JP5005634B2 - 前後進プレートコンパクタの前後進制御機構 - Google Patents

前後進プレートコンパクタの前後進制御機構 Download PDF

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本発明は、道路工事や土木工事等において、地盤の締固め施工に使用される前後進プレートコンパクタに関するものである。
通常、前後進プレートコンパクタは、各々偏心錘を有する一対の平行なる起振軸を備え、その回転で発生する起振力の合力の方向を鉛直方向に対し傾斜させて輾圧板に振動を伝達することにより機体を前進或いは後進させる構造である。走行速度は起振力の合力の大きさによって決まり、その調節は偏心錘の相互の位相を変化させることで行う。
前記位相を変化させる方法として、一方の起振軸に設けた可動偏心機構を油圧式の前後進切換用シリンダで作動させる方法があり、この前後進切換用シリンダに油圧路を介して連結した前後進レバーの手動操作力を軽減する技術が特許文献1に記載されている。偏心錘が回転すると前後進切換用シリンダには押し戻される力(機械的反力)が作用し、特許文献1に記載の技術は、この機械的反力による圧油力を受けるピストンと、ピストン内部に挿入され、かつ前後進レバーによって回動するカムに接触するロッドとを有したハンドポンプを設けた構造からなる。
特開2000−17607号公報
特許文献1に記載のハンドポンプでは、圧油をカム内蔵の補充油室側から前後進切換用シリンダ側に補充するため、ロッドに切換弁機能を、ピストンに油流路をそれぞれ設けてあり、具体的には、ピストンに取り付けた弁座の弁座流路を通して圧油を前後進切換用シリンダ側に流入させ、閉じる際は弁座流路の開口端をロッドの先端に設けたボールで塞ぐ構造である。
しかしながら、この構造ではボールを弁座流路の開口端のエッジに押し当てるために開口端のエッジが磨耗しやすいという問題がある。圧油補充用の開閉流路は使用頻度の最も高い前後進レバーの最速前進位置において開閉動作することから、ボールは開口端のエッジと頻繁に衝突を繰り返す。また、停止状態の機体をトラック等に積み込んで搬送するときなどには、前後進レバーが他の作業機などに当たって倒れたり、場合によっては作業者が意識的に倒す場合もある。この場合、圧油の流動が全くない状態でボールが弁座流路の開口端のエッジに衝突するので、エッジやボールが一層傷つきやすい。一旦エッジに偏磨耗が生じると、以後衝突の度に偏磨耗箇所が広がっていき、そこから圧油が漏れて開閉流路の閉塞機能を維持できないおそれがある。
また特許文献1の構造では、通常は前後進レバーが最速前進位置にあるときのみにしかロッドに形成されたボールによる切換弁は開口しないため、前後進切換用シリンダに油が不足していても油が補充されることはなく、仮にプレートコンパクタを後進させようとしても、前進方向に進行してしまうという制御不能状態に至るおそれがある。また、前後進切換用シリンダとハンドポンプを介する油圧配管内に油を補充するためには、前後進レバーの当該補充位置が最速前進位置に限定されるため、プレートコンパクタを停止または前後進制御不能のまま運転した状態で、相当回数の前後進レバーの往復作動を要する。この際、ハンドポンプのシリンダ室内では負圧のもと油の吸引により空気と油の撹拌が繰り返され、本来非圧縮性である油が気泡の混入によって圧縮性を伴うことにより、気泡の混濁した油による不安定な作動特性の前後進制御となってしまう。
また、前後進プレートコンパクタは地盤の締固めにおいて地盤からの反力を受ける。この地盤からの反力の値は、路面の固さ、地盤の凹凸等により変わる。その反力により、偏心錘の回転位置によっては、起振軸回りにモーメントが働き、起振軸回りに不規則な回動振動を発生させる。起振軸回りのその回動振動は、螺旋条の溝に係合したピンに伝わり、ピンを介して起振軸の位相を変化させる油圧シリンダのロッドを伸ばしたり縮めたりする振動となり、最終的には油圧シリンダの制御を行う油圧配管に圧力変動というかたちで影響を及ぼす。特許文献1の構造では、圧力変動に対する圧力調整装置が備わっていないので、その圧力変動が緩和されずに、負圧となった状態ではそれに起因してキャビテーションが発生し、高圧となった状態では油圧シールを破損したりするおそれがある。
また特許文献1の構造では、エンジンの停止時には、起振体からの機械的な戻し力による戻し圧力がないので、例えばトラックの荷台への積み込み時に前後進レバーに吊下げ用フックなどを掛けたり、または他の機器に当たるなどして前後進レバーが前進側に急に倒れたときには、弁座およびロッドと、弁座とロッドとで押さえつけているボールとがその動きに追従できずに、弁座流路の開口端を開くこととなってしまい、余分な作動油が補充油室から配管内に流れ込む。そして次に、前後進レバーが大きく後進側に操作されたときには、前後進切換用シリンダのロッドがストロークエンドに到っても、余分な作動油の存在により圧油力の逃げ場がなくなり高圧となる。こうした状況が繰り返しなされるなどして閉ざされた油圧回路内が異常高圧になると、油圧シール部材の破損やホース配管の損傷を招くおそれのほか、前後進レバーを後進側に動かす外部からの強い力により、もうそれ以上押し込まれない状態のハンドポンプのロッドエンドにカムが強く当たることにより、カムの損傷などをきたすおそれもある。
本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、前後進制御機構において、リミットスイッチに広く一般的に利用され、周知である回転カムによる回転−直進変換機構を採用し、
(1)圧油補充または排出用の開閉流路における閉塞機能が長期にわたり維持される
(2)ハンドポンプ内のシリンダ室、油圧配管、前後進切換用シリンダの各内部の負圧が防止される
(3)ハンドポンプ内のシリンダ室、油圧配管、前後進切換用シリンダの各内部への油の自吸機能が備わる
(4)ハンドポンプ内のシリンダ室、油圧配管、前後進切換用シリンダの各圧力の上昇抑制機能が備わる
などの各効果が得られる前後進プレートコンパクタの前後進制御機構を提供することを目的としている。
前記課題を解決するため、本発明は、一対の起振軸と、一方の起振軸に設けられ、他方の起振軸の偏心錘に対する位相が可変となる偏心錘と、前記一方の起振軸に設けられた偏心錘の位相を制御し、且つ、前記一方の起振軸の回転によって生ずる機械的反力が作用する油圧式の前後進切換用シリンダと、当該前後進切換用シリンダと前後進レバーとの間に介設される前後進制御機構と、を備え、各偏心錘の相互の位相を変えることにより機体を前進又は後進させる前後進プレートコンパクタにおいて、前記前後進制御機構は、前記前後進レバーの操作により回動するカムを内蔵した補充油室と、一端が前記前後進切換用シリンダに油圧配管を介して連通し、他端が前記補充油室に連通する制御シリンダ室と、当該制御シリンダ室に設けられ、一端が機械的反力による圧油力を受け、他端が前記カムに当接する小径ピストンと、当該小径ピストンに摺動可能に外嵌して当該小径ピストンに従動する円筒ピストンと、前記小径ピストンと前記円筒ピストンとの間で形成され、前記前後進レバーが少なくとも最速前進位置にあるときに開いて、前記補充油室と前記前後進切換用シリンダとを連通させ双方間の油の流出入をさせる開閉流路と、を備え、前記開閉流路は、前記小径ピストンおよび前記円筒ピストンに各々形成した環状平面部同士が接面することで閉じる構成としたことを特徴とする。
この前後進プレートコンパクタの前後進制御機構によれば、補充油室側から前後進切換用シリンダ側に圧油を補充切換する流路開閉部材が平面部同士の接触構造となることから、両者が頻繁に衝突しても欠けや偏磨耗が生じにくく、開閉流路の閉塞時の閉塞機能が長期にわたり維持されるので、耐久性、メンテナンス性が向上する。
また、本発明は、機械的反力による圧油力がかかる方向と同じ方向に前記小径ピストンを付勢する第1スプリングと、前記第1スプリングよりも小さい付勢力を有し、前記前後進レバーの最速前進位置以外の任意の位置において前記制御シリンダ室の一端側の圧力が前記補充油室の圧力よりも高いときには前記開閉流路を閉じ、前記制御シリンダ室の一端側の圧力が前記補充油室の圧力よりも所定の圧力差分低くなったときに開くように、前記小径ピストンに対して機械的反力による圧油力がかかる方向と同じ方向に前記円筒ピストンを付勢する第2スプリングと、を備えることを特徴とする。
この前後進プレートコンパクタの前後進制御機構によれば、制御シリンダ室、前後進切換用シリンダ、制御シリンダ室と前後進切換用シリンダとを連結する油圧配管に油が即座に充たされ、きわめて安定した前後進制御が可能となり、また制御シリンダ室、前後進切換用シリンダ、油圧配管などにおいて、負圧により生じるキャビテーションを阻止することができ、同様に安定した前後進制御が可能となる。また、エンジン停止時に前後進レバーが前進側に倒れたときであっても、第2スプリングの介在により開閉流路を閉じておくことができるので、前後進切換用シリンダ側への余分な作動油の流入を防止でき、油圧回路内の異常高圧が防止される。
また、本発明は、前記小径ピストンの内部に、機械的反力による圧油力が増大したときに圧油を前記補充油室に逃がすリリーフ弁を設けたことを特徴とする。
この前後進プレートコンパクタの前後進制御機構によれば、圧力増大による前後進制御機構の損傷を防止でき、リリーフ弁を小径ピストンに内蔵させることで前後進制御機構のコンパクト化が図れる。
また、本発明は、一対の起振軸と、一方の起振軸に設けられ、他方の起振軸の偏心錘に対する位相が可変となる偏心錘と、前記一方の起振軸に設けられた偏心錘の位相を制御し、且つ、前記一方の起振軸の回転によって生ずる機械的反力が作用する油圧式の前後進切換用シリンダと、当該前後進切換用シリンダと前後進レバーとの間に介設される前後進制御機構と、を備え、各偏心錘の相互の位相を変えることにより機体を前進又は後進させる前後進プレートコンパクタにおいて、前記前後進制御機構は、前記前後進レバーの操作により回動する回動部材を内蔵した補充油室と、一端が前記前後進切換用シリンダに油圧配管を介して連通し、他端が前記補充油室に連通する制御シリンダ室と、当該制御シリンダ室に設けられ、一端が機械的反力による圧油力を受け、他端が前記補充油室に位置する小径ピストンと、前記補充油室において前記回動部材の回動を前記小径ピストンの直線移動に変換する連結機構部と、前記小径ピストンに摺動可能に外嵌して当該小径ピストンに従動する円筒ピストンと、前記小径ピストンと前記円筒ピストンとの間で形成され、前記前後進レバーが少なくとも最速前進位置にあるときに開いて、前記補充油室と前記前後進切換用シリンダとを連通させ双方間の油の流出入をさせる開閉流路と、を備え、前記開閉流路は、前記小径ピストンおよび前記円筒ピストンに各々形成した環状平面部同士が接面することで閉じる構成としたことを特徴とする。
この前後進プレートコンパクタの前後進制御機構によれば、補充油室側から前後進切換用シリンダ側に圧油を補充切換する流路開閉部材が平面部同士の接触構造となることから、両者が頻繁に衝突しても欠けや偏磨耗が生じにくく、開閉流路の閉塞時の閉塞機能が長期にわたり維持されるので、耐久性、メンテナンス性が向上する。
また、本発明は、前記回動部材は、その回転中心回りに変位を伴って回動する軸ピンからなり、前記連結機構部は、前記軸ピンと、前記小径ピストンの他端寄りに形成され、前記軸ピンが移動可能に係合する長孔溝と、から構成されることを特徴とする。
この前後進プレートコンパクタの前後進制御機構によれば、回動部材の回動を小径ピストンの直線移動にスムースに変換でき、簡単な構造のため連結機構部のコンパクト化も図れる。
本発明によれば、前後進制御機構における開閉流路の閉塞機能が長期にわたり維持されるので、耐久性、メンテナンス性が向上する。また、制御シリンダ室と前後進切換用シリンダおよび油圧配管(制御シリンダ室と前後進切換用シリンダとを連結する配管)に油が即座に充たされ、きわめて安定した前後進制御が可能となり、不安定要素である制御系内の負圧に起因するキャビテーションの発生が防止される。また、制御系内の圧油力の異常高圧を防止でき、各構成部位に作用する過負荷防止により機能安定も実現される。
図1は本発明に係る前後進プレートコンパクタの側面説明図(一部は仮想線にて示す)である。前後進プレートコンパクタ1は、起振機2,輾圧板3,原動機4等を備え、後方部には操向用のハンドル5が取り付けられている。原動機4の出力軸に軸着されたプーリ6と、起振機2の第1起振軸9に軸着されたプーリ7との間にはベルト8が巻回されており、原動機4を駆動させ、ベルト8を介して起振機2内の起振軸(第1起振軸9及び第2起振軸10)を回転させることにより輾圧板3に振動を与え、地盤を締め固める。図1において、第1起振軸9はプーリ6と同方向の反時計回りに、第2起振軸10は時計回りに回転する。
「起振機2」
図2は前記した起振機2の平断面説明図である。起振機2は、ケース11とケース11の側部に取り付けられるカバー12とを筐体とし、内部には第1起振軸9及び第2起振軸10が機体の左右方向に沿って互いに平行となるように配設されている。第1起振軸9は軸受13,13を介してケース11に回転自在に軸支されており、ケース11内においてその軸胴部には中空半月状の偏心錘14が固設されている。第1起振軸9の一端側はケース11から外部に突出し、その突出部には前記したようにプーリ7が軸着され、他端側にはカバー12内において駆動ギア15が軸着される。
一方、第2起振軸10は中空円筒形状を呈した部材であって、軸受16,16を介してケース11に回転自在に軸支されており、ケース11内においてその軸胴部には中空半月状の偏心錘17が固設されている。第2起振軸10には、後記する位相可変機構18を介して従動ギア19が取り付けられ、前記駆動ギア15と従動ギア19が噛合することにより、第1起振軸9と第2起振軸10は互いに逆方向に同期回転する。
偏心錘17は偏心錘14に対する位相が可変となるように構成されており、その可変機構となる位相可変機構18について以下に説明する。第2起振軸10はその内部に、第2起振軸10に対しその軸回りに回動不能に、且つその軸方向に移動可能となる芯軸20を有する。芯軸20は、軸胴部20aと、軸胴部20aの一端側において形成され、軸胴部20aよりも大径の基軸部20bと、軸胴部20aの他端側においてリード角を有するスプラインを形成したスプライン軸部20cとを備えた形状からなり、基軸部20bの部位でスリーブ21を介し第2起振軸10の内壁部に支持されている。
基軸部20bには、その径方向に沿ってピン22がその両端部を基軸部20bの周面から突出するようにして内嵌固定されている。ピン22の両端部はそれぞれスリーブ21を通って、第2起振軸10において軸方向を長手として形成された長穴10aに係合される。すなわち、芯軸20は、ピン22が長穴10aにガイドされることで、第2起振軸10に対しその軸回りに回動不能に、且つその軸方向に移動可能となるように構成される。
従動ギア19はそのボス部にて軸受19a,19aにより回転可能に支持されており、中央部には円筒形状のボス23が同軸状としてボルト(図示せず)により従動ギア19に締結固定されている。ボス23の内壁部には、前記スプライン軸部20cに対しスプライン結合が可能となるように、スプライン軸部20c側のリード角と同一のリード角を有するスプラインが形成されており、芯軸20はこのボス23を介し従動ギア19とスプライン結合する。リード角とは、スプラインの歯のつる巻き線(図2において仮想線で示す符号24)と、その上の1点を通る芯軸20の軸方向と直交する平面とがなす角度をいい、図2において符号θにて示す。
符号25は芯軸20に直線運動を与えることで偏心錘17の位相を制御する油圧シリンダ(以降、前後進切換用シリンダという)であり、油室25aを形成するシリンダカバーはケース11の外側に取り付けられ、ピストンロッド26aがケース11内に挿通している。芯軸20は、スリーブ21の部位で軸受27により、このピストンロッド26aに対して回転可能に、且つ、ピストンロッド26aの伸退により直線移動可能となるように、ピストンロッド26aの先端部に連結している。
位相可変機構18は以上の構成からなり、ピストンロッド26aの伸縮動作を受けて芯軸20は、ピン22が長穴10a内を移動することで軸方向に直線移動するとともに、軸受27の介在によりピストンロッド26aに対して回転可能となっていることから、リード角を有したスプラインの作用により従動ギア19側に対して相対的に回動する。したがって、ピン22の介在により、偏心錘17を固設した第2起振軸10も従動ギア19に対して相対的に回動することとなり、これにより、偏心錘14に対する偏心錘17の位相が変化する。
ここで、前後進切換用シリンダ25に油圧がかかっていない場合を想定すると、駆動ギア15からの駆動力により従動ギア19(第2起振軸10)が図2におけるA方向から見て反時計回りに回転すると、スプラインのリード角の形成により従動ギア19の回転方向の力の一部が芯軸20の軸方向の力に変換され、芯軸20がピストンロッド26aを押し戻す方向(油室25aを小さくする方向)に移動するようになっている。つまり、このピストンロッド26aを押し戻す力は、前後進切換用シリンダ25に油圧がかかっている場合には、その油圧力に対抗する機械的反力として前後進切換用シリンダ25に作用する。
「前後進制御機構30」
前後進切換用シリンダ25には、油室25aのポート25bを介して図3に示す前後進制御機構30が接続される。この前後進制御機構30は図1に示すようにハンドル5の近傍に設けられた前後進レバー28の基端部周りにレイアウトされる。図3は前後進制御機構30の構造説明図であり、前後進レバー28が中立位置にある状態を示している。前後進制御機構30は、前後進レバー28の操作により軸心37aを中心として回動するカム31を内蔵した補充油室32と、一端が前後進切換用シリンダ25のポート25b(図2)に油圧配管を介して連通し、他端が補充油室32に連通する制御シリンダ室33と、制御シリンダ室33に設けられ、一端が前記した前後進切換用シリンダ25に作用する機械的反力による圧油力Pを受け、他端がカム31に当接する小径ピストン35と、小径ピストン35に摺動可能に外嵌して小径ピストン35に従動する円筒ピストン34と、小径ピストン35と円筒ピストン34との間で形成される開閉流路51とを備える。
ケーシング36の内部は補充油室32と制御シリンダ室33とに画成され、両室間には後記するように円筒ピストン34の移動規制機能を担うストッパ36aが形成されている。補充油室32には、前後進レバー28の基端部に形成されて前後進レバー28と一体に回動する回動軸37が設けられ、この回動軸37にはブラケット38を介して側面視円形状を呈した前記カム31が取り付けられており、前後進レバー28の回動操作によりカム31が回動軸37を中心に回動する。ケーシング36には、補充油室32に油を補給するためのエアブリーザ付給油プラグ61が取り付けられている。
円筒ピストン34の内周壁は、小径ピストン35と摺接する摺接部39と、摺接部39から一端側(前記機械的反力による圧油力Pがかかる側)に向け順次大径に形成される第1拡径部40、第2拡径部41と、摺接部39の他端側に形成される第3拡径部42とを有する形状からなる。円筒ピストン34の他端において第3拡径部42の開口縁周りには、補充油室32に向けて環状の突起体43が形成されており、この突起体43の先端面はピストン34の軸方向と直交する面に沿う環状平面部44を構成する。
小径ピストン35は、一端側(機械的反力による圧油力Pを受ける側)が開口し、他端側が閉塞されて、内部にピストン軸方向に沿った圧油の内部流路45を形成した部材であって、円筒ピストン34の摺接部39と摺接する摺胴部46と、円筒ピストン34の第2拡径部41内に位置して摺胴部46よりも大径に形成されるフランジ部47と、円筒ピストン34の他端よりも補充油室32寄りに位置して前記環状の突起体43よりも大径で、かつケーシング36のストッパ36aの内径よりも小径に形成される開閉用胴部48とを備えた形状からなる。
小径ピストン35の開閉用胴部48と摺胴部46との段差に形成される環状の段差平面部49は、円筒ピストン34の環状平面部44との間で開閉流路51を形成する(ただし、図3においては開閉流路51は閉じた状態)。なお、環状平面部44や段差平面部49は、密閉性を確保するために研磨などの表面処理が施されている。摺胴部46には、内部流路45と円筒ピストン34の第3拡径部42とを連通する連通孔50が円周方向に複数穿設されており、開閉流路51が開いた際には、制御シリンダ室33の一端側と補充油室32とが、内部流路45、連通孔50、第3拡径部42、開閉流路51を介して連通する。なお、開閉用胴部48の他端側は適宜に縮径形成されたうえでその端面がカム31に当接する。
制御シリンダ室33の一端側には、小径ピストン35のフランジ部47に当接して、小径ピストン35を機械的反力による圧油力Pが加わる方向と同じ方向に、つまり補充油室32側に向けて付勢する圧縮コイルばねからなる第1スプリング52が設けられる。また、小径ピストン35の摺胴部46と円筒ピストン34の第1拡径部40とで形成される環状の空間には、第1スプリング52よりも小さな付勢力で、かつ後記するように制御シリンダ室33の負圧力を防止するため適宜設定された圧縮コイルばねからなる第2スプリング53が設けられる。この第2スプリング53は、小径ピストン35のフランジ部47に対して円筒ピストン34を補充油室32側に向けて、つまり開閉流路51を閉じる方向に付勢する機能を担い、後記するように前後進レバー28の最速前進位置以外の任意の位置において制御シリンダ室33の一端側の圧力が補充油室32の圧力よりも高いときには開閉流路51を閉じ、制御シリンダ室33の一端側の圧力が補充油室32の圧力よりも所定の圧力差分低くなったときに開くように設定されている。
また、前記内部流路45は連通孔50の穿設位置よりもさらに補充油室32側に延設されていて、その延設箇所にはリリーフ弁54が設けられている。リリーフ弁54は、弁体のボール54aと、ボール54aを支持する支持座54bと、支持座54bを介してボール54aを弁座55に押し付けるスプリング54cとから構成される。リリーフ弁54を内蔵する小径ピストン35の壁部には逃がし孔56が穿設される。
以下に前後進制御機構30の作用を説明する。図4は前後進制御機構30の作用説明図である。図3の前後進レバー28が中立位置にある状態から、図4(a)に示すように前後進レバー28を最速前進位置まで倒す場合について説明すると、カム31と小径ピストン35は、各々別体に構成されているが、第1スプリング52による付勢力により常に当接しており、かつ機械的反力による圧油力Pが小径ピストン35に作用し、第2スプリング53の介在により小径ピストン35に従動する円筒ピストン34にも同時に作用しているため、図4におけるカム31を右方向へ押圧することにより前後進レバー28は操作力を必要とせずに自動的に最速前進方向へ、小径ピストン35と円筒ピストン34の合成体の受ける圧油力と第1スプリング52による付勢力の合力により駆動される。これにより制御シリンダ室33の一端側の容積が増大する。すなわち、図2に示す前後進切換用シリンダ25の油室25aの容積が減少し、ピストンロッド26aが伸長して偏心錘14に対する偏心錘17の位相が変化し、前後進プレートコンパクタ1が前進する。
前後進レバー28の最速前進位置近辺では、小径ピストン35と円筒ピストン34の合成体の移動過程で先に円筒ピストン34がストッパ36aに当接して移動規制され、第1スプリング52の付勢力が適宜設定された第2スプリング53の付勢力よりも強いため、小径ピストン35のみがそこからさらに補充油室32側に移動することで、環状の段差平面部49が環状平面部44から離間し、開閉流路51が開放される。これにより、前後進切換用シリンダ25(図2)の油室25a内の圧力は、補充油室32と同一(すなわち大気圧力)となり、機械的反力を妨げる圧油力は作用せず、前後進プレートコンパクタ1は最速前進する。このとき、前後進切換用シリンダ25(図2)の油室25a、制御シリンダ室33の一端側、油室25aと制御シリンダ室33とを連結する油圧配管の全てを含む制御容積内に油が不足している場合には、油が補充油室32から開閉流路51、連通孔50、内部流路45を経て制御シリンダ室33の一端側に流入し、同制御容積内の空気を補充油室32に排出する。また一方で、同制御容積内に油が余剰している場合は、上記と逆方向に制御シリンダ室33内の余剰油は補充油室32に排出される。以上のように、前後進レバー28の最速前進位置は、前後進切換用シリンダ25(図2)のストロークエンドすなわちプレートコンパクタ1の最速前進状態とするための余剰油排出補正位置であり、かつ制御容積内の油不足に際しては同容積内に油を充填するための補充位置でもある。
次に、前後進レバー28を最速前進位置から図4(b)に示すように、機械的反力による圧油力Pおよび第1スプリング52の付勢力に抗して後進側に倒すと、カム31に押圧されて小径ピストン35が制御シリンダ室33の一端側に移動し、第2スプリング53の付勢力により円筒ピストン34は、段差平面部49が環状平面部44に接面して開閉流路51が閉じるまでストッパ36aに当接して留まり、開閉流路51が閉じることにより、制御シリンダ室33への油の補充もしくは制御シリンダ室33からの油の排出が遮断される。以降、環状平面部44が段差平面部49に押されることで、円筒ピストン34も小径ピストン35に従動して制御シリンダ室33の一端側に移動する。これにより制御シリンダ室33の一端側の容積が減少する。すなわち、図2に示す前後進切換用シリンダ25の油室25aの容積が増大し、ピストンロッド26aが縮退して偏心錘14に対する偏心錘17の位相が変化し、前後進プレートコンパクタ1が後進する。
図3において、制御シリンダ室33の内径をD、段差平面部49と環状平面部44との接面部の外径をdとし、第2スプリング53による該接面部への付勢力をFSP、制御シリンダ室33の一端側の圧力をP、補充油室32内の圧力をP(≒大気圧力)とすると、前後進レバー28を後進方向に操作したとき、段差平面部49に対する環状平面部44の押圧力Fは次式で示される。
F=FSP+(P−P)・π(D−d)/4 …式(1)
この押圧力Fによって開閉流路51は閉じてその密閉性が確保される。
一方で、前後進レバー28を前進側に操作したときは、圧力Pと圧力Pの状態により、以下の通りとなる。
「P>Pのとき(通常の機械的反力による圧油力Pが作用しているとき)」
式(1)に示す押圧力Fをもって開閉流路51が閉じる。
「P<Pのとき(制御シリンダ室33の一端側の圧力が負圧のときや油が不足したときなど)」
式(1)においてF=0となる境界点では
SP=(P−P)・π(D−d)/4 …式(2)
となるから、この式(2)からPについての式(3)が得られる。
=P−FSP/(π(D−d)/4) …式(3)
式(3)で表されるPが負圧に至ったとき、段差平面部49に対する環状平面部44の押圧力はなくなり、開閉流路51は開放される。
すなわち、小径ピストン35とこれに従動する円筒ピストン34および第2スプリング53の3点の構成部位によって、制御シリンダ室33の一端側の正圧力、負圧力を感知して、正圧力時は制御シリンダ室33内圧力を封止し、負圧力時には制御シリンダ室33の一端側を補充油室32に開放し油を補充する機能を併せ持つ自動制御機能を有する。
以上のように、圧油の補充用として形成される開閉流路51を閉じるにあたり、環状平面部44と環状の段差平面部49とを接面させる構成、つまり、円筒ピストン34と小径ピストン35に各々形成した環状平面部同士を接面させる構成とすれば、平面部同士の接触であることから、両者は密着し隙間の無い状態となり、制御シリンダ室33の圧油力が正圧力であれば補充油室32への内部油漏れを完全に封止することが可能で、かつ両者が頻繁に衝突しても欠けや偏磨耗が生じにくく、開閉流路の閉塞機能が長期にわたり維持される。
また、引用文献1に記載のボールのような閉塞部材を別途設ける必要もなく、自らの移動により制御容積の増減を生じる円筒ピストン34と小径ピストン35の両者がそのまま流路開閉部材として機能するので、部品点数の低減が図れ、組み立てが容易となる。
また、従来の課題として、(1)前後進プレートコンパクタの稼動中、地盤からの反力の変動により油圧配管に圧力変動が生じたとき、圧力調整装置が備わっていない特許文献1の構造では、負圧となった状態ではキャビテーションが発生し、異常高圧となった状態では油圧シールを破損したりするおそれがあること、(2)機械的反力による圧油力が全く生じないエンジンの停止時、トラックの荷台への積み込み時に前後進レバーに吊下げ用フックなどを掛けたり、または他の機器に当たるなどして前後進レバーが前進側に急に倒れたとき、特許文献1の構造では、ボールがその動きに追従できずに弁座流路の開口端が開き、余分な作動油が補充油室から配管内に流れ込むことから、その後、前後進レバーを後進側に倒して前後進切換用シリンダのロッドがストロークエンドに到っても、余分な作動油の存在により圧油力の逃げ場がなくなり高圧となって、油圧シール部材の破損やホース配管、カムの損傷をきたすおそれがあること、については既述した通りである。
この問題に対し本発明では、円筒ピストン35は小径ピストン34のフランジ部47と段差平面部49とで規制されたストローク内で移動し、かつ第2スプリング53により、環状平面部44がカム31の位置に拘らず開閉流路51を閉じるように付設されている。これにより、制御シリンダ室33の一端側の圧力が補充油室32の圧力よりも高い正常時には、前記したように式(1)の押圧力Fが得られ、開閉流路51の高い密閉性が確保される。したがって、エンジン停止時において前後進レバー28を前進側に倒したときであっても、第2スプリング53の介在により開閉流路51を閉じておくことができ、余分な作動油の流入が防止されて前記(2)の課題が解消される。
また、エンジン始動時、地盤からの反力の変動により油圧配管に圧力変動が生じて油圧回路内が負圧となり、制御シリンダ室33の一端側の圧力Pが補充油室32の圧力Pよりも所定の圧力差をもって低くなったとき、つまり第2スプリング53の付勢力よりも円筒ピストン34に作用する制御シリンダ室33の一端側の負圧による吸引力が勝ったときには、前後進レバー28の最速前進位置以外の任意の位置(カム31の図3における最右端以外の任意の位置)において、円筒ピストン34が小径ピストン35に対してシリンダ室33の一端側に移動し、開閉流路51を開いて補充油室32内の油を制御シリンダ室33へ流入可能とする。前記所定の圧力差と第2スプリング53の付勢力との関係は前記式(2)により適宜に設定される。
このように、第1スプリング52よりも小さい付勢力を有し、前後進レバー28の最速前進位置以外の任意の位置において制御シリンダ室33の一端側の圧力が補充油室32の圧力よりも高いときには開閉流路51を閉じ、低いときには開くように第2スプリング53を設けたことで、制御シリンダ室33の一端側を含む油圧回路内の負圧状態を即座に解消でき、キャビテーションの発生を抑えることができる。したがって、前記(1)の課題の内の負圧時の問題が解消される。なお、勿論、第2スプリング53の付勢力は第1スプリング52の付勢力よりも小さく設定されているので、図4(a)に示す最速前進位置の状態では開閉流路51は確実に開く。
さらに、機械的反力による圧油力Pが所定値よりも増大したときには、図5に示すように、リリーフ弁54のボール54aが開いて圧油が逃がし孔56から補充油室32に流入するので、圧力増大による前後進制御機構30の損傷を防止できる。つまり、前記(1)の課題の内の異常高圧時の問題が解消される。また、リリーフ弁54を小径ピストン35に内蔵させることで、前後進制御機構30のコンパクト化が図れる。リリーフ弁54の作動はさほど起きるものではないので、弁座55の開口エッジとボール54aとの衝突による磨耗の問題は殆ど生じない。
「第1変形例」
図6ないし図9は前後進制御機構30の第1変形例に係る図面であり、図6は前後進制御機構30の構造説明図、図7は図6におけるA−A断面図、図8は連結機構部の分解斜視図、図9は前後進制御機構30の作用説明図である。
前後進レバー28の回動操作により小径ピストン35を直線移動させるにあたり、図3に示した前後進制御機構30においては、補充油室32においてカム31を小径ピストン35の他端に当接させる構造であったのに対し、第1変形例の前後進制御機構30においては、前後進レバー28の操作により回動する回動部材を補充油室32に設けたうえで、回動部材の回動を小径ピストン35の直線移動に変換する連結機構部71を形成した構造としている。なお、その他の構造については図3に示した前後進制御機構30と同じであり、同一の構成要素については図3と同じ符号を付してその説明は省略する。
この第1変形例では、前記回動部材が、その回転中心回りに変位を伴って回動する軸ピン72からなり、連結機構部71が、軸ピン72と、小径ピストン35の他端寄りに形成され、軸ピン72が移動可能に係合する長孔溝73とから構成される。「回転中心回りに変位を伴って回動する」とはいわゆる公転を意味し、軸心37aを中心として軸ピン72全体が回動することを指す。
図3に示した構造と同様に、補充油室32には、前後進レバー28の基端部に形成されて前後進レバー28と一体に回動する回動軸37が設けられる。回動軸37には、この回動軸37の軸方向に離間する一対の支持板74aを有したブラケット74が固設され、支持板74a、74a間には、回動軸37の軸方向と平行に軸ピン72が掛け渡される。一方、小径ピストン35の他端には小径ピストン35の軸方向と直交する方向に長手であり、軸ピン72が係合する長孔溝73が形成される。具体的には、長孔溝73は小径ピストン35とは別体の連結片75に形成されており、上方に開放した側面視U字形状を呈するように切り欠かれている。連結片75に形成された雄ねじを小径ピストン35の他端面に形成した雌ねじに螺合することにより、小径ピストン35の他端に長孔溝73が形成される。勿論、連結片75に形成された長孔溝73を小径ピストン35自体に一体的に形成する構造にしてもよい。なお、軸ピン72と長孔溝73との間には軸受76を介在させている。
以上の構成により、前後進レバー28の回動操作により回動軸37を回転させると、軸ピン72が回動軸37の軸心37a回りに回動し、その際に長孔溝73内を移動しつつ軸受76を介して長孔溝73の内壁を押圧することで小径ピストン35が直線移動する。図9(a)、(c)に示すように、前後進レバー28が前進位置、後進位置にあるときには軸ピン72は長孔溝73の上部に位置し、図9(b)に示すように、前後進レバー28が中立位置にあるときには軸ピン72は長孔溝73の下部に位置する。
このように、連結機構部71として、軸ピン72と、小径ピストン35の他端寄りに形成され、軸ピン72が移動可能に係合する長孔溝73とを備える構成とすれば、軸ピン72の回動を小径ピストン35の直線移動にスムースに変換でき、簡単な構造のため連結機構部71のコンパクト化も図れる。
なお、符号77は、ブラケット74に当接することで前後進レバー28の最速前進位置の位置決めを行うストッパピンであり、ケーシング36の内壁に固設されている。また、補充油室32の底部においてケーシング36には部品組み込み用の孔78が形成されているが、この孔78は部品組み込み後に図示しない蓋材により閉塞されるものであり、これにより補充油室32が密閉される。
「第2変形例」
図10は前後進制御機構30の第2変形例に係る図面であり、前後進制御機構30の構造説明図である。第1変形例と同様にこの第2変形例も、前後進レバー28の操作により回動する回動部材を補充油室32に設けたうえで、回動部材の回動を小径ピストン35の直線移動に変換する連結機構部71を形成した構造である。その他の構造については図3に示した前後進制御機構30と同じであり、同一の構成要素については図3と同じ符号を付してその説明は省略する。
第1変形例では、回動部材を、その回転中心回りに変位を伴って回動する軸ピン72として、連結機構部71を、軸ピン72と、小径ピストン35の他端寄りに形成され、軸ピン72が移動可能に係合する長孔溝73とから構成したのに対し、第2変形例では、回動部材をピニオンギア81として、連結機構部71を、ピニオンギア81と、小径ピストン35の他端寄りに形成したラックギア82とから構成している。ピニオンギア81は回動軸37に軸着される。
以上の構成により、前後進レバー28の回動操作により回動軸37を回転させると、ピニオンギア81およびラックギア82のラックアンドピニオン機構により、小径ピストン35が直線移動する。当該構成によっても、軸ピン72の回動を小径ピストン35の直線移動にスムースに変換でき、簡単な構造で部品点数も少ないため連結機構部71のコンパクト化が図れる。
以上、本発明について最適な実施形態を説明した。本発明は図面に記載したものに限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲内で適宜に設計変更が可能である。
本発明に係る前後進プレートコンパクタの側面説明図である。 起振機の平断面説明図である。 前後進制御機構の構造説明図である。 前後進制御機構の作用説明図である。 リリーフ弁の作用説明図である。 第1変形例に係る図面であり、前後進制御機構の構造説明図である。 図6におけるA−A断面図である。 第1変形例に係る図面であり、連結機構部の分解斜視図である。 第1変形例に係る図面であり、前後進制御機構の作用説明図である。 第2変形例に係る図面であり、前後進制御機構の構造説明図である。
符号の説明
1 前後進プレートコンパクタ
2 起振機
25 前後進切換用シリンダ
28 前後進レバー
30 前後進制御機構
31 カム
32 補充油室
33 制御シリンダ室
34 円筒ピストン
35 小径ピストン
44 環状平面部
49 段差平面部
51 開閉流路
52 第1スプリング
53 第2スプリング
54 リリーフ弁
71 連結機構部
72 軸ピン
73 長孔溝

Claims (7)

  1. 一対の起振軸と、
    一方の起振軸に設けられ、他方の起振軸の偏心錘に対する位相が可変となる偏心錘と、
    前記一方の起振軸に設けられた偏心錘の位相を制御し、且つ、前記一方の起振軸の回転によって生ずる機械的反力が作用する油圧式の前後進切換用シリンダと、
    当該前後進切換用シリンダと前後進レバーとの間に介設される前後進制御機構と、
    を備え、各偏心錘の相互の位相を変えることにより機体を前進又は後進させる前後進プレートコンパクタにおいて、
    前記前後進制御機構は、
    前記前後進レバーの操作により回動するカムを内蔵した補充油室と、
    一端が前記前後進切換用シリンダに油圧配管を介して連通し、他端が前記補充油室に連通する制御シリンダ室と、
    当該制御シリンダ室に設けられ、一端が機械的反力による圧油力を受け、他端が前記カムに当接する小径ピストンと、
    当該小径ピストンに摺動可能に外嵌して当該小径ピストンに従動する円筒ピストンと、
    前記小径ピストンと前記円筒ピストンとの間で形成され、前記前後進レバーが少なくとも最速前進位置にあるときに開いて、前記補充油室と前記前後進切換用シリンダとを連通させ双方間の油の流出入をさせる開閉流路と、
    を備え、
    前記開閉流路は、前記小径ピストンおよび前記円筒ピストンに各々形成した環状平面部同士が接面することで閉じる構成としたことを特徴とする前後進プレートコンパクタの前後進制御機構。
  2. 機械的反力による圧油力がかかる方向と同じ方向に前記小径ピストンを付勢する第1スプリングと、
    前記第1スプリングよりも小さい付勢力を有し、前記前後進レバーの最速前進位置以外の任意の位置において前記制御シリンダ室の一端側の圧力が前記補充油室の圧力よりも高いときには前記開閉流路を閉じ、前記制御シリンダ室の一端側の圧力が前記補充油室の圧力よりも所定の圧力差分低くなったときに開くように、前記小径ピストンに対して機械的反力による圧油力がかかる方向と同じ方向に前記円筒ピストンを付勢する第2スプリングと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の前後進プレートコンパクタの前後進制御機構。
  3. 前記小径ピストンの内部に、機械的反力による圧油力が増大したときに圧油を前記補充油室に逃がすリリーフ弁を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の前後進プレートコンパクタの前後進制御機構。
  4. 一対の起振軸と、
    一方の起振軸に設けられ、他方の起振軸の偏心錘に対する位相が可変となる偏心錘と、
    前記一方の起振軸に設けられた偏心錘の位相を制御し、且つ、前記一方の起振軸の回転によって生ずる機械的反力が作用する油圧式の前後進切換用シリンダと、
    当該前後進切換用シリンダと前後進レバーとの間に介設される前後進制御機構と、
    を備え、各偏心錘の相互の位相を変えることにより機体を前進又は後進させる前後進プレートコンパクタにおいて、
    前記前後進制御機構は、
    前記前後進レバーの操作により回動する回動部材を内蔵した補充油室と、
    一端が前記前後進切換用シリンダに油圧配管を介して連通し、他端が前記補充油室に連通する制御シリンダ室と、
    当該制御シリンダ室に設けられ、一端が機械的反力による圧油力を受け、他端が前記補充油室に位置する小径ピストンと、
    前記補充油室において前記回動部材の回動を前記小径ピストンの直線移動に変換する連結機構部と、
    前記小径ピストンに摺動可能に外嵌して当該小径ピストンに従動する円筒ピストンと、
    前記小径ピストンと前記円筒ピストンとの間で形成され、前記前後進レバーが少なくとも最速前進位置にあるときに開いて、前記補充油室と前記前後進切換用シリンダとを連通させ双方間の油の流出入をさせる開閉流路と、
    を備え、
    前記開閉流路は、前記小径ピストンおよび前記円筒ピストンに各々形成した環状平面部同士が接面することで閉じる構成としたことを特徴とする前後進プレートコンパクタの前後進制御機構。
  5. 機械的反力による圧油力がかかる方向と同じ方向に前記小径ピストンを付勢する第1スプリングと、
    前記第1スプリングよりも小さい付勢力を有し、前記前後進レバーの最速前進位置以外の任意の位置において前記制御シリンダ室の一端側の圧力が前記補充油室の圧力よりも高いときには前記開閉流路を閉じ、前記制御シリンダ室の一端側の圧力が前記補充油室の圧力よりも所定の圧力差分低くなったときに開くように、前記小径ピストンに対して機械的反力による圧油力がかかる方向と同じ方向に前記円筒ピストンを付勢する第2スプリングと、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の前後進プレートコンパクタの前後進制御機構。
  6. 前記小径ピストンの内部に、機械的反力による圧油力が増大したときに圧油を前記補充油室に逃がすリリーフ弁を設けたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の前後進プレートコンパクタの前後進制御機構。
  7. 前記回動部材は、その回転中心回りに変位を伴って回動する軸ピンからなり、
    前記連結機構部は、前記軸ピンと、前記小径ピストンの他端寄りに形成され、前記軸ピンが移動可能に係合する長孔溝と、から構成されることを特徴とする請求項4ないし請求項6のいずれか一項に記載の前後進プレートコンパクタの前後進制御機構。
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