JP5009535B2 - 接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は接着剤組成物に関する。
近年、インターネットの普及により、通信容量を増大させる技術の重要性が増しており、光ファイバーネットワークが拡大されている。この光通信システムに使用される光学材料、光学素子の組み立てに用いられる接合技術については、現在、コネクタを用いて光ファイバー同士を接続するのが主流であるが、このコネクタ内のフェルールに光ファイバーを固定するために用いられる接着剤組成物には高い接着強度と信頼性が求められる。特に、光ファイバーとコネクタとを接着剤を介して接合する場合、スプリングによって常時光ファイバー同士が圧着された状態となり、光ファイバーとフェルールとの接着剤には常に剪断応力がかかる。また、光ファイバーがフェルールの長軸方向に引っ張られて大きな荷重が掛かる場合もある。したがって、この接着剤には高い剪断強度が求められる。
また、光ファイバーは屋外や屋根裏等に設置される場合もあるので、高温高湿等の過酷な環境下でも十分な接着力を維持できる特性が要求される。
また、従来から光ファイバーの材料としては石英やガラスが用いられてきたが、安価で、加工が容易であり、曲げに強く非常に折れにくい性質を有するプラスチック光ファイバー(POF)が開発され、ホームネットワークやデジタル家電等の短距離通信の用途で実用化されてきており、光ファイバー用接着剤組成物には、ガラスのみならず、プラスチック(主にアクリル系プラスチック)に対する接着性も要求されている。
従来、光ファイバー用接着剤組成物としては、エポキシ系接着剤等が用いられている。 しかしながら、近年の研究で、エポキシ系接着剤は耐久性に問題があるとされている。また、エポキシ系接着剤の硬化には110℃程度の加熱が必要であることから、実際に接続しようとする現場で容易に施工できないという問題があり、更に、エポキシ系接着剤の使用時に、かぶれ等の健康被害が生じることがある。
また、エポキシ樹脂を含有する組成物としては、例えば、特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には、分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物に、分子中に1個以上のアルコキシシリル基および1個以上のエポキシ基と反応しうる基を有する化合物、および必要に応じてカルボン酸を付加して得られる変性エポキシ樹脂、および、特定の構造を有するアルコキシシラン化合物からなる樹脂組成物が記載されている。
一方、特許文献2には、耐熱性に優れ、硬化における泡の発生を減じ、泡等による白濁等の欠点を生じないことを目的としたポリシロキサンを主成分とする接着剤組成物が記載されている。
特開2000−119488号公報 特開2002−173661号公報
しかしながら、本発明者は、特許文献1に記載の樹脂組成物は、高湿度の環境下に長時間置かれた場合接着力が低くなることを見出した。
また、特許文献2に記載の接着剤組成物は、ポリシロキサンを主成分とするため、高湿度の環境下に長時間置かれたとき、水分が浸透して接着力が低下するおそれがあることを見出した。
したがって、本発明は、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる接着剤組成物の提供を目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなる特定の構造の化合物と、特定の構造のイミダゾール化合物とを含有する組成物が、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる接着剤組成物となることを知見し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。
(1)エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなるエポキシシランと、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物とを含有する接着剤組成物(以下、「本発明の第1の態様の接着剤組成物」という。)。
(式中、R1は鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。)
(2)さらに、エポキシ化合物とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなる、前記エポキシ化合物のエポキシ基がすべて前記イミノ基含有シランカップリング剤と反応しているシラン化合物を含有する上記(1)に記載の接着剤組成物。
(3)さらに、エポキシ化合物を含有する上記(1)または(2)に記載の接着剤組成物。
(4)エポキシ化合物と、
エポキシ化合物とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなる、前記エポキシ化合物のエポキシ基がすべて前記イミノ基含有シランカップリング剤と反応しているシラン化合物と、
下記式(I)で表されるイミダゾール化合物とを含有する接着剤組成物(以下、「本発明の第2の態様の接着剤組成物」という。)。
(式中、R1は鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。)
(5)エポキシ樹脂と、イミノ基含有シランカップリング剤と、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物とを含有する接着剤組成物(以下、「本発明の第3の態様の接着剤組成物」という。)。
(式中、R1は鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。)
本発明の接着剤組成物は、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の第1の態様の接着剤組成物は、
エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなるエポキシシランと、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物とを含有するものである。
(式中、R1は鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。)
エポキシシランについて以下に説明する。
本発明の第1の態様の接着剤組成物に含有されるエポキシシランは、エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなるものである。
エポキシシランの製造の際に使用されるエポキシ樹脂は、2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されない。具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ピロカテコール、レゾルシノール、クレゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールF、ビキシレノール、ジヒドロキシナフタレン等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルエステル型;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリグリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型;アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等から誘導されるグリシジルアミン型;エポキシ化ポリオレフィン、グリシジルヒダントイン、グリシジルアルキルヒダントイン、トリグリシジルシアヌレート等が挙げられる。
エポキシ樹脂は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なかでも、エポキシ樹脂は、少なくとも1つの芳香環を有するのが、硬化物の機械的強度および耐湿熱性に優れる点から好ましい。特に、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型エポキシ化合物が、入手の容易さおよび硬化物の性質(性能)のバランスが良好であることから好ましい。
なお、本明細書において、耐湿熱性とは高温もしくは多湿または高温多湿環境下に長時間放置されたときでも接着性を維持できる特性を意味する。
また、エポキシ樹脂は、そのエポキシ当量が50〜500であるのが低粘度に起因する良好な作業性と、硬化物の耐熱性が良好である点で好ましく、100〜400であるのがより好ましい。
エポキシ樹脂は、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知の方法が挙げられる。また、市販品を用いることができる。
イミノ基含有シランカップリング剤について以下に説明する。
エポキシシランの製造の際に使用されるイミノ基含有シランカップリング剤は、イミノ基と反応性ケイ素含有基とを有する化合物であれば特に限定されない。
反応性ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個の反応性基を有し、湿気や架橋剤等の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより反応を起こして架橋しうるケイ素含有基である。具体的には、例えば、ハロゲン化ケイ素含有基、水素化ケイ素含有基、加水分解性ケイ素含有基が挙げられる。
反応性ケイ素含有基は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なかでも、加水分解性ケイ素含有基が、貯蔵安定性に優れ、湿気硬化が可能な組成物を得ることができる点から好ましい。
ハロゲン化ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個のハロゲン基を有する基であれば特に制限されない。例えば、クロロジメチルシリル基、ジクロロメチルシリル基、トリクロロシリル基が挙げられる。
水素化ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個の水素原子を有する基であれば特に制限されない。例えば、ヒドロジメチルシリル基、ジヒドロメチルシリル基、トリヒドロシリル基が挙げられる。
ハロゲン化ケイ素含有基は、例えば、水素化ケイ素含有基と脱ハロゲン化水素反応を起こして結合を形成し、架橋することができる。また、ハロゲン化ケイ素含有基は、グリニャール試薬とメタセシス反応を起こして脱ハロゲン化金属反応を起こしてケイ素−炭素結合を形成し、架橋することができる。また、ハロゲン化ケイ素含有基は、アルカリ金属またはマグネシウムを用いると、芳香族炭化水素、共役ジエン、芳香族アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステルまたはイミンと、還元的シリル化反応を起こしてケイ素−炭素結合を形成し、架橋することができる。
水素化ケイ素含有基は、例えば、ハロゲン化ケイ素含有基と脱ハロゲン化水素反応を起こして結合を形成し、架橋することができる。また、水素化ケイ素含有基は、不飽和炭素結合を有する化合物とヒドロシリル化反応を起こしてケイ素−炭素結合を形成し、架橋することができる。
加水分解性ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個のヒドロキシ基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基である。例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。具体的には、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
加水分解性ケイ素含有基は、取扱いが容易であるという観点から、アルコキシシリル基が好ましい。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されない。原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されない。例えば、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基またはアリールアルキル基が挙げられる。
アルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基が挙げられる。
イミノ基含有シランカップリング剤としては、例えば、下記式(1)で表される化合物、式(2)で表される化合物が挙げられる。
式(1)で表される化合物について以下に説明する。
式(1)中、R9は炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキレン基であり、R10およびR11はそれぞれ独立に炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基であり、nは0〜2の整数である。
炭素数1〜12の分岐していてもよいアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、2−メチル−1,3−トリメチレン基(イソブチレン基)、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基、デカメチレン基、ドデカメチレン基、3,3−ジメチルブチレン基が挙げられる。入手が容易で密着性が優れる点から、トリメチレン基、2−メチル−1,3−トリメチレン基、3,3−ジメチルブチレン基(3,3−ジメチル−1,4−ブチレン基)が好ましい。
炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基が挙げられる。これらの基は二重結合または三重結合を含むことができる。中でも、メチル基、エチル基が好ましい。なお、R10およびR11は同一であっても異なっていてもよい。
nは、0または1であるのが好ましい。
式(1)で表される化合物としては、例えば、N,N−ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリエトキシシリル)プロピル]アミン、N,N−ビス[(3−トリプロポキシシリル)プロピル]アミン(以上、東レ・ダウコーニング社製)が挙げられる。
式(2)で表される化合物について以下に説明する。
式(2)中、R10およびR11は、式(1)のR10およびR11と同義であり、R12は式(1)のR9と同義であり、R13は炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基または芳香族炭化水素基であり、nは0〜2の整数である。
12は、中でも、メチレン基、トリメチレン基、3,3−ジメチルブチレン基(3,3−ジメチル−1,4−ブチレン基)のような炭素数1〜6の分岐していてもよいアルキレン基が好ましい。
13において、炭素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基は式(1)のR10と同義である。芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、スチリル基、トリル基、キシリル基、ヒドロキシフェニル基が挙げられる。中でも、フェニル基、炭素数2〜4の分岐していてもよいアルキル基(エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基)が好ましい。
nは、0または1であるのが好ましい。
式(2)で表される化合物としては、例えば、N−メチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−メチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−エチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−(n−ブチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(n−ブチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、N−フェニルアミノメチルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
なかでも、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、イミノ基含有シランカップリング剤として、市販品を使用することができる。市販品としては、例えば、東レ・ダウコーニング社製のAlink15、Y−9669、Al170;旭化成ワッカーシリコーン社製のXL−924、XL−926、XL−
972、XL−973が挙げられる。
イミノ基含有シランカップリング剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
イミノ基含有シランカップリング剤の使用量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ樹脂の全エポキシ基とイミノ基含有シランカップリング剤のイミノ基の比(エポキシ基/イミノ基)が、10/1〜1/1であるのが好ましく、5/1〜1/1であるのがより好ましい。
エポキシシランは、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知の方法に従って行うことができる。具体的には、例えば、エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とを好ましくは後述する付加率となる量比で混合し、室温〜150℃で反応させる方法が挙げられる。反応温度は、反応速度の観点から80〜120℃であるのが好ましい。
反応において、エポキシ樹脂中の全エポキシ基に対するイミノ基含有シランカップリング剤の付加率が、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、10モル%以上100モル%未満であるのが好ましい。このような効果がさらに優れることから、付加率が20モル%以上100モル%未満であるのがより好ましい。
得られるエポキシシランは、エポキシ基由来のエポキシ基とヒドロキシ基と、イミノ基含有シランカップリング剤由来の反応性ケイ素含有基と第三級窒素原子とを有する化合物である。
エポキシシランとしては、例えば、1分子中に2つのエポキシ基と少なくとも1つの芳香環とを有する芳香族エポキシ樹脂に対して、1分子中に1つのイミノ基を有するイミノ基含有シランカップリング剤を1当量反応させて得られたものが挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテルに対してN−エチルアミノイソブチルトリメトキシシランを1当量反応させて得られる式(3)で表されるエポキシシラン、ビスフェノールFグリシジルエーテルに対してN−エチルアミノイソブチルトリメトキシシランを1当量反応させて得られる式(4)で表されるエポキシシランが挙げられる。
エポキシシランは、反応性ケイ素含有基1個あたりの数平均分子量が、硬化物の架橋密度が高くなり、剪断強度等の機械的強度がより向上し、接着性および耐湿熱性により優れるという観点から、1000以下であるのが好ましく、900以下であるのがより好ましく、800以下であることがさらに好ましい。
また、架橋密度が高くなりすぎるのを防止できる点から、エポキシシランの反応性ケイ素含有基1個あたりの数平均分子量は、50以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましい。
イミダゾール化合物について以下に説明する。
本発明の第1の態様の接着剤組成物に含有されるイミダゾール化合物は、式(I)で表される化合物である。
式中、R1は鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
1は、鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有することができる。
鎖状炭化水素基は、特に制限されない。例えば、炭素原子数1〜20のものが挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ウンデシル基、ヘプタデシル基が挙げられる。
脂環式炭化水素基は、特に制限されない。例えば、炭素原子数3〜10のものが挙げられる。具体的には、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、エチルシクロヘプチル基が挙げられる。
鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有することができる。また、鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は分岐していてもよい。
加水分解性ケイ素含有基は、上記と同義である。加水分解性ケイ素含有基は、鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基に1個以上結合することができる。湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、加水分解性ケイ素含有基は、鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基に2個以上結合するのが好ましい。
2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
アルキル基は、特に制限されない。アルキル基は分岐していてもよい。例えば、炭素原子数1〜5のものが挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、例えば、下記式(II)で表される化合物、特開平5−186479号公報に記載されているイミダゾール化合物が挙げられる。
式中、R4は2〜4価の鎖状炭化水素基または2〜6価の脂環式炭化水素基を表し、前記2〜4価の鎖状炭化水素基および2〜6価の脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R5、R6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、R7、R8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表し、mは1〜5の整数であり、nは1〜3の整数である。
4は、2〜4価の鎖状炭化水素基または2〜6価の脂環式炭化水素基を表し、前記2〜4価の鎖状炭化水素基および2〜6価の脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有することができる。
2〜4価の鎖状炭化水素基および2〜6価の脂環式炭化水素基としては、例えば、上記の鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基から水素原子を1〜5個除いた基が挙げられる。
加水分解性ケイ素含有基は、上記と同様である。
5、R6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
アルキル基、アルケニル基およびアリールアルキル基は特に制限されない。アルキル基、アルケニル基およびアリールアルキル基は分岐することができる。炭素原子数1〜5のアルキル基であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基が挙げられる。
7、R8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。アルキル基は、R2、R3と同義である。
イミダゾール化合物は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、加水分解性ケイ素含有基を有するのが好ましい。
また、イミダゾール化合物はエポキシ基の硬化反応を促進するような基(例えば、ヒドロキシ基)を有さないのが、組成物中のエポキシ基が活性水素と反応せず、貯蔵安定性に優れるという観点から好ましい。
式(II)で表されるイミダゾール化合物としては、例えば、下記式(III)で表される化合物が挙げられる。
イミダゾール化合物は、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知の方法が挙げられる。
また、イミダゾール化合物は、市販品を使用することができる。イミダゾール化合物の市販品としては、例えば、(株)日鉱マテリアルズ社製IM−1000が挙げられる。
イミダゾール化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシシラン100質量部に対して、0.01〜50質量部であるのが好ましく、0.1〜30質量部であるのがより好ましい。
本発明の第1の態様の接着剤組成物は、さらに、エポキシ化合物とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなる、前記エポキシ化合物のエポキシ基がすべて前記イミノ基含有シランカップリング剤と反応しているシラン化合物を含有することができる。
シラン化合物は、エポキシ化合物とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなる、前記エポキシ化合物のエポキシ基がすべて前記イミノ基含有シランカップリング剤と反応しているものであれば特に制限されない。
シラン化合物の製造の際に使用されるエポキシ化合物は、エポキシ基を1個以上有するものであれば特に制限されない。エポキシ化合物としては、モノエポキシ化合物、エポキシ樹脂が挙げられる。
モノエポキシ化合物は、エポキシ基を1個有する化合物であれば特に制限されない。
モノエポキシ化合物としては、例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル、スチレンオキサイドが挙げられる。
エポキシ樹脂は上記と同様である。
イミノ基含有シランカップリング剤は、上記と同様である。
イミノ基含有シランカップリング剤の使用量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ化合物の全エポキシ基とイミノ基含有シランカップリング剤のイミノ基の比(エポキシ基/イミノ基)が、1/1〜1/10であるのが好ましく、1/1〜1/5であるのがより好ましい。
シラン化合物は、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知の方法に従って行うことができる。具体的には、例えば、エポキシ化合物とイミノ基含有シランカップリング剤とを後述する付加率となる量比で混合し、室温〜150℃、反応速度の観点から好ましくは80〜120℃で反応させる方法が挙げられる。
シラン化合物の製造において、エポキシ化合物中の全エポキシ基に対するイミノ基含有シランカップリング剤の付加率は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から100モル%である。
得られるシラン化合物は、エポキシ基由来のヒドロキシ基と、イミノ基含有シランカップリング剤由来の反応性ケイ素含有基と第三級窒素原子とを有する化合物である。
シラン化合物としては、例えば、1分子中に2つのエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物に対して、1分子中に1つのイミノ基を有するイミノシランを2当量反応させて得られたものが挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテルに対してN−エチルアミノイソブチルトリメトシキシランを2当量反応させて得られる下記式(5)で表されるシラン化合物、ビスフェノールFグリシジルエーテルに対してN−エチルアミノイソブチルトリメトシキシランを2当量反応させて得られる下記式(6)で表されるシラン化合物が挙げられる。
シラン化合物は、反応性ケイ素含有基1個あたりの数平均分子量が、硬化物の架橋密度が高くなり、剪断強度等の機械的強度がより向上し、接着性および耐湿熱性により優れるという観点から、1000以下であるのが好ましく、900以下であるのがより好ましく、800以下であることがさらに好ましい。
また、架橋密度が高くなりすぎるのを防止できる点から、シラン化合物の反応性ケイ素含有基1個あたりの数平均分子量は、50以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましい。
シラン化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシシラン100質量部に対して、1〜1000質量部であるのが好ましく、10〜800質量部であるのがより好ましい。
本発明の第1の態様の接着剤組成物は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、さらに、エポキシ化合物を含有することができる。
エポキシ化合物は上記と同様である。
エポキシ化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシシラン100質量部に対して、1〜1000質量部であるのが好ましく、10〜800質量部であるのがより好ましい。
エポキシ化合物を含有する場合、イミダゾール化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシシランおよびエポキシ化合物の合計量100質量部に対して、0.01〜50質量部であるのが好ましく、0.1〜30質量部であるのがより好ましい。
本発明の第1の態様の接着剤組成物は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、さらに、エポキシ化合物とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなる、前記エポキシ化合物のエポキシ基がすべて前記イミノ基含有シランカップリング剤と反応しているシラン化合物、および、エポキシ化合物を含有することができる。
シラン化合物は、上記と同様である。
このような場合シラン化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシシラン100質量部に対して、1〜1000質量部であるのが好ましく、10〜800質量部であるのがより好ましい。
エポキシ化合物は上記と同様である。
このような場合エポキシ化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシシラン100質量部に対して、1〜1000質量部であるのが好ましく、10〜800質量部であるのがより好ましい。
本発明者は、エポキシ樹脂とアミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなるエポキシシランは、エポキシ基由来のヒドロキシ基とその近傍に第二級窒素原子とを有するので、ヒドロキシ基近傍の立体障害が比較的小さく、ヒドロキシ基がエポキシ基と反応してしまい、組成物の貯蔵安定性を低下させてしまうことを見出した。
これに対して、本発明の第1の態様の接着剤組成物に含有されるエポキシシランは、エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなるものであり、エポキシ基由来のヒドロキシ基とその近傍に第三級窒素原子とを有する。つまり、ヒドロキシ基近傍の立体障害が高く、ヒドロキシ基がエポキシ基と反応しにくい。
したがって、本発明の第1の態様の接着剤組成物は貯蔵安定性に優れる。
また、エポキシシランのヒドロキシ基と他のヒドロキシ基または/および架橋に関与しなかったシラノール基との間に水素結合が形成されるので、剪断強度等の機械的強度がより向上し、接着性および耐湿熱性に優れる。
また、従来、エポキシ樹脂のアニオン性重合触媒として使用されていたイミダゾール化合物は、イミダゾール環の第1位の窒素原子に水素原子を有していたので活性が高く、エポキシ樹脂と混合すると室温でエポキシ基をアニオン重合させてしまうため、組成物の貯蔵安定性に劣ることを本発明者は見出した。
これに対して、本発明の第1の態様の接着剤組成物に含有されるイミダゾール化合物は、イミダゾール環の第1位の窒素原子に水素原子を有さない。したがって、エポキシ基を有する化合物はこのようなイミダゾール化合物と室温では反応しにくく、組成物の貯蔵安定性に優れる。
また、本発明の第1の態様の接着剤組成物に含有されるイミダゾール化合物は、加熱によりエポキシ基のアニオン性重合触媒として十分に機能しうるものである。
次に、本発明の第2の態様の接着剤組成物について説明する。
本発明の第2の態様の接着剤組成物は、
エポキシ化合物と、
エポキシ化合物とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなる、前記エポキシ化合物のエポキシ基がすべて前記イミノ基含有シランカップリング剤と反応しているシラン化合物と、
下記式(I)で表されるイミダゾール化合物とを含有するものである。
式中、R1は鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
エポキシ化合物およびシラン化合物は本発明の第1の態様の接着剤組成物と同義である。
シラン化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ化合物100質量部に対して、1〜1000質量部であるのが好ましく、10〜800質量部であるのがより好ましい。
イミダゾール化合物は本発明の第1の態様の接着剤組成物と同義である。
イミダゾール化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ化合物100質量部に対して、0.01〜50質量部であるのが好ましく、0.1〜30質量部であるのがより好ましい。
次に、本発明の第3の態様の接着剤組成物について説明する。
本発明の第3の態様の接着剤組成物は、
エポキシ樹脂と、イミノ基含有シランカップリング剤と、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物とを含有するものである。
式中、R1は鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。
エポキシ樹脂およびイミノ基含有シランカップリング剤は本発明の第1の態様の接着剤組成物と同義である。
イミノ基含有シランカップリング剤の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、1〜1000質量部であるのが好ましく、10〜800質量部であるのがより好ましい。
イミダゾール化合物は、本発明の第1の態様の接着剤組成物と同義である。
イミダゾール化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜50質量部であるのが好ましく、0.1〜30質量部であるのがより好ましい。
本発明の第3の態様の接着剤組成物は、さらに、モノエポキシ化合物を含有することができる。
モノエポキシ化合物は、本発明の第1の態様の接着剤組成物と同義である。
モノエポキシ化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.01〜100質量部であるのが好ましく、0.1〜50質量部であるのがより好ましい。
本発明の第3の態様の接着剤組成物がモノエポキシ化合物を含有する場合、イミダゾール化合物の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ樹脂およびモノエポキシ化合物の合計量100質量部に対して、0.01〜50質量部であるのが好ましく、0.1〜30質量部であるのがより好ましい。
本発明の第3の態様の接着剤組成物において、エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とは混合された直後から徐々に反応して、エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなるエポキシシランや、エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなる、エポキシ樹脂のエポキシ基がすべてイミノ基含有シランカップリング剤と反応しているシラン化合物となりうる。
エポキシシランおよびシラン化合物は本発明の第1の態様の接着剤組成物と同義である。
本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物は、さらに、シランカップリング剤を含有することができる。
シランカップリング剤は特に限定されない。例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシランのようなメタクリル基またはアクリル基を有するアルコキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランのようなエポキシシランが挙げられる。
本発明の第1の態様の接着剤組成物において、シランカップリング剤の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシシランとシランカップリング剤との合計量に対して5〜99質量%であるのが好ましく、10〜90質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の第2の態様の接着剤組成物において、シランカップリング剤の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ化合物とシランカップリング剤との合計量に対して5〜99質量%であるのが好ましく、10〜90質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の第3の態様の接着剤組成物において、シランカップリング剤の含有量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、エポキシ樹脂とシランカップリング剤との合計量に対して5〜99質量%であるのが好ましく、10〜90質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。
本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物は、さらに、硬化触媒を含有するのが好ましい。
硬化触媒としては、反応性ケイ素含有基含有化合物に一般的に用いられるものを使用できる。具体的には、例えば、オクタン酸亜鉛、オクタン酸鉄、オクタン酸マンガン、オクタン酸スズ、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸鉄、ブタン酸スズ、カプリル酸スズ、オレイン酸スズ等のカルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、酸化ジブチルスズとフタル酸エステルとの反応生成物、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズ(トリエトキシシロキシ)、ジブチルスズシリケート等の有機スズ化合物;ジブチルスズジアセチルアセトナート等のスズキレート化合物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ−2−エチルヘキシルオキシチタン、テトライソプロペニルオキシチタン等のチタン酸エステル;ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(アセチルアセトナート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタントリス(アセチルアセトナート)等のチタンキレート化合物;テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシジルコニウムステアレート等のジルコニウムアルコキシド;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)等のジルコニウムキレート化合物;トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等のアルミニウムアルコキシド;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムキレート化合物;
ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン等の第1級アミン;ジブチルアミン等の第2級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミン等のポリアミン;トリエチレンジアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン等の環状アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミノフェノール化合物等のアミン化合物およびそのカルボン酸塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセタート等の第4級アンモニウム塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物等が挙げられる。
硬化触媒は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらの中でも、保存中および作業中に揮発しにくいことから、金属化合物が好ましく、中でも微量の配合で優れた触媒能が得られることから、有機スズ化合物、スズキレート化合物およびチタン酸エステルが好ましい。
本発明の第1の態様の接着剤組成物において、硬化触媒の含有量は、硬化触媒の作用を十分に発揮でき、他の成分との相溶性に関しても問題がなく、硬化時に局所的な発熱や発泡が生じることもないという観点から、エポキシシラン100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、1〜30質量部がさらに好ましい。
本発明の第2の態様の接着剤組成物において、硬化触媒の含有量は、硬化触媒の作用を十分に発揮でき、他の成分との相溶性に関しても問題がなく、硬化時に局所的な発熱や発泡が生じることもないという観点から、シラン化合物100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、1〜30質量部がさらに好ましい。
本発明の第3の態様の接着剤組成物において、硬化触媒の含有量は、硬化触媒の作用を十分に発揮でき、他の成分との相溶性に関しても問題がなく、硬化時に局所的な発熱や発泡が生じることもないという観点から、イミノ基含有シランカップリング剤100質量部に対して、1〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、1〜30質量部がさらに好ましい。
本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、例えば、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤のような添加剤を含有することができる。
充填剤としては、各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグレシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。
充填剤の含有量は、硬化物の物性の点で、全組成物中の90質量%以下であるのが好ましい。
反応遅延剤としては、例えば、アルコール系の化合物が挙げられる。
老化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系の化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)が挙げられる。
顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料が挙げられる。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。
揺変性付与剤としては、例えば、エアロジル(日本エアロジル(株)製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)が挙げられる。
接着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
難燃剤としては、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテルが挙げられる。
帯電防止剤としては、例えば、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物が挙げられる。
本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物は、基本的に、湿気硬化が可能である。また、加熱により硬化させることもできる。
湿気硬化型として用いる場合は、加熱する必要がないため作業性に優れる。
一方、加熱硬化型として用いる場合は、硬化時間が短く、深部硬化性に優れる。
加熱硬化型として使用する場合、加熱温度は、60〜200℃であるのが好ましい。
したがって、用途や施工箇所に応じて、湿気硬化型または加熱硬化型を適宜選択し使用することができる。
また、本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物は、1液型または2液型接着剤組成物として使用することができる。
1液型として用いる場合は、主剤と硬化剤を現場で混合する手間がないため作業性に優れる。
一方、2液型として用いる場合は、硬化時間が短く、深部硬化性に優れる。
したがって用途や施工箇所に応じて1液型または2液型を適宜選択することができる。
本発明の第1の態様の接着剤組成物を2液型として用いる場合、例えば、エポキシシランおよびイミダゾール化合物を含有する主剤と、硬化剤とからなる2液型接着剤組成物とすることができる。
本発明の第2の態様の接着剤組成物を2液型として用いる場合、例えば、エポキシ化合物、シラン化合物およびイミダゾール化合物を含有する主剤と、硬化剤とからなる2液型接着剤組成物とすることができる。
本発明の第3の態様の接着剤組成物を2液型として用いる場合、例えば、エポキシ樹脂、イミノ基含有シランカップリング剤およびイミダゾール化合物を含有する主剤と、硬化剤とからなる2液型接着剤組成物とすることができる。
本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物において、所望により添加される硬化触媒および添加剤は、主剤側と硬化剤側の一方または両方に配合することができる。
硬化剤としては、例えば、水、その他の活性水素含有化合物が挙げられる。なかでも、コスト面や取扱い易さの点から、水が好ましい。
硬化剤の使用量は、湿気硬化、接着性、耐湿熱性により優れるという観点から、各態様のシラン成分100質量部に対して、0.01〜20質量部であるのが好ましく、0.1〜10質量部であるのがより好ましい。
本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物は、その製造について特に限定されず、例えば、上述した各成分と、所望により添加する添加剤とを、好ましくは減圧下または不活性雰囲気下で、ボールミル等の混合装置を用いて十分に混練し、均一に分散させることにより得られうる。
本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物は、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる。
本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物を使用することができる被着体としては、例えば、ガラス材料、プラスチック材料、金属、有機無機複合材料のものが挙げられる。
本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物は、その用途について特に制限されない。例えば、光学材料の接合に用いることができる。
光学材料としては、例えば、光ファイバー、レンズ、フィルタ、光導波路、回折格子、光アクティブ素子、フェルール等が挙げられる。
光ファイバーとしては、例えば、シングルモード光ファイバー、マルチモード光ファイバーが挙げられる。
レンズとしては、例えば、屈折率分布レンズ、球面レンズ、非球面レンズ、平凸レンズ等が挙げられる。
光フィルタとしては、例えば、誘電体多層膜からなる狭帯域フィルタ、バンドパスフィルタ、偏光フィルタ等が挙げられる。
光導波路としては、例えば、シングルモード光導波路、マルチモード光導波路およびこれらの光導波路に、周期的に屈折率を変調させたブラッグ回折格子を有するもの等が挙げられる。
フェルールとしては、酸化ジルコニウム製フェルール、結晶化ガラス製フェルール等が挙げられる。
光学材料を構成する材料としては、例えば、ガラス材料、プラスチック材料、金属、有機無機複合材料等が挙げられる。
すなわち、本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物は、例えば、ガラス製光ファイバー、プラスチック製光ファイバー、ジルコニア製フェルール、結晶化ガラス製フェルール等の接着に用いることができ、ガラス製またはプラスチック製の光ファイバー同士を接着させたり、ガラス製またはプラスチック製の光ファイバーとジルコニア製または結晶化ガラス製のフェルールとを接着させることができる。
光学材料を組み立てる場合、第1の光学材料(例えば、光ファイバー)と第2の光学材料(例えば、フェルール)の間に、本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物を配置した後、硬化させて所望の強度を有する結合部を形成することができる。
また、本発明の第1〜第3の態様の接着剤組成物を用いて接合する接着体の面にプライマー層を形成してもよい。プライマーとしては、例えば、従来公知のものが挙げられる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.エポキシシラン、シラン化合物の調製
1−1.エポキシシランの調製(合成例1、3)
第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で混合し、不活性ガス雰囲気下、120℃で8時間かくはんを行ってエポキシシランを得た。得られた各エポキシシランをエポキシシラン1、エポキシシラン2とする。エポキシシラン1は下記式(3)で表される化合物であり、エポキシシラン2は下記式(4)で表される化合物である。
第1表に示すシリル化率は、エポキシ樹脂のエポキシ基の数の合計に対して、イミノ基含有シランカップリング剤が反応した数の割合の百分率(理論値)を示す。例えば、合成例1は、2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂1個に対して、イミノ基を1個有するイミノ基含有シランカップリング剤を1個反応させているのでシリル化率は50%となる。
1−2.シラン化合物の調製(合成例2、4)
第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で混合し、不活性ガス雰囲気下、120℃で8時間かくはんを行ってシラン化合物を得た。得られたシラン化合物をシラン化合物1、シラン化合物2とする。シラン化合物1は下記式(5)で表される化合物であり、シラン化合物2は下記式(6)で表される化合物である。シラン化合物1およびシラン化合物2は、原料のエポキシ化合物のエポキシ基がすべてシリル化されており、シリル化率は100%である。
第1表中の各成分は、以下のとおりである。
・エポキシ樹脂1(ビスフェノールAグリシジルエーテル):エポトートYD−128、東都化成(株)製、(以下同様。)
・エポキシ樹脂2(ビスフェノールFグリシジルエーテル):エポトートYDF−170、東都化成(株)製、(以下同様。)
・イミノ基含有シランカップリング剤:Alink−15、東レ・ダウコーニング社製、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン(以下同様。)
2.接着剤組成物の調製(実施例1〜8および比較例1、2)
下記第2表に示すA液の各成分を、第2表に示す組成(質量部)で混合し、かくはん機を用いて十分に分散させ、次いでB液の成分を全量加えて十分に分散させて各組成物を得た。
3.接着剤組成物の評価
得られた各組成物を用いて、下記のようにして、接着性および耐湿熱性を評価した。結果を第2表に示す。
ガラス板(長さ30mm×幅25mm×厚さ5mm)を2枚用意し、各々の一方の端部3mm×幅25mmを得られた各接着剤組成物を介して重ね合わせた後、130℃で3時間加熱硬化して試験体を作製した。作製した試験体を用いて、JIS K6852−1994に準じて剪断強度(加熱硬化後)を測定した。
また、上記と同様に作製した試験体を、80℃、95%RH環境下で10日間放置して劣化させた。この試験体を用いて上記と同様に剪断強度(湿熱劣化試験後)を測定した。
なお、実施例8において、A液はA液の調製から1時間後にB液と混合して接着剤組成物とした。
上記第2表に示す各成分は、下記のとおりである。
・イミダゾール化合物1;イミダゾールシラン、(株)日鉱マテリアルズ社製
・シランカップリング剤:A−187、東レ・ダウコーニング社製、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
・触媒:TPT−100、日本曹達(株)製、テトラプロポキシチタン
・イミダゾール化合物2:2E4MZ、四国化成(株)製、2−エチル−4−メチルイミダゾール
第2表の結果から明らかなように、合成例1〜4で得られた化合物の少なくとも1種を含む組成物(実施例1〜6、参考例1、2)は、合成例1〜4で得た化合物を含有しない組成物(比較例1)や活性水素を有するイミダゾール化合物を含有する組成物(比較例2)に比べて、優れた接着性を有していた。特に、湿熱劣化後の剪断強度の差が顕著であったことから、実施例1〜6、参考例1、2の組成物は耐湿熱性に極めて優れていることが証明された。
4.光ファイバーとフェルールとの接着
図1は、本発明の接着剤組成物を用いて光ファイバーとフェルールとを接着させた接続部分の一例を示す模式的な縦断面図である。
図1において、1は光ファイバーを、7はフェルールを、8はプラグを示す。
フェルール7はジルコニア製である。フェルール7とプラグ8とはあらかじめ図1に示すように接続されて固定されている。
光ファイバー1は、ガラス製で長さが約1mのものである。光ファイバー1は、ポリマー被覆層4、コア部2およびクラッド部3を有する。ポリマー被覆層4は、光ファイバー1の端部から長手方向に2cmまでの間の部分(図示せず)が光ファイバー1から除去されており、この部分に実施例または比較例の接着剤組成物を塗布して接着層6が配設されている。次いで、接着層6を有する光ファイバー1をプラグ8の端部(図示せず)からフェルール7の空洞部(図示せず)に挿入した後、130℃に加熱して3時間静置し、接着層6を介して光ファイバー1とフェルール7を接着させ、サンプルを作製した。得られたサンプルを加熱硬化後のサンプルとする。その後、加熱硬化後のサンプルのフェルールの端面を精密に研磨する。
また、加熱硬化後のサンプルをさらに80℃、95%RHの環境下に10日間放置した。これを湿熱劣化試験後のサンプルとする。
次に、加熱硬化後のサンプルおよび湿熱劣化試験後のサンプルについて、それぞれのフェルール7と光ファイバー1とを掴んで軽く引っ張った。
その結果、比較例の組成物を用いて接着したうち、加熱硬化後のサンプルは、接着部分が破壊されることはなかったが、湿熱劣化試験後のサンプルでは、接着部6と光ファイバー1との界面で剥離を生じた。
一方、実施例の接着剤組成物を用いて接着したものは、いずれのサンプルも接着部分が破壊されることはなかった。これは、実施例の接着剤組成物が接着性および耐湿熱性に優れるためと考えられる。
図1は、本発明の接着剤組成物を用いて光ファイバーとフェルールとを接着させた接続部分の一例を示す模式的な縦断面図である。
符号の説明
1 光ファイバー
2 コア部
3 クラッド部
4 ポリマー被覆層
6 接着層
7 フェルール
8 プラグ

Claims (7)

  1. エポキシ樹脂とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなるエポキシシランと、下記式(I)で表されるイミダゾール化合物とを含有し、
    前記エポキシ樹脂中の全エポキシ基に対する前記イミノ基含有シランカップリング剤の付加率が100モル%未満である、接着剤組成物。

    (式中、R1は鎖状炭化水素基または脂環式炭化水素基を表し、前記鎖状炭化水素基および脂環式炭化水素基は、酸素原子、窒素原子および加水分解性ケイ素含有基からなる群から選ばれる少なくとも1種を有してもよく、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基およびビニル基からなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。)
  2. 前記イミダゾール化合物の含有量は、前記エポキシシラン100質量部に対して0.01〜50質量部である請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. さらに、エポキシ化合物とイミノ基含有シランカップリング剤とを反応させてなる、前記エポキシ化合物のエポキシ基がすべて前記イミノ基含有シランカップリング剤と反応しているシラン化合物を含有する請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記シラン化合物の含有量は、前記エポキシシラン100質量部に対して1〜1000質量部である請求項3に記載の接着剤組成物。
  5. さらに、エポキシ化合物を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の接着剤組成物。
  6. 前記エポキシ化合物の含有量は、前記エポキシシラン100質量部に対して1〜1000質量部である請求項5に記載の接着剤組成物。
  7. 前記イミダゾール化合物の含有量は、前記エポキシシランおよび前記エポキシ化合物の合計量100質量部に対して0.01〜50質量部である請求項5又は6に記載の接着剤組成物。
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