JP5006510B2 - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に関し、詳しくは、厚みの薄いセラミック層と内部回路要素膜が積層された積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、多層回路基板などの積層セラミック電子部品の製造方法に関する。
近年、積層セラミック電子部品の小型化、高性能化に伴って、積層セラミック電子部品の製造に用いられるセラミックグリーンシートの薄層化、多層化が進んでいる。
図5は、積層セラミック電子部品の代表的なものの1つである積層セラミックコンデンサの構造を模式的に示す図である。この積層セラミックコンデンサは、図5に示すように、セラミック素子51中に、複数の内部電極52a,52bがセラミック層53を介して積層され、かつ、セラミック層53を介して互いに対向する内部電極52a,52bが交互にセラミック素子51の逆側の端面54a,54bに引き出されて、該端面に形成された外部電極55a,55bに接続された構造を有している。
ところで、上述のような積層セラミックコンデンサにおいては、セラミックグリーンシートや内部電極の薄層化・多層化により小型化・大容量化を図ることが可能になるが、セラミックグリーシートの多層化に伴う内部電極(内部回路要素膜)の多層化によって、内部電極(内部回路要素膜)が形成されている部分と形成されていない部分の、内部電極(内部回路要素膜)の厚みに起因する段差が累積され、積層体のデラミネーションの原因となったり、積層工程におけるプレス時に蓄積される応力が焼成時にクラックを引き起こす原因になったりするという問題点がある。
このような問題点は、セラミックグリーンシートの膜厚が例えば10μm前後と厚い場合は、セラミックグリーンシートの流動、変形により吸収、緩和されていたが、セラミックグリーンシートの厚みが例えば3μm以下と薄膜化した近年において顕在化するに至っている。
そこでこのような問題点を解決するために、内部電極(内部回路要素膜)の形成されていない部分に、セラミックペーストを付与することにより、このような段差を軽減する手法が一般的に知られている。しかしながら、セラミックペーストを付与する際に、セラミックペーストが内部電極(内部回路要素膜)の周縁部に乗り上げた場合には、かえって段差が増大することになる。また、セラミックペーストと内部電極(内部回路要素膜)との間にギャップが形成された場合にもデラミネーションやクラックなどの構造欠陥の原因になるという問題点がある。
そのため、図6に示すように、セラミックグリーンシート61の主面上の一部領域に導電ペースト62を所定のパターンで印刷して、周縁部においてセラミックグリーンシート61の主面に対して鋭角をもつ傾斜面63を有する内部電極(内部回路要素膜)64,64を形成し、その周縁部に重なるようにセラミックペースト65を付与する方法が提案されている(特許文献1参照)。
この方法によれば、セラミックペースト65の付与位置にずれが生じ、セラミックペースト65が内部電極(内部回路要素膜)64に乗り上げた場合にも、乗り上げた部分が、セラミックグリーンシート61の積層、圧着の工程で、内部電極64,64間に迅速に移動し、円滑にレベリングされることから、セラミックペーストが厚みの増大を防止することが可能になる。
また、図7に示すように、セラミックグリーンシート61の主面上の一部領域に導電ペースト62を所定のパターンで印刷することにより形成された内部電極(内部回路要素膜)64,64の周囲に、内部電極64,64よりも厚みが大きくなるようにセラミックペースト65を付与する方法も提案されている(特許文献2参照)。
この方法の場合には、セラミックペースト65を所定の範囲に制御することにより、セラミックペーストの過剰厚みにより積層体の厚みばらつきを抑制しつつ、内部電極の寸法精度を高めることが可能になるとされている。
しかし、上記特許文献1および特許文献2の方法を適用した場合にも、実際には、焼成後にデラミネーションやクラックなどの構造欠陥が発生しており、さらに信頼性の高い積層セラミック電子部品の製造方法が要求されているのが実情である。
特開2000−311831号公報 特開2004−152909号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、セラミック層と内部回路要素膜を積層、焼成する工程を経て製造される、積層セラミックコンデンサ、積層インダクタ、多層回路基板などの積層セラミック電子部品を、デラミネーションやクラックなどの構造欠陥を発生させることなく確実に製造することが可能な積層セラミック電子部品の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、上述の特許文献1および特許文献2の方法を用いた場合にも発生する、デラミネーションやクラックなどの構造欠陥の原因を調査、検討したところ、内部電極(内部回路要素膜)を形成する際や、セラミックペーストを付与する際に生じる、内部電極パターンやセラミックペーストパターンの周縁部などに形成される突起が原因であることがわかった。
すなわち、内部回路要素膜の形成やセラミックペーストの付与には、一般的にスクリーン印刷などの印刷手法が用いられるが、この印刷の際に印刷パターンの端縁部となる内部回路要素膜の周縁部およびセラミックペーストの端縁部に突起部分が形成され、特に、内部回路要素膜の突起部分とセラミックペーストの突起部分が重なった場合、非常に高い突起が形成されることになり、セラミックペーストの流動性だけでは吸収、緩和できず、デラミネーションやクラックなどの構造欠陥の原因となることがわかった。
発明者等は、かかる知見に基づき、さらに検討、実験を重ねて、本発明を完成するに至った。
本発明(請求項1)の積層セラミック電子部品の製造方法は、
厚みが2μm以下のセラミックグリーンシートの主面上の一部領域に、その厚みによる段差をもたらす状態で内部回路要素膜を、その周縁部全体において、その表面から突出する周縁突起部が形成され、かつ、周縁部全体が前記セラミックグリーンシートの主面に対して0.3度〜2.3度の角度の傾斜面となるように形成する工程と、
前記内部回路要素膜の周囲のセラミックグリーンシート上に、前記内部回路要素膜の突出した前記周縁部全体に直接重なるように、かつ、前記突起部の頂上を被覆し、かつ、前記内部回路要素膜の表面が露出するようにセラミックペーストを付与して、前記内部回路要素膜の厚みによる段差を低減するためのセラミックペースト層を形成する工程と、
前記セラミックペーストが付与された後の、前記内部回路要素膜の表面が露出した前記セラミックグリーンシートを積み重ねる工程と
を備える積層セラミック電子部品の製造方法であって、
前記セラミックペースト層を形成する工程において、前記セラミックペーストを、主要部の厚みが前記内部回路要素膜の厚みよりも薄く、かつ、前記内部回路要素膜の周縁部全体に形成された前記周縁突起部と重なるとともに、前記内部回路要素膜と前記セラミックペーストが重なった前記内部回路要素膜の周縁部全体において、前記内部回路要素膜表面から突出する突起部の高さが前記内部回路要素膜厚みの0.6倍以下となるような態様で付与すること
を特徴としている。
また、請求項2の積層セラミック電子部品の製造方法は、請求項1の積層セラミック電子部品の製造方法の構成において、前記内部回路要素膜の厚みが、1.5μm以下であることを特徴としている。
また、請求項3の積層セラミック電子部品の製造方法は、請求項1または2記載の積層セラミック電子部品の製造方法の構成において、前記内部回路要素膜を形成する方法および前記セラミックペーストを付与する方法として、スクリーン印刷法を用いることを特徴としている。
本発明(請求項1)の積層セラミック電子部品の製造方法は、内部回路要素膜の周囲に、内部回路要素膜の周縁部全体に直接重なるように、かつ、前記突起部の頂上を被覆し、かつ、前記内部回路要素膜の表面が露出するようにセラミックペーストを付与して、内部回路要素膜の厚みによる段差を低減するためのセラミックペースト層を形成する工程において、セラミックペーストを、主要部の厚みが内部回路要素膜の厚みよりも薄く、かつ、前記内部回路要素膜の周縁部全体に形成された前記周縁突起部と重なるとともに、内部回路要素膜とセラミックペーストが重なった内部回路要素膜の周縁部全体において、内部回路要素膜表面から突出する突起部の高さ(内部回路要素膜の表面からセラミックペーストの突起部の頂上までの距離)が内部回路要素膜厚みの0.6倍以下となるような態様で付与するようにしているので、セラミックペーストを付与する際にセラミックペーストの付与パターンの周縁部全体に形成される突起部が、デラミネーションやクラックなどの構造欠陥の原因になることを抑制、防止して、構造欠陥のない信頼性の高い積層セラミック電子部品を確実に製造することが可能になる。
すなわち、内部回路要素膜の外周縁部に形成された周縁突起部と重なるようにセラミックペーストを付与するとともに、内部回路要素膜の厚みに対して、内部回路要素膜の周縁部全体において、内部回路要素膜表面から突出する、セラミックペースト層の突起部の高さ(内部回路要素膜の表面から突起部の頂上までの距離)を規定することにより、セラミックペーストを付与する際に形成される上記突起部が構造欠陥の原因になること(特に、内部回路要素膜の突起部とセラミックペーストの突起部が重なった場合に、該突起部が構造欠陥の原因になること)を抑制、防止して、構造欠陥のない信頼性の高い積層セラミック電子部品を確実に製造することが可能になる。
なお、本発明において、「内部回路要素膜」とは、例えば、積層セラミックコンデンサにおいて誘電体層(セラミック層)を介して対向するように配設される容量形成用内部電極パターン、積層コイル部品におけるコイル形成用電極パターン、セラミック多層基板における内部回路パターンなどの種々の回路要素、電極要素などを含む広い概念である。
また、本発明において、前述したセラミックペーストを付与する工程において、「内部回路要素膜の周縁部全体に直接重なるように」とは、通常、セラミックグリーンシートの主面上の、内部回路要素膜の周縁部全体を意味するものであるが、例えば、積層セラミックコンデンサにおいて内部電極がセラミックグリーンシートの端部にまで引き出されている場合には、引き出された端縁を除いたセラミックグリーンシートの主面上に位置する内部回路要素膜の周縁部全体を意味する概念である。
また、本発明において、「前記内部回路要素膜と前記セラミックペーストが重なった前記内部回路要素膜の周縁部全体において、前記内部回路要素膜表面から突出する突起部の高さ」とは、図4に示すように、内部回路要素膜の前記周縁突起部を除いた領域における、内部回路要素膜の表面(上面)から、前記内部回路要素膜と前記セラミックペーストが重なった突出部までの垂直距離をいう。
なお、内部回路要素膜の周縁部全体の傾斜面は、セラミックグリーンシートの主面に対して0.3度〜2.3度の角度をもつように形成されることが好ましい。
また、請求項2の積層セラミック電子部品の製造方法のように、内部回路要素膜厚みが1.5μm以下である場合、セラミックペーストを付与する際に形成される突起部の高さにより、焼成後の構造欠陥の発生率が高くなりやすいが、かかる場合に本発明を適用することにより、構造欠陥の発生を抑制、防止して、構造欠陥のない信頼性の高い積層セラミック電子部品を確実に製造することが可能になる。
なお、本発明は、内部回路要素膜厚みが薄い場合に特に有意義であり、内部回路要素膜厚みが1μm未満の場合にはさらに有意義である。
また、請求項3の積層セラミック電子部品の製造方法のように、内部回路要素膜を形成する方法およびセラミックペーストを付与する方法として、スクリーン印刷法を用いた場合、内部回路要素膜やセラミックペースト層の周縁全体に突起部が発生しやすいが、本発明のように、内部回路要素膜の厚みに対して、内部回路要素膜表面から突出する、セラミックペースト層の突起部の高さ(内部回路要素膜の表面から突起部の頂上までの距離)を規定することにより、セラミックペーストを付与する際に形成される突起部が構造欠陥の原因になること(特に、内部回路要素膜の突起部とセラミックペーストの突起部が重なった場合に、該突起部が構造欠陥の原因になること)を抑制、防止しつつ、印刷図形精度や印刷効率などに優れたスクリーン印刷法を用いて、内部回路要素膜の形成やセラミックペーストの付与を効率よく行うことが可能になり、本発明をより実効あらしめることが可能になる。
以下に本発明の実施例を示して、本発明の特徴とするところをさらに詳しく説明する。
この実施例では、図1および図2に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサを製造する場合を例にとって説明する。
なお、図1は、本発明の一実施例にかかるセラミック電子部品の製造方法により製造された積層セラミックコンデンサを示す断面図、図2はその要部を示す分解斜視図である。
この実施例の積層セラミックコンデンサは、図1および図2に示すように、セラミック素子1中に、複数の内部電極2a,2bがセラミック層3を介して積層され、かつ、セラミック層3を介して互いに対向する内部電極2a,2bが交互にセラミック素子1の逆側の端面4a,4bに引き出されて、該端面に形成された外部電極5a,5bに接続された構造を有している。なお、この積層セラミックコンデンサの寸法は、長さ1.6mm、幅0.8mm、厚み0.8mmである。
また、この積層セラミックコンデンサは、図3に示すように、マトリックス状に内部電極パターン(内部回路要素膜)12を形成したセラミックグリーンシート11を、各セラミックグリーンシートの内部電極パターンが所定の位置関係となるように積層し、圧着し、得られたマザー積層体を所定の位置で切断して、個々の素子に分割し、脱脂、焼成した後、焼結体(セラミック素子)に外部電極を形成することにより製造されたものである。
以下に、図1に示す積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
(1)まず、厚みが2μm以下のセラミックグリーンシート(この実施例では厚みが1μmのセラミックグリーンシート)を用意し、このセラミックグリーンシート11に、スクリーン印刷法により導電ペーストを印刷して、図3に示すように、マトリックス状に内部電極パターン(内部回路要素膜)12を形成する。このとき、セラミックグリーンシート11の主面上に、その厚みによる段差をもたらす状態で、かつ、内部電極パターン12を、その周縁部12a(の全体(内部電極パターン12aの全周))がセラミックグリーンシート11の主面に対して鋭角(この実施例では約0.6°)の傾斜面を与えるように形成する。なお、この実施例では、内部電極パターン12として厚みTが1μmの内部電極パターンを形成した(図4)。
(2)それから、図4に要部断面図を示すように、内部電極パターン(内部回路要素膜)12の周囲のセラミックグリーンシート11上に、内部電極パターン12の周縁部12aに重なるようにセラミックペースト13を付与して、内部回路要素膜の厚みによる段差を低減するためのセラミックペースト層14を形成した。
なお、セラミックペースト13の付与は、スクリーン印刷法を用いてセラミックペースト13を所定のパターンとなるように印刷することにより行った。
このとき、セラミックペースト13を付与する工程において、セラミックペースト13を、主要部の厚みが内部電極パターン12の厚みTよりも薄く、かつ、内部電極パターン12の周縁部に形成された突起部と重なるように付与するとともに、内部電極パターン12とセラミックペースト13が重なった内部電極パターン12の周縁部12aにおいて、セラミックペースト13が内部電極パターン12の上面から突出する部分13aの高さ(重なり部分の最大高さ)Hを、内部電極パターン12の厚みTの0.3倍〜1.1倍の範囲で変化させた。
(3)つぎに、内部電極パターン12の周縁部12aに重なるようにセラミックペースト13が付与されたセラミックグリーンシート11を所定枚数(この実施例では350層)積み重ね、さらに上下両主面側に内部電極パターンの形成およびセラミックペーストの付与を行っていないセラミックグリーンシート(外層用シート)を所定枚数積層し、圧着することにより、マザー積層体を形成した。
(4)それから、マザー積層体を所定の位置で切断することにより、未焼成の個々の積層素子(セラミックコンデンサ素子)に分割した後、個々の積層素子を焼成し、得られた焼結体(セラミック素子)に外部電極を形成することにより、図1および図2に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサを製造した。
そして、上述のようにして得た積層セラミックコンデンサについて、内部電極パターン12とセラミックペースト13の重なり部分におけるセラミックペースト13の、内部電極パターン12の上面から突出する部分13aの高さ(重なり部分の最大高さ)Hと、内部電極パターンの厚みTの関係(H/T)と、焼成後におけるデラミネーションやクラックなどの構造欠陥の発生率の関係を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0005006510
表1より、重なり部分の最大高さHを、内部電極パターンの厚みT(1μm)の0.6倍以下とした場合(本発明の要件を満たす場合)には、構造欠陥の発生は認められなかった。
一方、重なり部分の最大高さHを、内部電極パターンの厚みT(1μm)の0.6倍を超える値とした場合(本発明の要件を満たさない場合)には、構造欠陥が高い割合で発生した。
この結果から、本発明のように、重なり部分の最大高さHを、内部電極パターンの厚みTの0.6倍以下とすることにより、構造欠陥の発生を抑制、防止できることが確認された。
また、セラミックグリーンシートの積層数が250層である場合においてセラミックグリーンシートの厚みを1.0μm、2.0μm、3.0μmと変化させるとともに、内部電極パターン12とセラミックペースト13の重なり部分におけるセラミックペースト13の、内部電極パターン12の上面から突出する部分13aの高さ(重なり部分の最大高さ)Hを0.6μm、0.9μm、1.1μmと変化させて、積層セラミックコンデンサを製造し、セラミックグリーンシートの厚みと、重なり部分の高さ(最大高さ)Hの関係が、焼成後における構造欠陥の発生に与える影響を調べた。その結果を表2に示す。なお、この実施例2では、内部電極パターンの厚みTは約1μm一定とした。
Figure 0005006510
表2に示すように、セラミックグリーンシートの厚みが1μm、2μm、3μmのいずれの場合にも、内部電極パターン12とセラミックペースト13の重なり部分におけるセラミックペースト13の内部電極パターン12の上面から突出する部分13aの高さ(重なり部分の最大高さ)Hが、内部電極パターンの厚みTの0.6倍とした場合(本発明の要件を満たす場合)には、構造欠陥の発生は認められなかった。
一方、セラミックグリーンシートの厚みが1μm、2μmと薄い場合には、重なり部分の最大高さHが、内部電極パターンの厚みTの0.6倍を超えると、構造欠陥が高い割合で発生した。
なお、セラミックグリーンシートの厚みが3μmと厚い場合には、重なり部分の最大高さHが、内部電極パターンの厚みTの0.6倍を超えた場合にも構造欠陥の発生は認められなかった。
この結果から、セラミックグリーンシートの厚みを1μm,2μm,および3μmと変化させた場合にも、本発明のように、重なり部分の最大高さHを、内部電極パターンの厚みTの0.6倍以下とすることにより、構造欠陥の発生を抑制、防止できることが確認された。
上記実施例1の場合と同様の方法で、内部電極パターンの厚みTを約0.6μm、約1.0μm、約1.5μm、約2.0μmと変化させるとともに、内部電極パターン12とセラミックペースト13の重なり部分におけるセラミックペースト13の内部電極パターン12の上面から突出する部分13aの高さ(重なり部分の最大高さ)Hを変化させて積層セラミックコンデンサを製造し、内部電極パターンの厚みTと、重なり部分の高さ(最大高さ)Hが、焼成後における構造欠陥の発生に与える影響を調べた。なお、この実施例3では、セラミックグリーンシートの積層数は350層一定とした。
Figure 0005006510
表3に示すように、内部電極の厚みTを約0.6μm、約1.0μm、約1.5μm、約2.0μmと変化させた場合にも、重なり部分の最大高さHを、内部電極パターンの厚みTの0.6倍以下とした場合(本発明の要件を満たす場合)には、構造欠陥の発生を十分に抑制、防止することができた。
一方、重なり部分の最大高さHが、内部電極パターンの厚みTの0.6倍を超える場合(本発明の要件を満たさない場合)には、構造欠陥の発生率が大幅に上昇した。
この結果から、上述のように内部電極パターンの厚みTを変化させた場合にも、本発明のように、重なり部分の最大高さHを、内部電極パターンの厚みTの0.6倍以下とすることにより、構造欠陥の発生を抑制、防止できることが確認された。
なお、上記実施例では、内部電極パターン12の形成、およびセラミックペースト13の付与を行う方法としてスクリーン印刷法を用いたが、グラビア印刷、凸版印刷、平板印刷などの他の方法を用いることが可能である。
また、上記実施例では、積層セラミックコンデンサを製造する場合を例にとって説明したが、本発明は積層セラミックコンデンサに限らず、セラミック層と内部回路要素膜が積層された積層インダクタ、多層回路基板などの種々の積層セラミック電子部品を製造する場合に広く適用することが可能である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、セラミックグリーンシートの厚み、セラミックグリーンシートを構成するセラミック材料の種類、内部電極パターンを構成する導電材料の種類、内部電極パターンの形成方法、セラミックペーストを構成するセラミック材料の種類、セラミックペーストの付与方法、セラミックグリーンシートの積層数などに関し、発明の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
上述のように、本発明の積層セラミック電子部品の製造方法によれば、セラミックペーストを、主要部の厚みが内部回路要素膜の厚みよりも薄く、かつ、内部回路要素膜の周囲に形成されるセラミックペースト層の、内部回路要素膜の周縁部に重なる部分の突起部の高さを、内部回路要素膜厚みの0.6倍以下となるようにしているので、セラミックペーストを付与する際にセラミックペーストの付与パターンの端縁部に形成される突起部が、デラミネーションやクラックなどの構造欠陥の原因になることを抑制、防止して、構造欠陥のない信頼性の高い積層セラミック電子部品を確実に製造することが可能になる。
したがって、本発明は、内部回路要素膜と、その厚みによる段差を低減するために内部回路要素の周縁部に配設されたセラミックペースト層を備えたセラミックグリーンシートを積み重ねる工程を経て製造される積層セラミック電子部品を製造する分野に広く利用することが可能である。
本発明の一実施例にかかる積層セラミック電子部品の製造方法により製造された積層セラミックコンデンサを示す断面図である。 本発明の一実施例にかかる積層セラミック電子部品の製造方法により製造された積層セラミックコンデンサの要部を示す分解斜視図である。 本発明の一実施例にかかる積層セラミック電子部品の製造方法の一工程において、セラミックグリーンシートに、スクリーン印刷法により導電ペーストを印刷した状態を示す平面図である。 本発明の一実施例にかかる積層セラミック電子部品の製造方法の一工程において、内部電極パターンの周囲にセラミックペーストを付与した状態を示す図である。 従来の積層セラミック電子部品の製造方法により製造された積層セラミックコンデンサを示す断面図である。 従来の積層セラミック電子部品の製造方法の一工程を示す図である。 従来の他の積層セラミック電子部品の製造方法の一工程を示す図である。
1 セラミック素子
2a,2b 内部電極
3 セラミック層
4a,4b セラミック素子の逆側の端面
5a,5b 外部電極
11 セラミックグリーンシート
12 内部電極パターン(内部回路要素膜)
12a 内部電極パターンの周縁
13 セラミックペースト
13a 内部電極パターンの上面から突出する部分
14 セラミックペースト層
H 内部電極パターンの上面から突出する部分の高さ(重なり部分の最大高さ)
T 内部電極パターンの厚み

Claims (3)

  1. 厚みが2μm以下のセラミックグリーンシートの主面上の一部領域に、その厚みによる段差をもたらす状態で内部回路要素膜を、その周縁部全体において、その表面から突出する周縁突起部が形成され、かつ、周縁部全体が前記セラミックグリーンシートの主面に対して0.3度〜2.3度の角度の傾斜面となるように形成する工程と、
    前記内部回路要素膜の周囲のセラミックグリーンシート上に、前記内部回路要素膜の突出した前記周縁部全体に直接重なるように、かつ、前記突起部の頂上を被覆し、かつ、前記内部回路要素膜の表面が露出するようにセラミックペーストを付与して、前記内部回路要素膜の厚みによる段差を低減するためのセラミックペースト層を形成する工程と、
    前記セラミックペーストが付与された後の、前記内部回路要素膜の表面が露出した前記セラミックグリーンシートを積み重ねる工程と
    を備える積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記セラミックペースト層を形成する工程において、前記セラミックペーストを、主要部の厚みが前記内部回路要素膜の厚みよりも薄く、かつ、前記内部回路要素膜の周縁部全体に形成された前記周縁突起部と重なるとともに、前記内部回路要素膜と前記セラミックペーストが重なった前記内部回路要素膜の周縁部全体において、前記内部回路要素膜表面から突出する突起部の高さが前記内部回路要素膜厚みの0.6倍以下となるような態様で付与すること
    を特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 前記内部回路要素膜の厚みが、1.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記内部回路要素膜を形成する方法および前記セラミックペーストを付与する方法として、スクリーン印刷法を用いることを特徴とする請求項1または2記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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