JP2007009695A - 可変容量型ベーンポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポート吐出量と吐出圧が大きな領域におけるカムリングの揺動支持面に対する沈み込みを抑制して常時最適なポンプ吐出特性が得られる可変容量型ベーンポンプを提供する。
【解決手段】 ポンプボディ1内に揺動支点を中心に揺動自在に収容配置され、内周側にロータ9とベーン14と共に複数のポンプ室16を形成するカムリング7と、該カムリングの軸方向一側に設けられたプレッシャプレート12に設けられた吸入ポート18及び吐出ポート20と、前記カムリングの外周側両側の空間を隔成して形成された第1流体圧室10及び第2流体圧室11とを備えている。前記カムリングの揺動支点となる支持面23を、吸入ポートの終端18aと吐出ポートの始端20aとの中間点と駆動軸8の回転中心とを結ぶ基準線Xに対して、前記揺動支点から第2流体圧室側に向かって徐々に下り傾斜状に形成した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両のパワーステアリングの駆動源などに用いられる可変容量型ベーンポンプの改良に関する。
従来の可変容量型ベーンポンプとしては、車両のパワーステアリング装置などに適用された以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この可変容量型ベーンポンプは、ポンプボディ内に収容配置されたアダプタリングと、該アダプタリングの内周側に配置され、該アダプタリングの内周面に形成された支持面の揺動支点を中心に揺動自在に設けられたカムリングと、ポンプボディ内に挿通した駆動軸に一体に設けられ、前記カムリングの内で回転するロータと、該ロータの外周部に放射方向に沿って複数形成されたスロットと、該各スロット内から放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、前記カムリングとロータとを軸方向から挟持する両サイドプレートとを備えている。
そして、前記カムリングを揺動させることによって各ポンプ室の容積を変化させてポンプ吐出量を制御し、ポンプ高回転時には、カムリングを第2流体圧室側へ揺動させてポンプ吐出量を減少させるようになっている。
また、前記第2流体圧室内に常時吸入側の低圧を導入することによって該第2流体圧室での吐出圧の損失をなくして、エネルギーロスの低減化が図られるようになっている。
特開2003−74479号公報
前記従来の可変容量型ベーンポンプを車両のパワーステアリング装置の油圧源として用いる場合に、前記カムリングの揺動による偏心量が最大で、ポンプ吐出量が最大となるのは、ポンプ低回転時でかつステアリングホイールの据えきり時などであって、この場合には、パワーステアリング装置側の圧力が上昇するため、吐出側のポンプ室の内圧も上昇する。
そうすると、前記カムリングが、前記吐出側のポンプ室の高圧によって前記アダプターリングの支持面側に押付けられる。このため、カムリングの揺動中心となる支持面の揺動支点においてカムリングが最大約0.3mm程度沈み込んでしまい、所望のカムリング位置を維持することができなくなる。この結果、かかるポンプ回転領域における所望のポンプ吐出特性が得られないといった課題を招いている。
請求項1に記載の発明は、とりわけ、カムリングの揺動方向の一方向に設けられた第1流体圧室に導入される液圧を制御し、前記カムリングの揺動方向の他方向に設けられた第2流体圧室に吸入側圧力を導入することによって前記複数のポンプ室の容積を制御する可変容量型ベーンポンプにおいて、前記カムリングの揺動支点となる支持面を、前記吸入ポートの終端と前記吐出ポートの始端との中間点と前記駆動軸の回転中心とを結ぶ基準線に対して、前記揺動支点から第2流体圧室側に向かって徐々に下り傾斜状に形成したことを特徴としている。
この発明によれば、カムリングの第1流体圧室側への偏心量が最大となって、前記ポンプ吐出圧に起因してカムリングが支持面側へ僅かに沈み込んでしまった場合でも、このときのカムリングの前記支持面が前記基準線の近くに設定(沈み込みを見越した分だけ前記従来技術よりも上側に設定)されているため、最適なポンプ吐出特性を得ることができる。
また、ポンプ吐出側の圧力が小さくカムリングの支持面側への沈み込みが殆どなくカムリングの偏心量が小さい状態においては、カムリングの支持面が僅かに下り傾斜状になって、沈み込みを考慮しない最適な支持面の高さに設けられているため、最適なポンプ吐出特性を得ることができる。
よって、カムリングの偏心量が大きい場合と小さい場合のポンプ吐出特性を最適な状態で両立させることができる。
請求項2に記載の発明は、前記第2流体圧室に設けられ、前記カムリングを前記第1流体圧室側に付勢する付勢手段を設けたことを特徴としている。
本発明のような、いわゆる低圧式可変容量型のベーンポンプは、前記第2流体圧室に常時吸入側の低圧が導入されているため、カムリングをその偏心量が大きくなる方向へ付勢する力を十分に得ることが困難である。また、カムリングが第2流体圧室側へ揺動するように前記支持面に傾斜面を設けたため、カムリングがより第2流体圧室側へ傾く傾向が強くなる。
そこで、本発明では、第2流体圧室側に、カムリングを第1流体圧室側へ付勢する付勢手段を設けることにより、第1流体圧室側へカムリングを付勢する力が大きくなって、意図しないカムリングの偏心量の減少、つまり第2流体圧室側への揺動を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、前記吐出ポート側の前記第2流体圧室に設けられ、該第2流体圧室を少なくとも2つの室に画成するシール機構を設けると共に、この画成された室のうち、前記揺動支点側に形成された圧力室にポンプ吐出側の圧力を導入したことを特徴としている。
低圧式可変容量型ベーンポンプは、前述のように、第2流体圧室には常時吸入側の圧力が導入されているため、前記カムリングをその偏心量が大きくなる方向へ付勢する力を十分に得ることが困難であるなどの事情がある。
そこで、本発明では、第2流体圧室の一部にポンプ吐出側の圧力を導入することによって、第1流体圧室側へのカムリングに対する付勢する力を大きくして、意図しないカムリングの偏心量の減少を防止することが可能になる。
以下、本発明にかかる可変容量型ベーンポンプを車両のパワーステアリング装置に適用した各実施形態を図面に基づいて詳述する。
すなわち、この可変容量型ベーンポンプは、図1〜図4に示すように、フロントボディ2と一方のサイドプレートであるリアボディ3とを突き合わせてなるポンプボディ1と、該ポンプボディ1の内部に形成された収容空間4の内面に嵌着されたアダプターリング5と、該アダプターリング5のほぼ楕円形の空間内に図1中左右方向へ揺動可能なカムリング7と、該カムリング7の内周側に回転自在に配置され、前記ポンプボディ1内に挿通された駆動軸8に連結されたロータ9とを備えている。
前記アダプターリング5は、図1に示すように、内周面5aの下部に形成された円弧状の支持溝に前記カムリング7の位置を保持する位置保持ピン6が設けられていると共に、内周面5aの前記位置保持ピン6の図中左側近傍、つまり後述する第1流体圧室10側に前記カムリング7の揺動支点となる所定面積を有する支持面23が形成されている。前記位置保持ピン6は、カムリング7の揺動支点ではなく、カムリング7の位置を保持しつつアダプターリング5に対するカムリング7の回り止めとしての機能を有している。
前記カムリング7は、ほぼ円環状に形成され、このロータ9に対して偏心した状態で前記収容空間4内に配置されていると共に、前記位置保持ピン6とこれとほぼ対向した位置にあるシール部材26を介してアダプタリング5との間に第1流体圧力室10と第2流体圧力室11を隔成している。また、カムリング7は、前記アダプターリング5の支持面23の所定位置を揺動中心として第1流体室10側かあるいは第2流体圧室11側へ揺動自在になっている。
前記カムリング7とロータ9は、軸方向の両端面が前記リアボディ3と前記収容空間4の底部側に配置された他方のサイドプレートである円盤状のプレッシャプレート12によって挟持状態に配置されている。
前記ロータ9は、図外のエンジンによって前記駆動軸8が回転駆動されると図1の矢印方向(反時計方向)に回転するようになっていると共に、外周部には、円周方向の等間隔位置に放射方向に沿ったスロット13が複数形成されている。この各スロット13内には、ベーン14がそれぞれ前記カムリング7の内周面方向へ放射状に出没自在に保持されている。また、前記各スロット13の内周側端部に、ほぼ円形状の背圧室15が連続一体に設けられている。
また、前記カムリング7とロータ9との間に形成される空間内に、隣接する二枚のベーン14によってポンプ室16が形成されており、前記カムリング7を前記支持面6の揺動支点を中心として揺動させることによってこのポンプ室16の容積を増減させるようになっている。
前記第2流体圧力室11には、図1に示すように、ボルト状のスプリングリテーナ24に一端が弾持された付勢手段としての圧縮コイルばねであるスプリング17が配置されており、このスプリング17は、前記カムリング7を常時前記第1流体圧力室10側、つまり、ポンプ室16の容積が最大になる方向に付勢している。
また、前記ロータ9の回転に伴って前記各ポンプ室16の容積が漸次拡大する吸入領域における前記リアボディ3のロータ9側の内側面には、円弧状の吸入ポート18が形成されている。この吸入ポート18は、吸入通路19を介してリザーバタンクから吸い込んだ作動油を前記各ポンプ室16に供給するようになっている。
また、前記ロータ9の回転に伴って、前記各ポンプ室16の容積が漸次縮小していく吐出領域における前記プレッシャプレート12の内側面には、円弧状の吐出ポート20とこれに連通する吐出孔21が形成されており、ポンプ室16から吐出された作動流体が、前記吐出ポート20及び吐出孔21を介してフロントボディ2の底部に形成された吐出側圧力室22に導入される。この吐出側圧力室22に導入された作動流体は、ポンプボディ1に形成された図外の吐出通路から配管を介してパワーステアリング装置の油圧パワーシリンダに送られるようになっている。
また、フロントボディ2の内部には、前記駆動軸8と直交する方向に向いた制御バルブ30が設けられている。この制御バルブ30は、図1に示すように、前記フロントボディ2内に形成されたバルブ孔31内に摺動自在に収容されたスプール弁32と、該スプール弁32を図1の左方向に付勢してバルブ孔31のプラグ33に当接させる圧縮コイルスプリングであるバルブスプリング34と、前記プラグ33とスプール弁32の先端部との間に形成されて、図外のメータリングオリフィスの上流側の作動油圧が導入される高圧室35とを備えている。
そして、前記メータリングオリフィスの下流側の流体圧が前記バルブスプリング34の収容室36に供給され、この収容室36と高圧室35の両圧力差が所定以上になるとスプール弁32がバルブスプリング34のばね圧に抗して図中右方向に移動する。
前記第1流体圧室10は、前記スプール弁32が左に位置するときは接続通路37を介してバルブ孔31のポンプ吸入室38に接続されており、このポンプ吸入室38内にはフロントボディ2内に形成された吸入孔40を介して前記吸入ポート18からの低圧が導入されるようになっている。また、前記差圧によってスプール弁32が右側に摺動した場合は、ポンプ吸入室38が漸次遮断されて、高圧室35と連通して高圧な作動流体が導入されるようになっている。これによって、ポンプ吸入室38の圧力とメータリングオリフィスの上流側の圧力が選択的に供給されるようになっている。
一方、前記第2流体圧室11は、従来の可変容量型ベーンポンプに設けられていた接続通路がなく、制御バルブ30には直接接続されていない。そして、この第2流体圧室11には、プレッシャプレート12に形成された導入孔25を介して前記吸入通路19に連通されて常時吸入側の圧力(低圧)が導入されている。
また、前記スプール弁32の内部に設けられたリリーフバルブ39は、前記収容室36の圧力が所定以上に達したとき、つまりパワーステアリング装置の作動圧力が所定以上に達したときに、開放してこの作動流体を逃がすようになっている。
そして、前記アダプターリング5の支持面23は、第1流体圧室10側から位置保持ピン6までの所定面積に形成されていると共に、図1に示すように、前記吸入ポート18の終端18aと吐出ポート20の始端20aとの中間点と前記駆動軸8の回転中心Pを結ぶ基準線Xに対して徐々に離間するように、第2流体圧室11側へ下り傾斜状に形成されている。この下り傾斜角度は、前記基準線Xを基準として約7.5°に設定されている。
また、前記フロントボディ2の下部には、図1に示すように、第2流体圧室11の下方側から前記カムリング7に当接して前記第2流体圧室11を低圧室11aと高圧室11bに隔成する第2シール機構27が形成されている。
この第2シール機構27は、フロントボディ2の下部に前記駆動軸8の軸心方向へ沿って形成された保持溝2aの内部からカムリング7の外周面方向へ突出自在に設けられた第2シール部材28と、一端が前記保持溝2aの底部内に設けられた栓体27aに弾接して前記第2シール部材28を突出方向へ付勢する圧縮ばね29とを備えている。
前記第2シール部材28は、ほぼ薄板状の基端部が前記保持溝2a内に摺動自在に収容配置されている共に、該基端部のほぼ中央に突設された板状の先端部28aが前記アダプターリング5に形成された貫通孔5aからカムリング7の外周面に前記圧縮ばね29のばね力により常時弾接して、第2流体圧室11を前記低圧室11aと高圧室11bにそれぞれ隔成している。前記低圧室11aには、前記導入孔25から吸入側の低圧な作動流体が導入されていることは、前述の通りであるが、前記高圧室11bには、前記吐出ポート20からカムリング7の両側面と各リアボディ3及びプレッシャプレート12との間からリークした高圧な吐出圧が導入されるようになっている。また、前記第2シール機構27は、前記位置保持ピン6から第2流体圧室11側に周方向の約60°の位置に設けられ、したがって、高圧室11bが前記60°の範囲内に形成されている。
したがって、この実施形態によれば、例えばポンプ低回転時など、つまり駆動軸8やロータ9が低回転してポンプの吐出量が多くかつ吐出ポート20側の圧力が大きくなっている場合には、カムリング7が、図1に示すように、支持面23の揺動支点を中心に第1流体圧室11側(左側)へ揺動して偏心量が最大となって、前記ポンプ吐出圧に起因してカムリング7が支持面23側へ僅かに沈み込んでしまうおそれがある。
しかし、この場合でも、本実施形態によれば、このときのカムリング7の前記支持面23への沈み込みを見越した分だけ前記従来技術よりも上側に設定されているため、最適なポンプ吐出特性を得ることができる。
また、通常のポンプ回転時などで、第1流体圧室10内の作動流体圧によってカムリング7が第2流体圧室11方向へ揺動して偏心量が小さく、カムリング7の支持面23側への沈み込みが殆どない状態においては、カムリング7の支持面23に当接している位置が僅かに下り傾斜状になっているだけであるから、沈み込みを考慮しない最適な支持面23の高さに設けられているため、最適なポンプ吐出特性を得ることができる。
よって、カムリング7の偏心量が大きい場合と小さい場合のポンプ吐出特性を最適な状態で両立させることができる。
なお、発明者の実験によれば、前記支持面23の傾斜角度を、前述のように7.5°に設定することによって、カムリング7の偏心量が最大の状態と最小の状態において常に最適なポンプ吐出特性を得られることがわかった。
また、前記カムリング7は、スプリング17のばね力によって前記第1流体圧室10側に付勢されていることから、意図しないカムリング7の偏心量の減少、つまりカムリング7の第2流体圧室11方向への不用意な揺動を抑制することが可能になる。
すなわち、本実施形態のような、低圧式の可変容量型のベーンポンプは、前記第2流体圧室11に常時吸入側の低圧が導入されているため、カムリング7をその偏心量が大きくなる方向へ付勢する力を十分に得ることが困難である。また、カムリング7が第2流体圧室11側へ揺動するように前記支持面23を傾斜状に形成したため、カムリング7がより第2流体圧室11側へ傾く傾向が強くなる。
そこで、本実施形態では、第2流体圧室11側に、カムリング7を第1流体圧室10側へ付勢するスプリング17を設けることにより、第1流体圧室10側へカムリング7を付勢する力が大きくなって、意図しないカムリングの偏心量の減少を防止することができるのである。
なお、前記付勢手段としては、所定の圧力室内の油圧や内部に導入された高圧によって進出するピストンなどであってもよい。
さらに、この実施形態では、第2シール機構27を設けて第2流体圧室11を低圧室11aと圧力室である高圧室11bの2つの室に画成し、この画成された高圧室11b側に吐出ポート20からリークされた高圧な作動油を導入するようにしたため、この油圧によってカムリング7を第2流体圧室10方向へ押圧することができる。
これによって、前述と同じく、意図しないカムリング7の偏心量の減少を防止することが可能になる。
つまり、低圧式の可変容量型ベーンポンプは、前述のように、第2流体圧室11には常時吸入側の圧力が導入されているため、前記カムリング7をその偏心量が大きくなる方向へ付勢する力を十分に得ることが困難であるなどの事情があるが、本実施形態では、第2流体圧室11の一部にポンプ吐出側の圧力を導入することによって、第1流体圧室側10へカムリングを付勢する力が前記スプリング17のばね力と相俟って大きくなることから、カムリング7の不用意な第2流体圧室11側への揺動を防止することが可能になる。
また、前記高圧室11bが、周方向の60°の範囲に形成されているので、十分な受圧面積を確保しつつ第2流体圧室11におけるポンプ吐出圧の圧力損失の抑制を図ることができる。
さらに、前記第2シール機構27のシール部材28を進退自在に設けることによって、カムリング7がいずれの位置に揺動した場合であっても、第2流体圧室11を複数の室に適切に画成することができる。
さらに、シール部材28が、カムリング7の揺動に伴い該カムリング7と第2流体圧室11の内周面との間を回転しながら摺接移動するため、第2シール機構27による摩擦抵抗の発生を抑制することができる。
図4は本発明の第2の実施形態を示し、前記プレッシャプレート12の内面に、前記吐出ポート20と前記高圧室11bとを連通する連通溝41を形成したものである。
したがって、この連通溝41によって高圧室11bに積極的に吐出ポート20内のポンプ吐出圧を供給することができるため、前記カムリング7を第1流体圧室10方向へ効果的に付勢することが可能になる。
図5は第3の実施形態を示し、前記第2流体圧室11の内部を低圧室11aと高圧室11bに隔成する第2シール機構27を、第1流体圧室11側のアダプターリング5の内周面とカムリング7の外周面との間に設けたものである。
すなわち、前記第2シール機構27は、横断面ほぼ円形状の棒型の第2シール部材42と、前記アダプターリング5の内周面に形成されて、前記第2シール部材42を転動可能に保持する第1凹部43と、該第1凹部43と対応するカムリング7の外周面に形成されて、第2シール部材42を転動自在に保持する第2凹部44とから構成されている。
前記第2シール部材42は、その軸方向の長さが前記第2流体圧室11の幅長さとほぼ同一に設定されて、両端面が前記プレッシャプレート12とリアボディ13の対向面に摺接するようになっている。
前記第1凹部43は、横断面形状が前記シール部材42の外面形状に沿ったほぼ半円弧状に形成されて、該シール部材42のほぼ下半分を転動可能に支持している。また、第1凹部43の低圧室11a側の内面は、図5に示すように、カムリング7の第2流体圧室11側への揺動に伴いシール部材42が転動可能な傾斜面43aに形成されている。
一方、第2凹部44も、横断面形状がシール部材42の外面形状に沿ったほぼ半円弧状に形成されて、第2シール部材42のほぼ上半分を転動可能に嵌合支持している。
したがって、前記第2シール部材42は、カムリング7の第1、第2流体圧室10,11側への揺動伴って第1、第2凹部43,44内を転動して常時低圧室11aと高圧室11bを隔成すると共に、前記転動作用によってアダプターリング5やカムリング7の各内周面との間での大きな摩擦抵抗の発生を抑制できる。
図6及び図7は第4の実施形態を示し、前記回り止め用の位置支持ピンを廃止すると共に、第3の実施形態とほぼ同じ構成の第2シール機構27を支持面23寄りに配置したものである。
すなわち、前記第2シール機構27は、棒状の第2シール部材42を転動可能に保持するアダプターリング5側の第1凹部43とカムリング7側の第2凹部44を備え、前記第1凹部42は、低圧室11a側の内面が第3の実施形態のような傾斜面ではなく、円弧面が連続した係止面43bに形成されている。また、前記第2シール部材42によって低圧室11aと支持面23側に容積の比較的小さな高圧室11bが隔成されている。
したがって、この実施形態によれば、ポンプ低回転時においてカムリング7が第2流体圧室10側に最大に偏心して場合は、該カムリング7は、図7の実線で示すように、支持面23の揺動支点を中心に傾動しつつ各ベーン14の摺動摩擦によって第2シール部材42方向へ押付けられる。これによって、カムリング7の第2凹部44の高圧室11b側の端縁44aが第2シール部材42の外周端縁に圧接すると共に、該第2シール部材42の反対側の端縁が第1凹部43の係止面43bに係止して自由な転動が規制される。
一方、ポンプの回転が上昇すると、カムリング7は図7の一点鎖線で示すように、第1流体圧室11側へ揺動するが、このときも第2凹部44の端縁44aが第2シール部材42を介して第1凹部43の係止面43bに係止した状態になる。
このため、前記第2シール部材42によって低圧室11aと高圧室11bの隔成が常時確保されると共に、該高圧室11bには、吐出ポート20から高圧油が導入されることから、カムリング7は第2流体圧室10方向へ付勢されて、意図しないカムリング7の偏心量の減少を防止することができる。
前記実施形態から把握される前記請求項に記載した発明以外の技術的思想について以下に説明する。
請求項(1)前記シール機構のシール部材を進退自在に設けたことを特徴とする請求項3に記載の可変容量型ベーンポンプ。
前記カムリングは、揺動支点を中心に揺動するため、シール機構が設けられた位置においては、カムリングと第2圧力室の内周面(アダプタリングの内周面)とは近接あるいは離間する関係になる。
そこで、シール機構のシール部材を進退自在に設けることによって、カムリングがいずれの位置に揺動した場合であっても、第2流体圧室を複数の室に適切に画成することができる。
請求項(2)前記シール機構のシール部材を、前記カムリングと第2流体圧室の内周面との間に設けられた断面ほぼ円形状の棒状に形成すると共に、
前記カムリングと第2流体圧室の内周面に、前記シール部材がカムリングの揺動に伴って転動可能な傾斜面を形成したことを特徴とする請求項3に記載の可変容量型ベーンポンプ。
この発明によれば、シール機構のシール部材がカムリングの揺動に伴い該カムリングと第2流体圧室の内周面との間を転動しながら移動するため、シール機構における摩擦抵抗の発生を抑制することができる。
請求項(3)前記カムリングと第2流体圧室の内周面に、前記カムリングの偏心量が最大となる位置において前記シール機構を周方向に挟持する係止面を設けたことを特徴とする請求項(2)に記載の可変容量型ベーンポンプ。
偏心量が最大となったカムリングは、第2シール機構によってその位置が規制されていることから、別途カムリングの揺動位置規制のための支持ピンを設ける必要がなくなる。これによって、部品点数の削減とコストの低減が図れる。
請求項(4)前記付勢手段を圧力室によって構成すると共に、前記第1プレート部材または第2プレート部材に、前記吐出ポートと前記圧力室とを連通する連通溝を形成したことを特徴とする請求項3に記載の可変容量型ベーンポンプ。
連通溝によって圧力室に積極的に吐出ポート内のポンプ吐出圧を供給することができるため、前記カムリングを第1流体圧室側へ効果的に付勢することが可能になる。
請求項(5)前記圧力室を、前記カムリングの揺動支点付近から周方向の約60°の範囲に形成したことを特徴とする請求項3に記載の可変容量型ベーンポンプ。
この発明によれば、圧力室の受圧面積を確保しつつ第2流体圧室におけるポンプ吐出圧の圧力損失の抑制を図ることができる。
請求項(6)前記支持面の傾斜角度を、前記基準線に対して約7.5°に設定したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプ。
発明者の実験によれば、前記支持面の傾斜角度を、前述のように設定することによって、カムリングの偏心量が最大の状態と最小の状態において常に最適なポンプ吐出特性を得られることがわかった。
本発明に係る可変容量型ベーンポンプの第1の実施形態を示す図2のA−A線断面図である。 同可変容量型ベーンポンプを示す図1のB−B線断面図である。 同実施形態の可変容量型ベーンポンプの作用を示図2のA−A線断面図である。 第2の実施形態の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。 第3の実施形態の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。 第4の実施形態の可変容量型ベーンポンプを示す断面図である。 同実施形態の要部拡大図である。
符号の説明
1…ポンプボディ
3…リアボディ(第1サイドプレート)
4…収容空間
7…カムリング
8…駆動軸
9…ロータ
10・11…第1、第2流体圧力室
12…プレッシャプレート(第2サイドプレート)
13…スロット
14…ベーン
15…背圧室
16…ポンプ室
18…吸入ポート
18a…終端
20…吐出ポート
20a…始端
23…支持面
27…第2シール機構
X…基準線

Claims (3)

  1. ポンプボディに軸支された駆動軸と、
    前記ポンプボディ内に回転自在に収容されて、前記駆動軸によって回転駆動されるロータと、
    該ロータの外周部に形成された複数のスロットに放射方向へ出没自在に設けられた複数のベーンと、
    前記ポンプボディ内に揺動支点を中心に揺動自在に収容配置され、内周側に前記ロータとベーンと共に複数のポンプ室を形成するカムリングと、
    該カムリングの軸方向両側に設けられた第1サイドプレート及び第2サイドプレートと、
    前記第1サイドプレートまたは第2サイドプレートの少なくとも一方側に設けられ、前記複数のポンプ室の容積が増大する領域に開口する吸入ポート及び前記複数のポンプ室の容積が減少する領域に開口する吐出ポートと、
    前記カムリングの外周側両側の空間を隔成して形成された第1流体圧室及び第2流体圧室とを備え、
    前記カムリングの揺動方向の一方向に設けられた前記第1流体圧室に導入される液圧を制御し、前記カムリングの揺動方向の他方向に設けられた第2流体圧室に吸入側圧力を導入することによって前記複数のポンプ室の容積を制御する可変容量型ベーンポンプにおいて、
    前記カムリングの揺動支点となる支持面を、前記吸入ポートの終端と前記吐出ポートの始端との中間点と前記駆動軸の回転中心とを結ぶ基準線に対して、前記揺動支点から第2流体圧室側に向かって徐々に下り傾斜状に形成したことを特徴とする可変容量型ベーンポンプ。
  2. 前記第2流体圧室に設けられ、前記カムリングを前記第1流体圧室側に付勢する付勢手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプ。
  3. 前記吐出ポート側の前記第2流体圧室に設けられ、該第2流体圧室を少なくとも2つの室に画成するシール機構を設けると共に、この画成された室のうち、前記支持面側に形成された圧力室にポンプ吐出側の圧力を導入したことを特徴とする請求項1に記載の可変容量型ベーンポンプ。
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