以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<1.装置概要>
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の概略構成を示す図である。画像形成装置1は、像担持体上の静電潜像を現像して画像を形成する装置である。ここでは、画像形成装置として、電子写真装置、より詳細には、タンデム方式のフルカラー電子写真装置を例示する。
図1に示すように、画像形成装置1は、複数(具体的には4つ)のイメージングユニット10(詳細には、10Y,10M,10C,10K)を備えている。画像形成装置1は、具体的には、イエローのイメージングユニット10Yと、マゼンタのイメージングユニット10Mと、シアンのイメージングユニット10Cと、ブラックのイメージングユニット10Kとを備えている。各イメージングユニット10は、それぞれ、最終出力画像のうちの各色成分(具体的には、Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック)の各成分)の画像を電子写真方式によって形成し、中間転写ベルト(中間転写体とも称される)21に転写する。そして、中間転写ベルト21上に重畳された各色成分の画像が、さらに記録紙PAに転写されることによって、記録紙PAにフルカラー画像が形成される。
4つのイメージングユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、駆動ローラ23と巻き掛けローラ24とに巻き掛けられた中間転写ベルト21の下側直線部分の主に下部において、当該下側直線部分に沿って直列に配置されている。各イメージングユニット10は、それぞれ、感光体(像担持体)11と帯電器12と露光器13と現像器14と第1転写器15とイレーサ(除電器)16とクリーナ17とを有している。詳細には、各イメージングユニット10において、略円柱状の感光体11の外周を囲むように、帯電器12と露光器13と現像器14と第1転写器15とイレーサ16とクリーナ17とがこの順序で時計回りに配置されている。このうち、第1転写器15(詳細には転写ローラ)は、中間転写ベルト21を隔てて、感光体11と対向する位置に配置されている。
中間転写ベルト21は、駆動ローラ23の駆動によって矢印AR1の向きに移動する。また、駆動ローラ23に対向する位置には、中間転写ベルト21を隔てて、2次転写ローラ22が設けられている。さらに、2次転写ローラ22等の下側には給紙部50が設けられている。この給紙部50は、2次転写ローラ22と駆動ローラ23との間に設けられたニップ部Nに向けて記録紙PAを供給するように構成されている。また、ニップ部Nを通過した記録紙PAの搬送方向下流側には定着器41が設けられており、さらにその搬送方向下流側には排紙部42が設けられている。
画像形成装置1は、ネットワーク等を介して接続された他の情報装置(パーソナルコンピュータ等)から伝送されてきた画像データに基づく画像を、上述のような印刷機構を用いて印刷出力することによって、カラーページプリンタとして機能する。また、この画像形成装置1は、画像読取部60を使用して原稿を読み取り、読み取った画像データに基づく画像を上記印刷機構を用いて印刷出力することによってカラー複写機としても機能する。
ここで、画像形成装置1における印刷動作について簡単に説明する。
まず、画像形成装置1の画像処理回路82(図2参照)が、印刷対象の画像データ(RGB画像データ)に基づいて印刷用の画像データ(YMCK画像データ)を生成すると、各色成分(Y(イエロー),M(マゼンタ),C(シアン),K(ブラック))の画像データが、それぞれ、対応するイメージングユニット10(10Y,10M,10C,10K)に転送される。
イメージングユニット10Yにおいては、イエロー成分の画像データに基づき露光器13が作動して、帯電器12によって一様帯電された感光体11上に静電潜像を形成し、当該静電潜像が現像器14によって現像されてイエローのトナー像が形成される。形成されたイエローのトナー像は、第1転写器15による電界付与によって中間転写ベルト21に転写される。なお、イレーサ16による除電処理(詳細には光イレース処理)と、感光体11に接触するクリーナ17による物理的な除去処理とによって、余分なトナーが感光体11上から除去される。
同様に、他のイメージングユニット10M,10C,10Kにおいても、各対応色成分の画像データに基づく各色成分のトナー像が形成されて、中間転写ベルト21へと転写される。
各色成分のトナー像は、中間転写ベルト21の移動タイミングに合わせて画像内での位置を合わせた状態で、中間転写ベルト21で重畳的に転写される。具体的には、中間転写ベルト21に転写されたイエローのトナー像の先頭位置が、隣のイメージングユニット10Mの第1転写器15の位置に到来した時点から、イメージングユニット10Mの感光体11に形成されたマゼンタのトナー像が中間転写ベルト21に転写される。これによってマゼンタのトナー像がイエローのトナー像に重畳された状態で中間転写ベルト21に転写される。その後、同様にして、中間転写ベルト21の動作に同期して他色成分の重畳動作が実行される。具体的には、シアンのトナー像が、イエローのトナー像とマゼンタのトナー像との重畳画像にさらに重畳され、最後に、ブラックのトナー像が、イエローのトナー像とマゼンタのトナー像とシアンのトナー像との重畳画像にさらに重畳される。これによって、4色のトナー像が重畳されたフルカラーのトナー像が中間転写ベルト21上に形成される。
そして、中間転写ベルト21上のトナー像がニップ部Nに到来するタイミングに合わせて、給紙部50から記録紙PAがニップ部Nへと搬送されると、2次転写ローラ22によって、フルカラーのトナー像は中間転写ベルト21から記録紙PAへと転写される。その後、定着器41により定着処理が施され、フルカラー画像が印刷された記録紙PAが排紙部42に排出される。
なお、中間転写ベルト21の動作経路上には、IDC(Image Density Control)センサ31が設けられている。IDCセンサ31は、いわゆる濃度センサであり、中間転写ベルト21に形成された画像濃度を計測することが可能である。このIDCセンサ31は、後述する調整動作等に用いられる。また、中間転写ベルト21の動作経路上には、中間転写ベルト21上のトナーを除去するクリーナ25も設けられている。クリーナ25は、上述の印刷動作において中間転写ベルト21上に残留した余分なトナーを除去することに加え、後述する調整動作において検査用のトナーパターンDTに係るトナーを中間転写ベルト21上から除去する。
図2は、画像形成装置1の制御システムの概要を示す図である。図2に示すように、画像形成装置1には、CPU等で構成されるコントローラ81、画像処理回路82、センサ群83、出力部84、高速メモリ(例えばRAM)85、および不揮発性メモリ(例えばフラッシュメモリ)86などが設けられている。
コントローラ81は、各種のセンサ群83(例えば、温湿度センサ71(図1参照)等)からの入力に基づいて演算を行い、各種の出力部84の出力(例えば、露光器13のレーザ出力強度、転写器15,22の転写強度等)を制御することが可能である。
このコントローラ81は、後述するような各種の処理、例えば、休止時間の算出処理、画像劣化要因を排除するための調整動作の制御処理、および当該調整動作を実行するか否かを決定する決定処理などを実行することが可能である。
画像処理回路82は、プリンタからのデータを印刷用の画像データ(YMCK画像データ)に変換するための画像処理を実行することが可能である。また、画像処理回路82は、画像読取部60により原稿を光学的に読み取って画像データ(RGB画像データ)を生成するための画像処理、および読取原稿に関する画像データ(RGB画像データ)を印刷用の画像データ(YMCK画像データ)に変換するための画像処理等を実行することが可能である。
<2.動作>
<2.1 概要>
この画像形成装置1においては、コロナ放電方式の帯電器12を利用している。そのため、上述したように、画像形成装置1の休止状態においては、窒素酸化物等の付着物(不要付着物とも称される)が感光体11上に発生することがある。特に、電源オフ状態が長時間継続した後に電源オン状態に復帰したときには、感光体11上にこのような付着物が発生している可能性が高くなる。このような付着物は画像劣化要因となるため、発生した付着物を排除することが好ましい。
このような付着物を除去するためには、例えば、電源オン直後に、印刷動作に先立って、後述するような「調整動作」を常に実施することも考えられる。
しかしながら、その場合には上述のような問題、すなわち、ファーストプリントが常に遅くなるという問題が生じてしまう。
そこで、本願の発明者らは、感光体11における付着物の発生量が、
(1)休止状態の継続時間(すなわち休止時間)の長さ、ならびに、
(2)環境条件(例えば、温度および/または湿度)、
に特に大きく影響されることに着目した。そして、これら(1)(2)を画像劣化発生の可能性を判定するための要素として採用し、当該要素に基づいて判定された当該可能性に応じて、「調整動作」を実行するか否かを決定することを想起した。これによれば、当該調整動作を実行すべきか否かを適切に判断して、ファーストプリント時間の増大を抑制することが可能である。
この実施形態では、まず、休止時間と環境条件との双方に基づいて、画像劣化が発生する可能性を判定する。そして、画像劣化が発生する可能性が高いと判定される場合には、画像劣化要因を排除するための「調整動作」(具体的には、感光体上の付着物を除去するための調整モード)を実行するものとし、逆に、画像劣化が発生する可能性が低いと判定される場合には当該調整動作を実行しないものとする。
また、この実施形態においては、画像形成装置1の内部に設けられた温湿度センサ71(図1)による検出結果を、環境条件を示す情報(環境情報C)として採用する。そして、当該環境情報Cとして得られる温度および湿度の双方と、画像形成装置1の休止時間Ptとに応じて、調整動作を実行するか否かを判断するものとする。
さらに、この実施形態では、休止状態への移行前における温度および湿度を含む休止前情報C1と、休止状態からの復帰後における温度および湿度を含む休止後情報C2との双方を含む情報を、環境情報Cとして利用するものとする。
図3は、電源再投入後(休止状態からの復帰後)における画像形成装置1の動作を示すフローチャートであり、詳細には、電源再投入後の所定時点で実行されるサブルーチン処理を示す図である。ここでは、当該サブルーチン処理は、電源再投入直後の所定の初期化処理および画像安定化処理の後に引き続いて実行されるものとする。
また、図4は、休止時間Ptおよび環境情報Cと、「調整動作」を実行するか否かの判定結果との関係を表す図である。環境情報Cは、環境指数CIとして数値化されて表現されている。環境指数CIは、環境条件を示す指標値である。図5は、環境指数CIを算出する際に用いられるテーブルを表す図である。環境指数CIは、図5の関係にしたがって休止前情報C1と休止後情報C2とに基づいて算出される。休止前情報C1と休止後情報C2とは、それぞれ、休止前後の各時点での環境条件を示す指標値である環境レベルCLとして表現されている。図6は、各環境レベルCLを算出するためのテーブルを示す図である。各環境レベルCLは、休止前後の各時点における温度および湿度(相対湿度)に基づいて算出される。
さらに、図7は、休止時間Ptおよび環境情報C(詳細には、情報C1,C2)の取得タイミングを表している。図7では、電源オン状態(期間ST1)から一旦電源オフ状態(期間ST2)になった後、当該電源オフ状態から再び電源オン状態(期間ST3)に復帰する場合が示されている。
以下では、これらの図を参照しつつ、画像形成装置1の休止状態からの復帰動作について説明する。
<2.2 調整モードへの移行判定>
まず、調整動作の実行モードである「調整モード」へと移行するか否かを決定する動作(ステップS11〜S14等)について説明する。
図7に示すように、画像形成装置1は、電源オン状態においては、温湿度センサ71によって温度および湿度を所定時間Δt(例えば数分)間隔で計測するとともに、当該温度および湿度を各計測時刻と関連づけて不揮発性メモリ86(図2参照)に記録するように構成されている。
例えば、電源オン状態の期間ST1においては、所定時間Δt間隔の各時刻T11〜T18等の時刻情報と各時刻T11〜T18等における温度および湿度の検出結果とがそれぞれ関連づけて記録される。また、その後の期間ST2においては、電源がオフにされるため情報は記録されない。さらに、再び電源オン状態にされると、期間ST3において、所定時間Δt間隔の各時刻T21,T22,T23,...における温度および湿度の検出結果が当該各時刻に関連づけて記録される。
現在時刻が時刻T21の直後であるとすると、ステップS11(図3参照)において、今回の電源オン状態(期間ST3)での最初の計測時刻T21と前回の電源オン状態(期間ST1)での最後の計測時刻T18との差分値が、休止時間Ptとして算出されて取得される。なお、このようにして算出される休止時間Ptは厳密な休止時間(期間ST2の長さ)とは相違することもあるが、その相違量は誤差であるとみなすことができる。
また、ステップS12において、環境情報Cが取得される。具体的には、時刻T18における温度および湿度が休止前情報C1として取得されるとともに、時刻T21における温度および湿度が休止後情報C2として取得される。この取得動作は、具体的には、コントローラ81が情報C1,C2を画像形成装置の不揮発性メモリ86から読み出すことによって実現される。
また、ステップS13においては、休止時間Ptと環境情報Cとに基づいて、調整モード(ステップS15〜S22)へ移行するか否か(換言すれば調整動作を実行するか否か)が決定され、ステップS14においては、ステップS13での決定に応じて分岐処理が行われる。
具体的には、まず、休止前情報C1および休止後情報C2は、それぞれ、図6に示すように温度および湿度に基づき、環境の劣悪さを表す指標である「環境レベル」に換算される。図6においては、湿度(相対湿度)が25%、50%、75%を境界値として4段階に区分され且つ温度が10℃,30℃を境界値として3段階に区分されており、温度と湿度との組み合わせに応じて各時点での状況が合計12個に区分されている。そして、各区分にそれぞれに環境レベルCLが割り当てられている。この環境レベルCLとしては、「LA」,「LB」,「LC」,「LD」の4つの値のいずれかが付与される。高温且つ高湿の状態であるときには、比較的高いレベル(例えば「LD」)が付与され、低温且つ低湿の状態であるときには、比較的低いレベル(例えば「LA」)が付与される。例えば、休止前の温度が25℃であり、湿度が40%であるときには、休止前情報C1の環境レベルCL(CL1)として「LB」が割り当てられる。また、休止後の温度が35℃であり、湿度が85%であるときには、休止後情報C2の環境レベルCL(CL2)として「LD」が割り当てられる。
休止前情報C1の環境レベルCL1と休止後情報C2の環境レベルCL2が算出されると、次に図5の関係にしたがって、両情報C1,C2を統合する「環境指数」が算出される。図5においては、休止前後の環境レベルCL1,CL2がそれぞれ4つに区分されており、休止前の環境レベルCL1と休止後の環境レベルCL2との組み合わせによって、環境条件が合計16個に区分されている。そして、各区分にそれぞれに環境指数が割り当てられている。この環境指数としては、「1」,「2」,「3」,「4」,「5」の5つの値のいずれかが付与される。この環境指数は、数字が大きいほど、劣悪な環境であることを表している。
図8にも示すように、休止前と休止後との双方において最も劣悪な環境(「LD」)であるときには、環境指数として最大値「5」が付与される。一方、図9にも示すように、休止前と休止後との双方において最も良好な環境(「LA」)であるときには、環境指数として最小値「1」が付与される。また、図10および図11に示すように、休止前と休止後とのいずれか一方のみにおいて、最も劣悪な環境(「LD」)であるときには、環境指数として「4」が付与される。すなわち、両時点の一方のみであっても環境が劣悪であるときには、画像劣化の可能性が比較的高いと判定し、環境指数として比較的大きな値を付与する。その他の場合にも図5の対応関係にしたがって、環境指数が付与される。例えば、休止前情報C1の環境レベルCL1が「LB」であり、休止後情報C2の環境レベルCL2が「LD」であるとすると、環境指数として「4」が算出される。あるいは、環境レベルCL1が「LA」であり、環境レベルCL2が「LC」であるとすると、環境指数として「3」が算出される。このようにして、休止前後の環境を反映した環境指数(「統合環境情報」とも称される)が算出される。
ここにおいて、休止前後双方の温度および湿度を考慮することによれば、画像劣化の発生の可能性を、より正確に判断することができる。例えば、休止後の環境は非常に良好であったとしても休止前の環境が劣悪である場合には画像劣化が生じている可能性は高い。上述のように休止前後双方の温度および湿度を考慮すれば、休止後の環境のみを考慮する場合に比べてより正確に画像劣化の可能性を判定することが可能である。
そして、上述のようにして得られた環境指数CIと、ステップS11で得られた休止時間Ptと、図4に示すテーブルとに基づいて、調整動作を実行するか否かが決定される。なお、図4においては、環境指数CIが5つに区分され、休止時間Ptが0.5時間(30分)および8時間を境界値として3つに区分されている。すなわち、休止時間Ptと環境指数CIとの組み合わせに応じて、状況が合計15個に分類されている。
図4のテーブルにおいて休止時間Ptと環境指数CIとの組み合わせが丸印(○)に対応する場合には、調整モードに移行して「調整動作」(ステップS15〜S22)を実行することが決定され、ステップS14からステップS15に進む。一方、休止時間Ptと環境指数CIとの組み合わせが×印に対応する場合には、調整モードに移行することなく(したがって「調整動作」は実行されず)、ステップS14からステップS23に進み、印刷動作が直ぐに許可される。具体的には、図4に示すように、環境指数CIが「4」且つ休止時間Ptが8時間以上の場合と、環境指数CIが「5」且つ休止時間Ptが0.5時間以上(8時間以上も含む)の場合とにおいては、「調整動作」を実行することが決定される。一方、それ以外の場合には、「調整動作」は実行されず、直ちに印刷動作が許可される。
例えば、休止時間Ptが12時間且つ環境指数CIが5の場合には、調整動作を実行することが決定される。これによれば、画像劣化を回避することが可能である。一方、環境指数CIが5であっても休止時間Ptが0.25時間(15分)の場合には、調整動作を実行せずに印刷動作を許可することが決定される。これによれば、休止時間が短い場合には画像劣化が生じにくいことを反映して、調整動作を実行せずに直ちに印刷動作に移行することが可能である。したがって、ファーストプリント時間の増大を抑制することができる。
また、休止時間Ptが6時間且つ環境指数CIが5の場合には、調整動作を実行することが決定される。これによれば、画像劣化を回避することが可能である。一方、休止時間Ptが6時間であっても環境指数CIが1から4のいずれか(例えば3)の場合には、調整動作を実行せずに印刷動作を許可することが決定される。これによれば、環境が比較的良好である場合には画像劣化が生じにくいことを反映して、調整動作を実行せずに直ぐに通常の印刷動作に移行することが可能である。したがって、ファーストプリント時間の増大を抑制することができる。
<2.3 調整動作>
次に、この実施形態の調整モードにおける調整動作(ステップS15〜S22)について説明する。
この「調整動作」は、画像形成装置の休止状態にて像担持体上に発生する画像劣化要因を当該像担持体から排除するための動作であって、通常の初期化動作および/または通常の印刷動作とは別個に追加的に行われる動作である。この調整動作には、例えば、「調整モード」において行われる種々の動作、具体的には、
(a)感光体11(像担持体)上の静電潜像を現像したトナー像を中間転写ベルト21(中間転写体)に転写して検査用のトナーパターンを形成する形成動作(ステップS15〜S18)と、
(b)中間転写ベルト21の移動方向におけるトナーパターンDTの濃度変化を検出することによって画像劣化の有無等を判定する判定動作(ステップS19〜S21)と、
(c)画像劣化要因を実際に排除する排除動作(ステップS22)と、
が含まれ得る。ただし、後述するように、判定動作(b)での判定結果によっては、排除動作(c)が「調整動作」として実行されないこともある。換言すれば、「調整モード」は、排除動作(c)を実行することが可能な動作モードであるが、排除動作(c)を常に実行するものに限定されない。なお、形成動作(a)および判定動作(b)は、排除動作(c)に先立って行われる動作、詳細には、排除動作(c)を実行するか否かを決定するための予備的動作であるとも表現される。
この実施形態における調整動作では、クリーナ17によって感光体11上の付着物の除去動作(排除動作)が実行され得る。ただし、常に同一内容の除去動作が実行されるのではなく、画像劣化の度合いに応じて、クリーナ17による除去動作の実行の有無および除去回数等が決定される。具体的には、イメージングユニット10を用いて中間転写ベルト21に検査用のトナーパターンDTが形成され(ステップS15〜S18)、中間転写ベルト21の移動方向における当該トナーパターンDTの濃度変化に基づいて、画像劣化の有無および度合いが検出される(ステップS19)。そして、その検出結果に応じて、クリーナ17による除去動作の実行の有無および除去回数等が決定され(ステップS20,S21)、その決定内容にしたがって必要に応じて除去動作が実行される(ステップS22)。
すなわち、この実施形態では、「調整動作」において排除動作を常に行うのではなく、「調整動作」において、上述の形成動作および判定動作を行い所定の条件を満たす場合にのみ排除動作をさらに行う場合を例示する。
なお、ここでは簡単化のため、4つのイメージングユニット10のうちの1つの調整動作について説明する。
まずステップS15において、図12に示すようなトナーパターンDTが形成される。
図12は、中間転写ベルト21の一部を示す上面図であり、検査用のトナーパターンDTがイメージングユニット10から中間転写ベルト21に転写されて形成された状態を示している。トナーパターンDTは、例えば、中間転写ベルト21の幅よりも狭い所定幅の帯状領域におけるハーフトーンパターンとして形成される。このトナーパターンDTは、中間転写ベルト21の幅方向におけるIDCセンサ31の位置が当該トナーパターンDTの幅方向の中心位置にほぼ合致するように、形成されている。ここでは、2つのIDCセンサ31のそれぞれに対応してトナーパターンDTが形成されており、合計2列のトナーパターンDTが形成されている。また、各トナーパターンDTは、中間転写ベルト21の移動方向に沿って、感光体11の周回長Lcの2倍以上(例えば3.5倍)の長さLPにわたって形成されている。なお、以下では、簡単化のため、1つのトナーパターンDTのみを利用する処理について説明するが、複数(例えば2つ)のトナーパターンDTを利用するようにしてもよい。例えば、両トナーパターンDTに関する検出結果の平均値を最終的な検出結果として用いることなどが可能である。
その後、ステップS16においてトナーパターンDTの検出処理が行われる。具体的には、中間転写ベルト21が矢印AR2(図12参照)の向きに移動すると、中間転写ベルト21上に形成されたトナーパターンDTの濃度がIDCセンサ31によって検出される。
図13は、IDCセンサ31の出力特性を示す図である。図13に示すように、IDCセンサ31は、検出対象部位の濃度が高くなる(黒くなる)につれて検出電圧が低くなる特性を有している。また、IDCセンサ31は、非線形の変化特性を有している。
図14は、IDCセンサ31の出力例を示す図である。その検出電圧は、トナーパターンDTの検出に応じてステップ状に変化しており、トナーパターンDTの検出期間TMにおいては他の期間よりも検出電圧が低くなっている。この図14は感光体11に窒素酸化物等の付着物が付着していない状態(すなわち正常な状態)でのトナーパターンDTの検出例を示している。
一方、図15は、感光体11に付着物が付着している状態でのトナーパターンDTの検出例を示している。図15においては、図14と同様に、IDCセンサ31の検出電圧は、基本的には、トナーパターンDTの検出に応じてステップ状に変化しており、トナーパターンDTの検出期間TMにおいては他の期間よりも検出電圧が低くなっている。ただし、図15の検出電圧波形は、一定の周期で検出値が高くなる突出部分を有している点で図14の検出電圧波形と相違している。
図15における突出部分は、トナーパターンDTにおける、いわゆる「白抜け」の発生箇所に相当する。感光体11上に付着した窒素酸化物によってトナー付着が阻害されると、中間転写ベルト21に転写されたトナーパターンDTにおいて「白抜け」が発生する。
この実施形態においては、より正確に判断するため、このような突出部分が複数回検出され、且つ、その検出位置が感光体上の互いに同一の箇所に相当するときに、「白抜け」が発生したものと判断する。そのため、上述したように、トナーパターンDTは、周回長の2倍以上にわたって形成されることが好ましい。
また、この実施形態においては、トナーパターンDTの出力レベルをIDCセンサ31の検出結果に応じて調整するレベル調整処理(ステップS17,S18)をも実行する。後述するように、ステップS21においては、図15の突出部分の大きさを判断することによって、「白抜け」の度合い、換言すれば、画像劣化の度合いが検出される。画像劣化の度合いをより正確に検出するためには、トナーパターンDTの出力レベルを調整することが好ましい。
例えば、トナー付着量が全体的に少ないトナーパターンDTによる検出結果(図16)と、トナー付着量が全体的に多いトナーパターンDTによる検出結果(図17)とを比較する。仮に、トナーパターンDTの出力レベル調整を行わないものとすると、実際には白抜け程度すなわち画像劣化度合い(換言すればトナーパターンDTにおける正常部の濃度と欠陥部の濃度との差)が両検出結果において互いに同程度の場合であっても、IDCセンサ31の非線形特性に起因して、図16および図17に示すように両検出結果における突出部分の大きさが互いに著しく異なるものとして得られることがある。逆に、トナーパターンDTの出力レベル調整を行えば、このような事態を回避し、画像の劣化度合いをより正確に把握することが可能になる。
具体的には、まずステップS17において、トナーパターンDTの濃度レベルが所定の許容範囲内に存在するか否かを判定する。図18は、トナーパターンDTを検出しているときのIDCセンサ31の検出値を示す図である。図18は、例えば、図14のトナーパターンDTの検出期間TMにおける検出波形の一部を拡大した図に相当する。
画像形成装置1は、所定の微小サンプリング時間Δts(例えば数ミリ秒)間隔でIDCセンサ31の検出電圧を得るものとする。実際の検出波形には、上述の突出部分の波形の他、ノイズ等も含まれている。これら(特にノイズ)の影響等を抑制するため、ここでは、トナーパターンDTの検出期間TMに得られた複数の検出値(検出電圧)をソートし、最高値から順にNP個の値(検出電圧)と最低値から順にNQ個の値とを除外して、残りのNR個の値を平均化した値を、トナーパターンDTの出力レベル平均値Vaveとする。
そして、この平均値Vave(平均濃度)が許容範囲に収まっているか否か、より詳細には、平均値Vaveが許容最低値Rmin以上且つ許容最大値Rmax以下であるという条件を満たすか否か、が判定される。図14に示すように、当該条件を満たしているときには、レベル調整は不要もしくは完了したとして、ステップS19に進む。一方、当該条件を満たしていないときには、ステップS18に進みトナーパターンDTの生成条件を変更した後に、再度トナーパターンDTの形成処理等(ステップS15〜S17)を繰り返す。トナーパターンDTの生成条件の変更項目としては、露光器13におけるレーザ光量の出力強度、第1転写器15における転写出力(電界強度)などの種々の要因が挙げられる。そして、これらの要因を適宜に変更した後に再度トナーパターンDTを生成し、再生成されたトナーパターンDTに関する平均値Vaveが許容範囲に収まっていると判定されるとステップS19に進む。
ステップS19では、上述したように、中間転写ベルト21の移動方向(矢印AR2の方向)における当該トナーパターンにおける画像劣化(詳細には周期的画像劣化)の有無および度合いを検出する(ステップS19)。
具体的には、トナーパターンDTの濃度変化における周期的変動の有無に応じて、画像劣化の有無が判定される。ここでは、周期的変動の周期が感光体11の回転周期に相当するときに、画像劣化が存在すると判定される。
より詳細には、感光体11の回転周期長Lcを単位としてトナーパターンDTを複数の分割領域Rn(図12参照)に分割する。換言すれば、図15に示すように、IDCセンサ31の検出波形を、有効検出領域QVの先端から、感光体の外周長さ(回転周期長)Lc(図12参照)に対応する部分ごとに分割し、複数の分割領域Qn(n=1,2,...)を作成する。
また、分割された各領域Rn(Qn)内において、検出波形が最大となる位置Xnをそれぞれ算出する。詳細には、トナーパターンDTの濃度変化において基準濃度(図15のVmin)から最も大きく変化した濃度(Vmax)に対応する位置(最大変化位置)Xnを求める。
そして、各領域Rn(Qn)内での位置Xnが互いに同じであるか否かに応じて、当該各位置Xnに周期的な画像劣化が存在するか否かが判定される。なお、各値Xnには誤差が含まれ得るので、各値Xnの相互間の差分が所定の許容範囲(例えば値Lcの数%)内に収まっているか否かに応じて、各値Xnが互いに同じであるか否かを判定することが好ましい。
各Xnが互いに異なる場合には、周期的な画像劣化は存在しないものと判定され、ステップS20からステップS23へと進み、印刷動作が許可される。この場合、排除動作(ステップS22)が実行されないので、より早く印刷動作に移行することが可能である。すなわち、調整動作内において必ず排除動作を行うのではなく、排除動作を実行する条件を限定することによって、ファーストプリント時間の増大をさらに抑制することができる。
各Xnが互いに同じである場合には、当該各Xnに相当する位置に周期的な画像劣化が存在するものと判定するとともに、さらに当該画像劣化の度合いをも検出する。ここでは、各領域Rn(Qn)の突出部分の面積値Sn(図19参照)をそれぞれ算出するとともにそれらの面積値Snの平均値Saveを求め、当該平均値Saveを画像劣化の「度合い」として算出する。なお、図19は、図15の1つの突出部分の部分拡大図である。その後、ステップS20からステップS21に進み、除去処理(排除処理)における処理条件を決定する。
ステップS21では、画像劣化の度合いが大きいほど感光体11上の付着物の除去動作をより十分に行うように処理条件が決定される。そして、ステップS21で決定された処理条件にしたがって、除去動作(排除動作)がステップS22において実行される。
ここでは、ステップS22において、画像劣化の排除動作として、クリーナ17を感光体11に接触させつつ感光体11を回転させることによって、感光体11上の付着物を除去する動作を採用する。
図20は、値Saveと、除去動作のパラメータである帯電イレース回数(感光体11の全周に対する帯電動作と除電動作との繰り返し回数)との関係を示す図である。例えば、帯電イレース回数が「5」である場合は、ステップS22において、感光体11を5周回転させつつ帯電装置12による帯電動作とイレーサ16による除電動作(イレース動作)とを行うことを意味する。なお、ステップS22においては、帯電動作およびイレース動作に加えて、クリーナ17による感光体11上の付着物に対する物理的な除去動作が実行される。したがって、この帯電イレース回数は、クリーナ17と感光体11との相対的な移動距離(すなわちステップS22における感光体11に対する清掃距離)を感光体の周回数に換算した値でもあるとも表現される。
図20に示されるように、値Saveが大きいほど帯電イレース回数も大きく設定される。例えば、値Saveが値B1以上値B2未満であるときには、帯電イレース回数は「5」に設定され、値Saveが値B4以上値B5未満であるときには、帯電イレース回数は「30」に設定される。なお、値B1,B2,B3,B4,B5,B6は、B1<B2<B3<B4<B5<B6、の関係を有している。
このような除去動作によれば、画像劣化の度合いが大きいときには十分なクリーニング動作を行うことによって、より確実に感光体11上の不要付着物を除去することが可能である。また逆に、画像劣化の度合いが小さいときには短時間で除去動作を終了することによって、ファーストプリント時間の増大を抑制することができる。
上述のように、ステップS22における除去動作は、基本的には、クリーナ17と感光体11との物理的接触によって実行される。ただし、この実施形態においては、補助的に、帯電器12のメッシュ部およびワイヤ部の清掃動作をさらに伴うものとする。これによれば、帯電器12の表面に付着した窒素酸化物等が、帯電器12から分離して感光体11に再付着することを防止できる。また、ここでは、このような帯電器12の清掃回数を、例えば図21に示すように、上記の値Saveに応じて変更する。これによれば、帯電器12の清掃回数をより適切に決定することができる。なお、この「清掃回数」は、帯電器12のワイヤ部に接触して走行するワイヤ清掃機の往復回数(あるいは、帯電器12のメッシュ部に接触して走行するメッシュ清掃機の往復回数)を意味するものとする。
ステップS22で感光体11上の除去動作が行われた後、ステップS23において印刷動作が許可され、その後、ユーザの要求等に応じて印刷出力処理が実行される。
以上のように、画像形成装置1は、感光体11上に画像形成装置1の休止状態にて発生する画像劣化要因を排除するための調整動作を実行するか否かを、休止時間Ptと環境情報Cとの双方に基づいて決定する。したがって、調整動作を実行すべきか否かを適切に判断し、ファーストプリント時間の増大を抑制しつつ画像欠陥を防止することが可能である。
また、特に、環境情報Cは休止前情報C1と休止後情報C2とを含むので、調整動作を実行すべきか否かをより適切に判断することができる。また、特に温度および湿度の双方を利用して環境条件が判定されるので、さらに正確な判断を行うことができる。
なお、上記においては、簡単化のため、4つのイメージングユニット10の1つの調整動作について説明した。この画像形成装置1においては、4つのイメージングユニット10が設けられているため、全てのイメージングユニット10について同様の調整動作を行うことが好ましい。例えば、4つのイメージングユニット10に対して、同様の調整動作を時間的に直列的に行うことが可能である。この場合、中間転写ベルト21において、各色について上述の長さLPを有するトナーパターンDTを順次に出力するようにすればよい。あるいは、IDCセンサ31が複数(例えば2個)存在する場合には、中間転写ベルト21に同時に形成される複数本(例えば2本)のトナーパターンDTを互いに異なる色で構成するようにしてもよい。これによれば、複数(2つ)のイメージングユニット10に対する調整動作を並列的に処理することにより、トナーパターンDTの出力時間を短縮することが可能である。
また、この画像形成装置1においては、合計4個の換気用(もしくは冷却用等)のファン(不図示)が、4つのイメージングユニット10(図1参照)に対応する紙面背面側の位置に設けられている。そして、通常運転時においては当該ファンが回転しているため、帯電器12付近で生成された窒素酸化物は画像形成装置1の外部へと排出され、感光体11上への付着は比較的少ない。一方、本実施形態における休止状態においては当該ファンも停止するため、感光体11への付着の可能性がさらに高まる。本願における画像形成装置の「休止時間」は、付着物の増大原因の一つとして考慮するものであるため、このような「ファンが停止した状態」は「休止状態」の一態様を表している。
ただし、ファンが回転していても、上述のような画像劣化が発生する場合もある。したがって、「休止状態」は、「ファンが停止した状態」でなくてもよい。
また、例えば、感光体駆動部への給電が停止されており感光体が回転できない状態も、「休止状態」の一態様である。感光体11の特定部位への集中的な窒素酸化物の付着を回避して直線状の「白抜け」の発生を回避するためには、感光体を所定角度ずつ回転させることも考えられる。しかしながら、感光体駆動部への給電が停止されており感光体が回転できない状態においては、感光体を所定角度ずつ回転させる動作を実現できない。したがって、「感光体駆動部への給電が停止されており感光体が回転できない状態」も「休止状態」の一態様である。
以上より、「休止状態」は、画像形成装置の電源がオフされている状態、定着器の温度を定着温度よりも低温に調節するなどして待機する所謂「省電力モード」などと呼ばれる状態、および、コントローラ(CPU)以外への給電を停止して待機する所謂「スリープモード」などと呼ばれる状態、を少なくとも含む。
<3.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
たとえば、上記実施形態においては、電源オフ状態からの復帰時に上記の思想を適用する場合を例示したが、これに限定されない。例えば、通常の電源オン状態からスリープモードへ移行した後、当該スリープモードから通常の電源オン状態へと復帰する場合に上述の動作(図3等参照)を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、休止前情報C1と休止後情報C2との双方を環境情報Cとして利用する場合を例示したが、これに限定されず、休止前情報C1および休止後情報C2のうちの一方を利用するようにしてもよい。例えば、休止後情報C2のみを環境情報Cとして利用するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、温度および湿度の双方を環境情報Cとして利用する場合を例示したが、これに限定されず、温度および湿度のうちの一方のみを環境情報Cとして利用するようにしても一定の効果を得ることができる。
また、上記実施形態においては、電源オン状態において、所定時間間隔で温度および湿度を取得するようにしたが、これに限定されない。例えば、電源オン状態において実行される所定の処理(例えば画像安定化処理)の実行タイミングに同期して、温度および湿度を取得するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、(1)休止時間の長さと(2)環境情報との双方を考慮する場合を例示したが、これに限定されず、両者(1)(2)のうちの一方のみを考慮するようにしてもよい。例えば、調整動作を実行するか否かを休止時間の長さに応じて決定するようにしてもよい。あるいは、調整動作を実行するか否かを環境情報に応じて決定するようにしてもよい。ただし、休止時間と環境情報との双方を考慮することによれば、調整動作を行うか否かを、より適切に判断することが可能になる。
また、上記実施形態においては、画像形成装置としてコロナ放電方式の電子写真装置を例示したが、これに限定されない。例えば、接触帯電方式の電子写真装置にも上記の思想を適用することが可能である。なお、接触帯電方式の電子写真装置においては、画像の劣化は、浮遊窒素酸化物が感光体に付着することに起因するのではなく、帯電ローラ等の帯電器が感光体に長時間接触することによって電位が局所的に変化することに起因して発生することもある。その場合、画像劣化の発生のメカニズムは若干相違する。しかしながら、休止時間と環境情報(特に温湿度)とに応じて画像劣化の度合いが変化する点において共通しているので、接触帯電方式の電子写真装置においても、上記の思想を適用することが可能である。また、この場合には、調整動作において帯電動作と除電動作とを繰り返すことによって、感光体上での帯電ローラ接触部位における局所的な電位変動の解消を図ることが可能である。
また、上記実施形態においては、画像形成装置として電子写真装置を例示したが、これに限定されない。例えば、静電記録方式、イオノグラフィーなどの各種の方式の画像形成装置にも上記の思想を適用することが可能である。
また、上記実施形態においては、画像形成装置としてタンデム方式のカラー複写機を例示したが、これに限定されない。例えば、タンデム方式ではなく、感光体が単一の所謂4サイクル方式のカラー画像形成装置であってもよい。また、カラー画像形成装置ではなく、モノクロ画像形成装置であってもよい。さらには、複写機やプリンタに限定されず、ファクシミリ装置などの他の画像形成装置であってもよい。