JP5423203B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機などの電子写真方式を利用した画像形成装置に関するものである。特に、回転駆動される中間転写ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、各感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトに順々に転写させるようにした画像形成装置や、回転駆動される搬送ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、上記の搬送ベルトによって記録媒体を搬送させると共に、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、対応する各感光体の表面に形成されたトナー像を上記の搬送ベルトによって搬送される記録媒体に順々に転写させるようにした画像形成装置において、一つの転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を適切に設定できるようにした点に特徴を有するものである。
複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機などの電子写真方式を利用した画像形成装置の一つとして、近年、フルカラーの画像形成を行う画像形成装置が広く利用されている。
そして、このようなフルカラーの画像形成を行う画像形成装置としては、例えば、回転駆動される中間転写ベルトを介して対向するようにして各色彩のトナー像が形成される複数の感光体と複数の転写部材とを設け、上記の各転写部材に転写バイアス電圧を印加させて、各感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトに順々に転写させ、この中間転写ベルトにフルカラーのトナー像を形成し、このトナー像を中間転写ベルトから記録紙等の記録媒体に転写させるようにしたものが用いられている。また、回転駆動される搬送ベルトを介して対向するようにして上記のような複数の感光体と複数の転写部材とを設け、上記の搬送ベルトによって記録媒体を搬送させると共に、複数の転写部材に転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、対応する各感光体の表面に形成されたトナー像を搬送ベルトによって搬送される記録媒体に順々に転写させるようにしたものが用いられている。
ここで、上記のように各転写部材にそれぞれ転写バイアス電圧を印加させて、各感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトや搬送ベルトによって搬送される記録媒体に順々に転写させるにあたり、従来においては、特許文献1,2に示されるように、各転写部材に対応させてそれぞれ転写バイアス電源を設け、各転写バイアス電源からそれぞれの転写部材に印加させる転写バイアス電圧の適正値を求め、それぞれの転写部材に適切な転写バイアス電圧を印加させるようにしたものが提案されている。
しかし、このように各転写部材に対応させてそれぞれ転写バイアス電源を設けるようにした場合、複数の転写バイアス電源が必要になってコストが高くつくと共に、設置スペースも必要になって装置が大型化するという問題があった。さらに、各転写バイアス電源からそれぞれの転写部材に印加させる転写バイアス電圧の適正値を求めて、それぞれの転写部材に適切な転写バイアス電圧を印加させる制御も非常に面倒になるという問題があった。
このため、従来においては、図1に示すように、複数の感光体11a〜11dと回転駆動される中間転写ベルト21を介して対向するように設けられた複数の転写部材23a〜23dに対して、一つの転写バイアス電源24に設けられた定電圧回路24aから所定の転写バイアス電圧を印加させるようにしたものも提案されている。
ここで、このように一つの転写バイアス電源24における定電圧回路24aから複数の転写部材23a〜23dに対して印加させる転写バイアス電圧を決定するにあたっては、一般に、上記の各感光体11a〜11dと中間転写ベルト21を介して対向する各転写部材23a〜23dに対して、上記の転写バイアス電源24に設けた定電流回路24bから所定電流を出力し、中間転写ベルト21を介して対向する各感光体11a〜11dと各転写部材23a〜23dとの間における電圧値に基づいて、インピーダンス検出手段30により中間転写ベルト21を介して対向する各感光体11a〜11dと各転写部材3a〜3dとの間のインピーダンスを検出する。そして、このように検出されたインピーダンスに基づいて、転写バイアス電圧決定手段40により、転写バイアス電源4における定電圧回路24aから各転写部材23a〜23dに印加させる転写バイアス電圧を決定するようにしている。
ここで、上記の中間転写ベルト21においては、一般に、製造時における導電剤の分散ムラなどにより、中間転写ベルト21の各位置における抵抗にムラが存在している。
しかし、上記のようにして中間転写ベルト21を介して対向する各感光体11a〜11dと各転写部材23a〜23dとの各位置においてインピーダンスを測定するようにした場合、中間転写ベルト21の各位置における抵抗が一緒に検出されてしまい、中間転写ベルト21の各位置における抵抗値を適切に検出することができなかった。
このため、上記のようにして検出した結果に基づいて決定した転写バイアス電圧を、転写バイアス電源4から各転写部材23a〜23dに印加させて転写を行うようにした場合、例えば、中間転写ベルト21の抵抗値が低い部分においては、感光体11a〜11dと転写部材23a〜23dとの間に過剰の転写電流が流れてしまい、中間転写ベルト21へのトナー像の転写にムラが生じて、形成される画像に濃度ムラが発生するという問題があった。
特開平11−202651号公報 特開平11−288180号公報
本発明は、回転駆動される中間転写ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、各感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトに順々に転写させるようにした画像形成装置や、回転駆動される搬送ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、上記の搬送ベルトによって記録媒体を搬送させると共に、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、対応する各感光体の表面に形成されたトナー像を上記の搬送ベルトによって搬送される記録媒体に順々に転写させるようにした画像形成装置において、上記の中間転写ベルトや搬送ベルトの各位置における抵抗値を適切に検出して、一つの転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を適切に設定できるようにした点に特徴を有するものである。
本発明の第1の画像形成装置においては、上記のような課題を解決するため、回転駆動される中間転写ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、対応する各感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトに転写させる画像形成装置において、上記の中間転写ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、このインピーダンス検出手段によって検出されたインピーダンスに基づいて上記の転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を決定する転写バイアス電圧決定手段を設けた。
そして、この第1の画像形成装置においては、上記の中間転写ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で、感光体と転写部材との間のインピーダンスをインピーダンス検出手段によって検出するにあたり、中間転写ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくする第1の手段として、上記の一つの感光体の表面電位を他の感光体の表面電位より高くするようにした。また、中間転写ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくする第2の手段として、上記の一つの感光体の表面にトナーを保持させずに、他の感光体の表面にトナーを保持させるようにした。
また、本発明の第2の画像形成装置においては、回転駆動される搬送ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、上記の搬送ベルトによって記録媒体を搬送させると共に、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、対応する各感光体の表面に形成されたトナー像を上記の搬送ベルトによって搬送される記録媒体に転写させる画像形成装置において、上記の搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、このインピーダンス検出手段によって検出されたインピーダンスに基づいて上記の転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を決定する転写バイアス電圧決定手段を設けた。
そして、この第2の画像形成装置においては、上記の搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で、感光体と転写部材との間のインピーダンスをインピーダンス検出手段によって検出するにあたり、搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくする第1の手段として、上記の一つの感光体の表面電位を他の感光体の表面電位より高くするようにした。また、搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくする第2の手段として、上記の一つの感光体の表面にトナーを保持させずに、他の感光体の表面にトナーを保持させるようにした。
本発明の第1及び第2の画像形成装置のように、中間転写ベルト又は搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくして、インピーダンス検出手段によって感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出すると、中間転写ベルト又は搬送ベルトを介して対向する感光体と転写部材との間のインピーダンスとしては、主として流れる電流が大きくなった一つの感光体と転写部材との間におけるインピーダンスが検出されるようになる。このため、中間転写ベルトや搬送ベルトの各位置における抵抗にムラが存在していても、中間転写ベルトや搬送ベルトの各位置における抵抗値の変化に対応したインピーダンスが、上記のように流れる電流が大きくなった一つの感光体と転写部材との間において適切に検出されるようになる。
そして、このようにインピーダンス検出手段により中間転写ベルト又は搬送ベルトの抵抗値の変化に対応して適切に検出されたインピーダンスに基づき、上記の転写バイアス電圧決定手段により転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を決定すると、中間転写ベルトや搬送ベルトに抵抗ムラがある場合においても、一つの転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を適切に設定できるようになる。例えば、上記の転写バイアス電源から各転写部材に、中間転写ベルトや搬送ベルトにおいて抵抗値が低い部分に対応した転写バイアス電圧を印加させるようにすると、各感光体と各転写部材との間に過剰の転写電流が流れるのが防止され、中間転写ベルトや搬送ベルトによって搬送される記録媒体にトナー像を転写させる際における転写ムラが抑制され、濃度ムラのない良好な画像が得られるようになる。
また、第1及び第2の画像形成装置においては、中間転写ベルト又は搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくして、インピーダンス検出手段によって感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出するにあたり、上記の中間転写ベルト又は搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流だけを大きくするにあたっては、前記のように一つの感光体の表面電位を他の感光体の表面電位より高くし、或いは一つの感光体の表面にトナーを保持させずに、他の感光体の表面にトナーを保持させるようにしたため、他の感光体と転写部材とを中間転写ベルトや搬送ベルトから離隔させたりする操作を行う必要もなくなる。
従来の画像形成装置において、中間ベルトを介して対向する各感光体と各転写部材との間のインピーダンスを検出する状態を示した概略説明図である。 本発明の実施形態1に係る画像形成装置を示した概略説明図である。 実施形態1の画像形成装置において、中間転写ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で、感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出して転写バイアス電源から各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を決定する状態を示した部分説明図である。 本発明の実施形態2に係る画像形成装置において、回転移動される搬送ベルトにより搬送される記録媒体に、各感光体に形成されたトナー像を転写させる状態を示した部分説明図である。 実施形態2の画像形成装置において、搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で、感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出して転写バイアス電源から各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を決定する状態を示した部分説明図である。 実施形態1,2の画像形成装置において、中間転写ベルトや搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくするにあたり、一つの感光体の表面電位を他の感光体の表面電位より高くした状態を示した部分説明図である。 実施形態1,2の画像形成装置において、中間転写ベルトや搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくするにあたり、一つの感光体の表面電位を他の感光体の表面電位より高くすると共に、他の感光体の表面にトナーを保持させるようにした状態を示した部分説明図である。 実施例1〜3及び比較例1において使用したベルトの抵抗値の変化状態を示した図である。 実施例1において、インピーダンス検出手段により測定されたATVC検出電圧の変化を示した図である。 実施例2において、インピーダンス検出手段により測定されたATVC検出電圧の変化を示した図である。 実施例3において、インピーダンス検出手段により測定されたATVC検出電圧の変化を示した図である。 比較例1において、インピーダンス検出手段により測定されたATVC検出電圧の変化を示した図である。
次に、この発明の実施形態に係る画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施形態1)
実施形態1の画像形成装置においては、図2に示すように、その装置本体1内に、4つのイメージングカートリッジ10A〜10Dを装着させるようにしている。
ここで、上記の各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおいては、それぞれドラム状の感光体11a〜11dを回転可能に設けると共に、この感光体11a〜11dの表面に接触して感光体11a〜11dの表面を帯電させる帯電装置12と、帯電された感光体11a〜11dの表面に画像情報に応じた露光を行って感光体11a〜11dの表面に静電潜像を形成する露光装置13と、感光体11a〜11dの表面に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置14と、感光体11a〜11dの表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト21に転写させた後の感光体11a〜11dの表面を除電させる除電装置15と、転写後の感光体11a〜11dの表面に残留するトナー等の残留物を除去する第1クリーニング装置16とを設けている。
また、上記の各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおける各現像装置14においては、黒色,黄色,マゼンダ色,シアン色の異なった色彩のトナーを収容させている。
ここで、この実施形態に係る画像形成装置において、フルカラーの画像形成を行うにあたっては、上記の各イメージングカートリッジ10A〜10Dにおける各感光体11a〜11dの表面をそれぞれ帯電装置12によって帯電させ、このように帯電された各感光体11a〜11dの表面にそれぞれ露光装置13により画像情報に応じた露光を行って、各感光体11a〜11dの表面に静電潜像を形成するようにしている。
そして、このように静電潜像が形成された各感光体11a〜11dに対して、それぞれ対応する現像装置14からそれぞれの色彩のトナーを供給し、各感光体11a〜11dの表面に、それぞれの色彩のトナー像を形成するようにしている。
次いで、上記のように各色彩のトナー像が形成された各感光体11a〜11dの表面に、回転ローラ22に架け渡されて回転移動される中間転写ベルト21を接触させ、この中間転写ベルト21を介して上記の各感光体11a〜11dと対向するように設けられたローラ状の各転写部材23a〜23dに、一つの転写バイアス電源24から適当な転写バイアス電圧を印加させて、各感光体11a〜11dの表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト21に順々に転写させ、この中間転写ベルト21の表面にフルカラーのトナー像を形成するようにしている。
そして、このようにフルカラーのトナー像を中間転写ベルト21に転写させた後における各感光体11の表面をそれぞれ除電装置15によって除電させると共に、各感光体11の表面に残留するトナー等の残留物を、それぞれ第1クリーニング装置16によって各感光体11の表面から除去するようにしている。
一方、上記のように中間転写ベルト21の表面に形成されたフルカラーのトナー像を、上記の回転ローラ22と2次転写ローラ2とが対向する転写部に導くと共に、記録媒体Sを給紙ローラ3により給紙し、この記録媒体Sをタイミングローラ4によって適当なタイミングで上記の回転ローラ22と2次転写ローラ2とが対向する転写部に導き、中間転写ベルト21の表面におけるフルカラーのトナー像を記録媒体Sに転写させるようにしている。
次いで、このようにフルカラーのトナー像が転写された記録媒体Sを一対の定着ローラ6,6が設けられた定着部に導き、この一対の定着ローラ6,6間において、上記のフルカラーのトナー像を記録媒体Sに定着させた後、この記録媒体Sを排紙ローラ7により排紙させるようにしている。
また、上記のように中間転写ベルト21の表面に形成されたフルカラーのトナー像を記録媒体Sに転写させた後、この中間転写ベルト21の表面に残ったトナー等の残留物を第2クリーニング装置8により中間転写ベルト21から除去するようにしている。
ここで、この実施形態の画像形成装置においては、上記の転写バイアス電源24から各転写部材23a〜23dに印加させる転写バイアス電圧を決定するにあたり、図3に示すように、上記の転写バイアス電源24に設けられた定電流回路24bから各転写部材23a〜23dに対して所定電流Itを出力し、中間転写ベルト21を介して対向する一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idより大きくした状態で、中間転写ベルト21を介して対向する感光体11a〜11dと転写部材23a〜23dとの間における電圧値をインピーダンス検出手段30により測定して、中間転写ベルト21の抵抗値を検出するようにしている。
ここで、一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idより大きくした状態で、インピーダンス検出手段30により中間転写ベルト21を介して対向する感光体11a〜11dと転写部材23a〜23dとの間における電圧値を測定してインピーダンスを検出するようにした場合、このインピーダンスとしては、大きな電流Iaが流れる一つの感光体11aと転写部材23aとの間におけるインピーダンスが大きな比率を占めるようになる。この結果、この一つの感光体11aと転写部材23aとの間における中間転写ベルト21の抵抗値を適切に検出して、中間転写ベルト21の各位置における抵抗値の変化を適切に検出できるようになる。
そして、上記のようにインピーダンス検出手段30により検出されたインピーダンスを転写バイアス電圧決定手段40に出力し、このインピーダンスに基づいて転写バイアス電圧決定手段40により転写バイアス電圧を決定すると、中間転写ベルト21の各位置における抵抗値を考慮した適切な転写バイアス電圧を決定できるようになる。
そして、このように決定された転写バイアス電圧を上記の転写バイアス電源24から上記の各転写部材23a〜23dに印加させて、各感光体11a〜11dの表面に形成された各トナー像を、中間転写ベルト21に順々に転写させるようにすると、中間転写ベルト21の抵抗値が低い部分において、各感光体11a〜11dと各転写部材23a〜23dとの間に過剰の転写電流が流れるのが防止され、中間転写ベルト21へのトナー像の転写にムラが生じるのが防止され、濃度ムラのない良好な画像が得られるようになる。
(実施形態2)
実施形態2の画像形成装置においては、図4に示すように、上記の実施形態1の中間転写ベルト21に代えて、搬送ベルト25を回転駆動させるようにしている。
そして、この実施形態の画像形成装置においては、上記の搬送ベルト25によって記録媒体Sを、各色彩のトナー像が形成された各感光体11a〜11dの表面に接触するようにして、各感光体11a〜11dと各転写部材23a〜23dとの間に導き、各転写部材23a〜23dに一つの転写バイアス電源24から適当な転写バイアス電圧を印加させて、各感光体11a〜11dの表面に形成されたトナー像を記録媒体Sの上に順々に転写させ、この記録媒体Sの表面にフルカラーのトナー像を転写させるようにしている。
ここで、この実施形態の画像形成装置において、上記の転写バイアス電源24から各転写部材23a〜23dに印加させる転写バイアス電圧を決定するにあたっては、図5に示すように、上記の転写バイアス電源24における定電流回路24bから各転写部材23a〜23dに対して所定電流Itを出力し、搬送ベルト25を介して対向する一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idより大きくした状態で、搬送ベルト25を介して対向する感光体11a〜11dと転写部材23a〜23dとの間における電圧値をインピーダンス検出手段30により測定して、搬送ベルト25の抵抗値を検出するようにしている。
ここで、上記のように一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idより大きくした状態で、インピーダンス検出手段30により搬送ベルト25を介して対向する感光体11a〜11dと転写部材23a〜23dとの間における電圧値を測定してインピーダンスを検出すると、上記の実施形態1の場合と同様に、大きな電流Iaが流れる一つの感光体11aと転写部材23aとの間におけるインピーダンスが大きな比率を占めるようになる。この結果、この一つの感光体11aと転写部材23aとの間における搬送ベルト25の抵抗値を適切に検出して、搬送ベルト25の各位置における抵抗値の変化を適切に検出できるようになる。
そして、上記のようにインピーダンス検出手段30により検出されたインピーダンスを転写バイアス電圧決定手段40に出力し、このインピーダンスに基づいて転写バイアス電圧決定手段40により転写バイアス電圧を決定すると、搬送ベルト25の各位置における抵抗値を考慮した適切な転写バイアス電圧を決定できるようになる。
そして、このように決定された転写バイアス電圧を上記の転写バイアス電源24から上記の各転写部材23a〜23dに印加させて、各感光体11a〜11dの表面に形成された各トナー像を、搬送ベルト25によって搬送される記録媒体Sに順々に転写させるようにすると、搬送ベルト25の抵抗値が低い部分において、各感光体11a〜11dと各転写部材23a〜23dとの間に過剰の転写電流が流れるのが防止され、記録媒体Sへのトナー像の転写にムラが生じるのが防止され、濃度ムラのない良好な画像が得られるようになる。
ここで、この実施形態1,2の画像形成装置において、上記のように転写バイアス電源24に設けられた定電流回路24bから各転写部材23a〜23dに対して所定電流Itを出力し、中間転写ベルト21や搬送ベルト25を介して対向する一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idより大きくするにあたっては、例えば、図6に示すように、一つの感光体11aだけを帯電装置12によって帯電させ、この一つの感光体11aの表面電位|Va|を他の感光体11b〜11dの表面電位|Vb|,|Vc|,|Vd|より高くして、この一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idより大きくすることができる。
また、図7に示すように、各感光体11a〜11dを帯電装置12によって帯電させた後、一つの感光体11aに対しては露光装置13による露光を行わずにトナーtを供給させないようにする一方、他の感光体23b〜23dに対して露光装置13による露光を行い、他の感光体23b〜23dの表面電位|Vb|,|Vc|,|Vd|を低下させて、一つの感光体11aの表面電位|Va|よりも低くすると共に、このように表面電位|Vb|,|Vc|,|Vd|が低下した他の感光体23b〜23dの表面にトナーtを保持させてトナーtを介在させるようにし、一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idより大きくすることができる。なお、このように他の感光体23b〜23dに対してトナーtを保持させてトナーtを介在させるようにした場合、帯電しているトナーの転写効率が低い電流−電圧値に設定することが好ましい。
また、上記のようにして一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idより大きくするにあたり、電流Iaと電流Ib〜Idとの差をさらに大きくするため、帯電装置12に印加させる電圧をさらに高くして、一つの感光体11aの表面電位|Va|をさらに高くすることもできる。
次に、1回転におけるベルトの抵抗値が図8に示すように変化したベルト21,25を用い、上記の転写バイアス電源24における定電流回路24bから各転写部材23a〜23dに対して出力する上記の所定電流Itを26μAにして、各感光体11a〜11dと各転写部材23a〜23dとの間に流れる電流Ia〜Idを変更させ、上記のインピーダンス検出手段30により測定されたATVC検出電圧の変化を調べた。
ここで、実施例1においては、図6に示すように、一つの感光体11aだけを帯電装置12によって帯電させるようにし、一つの感光体11aの表面電位|Va|を400V、他の感光体11b〜11dの表面電位|Vb|,|Vc|,|Vd|を50Vにした。この場合、上記のベルト21,25を介して対向する一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaは11μAであり、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idは何れも5μAであった。
そして、この実施例1において、上記のインピーダンス検出手段30により測定されたATVC検出電圧の変化を図9に示した。
また、実施例2においては、図7に示すように、一つの感光体11aに対しては露光装置13による露光を行わず、他の感光体23b〜23dに対して露光装置13による露光を行い、他の感光体23b〜23dの|Vb|,|Vc|,|Vd|を低下させると共に、他の感光体23b〜23dの表面にトナーtを保持させるようにした。このようにした場合、一つの感光体11aの表面電位|Va|は400V、他の感光体11b〜11dの表面電位|Vb|,|Vc|,|Vd|は100Vであり、他の感光体23b〜23dとベルト21,25との間にトナーtが介在された状態になっていた。また、この場合においては、上記のベルト21,25を介して対向する一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaは14μAであり、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idは何れも4μAであった。
そして、この実施例2において、上記のインピーダンス検出手段30により測定されたATVC検出電圧の変化を図10に示した。
また、実施例3においては、上記の実施例2と同様に、一つの感光体11aに対して露光装置13による露光を行わず、他の感光体23b〜23dに対しては露光装置13による露光を行い、他の感光体23b〜23dの表面にトナーtを保持させると共に、前記の帯電装置12に印加させる電圧を大きくして一つの感光体11aの表面電位|Va|をさらに高くした。このようにした場合、一つの感光体11aの表面電位|Va|は800V、他の感光体11b〜11dの表面電位|Vb|,|Vc|,|Vd|は100Vであり、他の感光体23b〜23dとベルト21,25との間にトナーtを介在された状態になっていた。また、この場合においては、上記のベルト21,25を介して対向する一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaは20μAであり、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idは何れも2μAであった。
そして、この実施例3において、上記のインピーダンス検出手段30により測定されたATVC検出電圧の変化を図11に示した。
また、比較例1においては、上記の図6において、各感光体11a〜11dを帯電装置12によって帯電させ、各感光体11a〜11dの表面電位|Va|〜|Vd|を何れも400Vにした。この場合、ベルト21,25を介して対向する一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Ia〜Idは何れも6.5μAであった。
そして、この比較例1において、上記のインピーダンス検出手段30により測定されたATVC検出電圧の変化を図12に示した。
この結果は、比較例1のものにおいては、ATVC検出電圧の変化が小さくなっており、図8に示したベルト21,25の抵抗値の変化を適切に検出することはできなかった。
これに対して、ベルト21,25を介して対向する一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idより大きくした実施例1〜3のものにおいては、図8に示したベルト21,25の抵抗値の変化に対応して、ATVC検出電圧が変化しており、ベルト21,25の抵抗値の変化を適切に検出することができた。また、一つの感光体11aと転写部材23aとの間に流れる電流Iaを大きくして、他の感光体23b〜23dと転写部材23b〜23dとの間に流れる電流Ib〜Idとの差を大きくするに従って、ATVC検出電圧の変化が、よりベルト21,25の抵抗値の変化に近づき、実施例3のものにおいては、ATVC検出電圧の変化が、ベルト21,25の抵抗値の変化に非常に近くなっていた。
1 装置本体
2 2次転写ローラ
3 給紙ローラ
4 タイミングローラ
6 定着装置
7 排紙ローラ
8 第2クリーニング装置
10A〜10D イメージングカートリッジ
11a〜11d 感光体
12 帯電装置
13 露光装置
14 現像装置
15 除電装置
16 第1クリーニング装置
21 中間転写ベルト
22 回転ローラ
23a〜23d 転写部材
24 転写バイアス電源
24a 定電圧回路
24b 定電流回路
25 搬送ベルト
30 インピーダンス検出手段
40 転写バイアス電圧決定手段
S 記録媒体
t トナー
It 転写バイアス電源に設けられた定電流回路から出力される電流
Ia〜Id 感光体と転写部材との間に流れる電流
|Va|〜|Vd| 感光体の表面電位

Claims (4)

  1. 回転駆動される中間転写ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、対応する各感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトに転写させる画像形成装置において、上記の一つの感光体の表面電位を他の感光体の表面電位より高くすることにより、上記の中間転写ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、このインピーダンス検出手段によって検出されたインピーダンスに基づいて上記の転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を決定する転写バイアス電圧決定手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 回転駆動される中間転写ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、対応する各感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトに転写させる画像形成装置において、上記の一つの感光体の表面にトナーを保持させずに、他の感光体の表面にトナーを保持させることにより、上記の中間転写ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で、感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、このインピーダンス検出手段によって検出されたインピーダンスに基づいて上記の転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を決定する転写バイアス電圧決定手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 回転駆動される搬送ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、上記の搬送ベルトによって記録媒体を搬送させると共に、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、対応する各感光体の表面に形成されたトナー像を上記の搬送ベルトによって搬送される記録媒体に転写させる画像形成装置において、上記の一つの感光体の表面電位を他の感光体の表面電位より高くすることにより、上記の搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で、感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、このインピーダンス検出手段によって検出されたインピーダンスに基づいて上記の転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を決定する転写バイアス電圧決定手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 回転駆動される搬送ベルトを介して対向するように複数の感光体と複数の転写部材とが設けられ、上記の搬送ベルトによって記録媒体を搬送させると共に、複数の転写部材に一つの転写バイアス電源から転写バイアス電圧を印加させて、対応する各感光体の表面に形成されたトナー像を上記の搬送ベルトによって搬送される記録媒体に転写させる画像形成装置において、上記の一つの感光体の表面にトナーを保持させずに、他の感光体の表面にトナーを保持させることにより、上記の搬送ベルトを介して対向する一つの感光体と転写部材との間に流れる電流を他の感光体と転写部材との間に流れる電流より大きくした状態で、感光体と転写部材との間のインピーダンスを検出するインピーダンス検出手段と、このインピーダンス検出手段によって検出されたインピーダンスに基づいて上記の転写バイアス電源から上記の各転写部材に印加させる転写バイアス電圧を決定する転写バイアス電圧決定手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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