JP2007170321A - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】カムリングに対する第2流体圧室側の支持力を増加させて、カムリングの不用意な倒れを抑制して、ポンプ吐出量の減少を防止し得る可変容量形ベーンポンプを提供する。
【解決手段】ポンプボディ1内に支点面12を中心に揺動自在に収容配置され、内周側にロータ9とベーン14とともに複数のポンプ室16を形成するカムリング7と、該カムリングの軸方向一側に設けられた吸入ポート17及び吐出ポート19と、前記カムリングの外周側両側の空間を隔成して形成された第1流体圧室10及び第2流体圧室11とを備えている。フロントボディ2の第2流体圧室側の側部に、受圧室41に導入されたポンプ吐出圧とコイルスプリング35のばね力とによってプランジャ34を介して前記カムリングの第2流体圧室側から第1流体圧室側に付勢する付勢機構31を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両のパワーステアリングの駆動源などに用いられる可変容量型ベーンポンプの改良に関する。
従来の可変容量型ベーンポンプとしては、車両のパワーステアリング装置などに適用された以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この可変容量型ベーンポンプは、ポンプボディ内に収容固定されたアダプタリングと、該アダプタリングの内周側に配置され、該アダプタリングの内周面に形成された支点面の揺動支点を中心に揺動自在に設けられたカムリングと、ポンプボディ内に挿通した駆動軸に一体に設けられ、前記カムリングの内で回転するロータと、該ロータの外周部に放射方向に沿って複数形成されたスロットと、該各スロット内から放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、前記カムリングとロータとを軸方向から挟持する両サイドプレートとを備えている。
また、前記アダプタリングの内周面とカムリングの外周側の両側部には、制御バルブの作動によって内部の流体圧が制御される第1流体圧室と、常時吸入側の低圧が導入される第2流体圧室がそれぞれ形成されている。
そして、前記第1流体圧室内の流体圧と第2流体圧室側に設けられたスプリングのばね力との相対的な圧力に応じてカムリングを揺動させ、これによって各ポンプ室の容積を変化させてポンプ吐出量を制御するようになっており、ポンプ高回転時には、カムリングを第2流体圧室側へ揺動させてポンプ吐出量を減少させるようになっている。
また、前記第2流体圧室内には、前述のように、常時吸入側の低圧を導入することによって該第2流体圧室での吐出圧の損失をなくして、エネルギーロスの低減化が図られるようになっている。
特開2003−74479号公報
しかしながら、前記従来の可変容量型ベーンポンプにあっては、第2流体圧室内に常時吸入側の低圧を導入する、いわゆる低圧型になっていることから、前述のように、第2流体圧室での吐出圧の損失をなくして、エネルギーロスの低減化が図られるものの、かかる第2流体圧室によるカムリングの支持力が低下してしまう。
すなわち、かかる低圧型の可変容量形ベーンポンプにあっては、高圧型の可変容量形ベーンポンプ、つまり、第2流体圧室にポンプ吐出圧を導入し、第1流体圧室内の圧力との差圧によってカムリングの揺動を制御するように構成された可変容量形ベーンポンプと比較すると、カムリングに対する支持力が低下して不安定になり、例えばポンプ吐出量を多く必要とするポンプ低回転域でも、カムリングが第2流体圧室側へ不用意に倒れて、意図しないポンプ吐出量の減少を招くおそれがある。
本発明は、前記従来における低圧型の可変容量形ポンプの技術的課題に鑑みて案出されたもので、カムリングに対する第2流体圧室側の支持力を増加させて、カムリングの不用意な倒れを抑制して、ポンプ吐出量の減少を防止し得る可変容量形ベーンポンプを提供することを目的としている。
請求項1に記載の発明は、ポンプボディに軸支された駆動軸と、前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、前記ポンプボディ内に揺動支点を中心に揺動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、該カムリングの軸方向両側に設けられた第1部材及び第2部材と、前記第1部材または第2部材の少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、前記カムリングの外周側両側の空間をシール部材によって隔成して形成され、該カムリングの外周側空間をポンプ吐出量が増大する方向に設けられた第1流体圧室及びポンプ吐出量が減少する方向に設けられ、少なくとも吸入圧が常時導入される第2流体圧室と、前記カムリングを、プランジャを介して前記第2流体圧室側から第1流体圧室側に付勢する付勢機構と、を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、カムリングが、付勢機構のプランジャによって第2流体圧室側から第1流体圧室側へ付勢されるため、例えばポンプ低回転時において第2流体圧室に供給される低圧の付勢力に加えて大きな付勢力を作用させることができる。このため、該カムリングの第2流体圧室側への倒れ(揺動)による意図しないポンプ吐出量の減少を効果的に防止することができる。
請求項2に記載の発明は、基本構成は請求項1の発明と同様であり、特に異なるところは、吐出ポートの下流側に設けられたオリフィスと、該オリフィスの前後差圧が導入される制御バルブと、該制御バルブによって制御された圧力が導入され、前記カムリングを、プランジャを介して前記第2流体圧室から第1流体圧室側に付勢する付勢機構と、を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、プランジャは、制御バルブによって制御された圧力によってカムリングを第1流体圧室側へ付勢するようになっているため、カムリングの揺動位置に応じた制御圧力が導入されることになる。この結果、カムリングを最適な揺動位置に保持することが可能になり、カムリングの第2流体圧室側への不用意な倒れを防止できる。
請求項3に記載の発明は、基本構成が請求項1の発明と同じであるが、とりわけ、カムリングに一体的に設けられ、該カムリングを、プランジャを介して前記第2流体圧室側から前記第1流体圧室側に付勢する付勢機構を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、請求項1と同様な作用効果が得られると共に、プランジャがカムリングに一体的に設けられていることから、部品点数を削減でき、構造の簡素化と製造コストの低減化が図れる。
請求項4に記載の発明は、カムリングを、第2流体圧室側から第1流体圧室側に付勢する付勢力を制御する付勢力制御機構を備えたことを特徴としている。
この発明によれば、付勢力制御機構として、例えばソレノイドのような電磁力によって作動するアクチュエータやコントローラなどを用いてカムリングを第1流体圧室側へ付勢することにより、該カムリングの揺動位置をさらに精度良く制御することが可能になる。
以下、本発明にかかる可変容量型ベーンポンプを車両のパワーステアリング装置に適用した各実施形態を図面に基づいて詳述する。
すなわち、この可変容量型ベーンポンプは、図1及び図2に示すように、フロントボディ2と第1部材であるリアボディ3とを突き合わせてなるポンプボディ1と、該ポンプボディ1の内部に形成された収容空間4の内面に嵌着されたアダプターリング5と、該アダプターリング5のほぼ楕円形の空間内に図1中左右方向へ揺動可能なカムリング7と、該カムリング7の内周側に回転自在に配置され、前記ポンプボディ1内に挿通された駆動軸8に連結されたロータ9とを備えている。
前記アダプターリング5は、図1に示すように、内周面の下部に形成された円弧状の支持溝5aに前記カムリング7の位置を保持する位置保持ピン6が設けられていると共に、内周面の前記位置保持ピン6の図中左側近傍、つまり後述する第1流体圧室10側に前記カムリング7の揺動支点となる所定面積を有する支点面12が形成されている。
なお、前記位置保持ピン6は、カムリング7の揺動支点ではなく、カムリング7の位置を保持しつつアダプターリング5に対するカムリング7の回り止めとしての機能を有している。
前記カムリング7は、ほぼ円環状に形成され、このロータ9に対して偏心可能な状態で前記収容空間4内に配置されていると共に、前記位置保持ピン6とこれとほぼ対向した位置にあるシール部材29を介してアダプタリング5との間に第1流体圧力室10と第2流体圧力室11を隔成している。また、カムリング7は、前記アダプターリング5の支点面12の所定位置を揺動中心として第1流体室10側かあるいは第2流体圧室11側へ揺動自在になっている。
前記カムリング7とロータ9は、軸方向の両端面が前記リアボディ3と前記収容空間4の底部側に配置された第2部材である円盤状のプレッシャプレート(図示せず)によって挟持状態に配置されている。
前記ロータ9は、図外のクランクシャフトによって従動プーリ23を介して駆動軸8が回転駆動されると、図1の矢印方向(反時計方向)に回転するようになっていると共に、外周部には、円周方向の等間隔位置に放射方向に沿ったスロット13が複数形成されている。この各スロット13内には、ベーン14がそれぞれ前記カムリング7の内周面方向へ放射状に出没自在に保持されている。また、前記各スロット13の内周側端部に、ほぼ円形状の背圧室15が連続一体に設けられている。
また、前記カムリング7とロータ9との間に形成される空間内に、隣接する二枚のベーン14によってポンプ室16が形成されており、前記カムリング7を前記支点面12の揺動支点を中心として揺動させることによって、このポンプ室16の容積を増減させるようになっている。
また、前記ロータ9の回転に伴って前記各ポンプ室16の容積が漸次拡大する吸入領域における前記リアボディ3のロータ9側の内側面には、円弧状の吸入ポート17が形成されている。この吸入ポート17は、吸入通路18を介してリザーバタンクから吸い込んだ作動油を前記各ポンプ室16に供給するようになっている。
また、前記ロータ9の回転に伴って、前記各ポンプ室16の容積が漸次縮小していく吐出領域における前記プレッシャプレートの内側面には、円弧状の吐出ポート19とこれに連通する図外の吐出孔が形成されており、ポンプ室16から吐出された作動流体が、前記吐出ポート19及び吐出孔を介して、フロントボディ2の底部に形成された図外の吐出側圧力室に導入される。この吐出側圧力室に導入された作動流体は、ポンプボディ1に形成された図外の吐出通路から配管を介してパワーステアリング装置の油圧パワーシリンダに送られるようになっている。
また、フロントボディ2の内部には、前記駆動軸8と直交する方向に向いた制御バルブ20が設けられている。この制御バルブ20は、図1に示すように、前記フロントボディ2内に形成されたバルブ孔21内に摺動自在に収容されたスプール弁22と、該スプール弁22を図1の左方向に付勢してバルブ孔21のプラグ23に当接させるバルブスプリング24と、前記プラグ23とスプール弁22の先端部との間に形成されて、図外のメータリングオリフィスの上流側の作動油圧が導入される圧力室である高圧室25とを備えている。
そして、前記メータリングオリフィスの下流側の流体圧が前記バルブスプリング24の収容室26に供給され、この収容室26と高圧室25の両圧力差が所定以上になると、スプール弁22がバルブスプリング24のばね圧に抗して図中右方向に移動する。
前記第1流体圧室10は、前記スプール弁22が左側に位置するときは連通路27を介してバルブ孔21のポンプ吸入室28に連通されており、このポンプ吸入室28内にはフロントボディ2内に形成された図外の吸入孔を介して前記吸入ポート17からの低圧が導入されるようになっている。また、前記差圧によってスプール弁22が右側に摺動した場合は、ポンプ吸入室28が漸次遮断されて、高圧室25と連通して高圧な作動流体が導入されるようになっている(図4参照)。これによって、ポンプ吸入室28の低圧とメータリングオリフィスの上流側の高圧が選択的に供給されるようになっている。
一方、前記第2流体圧室11は、制御バルブ20には直接接続されておらず、プレッシャプレートに形成された導入孔を介して前記吸入通路18に連通されて常時吸入側の圧力(低圧)が導入されている。
また、前記スプール弁22の内部に設けられたリリーフバルブ30は、前記収容室26の圧力が所定以上に達したとき、つまりパワーステアリング装置の作動圧力が所定以上に達したときに、開放してこの作動流体を逃がすようになっている。
そして、前記アダプターリング5の支点面12は、第1流体圧室10側から位置保持ピン6までの所定面積に形成されていると共に、図1に示すように、前記吸入ポート17の終端17aと吐出ポート19の始端19aとの中間点と前記駆動軸8の回転中心Pを結ぶ基準線Xに対して徐々に離間するように、第2流体圧室11側へ下り傾斜状に形成されている。この下り傾斜角度は、前記基準線Xを基準としてほぼ数度に設定されている。
また、前記フロントボディ2の前記第2流体圧室11側の前記基準線X上には、図1に示すように、カムリング7を第1流体圧室10側へ付勢する付勢機構31が設けられている。
この付勢機構31は、フロントボディ2の一側部とアダプタリング5の周壁に前記基準線Xに沿って連続して形成された第1摺動用孔32及び第2摺動用孔33と、該両摺動用孔32,33内を摺動自在に保持されたプランジャ34と、該プランジャ34を後端側からカムリング7方向へばね力によって押圧する弾性部材であるコイルスプリング35とから主として構成されている。
前記第1摺動用孔32は、フロントボディ2の外側面から前記収容空間4まで貫通形成されて、その外端側の開口部が蓋部材36によって閉塞されている。
この蓋部材36は、図1及び図2に示すように、菱形の平板状に形成されていると共に、上下端部が前記フロントボディ2の外側部に前記基準線Xを挟んで平行に形成された上下2つのボルト孔37a、37bに螺着した2本のボルト38,38によってフロントボディ2に固定されている。
前記第2摺動用孔33は、アダプタリング7の周壁を径方向から貫通して形成され、その軸心が第1摺動用孔32の軸心と同心上となるように形成され、その内径が前記第1摺動用孔32の内径よりも僅かに小さく形成されている。
前記プランジャ34は、フロントボディ2と同じ熱膨張係数の例えばアルミ合金材によって構成され、図3にも示すように、前記第1摺動用孔32内を摺動する大径円筒状の本体34aと、該本体34aの先端側に一体に有し、前記第2摺動用孔33内を摺動する有蓋円筒状の小径部である先端部34bとから構成されている。
前記本体34aは、外径Dが第1摺動用孔32の内径よりも若干小さく設定されて摺動性が確保されていると共に、外周面に形成された円環状の嵌着溝34cに、第1摺動用孔32の内周面と本体34aの外周面との間、つまり後述する受圧室41内をシールする環状シール39が嵌着固定されている。一方、前記先端部34bは、外径D1が本体34aの外径よりも小さく形成されて、その段差縁が係止部40としてプランジャ34が進出移動した際に、第2摺動用孔33の外側孔縁に突き当たってプランジャ34のそれ以上の移動を規制するようになっている。
また、前記先端部34bは、円盤状の先端壁34dが第2摺動用孔33から第2流体圧室11内に臨んで平坦状の先端面34eがカムリング7の外周面に当接している。
前記コイルスプリング35は、両端部が前記プランジャ34の先端壁34dの内面と蓋部材36の内面にそれぞれ弾接して、予め設定された所定のばね力によってプランジャ34を進出方向へ付勢し、これによって、前記カムリング7を常時前記第1流体圧力室10側、つまり、前記ポンプ室16の容積が最大になる方向に付勢している。
さらに、前記プランジャ34は、前記コイルスプリング35のばね力の他に、前記吐出ポート19からの吐出圧によってカムリング7を第1流体圧室10側へ付勢するようになっている。
すなわち、前記蓋部材36によって開口部が閉止された前記第摺動用孔32とプランジャ34との間に、前記受圧室41が隔成されていると共に、フロントボディ2の内部に形成された連通路である導入通路42の一端が前記吐出ポート19に開口され、他端が前記受圧室41の側部に開口形成されている。したがって、前記吐出ポート19から吐出された高圧な吐出圧が、前記受圧室41を介してプランジャ34の先端壁34d内面などに作用して該プランジャ34を進出方向(カムリング7方向)へ付勢するようになっている。
したがって、この実施形態によれば、例えばポンプ低回転時などには、第1流体圧室10内には、第2流体圧室11と同じく、制御バルブ20からの吸入側の低圧が導入されることから、カムリング7は、図1に示すように、前記プランジャ34の押圧力によって、支点面12の揺動支点を中心に第1流体圧室11側(左側)へ揺動して偏心量が最大となる。このため、ポンプの吐出量が多くかつ吐出ポート19側の圧力が大きくなる。
また、所定以上のポンプ高回転域になると、第1流体圧室10内には、制御バルブ20から高圧が導入される。このため、カムリング7は、図4に示すようにかかる高圧な作動流体圧によってプランジャ34の押圧力に抗して低圧状態にある第2流体圧室11方向へ揺動して偏心量が小さくなる。これにより、ポンプ吐出量が必要量まで減少して最適なポンプ吐出特性を得ることができる。
また、前記カムリング7は、付勢機構31によって前記第1流体圧室10側に付勢されていることから、意図しないカムリング7の偏心量の減少、つまりカムリング7の第2流体圧室11方向への不用意な揺動を抑制することが可能になる。
すなわち、本実施形態のような、低圧式の可変容量型のベーンポンプは、前述したように、第2流体圧室11に常時吸入側の低圧が導入されているため、カムリング7をその偏心量が大きくなる方向へ付勢する力を十分に得ることが困難である。また、カムリング7が第2流体圧室11側へ揺動し易いように前記支点面12が傾斜状に形成されているため、カムリング7がより第2流体圧室11側へ傾く傾向が強くなる。
そこで、本実施形態では、プランジャ34をコイルスプリング35のばね力と吐出ポート19から吐出された高油圧とによって進出方向へ付勢したため、十分に高い付勢力によってカムリング7の倒れを確実に防止することができる。この結果、意図しないカムリング7の偏心量の減少を防止することができる。
しかも、前記プランジャ34の外周には、シール部材39が設けられていることから、前記吐出ポート19から受圧室41内に導入された高油圧のリークを効果的に防止できる。このため、プランジャ34の確実な進出作用を得ることができる。
また、コイルスプリング35を用いていることから、ポンプ吐出圧の低いポンプ始動直後で受圧室41内に高い吐出圧が作用しない場合であっても、コイルスプリング35のばね力によってプランジャ34を効果的に進出させることができるので、カムリング7の第2流体圧室11側への倒れを防止することができる。
一方、ポンプ高回転時には、受圧室41にポンプの高圧な吐出圧が導入されるので、第1流体圧室10より受圧面積の小さなプランジャ34の付勢力不足を補うことができる。これにより、カムリング7の不用意な傾きを防止できる。
また、この実施形態によれば、プランジャ34が、フロントボディ2と同じ熱膨張係数のアルミ合金材によって構成されていることから、ポンプ作動中などに熱変化が発生しても、前記プランジャ34は第1摺動用孔32内で常時円滑な作動が得られ、ガタツキや摺動抵抗の発生がない。
さらに、前記プランジャ34の先端部34bの外径を本体34aの外径よりも小さく形成したことから、アダプタリング7の第2摺動用孔33の内径も小さくできるので、該アダプタリング7の剛性の低下を防止できる。
また、前記係止部40によってプランジャ34の最大進出位置が規制されることから、該プランジャ34の第2摺動用孔33からの必要以上の飛び出しを防止できる。
プランジャ34を組み付ける際には、該プランジャ34を第1摺動用孔32と第2摺動用孔33に挿通すると共に、コイルスプリング35を収容配置した後に、蓋部材36を各ボルト38によって固定するだけであるから、その組み付け作業が容易である。
前記各ボルト38は、駆動軸8の軸直角方向へ挿通配置することによってポンプボディ1から大きく突出することがないので、ポンプの大型化を抑制できる。
また、前記第1流体圧室10内には、前記制御バルブ20によって制御された低圧な作動油と高圧な作動油が適宜供給されるようになっていることから、カムリング7の揺動位置を高精度に制御することが可能になる。
図5は第2の実施形態を示し、前記受圧室41に導入される油圧を、吐出ポート19からではなく、ポンプボディ1の内部に形成された導入通路43を介して制御バルブ20の収容室26内の油圧、つまり前記メータリングオリフィスの下流側の流体圧が供給されるようになっている。
この場合も、プランジャ34は、コイルスプリング35のばね力の他に、メータリングオリフィスの下流側の流体圧によって進出方向(カムリング7方向)へ付勢されるため、十分に高い付勢力によってカムリング7の倒れを確実に防止することができる。
図6は第3の実施形態を示し、付勢機構31のプランジャ34を、カムリング7と一体的に設けたものである。すなわち、カムリング7の一側部に円筒状の突起部を設け、該突起部をプランジャ34として用いると共に、前記アダプタリング5の内周面下部にカムリング7をほぼ水平方向に移動可能に支持する支持プレート43を設けたものである。なお、他の構成は第1の実施形態と同様であって、受圧室41には、コイルスプリング35が弾装されていると共に、導入通路42を介して吐出ポート19からの高圧が導入されるようになっている。
したがって、前記カムリング7は、ポンプの所定の回転時に第2流体圧室11側へ不用意に水平移動しようとすると、プランジャ34がコイルスプリング35のばね力と吐出圧によってかかる第2流体圧室11方向への移動を規制する。このため、第1の実施形態と同様に、意図しないカムリング7の偏心量の減少を防止することができることは勿論のこと、プランジャ34がカムリング7に一体的に設けられていることから、部品点数を削減でき、構造の簡素化と製造コストの低減化が図れる。
図7は第4の実施形態を示し、基本構造は第1の実施形態と同様であって、異なるところは、付勢機構を前記カムリング7の支点面12の中心に対してほぼ90°位置に設けて、プランジャ34によってカムリング7を駆動軸8方向へ水平ではなく、若干斜め下方向から押圧するように形成したものである。
したがって、カムリング7は、支点面12を揺動支点として第2流体圧室11側へ転がり揺動しようとした際に、プランジャ34が、コイルスプリング35のばね力と受圧室41内の油圧によってカムリング7に対して該カムリング7の軸心方向へ押圧することになる。このため、カムリング7の不用意な倒れを効率良く防止することが可能になる。
しかも、カムリング7の倒れ方向に対してプランジャ34の進退移動方向をほぼ一致させることができるので、カムリング7の倒れ力がプランジャ34の径方向へ作用することなく、常に軸方向に作用することから、プランジャ34の移動を円滑にすることが可能になる。
図8は第5の実施形態を示し、カムリング7をアダプタリング5の内周面下部に設けられた平坦状の支持プレート43上をほぼ水平移動可能とすると共に、カムリング7のプランジャ34の先端面34eと当接する外周面の当接面7aを平坦状に形成したものである。
この実施形態の場合は、プランジャ34の先端面34eがカムリング7の当接面7aに面接触状態で当接することになるから、両者の確実な当接状態が得られ、これによって、カムリング7の第2流体圧室11方向のほぼ水平移動をより確実に防止することができる。
図9及び図10は第6の実施形態を示し、第1の実施形態と異なるところは、前記カムリング7のプランジャ34の平坦な先端面34eと当接する部位7bを、球面状に形成したものである。
この実施形態によれば、プランジャ34の先端面34eとカムリング7の当接部位7bが点接触で当接することから、両者が常時滑らかな当接状態となると共に、プランジャ34をカムリング7のいずれかの傾動位置にも追随して当接させることが可能になる。
また、プランジャ34の先端面34eのみを、図3の一点鎖線で示すように球面状に形成する一方、カムリング7の当接部位を第1の実施形態のように通常の円弧面とすることも可能であり、この場合も本実施形態と同様な作用効果が得られる。
図11は第7の実施形態を示し、第1の実施形態と異なるところは、プランジャ34の本体34aの外周面34fを、図3の一点鎖線でも示すように、球面状に形成したものである。
したがって、プランジャ34は、第1摺動用孔32内において自由に傾動することができるため、先端面34eをカムリング7の揺動位置に応じて当接面に対し追随して当接させることが可能になる。これによって、カムリング7に対するプランジャ34の常時適正な位置で押圧することが可能になる。
図12は第8の実施形態を示し、第1の実施形態と異なるところは、中実なプランジャ34に対する付勢力を、コイルスプリングや油圧に代えてソレノイドによる付勢力制御機構44によって付与するようにしたものである。
すなわち、前記付勢力制御機構44は、前記第1摺動用孔32の延長線上に配置され、フロントボディ2の側部に一体に有する筒状突起2aに取り付けられたソレノイドボディ45と、該ソレノイドボディ45の内部に収容されて、図外の電子コントローラから制御信号が供給される円筒状の電磁コイル46と、該電磁コイル46の内部一端側に固定された固定コア47と、電磁コイル46の内部に摺動自在に設けられ、前記固定コア47からの励磁力によって摺動する可動コア48と、一端部が可動コア48の内周側に固定され、他端部が前記プランジャ34の後端部に当接配置されたプッシュロッド49とから主として構成されている。
前記電子コントローラは、駆動軸8の回転数を検出する回転センサなどのセンサ類からの出力信号に基づいて前記電磁コイル46に制御信号を出力するようになっている。
したがって、この実施形態によれば、ポンプの回転状態を検出した電子コントローラからの制御信号が電磁コイル46に出力されて、固定コア47の励磁力変化により可動コア48を介してプッシュロッド49によるプランジャ34に対する押圧力を変化させることができる。このため、ポンプ回転変化に応じてプランジャ34によるカムリング7への付勢力を変化させることができるため、カムリング7の傾きをより高精度に抑制することが可能になる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば前記受圧室41に対して、前記メータリングオリフィスの直上流側あるいは直下流側の油圧を供給することも可能であり、制御バルブ20を介して前記第1流体圧室10に供給される油圧を供給することも可能である。
このように、受圧室41に第1流体圧室10の油圧と同じ油圧を供給する場合は、プランジャ34の付勢力を第1流体圧室10の圧力の上昇に追随させることができるので、第1流体圧室10の油圧が低いときはプランジャ34に作用する油圧も低くなるので、カムリング7の揺動を妨げることがなくなる。
また、前記プランジャ34などの付勢機構31を、前記駆動軸8を挟んだカムリング7の支点面12の反対側に配置すれば、前記支点面12とプランジャ34の配置点との距離を長くすることができるので、レバー比を大きく取ることができ、プランジャ34に対する付勢力を小さくすることが可能になる。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
請求項(1)前記プランジャは、内部に導入されたポンプ吐出圧によって進出付勢するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
プランジャは、ポンプ吐出圧によって高い付勢力を得ることが可能になる。
請求項(2)前記プランジャは、前記ポンプボディに設けられたプランジャ収容孔に進退自在に設けられ、
該プランジャと前記プランジャ収容孔との間にシール部材を設けたことを特徴とする請求項(1)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明では、シール部材によってプランジャ内に導入されたポンプ吐出圧を確実に保持することが可能になる。
請求項(3)前記吐出ポートの下流側にオリフィスを設けると共に、
前記プランジャに、前記オリフィス下流側の圧力を導入することを特徴とする請求項(1)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
請求項(4)前記吐出ポートの下流側にオリフィスを設けると共に、
前記プランジャに、前記オリフィス上流側の圧力を導入することを特徴とする請求項(1)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
請求項(5)前記吐出ポートの下流側に設けられたオリフィスと、
該オリフィスの前後差圧が導入され、少なくとも前記第1流体圧室の油圧を制御する制御バルブとを備え、
前記プランジャに、前記制御バルブに導入される前記オリフィス下流側の圧力を導入したことを特徴とする請求項(1)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
請求項(6)前記制御バルブは、該制御バルブの一端側であって、前記駆動軸に対して前記プランジャと同じ側に設けられ、前記オリフィス下流側の圧力が導入される圧力室を有すると共に、該圧力室と前記プランジャとを連通する連通路を有することを特徴とする請求項(5)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
請求項(7)前記吐出ポートの下流側に設けられたオリフィスと、
該オリフィスの前後差圧が導入され、少なくとも前記第1流体圧室の油圧を制御する制御バルブとを備え、
前記プランジャに、前記制御バルブに導入される前記オリフィス上流側の圧力を導入することを特徴とする請求項(1)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
請求項(8)前記制御バルブは、前記第1流体圧室に導入される圧力を前記オリフィス上流側と吸入側圧力とを選択的に制御し、
前記プランジャに、前記第1流体圧室に導入される圧力と同一の圧力を導入することを特徴とする請求項(7)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明によれば、プランジャを押圧する油圧を第1流体圧室の圧力の上昇に対応させることが可能になる。このため、第1流体圧室内の油圧が低いときは、プランジャに対する油圧も低くなり、カムリングの揺動を妨げることがなくなる。一方、第1流体圧室の油圧が高いときは、プランジャに対する油圧も高くなることから、第2流体圧室側へのカムリングの倒れを確実に防止することが可能になる。
請求項(9)前記プランジャを、第2流体圧室側から第1流体圧室側へ付勢する弾性部材を設けたことを特徴とする請求項(1)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明によれば、ポンプ吐出圧の低いポンプ始動直後であっても、弾性部材のばね力によってプランジャを第1流体圧室側へ押してカムリングの第2流体圧室側への倒れを十分に防止することが可能になる。
請求項(10)前記プランジャに導入される油圧は、前記第1流体圧室に導入される油圧よりも高いことを特徴とする請求項(1)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明では、第1流体圧室より受圧面積の小さいプランジャの付勢力不足を高い油圧によって補うことができる。このため、カムリングの傾きを効果的に抑制することが可能になる。
請求項(11)前記カムリングの前記プランジャとの当接部位を平面状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
カムリングの当接部位を平面状に形成したことによって、プランジャの先端部との当接を確実にすることができる。
請求項(12)前記プランジャに対する付勢力を、該付勢力を可変にできるソレノイドによって付与するように構成したことを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
この発明によれば、ソレノイドによってプランジャに対する付勢力を可変にできることから、カムリングの傾きをより高精度に抑制することが可能になる。
請求項(13)前記プランジャの前記カムリングの当接部位と当接する先端面をほぼ球面状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明によれば、プランジャの球面状に形成された先端面によってカムリングの当接部位に対して点接触で当接することから、カムリングと滑らか当接状態が得られる。
請求項(14)前記プランジャを、前記駆動軸を挟んだカムリングの揺動支点の反対側に配置したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明によれば、前記カムリングの揺動支点とプランジャの配置点との距離を長くすることによって、レバー比を大きく取ることができることから、プランジャを付勢する付勢部材の付勢力を小さくすることが可能になる。
請求項(15)前記プランジャを、前記吸入ポートの始端部と前記吐出ポートの終端部との中間点と前記吸入ポートの終端部と前記吐出ポートの始端部との中間点とを結ぶ仮想線に対して、前記吸入ポート側に向かって傾斜状に配置したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
カムリングの倒れ方向に対してプランジャの進退移動方向(軸線方向)をほぼ一致させることができるので、カムリングの倒れ力がプランジャの径方向へ作用することがなく、常に軸方向に作用することから該プランジャの移動を円滑にすることが可能になる。
請求項(16)前記プランジャを、前記ポンプボディに形成されたプランジャ収容孔に進退自在に設け、
前記ポンプボディと前記プランジャを線膨張係数の同じ金属材によって形成したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明によれば、同一線膨張係数の金属材であることから、プランジャは、温度変化が発生してもプランジャ収容孔内において常時円滑な作動が得られ、ガタツキや摺動抵抗の増加などが防止される。
請求項(17)前記プランジャを、ほぼ円筒状に形成すると共に、ポンプボディに設けられたプランジャ収容孔に進退自在に設け、外周面をほぼ球面形状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
プランジャがプランジャ収容孔内で傾いた場合でも、特異な球面形状によってプランジャの摺動を円滑にすることが可能になる。
請求項(18)前記プランジャを、前記駆動軸を中心として、前記カムリングの揺動支点に対してほぼ直角の位置に配置したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
請求項(19)前記カムリングの前記プランジャとの当接部位を、ほぼ球面状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明によれば、カムリングが傾動した際において、該カムリングの当接部位とプランジャの先端面との摺動性が良好になり、滑らかな摺動性が確保できる。
請求項(20)円環状に形成された前記ポンプボディの内部に、径方向に前記プランジャの先端部が貫通する貫通孔を有するアダプタリングを収容配置すると共に、該アダプタリングの内周側に前記カムリングを揺動可能に収納配置し、該カムリングの両外側とアダプタリングとの間に、前記第1流体圧室と第2流体圧室とを隔成し、
前記プランジャは、前記ポンプボディに設けられたプランジャ収容孔に進退自在に設けられ、該プランジャ収容孔に摺動保持される本体と、該本体の前記カムリング側の先端部に設けられ、前記アダプタリングの貫通孔を貫通するように配置された小径部とから構成されていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
前記プランジャの小径部を本体の外径よりも小さく形成することによって、アダプタリングの貫通孔の内径を十分に小さくすることができる。これにより、アダプタリングの剛性の低下を可及的に抑制することが可能になる。
請求項(21)前記プランジャの前記本体と小径部との間に、前記アダプタリングの貫通孔の孔縁に当接する係止部を設けたことを特徴とする請求項(20)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
前記プランジャの小径部をアダプタリングの貫通孔に挿通した際に、係止部が貫通孔の孔縁に当接して小径部のそれ以上の挿入移動を規制するため、プランジャの貫通孔からの必要以上の飛び出しを防止できる。
請求項(22)前記プランジャを、前記ポンプボディの内部に形成されたプランジャの収容孔に対して進退自在に設けると共に、
前記プランジャ収容孔の開口部を閉塞する蓋部材を、ボルトによって前記ポンプボディに固定したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明によれば、プランジャを単にプランジャ収容孔内に収容した後に、該プランジャ収容孔の開口部をボルトにより蓋部材を取り付けるだけで、プランジャの取り付けが完了するので、その作業が容易である。
請求項(23)前記ボルトを、前記駆動軸に対してほぼ垂直に交差する仮想平面上に複数配置したことを特徴とする請求項(22)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
前記各ボルトを駆動軸に対して軸直角方向に配置することによって、ポンプの小型化を図ることが可能になる。
請求項(24)前記カムリングを支持する支点面を、前記揺動支点から前記第2流体圧室側に向かって、前記吸入ポートの終端と前記吐出ポートの始端の中間点と前記駆動軸の回転中心とを結ぶ基準線に対して、徐々に離間する傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の可変容量形ベーンポンプ。
請求項(25)前記制御バルブは、前記第1流体圧室の圧力も制御することを特徴とする請求項(24)に記載の可変容量形ベーンポンプ。
この発明によれば、第1流体圧室内には、前記制御バルブによって制御された低圧な作動油と高圧な作動油が適宜供給されるようになっていることから、カムリングの揺動位置を高精度に制御することが可能になる。
請求項(26)前記カムリングを支持する支点面は、前記揺動支点から前記第2流体圧室側に向かって、前記吸入ポートの終端と前記吐出ポートの始端の中間点と前記駆動軸の回転中心とを結ぶ基準線に対して徐々に離間する傾斜面を有することを特徴とする請求項4に記載の可変容量形ベーンポンプ。
本発明に係る可変容量型ベーンポンプの第1の実施形態を示す断面図である。 本実施形態の一部を断面して示す側面図である。 本実施形態に供されるプランジャの縦断面図である。 本実施形態の可変容量形ベーンポンプの作用を示す断面図である。 第2の実施形態の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。 第3の実施形態の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。 第4の実施形態の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。 第5の実施形態の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。 第6の実施形態の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。 図9のA−A線断面図である。 第7の実施形態の要部断面図である。 第8の実施形態の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。
符号の説明
1…ポンプボディ
2…フロントボディ
4…収容空間
7…カムリング
8…駆動軸
9…ロータ
10・11…第1、第2流体圧力室
12…支点面(揺動支点)
13…スロット
14…ベーン
16…ポンプ室
17…吸入ポート
19…吐出ポート
20…制御バルブ
29…シール部材
31…付勢機構
32…第1摺動用孔
33…第2摺動用孔
34…プランジャ
34a…本体
34b…先端部(小径部)
35…コイルスプリング(弾性部材)
41…受圧室
42…導入通路
44…付勢力制御機構

Claims (4)

  1. ポンプボディに軸支された駆動軸と、
    前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプボディ内に揺動支点を中心に揺動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    該カムリングの軸方向両側に設けられた第1部材及び第2部材と、
    前記第1部材または第2部材の少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    前記カムリングの外周側両側の空間をシール部材によって隔成して形成され、該カムリングの外周側空間をポンプ吐出量が増大する方向に設けられた第1流体圧室及びポンプ吐出量が減少する方向に設けられ、少なくとも吸入圧が常時導入される第2流体圧室と、
    前記カムリングを、プランジャを介して前記第2流体圧室側から第1流体圧室側に付勢する付勢機構と、
    を備えたことを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
  2. ポンプボディに軸支された駆動軸と、
    前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプボディ内に揺動支点を中心に揺動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    該カムリングの軸方向両側に設けられた第1部材及び第2部材と、
    前記第1部材または第2部材の少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    該吐出ポートの下流側に設けられたオリフィスと、
    該オリフィスの前後差圧が導入される制御バルブと、
    該制御バルブによって制御された圧力が導入され、前記カムリングを、プランジャを介して前記第2流体圧室から第1流体圧室側に付勢する付勢機構と、
    を備えたことを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
  3. ポンプボディに軸支された駆動軸と、
    前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプボディ内に揺動支点を中心に揺動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    該カムリングの軸方向両側に設けられた第1部材及び第2部材と、
    前記第1部材または第2部材の少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    前記カムリングの外周側両側の空間をシール部材によって隔成して形成され、カムリングの外周側空間をポンプ吐出量が増大する方向に設けられた第1流体圧室及びポンプ吐出量が減少する方向に設けられ、少なくとも吸入圧が常時導入される第2流体圧室と、
    前記カムリングにプランジャが一体的に設けられ、該カムリングを前記第2流体圧室側から前記第1流体圧室側に付勢する付勢機構と、
    を備えたことを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
  4. ポンプボディに軸支された駆動軸と、
    前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプボディ内に揺動支点を中心に揺動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    該カムリングの軸方向両側に設けられた第1部材及び第2部材と、
    前記第1部材または第2部材の少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    前記カムリングの外周側両側の空間をシール部材によって隔成して形成され、カムリングの外周側空間をポンプ吐出量が増大する方向に設けられた第1流体圧室及びポンプ吐出量が減少する方向に設けられ、少なくとも吸入圧が常時導入される第2流体圧室と、
    前記カムリングを、前記第2流体圧室側から第1流体圧室側に付勢する付勢力を制御する付勢力制御機構と、
    を備えたことを特徴とする可変容量形ベーンポンプ。
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