JP4076574B2 - 光ファイバー用接着剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は光ファイバー用接着剤組成物に関する。より詳しくは、光ファイバーとフェルールとの接着に用いられる接着剤組成物に関する。
近年、インターネットの普及により、通信容量を増大させる技術の重要性が増しており、光ファイバーネットワークが拡大されている。この光通信システムに使用される光学材料、光学素子の組み立てに用いられる接合技術については、現在、コネクタを用いて光ファイバー同士を接続するのが主流であるが、このコネクタ内のフェルールに光ファイバーを固定するために用いられる接着剤組成物には高い接着強度と信頼性が求められる。特に、光ファイバーとコネクタとを接着剤を介して接合する場合、スプリングによって常時光ファイバー同士が圧着された状態となり、光ファイバーとフェルールとの接着剤には常に剪断応力がかかる。また、光ファイバーがフェルールの長軸方向に引っ張られて大きな荷重が掛かる場合もある。したがって、この接着剤には高い剪断強度が求められる。
また、光ファイバーは屋外や屋根裏等に設置される場合もあるので、高温高湿等の過酷な環境下でも十分な接着力を維持できる特性が要求される。
また、従来から光ファイバーの材料としては石英やガラスが用いられてきたが、安価で、加工が容易であり、曲げに強く非常に折れにくい性質を有するプラスチック光ファイバー(POF)が開発され、ホームネットワークやデジタル家電等の短距離通信の用途で実用化されてきており、光ファイバー用接着剤組成物には、ガラスのみならず、プラスチック(主にアクリル系プラスチック)に対する接着性も要求されている。
従来、光ファイバー用接着剤組成物としては、エポキシ系接着剤等が用いられている。しかしながら、近年の研究で、エポキシ系接着剤は耐久性に問題があるとされている。また、エポキシ系接着剤の硬化には110℃程度の加熱が必要であることから、実際に接続しようとする現場で容易に施工できないという問題があり、更に、エポキシ系接着剤の使用時に、かぶれ等の健康被害が生じることがある。
一方、特許文献1には、耐熱性に優れ、硬化における泡の発生を減じ、泡等による白濁等の欠点を生じないことを目的としたポリシロキサンを主成分とする接着剤組成物が記載されている。
特開2002−173661号公報
しかしながら、特許文献1に記載の接着剤組成物は、ポリシロキサンを主成分とするため、高湿度の環境下に長時間置かれたとき、水分が浸透して接着力が低下するおそれがある。
したがって、本発明は、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる光ファイバー用接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、エポキシ化合物とシランカップリング剤とを反応させてなる化合物を含む反応性ケイ素含有基含有化合物を含有し、上記反応性ケイ素含有基含有化合物の反応性ケイ素含有基1個あたりの分子量が1000以下であると、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる光ファイバー用接着剤組成物となることを知見した。また、本発明者は、アルキルシリルエステルと、少なくとも1つのエポキシ基を含有するエポキシ化合物と少なくとも1つのエポキシ基と反応する反応性基を有する化合物とを反応させてなる反応性ケイ素含有基含有化合物とを含有すると、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる光ファイバー用接着剤組成物となることを知見した。本発明者はこれらの知見に基づき、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(12)を提供する。
(1)少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と、反応性ケイ素含有基とエポキシ基と反応する反応性基とを有するシランカップリング剤(b)とを反応させてなる化合物(c)を含む反応性ケイ素含有基含有化合物(A)を含有し、
前記反応性ケイ素含有基含有化合物(A)の反応性ケイ素含有基1個あたりの分子量が1000以下である光ファイバー用接着剤組成物。
(2)前記エポキシ化合物(a)が、少なくとも1つの芳香環を有する上記(1)に記載の光ファイバー用接着剤組成物。
(3)前記反応性ケイ素含有基含有化合物(A)の反応性ケイ素含有基が、加水分解性ケイ素含有基である上記(1)または(2)に記載の光ファイバー用接着剤組成物。
(4)前記シランカップリング剤(b)が、イミノシラン化合物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
(5)アルキルシリルエステルと、
少なくとも1つのエポキシ基を含有するエポキシ化合物(d)と、少なくとも1つのエポキシ基と反応する反応性基を有する化合物(e)とを反応させてなる反応性ケイ素含有基含有化合物(B)とを
含有する光ファイバー用接着剤組成物。
(6)前記アルキルシリルエステルが、メチルシリルエステルのモノマーおよび/またはオリゴマーである上記(5)に記載の光ファイバー用接着剤組成物。
(7)前記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)の反応性ケイ素含有基が、加水分解性ケイ素含有基である上記(5)または(6)に記載の光ファイバー用接着剤組成物。
(8)前記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)が、少なくとも1つの芳香環を有する上記(5)〜(7)のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
(9)前記エポキシ化合物(d)が芳香族エポキシ化合物であり、前記化合物(e)がイミノシラン化合物である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
(10)前記エポキシ化合物(d)がエポキシシラン化合物であり、前記化合物(e)が芳香族アミン化合物である上記(5)〜(8)のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
(11)前記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)を、前記アルキルシリルエステル100質量部に対して1〜300質量部含有する上記(5)〜(10)のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
(12)更に、硬化触媒を含有する上記(1)〜(11)のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
本発明の光ファイバー用接着剤組成物は、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の第1の態様の光ファイバー用接着剤組成物(以下、「第1態様の組成物」ともいう。)は、少なくとも1つのエポキシ基を有するエポキシ化合物(a)と、反応性ケイ素含有基とエポキシ基と反応する反応性基とを有するシランカップリング剤(b)とを反応させてなる化合物(c)を含む反応性ケイ素含有基含有化合物(A)を含有し、上記反応性ケイ素含有基含有化合物(A)の反応性ケイ素含有基1個あたりの分子量が1000以下である。
第1態様の組成物に用いられるエポキシ化合物(a)は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物である。具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヘキサヒドロビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールA、ピロカテコール、レゾルシノール、クレゾールノボラック、テトラブロモビスフェノールA、トリヒドロキシビフェニル、ビスレゾルシノール、ビスフェノールヘキサフルオロアセトン、テトラメチルビスフェノールF、ビキシレノール、ジヒドロキシナフタレン等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型;グリセリン、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるポリグリシジルエーテル型;p−オキシ安息香酸、β−オキシナフトエ酸等のヒドロキシカルボン酸とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテルエステル型;フタル酸、メチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロフタル酸、エンドメチレンテトラハイドロフタル酸、エンドメチレンヘキサハイドロフタル酸、トリメリット酸、重合脂肪酸等のポリカルボン酸から誘導されるポリグリシジルエステル型;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型;アニリン、トルイジン、トリブロムアニリン、キシリレンジアミン、ジアミノシクロヘキサン、ビスアミノメチルシクロヘキサン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等から誘導されるグリシジルアミン型;さらにエポキシ化ポリオレフィン、グリシジルヒダントイン、グリシジルアルキルヒダントイン、トリグリシジルシアヌレート等;ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェニルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル、スチレンオキサイド等のモノエポキシ化合物等が挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物を用いることができる。
また、上記エポキシ化合物(a)は、少なくとも1つの芳香環を有するのが、硬化物の機械的強度および耐湿熱性に優れる点から好ましい。特に、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型エポキシ化合物が、入手の容易さおよび硬化物の性質(性能)のバランスが良好であることから好ましい。
なお、本明細書において、耐湿熱性とは高温もしくは多湿または高温多湿環境下に長時間放置されたときでも接着性を維持できる特性を意味する。
また、上記エポキシ化合物(a)は、そのエポキシ当量が50〜500であるのが低粘度に起因する良好な作業性と、硬化物の耐熱性が良好である点で好ましく、100〜400であるのがより好ましい。
上記エポキシ化合物(a)は市販品を用いてもよく製造してもよい。製造条件は特に限定されず、通常用いられる条件で行うことができる。
第1態様の組成物に用いられるシランカップリング剤(b)は、反応性ケイ素含有基とエポキシ基と反応する反応性基とを有する化合物であれば特に限定されない。
上記反応性ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個の反応性基を有し、湿気や架橋剤等の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより反応を起こして架橋しうるケイ素含有基である。具体的には、例えば、ハロゲン化ケイ素含有基、水素化ケイ素含有基、加水分解性ケイ素含有基等が挙げられる。上記シランカップリング剤(b)はこれらの反応性ケイ素含有基の1種または2種以上を有することができる。
上記の反応性ケイ素含有基の中でも、加水分解性ケイ素含有基が、貯蔵安定性に優れ、湿気硬化が可能な組成物を得ることができる点から好ましい。
上記ハロゲン化ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個のハロゲン基を有し、具体的には、例えば、クロロジメチルシリル基、ジクロロメチルシリル基、トリクロロシリル基等が挙げられる。
上記水素化ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個の水素原子を有し、具体的には、例えば、ヒドロジメチルシリル基、ジヒドロメチルシリル基、トリヒドロシリル基等が挙げられる。
上記ハロゲン化ケイ素含有基は、例えば、上記水素化ケイ素含有基と脱ハロゲン化水素反応を起こして結合を形成し、架橋することができる。また、ハロゲン化ケイ素含有基は、グリニャール試薬とメタセシス反応を起こした後に脱ハロゲン化金属反応を起こしてケイ素−炭素結合を形成し、架橋することができる。また、ハロゲン化ケイ素含有基は、アルカリ金属またはマグネシウムを用いると、芳香族炭化水素、共役ジエン、芳香族アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステルまたはイミンと、還元的シリル化反応を起こしてケイ素−炭素結合を形成し、架橋することができる。
上記水素化ケイ素含有基は、例えば、上記ハロゲン化ケイ素含有基と脱ハロゲン化水素反応を起こして結合を形成し、架橋することができる。また、水素化ケイ素含有基は、不飽和炭素結合を有する化合物とヒドロシリル化反応を起こしてケイ素−炭素結合を形成し、架橋することができる。
上記加水分解性ケイ素含有基は、ケイ素原子に結合した1〜3個のヒドロキシ基および/または加水分解性基を有し、湿気や架橋剤の存在下、必要に応じて触媒等を使用することにより縮合反応を起こしてシロキサン結合を形成することにより架橋しうるケイ素含有基である。例えば、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基が挙げられる。具体的には、下記式で例示される、アルコキシシリル基、アルケニルオキシシリル基、アシロキシシリル基、アミノシリル基、アミノオキシシリル基、オキシムシリル基、アミドシリル基等が好適に用いられる。
Figure 0004076574
中でも、取扱いが容易である点で、アルコキシシリル基が好ましい。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基は、特に限定されないが、原料の入手が容易なことからメトキシ基、エトキシ基またはプロポキシ基が好適に挙げられる。
アルコキシシリル基のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基は、特に限定されず、例えば、水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等の炭素原子数が20以下である、アルキル基、アルケニル基もしくはアリールアルキル基が好適に挙げられる。
上記シランカップリング剤(b)が有するエポキシ基と反応する反応性基は、具体的には、例えば、アミノ基、イミノ基、ウレイド基、メルカプト基、酸無水物基等が挙げられる。
上記シランカップリング剤(b)としては、具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3,3−ジメチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、3,3−ジメチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン化合物;(N−シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(N−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)トリメチルオキシシラン、下記式(1)で表される化合物および下記式(2)で表されるN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のイミノシラン化合物;
Figure 0004076574
γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン等のウレイドシラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプトシラン化合物等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤(b)は、市販品を用いてもよく、製造してもよい。製造条件は特に限定されず、公知の方法、条件で行うことができる。
第1態様の組成物に用いられる化合物(c)は、上記エポキシ化合物(a)と上記シランカップリング剤(b)とを反応させて得られる。化合物(c)は、上記エポキシ化合物(a)を原料として用いているのでエポキシ基由来のヒドロキシ基を有する。したがって、得られる第1態様の組成物は、このヒドロキシ基とその他のヒドロキシ基および/または架橋に関与しなかったシラノール基との間に分子間水素結合が形成されるので、剪断強度等の機械的強度がより向上し、接着性および耐湿熱性に優れる。
好ましい化合物(c)の第1の態様は、上記イミノシラン化合物と、上記少なくとも1つの芳香環を有するエポキシ化合物(芳香族エポキシ化合物)とを反応させて得られるものである。例えば、1分子中に2つのエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物に対して、1分子中に1つのイミノ基を有するイミノシラン化合物を1当量反応させて得られたものが挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテルに対して、上記式(1)で表される構造を有するイミノシラン化合物を1当量反応させて得られる、下記式(3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004076574
また、好ましい化合物(c)の第2の態様としては、1分子中に2つのエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物に対して、1分子中に1つのイミノ基を有するイミノシランを2当量反応させて得られたものが挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテルに対して、上記式(1)で表される構造を有する化合物を2当量反応させて得られる、下記式(4)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004076574
第1態様の組成物に用いられる反応性ケイ素含有基含有化合物(A)は、少なくとも上記化合物(c)を含み、上記化合物(c)以外の反応性ケイ素含有基含有化合物を含んでもよい。
上記反応性ケイ素含有基含有化合物(A)の反応性ケイ素含有基は、貯蔵安定性に優れ、湿気硬化が可能である点から、加水分解性ケイ素含有基であるのが好ましい。
上記反応性ケイ素含有基含有化合物(A)に含まれる各反応性ケイ素含有基含有化合物の反応性ケイ素含有基1個あたりの数平均分子量は1000以下である。そのため、第1態様の組成物は、硬化物の架橋密度が高くなり、剪断強度等の機械的強度がより向上し、接着性および耐湿熱性に優れる。上述した特性により優れる点から、反応性ケイ素含有基含有化合物(A)の反応性ケイ素含有基1個あたりの数平均分子量は、900以下であることが好ましく、800以下であることがより好ましい。
また、架橋密度が高くなりすぎるのを防止できる点から、反応性ケイ素含有基含有化合物(A)の反応性ケイ素含有基1個あたりの数平均分子量は、50以上であることが好ましく、70以上であることがより好ましい。
上記反応性ケイ素含有基含有化合物(A)に含まれる、化合物(c)以外の反応性ケイ素含有基含有化合物としては、具体的には、例えば、シランカップリング剤等が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、上述したシランカップリング剤(b)で例示したもの;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシシラン化合物等が好適に用いられる。
反応性ケイ素含有基含有化合物(A)が上記化合物(c)以外の反応性ケイ素含有基含有化合物を含む場合、上記化合物(c)を、反応性ケイ素含有基含有化合物(A)全体に対して5〜99質量%含有するのが好ましい。含有量がこの範囲であれば、接着性および耐湿熱性に優れる。これらの特性により優れる点から、10〜90質量%含有するのがより好ましく、20〜80質量%含有するのが更に好ましい。
第1態様の組成物は、更に、硬化触媒を含有するのが好ましい。
上記硬化触媒としては、反応性ケイ素含有基含有化合物に一般的に用いられるものを使用できる。具体的には、例えば、オクタン酸亜鉛、オクタン酸鉄、オクタン酸マンガン、オクタン酸スズ、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸鉄、ブタン酸スズ、カプリル酸スズ、オレイン酸スズ等のカルボン酸金属塩;ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、酸化ジブチルスズとフタル酸エステルとの反応生成物、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルスズ(トリエトキシシロキシ)、ジブチルスズシリケート等の有機スズ化合物;ジブチルスズジアセチルアセトナート等のスズキレート化合物;テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラ−2−エチルヘキシルオキシチタン、テトライソプロペニルオキシチタン等のチタン酸エステル;ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(アセチルアセトナート)、1,3−プロパンジオキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタントリス(アセチルアセトナート)等のチタンキレート化合物;テトライソプロポキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、トリブトキシジルコニウムステアレート等のジルコニウムアルコキシド;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトナート)等のジルコニウムキレート化合物;トリエトキシアルミニウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアルミニウム等のアルミニウムアルコキシド;ジイソプロポキシアルミニウム(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等のアルミニウムキレート化合物;
ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ドデシルアミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン等の第1級アミン;ジブチルアミン等の第2級アミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、キシリレンジアミン等のポリアミン;トリエチレンジアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−7−ウンデセン等の環状アミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミノアルコール化合物;2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミノフェノール化合物等のアミン化合物およびそのカルボン酸塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセタート等の第4級アンモニウム塩;過剰のポリアミンと多塩基酸とから得られる低分子量アミド樹脂;過剰のポリアミンとエポキシ化合物との反応生成物等が挙げられる。
これらの硬化触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、保存中および作業中に揮発しにくいことから、金属化合物が好ましく、中でも微量の配合で優れた触媒能が得られることから、有機スズ化合物、スズキレート化合物およびチタン酸エステルが好ましい。
また、硬化触媒の含有量は、反応性ケイ素含有基含有化合物(A)100質量部に対して、1〜50質量部が好ましい。硬化触媒の含有量がこの範囲であると、硬化触媒の作用を十分に発揮でき、他の成分との相溶性に関しても問題がなく、硬化時に局所的な発熱や発泡が生じることもない。この特性により優れる点から、1〜40質量部がより好ましく、1〜30質量部が更に好ましい。
第1態様の組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
充填剤としては、各種形状の有機または無機の充填剤が挙げられる。具体的には、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ;ケイソウ土;酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛;ろう石クレー、カオリンクレー、焼成クレー;カーボンブラック;これらの脂肪酸処理物、樹脂酸処理物、ウレタン化合物処理物、脂肪酸エステル処理物が挙げられる。充填剤の含有量は、硬化物の物性の点で、全組成物中の90質量%以下であるのが好ましい。
反応遅延剤としては、具体的には、例えば、アルコール系等の化合物が挙げられる。
老化防止剤としては、具体的には、例えば、ヒンダードフェノール系等の化合物が挙げられる。
酸化防止剤としては、具体的には、例えば、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が挙げられる。
顔料としては、具体的には、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、群青、ベンガラ、リトポン、鉛、カドミウム、鉄、コバルト、アルミニウム、塩酸塩、硫酸塩等の無機顔料;アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、キナクリドンキノン顔料、ジオキサジン顔料、アントラピリミジン顔料、アンサンスロン顔料、インダンスロン顔料、フラバンスロン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キノナフタロン顔料、アントラキノン顔料、チオインジゴ顔料、ベンズイミダゾロン顔料、イソインドリン顔料、カーボンブラック等の有機顔料等が挙げられる。
可塑剤としては、具体的には、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP);アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル;ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル;リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル;アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。可塑剤の含有量は、作業性の観点から、反応性ケイ素含有基含有化合物(A)100質量部に対して、50質量部以下であるのが好ましい。
揺変性付与剤としては、具体的には、例えば、エアロジル(日本エアロジル(株)製)、ディスパロン(楠本化成(株)製)が挙げられる。
接着付与剤としては、具体的には、例えば、テルペン樹脂、フェノール樹脂、テルペン−フェノール樹脂、ロジン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、クロロアルキルホスフェート、ジメチル・メチルホスホネート、臭素・リン化合物、アンモニウムポリホスフェート、ネオペンチルブロマイド−ポリエーテル、臭素化ポリエーテル等が挙げられる。
帯電防止剤としては、一般的に、第四級アンモニウム塩;ポリグリコール、エチレンオキサイド誘導体等の親水性化合物等が挙げられる。
第1態様の組成物は、基本的に、湿気硬化が可能であり、加熱により硬化することもできる。湿気硬化型として用いる場合は、加熱する必要がないため作業性に優れる。一方、加熱硬化型として用いる場合は、硬化時間が短く、深部硬化性に優れる。したがって、第1態様の組成物の用途や施工箇所に応じて、湿気硬化型または加熱硬化型を適宜選択すればよい。
また、第1態様の組成物は、1液型および2液型光ファイバー用接着剤組成物の両方に用いることができる。1液型として用いる場合は、主剤と硬化剤を現場で混合する手間がないため作業性に優れる。一方、2液型として用いる場合は、硬化時間が短く、深部硬化性に優れる。したがって、第1態様の組成物の用途や施工箇所に応じて、1液型または2液型を適宜選択すればよい。
第1態様の組成物を2液型として用いる場合、上記反応性ケイ素含有基含有化合物(A)を含有する主剤と、硬化剤とからなる2液型接着剤組成物とすることができる。所望により添加される硬化触媒および添加剤は、主剤側と硬化剤側の一方または両方に配合することができる。
上記硬化剤としては、水、その他の活性水素含有化合物等を用いることができるが、コスト面や取扱い易さの点から、水が好ましい。
第1態様の組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した各成分と、所望により添加する添加剤とを、好ましくは減圧下または不活性雰囲気下で、ボールミル等の混合装置を用いて十分に混練し、均一に分散させることにより得られる。
上述したように、第1態様の組成物は、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる。
第1態様の組成物は、例えば、セラミック材料、ガラス材料、プラスチック材料、金属材料、有機無機複合材料、半導体材料、誘電材料等同士やこれらの異種材料間の任意の組み合わせを容易に接続でき、特に、高温多湿な環境におかれる材料の接着に好適に用いることができる。上述したような優れた特性を有することから、第1態様の組成物は光ファイバーとフェルールとの接着に好適に用いられる。
本発明の第2態様の光ファイバー用接着剤組成物(以下、「第2態様の組成物」ともいう。)は、アルキルシリルエステルと、上記アルキルシリルエステル以外の少なくとも1つの反応性ケイ素含有基を有する反応性ケイ素含有基含有化合物(B)とを含有するものである。
第2態様の組成物に用いられるアルキルシリルエステルは、下記式(5)で表される化合物および/またはそのオリゴマーである。第2態様の組成物において、上記アルキルシリルエステルを樹脂成分として用いることにより、架橋密度が高くなり、硬化物の機械的強度が向上し、接着性、耐湿熱性に優れる組成物を得ることができる。
Figure 0004076574
式中、R1は炭素数1〜6のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基であるのが好ましく、メチル基、エチル基であるのがより好ましい。R2は炭素数1〜3のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基であるのが好ましく、メチル基、エチル基であるのがより好ましい。
上記アルキルシリルエステルとしては、下記式(6)で表されるメチルシリルエステルおよびそのオリゴマーが好適に挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
Figure 0004076574
上記アルキルシリルエステルが式(5)で表される化合物のオリゴマーである場合、その数平均分子量は90〜3000であることが好ましい。分子量がこの範囲であれば、低粘度で作業性に優れ、高い反応性を有する。これらの特性により優れる点から、上記オリゴマーの数平均分子量は、90〜2000がより好ましい。
特に、上記アルキルシリルエステルが式(6)で表されるメチルシリルエステルのオリゴマーである場合、その数平均分子量は90〜3000であることが、低粘度で作業性に優れ、高い反応性を有する点から好ましい。これらの特性により優れる点から、メチルシリルエステルのオリゴマーの数平均分子量は、90〜2000がより好ましく、90〜1500が更に好ましい。
上記アルキルシリルエステルは、市販品を用いてもよく、製造してもよい。製造条件は特に限定されず、公知の方法、条件で行うことができる。
第2態様の組成物に用いられる反応性ケイ素含有基含有化合物(B)は、上記アルキルシリルエステル以外の少なくとも1つの反応性ケイ素含有基を有する化合物であり、少なくとも1つのエポキシ基を含有するエポキシ化合物(d)と、少なくとも1つのエポキシ基と反応する反応性基を有する化合物(e)とを反応させてなる。
上記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)の反応性ケイ素含有基は、上述したシランカップリング剤(b)が有するものと同様である。
上記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)は、少なくとも1つの芳香環を有することが、硬化物の機械的強度および耐湿熱性に優れる点から好ましい。
上記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)としては、具体的には、少なくとも1つのエポキシ基を含有するエポキシ化合物(d)と、少なくとも1つのエポキシ基と反応する反応性基を有する化合物(e)とを反応させて得られる化合物(以下「化合物(f)」という。)が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、上記化合物(f)が接着性および耐湿熱性に優れる組成物が得られる点から好適に用いられる。
好ましい化合物(f)の第1の態様は、イミノシラン化合物と、芳香族エポキシ化合物とを反応させて得られるものである。
上記イミノシラン化合物は、少なくとも1つの反応性ケイ素含有基と、少なくとも1つのイミノ基とを有する化合物であれば特に限定されない。具体的には、例えば、(N−シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、(N−シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)メチルジメトキシシラン、(N−フェニルアミノメチル)トリメチルオキシシラン、上記式(3)で表される化合物および上記式(4)で表されるN−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
上記芳香族エポキシ化合物は、少なくとも1つのエポキシ基と、少なくとも1つの芳香環を有する化合物である。具体的には、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等の多価フェノールとエピクロルヒドリンとの反応によって得られるグリシジルエーテル型エポキシ化合物;アミノフェノール、アミノアルキルフェノール等から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエーテル型エポキシ化合物;アミノ安息香酸から誘導されるグリシジルアミノグリシジルエステル型エポキシ化合物;アニリン、トルイジン、トリブロモアニリン、キシリレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン等から誘導されるグリシジルアミン型エポキシ化合物等が挙げられる。
上記好ましい化合物(f)の第1の態様の具体例としては、1分子中に2つのエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物に対して、1分子中に1つのイミノ基を有するイミノシラン化合物を1当量反応させて得られたものが挙げられる。より具体的には、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテルに対して、上記式(1)で表される構造を有するイミノシラン化合物を1当量反応させて得られる、上記式(3)で表される化合物が挙げられる。
また、好ましい化合物(f)の第1の態様の他の具体例としては、1分子中に2つのエポキシ基を有する芳香族エポキシ化合物に対して、1分子中に1つのイミノ基を有するイミノシラン化合物を2当量反応させて得られたものが挙げられる。より具体的には、例えば、ビスフェノールAグリシジルエーテルに対して、上記式(1)で表される構造を有する化合物を2当量反応させて得られる、上記式(4)で表される化合物が挙げられる。
好ましい化合物(f)の第2の態様は、エポキシシラン化合物と、芳香族アミン化合物とを反応させて得られるものである。
上記エポキシシラン化合物は、少なくとも1つの反応性ケイ素含有基と、少なくとも1つのエポキシ基とを有する化合物であれば特に限定されない。具体的には、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
上記芳香族アミン化合物は、少なくとも1つのアミノ基および/またはイミノ基と、少なくとも1つの芳香環を有する化合物である。具体的には、例えば、メチレンジアニリン(MDA)、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルケトン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン等が挙げられる。
上記好ましい化合物(f)の第2の態様の具体例としては、1分子中に2つのアミノ基を有する芳香族アミン化合物に対して、1分子中に1つのエポキシ基を有するエポキシシラン化合物を4当量反応させて得られるもの等が挙げられる。より具体的には、例えば、メチレンジアニリン(MDA)に対して、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを4当量反応させて得られる、下記式(7)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004076574
また、上記アルコキシシランの縮合物としては、特に限定されないが、例えば、テトラアルコキシシランの縮合物、そのエポキシ変性物、そのアミノ変性物等が好適に用いられる。上記アルコキシシランの縮合物の数平均分子量は、200〜3000程度が好ましい。
上記シランカップリング剤としては、特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、上記イミノシラン化合物および上記エポキシシラン化合物の他、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン等のウレイドシラン化合物;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、ビストリメトキシシリルプロピルアミン、ビストリエトキシシリルプロピルアミン、ビスメトキシジメトキシシリルプロピルアミン、ビスエトキシジエトキシシリルプロピルアミン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3,3−ジメチル−4−アミノブチルトリメトキシシラン、3,3−ジメチル−4−アミノブチルメチルジメトキシシラン等のアミノシラン化合物;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプトシラン化合物;ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等の(ポリ)スルフィドシラン化合物;ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等のビニルシラン化合物;γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等のメタクリロキシシラン化合物;
β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(カルボキシメチル)アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のカルボキシシラン化合物;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアネートエチルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートエチルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートエチルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートエチルメチルジメトキシシラン等のイソシアネートシラン化合物;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲンシラン化合物等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
反応性ケイ素含有基含有化合物(B)が上記化合物(f)以外の反応性ケイ素含有基含有化合物を含む場合、上記化合物(f)を、反応性ケイ素含有基含有化合物(B)全体に対して5〜99質量%含有するのが好ましい。含有量がこの範囲であれば、接着性および耐湿熱性に優れる。これらの特性により優れる点から、10〜90質量%含有するのがより好ましく、20〜80質量%含有するのが更に好ましい。
上記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)の含有量は、上記アルキルシリルエステル100質量部に対して1〜300質量部であることが好ましい。含有量がこの範囲であると、第2態様の組成物は、接着性および耐湿熱性に優れる。これらの特性により優れる点から、上記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)の含有量は、上記アルキルシリルエステル100質量部に対して50〜300質量部であることがより好ましく、100〜300質量部が更に好ましい。
第2態様の組成物は、更に、硬化触媒を含有するのが好ましい。硬化触媒は、上述した第1態様の組成物に用いられるものと同様である。
また、硬化触媒の含有量は、上記アルキルシリルエステルと上記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)との合計100質量部に対して、1〜50質量部が好ましい。硬化触媒の含有量がこの範囲であると、硬化触媒の作用を十分に発揮でき、他の成分との相溶性に関しても問題がなく、硬化時に局所的な発熱や発泡が生じることもない。この特性により優れる点から、1〜40質量部がより好ましく、1〜30質量部が更に好ましい。
第2態様の組成物は、必要に応じて、本発明の目的を損わない範囲で、充填剤、反応遅延剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、可塑剤、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、溶剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤等の各種添加剤等を含有することができる。
第2態様の組成物は、基本的に、湿気硬化が可能であり、加熱により硬化することもできる。湿気硬化型として用いる場合は、加熱する必要がないため作業性に優れる。一方、加熱硬化型として用いる場合は、硬化時間が短く、深部硬化性に優れる。したがって、第2態様の組成物の用途や施工箇所に応じて、湿気硬化型または加熱硬化型を適宜選択すればよい。
また、第2態様の組成物は、1液型および2液型光ファイバー用接着剤組成物の両方に用いることができる。1液型として用いる場合は、主剤と硬化剤を現場で混合する手間がないため作業性に優れる。一方、2液型として用いる場合は、硬化時間が短く、深部硬化性に優れる。したがって、第2態様の組成物の用途や施工箇所に応じて、1液型または2液型を適宜選択すればよい。
第2態様の組成物を2液型として用いる場合、上記アルキルシリルエステルおよび上記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)を含有する主剤と、硬化剤とからなる2液型接着剤組成物とすることができる。所望により添加される硬化触媒および添加剤は、主剤側と硬化剤側の一方または両方に配合することができる。
上記硬化剤としては、水、その他の活性水素含有化合物等を用いることができるが、コスト面や取扱い易さの点から、水が好ましい。
第2態様の組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した各成分と、所望により添加する添加剤とを、好ましくは減圧下または不活性雰囲気下で、ボールミル等の混合装置を用いて十分に混練し、均一に分散させることにより得られる。
上述したように、第2態様の組成物は、湿気硬化が可能で、接着性および耐湿熱性に優れる。
第2態様の組成物は、例えば、セラミック材料、ガラス材料、プラスチック材料、金属材料、有機無機複合材料、半導体材料、誘電材料等同士やこれらの異種材料間の任意の組み合わせを容易に接続でき、特に、高温多湿な環境におかれる材料の接着に好適に用いることができる。上述したような優れた特性を有することから、第2態様の組成物は光ファイバーとフェルールとの接着に好適に用いられる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
<化合物(c)の合成>
(合成例1〜6)
下記第1表に示す各成分を、第1表に示す組成(質量部)で混合し、不活性ガス雰囲気下、80℃で8時間撹拌を行った後、上述した化合物(c)に対応する各化合物を得た。
第1表に示すシリル化率は、エポキシ化合物(a)の反応性基の数の合計に対して、シランカップリング剤(b)の反応した数の割合の百分率(理論値)を示す。例えば、合成例2は、エポキシ基を2個有するエポキシ化合物(a)に対して、シランカップリング剤(b)が1個反応しているのでシリル化率は50%となる。
得られた化合物は、合成例1が上記式(3)に示す化合物と未反応のエポキシ化合物1との混合物、合成例(2)が上記式(3)に示す化合物、合成例3が上記式(3)と上記式(4)に示す化合物の混合物、合成例4が上記式(4)に示す化合物であったと推測される。また、合成例5は下記式(8)に示す化合物、合成例6は下記式(9)に示す化合物であったと推測される。
Figure 0004076574
Figure 0004076574
第1表中の各成分は、以下のとおりである。
・エポキシ化合物1(ビスフェノールAグリシジルエーテル):エポトートYD−128、東都化成(株)製
・エポキシ化合物2(ビスフェノールFグリシジルエーテル):エポトートYDF−170、東都化成(株)製
・イミノシラン化合物(上記式(1)に示す化合物):Alink−15、日本ユニカー(株)製
<2液型接着剤組成物の調製と評価>
(実施例1〜6および比較例1、2)
下記第2表に示すA液の各成分を、第2表に示す組成(質量部)で混合し、かくはん機を用いて十分に分散させ、次いでB液の成分を全量加えて十分に分散させ、第2表に示す各組成物を得た。なお、比較例2は、従来のエポキシ系接着剤組成物(商品名 エポテック353ND、ムロマチテクノス(株)製)を用いた。
得られた各組成物を用いて、下記のようにして硬化速度(湿気硬化性)、接着性および耐湿熱性を評価した。結果を第2表に示す。
(硬化速度(湿気硬化性)の評価)
得られた各組成物について、JIS A5758−2004の方法に準拠して20℃、65%RH環境下に放置し、組成物を調製した直後のタックフリータイムを測定した。なお、比較例2の組成物は加熱硬化型のため、室温では硬化しなかった。
(接着性および耐湿熱性の評価)
ガラス板(長さ30mm×幅25mm×厚さ5mm)を2枚用意し、各々の一方の端部3mm×幅25mmを得られた各組成物を介して重ね合わせた後、110℃で1時間加熱硬化して試験体を作成した。作成した試験体を用いて、JIS K6852−1994に準拠して剪断強度(初期)を測定した。
また、上記と同様に作成した試験体を、80℃、95%RH環境下で10日間放置して劣化させた。この試験体を用いて、上記と同様に剪断強度(湿熱劣化後)を測定した。
Figure 0004076574







上記第2表に示す各成分は、下記のとおりである。
・エポキシシラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):A−187、日本ユニカー(株)製
・硬化触媒(ジブチルスズジアセチルアセトナート):U−220、日東化成(株)製
上記第2表から明らかなように、合成例1〜6で得られた化合物の少なくとも1種を含む組成物(実施例1〜6)は、室温でも10〜60分で硬化し、合成例1〜6で得た化合物を含有しない組成物(比較例1)や従来のエポキシ系接着剤(比較例2)に比べて、優れた接着性を有していた。特に、湿熱劣化後の剪断強度の差が顕著であったことから、実施例1〜6の組成物は耐湿熱性に極めて優れていることが証明された。
<1液型接着剤組成物の調製>
(実施例7〜11および比較例3)
下記第3表に示す各成分を、第3表に示す組成(質量部)で混合し、かくはん機を用いて十分に分散させ、第3表に示す各組成物を得た。
得られた各組成物を用いて、上記と同様に硬化速度(湿気硬化性)を評価し、下記の方法で接着性および耐湿熱性を評価した。結果を第3表に示す。
(接着性および耐湿熱性の評価)
硬化条件を20℃、65%RH、3日間に変更した以外は、上記と同様に試験体を作成し、剪断強度(初期)を測定した。
また、この試験体を、80℃、95%RH環境下で10日間放置して劣化させた。この試験体を用いて、上記と同様に剪断強度(湿熱劣化後)を測定した。
Figure 0004076574
第3表に示す各成分は、第2表に示す各成分と同様である。
第3表から明からなように、合成例2〜6の化合物を含有する1液型接着剤組成物(実施例7〜11)は、第2表に示す実施例1〜6の2液型接着剤組成物と同様に、優れた接着性および耐湿熱性を有していた。特に、室温で湿気硬化させたときの剪断強度(初期)は、加熱硬化したときの剪断強度(初期)(第2表参照。)に比べるとやや低下する傾向があるが、従来の2液型エポキシ系接着剤(比較例2)やエポキシシランの硬化物(比較例3)に比べると極めて優れている。即ち、実施例7〜11の1液型接着剤組成物は、湿気硬化型接着剤組成物としても十分に使用できることが証明された。
<光ファイバーとフェルールとの接着>
図1は、本発明の組成物を用いて光ファイバーとフェルールとを接着した光コネクタ接続部分の一例の模式的な縦断面図である。
図1に示すように、ポリマー被覆層4、コア部2およびクラッド部3を有するシングルモードのガラス製光ファイバー(長さ約1m)1の端部を長さ2cmにわたってポリマー被覆層4を除去した部分に、実施例2および比較例2の組成物を塗布し、フランジ8に固定されているジルコニア製フェルール7の空洞部に挿入し、110℃に加熱して1時間静置し、接着層6を介して光ファイバー1とフェルール7を接着させた。その後、フェルールの端面を精密に研磨した。
次に、この光ファイバー1とフェルール7を接着させたもの(初期)、および、これを80℃、95%RHの環境下に10日間放置したもの(湿熱劣化後)について、それぞれフェルール7と光ファイバー1を掴んで軽く引っ張った。その結果、従来のエポキシ系接着剤である比較例2の組成物を用いて接着したうち初期のものは、接着部分が破壊されることはなかったが、湿熱劣化後のものでは、接着部6と光ファイバー1との界面で剥離を生じた。一方、実施例2の組成物を用いて接着したものは、いずれも接着部分が破壊されることはなかった。これは、実施例2の組成物は、接着性および耐湿熱性に優れるためと考えられる。
<反応性ケイ素含有基含有化合物(B)の合成>
(合成例7〜10)
下記第4表に示す各成分を、第4表に示す組成(質量部)で混合し、不活性ガス雰囲気下、80℃で8時間撹拌を行った後、上述した反応性ケイ素含有基含有化合物(B)(上記化合物(f))に対応する各化合物を得た。
第4表に示すシリル化率は、芳香族エポキシ化合物のエポキシ基の数または芳香族アミン化合物の活性水素の数に対する、イミノシラン化合物またはエポキシシラン化合物の反応した数の割合の百分率(理論値)を示す。例えば、合成例7は、エポキシ基を2個有する芳香族エポキシ化合物に対して、イミノシラン化合物が1個反応しているのでシリル化率は50%となる。また、合成例10は、アミノ基を2個有する(活性水素を4個有する)芳香族アミン化合物に対してエポキシシラン化合物が4個反応しているのでシリル化率は100%となる。
得られた化合物は、合成例7が上記式(3)に示す化合物、合成例8が上記式(3)と上記式(4)に示す化合物の混合物、合成例9が上記式(4)に示す化合物、合成例10が上記式(7)に示す化合物であったと推測される。
Figure 0004076574
第4表に示す各成分は、以下のとおりである。
・芳香族エポキシ化合物(ビスフェノールAグリシジルエーテル):エポトートYD−128、東都化成(株)製
・芳香族アミン化合物(メチレンジアニリン):MDA、関東化学(株)製
・イミノシラン化合物(上記式(1)で示される化合物):Alink−15、日本ユニカー(株)製
・エポキシシラン化合物(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン):A−187、日本ユニカー(株)製
<2液型接着剤組成物の調製と評価>
(実施例12〜15および比較例4、5)
下記第5表に示すA液の各成分を、第5表に示す組成(質量部)で混合し、かくはん機を用いて十分に分散させ、次いでB液の成分を全量加えて十分に分散させ、第5表に示す各組成物を得た。なお、比較例5は、従来のエポキシ系接着剤組成物(商品名 エポテック353ND、ムロマチテクノス(株)製)を用いた。
得られた各組成物を用いて、上記と同様に、硬化速度(湿気硬化性)、接着性および耐湿熱性を評価した。
結果を第5表に示す。なお、比較例5の組成物は加熱硬化型のため、室温では硬化しなかった。
Figure 0004076574
上記第5表に示す各成分は、下記のとおりである。なお、エポキシシラン化合物は第4表に示すものと同様のものを使用した。
・メチルシリルエステル:MSE−100、旭化成ワッカー(株)製
・硬化触媒(ジブチルスズジアセチルアセトナート):U−220、日東化成(株)製
上記第5表から明らかなように、合成例7〜10で得た化合物の少なくとも1種を含む組成物(実施例12〜15)は、室温でも数分で硬化し、合成例7〜10で得た化合物を含有しない組成物(比較例4)や従来のエポキシ系接着剤(比較例5)に比べて、優れた接着性を有していた。特に、湿熱劣化後の剪断強度の差が顕著であったことから、実施例12〜15の組成物は耐湿熱性に極めて優れていることが証明された。
<1液型接着剤組成物の調製>
(実施例16〜19および比較例6)
下記第6表に示す各成分を、第6表に示す組成(質量部)で混合し、かくはん機を用いて十分に分散させ、第6表に示す各組成物を得た。
得られた各組成物を用いて、上記と同様に硬化速度(湿気硬化性)、接着性および耐湿熱性を評価した。結果を第6表に示す。
Figure 0004076574
第6表に示す各成分は、第5表に示す各成分と同様である。
第6表から明らかなように、合成例7〜10の化合物を含有する1液型接着剤組成物(実施例16〜19)は、第5表に示す実施例12〜15の2液型接着剤組成物と同様に、優れた接着性および耐湿熱性を有していた。特に、室温で湿気硬化させたときの剪断強度(初期)は、加熱硬化したときの剪断強度(初期)(第5表参照。)に比べるとやや低下する傾向があるが、従来の2液型エポキシ系接着剤(比較例5)やエポキシシランの硬化物(比較例6)に比べると極めて優れている。即ち、実施例16〜19の1液型接着剤組成物は、湿気硬化型接着剤組成物としても十分に使用できることが証明された。
<光ファイバーとフェルールとの接着>
図1は、本発明の組成物を用いて光ファイバーとフェルールとを接着した接続部分の一例の模式的な縦断面図である。
図1に示すように、ポリマー被覆層4、コア部2およびクラッド部3を有するシングルモードのガラス製光ファイバー(長さ約1m)1の端部を長さ2cmにわたってポリマー被覆層4を除去した部分に、実施例12および比較例5の組成物を塗布し、フランジ8に固定されているジルコニア製フェルール7の空洞部に挿入し、110℃に加熱して1時間静置し、接着層6を介して光ファイバー1とフェルール7を接着させた。その後、フェルールの端面を精密に研磨した。
次に、この光ファイバー1とフェルール7を接着させたもの(初期)、および、これを80℃、95%RHの環境下に10日間放置したもの(湿熱劣化後)について、それぞれフェルール7と光ファイバー1を掴んで軽く引っ張った。その結果、従来のエポキシ系接着剤である比較例5の組成物を用いて接着したうち初期のものは、接着部分が破壊されることはなかったが、湿熱劣化後のものでは、接着部6と光ファイバー1との界面で剥離を生じた。一方、実施例12の組成物を用いて接着したものは、いずれも接着部分が破壊されることはなかった。これは、実施例12の組成物は、接着性および耐湿熱性に優れるためと考えられる。
図1は、本発明の組成物を用いて光ファイバーとフェルールとを接着した光コネクタ接続部分の一例の模式的な縦断面図である。
符号の説明
1 光ファイバー
2 光ファイバーのコア
3 光ファイバーのクラッド
4 ポリマー被覆層
6 接着層
7 フェルール
8 フランジ

Claims (8)

  1. アルキルシリルエステルと、
    少なくとも1つのエポキシ基を含有するエポキシ化合物(d)と、少なくとも1つのエポキシ基と反応する反応性基を有する化合物(e)とを反応させてなる反応性ケイ素含有基含有化合物(B)とを
    含有する光ファイバー用接着剤組成物。
  2. 前記アルキルシリルエステルが、メチルシリルエステルのモノマーおよび/またはオリゴマーである請求項1に記載の光ファイバー用接着剤組成物。
  3. 前記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)の反応性ケイ素含有基が、加水分解性ケイ素含有基である請求項1または2に記載の光ファイバー用接着剤組成物。
  4. 前記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)が、少なくとも1つの芳香環を有する請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
  5. 前記エポキシ化合物(d)が芳香族エポキシ化合物であり、前記化合物(e)がイミノシラン化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
  6. 前記エポキシ化合物(d)がエポキシシラン化合物であり、前記化合物(e)が芳香族アミン化合物である請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
  7. 前記反応性ケイ素含有基含有化合物(B)を、前記アルキルシリルエステル100質量部に対して1〜300質量部含有する請求項1〜6のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
  8. 更に、硬化触媒を含有する請求項1〜7のいずれかに記載の光ファイバー用接着剤組成物。
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