JP5011186B2 - 運転支援装置および運転支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、運転支援装置および運転支援システムに係り、特に、物体の位置の情報を収集する運転支援装置およびその位置の情報に基づいて自車両に対する運転支援制御を行う運転支援システムに関する。
近年、自車両の周囲に存在する物体をCCD(Charge Coupled Device)カメラ等の撮像手段で撮像した画像の画像解析やレーダ装置から発射された電波の反射波解析等により検出する物体検出装置の開発が進んでおり、また、それらにより検出した先行車両の情報に基づいて、先行車両が検出されなければ自車両を定速走行させ、先行車両が検出された場合には自車両を先行車両に追従させるように制御する先行車追従機能付きクルーズコントロール(Adaptive Cruise Control:ACC)等の制御を行う運転支援システムが開発されている(例えば特許文献1、2等参照)。
特に、先行車追従制御においては、自車両と先行車両との距離に応じて自車両のアクセルスロットルやブレーキ機構等を自動的に操作して、走行中の先行車両に対しては先行車両との車間距離を保つようにして自車両を先行車両に追従させ、先行車両が停止した場合には、先行車両から後方に所定の距離だけ離れた位置で自車両を停止させるように制御される。
特開2002−27447号公報 特開2004−94733号公報
ところで、例えば雨水が溜まったり積雪が融けたりして濡れた路面等を先行車両が走行する際に、図20に示すように、先行車両Vahがその後方に水しぶき(スプラッシュ)を激しく巻き上げながら走行する場合がある。この場合、図21に示すように、自車両Aに搭載された物体検出装置Bは、先行車両Vahにより巻き上げられた水しぶきSpを物体として検出し、自車両Aから水しぶきSpまでの距離Zspを先行車両までの距離として認識する。
しかし、水しぶきSpは一旦巻き上がった後、路面上に戻る。そのため、物体検出装置Bから見ると、水しぶきが路面上に戻った瞬間に、距離Zsだけ前方に存在すると検出していた先行車両が急にいなくなったように検出される。その際には、いなくなった先行車両(実際には水しぶきSp)の前方に本来の先行車両Vahが新たに発見される。
また、路面が全体的に濡れてわだちに水が溜まっているような状況では、水しぶきSpが巻き上がっては消えることが繰り返されるため、物体検出装置Bには、その度に先行車両が現れては消えるように検出される。そして、現れては消える先行車両(実際には水しぶきSp)の情報に基づいて先行車追従制御等を行うと、自車両Aの走行が不安定になるという問題がある。そこで、このような状況では、運転支援システムを一時的に停止することが必要となる。
しかし、逆に、路面は全体的に乾いているが、水溜りのように路面上に局所的に水が溜まった所を、偶然に先行車両Vahが通過して水しぶきが上がるような場合に、その度ごとに先行車追従制御等の制御を停止するのでは、先行車追従制御等の機能を十分的確に発揮することができない。そのため、水しぶきSpの特徴を捉えたうえで、それが繰り返し発生する場合に、安全に運転支援システムを一時停止させるための技術が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、水しぶきが繰り返し発生する状況で、それを的確に検出して安全に運転支援システムを一時停止させることが可能な運転支援装置および運転支援システムを提供することを目的とする。
前記の問題を解決するために、第1の発明は、運転支援装置において、
周囲に存在する物体の実空間上の距離の情報を含む位置の情報を検出する物体位置検出手段と、
前記距離の情報に基づいて前方に存在する先行車両候補を検出する先行車両候補検出手段と、
過去のサンプリング周期で検出された前記先行車両候補の位置の情報から推定される実空間上の範囲内に今回のサンプリング周期で検出された前記先行車両候補の位置の情報が存在しない場合、および前記先行車両候補の実空間上の横幅の変化量が予め設定された閾値以上である場合に、それぞれ得点を加算し、前記得点が所定値に達した場合に水しぶきが繰り返し発生していると判定する判定手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明の運転支援装置において、前記判定手段は、水しぶきが繰り返し発生していると判定した場合に、水しぶき発生信号を出力することを特徴とする。
第3の発明は、第2の発明の運転支援装置において、前記判定手段は、前記先行車両候補が、過去のサンプリング周期で検出された前記先行車両候補の位置の情報から推定される実空間上の範囲内に今回のサンプリング周期で検出された前記先行車両候補の位置の情報が存在し、かつ、前記先行車両候補の実空間上の横幅の変化量が予め設定された閾値未満である場合に、前記得点を減算し、前記得点が前記所定値よりも小さい値に設定された第2所定値まで減少した場合に、水しぶき収束信号を出力することを特徴とする。
第4の発明は、第2または第3の発明の運転支援装置において、
路面が濡れていることを検出する路面状況検出手段をさらに備え、
前記判定手段は、前記路面状況検出手段により路面が濡れていることが検出された場合にのみ、前記判定を行うことを特徴とする。
第5の発明は、第4の発明の運転支援装置において、前記路面状況検出手段は、ワイパの動作信号に基づいて路面が濡れていることを検出することを特徴とする。
第6の発明は、第4の発明の運転支援装置において、
一対のカメラで物体を同時に撮像して一対の画像を出力するステレオ撮像手段と、
前記ステレオ撮像手段により撮像された一対の画像に基づいて距離データを算出する距離データ算出手段と、
路面の実空間上の位置を検出する路面位置検出手段と、
をさらに備え、
前記路面状況検出手段は、前記距離データ算出手段により算出された前記距離データのうち、前記路面位置検出手段により検出された前記路面の位置よりも下側に存在する前記距離データの数をウェットデータ数として算出し、当該ウェットデータ数に基づいて路面が濡れていることを検出することを特徴とする。
第7の発明は、運転支援システムにおいて、
自車両に搭載された第2から第6のいずれかの発明の運転支援装置と、
自車両に対して、前記先行車両候補検出手段により検出された前記先行車両候補の情報に基づいて運転支援制御を行う制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記運転支援装置の前記判定手段から前記水しぶき発生信号を受信した場合には、自車両に対する前記運転支援制御を一時停止することを特徴とする。
第8の発明は、運転支援システムにおいて、
自車両に搭載された第3から第6のいずれかの発明の運転支援装置と、
自車両に対して、前記先行車両候補検出手段により検出された前記先行車両候補の情報に基づいて運転支援制御を行う制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記運転支援装置の前記判定手段から前記水しぶき収束信号を受信した場合には、自車両に対する前記運転支援制御の一時停止を解除することを特徴とする。
第1の発明によれば、一旦巻き上げられた後、路面上に戻り、急に消えたように検出されるという水しぶきの特徴、およびその横幅が急に大きくなったり急に小さくなったりするように検出されるという水しぶきのもう1つの特徴を捉えて、過去の先行車両候補の位置の情報から推定される実空間上の範囲内に今回の先行車両候補の位置の情報が存在しない場合や、実空間上の横幅Wの変化量が閾値以上に大きい場合に、それぞれ得点を加算するように構成した。先行車両候補が実際の先行車両である場合には、上記のような特徴は検出されず、得点は加算されない。
そのため、得点が加算されることを把握することで、水しぶきが繰り返し発生していると的確に判定することが可能となる。また、水しぶきが繰り返し発生する状況で、それを的確に判定して、運転支援制御を安全に一時停止させることが可能となる。
また、加算された得点が所定値に達した時点で水しぶきが繰り返し発生していると判定するように構成したため、加算される得点や所定値を的確な値に設定することで、単発的な水しぶきの発生で運転支援制御が一時停止させることを的確に防止することが可能となる。そのため、先行車両がたまたま水溜り等を通過して水しぶきが上がるような場合に、その度ごとに先行車追従制御等の運転支援制御が無用に停止されることを的確に防止することが可能となる。
第2の発明によれば、前記発明の効果に加え、水しぶきが繰り返し発生していると判定した場合に水しぶき発生信号が出力されるように構成することで、水しぶきが繰り返し発生するような路面状態であるという情報を他の装置等に的確に伝えることが可能となる。
第3の発明によれば、前記各発明の効果に加え、水しぶきの上記の特徴が検出されない場合に、得点を減算するように構成することで、得点が減算されることを把握して水しぶきが収まりつつあることを的確に判定することが可能となり、また、得点が第2所定値まで減少した場合に水しぶき収束信号を出力するように構成することで、水しぶきが収まったという情報を他の装置等に的確に伝えることが可能となる。
第4から第6の発明によれば、前記各発明の効果に加え、路面状況検出手段で路面が濡れていることが検出された場合にのみ上記の判定を行うように構成することで、単発的に水しぶきが発生したり、或いは水しぶきが発生していないにもかかわらず水しぶきが発生していると誤判定して、運転支援システムが無用に一時停止されることを効果的に防止することが可能となる。
第7の発明によれば、運転支援システムは、水しぶき発生信号を受信した場合に自車両に対する運転支援制御を一時停止することで、運転支援装置の判定手段による上記のような的確な判定に基づいて、水しぶきが繰り返し発生する状況で運転支援制御を的確かつ安全に一時停止させることが可能となり、前記各発明の効果が的確に発揮される。
第8の発明によれば、運転支援システムは、水しぶき収束信号を受信した場合に自車両に対する運転支援制御の一時停止を解除することで、運転支援装置の判定手段による上記のような的確な判定に基づいて、水しぶきが繰り返し発生することがない状況で運転支援制御の一時停止を的確に解除して適切に運転支援制御を再開することが可能となり、前記各発明の効果が的確に発揮される。
以下、本発明に係る運転支援装置および運転支援システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
[運転支援装置]
まず、本実施形態に係る運転支援装置について説明する。運転支援装置1は、図1に示すように、ステレオ撮像手段2や画像処理手段6等を備える物体位置検出手段9と、処理手段10等で構成されている。
なお、ステレオ撮像手段2から処理手段10の物体検出手段11までの構成は本願出願人により先に提出された特開平5−114099号公報、特開平5−265547号公報、特開平6−266828号公報、特開平10−283461号公報、特開平10−283477号公報、特開2006−72495号公報等に詳述されており、詳細な説明はそれらの公報に委ねる。以下、簡単に説明する。
ステレオ撮像手段2は、本実施形態では、互いに同期が取られたCCDやCMOSセンサ等のイメージセンサがそれぞれ内蔵され例えばルームミラー近傍に車幅方向すなわち左右方向に所定の間隔をあけて取り付けられた一対の撮像手段であるメインカメラ2aおよびサブカメラ2bからなるステレオカメラが用いられている。
メインカメラ2aおよびサブカメラ2bは、路面から同じ高さに取り付けられており、所定のサンプリング周期で同時に車両の周囲、特に前方の物体を撮像して撮像画像の情報を出力するように構成されている。そして、運転者に近い側に配置されたメインカメラ2aは図2に例示される基準画像TOの画像データを出力し、運転者から遠い側に配置されたサブカメラ2bは図示を省略する比較画像の画像データを出力するようになっている。
メインカメラ2aとサブカメラ2bから出力された画像データは、変換手段3であるA/Dコンバータ3a、3bでアナログ画像からそれぞれ画素ごとに例えば256階調のグレースケール等の所定の輝度階調の輝度を有するデジタル画像にそれぞれ変換され、画像補正部4で、ずれやノイズの除去等の画像補正が行われるようになっている。そして、画像補正等が行われた各画像データは、画像データメモリ5に送信されて格納されるとともに、画像処理手段6にも送信されるようになっている。
画像処理手段6は、距離データ算出手段7と距離データメモリ8とを備えている。本実施形態では、距離データ算出手段7はイメージプロセッサで構成されており、距離データ算出手段7でステレオマッチング処理が行われるようになっている。
具体的には、距離データ算出手段7は、図3に示すように、基準画像TO上に例えば3×3画素や4×4画素等の所定の画素数の基準画素ブロックPBOを設定し、基準画素ブロックPBOに対応する比較画像TC中のエピポーララインEPL上の基準画素ブロックPBOと同形の各比較画素ブロックPBCについて下記(1)式に従って当該基準画素ブロックPBOとの輝度パターンの差異であるSAD値を算出し、SAD値が最小の比較画素ブロックPBCを特定するようになっている。
なお、p1stは基準画素ブロックPBO中の各画素の輝度値を表し、p2stは比較画素ブロックPBC中の各画素の輝度値を表す。また、上記の総和は、基準画素ブロックPBOや比較画素ブロックPBCが例えば3×3画素の領域として設定される場合には1≦s≦3、1≦t≦3の範囲、4×4画素の領域として設定される場合には1≦s≦4、1≦t≦4の範囲の全画素について計算される。
距離データ算出手段7は、このようにして基準画像TOの各基準画素ブロックPBOについて、特定した比較画素ブロックPBCの比較画像TC上の位置と当該基準画素ブロックPBOの基準画像TO上の位置から視差dpを算出するようになっている。
ここで、一対のメインカメラ2aとサブカメラ2bの中央真下の路面上の点を原点とし、自車両の車幅方向(左右方向)をX軸方向、車高方向(高さ方向)をY軸方向、車長方向(前後方向)をZ軸方向とした場合の実空間上の点(X,Y,Z)と、上記の視差dpと当該基準画素ブロックPBOの基準画像TO上の座標(i,j)とは、三角測量の原理に基づき下記(2)〜(4)式で表される座標変換により1対1に対応づけられる。
X=CD/2+Z×PW×(i−IV) …(2)
Y=CH+Z×PW×(j−JV) …(3)
Z=CD/(PW×(dp−DP)) …(4)
上記各式において、CDは一対のカメラの間隔、PWは1画素当たりの視野角、CHは一対のカメラの取り付け高さ、IVおよびJVは自車両正面の無限遠点の距離画像TZ上のi座標およびj座標、DPは消失点視差を表す。
距離データ算出手段7は、上記(4)式に従って算出した各基準画素ブロックPBOについての視差dpを距離Zのデータ(以下、距離データZという。)に変換し、各基準画素ブロックPBOに算出した距離データZを対応づけて図4に示すような距離画像TZを形成するようになっている。また、距離データ算出手段7は、形成した距離画像TZの情報すなわち各距離データZを距離データメモリ8に送信して格納させるようになっている。
なお、以下では、基準画素ブロックPBOごとに距離データZを対応づけて形成した距離画像TZに基づいて処理を行う場合について説明するが、前述したように、距離Zと視差dpとは1対1に対応づけられるため、距離データZの代わりに各基準画素ブロックPBOごとに視差dpを対応づけて距離画像TZを形成することも可能であり、そのように構成した場合も以下の構成と同等の構成となる。
本実施形態では、以上のステレオ撮像手段2から距離データ算出手段7や距離データメモリ8を含む画像処理手段6までの構成により、自車両の周囲に存在する物体までの距離データZを収集する物体位置検出手段9が構成されている。なお、物体位置検出手段9は、周囲に存在する物体の距離データZを収集できるものであればよく、本実施形態の他にも、例えば前述したように自車両の周囲にレーザ光や赤外線等を照射してその反射光の情報に基づいて物体の距離データZを収集するレーダ装置等で構成することも可能であり、収集の手法は特定の手法に限定されない。
処理手段10は、図示しないCPUやROM、RAM、入出力インターフェース等がバスに接続されたマイクロコンピュータより構成されている。また、図示を省略するが、処理手段10に、車速センサやヨーレートセンサ、ステアリングホイールの操舵角を測定する操舵角センサ等のセンサ類を必要に応じて接続することも可能である。
処理手段10は、本実施形態では、物体検出手段11と、先行車両候補検出手段12と、判定手段13とを備えており、さらに図示しないメモリを備えている。
物体検出手段11は、本実施形態では、前述したように特開平10−283461号公報等に記載された車外監視装置等をベースに構成されている。詳細な説明はそれらの公報に委ねる。以下、その構成と処理内容について説明する。
物体検出手段11では、距離データメモリ8から前述した距離画像TZを読み出して、図5に示すように距離画像TZを所定の画素幅で垂直方向に延びる短冊状の区分Dnに分割する。そして、短冊状の各区分Dnに属する各基準画素ブロックPBOに割り当てられた距離データZについて図6に示すようにヒストグラムHnを作成し、度数Fnが最大の階級の階級値をその短冊状の区分Dnにおける物体の代表距離データZnとする。これを全区分Dnについて行うようになっている。
物体検出手段11は、続いて、各区分Dnごとに得られた代表距離データZnを図7に示すように実空間上にプロットし、図8に示すようにプロットされた各点間の距離や方向性に基づいて互いに隣接する各点をそれぞれグループG1、G2、G3、…にまとめてグループ化するようになっている。
本実施形態では、物体検出手段11は、図9に示すように各グループに属する各点をそれぞれ直線近似し、それぞれのグループ内の各点が自車両Aの車幅方向すなわちX軸方向に略平行に並ぶグループには“物体”Oとラベルし、各点が自車両Aの車長方向すなわちZ軸方向に略平行に並ぶグループには“側壁”Sとラベルして分類するようになっている。また、同一の物体の“物体”と“側壁”の交点とみなすことができる箇所にコーナー点としてCをラベルするようになっている。
そして、物体検出手段11は、図9の例では、[側壁S1]、[物体O1]、[側壁S2]、[物体O2とコーナー点Cと側壁S3]、[側壁S4]、[物体O3]、[物体O4]、[側壁S5とコーナー点Cと物体O5]、[物体O6]、[側壁S6]をそれぞれ1つの物体として検出するようになっている。なお、上記のように便宜上ラベルとして“物体”と“側壁”とが用いられるが、“側壁”も物体として検出される。
また、物体検出手段11は、図10に示すように、検出した各物体の情報に基づいて、基準画像TO上に撮像された各物体を包囲する矩形状の枠線を設定して各物体が撮像されている各領域を設定することで、基準画像TO上に各物体を検出するようになっている。物体検出手段11は、このようにして検出した各物体の情報等をそれぞれメモリに保存するとともに、必要に応じて外部に出力するようになっている。
先行車両候補検出手段12は、図11に示すように自車両Aの挙動に基づいて自車両Aが今後進行するであろう軌跡を走行軌跡Lestとして推定し、その走行軌跡Lestを中心とする自車両Aの車幅分の領域を自車両Aの進行路Restとして算出するようになっている。
自車両Aの走行軌跡Lestは、センサ類から送信されてくる自車両Aの車速Vやヨーレートγ、ステアリングホイールの舵角δ等の情報に基づいて下記(5)式または下記(6)、(7)式に従って算出される自車両Aの旋回曲率Cuaに基づいて算出することができる。なお、下記の各式におけるReは旋回半径、Asfは車両のスタビリティファクタ、Lwbはホイールベースである。
Cua=γ/V …(5)
Re=(1+Asf・V)・(Lwb/δ) …(6)
Cua=1/Re …(7)
そして、先行車両候補検出手段12は、自車両Aの進行路Rest上に存在する物体の中で自車両Aに最も近接する物体を自車両Aの前方に存在する先行車両候補Qとして検出するようになっている。例えば図10や図11では、車両O3が先行車両候補Qとして検出される。なお、ここで、先行車両候補検出手段12が検出した物体を先行車両Vahとせずに先行車両候補Qとする理由は、先行車両候補Qは、通常の場合は先行車両Vahであるが、後述するように、水しぶきSpである場合があるからである。
また、先行車両候補検出手段12は、今回のサンプリング周期で検出した先行車両候補Qの位置の情報が、前回のサンプリング周期で検出された先行車両候補Qoldの位置の情報から推定される実空間上の範囲内に存在する場合には、前回のサンプリング周期で検出した過去の先行車両候補Qoldと今回のサンプリング周期で検出された先行車両候補Qとが同一の物体であるとして、先行車両候補Qの情報で過去の先行車両候補Qoldの情報を更新しながら先行車両候補Qを追跡するようになっている。
なお、先行車両候補検出手段12は、前回のサンプリング周期で検出された先行車両候補Qoldの位置の情報や、先行車両候補Qoldの自車両に対する相対速度、自車両自体のヨー角運動等の挙動等に基づいて、今回のサンプリング周期で検出した先行車両候補Qの位置の情報が上記の範囲内に存在するか否かを判断するようになっている。
しかし、今回のサンプリング周期で検出した先行車両候補Qの位置の情報が上記の範囲内にない場合には、先行車両候補検出12は、今回のサンプリング周期で検出した先行車両候補Qとは別に、過去の先行車両候補Qoldの現在の位置を推定して過去の先行車両候補Qoldの追跡を続行するようになっている。
そして、次回以降のサンプリング周期で検出された先行車両候補Qの位置の情報が、上記のように追跡され続けた過去の先行車両候補Qoldの位置の情報から推定される実空間上の範囲内に存在する場合には、その先行車両候補Qと過去の先行車両候補Qoldとが同一の物体であるとして、先行車両候補Qの情報で過去の先行車両候補Qoldの情報を更新して先行車両候補Qの追跡を続ける。
一方、過去の先行車両候補Qoldの追跡を続けても、所定期間の間、過去の先行車両候補Qoldの位置の情報からの前記範囲内に先行車両候補Qが検出されない状態が続いた場合には、過去の先行車両候補Qoldを見失った(ロストした)と判断するようになっている。
先行車両候補検出手段12は、続いて、今回のサンプリング周期で上記のようにして先行車両候補Qを検出した場合には、図12に示すように、その先行車両候補Qの実空間上の左右の端部の各座標からそれらの実空間上の横幅Wを算出するようになっている。先行車両候補検出手段12は、このようにして検出した先行車両候補Qの自車両からの距離Zやその横幅W、その他必要な情報をメモリに保存するとともに、少なくとも先行車両候補Qの自車両からの距離Zの情報を後述する運転支援システムの制御装置に送信するようになっている。
判定手段13は、図13に示すフローチャートに従って水しぶきSpが繰り返し発生しているか否かを判定するように構成されている。以下、判定手段13における判定処理の構成を図13のフローチャートに従って説明する。
判定手段13は、まず、前述したように、先行車両候補検出手段12により、今回のサンプリング周期で検出した先行車両候補Qの位置の情報が、過去のサンプリング周期で検出された先行車両候補Qoldの位置の情報から推定される実空間上の範囲内に存在しないと判断されており(ステップS1;NO)、過去の先行車両候補Qoldをロストしていれば(ステップS2;YES)、カウンタの得点を例えば30加算し(ステップS3)、過去の先行車両候補Qoldをロストしていなければ(ステップS2;NO)、カウンタの得点を例えば1加算するようになっている(ステップS4)。
ここで、判定手段13は、図示を省略するカウンタを備えており、カウンタは、得点が加算されたり減算されたりして例えば0〜100の値を取るようになっている。この場合、カウンタの得点は、0未満の値や100より大きな値は取らない。
また、判定手段13は、先行車両候補検出手段12により、今回のサンプリング周期で検出した先行車両候補Qの位置の情報が、過去のサンプリング周期で検出された先行車両候補Qoldの位置の情報から推定される実空間上の範囲内に存在すると判断されていれば(ステップS1;YES)、続いて、今回のサンプリング周期で検出された先行車両候補Qについて先行車両候補検出手段12が算出した先行車両候補Qの実空間上の横幅Wと、前回のサンプリング周期でその先行車両候補Qについて算出された横幅Woldとの変化量(すなわち差の絶対値)ΔWを算出するようになっている。
そして、判定手段13は、その変化量ΔWが予め設定された閾値ΔWth以上であるか否かを判断し(ステップS5)、閾値ΔWth以上であれば(ステップS5;YES)、カウンタの得点を例えば1加算し(ステップS6)、閾値ΔWth未満であれば(ステップS5;NO)、カウンタの得点を例えば1減算するようになっている(ステップS7)。
以上の処理が終わると、判定手段13は、続いて、フラグflgが0であれば(ステップS8;YES)、カウンタの得点が所定値に達したか否かを判断するようになっている(ステップS9)。所定値は、例えばカウンタの上限値100に設定される。
そして、カウンタの得点が所定値に達していれば(ステップS9;YES)、判定手段13は、水しぶきSpが繰り返し発生していると判定して、本実施形態では、水しぶき発生信号を運転支援装置1の外部に出力するようになっている(ステップS10)。そして、判定手段13は、フラグflgに、水しぶき発生信号を出力したことを表す「1」をセットするようになっている(ステップS11)。
カウンタの得点が所定値に達していなければ(ステップS9;NO)、ステップS10、S11の処理はスキップされる。
また、判定手段13は、ステップS8の判断処理で、フラグflgが1であれば(ステップS8;NO)、今度は、カウンタの得点が、前記の所定値よりも小さい値(例えば50)に設定された第2所定値まで減少したか否かを判断するようになっている(ステップS12)。
そして、カウンタの得点が第2所定値まで減少していれば(ステップS12;YES)、判定手段13は、水しぶきSpの繰り返しの発生が収束していると判定して、本実施形態では、水しぶき収束信号を運転支援装置1の外部に出力するようになっている(ステップS13)。そして、判定手段13は、フラグflgに、水しぶき収束信号を出力したことを表す「0」をセットするようになっている(ステップS14)。
カウンタの得点が第2所定値まで減少していなければ(ステップS12;NO)、ステップS13、S14の処理はスキップされるようになっている。
[運転支援システム]
次に、上記の運転支援装置1を用いた運転支援システムについて説明する。なお、本実施形態では、運転支援システムにより自車両に対する先行車両候補Qへの追従制御が行われる場合について説明するが、運転支援システムにおける自動制御はこれに限定されず、例えばプリクラッシュ制御等の他の自動制御を行う場合についても適用される。
本実施形態に係る運転支援システム20は、図14に示すように、上記の運転支援装置1と、制御装置としての先行車追従制御装置21と、報知装置24とで構成されている。
先行車追従制御装置21は、マイクロコンピュータ等からなる制御手段22と、制御手段22からの指示に基づいて自車両のアクセルスロットルやブレーキ機構等を操作するアクチュエータ等からなる応動部23とで構成されている。
先行車追従制御装置21の制御手段22は、運転支援装置1の先行車両検出手段12から先行車両Vahの自車両からの距離Zの情報等が送信されてくると、それに基づいて応動部23を指示して自車両を先行車両Vahに追従させるようになっている。その際、自車両と先行車両Vahとが走行中であれば、先行車両Vahとの車間距離を保つ状態で自車両を先行車両Vahに追従させ、先行車両Vahが停止した場合には、先行車両Vahの後方の先行車両Vahから所定の距離だけ離れた位置で自車両を停止させる。
制御手段22は、このように、運転支援装置1の先行車両候補検出手段12から送信されてくる先行車両候補Qの情報に基づいて、自車両に対して、上記の処理を含む公知の先行車追従制御を行うようになっている。
一方、先行車追従制御装置21の制御手段22は、運転支援装置1の判定手段13から前述した水しぶき発生信号を受信すると、上記の自車両に対する先行車追従制御を一時停止するようになっている。
その際、自車両のドライバが、先行車追従制御が一時停止されたことに気づかずに、先行車追従制御が作動していると誤信する場合があるため、本実施形態では、先行車追従制御装置21の制御手段22は、自車両に対する先行車追従制御を一時停止した場合には、例えば報知装置24の図示しないスピーカから音声を発声させたり図示しない画面上に表示させたり或いは図示しない所定のランプを点灯させるなどして、先行車追従制御が一時停止されたことをドライバに報知するようになっている。
また、先行車追従制御装置21の制御手段22は、運転支援装置1の判定手段13から前述した水しぶき収束信号を受信すると、上記の自車両に対する先行車追従制御の一時停止を解除して、先行車両追従制御を再開するようになっている。
[作用]
次に、本実施形態に係る運転支援装置1および運転支援システム20の作用について説明する。
前述したように、運転支援装置1の判定手段13は、図20や図21に示したように、先行車両Vahが水しぶきSpを巻き上げて水しぶきSpが繰り返し発生しているか否かを判定する。
例えば路面が乾いた状況では、運転支援装置1の先行車両候補検出手段12により検出される先行車両候補Qは、通常、自車両の前方を走行する先行車両Vahである。そして、先行車両候補Qが先行車両Vahであれば、今回のサンプリング周期で検出される先行車両候補Qの位置の情報は、前述した前回のサンプリング周期で検出された先行車両候補Qoldの位置の情報から推定される実空間上の範囲内に存在する(図13のステップS1;YES)。
また、先行車両候補Qが先行車両Vahであれば、検出上の誤差はあるとしても、先行車両候補Qの実空間上の横幅Wは前回算出された横幅Woldと大きく異なる値にはならない。つまり、今回算出された横幅Wと前回算出された横幅Woldの変化量は閾値ΔWth未満となる(ステップS5;NO)。
そのため、先行車両候補Qが先行車両Vahであれば、カウンタの得点は1減算され続け(ステップS7)、カウンタの得点は下限値の0を取り続ける。従って、以降の処理(ステップS8〜S14)において、判定手段13は、水しぶき発生信号(ステップS10)も水しぶき収束信号(ステップS13)も出力しない。
一方、例えば路面が濡れており、先行車両Vahが水しぶきSpを巻き上げるような状況においても、先行車両Vahが水しぶきSpを巻き上げ始める前の状態では、図15に示すように、先行車両候補検出手段12は、基準画像TO等に撮像された先行車両Vahの背面部分を検出して先行車両候補Qとして先行車両Vahを検出する。
続いて、先行車両候補検出手段12は、図16に示すように、先行車両Vahが水しぶきSpを巻き上げ始めると、水しぶきSpを先行車両候補Qとして検出するようになる。
この場合、水しぶきSpは先行車両Vahのすぐ後方に発生するため、今回のサンプリング周期で検出される水しぶきSpである先行車両候補Qの位置の情報は、過去のサンプリング周期で検出された先行車両Vahである先行車両候補Qoldの位置の情報から推定される実空間上の範囲内に存在するように判断される(図13のステップS1;YES)。
しかし、先行車両候補Qが先行車両Vahである場合と異なり、先行車両候補Qが水しぶきSpである場合には、その横幅Wが急に大きくなったり急に小さくなったりするように検出されるという特徴がある。そのため、先行車両候補Qの実空間上の横幅Wと前回算出された横幅Woldとの変化量が閾値ΔWth以上となり(ステップS5;YES)、カウンタの得点が1加算される(ステップS6)。このようにして、水しぶきSpが発生し始めて、その横幅Wが大きく変動するようになると、先行車両候補Qが水しぶきSpである可能性があるとして、カウンタの得点がサンプリング周期ごとにじわじわと増加していく。
そして、水しぶきSpのもう1つの特徴として、図17に示すように水しぶきSpの巻き上がりが最高潮になった後、図18に示すように巻き上がりが収まって、巻き上げられた水が路面上に戻るため、それを検出する側から見ると、先行車両候補Qがもともとの水しぶきSpの位置に存在しなくなり、急に前方に移動したように検出されるという特徴がある。
そのため、図13のフローチャートでは、ステップS1の判断処理で、今回のサンプリング周期で検出される先行車両候補Q(先行車両Vah)の位置の情報は、過去の先行車両候補Qold(水しぶきSp)の位置の情報から推定される実空間上の範囲内には存在しないと判断される(ステップS1;NO)。
続いて、先行車両候補検出手段12は、このような場合、前述したように、今回のサンプリング周期で検出した先行車両候補Qとは別に、過去の先行車両候補Qoldの現在の位置を推定しながら過去の先行車両候補Qoldの追跡を続行するが、所定期間が経過するまでは過去の先行車両候補Qoldをロストさせずに(ステップS2;NO)、追跡を続行するため、その間、判定手段13はカウンタの得点を1ずつ加算していく(ステップS4)。
そして、所定期間が経過する前に、先行車両Vahが減速する等して、先行車両Vahである先行車両候補Qの現在位置が、追跡されている過去の先行車両候補Qoldの位置から前記範囲内に存在するようになった場合には(ステップS1;YES)、先行車両Vahである先行車両候補Qの情報で水しぶきSpである過去の先行車両候補Qoldの情報が更新されて先行車両Vahである先行車両候補Qの追跡が続けられる。
しかし、そのようなことが生じず、所定期間を経過すると、過去の先行車両候補Qoldがロストしたとして(ステップS2;YES)、判定手段13は、カウンタの得点を一気に30加算する(ステップS3)。
しかし、この1回の水しぶきSpの巻き上がりでは、カウンタの得点は所定値である100には達しないため(ステップS9;NO)、水しぶき発生信号は出力されない。
また、水しぶきSpである過去の先行車両候補Qoldがロストし、先行車両Vahが先行車両候補Qとして検出され続けると、その横幅Wの変化量はほとんどなくなり(ステップS5;NO)、カウンタの得点が減算されていくため(ステップS7)、カウンタの得点が所定値に達することはない(ステップS9;NO)。このように、本実施形態では、単発的な水しぶきSpの発生では、運転支援装置1から水しぶき発生信号が出力されることはない。
しかし、このような水しぶきSpの巻き上がりが繰り返されると、前述したカウンタの得点が30加算されること(ステップS3)が繰り返されて、カウンタの得点が所定値である100に達する(ステップS9;YES)。このように、水しぶきSpの発生が繰り返されると、判定手段13は、先行車両Vahが水しぶきSpを巻き上げて水しぶきSpが繰り返し発生していると判定して、水しぶき発生信号を出力する(ステップS10)。
そして、運転支援システム20では、先行車追従制御装置21の制御手段22が、運転支援装置1の判定手段13が出力した水しぶき発生信号を受信して、自車両に対する先行車追従制御が一時停止される。
一方、水しぶきSpが収まり、先行車両Vahが先行車両候補Qとして検出され続けると、その横幅Wの変化量はほとんどなくなり(ステップS5;NO)、カウンタの得点が減算されていく(ステップS7)。そして、カウンタの得点が第2所定値まで減少すると(ステップS12;YES)、判定手段13は、水しぶきSpが収まったと判定して、水しぶき収束信号を出力する(ステップS13)。
そして、運転支援システム20では、先行車追従制御装置21の制御手段22が、運転支援装置1の判定手段13が出力した水しぶき収束信号を受信して、自車両に対する先行車追従制御の一時停止を解除して、先行車両追従制御が再開される。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る運転支援装置1および運転支援システム20によれば、水しぶきSpの、一旦巻き上げられた後路面上に戻りいわば急に消えるという特徴、およびその横幅Wが急に大きくなったり急に小さくなったりするように検出されるという特徴を捉えて、過去の先行車両候補Qoldの位置の情報から推定される実空間上の範囲内に今回の先行車両候補Qの位置の情報が存在しない場合や、実空間上の横幅Wの変化量が閾値以上に大きい場合に、それぞれ得点を加算するように構成した。
先行車両候補Qが実際の先行車両Vahである場合には、通常、上記のような特徴は検出されないため、得点は加算されない。そのため、得点が加算されることを把握することで、水しぶきSpが繰り返し発生していると的確に判定することが可能となる。また、水しぶきSpが繰り返し発生する状況で、それを的確に判定して、運転支援制御(先行車追従制御等)を安全に一時停止させることが可能となる。
また、加算された得点が所定値に達した時点で水しぶきSpが繰り返し発生していると判定するように構成したため、加算される得点や所定値を的確な値に設定することで、単発的な水しぶきSpの発生で運転支援制御(先行車追従制御等)が一時停止させることを的確に防止することが可能となる。そのため、先行車両Vahがたまたま水溜り等を通過して水しぶきSpが上がるような場合に、その度ごとに先行車追従制御等の運転支援制御が無用に停止されることを的確に防止することが可能となる。
さらに、運転支援システム20は、運転支援装置1の判定手段13による的確な判定に基づいて、運転支援制御を的確かつ安全に一時停止させることが可能となる。
また、上記のような水しぶきSpの特徴が検出されなくなった場合に、得点を減算し、得点が第2所定値まで減少した場合に、運転支援制御(先行車追従制御等)の一時停止を解除するように構成することで、水しぶきSpが繰り返し発生することがない状況で適切に運転支援制御を再開することが可能となる。
[変形例]
なお、上記の実施形態では、水しぶきSpが繰り返し発生しているか否かの判定を常時行う場合について説明した。しかし、路面は全体的に乾いているような場合に上記の判定を行うことは必ずしも必要ではない。そのため、例えば、運転支援装置1に、路面が濡れていることを検出する路面状況検出手段を設けて、路面状況検出手段により路面が濡れていることが検出された場合にのみ上記の判定を行うように構成することも可能である。
水しぶきSpが繰り返し発生している状況では、雨が降っているか、或いは、降雨時でなくても図20や図21に示したように先行車両Vahが水しぶきSpを激しく巻き上げている状況では空中に細かい水しぶきがミスト状に残存してその後方を走行する自車両のフロントガラス等に付着するため、ワイパが動作される場合が多い。
そのため、路面状況検出手段を、自車両のワイパの駆動機構から送信されてくる動作信号を受信し、それに基づいて路面が濡れていることを検出するように構成することが可能である。
また、前述した距離画像TZの距離データZを活用して、路面が濡れていることを検出するように構成することも可能である。これについては、本願出願人により先に提出された特開2001−41741号公報(特許第3235831号公報)等に詳述されており、詳細な説明はそれらの公報に委ねる。
以下、簡単に説明すれば、まず、路面位置検出手段により、基準画像TOの輝度値p1ij等に基づいて、図19に示すように、基準画像TO上に車線LL、LRを検出する等して、路面の実空間上の位置を検出する。そして、路面状況検出手段は、距離画像TZの距離データZのうち、検出された路面の位置よりも下側に存在する距離データZの数をウェットデータ数として算出し、ウェットデータ数に基づいて路面が濡れていることを検出するように構成することができる。
路面が濡れていると、基準画像TOや比較画像TC上中の濡れた路面部分に、先行車両Vahや他の物体等が上下反転した状態で写り込むが、その写り込んだ先行車両Vahに対してもステレオマッチング処理が行われ、距離データZが算出される。しかし、写り込んだ先行車両Vah等の物体はあくまで虚像であり、その距離データZはそれらの物体が路面の位置よりも下側に存在することを示すものとなる。
逆に言えば、距離データZとして、路面の位置よりも下側に存在する距離データZが存在すれば、路面が濡れていることを表していると捉えることができる。そこで、路面が濡れていなくてもミスマッチングにより路面の位置よりも下側に存在する距離データZが算出され得ることを考慮して、路面の位置よりも下側に存在する距離データZが所定の閾値以上算出された場合に、路面が濡れていることを検出するように構成することが可能となる。
このように、路面が濡れていることが検出された場合にのみ上記の本実施形態で述べた判定を行うように構成することで、単発的に水しぶきSpが発生したり、或いは水しぶきSpが発生していると誤判定して、運転支援システムが無用に一時停止されることを効果的に防止することが可能となる。
本実施形態に係る運転支援装置の構成を示すブロック図である。 基準画像の一例を示す図である。 距離データ算出手段におけるステレオマッチング処理の手法を説明する図である。 図2の基準画像等に基づいて算出された距離画像を示す図である。 距離画像を分割する各区分を示す図である。 図5の各区分における物体の距離を抽出するためのヒストグラムの一例を示す図である。 各区分における物体の距離を実空間上にプロットした図である。 図7の各点のグループ化を説明する図である。 図8の各グループに属する各点を直線近似して得られる物体を表す図である。 基準画像上で矩形状の枠線に包囲されて検出された各物体を表す図である。 実空間上の自車両の走行軌跡、進行路および先行車両を示す図である。 先行車両候補の実空間上の横幅を説明する図である。 判定手段における処理構成を示すフローチャートである。 本実施形態に係る運転支援システムの構成を示すブロック図である。 先行車両が水しぶきを巻き上げる前の状態を示す図である。 先行車両が水しぶきを巻き上げ始めた状態を示す図である。 水しぶきの巻き上がりが最高潮になった状態を示す図である。 水しぶきの巻き上がりが収まった状態を示す図である。 基準画像上に検出された左右の車線を示す図である。 先行車両が水しぶきを激しく巻き上げる状態を撮影した写真である。 先行車両により巻き上げられた水しぶきが物体として検出される状態を説明する図である。
符号の説明
1 運転支援装置
2 ステレオ撮像手段
2a、2b 一対のカメラ(メインカメラ、サブカメラ)
7 距離データ算出手段
9 物体位置検出手段
12 先行車両候補検出手段
13 判定手段
20 運転支援システム。
21 制御装置(先行車追従制御装置)
A 自車両
Q 先行車両候補
Qold 過去のサンプリング周期で検出された先行車両候補
Sp 水しぶき
O、TC 一対の画像(基準画像、比較画像)
W 横幅
Z 距離の情報(距離データ)
ΔW 横幅の変化量
ΔWth 閾値

Claims (8)

  1. 周囲に存在する物体の実空間上の距離の情報を含む位置の情報を検出する物体位置検出手段と、
    前記距離の情報に基づいて前方に存在する先行車両候補を検出する先行車両候補検出手段と、
    過去のサンプリング周期で検出された前記先行車両候補の位置の情報から推定される実空間上の範囲内に今回のサンプリング周期で検出された前記先行車両候補の位置の情報が存在しない場合、および前記先行車両候補の実空間上の横幅の変化量が予め設定された閾値以上である場合に、それぞれ得点を加算し、前記得点が所定値に達した場合に水しぶきが繰り返し発生していると判定する判定手段と、
    を備えることを特徴とする運転支援装置。
  2. 前記判定手段は、水しぶきが繰り返し発生していると判定した場合に、水しぶき発生信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 前記判定手段は、前記先行車両候補が、過去のサンプリング周期で検出された前記先行車両候補の位置の情報から推定される実空間上の範囲内に今回のサンプリング周期で検出された前記先行車両候補の位置の情報が存在し、かつ、前記先行車両候補の実空間上の横幅の変化量が予め設定された閾値未満である場合に、前記得点を減算し、前記得点が前記所定値よりも小さい値に設定された第2所定値まで減少した場合に、水しぶき収束信号を出力することを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
  4. 路面が濡れていることを検出する路面状況検出手段をさらに備え、
    前記判定手段は、前記路面状況検出手段により路面が濡れていることが検出された場合にのみ、前記判定を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の運転支援装置。
  5. 前記路面状況検出手段は、ワイパの動作信号に基づいて路面が濡れていることを検出することを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
  6. 一対のカメラで物体を同時に撮像して一対の画像を出力するステレオ撮像手段と、
    前記ステレオ撮像手段により撮像された一対の画像に基づいて距離データを算出する距離データ算出手段と、
    路面の実空間上の位置を検出する路面位置検出手段と、
    をさらに備え、
    前記路面状況検出手段は、前記距離データ算出手段により算出された前記距離データのうち、前記路面位置検出手段により検出された前記路面の位置よりも下側に存在する前記距離データの数をウェットデータ数として算出し、当該ウェットデータ数に基づいて路面が濡れていることを検出することを特徴とする請求項4に記載の運転支援装置。
  7. 自車両に搭載された請求項2から請求項6のいずれか一項に記載の運転支援装置と、
    自車両に対して、前記先行車両候補検出手段により検出された前記先行車両候補の情報に基づいて運転支援制御を行う制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記運転支援装置の前記判定手段から前記水しぶき発生信号を受信した場合には、自車両に対する前記運転支援制御を一時停止することを特徴とする運転支援システム。
  8. 自車両に搭載された請求項3から請求項6のいずれか一項に記載の運転支援装置と、
    自車両に対して、前記先行車両候補検出手段により検出された前記先行車両候補の情報に基づいて運転支援制御を行う制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記運転支援装置の前記判定手段から前記水しぶき収束信号を受信した場合には、自車両に対する前記運転支援制御の一時停止を解除することを特徴とする運転支援システム。
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