材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3522410B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001236950A (ja) * | 2000-02-24 | 2001-08-31 | Japan Storage Battery Co Ltd | 非水電解質二次電池用負極及びそれを用いた非水電解質二次電池 |
JP5011606B2 (ja) * | 2001-04-13 | 2012-08-29 | パナソニック株式会社 | 有機電解液電池 |
JP4747502B2 (ja) * | 2004-03-12 | 2011-08-17 | パナソニック株式会社 | 非水電解液一次電池 |
JP4933092B2 (ja) * | 2005-12-26 | 2012-05-16 | Jfeケミカル株式会社 | リチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池 |
JP5501137B2 (ja) * | 2010-07-26 | 2014-05-21 | 日立ビークルエナジー株式会社 | リチウムイオン二次電池及び導電助剤粒子の製造方法 |
CN102683646B (zh) * | 2012-05-30 | 2014-03-26 | 焦作聚能能源科技有限公司 | 一种锂离子电池复合负极材料的制备方法 |
-
1995
- 1995-09-01 JP JP24839995A patent/JP3522410B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0973903A (ja) | 1997-03-18 |
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