JP5005940B2 - ジアルキルイミダゾールの製造方法 - Google Patents

ジアルキルイミダゾールの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5005940B2
JP5005940B2 JP2006095706A JP2006095706A JP5005940B2 JP 5005940 B2 JP5005940 B2 JP 5005940B2 JP 2006095706 A JP2006095706 A JP 2006095706A JP 2006095706 A JP2006095706 A JP 2006095706A JP 5005940 B2 JP5005940 B2 JP 5005940B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dialkylimidazole
crude
mol
solution
apha
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006095706A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007269658A (ja
Inventor
貴弘 中島
秀樹 蔭山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd filed Critical Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2006095706A priority Critical patent/JP5005940B2/ja
Publication of JP2007269658A publication Critical patent/JP2007269658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5005940B2 publication Critical patent/JP5005940B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、ジアルキルイミダゾールの製造に際して生成する不純物を効果的に除去して不純物の少ないジアルキルイミダゾールを得ることを目的とするジアルキルイミダゾールの製造方法に関するものである。
ジアルキルイミダゾールは、医薬品の中間体として、または各種樹脂の触媒用等、各種有機薬品分野においてその有用性が期待される化合物である。上記ジアルキルイミダゾールは、例えば、アンモニアと、第一級アミンと、アルデヒド化合物と、グリオキザールを反応させることにより製造することが知られている。
上記製造方法では、目的とするジアルキルイミダゾール以外に、アルキルイミダゾール等の副生成物が生成されるため、通常、これら副生成物を含む粗ジアルキルイミダゾールを蒸留することにより精製してジアルキルイミダゾールを得ることが行われている。
しかしながら、上記粗ジアルキルイミダゾールにはジアルキルイミダゾールと沸点の近似したアルキルイミダゾールが含有されており、通常の蒸留工程ではアルキルイミダゾールを除去しきれず、結果的に不純物が含有されたジアルキルイミダゾールが得られることとなる。また、不純物としてはアルキルイミダゾリウム以外にもアルキル基の付いていないイミダゾールや製品を経時で着色させてしまうような不純物なども存在することとなる。したがって、蒸留直後では透明性を有しているが、経時的に黒褐色に変色するというような結果となり、高純度のジアルキルイミダゾールを得ることが非常に困難であった。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、不純物を効果的に除去し、高純度のジアルキルイミダゾールを得ることのできるジアルキルイミダゾールの製造方法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、アンモニア、1級アミン、アルデヒドおよびグリオキザールを反応させて得た粗ジアルキルイミダゾールを蒸留しジアルキルイミダゾールを製造する方法において、粗ジアルキルイミダゾールを蒸留に先立って、苛性アルカリ物質存在下、60℃以上の温度で加熱処理するジアルキルイミダゾールの製造方法を要旨とする。
すなわち、本発明者らは、粗ジアルキルイミダゾールにおける不純物を効果的に除去する方法について鋭意検討を重ねた。そして、経時的に黒褐色に変色する不純物は、製造直後の時点では着色されておらず、その状態で分離除去することが困難であることから、上記不純物を早期に着色させ除去する方法を突き止めるべくさらに研究を重ねた。その結果、粗ジアルキルイミダゾールを蒸留工程の前に、苛性アルカリ物質存在下、60℃以上の温度で加熱処理を行うことにより、経時的に黒褐色に変色する原因物質(不純物)の着色を促進させることが可能となることを突き止めた。そして、上記加熱後、加熱処理により着色させた不純物を蒸留により容易に除去することができ、結果、不純物の含有が極めて少ない、高純度のジアルキルイミダゾールを得ることが可能となることを見出し、本発明に到達した。
このように、本発明は、粗ジアルキルイミダゾールを蒸留しジアルキルイミダゾールを製造するに際して、上記粗ジアルキルイミダゾールを蒸留に先立って、苛性アルカリ物質存在下、60℃以上で加熱処理するものである。このため、従来の方法では抽出等が困難であった不純物を蒸留前に着色させることができ、これを蒸留により容易に除去可能となる。このようにして得られるジアルキルイミダゾールは、ジアルキルイミダゾール生成時の副生成物である不純物の含有量の少ない高純度のジアルキルイミダゾールである。
そして、上記加熱処理を苛性アルカリ物質存在下で行うため、加熱温度を低く設定しても不純物を容易に着色させることが可能となり、蒸留により不純物を効果的に分離除去することができ、より一層高純度のジアルキルイミダゾールを得ることができる。
また、上記苛性アルカリ物質の配合量を、粗ジアルキルイミダゾールに対して1〜40モル%の範囲に設定すると、蒸留留出液に混入する水分量も調整され、より一層高純度の1,2−ジアルキルイミダゾールを得ることができる。
このようにして、25℃で2ヶ月放置した後のAPHAが200以下となる高純度のジアルキルイミダゾールが得られる。
本発明のジアルキルイミダゾールの製造方法において、精製の対象となる粗ジアルキルイミダゾールは、従来公知の方法により反応、生成されるものである。例えば、アンモニア、第一級アミン、アルデヒドおよびグリオキザールを反応媒体中で反応させることにより製造される。上記アンモニア、第一級アミンおよびグリオキザールは、通常、それぞれ水溶液として反応に供され、具体的には、上記アンモニアは5〜30重量%のアンモニア水溶液として、上記第一級アミンは30〜50重量%の水溶液として、グリオキザールは、30〜50重量%、好ましくは40重量%程度の水溶液として供給される。また、上記アルデヒドにおいては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの沸点の低いアルデヒド化合物は水溶液またはメタノール、エタノール、プロパノール等の低級アルコールの20〜80重量%溶液として反応に供給され、高沸点のアルデヒド化合物、例えばブチルアルデヒドのような高沸点のアルデヒドは、そのまま反応に供給される。固体のアルデヒドに関しては、低級アルコール等の溶液として反応に使用しても良い。
上記原料成分の添加方法としては、特に限定するものではなく、従来公知の方法、例えば、一括方式、分割方式、滴下方式等の方法があげられ、適宜選択される。また、反応時間は、通常、30分間〜10時間程度に設定される。
上記反応において用いられる反応媒体としては、特に限定するものではなく、通常、水が用いられ、必要に応じてメタノール,エタノール,プロパノール等の水と相溶性を有する有機溶媒を適宜使用しても差し支えない。そして、上記各原料成分の仕込み組成は、モル比基準で、グリオキザール/アルデヒド化合物/第一級アミン/アンモニア/=1/1〜1.5/1〜4/1〜1.5の範囲に設定することが好適である。
そして、このような反応により生成される上記粗ジアルキルイミダゾールとしては、精製抽出されるジアルキルイミダゾールとともに、副生成物であるアルキルイミダゾールおよびイミダゾールを含有しており、例えば、上記ジアルキルイミダゾールが粗ジアルキルイミダゾール全体の50〜90モル%、好ましくは70〜90モル%の割合で含有されているものである。
本発明において、ジアルキルイミダゾールの精製方法は、上記粗ジアルキルイミダゾールを用い、つぎのようにして行われる。すなわち、上記粗ジアルキルイミダゾールを所定時間加熱することにより、ジアルキルイミダゾールを含有する油層と、水層とに分液して水層を除去する。ついで、残りの油層を減圧蒸留することにより高純度のジアルキルイミダゾールを得ることができる。
上記粗ジアルキルイミダゾールの加熱条件としては、60℃以上に設定する必要があり、より好ましくは120℃以上に設定する。なお、通常、加熱温度の上限は、300℃である。すなわち、加熱温度が下限値未満では、温度が低過ぎて、蒸留のみでは除去しにくい不純物を着色させることができず、上限値を超えると目的とするイミダゾールのN位の置換基が脱離して目的のジアルキルイミダゾールの収率が低下してしまうからである。また、加熱時間としては、20分間以上に設定することが好ましく、より好ましくは2〜8時間である。
また、本発明の加熱処理は、粗ジアルキルイミダゾール溶液の液相保持圧力下において実施される。
そして、さらには、上記粗ジアルキルイミダゾールを加熱処理するに際して、苛性アルカリ物質存在下で加熱処理われる。このように苛性アルカリ物質を添加して加熱処理を行うことにより、不純物の着色反応を促進する作用を奏することから、加熱温度を低く設定しても不純物を効果的に分離除去することができ、結果、より一層高純度のジアルキルイミダゾールを得ることができるようになる。上記苛性アルカリ物質の配合時期としては、特に限定するものではなく、蒸留前の上記加熱処理を行う際に粗ジアルキルイミダゾールに配合されていればよい。
上記苛性アルカリ物質としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なかでも、水に対する溶解度が高く、加熱時に水が留去しても固化しにくいという観点から、水酸化カリウムを用いることが好ましい。また、苛性アルカリ物質を配合するに際しては固体のままでも水溶液にしてもどちらでもよいが、特には取り扱いの点から水溶液として添加することが好ましい。
上記苛性アルカリ物質の配合量は、粗ジアルキルイミダゾールに対して1〜40モル%の範囲に設定することが好ましく、特に好ましくは10〜30モル%である。すなわち、苛性アルカリ物質が上限値を超えて多過ぎると、蒸留留出液中に含まれる水分が多くなり、得られたジアルキルイミダゾールの純度が低下し、また、蒸留中に固化する苛性アルカリの量が多くなり、蒸留残渣に残留するジアルキルイミダゾールが多くなるという傾向がみられるからである。
さらに、前述の粗ジアルキルイミダゾールの加熱条件についてより詳しく述べる。すなわち、苛性アルカリ物質を配合して苛性アルカリ物質存在下で加熱処理を行うの加熱温度は、60〜200℃に設定することが好ましく、特に好ましくは100〜150℃である。このように、苛性アルカリ物質を用い、苛性アルカリ物質存在下で加熱処理を行うため加熱温度を低く設定することができる。これは、苛性アルカリの存在により、不純物の着色反応が促進されているためと考えられる。
つぎに、上記粗ジアルキルイミダゾールを所定条件で加熱処理した後、静置して油層と水層に分液して、水層を除去する。ついで、上記油層を減圧蒸留することにより目的とするジアルキルイミダゾールを得ることができる。
上記油層の減圧蒸留としては、従来公知の方法にて行うことができ、例えば、圧力250〜14000Paの減圧条件下、温度60〜180℃での蒸留、特に好ましくは250〜7000Paで温度60〜130℃での蒸留を行い、不純物を留去して目的とする高純度のジアルキルイミダゾールを得ることができる。
このようにして得られるジアルキルイミダゾールは、不純物の含有合計量が2.5重量%未満の高純度のものである。なお、上記不純物の含有合計量、すなわち純度の定量としては、通常、水素炎イオン化検出器を付帯したガスクロマトグラフが用いられる。
そして、このようにして得られたジアルキルイミダゾールとしては、濃度99%以上で、25℃で2ヶ月放置した後のAPHA(ハーゼン単位色数)が200以下となるようなジアルキルイミダゾールが得られる。好ましくは、25℃で2ヶ月放置後のAPHA(ハーゼン単位色数)が100以下である。なお、上記APHA(ハーゼン単位色数)は、色の判定方法であり、JIS K0071−1におけるハーゼン単位色数であって、ISO 6271に準拠するものである。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。また、以下、「%」は重量基準である。
〔KOH使用+加熱温度120℃〕
40%グリオキザール水溶液(145.0g、1mol)、40%メチルアミン水溶液(77.8g、1mol)、25%アンモニア水溶液(68.0g、1mol)および70%アセトアルデヒド水溶液(75.5g、1.2mol)を50℃で3時間反応させ黄色溶液(粗ジアルキルイミダゾール溶液)が得られた。そして、上記黄色溶液である反応混合物をガスクロマトグラフで定量した結果、1,2−ジメチルイミダゾールが87g(収率90%)含有されていた。得られた黄色溶液に、粗1,2−ジメチルイミダゾールに対して水酸化カリウムを10モル%加えて常圧濃縮し、濃縮液温が120℃になった時点で2時間還流させた。ついで、これを静置して下層の水層と上層の油層とに分液し、下層の水層を除去した後、残りの油層を減圧蒸留(条件:2670Pa、90〜130℃)することにより純度99.8%の1,2−ジメチルイミダゾールを79g(収率82%、対仕込みグリオキザール)、微黄色固体(融解液のAPHAは40)として得られた。得られた1,2−ジメチルイミダゾールを25℃で2ヶ月間放置した後、目視により観察した結果、わずかに色度合いが変化したのみであり、そのときのAPHAは50であった。
なお、上記収率の測定には、ガスクロマトグラフを用い、詳細には、カラム:Agilent製 HP−WAX 0.53mm×30m×1.0μm、カラム温度:70℃から10℃/分で220℃まで昇温し220℃で10分保持、注入口:220℃、検出器(水素炎イオン化検出器):250℃、キャリアーガス:ヘリウム 20mL/分の条件にて、内部標準法にて測定した。
また、上記純度の測定には、ガスクロマトグラフを用い、詳細には上記収率と同じ測定条件で、融解した1,2−ジメチルイミダゾールを測定し得られたクロマトクロマトグラムの面積%を純度とした。
そして、上記APHAは、APHA標準液との比色を行い測定した。
〔KOH使用+加熱温度60℃〕
40%グリオキザール水溶液(145.0g、1mol)、40%メチルアミン水溶液(77.8g、1mol)、25%アンモニア水溶液(68.0g、1mol)および70%アセトアルデヒド水溶液(75.5g、1.2mol)を50℃で3時間反応させ黄色溶液(粗ジアルキルイミダゾール溶液)が得られた。そして、上記黄色溶液である反応混合物をガスクロマトグラフで定量した結果、1,2−ジメチルイミダゾールが87g(収率90%)含有されていた。得られた黄色溶液に、粗1,2−ジメチルイミダゾールに対して水酸化カリウムを30モル%加えて、6670Paで減圧濃縮し、60℃になった時点で8時間還流させた。ついで、これを静置して下層の水層と上層の油層とに分液し、下層の水層を除去した後、残りの油層を減圧蒸留(条件:2670Pa、90〜130℃)することにより、99.1%の1,2−ジメチルイミダゾールを75g、(収率78%、対仕込みグリオキザール)、微黄色固体(融解液のAPHAは50)として得られた。得られた1,2−ジメチルイミダゾールを25℃で2ヶ月間放置した後、目視により観察したところ、わずかに色度合いが進行しており、そのときのAPHAは70であった。
なお、上記収率,純度の測定は、実施例1と同様にして行った。また、上記APHAも、実施例1と同様、APHA標準液との比色を行い測定した。
〔KOH使用+加熱温度200℃〕
40%グリオキザール水溶液(145.0g、1mol)、40%メチルアミン水溶液(77.8g、1mol)、25%アンモニア水溶液(68.0g、1mol)および70%アセトアルデヒド水溶液(75.5g、1.2mol)を50℃で3時間反応させ、黄色溶液(粗ジアルキルイミダゾール溶液)が得られた。そして、上記黄色溶液である反応混合物をガスクロマトグラフで定量した結果、1,2−ジメチルイミダゾールが87g(収率90%)含有されていた。得られた黄色溶液に、粗1,2−ジメチルイミダゾールに対して水酸化カリウムを3モル%加えて常圧濃縮し、濃縮液が200℃になった時点で2時間還流させた。ついで、減圧蒸留をすることにより、98.7%の1,2−ジメチルイミダゾールを61g(収率63%、対仕込みグリオキザール)、微黄色固体(融解液のAPHAは20)として得られた。得られた1,2−ジメチルイミダゾールを25℃で2ヶ月放置した後、目視により観察した結果、わずかに色度合いが変化したのみであり、そのときのAPHAは50であった。
なお、上記収率,純度の測定は、実施例1と同様にして行った。また、上記APHAも、実施例1と同様、APHA標準液との比色を行い測定した。
〔参考例1〕
〔KOH無し+加熱温度180℃〕
40%グリオキザール水溶液(145.0g、1mol)、40%メチルアミン水溶液(77.8g、1mol)、25%アンモニア水溶液(68.0g、1mol)および70%アセトアルデヒド水溶液(75.5g、1.2mol)を50℃で3時間反応させ黄色溶液(粗ジアルキルイミダゾール溶液)が得られた。そして、上記黄色溶液である反応混合物をガスクロマトグラフで定量した結果、1,2−ジメチルイミダゾールが87g(収率90%)含有されていた。得られた黄色溶液を常圧濃縮し、濃縮液温が180℃になった時点で8時間還流させた。ついで、これを減圧蒸留(条件:2679Pa、90〜130℃)することにより純度97.6%の1,2−ジメチルイミダゾールを64g(収率67%、対仕込みグリオキザール)、微黄色固体(融解液のAPHAは90)として得られた。得られた1,2−ジメチルイミダゾールを25℃で2ヶ月間放置した後、目視により観察した結果、若干色度合いが変化したが極端な着色の変化はみられなかった。そのときのAPHAは180であった。
なお、上記収率,純度の測定は、実施例1と同様にして行った。また、上記APHAも、実施例1と同様、APHA標準液との比色を行い測定した。
〔参考例2〕
〔KOH無し+加熱温度300℃〕
40%グリオキザール水溶液(145.0g、1mol)、40%メチルアミン水溶液(77.8g、1mol)、25%アンモニア水溶液(68.0g、1mol)および70%アセトアルデヒド水溶液(75.5g、1.2mol)を50℃で3時間反応させ黄色溶液(粗ジアルキルイミダゾール溶液)が得られた。そして、上記黄色溶液である反応混合物をガスクロマトグラフで定量した結果、1,2−ジメチルイミダゾールが87g(収率90%)含有されていた。得られた黄色溶液を常圧濃縮し、内温が180℃になった時点でオートクレーブに封じ込めて、850000〜900000Paになるよう調整しながら、300℃で4時間加熱した。ついで減圧蒸留(条件:2670Pa、90〜130℃)するにより純度97.8%の1,2−ジメチルイミダゾールを55g(収率57%、対仕込みグリオキザール)、微黄色固体(融解液のAPHAは60)として得られた。得られた1,2−ジメチルイミダゾールを25℃で2ヶ月間放置した後、目視で観察した結果、若干色度合いが変化したが極端な着色の変化は見られなかった。そのときのAPHAは160であった。
なお、上記収率,純度の測定は、実施例1と同様にして行った。また、上記APHAも、実施例1と同様、APHA標準液との比色を行い測定した。
〔比較例1〕
40%グリオキザール水溶液(145.0g、1mol)、40%メチルアミン水溶液(77.8g、1mol)、25%アンモニア水溶液(68.0g、1mol)および70%アセトアルデヒド水溶液(75.5g、1.2mol)を50℃で3時間反応させ黄色溶液(粗ジアルキルイミダゾール溶液)が得られた。そして、上記黄色溶液である反応混合物をガスクロマトグラフで定量した結果、1,2−ジメチルイミダゾールが87g(収率90%)含有されていた。得られた黄色溶液を減圧蒸留(条件:2670Pa、95〜130℃)することにより純度95%の1,2−ジメチルイミダゾールを70g(収率73%、対仕込みグリオキザール)、微黄色固体(融解液のAPHAは200)として得られた。得られた1,2−ジメチルイミダゾールを25℃で2ヶ月間放置した後、目視により観察した結果、黒褐色に変色していた。そのときのAPHAは1000以上であり、測定不能であった。
なお、上記収率,純度の測定は、実施例1と同様にして行った。また、上記APHAも、実施例1と同様、APHA標準液との比色を行った。
〔比較例2〕
(加熱温度が50℃)
40%グリオキザール水溶液(145.0g、1mol)、40%メチルアミン水溶液(77.8g、1mol)、25%アンモニア水溶液(68.0g、1mol)および70%アセトアルデヒド水溶液(62.9g、1mol)を50℃で3時間反応させ黄色溶液(粗ジアルキルイミダゾール溶液)が得られた。そして、上記黄色溶液である反応混合物をガスクロマトグラフで定量した結果、1,2−ジメチルイミダゾールが87g(収率90%)含有されていた。得られた黄色溶液を6670Paにて減圧濃縮し、濃縮液温が50℃になった時点で2時間還流させた。ついで、これを静置して下層の水層と上層の油層とに分液し、下層の水層を除去した後、油層を減圧蒸留(条件:2670Pa、95〜130℃)することにより純度95%の1,2−ジメチルイミダゾールを66g(収率69%、対仕込みグリオキザール)、微黄色固体(融解液のAPHAは150)として得られた。得られた1,2−ジメチルイミダゾールを25℃で2ヶ月間放置した後、目視により観察した結果、黒褐色に変化していた。そのときのAPHAは1000以上であり、測定不能であった。
なお、上記収率,純度の測定は、実施例1と同様にして行った。また、上記APHAも、実施例1と同様、APHA標準液との比色を行った。
本発明は、例えば、医薬品中間体、染料の中間体、さらにはエポキシ樹脂やポリウレタン樹脂等の各種樹脂の触媒等に有用となる高純度なジアルキルイミダゾールを得るための製造方法である。

Claims (4)

  1. アンモニア、1級アミン、アルデヒドおよびグリオキザールを反応させて得た粗ジアルキルイミダゾールを蒸留しジアルキルイミダゾールを製造する方法において、粗ジアルキルイミダゾールを蒸留に先立って、苛性アルカリ物質存在下、60℃以上の温度で加熱処理することを特徴とするジアルキルイミダゾールの製造方法。
  2. 上記粗ジアルキルイミダゾールが、ジアルキルイミダゾールとともにアルキルイミダゾールおよびイミダゾールを含有するものであって、かつジアルキルイミダゾールが粗ジアルキルイミダゾール全体の50〜90モル%含有するものである請求項1記載のジアルキルイミダゾールの製造方法。
  3. 上記苛性アルカリ物質の配合量が、粗ジアルキルイミダゾールに対して1〜40モル%の範囲に設定されている請求項1または2記載のジアルキルイミダゾールの製造方法。
  4. 上記加熱処理時間が、20分以上である請求項1〜のいずれか一項記載のジアルキルイミダゾールの製造方法。
JP2006095706A 2006-03-30 2006-03-30 ジアルキルイミダゾールの製造方法 Expired - Fee Related JP5005940B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006095706A JP5005940B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 ジアルキルイミダゾールの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006095706A JP5005940B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 ジアルキルイミダゾールの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007269658A JP2007269658A (ja) 2007-10-18
JP5005940B2 true JP5005940B2 (ja) 2012-08-22

Family

ID=38672822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006095706A Expired - Fee Related JP5005940B2 (ja) 2006-03-30 2006-03-30 ジアルキルイミダゾールの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5005940B2 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012211122A (ja) * 2011-03-22 2012-11-01 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 1,2−ジアルキルイミダゾールの製造方法、および1,2−ジアルキルイミダゾール
CN102796047A (zh) * 2012-08-22 2012-11-28 盐城市康乐化工有限公司 一种制备1,2-二甲基咪唑的方法
FR2999589B1 (fr) 2012-12-17 2014-12-26 Michelin & Cie Pneumatique comportant une composition de caoutchouc comprenant un elastomere epoxyde reticule par un poly-acide carboxylique
FR2999588B1 (fr) 2012-12-17 2015-02-13 Michelin & Cie Pneumatique comportant une composition de caoutchouc comprenant un elastomere epoxyde reticule par un poly-acide carboxylique
FR2999586B1 (fr) 2012-12-17 2014-12-26 Michelin & Cie Pneumatique comportant une composition de caoutchouc comprenant un polymere epoxyde reticule par un poly-acide carboxylique
FR2999587B1 (fr) 2012-12-17 2014-12-26 Michelin & Cie Pneumatique comportant une composition de caoutchouc comprenant un elastomere epoxyde reticule par un poly-acide carboxylique
FR3010078B1 (fr) 2013-08-30 2016-10-14 Michelin & Cie Caoutchouc naturel epoxyde et modifie
FR3022548A1 (fr) 2014-06-18 2015-12-25 Michelin & Cie Composition de caoutchouc comprenant un elastomere epoxyde reticule par un poly-acide carboxylique
CN105712934A (zh) * 2014-12-04 2016-06-29 黄冈银河阿迪药业有限公司 1-甲基-2-乙基咪唑的制备方法
WO2019122585A1 (fr) 2017-12-21 2019-06-27 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Composition de caoutchouc réticulée par un diacide et comprenant un composé phénolique
EP3727877B1 (fr) 2017-12-21 2023-03-15 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Composition de caoutchouc réticulée par un diacide et comprenant un composé phénolique
FR3085955B1 (fr) 2018-09-17 2020-09-11 Michelin & Cie Composition de caoutchouc a base de resine epoxyde, d’un durcisseur amine et d’un imidazole
FR3086295B1 (fr) 2018-09-21 2020-09-25 Michelin & Cie Composition de caoutchouc comprenant un elastomere epoxyde et un compose polyphenolique
FR3086296B1 (fr) 2018-09-21 2020-09-25 Michelin & Cie Composition de caoutchouc comprenant un elastomere epoxyde et un compose polyphenolique
FR3101878B1 (fr) 2019-10-10 2021-10-01 Michelin & Cie Compositions de caoutchouc comprenant un élastomère diénique époxydé et un système de réticulation
FR3104592B1 (fr) 2019-12-12 2021-12-03 Michelin & Cie Système de réticulation et composition de caoutchouc diénique le comprenant
FR3104590B1 (fr) 2019-12-12 2021-12-03 Michelin & Cie Composite comprenant un élément de renfort et une composition de caoutchouc
FR3104593B1 (fr) 2019-12-12 2021-12-03 Michelin & Cie Système de réticulation et composition de caoutchouc diénique le comprenant
FR3122658A1 (fr) 2021-05-10 2022-11-11 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Composite à base d’une composition de caoutchouc et d’un élément de renfort métallique traité au plasma
FR3122657A1 (fr) 2021-05-10 2022-11-11 Compagnie Generale Des Etablissements Michelin Composite à base d’une composition de caoutchouc et d’un élément de renfort métallique traité en milieu supercritique

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62164672A (ja) * 1986-01-16 1987-07-21 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 1,2−ジメチルイミダゾ−ルの製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007269658A (ja) 2007-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5005940B2 (ja) ジアルキルイミダゾールの製造方法
JP2012211122A (ja) 1,2−ジアルキルイミダゾールの製造方法、および1,2−ジアルキルイミダゾール
KR101666038B1 (ko) 에틸렌성 불포화 산 또는 그 에스테르의 제조
CN106117144B (zh) 一种高纯度依达拉奉的合成工艺
JP6040597B2 (ja) 1,4−ブタンジオールの製造方法
WO2013120464A1 (en) A process for the preparation of rivaroxaban based on saving of 1,1'-carbonyl diimidazole.
EP2730566B1 (en) Method for producing tetrahydrofuran
CN111072552B (zh) 西尼地平的制备方法
JP5111782B2 (ja) 1,2−二置換イミダゾールの製造方法
US20100063299A1 (en) Process for Preparing Irbesartan
EP2634183B1 (en) Method for preparing 1,3,5-trioxane
CN105481721B (zh) 一种2,3‑二氰基丙酸乙酯的制备方法
JPH05310640A (ja) ヒドロキシフェニルカルボキシレートの製造方法
KR101658666B1 (ko) 4-아미노-2,2,6,6-테트라메틸피페리딘의 제조 방법
CN106699523A (zh) 一种邻苯基苯氧乙醇的合成方法
CN112457203B (zh) 一种2-氨基-2-甲基-1-丙醇的制备方法
AU2013338534A1 (en) Hydrogenation of isohexide products for improved color
Prasanna et al. A catalyst-free multicomponent domino sequence for the diastereoselective synthesis of (E)-3-[2-arylcarbonyl-3-(arylamino) allyl] chromen-4-ones
US10358415B2 (en) Processes for the preparation of unsaturated malonates
CN110835349A (zh) 一锅法制备α,β-蒿乙醚原料药的方法
CN110563659A (zh) 非均相铜催化一锅制备1,2,3-三唑类化合物的方法
CN106380439A (zh) 一种水做溶剂钯炭还原法制备吲哚‑2‑甲酸
JP4969099B2 (ja) 6−キノリノールの製造方法
TW202208378A (zh) 製備烷基7-胺基-5-甲基-[1,2,5]噁二唑并[3,4-b]吡啶羧酸酯之連續方法
CN108752277B (zh) 一种1-(3-甲基-1-苯基-1h-吡唑-5-基)哌嗪的安全制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120412

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120522

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120524

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150601

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees