JP4453286B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ及びこれらの機能を組み合わせた複合機などの電子写真プロセスによって記録紙などの記録媒体に画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスを使用した画像形成装置としては、複写機やプリンタなどが知れられている。このような画像形成装置においては、感光体上に形成したトナー像を、中間転写体を介して最終転写体に転写して形成し、このトナー像を最終転写体から記録紙などの記録媒体に転写し、記録紙に転写したトナー像を定着することにより画像を形成する。
【0003】
このような画像形成装置では、記録紙に転写されずに中間転写体や最終転写体などの転写体上にトナーが残ってしまい、記録紙の非画像領域等に付着して、記録紙を汚してしまうなどの仕上がり不良、品質不良を生じさせてしまうことがある。
【0004】
感光体上にトナー像を形成し、このトナー像を用紙に転写する画像形成装置においては、トナー帯電不足が生じると、感光体上の非画像領域にトナーが付着してしまうことから、トナー像が形成される感光体表面上の非画像領域に付着したトナー量を検出し、検出したトナー量に基づいて感光体の表面を除電するときの除電器の出力を調整することにより、非画像領域に付着したトナーによって被りが生じるのを防止する提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、記録紙上にカラー画像を形成する画像形成装置では、イエローY、マゼンタM、シアンC及びブラックKの各色のトナー像を別々に形成する感光体を用い、それぞれの感光体に形成したトナー像を中間転写体上に転写し、中間転写体から記録紙へ転写するものがある。
【0006】
このような画像形成装置では、感光体や中間転写体にトナーが残ると、記録紙上に所謂ゴースト等として現れ、記録紙に形成した画像を損ねたり、画像を形成する記録紙を汚してしまうことがあり、このために、感光体ないし中間転写体にクリーニング装置を設け、残ったトナーの除去を図る必要がある。
【0007】
このようなクリーニング装置としては、ブラシやブレードを、直接、感光体や中間転写体の表面に接触させるものが一般的となっている。
【0008】
ところで、このようなクリーニング方法では、中間転写体の表面等のクリーニング対象の表面を磨耗させたり、傷などの損傷を生じさせてしまうことがあり、このために、中間転写体の寿命が短くなってしまっている。また、ブラシを用いる場合、ブラシのほかに、中間転写体から残留トナーを転移させるデトナロールや、残留トナーを振り落とすフリッカー部材などを設ける必要があり、機構が複雑となると共に、これらが広いスペースを必要とするために、スペース効率やコスト面での不利が生じている。
【0009】
ここから、感光体などの像担持体上の転写残留トナー量を検出し、転写残留トナー量が増加したときに、像担持体を帯電する接触帯電手段に印加する帯電バイアス電圧に交流成分を多く含ませることにより、ブラシやブレードなどのクリーニング手段を用いることなく、転写残留トナーの発生を抑えるようにした画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
また、感光体上の残留トナー量を検出し、この残留トナー量に応じて現像バイアス電圧を調整することにより、転写効率を向上させて、残留トナーの発生防止、残留トナーの除去を図るようにした画像形成装置の提案もなされている(例えば、特許文献3参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−23285号公報
【特許文献2】
特開平10−186877号公報
【特許文献3】
特開平10−213955号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴーストは転写効率の低下によって発生するが、ゴーストの発生原因は、感光体トナー量の増加や、転写印加電圧のばらつきなどがあり、ブラシやブレード等によるクリーニング装置を用いないクリーナーレスの画像形成装置において、転写効率の向上を図ることは、必ずしも適正なゴースト対策といえるものではない。
【0013】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、ゴーストの検出及び検出したゴーストに応じた適正なゴースト解消処置を行うことにより、ブラシやブレード等によるクリーニング装置を用いずに適正な画像を形成可能とする画像形成装置を提案することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像に応じたトナー像を前記感光体に形成する現像手段と、を備え、前記感光体に形成したトナー像を中間転写体へ転写した後、最終転写位置で記録媒体へ転写する画像形成装置であって、前記中間転写体に転写されたトナー像又は前記記録媒体に転写されたトナー像の画像濃度を測定する濃度測定手段と、前記濃度測定手段を用いて、予めゴースト検出用に設定されているゴースト検出パッチの正像の画像濃度と、少なくとも前記感光体上の残留トナーにより形成されるトナー像の画像濃度とを測定し、測定した前記正像の画像濃度と前記残留トナーによるトナー像の画像濃度との和に基づいてゴーストが発生しているか否かの判定を行なうと共に、前記正像の画像濃度に対する前記残留トナーによるトナー像の画像濃度の比に基づいてゴーストが発生しているか否かの判定を行なう判定手段と、前記画像濃度の和に基づいてゴーストが発生していると判定されている場合に、トナーバンドが作成されるように設定し、前記画像濃度の比に基づいてゴーストが発生していると判定されている場合に、前記感光体から前記中間転写体へのトナーの転写効率が高くなるように前記中間転写体へ印加する転写電圧を設定する設定手段と、を含む。
【0019】
請求項2に係る発明は、前記中間転写体として、それぞれが2色分ずつの前記感光体に接触して2色分のトナー像が転写される第一中間転写体と、前記第一中間転写体のそれぞれに接触して第一中間転写体から2色分ずつのトナー像が転写されることにより4色分のトナー像が転写され、該トナー像が前記最終転写位置で前記記録媒体に転写される第二中間転写体と、を含み、前記判定手段が、前記濃度測定手段により前記第二中間転写体上で、前記正像の画像濃度、前記感光体上の残留トナーによる第一トナー像の画像濃度及び、前記第一中間転写体上の残留トナーによる第二トナー像の画像濃度を測定し、前記画像濃度の和として、前記正像の画像濃度と前記第一トナー像の画像濃度と前記第二トナー像の画像濃度との総和を用いてゴーストが発生しているか否かを判定する。また、請求項3に係る発明は、前記判定手段が、前記画像濃度の比として、前記正像に対する前記第一トナー像の画像濃度の比及び、前記正像の画像濃度の対する前記第二トナー像の画像濃度の比を用いてゴーストが発生しているか否かを判定する。
【0020】
請求項4に係る発明は、前記中間転写体として、それぞれが2色分ずつの前記感光体に接触して2色分のトナー像が転写される第一中間転写体と、前記第一中間転写体のそれぞれに接触して第一中間転写体から2色分ずつのトナー像が転写されることにより4色分のトナー像が転写され、該トナー像が前記最終転写位置で前記記録媒体に転写される第二中間転写体と、を含み、前記判定手段が、前記濃度測定手段により前記第二中間転写体上で、前記正像の画像濃度、前記感光体上の残留トナーによる第一トナー像の画像濃度及び、前記第一中間転写体上の残留トナーによる第二トナー像の画像濃度を測定し、前記画像濃度の比として、前記正像に対する前記第一トナー像の画像濃度の比及び、前記正像の画像濃度に対する前記第二トナー像の画像濃度の比を用いてゴーストが発生しているか否かを判定する。また、請求項5に係る発明は、前記判定手段が、前記画像濃度の和として、前記正像の画像濃度と前記第一トナー像の画像濃度と前記第二トナー像の画像濃度との総和を用いてゴーストが発生しているか否かを判定する。
【0021】
このような本発明においては、請求項6に記載されるように、前記設定手段が、前記正像の画像濃度に対する前記第一トナー像の画像濃度の比からゴーストが発生していると判定されている場合に、前記感光体から前記第一中間転写体へのトナーの転写効率が高くなるように前記第一中間転写体へ印加する転写電圧を設定し、前記正像の画像濃度に対する前記第二トナー像の画像濃度の比からゴーストが発生していると判定されている場合に、前記第一中間転写体から前記第二中間転写体へのトナーの転写効率が高くなるように第二中間転写体へ印加する転写電圧を設定するものであれば良い。
【0027】
さらに、本発明では、ゴーストが発生していると判定されている場合に、連続プリント枚数の制限値を設定するものであっても良い。
【0028】
一方、ゴーストは、高湿高温下、特に高湿度下で発生しやすい。ここから、本発明は、少なくとも環境湿度を検出する環境条件検出手段を含み、環境条件検出手段の検出結果を含めてゴーストを解消するための処置を設定することがより好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。図1には、本実施の形態に画像形成装置として適用したレーザープリンタ10の概略構成を示している。このレーザープリンタ10は、タンデム型フルカラープリンタであり、ケーシング12内に、画像形成部14、中間転写部16、最終転写部18及び給紙部20を含んでいる。
【0031】
画像形成部14には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色の画像形成ユニット22Y、22M、22C、22K(総称するときは「画像形成ユニット22」とする)と、露光装置24を含んでいる。
【0032】
図2に示すように、画像形成ユニット22のそれぞれには、像担持体として感光体ドラム26Y、26M、26C、26K(総称するときは、「感光体ドラム26」とする)及び、感光体ドラム26のそれぞれに接触する帯電ロール28、感光体ドラム26のそれぞれに対峙する現像器30Y、30M、30C、30K(総称するときは「現像器30」とする)及び、感光体ドラム26のそれぞれに接触する感光体ブラシロール32が設けられている。
【0033】
なお、感光体ドラム26に対する上記各部材の配置は、感光体ドラム26の回転方向の上流側から帯電ロール28、現像器30、感光体ブラシロール32となっている。なお、感光体ブラシロール32としては、ステンレスなどの金属製のロール状基材に、導電性を有する樹脂性の植毛テープをスパイラル状に巻き付けるなどして形成したものを用いることができる。
【0034】
感光体ドラム26は、帯電ロール28によって例えば−900V程度の直流電圧が印加され、これにより、約−380V程度に一様に帯電される。露光装置24は、感光体ドラム26Y、26M、26C、26KにレーザービームR(Y)、R(M)、R(C)、R(K)を照射することにより静電潜像を書き込む。感光体ドラム26は、静電潜像が書き込まれたときに、その表面電位が約−70V程度までに除電される。
【0035】
現像器30は、現像ロール、現像剤量規制部材、現像剤搬送部材、及び現像剤を搬送して攪拌するオーガーを備えた一般的構成の磁気ブラシ接触型二成分現像方式を適用しており、現像剤量規制部材によって規制されて搬送される現像剤量は、約30〜40g/m2であり、このときに現像ロール上に存在するトナーの帯電量は、おおむね−20〜−40μC/g程度である。
【0036】
現像器30では、交流及び直流の現像電圧を印加して現像を実施するが、この現像電圧は、交流が例えば4kHz、1.6kVppで、直流が例えば−300V程度である。
【0037】
中間転写部16は、一次転移位置において感光体ドラム26Y、26Mに接触する第一中間転写ロール34Aと、一次転写位置において感光体ドラム26C、26Kに接触する第一中間転写ロール34Bと、第一中間転写ロール34A、34Bのそれぞれに、二次転写位置で接触する第二中間転写ロール36を備えている。なお、第一中間転写ロール34A、34Bを総称するときは、第一中間転写ロール34とする。
【0038】
また、中間転写部16には、第二中間転写ロール36の外周面に対向して、後述する濃度センサ38が設けられている。
【0039】
第一中間転写ロール34には、クリーニング手段(クリーニング装置)40が設けられている。このクリーニング手段40は、第一中間転写ロール34に接触するステンレスなどの金属製のクリーニングロール42と、クリーニングロール42に当接するステンレスなどの金属製のクリーニングブレード44、クリーニングブレード44に書き落とされた残留トナーを図示しないトナー回収ボックスへ搬送するスクリューオーガー46、クリーニングロール42よりも第一中間転写ロール34の回転方向上流側近傍において、第一中間転写ロール34に接触する中間転写ブラシロール48とが設けられ、これらがクリーナーハウジング50に収容されている。なお、中間転写ブラシロール48は、ステンレスなどの金属製のロール状基材に、導電性の樹脂材料によって形成された植毛テープをスパイラル状に巻き付けて形成されている。
【0040】
第二中間転写ロール36に設けられているクリーニング手段52は、クリーニングロール42、クリーニングブレード44、スクリューオーガー46、中間転写ブラシロール48を備え、これらがクリーナーハウジング54に収容されている。
【0041】
レーザープリンタ10では、クリーニング手段40、52を設けておくことにより、第一中間転写ロール34及び第二中間転写ロール36の表面をクリーニングして、転写されずに第一中間転写ロール34及び第二中間転写ロール36に残ってしまっているトナーの除去(クリーニング)を行い、このトナーがレーザープリンタ10で形成する画像の仕上がりを損ねてしまうのを抑えるようにしている。
【0042】
第一中間転写ロール34Aの周囲には、回転方向の上流側から下流側へ向けて、感光体ドラム26M、感光体ドラム26Y、第二中間転写ロール36、中間転写ブラシロール48、クリーニングロール42が配置され、第一中間転写ロール34Bの周囲には、回転方向に沿って、感光体ドラム26K、感光体ドラム26C、第二中間転写ロール36、中間転写ブラシロール48及びクリーニングロール42が配置されている。
【0043】
これにより、感光体ドラム26M、26Yに形成されたトナー像が、第一中間転写ロール34Aに転写され、感光体ドラム26C、26Kに形成されたトナー像が、第一中間転写ロール34Bに転写される。
【0044】
第二中間転写ロール36の周囲には、回転方向に沿って、第一中間転写ロール34A、第一中間転写ロール34B、濃度センサ38、クリーニングロール42及び中間転写ブラシロール48が配置されており、これにより、第一中間転写ロール34Aのトナー像と、第一中間転写ロール34Bのトナー像が、第二中間転写ロール36に重ねられて転写される。また、第二中間転写ロール36の周囲には、濃度センサ38とクリーニングロール42の間に、最終転写部18を形成する最終転写ロール56が配置されている。
【0045】
第一中間転写ロール34及び第二中間転写ロール36は、金属パイプの外周に、導電性弾性層となるシリコンゴム層を設け、その表面に、導電性弾性層よりも電気抵抗の高い抵抗層となる高離型層がコーティングされており、その抵抗値は、第一中間転写ロール34が105〜109Ωの範囲(例えば108Ω)となっており、第二中間転写ロール36が、通常、108〜1012Ωの範囲(例えば1011Ω)となっており、第一中間転写ロール34よりも高くされている。
【0046】
感光体ドラム26から第一中間転写ロール34にトナー像を転写するのに必要な表面電位は、通常、+250V〜500V程度の範囲であり、第一中間転写ロール34から第二中間転写ロール36にトナー像を転写するのに必要な表面電位は、通常、+600V〜1200V程度の範囲であり、これらは、トナーの帯電状態、雰囲気温度、湿度等により最適値を設定することができる。
【0047】
最終転写ロール56は、最終転写位置において、第二中間転写ロール36に接し、第二中間転写ロール36のトナー像を、最終転写位置を通過する記録紙58に転写する。
【0048】
この最終転写ロール56は、金属パイプにウレタンゴム層を設け、さらに樹脂コーティングを施しており、その抵抗値は、通常、108〜109Ωの範囲(例えば108Ω)で、第二中間転写ロール36よりも低く設定されている。
【0049】
また、第二中間転写ロール36のトナー像を記録紙58上に転写するために、最終転写ロール56に印加する転写電圧は、通常、+1200V〜5000V程度の範囲であり、雰囲気温度、湿度、記録紙56の種類等に基づいて最適値に設定されるが、定電流方式を適用して、常温、常湿の環境下で約+6μAの電流を通電して、ほぼ適正となる最終転写電圧(+1600V〜2000V程度)を得ている。
【0050】
図1に示すように、給紙部20は、記録紙58が収容される給紙トレイ60を備え、この給紙トレイ60側から、ピックアップロール62Aとリタードロール62Bのロール対、搬送ロール対64、レジストロール対66、排出ロール対68が設けられ、給紙トレイ60から最終転写位置を経て排出トレイ70に至る記録紙56の搬送経路を形成している。
【0051】
最終転写位置と排出ロール対68の間には、定着器72が設けられている。この定着器72は、加熱ロール74と加圧ロール76を備え、所定のニップ力が得られるように加熱ロール74と加圧ロール76が圧接されている。また、加熱ロール74の内部には、図示しないハロゲンランプ等の熱源(加熱源)が設けられ、所定の定着温度に加熱されるようになっている。
【0052】
また、定着器72には、加熱ロール74と加圧ロール76の下流側(記録紙58の搬送方向下流側)に一対の定着排出ロール78が設けられている。
【0053】
これにより、給紙トレイ60から取出された記録紙58が、最終転写位置へ送られることにより、トナー像が転写され、この後に、定着器72を通過することにより、トナー像が加熱/加圧されて定着される。また、トナー像が定着された記録紙58は、排出ロール対68によって排出トレイ70上に排出される。
【0054】
図3に示すように、レーザープリンタ10には、電位制御部80が設けられている。この電位制御部80は、帯電ロール28、感光体ブラシロール32、第一中間転写ロール34、第一中間転写ロール34に接するクリーニングロール42及び中間転写ブラシロール48、第二中間転写ロール36、第二の中間転写ロール36に接するクリーニングロール42及び中間転写ブラシロール48、最終転写ロール56のそれぞれに所定の電圧を印加する。
【0055】
この電位制御部80には、レーザープリンタ10の作動を制御するコントローラ82が接続しており、コントローラ82は、帯電ロール28、感光体ブラシロール32、第一中間転写ロール34、第一中間転写ロール34に接するクリーニングロール42及び中間転写ブラシロール48、第二中間転写ロール36、第二の中間転写ロール36に接するクリーニングロール42及び中間転写ブラシロール48、最終転写ロール56の間で、適正な電位勾配が得られるように電位制御部80を制御する。なお、電位制御部80では、ツェナーダイオード等を用いることにより、同一電源から供給されるバイアス電圧を、複数の部材のそれぞれに適正なバイアス電圧として印加するようにしている。
【0056】
なお、本実施の形態では、一例として、第一中間転写ロール34の電位を400V、第一中間転写ロール34に接するクリーニングロール22の電位を600V、第二中間転写ロール36の電位を850V、及び最終転写ロール56の電位を2000Vに設定している。
【0057】
一方、図2乃至図3に示すように、レーザープリンタ10には、第二中間転写ロール36に対向して濃度センサ38が設けられている。この濃度センサ38は、第一中間転写ロール34Bと最終転写ロール56の間で、第二中間転写ロール36に対向するように配置されている。レーザープリンタ10では、この濃度センサ38を用いて、記録紙58に転写される前に第二中間転写ロール36に形成されるトナー像の濃度を測定するようにしている。
【0058】
このような濃度センサ38としては、投光素子と受光素子を備え、投光素子から発して第二中間転写ロール36の表面で反射した光(例えば正反射光)を受光素子で受光する一般的構成の光学式センサを適用している。なお、このような光学式センサとしては、第二中間転写ロール36の表面から正反射される鏡面反射光を検知する鏡面反射型センサを用いてもよいが、拡散光を検知する拡散反射型センサを用いてもよく、さらに、鏡面反射型センサと拡散反射型センサの双方を用いても良い。
【0059】
図3に示すように、レーザープリンタ10には、濃度測定部84が設けられており、濃度センサ38がこの濃度測定部84に接続している。また、濃度測定部84は、コントローラ82に接続しており、これにより、濃度センサ38によって検出した濃度(濃度に応じた信号)がコントローラ82に入力される。
【0060】
レーザープリンタ10に設けているコントローラ82には、予め設定した所定パターンのテストパッチが記憶されており、コントローラ82は、このテストパッチを記録紙58にプリントするときに、第二中間転写ロール36に形成されるトナー像の濃度を濃度センサ38によって測定し、この測定結果に基づいてトナー濃度、すなわち、現像器60へ向けて搬送するトナー量を制御することにより、濃度ムラの発生、C、M、Y、Kの各色の濃度バランスの補正を行い、適正な濃度の画像形成が可能となるようにしている。
【0061】
このようなトナー濃度の制御に用いるテストパッチとしては、Y、M、C、Kの各色について画像濃度Cin33%の10mm×12mmのサイズで、Y、M、C、Kの各色が所定間隔(例えば3mm間隔)となっているパターンと、同じパターンで画像濃度Cin100%のパターンを用いて行うことができる。
【0062】
また、レーザープリンタ10では、トナーバンドの作成機能を備えている。このトナーバンドは、例えば、10mm×100mmで記録紙58に画像を形成する。これにより、現像器30内でトナーの多い領域からトナーを吐き出させることにより、DMAが高いことにより濃度ムラ、画像を形成した記録紙58の非画像領域等にトナーが付着して汚れてしまうなどの画像品質の低下が生じるのを抑えるようにしている。
【0063】
さらに、連続して多数枚の記録紙58に画像を形成すると、感光体ドラム26、第一中間転写ロール34ないし第二中間転写ロール36に、転写しきれずに残ったトナーが蓄積されて、徐々に記録紙58を汚してしまうなどの品質低下が生じることがある。
【0064】
これを防止するために、レーザープリンタ10に設けているコントローラ82は、連続プリント枚数の制限を行うようになっている。すなわち、予め設定した枚数以内で、連続プリント処理が可能となるようにしている。
【0065】
ところで、感光体ドラム26、第一中間転写ロール34、第二中間転写ロール36及び記録紙58との間でトナー像の転写を行ったときに、記録紙58に形成した画像に、前の画像が現れてしまうゴーストが生じることがある。
【0066】
第一中間転写ロール34には、感光体ドラム26でトナー像を形成しているトナーの殆どが転写されなければならないが、第一中間転写ロール34に転写しきれずに、感光体ドラム26にトナーが残ってしまうと、このトナーが次に第一中間転写ロール34に接したときに、第一中間転写ロール34に転写してしまうことがある。また、第一中間転写ロール34から第二中間転写ロール36に転写しきれずに残ったトナーが、次に第二中間転写ロール36に接したときに、第一中間転写ロール34から第二中間転写ロール36に転写してしまうことがある。
【0067】
一般にゴーストは、このように転写しきれずに残ったトナーによって生じてしまう。
【0068】
ここで、レーザープリンタ10では、前記した濃度センサ38を用いてゴースト検出を行うと共に、ゴーストを検出したときに、濃度センサ38の測定結果を用いて、ゴースト解消処理を実行するようにしている。
【0069】
濃度センサ38は、第二中間転写ロール36に設けられており、この第二中間転写ロール36に現れるゴーストは、第一中間転写ロール34に残ったトナーに起因するものと、感光体ドラム26に残ったトナーが起因するものに大別することができる。
【0070】
ここから、図4に示すように、感光体ドラム26の外周をR1、第一中間転写ロール34の外周をR2とする。なお、感光体ドラム26の外周R1が第一中間転写ロール34の外周R2よりも小さい(R1<R2)ものとし、感光体ドラム26Y、26M、26C、26Kの大きさ(外周)が同じで、第一中間転写ロール34A、34Bの大きさが同じとする。
【0071】
コントローラ82には、ゴースト検出用に予め設定されているテストパッチ(ゴースト検出パッチ)が記憶されており、ゴースト検出を行う時には、このゴースト検出パッチを記録紙58に形成するようにトナー像を作成する。
【0072】
図5に示すように、ゴースト検出パッチを形成するときに、濃度センサ38が対向している第二中間転写ロール36(図示省略)上では、ゴースト検出パッチの正像90の次に、感光体ドラム26に残ったトナーが起因する第一のゴースト像92が現れる。このとき、第一のゴースト像92は、正像90から距離R1だけ第二中間転写ロール36の周方向に沿って離れた位置となる。
【0073】
また、第一中間転写ロール34に残ったトナーが起因するゴーストを、第二のゴースト像94としたときに、第二のゴースト像94は、正像90から距離R2だけ第二中間転写ロール36の周方向に沿って離れた位置となる。
【0074】
すなわち、正像90の各色の像90Y、90M、90C、90Kに対して、第一のゴースト像92の各色の像92Y、92M、92C、92Kが感光体ドラム26の外周R1に応じた間隔で現れ、第二のゴースト像94の各色の像94Y、94M、94C、94Kが、第一中間転写ロール34の外周R2に応じた間隔で現れる。
【0075】
これに基づいてコントローラ82は、正像90の像90Y、90M、90C、90Kの濃度AY、AM、AC、AK(特に区別しないときは、「濃度A」とする)、第一のゴースト像92の像92Y、92M、92C、92Kの濃度BY、BM、BC、BK(特に区別しないときは、「濃度B」とする)及び、第二のゴースト像94の各像94Y、94M、94C、94Kの濃度CY、CM、CC、CK(特に区別しないときは、「濃度C」とする)を順に測定する。
【0076】
この濃度測定に使用するゴースト検出パッチは、正像90の濃度Aを測定したときの濃度センサ38の出力が、例えば、最大値の50%〜60%程度となるように設定した濃度としている。また、ゴースト検出パッチでの各色の画像の配列は、図5に示す正像90に応じて配列としているが、ゴースト検出パッチは、これに限らず、任意の配列を用いることができる。
【0077】
コントローラ82では、C、M、Y、Kのそれぞれに色に対して、測定した濃度A、B、Cに基づいて、ゴーストの有無の判定に合わせて、ゴーストを解消するための処置を選択し、選択した処置を実行することにより、ゴーストの解消を図るようにしている。
【0078】
ゴーストの有無は、正像90の濃度Aに対する第一のゴースト像92の濃度B、第2のゴースト像94の濃度Cから判定することができる。
【0079】
ここで、例えば、記録紙38上にゴーストとして現れる状態での、第二中間転写ロール36上の正像90の濃度Aに対する第一のゴースト像92の濃度B又は第二のゴースト像94の濃度Cの比率で表すのことができる。
【0080】
ここから、濃度Aに対する濃度Bのしきい値をY、濃度Aに対する濃度Cのしきい値をZとしたとき、B/A≧Yから感光体ドラム26に残ったトナーが起因するゴースト(第一のゴースト像92)が発生していると判断でき、C/A≧Zから第一中間転写ロール34に残ったトナーが起因するゴースト(第二のゴースト像94)が発生していると判断することができる。
【0081】
一方、ゴーストは、トナー量が増加すると、第一のゴースト像92又は第2のゴース像94の何れか少なくとも一方が生じることがあり、ここから、本実施の形態では、濃度A、B、Cの総和(A+B+C)が予め設定したしきい値Xを越えたときにゴーストが発生したと判断するようにしている。すなわち、
(A+B+C)≧X
となったときにゴーストが発生したと判断するようにしている。
【0082】
このようなしきい値X、Y、Zは、記録紙38にゴースト検出パッチ等の画像を形成したときにゴーストが発生していると判断される状態で、第二中間転写ロール36の正像90の濃度A、第一のゴースト像92の濃度B及び第二のゴースト像94の濃度Cを測定し、この測定結果に基づいて設定することができる。
【0083】
一方、ゴーストは、感光体ドラム26及び第一中間転写ロール34に、転写しきれずに残ってしまったトナーによって生じるものであるので、トナーが残ってしまうのを防止する方法を用いて解消させることができる。
【0084】
ここから、レーザープリンタ10では、第一中間転写ロール34ないし第2中間転写ロール36の印加電圧の変更によって、感光体ドラム26と第一中間転写ロール34の間のトナーの転写効率の向上、第一中間転写ロール34と第二中間転写ロール36の間のトナーの転写効率の向上を図る方法を、ゴースト解消のための一つの方法として用いる。
【0085】
また、レーザープリンタ10では、トナーバンドの作成ないし連続プリント枚数の制限値の変更を、必要に応じて、ゴースト解消のための方法として適用するようにしている。
【0086】
レーザープリンタ10に設けてコントローラ82には、これらの方法のうちの何れかを選択するかが予め設定されて記憶されており、コントローラ82は、濃度センサ38によって測定した濃度A、B、Cに基づいて、ゴースト解消処置を選択して実行するようになっている。
【0087】
一方、トナーの転写効率を考えた場合、高温高湿下、特に高湿下では、転写効率が低下してゴーストが生じやすくなる。ここから、図3に示すように、レーザープリンタ10には、湿度センサ86を設けており、コントローラ82は、この湿度センサ82によってレーザープリンタ10の環境湿度を検出するようにしている。
【0088】
また、コントローラ82には、高湿度環境下でのゴースト解消処置が設定されて記憶されており、コントローラ82は、湿度センサ86の検出湿度が予め設定しているしきい値を越えたときに、この高湿度環境下に合わせて設定されているゴースト解消処置を選択するようにしている。
【0089】
ここで、本実施の形態に適用したレーザープリンタ10でのゴースト解消の一例を詳細に説明する。
【0090】
レーザープリンタ10では、予め設定されたタイミング又は任意のタイミングでゴースト処理が可能となっている。このゴースト処理は、予めゴースト処理用に設定されているゴースト検出パッチがコントローラ82に記憶されており、このゴースト検出パッチを記録紙58に形成するときに、第二中間転写ロール36に対向して配置されている濃度センサ38を用いて、第二中間転写ロール36に形成されるゴースト検出パッチの正像90の各色濃度A(AY、AM、AC、AK)と、この正像90に対して、第一のゴースト像92及び第二のゴースト像94が形成される可能性のある位置での各色の濃度B(BY、BM、BC、BK)、C(CY、CM、CC、CK)を測定する。
【0091】
なお、第二中間転写ロール36上での正像90の位置は、記録紙58に形成するゴースト検出パッチの位置から判断することができる。また、第一のゴースト像92及び第二のゴースト像94が生じる可能性のある第二中間転写ロール36上の位置は、正像90の位置と、感光体ドラム26の大きさ(外周R1)及び第一中間転写ロール34の大きさ(外周R2)から判断することができる。
【0092】
一方、コントローラ82には、濃度センサ38によって測定した濃度A、B、Cに基づいてゴーストが発生しているか否かを判断するために設定されているしきい値X、Y、Zが記憶されている。なお、このときのしきい値X、Y、Zとしては、X=A・1.5、Y=Z=0.3など、ゴースト検出パッチの各色の濃度と試験結果から設定した任意の値を適用することができる。
【0093】
また、コントローラ82では、ゴースト解消処置が設定されて記憶されている。図6(A)及び図6(B)には、コントローラ82に記憶しているゴースト解消処置の一例を示している。
【0094】
図6(A)は、通常湿度下でのゴースト解消処置の一例を示し、図6(B)は、高湿環境下でのゴースト解消処置の設定の一例を示しており、コントローラ82は、湿度センサ86によって検出した環境湿度が予め設定しているしきい値(例えば湿度80%)を越えたときに、図6(B)に示す処置を選択し、それ以外の比較的低湿度と判定される環境下では、図6(A)に示す処置を選択する。
【0095】
また、図6(A)及び図6(B)に示す「Nominal」は、レーザープリンタ10に対して予め設定されている標準値であり、本実施の形態に適用したレーザープリンタ10では、一例として第一中間転写ロール34の印加電圧の標準値(Nominal)が400Vであり、第二中間転写ロール36の印加電圧の標準値(Nominal)が850Vとなっている。
【0096】
図7には、ゴースト検出パッチを作成したときに、濃度センサ38によって検出した濃度A、B、Cに基づいたゴースト判定とゴースト解消処置の概略を示しており、このフローチャートは、濃度センサ38によって濃度A、B、Cの測定が終了すると実行される。なお、この処理は、C、M、Y、Kの各色のそれぞれについて実行される。
【0097】
このフローチャートの最初のステップ100では、測定した濃度A、B、Cの総和を演算し、この総和が予め設定しているしきい値Xに達しているか否かを判断する。
【0098】
ここで、例えば、トナー量が増加しているために、ゴーストが発生しているときには、各濃度A、B、Cの総和が高くなる。これにより、トナー量が増加したためにゴーストが発生しているときには、ステップ100で肯定判定されて、ステップ102へ移行する。
【0099】
このステップ102では、濃度A、Bに基づいて、感光体ドラム26にトナーが残っていることにより起因するゴーストが発生しているか否かを確認している。すなわち、感光体ドラム26にトナーが残っていると、第一のゴースト像92が発生し、濃度Bが高くなる。これにより、濃度Aに対する濃度Bの比(B/A)がしきい値Yを越えている(B/A≧Y)と、ステップ102で肯定判定されてステップ104へ移行し、第一のゴースト像92が発生しておらず、濃度Bが低い時には、ステップ102で否定判定されてステップ106へ移行する。
【0100】
ステップ104、106では、今度は、濃度A、Cに基づいて、第一中間転写ロール34にトナーが残っていることにより起因するゴーストが発生しているか否かを確認しており、第二のゴースト像94が発生して、濃度Cが高くなることにより、濃度Aに対する濃度Cの比(C/A)がしきい値Zを越えることにより、ステップ104又はステップ106で肯定判定される。これに対して、第二のゴースト像94が実質的に発生していないと判断されるときには、濃度Cが低く、濃度Aに対する濃度Cの比がしきい値Zに満たなくなることにより、ステップ104又はステップ106で否定判定される。
【0101】
ここで、ステップ102及びステップ104で肯定判定されることにより、ステップ108へ移行して処置1に設定され、ステップ102で肯定判定されて、ステップ104で否定判定されることにより、ステップ110へ移行して処置2に設定される。また、ステップ102で否定判定されて、ステップ106で肯定判定されることにより、ステップ112へ移行して処置3に設定され、ステップ102及びステップ106で否定判定されることにより、ステップ114へ移行して処置4に設定される。
【0102】
一方、ステップ100で否定判定された時には、先ず、ステップ116へ移行して、第一のゴースト像92が発生しているか否かを確認し、これに続いて、ステップ118,120のそれぞれでは、第二のゴースト像94が発生しているか否かを確認する。
【0103】
ここで、ステップ116及びステップ118で肯定判定されることにより、ステップ122へ移行して処置5に設定され、ステップ116で肯定判定されて、ステップ118で否定判定されることにより、ステップ124へ移行して処理6に設定される。また、ステップ116で否定判定されて、ステップ120で肯定判定されることにより、ステップ126へ移行して処置7に設定され、ステップ116及びステップ120で否定判定されることにより、ステップ128へ移行して処置8に設定される。
【0104】
このようにして、濃度A、B、Cに基づいて、処置1〜処置8の何れかに設定されると、ステップ130へ移行して、設定された処置を実行する。なお、ステップ100、116、120のそれぞれで否定判定された時には、処置8に設定される。このときには、濃度A、B、Cの総和が低いと共に、濃度Aに対して、濃度B及び濃度Cの何れも低いので、ゴーストが発生していないと判断され、処置8では、トナーバンドの作成や第一中間転写ロール34及び第二中間転写ロール36の印加電圧の変更の何れも実行せずに現状を維持する。
【0105】
ところで、ステップ100で肯定判定されたときには、濃度A、B、Cの総和が大きくなっており、ここから、DMAが高いと判断される。これにより、図6(A)及び図(6)Bに示すように、処置1〜処置4では、トナーバンドを作成するように設定されている。
【0106】
レーザープリンタ10では、トナーバンドの作成が実行されることにより、トナーが強制的に消費されるので、トナー濃度が高くなることによるゴーストの発生を抑えることができる。すなわち、トナー量が起因するゴーストの発生を抑えるこることができる。なお、ステップ100で否定判定されることにより、設定される処置4〜8では、DMAが高いと判断されないので、トナーバンドの作成は実行されない。これにより、不必要にトナーバンドを作成することにより、トナーの消費量が増加して、レーザープリンタ10のランニングコストを低下させてしまうのを防止するようにしている。
【0107】
一方、第一のゴースト像92が発生していると判断されることにより、ステップ102又はステップ116で肯定判定され、処置1、2、5、6の何れかに設定される。
【0108】
処置1、2、5、6では、第一中間転写ロール34の印加電圧を、所定値(通常湿度下で+100V、高湿度下で+140V)だけ上昇させる。すなわち、第一中間転写ロール34への印加電圧をシフトするように設定する。
【0109】
これにより、感光体ドラム26と第一中間転写ロール34の間の転写効率が向上するので、感光体ドラム26にトナーが残るのを抑え、第一のゴースト像92が発生してしまうのを解消することができる。
【0110】
また、第二のゴースト像94が発生していると判断されることにより、ステップ104、106、118、120の何れかで肯定判定され、処置1、3、5、7の何れかに設定される。
【0111】
処置1、3、5、7では、第二中間転写ロール36の印加電圧を、所定値(通常湿度下で+120V、高湿度下で+180V)だけ上昇(シフト)させる。これにより、第一中間転写ロール34と第二中間転写ロール36の間の転写効率が向上するので、第一中間転写ロール34にトナーが残るのを抑え、第二のゴースト像94が発生してしまうのを解消することができる。
【0112】
なお、第一中間転写ロール34又は第二中間転写ロール36の印加電圧をシフトしたときには、例えば、次にゴースト検出及びゴースト解消処置を実行したときに、該当する症状が発生していなければ、標準値(Nominal)に設定されることになって、シフト状態が戻され、さらに、該当する症状が連続するときには、再度のシフトを行うか、メンテナンスを要求するようにエラー処理を行うようにすればよい。
【0113】
また、Y、M、C、Kの各色の間で、第一中間転写ロール34又は第二中間転写ロール36の印加電圧のシフトに対して、判断結果(設定された処置)が異なるときには、例えば、3色又は4色が印加電圧のシフトに設定されたときには、印加電圧のシフトを実行するなど、最も多い処置に設定を適用してもよく、その平均を適用してもよく、又は、これらを組み合わせた処置を設定するなどの任意の方法を適用することができる。
【0114】
一方、このようにしてゴースト解消を行ったときでも、例えば、連続して多数枚のプリント処理を実行することにより、ゴーストが再発したり、記録紙58に汚れなどの画像品質の低下が生じてしまうことがある。
【0115】
このような連続プリント処理時の問題は、ゴースト解消処置を実行しても生じる可能性があり、また、DMAが高いほど生じ易い。
【0116】
ここから、処置1〜処置7に設定されることにより、連続プリント枚数の制限値を低くする。このときの連続プリント枚数の制限値は、DMAが高かったときに、連続してプリント処理する枚数を低くするように、連続プリント枚数の制限値を小さくする。特に、高湿度下で、制限値が低くなるように設定する。
【0117】
これにより、連続プリントを実行したときに、ゴーストが発生したり、記録紙58にトナーが汚れとなって付着して、画像品質を低下させてしまうのを確実に防止することができる。なお、連続プリント枚数は、制限値が、移行の標準値(Nominal)に設定され、例えば、サービスマン等によってレーザープリンタ10に対する所定のメンテナンスが実行されるまで、緩和されないようにしている。
【0118】
このように、レーザープリンタ10では、第二中間転写ロール36に対向して配置した濃度センサ38を用いて、ゴーストが発生しているか否かを確認し、ゴーストが発生していると判断されるときには、その原因を断つように設定している処置を実行する。
【0119】
これにより、ゴーストの発生を確実に防止することができる。
【0120】
このときに、感光体ドラム26、第一中間転写ロール34及び第二中間転写ロール36からトナーを除去するためのクリーニング手段として、クリーニングブレードやクリーニングブラシを設け、クリーニングブレードやクリーニングブラシを感光体ドラム26、第一中間転写ドラム34及び第二中間転写ドラム36の周面に直接接触させることがないので、感光体ドラム26、第一中間転写ロール34及び第二中間転写ロール36のそれぞれに寿命低下を生じさせてしまうことがない。
【0121】
なお、以上説明した本実施の形態は、本発明の構成を限定するものではない。例えば、本実施の形態では、濃度A、B、Cの総和及び濃度Aに対する濃度B及び濃度Cの比のしきい値X、Y、Zをそれぞれ一つにして、ゴーストの発生の有無を判断するようにしたが、しきい値X、Y、Zのそれぞれを複数段階に設定して、ゴーストのレベルを含めて判定すると共に、判定レベルに基づいて解消処置を設定するようにしても良い。
【0122】
また、本実施の形態では、第二中間転写ローラ36に形成されるトナー像の濃度を濃度センサ38によって検出するようにしたが、記録紙58に形成したゴースト検出パッチと、各ゴースト像の濃度を測定するようにしても良い。
【0123】
また、本実施の形態では、湿度センサ86を用いて、環境湿度に応じて解消処置が設定されるようにしたが、環境湿度のみでなく、環境温度を検出して、検出温度に応じて解消処置を設定するものであっても良い。
【0124】
さらに、本実施の形態では、画像形成装置としてレーザープリンタ10を例に説明したが、本発明は、電子写真プロセスを用いて画像を形成する任意の構成の画像形成装置に適用することができる。
【0125】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、濃度測定手段によって測定した画像濃度に基づいて、ゴーストの発生原因を特定し、特定した原因が解消されるように処置を設定するので、ブラシやブレード等を用いることなく、ゴーストを的確に解消することができるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態に適用したレーザープリンタの概略構成図である。
【図2】 レーザープリンタの要部の概略構成図である。
【図3】 電圧印加と濃度測定の概略を示すブロック図である。
【図4】 各色の感光体ドラムから最終転写位置までのロール配列の概略図である。
【図5】 中間転写ロールに形成されるゴースト検出パッチの正像とゴースト像を示す概略図である。
【図6】 (A)及び(B)は濃度の測定結果に基づいた処置の概略を示す図表であり、(A)通常湿度下の設定を示し、(B)は高湿度下の設定を示している。
【図7】 ゴースト検出とゴースト解消処置の一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
10 レーザープリンタ(画像形成装置)
24 露光装置(露光手段)
26(26Y、26M、26C、26K) 感光体ドラム(感光体)
30(30Y、30M、30C、30K) 現像器(現像手段)
34(34A、34B) 第一中間転写ロール(中間転写体)
36 第二中間転写ロール(中間転写体)
38 濃度センサ(濃度測定手段)
56 最終転写ロール
58 記録紙
80 電位制御部
82 コントローラ(測定制御手段、判定手段、解消手段)
84 濃度測定部
86 湿度センサ(環境条件検出手段)
Claims (6)
- 感光体に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像に応じたトナー像を前記感光体に形成する現像手段と、を備え、前記感光体に形成したトナー像を中間転写体へ転写した後、最終転写位置で記録媒体へ転写する画像形成装置であって、
前記中間転写体に転写されたトナー像又は前記記録媒体に転写されたトナー像の画像濃度を測定する濃度測定手段と、
前記濃度測定手段を用いて、予めゴースト検出用に設定されているゴースト検出パッチの正像の画像濃度と、少なくとも前記感光体上の残留トナーにより形成されるトナー像の画像濃度とを測定し、測定した前記正像の画像濃度と前記残留トナーによるトナー像の画像濃度との和に基づいてゴーストが発生しているか否かの判定を行なうと共に、前記正像の画像濃度に対する前記残留トナーによるトナー像の画像濃度の比に基づいてゴーストが発生しているか否かの判定を行なう判定手段と、
前記画像濃度の和に基づいてゴーストが発生していると判定されている場合に、トナーバンドが作成されるように設定し、前記画像濃度の比に基づいてゴーストが発生していると判定されている場合に、前記感光体から前記中間転写体へのトナーの転写効率が高くなるように前記中間転写体へ印加する転写電圧を設定する設定手段と、
を含む画像形成装置。 - 前記中間転写体として、それぞれが2色分ずつの前記感光体に接触して2色分のトナー像が転写される第一中間転写体と、前記第一中間転写体のそれぞれに接触して第一中間転写体から2色分ずつのトナー像が転写されることにより4色分のトナー像が転写され、該トナー像が前記最終転写位置で前記記録媒体に転写される第二中間転写体と、を含み、
前記判定手段が、前記濃度測定手段により前記第二中間転写体上で、前記正像の画像濃度、前記感光体上の残留トナーによる第一トナー像の画像濃度及び、前記第一中間転写体上の残留トナーによる第二トナー像の画像濃度を測定し、前記画像濃度の和として、前記正像の画像濃度と前記第一トナー像の画像濃度と前記第二トナー像の画像濃度との総和を用いてゴーストが発生しているか否かを判定する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記判定手段が、前記画像濃度の比として、前記正像に対する前記第一トナー像の画像濃度の比及び、前記正像の画像濃度の対する前記第二トナー像の画像濃度の比を用いてゴーストが発生しているか否かを判定する、
請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記中間転写体として、それぞれが2色分ずつの前記感光体に接触して2色分のトナー像が転写される第一中間転写体と、前記第一中間転写体のそれぞれに接触して第一中間転写体から2色分ずつのトナー像が転写されることにより4色分のトナー像が転写され、該トナー像が前記最終転写位置で前記記録媒体に転写される第二中間転写体と、を含み、
前記判定手段が、前記濃度測定手段により前記第二中間転写体上で、前記正像の画像濃度、前記感光体上の残留トナーによる第一トナー像の画像濃度及び、前記第一中間転写体上の残留トナーによる第二トナー像の画像濃度を測定し、
前記画像濃度の比として、前記正像に対する前記第一トナー像の画像濃度の比及び、前記正像の画像濃度に対する前記第二トナー像の画像濃度の比を用いてゴーストが発生しているか否かを判定する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記判定手段が、前記画像濃度の和として、前記正像の画像濃度と前記第一トナー像の画像濃度と前記第二トナー像の画像濃度との総和を用いてゴーストが発生しているか否かを判定する、
請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記設定手段が、前記正像の画像濃度に対する前記第一トナー像の画像濃度の比からゴーストが発生していると判定されている場合に、前記感光体から前記第一中間転写体へのトナーの転写効率が高くなるように前記第一中間転写体へ印加する転写電圧を設定し、
前記正像の画像濃度に対する前記第二トナー像の画像濃度の比からゴーストが発生していると判定されている場合に、前記第一中間転写体から前記第二中間転写体へのトナーの転写効率が高くなるように第二中間転写体へ印加する転写電圧を設定する、
請求項3から請求項5の何れか1項に記載の画像形成装置。
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