JP3393068B2 - 振動締固め機の前後進切換ハンドポンプ - Google Patents

振動締固め機の前後進切換ハンドポンプ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、起振装置における
一対の偏心振子のうち、一方の偏心振子の他方の偏心振
子に対する回転の位相を変化させて、その合成ベクトル
により機体を前後進させる振動締固め機における前後進
切換ハンドポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、起振装置における一対の偏心
振子のうち、一方の偏心振子の他方の偏心振子に対する
回転の位相を変化させて、その合成ベクトルにより機体
に前後進を与えるこの種の振動締固め機の前後進切換機
構としては、前後進レバーの回動をリンクやケーブルを
介して機械的手段により偏心振子の回転切換機構に伝え
るものと、前後進レバーの回動により油圧動力を発生さ
せて、この油圧動力手段により偏心振子の回転切換機構
に伝えるものが知られており、油圧動力手段を利用する
ものとして、例えば、特公昭61−48997号,特開
昭63−60306号,特公平5−17323号,特開
平6−33413号,特開平7―286306号などが
ある。
【0003】上記の振動締固め機の前後進切換機構に油
圧動力を利用するものは、起振装置における偏心振子の
位相を換える前後進切換え軸の油圧シリンダと、機体の
ハンドルなどに設けた前後進レバーを有する前後進切換
ハンドポンプとの間を油圧ホースにより接続し、前後進
レバーの操作により前後進切換ハンドポンプ内のピスト
ンを移動することで起振装置における前後進切換え軸の
油圧シリンダに圧油力を伝える。
【0004】また、上記の前後進切換機構に油圧動力を
利用するもののうち、機体重量が300kg以上の比較
的大型の振動締固め機においては、起振装置の偏心振子
の回転によって前後進切換え軸に生ずる機械的戻し力が
大きく、機体ハンドルなどに設けた前後進切換ハンドポ
ンプの前後進レバーを手動で回動しようとしても、その
機械的戻し力に対抗できないことになるので、前記特公
昭61−48997号,特開昭63−60306号,特
開平7―286306号に示されるように、起振装置に
おける前後進切換え軸の油圧シリンダと機体ハンドル上
の前後進切換ハンドポンプとの間に油圧ポンプを介して
油圧タンクから補助的圧力を供給できるサーボ機構を設
けるようになっている。
【0005】一方、上記の前後進切換機構に油圧動力を
利用するもののうち、機体重量が300kg以下の汎用
の振動締固め機では、起振装置の偏心振子の回転によっ
て前後進切換え軸に生ずる機械的戻し力がさほど大きく
なく、この機械的戻し力に対して機体ハンドルなどに設
けた前後進切換ハンドポンプの前後進レバーを手動で回
動することができるので、起振装置における前後進切換
え軸の油圧シリンダと機体ハンドル上の前後進切換ハン
ドポンプとの間に油圧補助サーボ機構を設ける必要はな
く、機体ハンドル上に設ける前後進切換ハンドポンプと
して、前記特公平5−17323号,特開平6−334
13号に示されるように、前後進切換えレバーの回動を
ラックとピニオンの作動によりピストンに伝える形式の
ものが知られている。
【0006】
【発明が解決すべき課題】しかしながら、このレバーの
回動をラックとピニオンの作動によりピストンに伝える
形式のハンドポンプでは、装置がどうしても大型になら
ざるを得ず、必然的に価格が高いものになるという問題
がある。また、この種の装置で、例えば、レバーを後進
位置から前進方向へ回動すると、ピストンが起振装置の
前後進切換え軸側からハンドポンプ側へ押し出される機
械的戻し油圧力を受けて自動的に前進方向へ押されるよ
うな形式の場合、ピストンは起振装置の前後進切換え軸
側からの機械的戻し油圧力により自動的に前進方向へ押
される力を有しているのにもかかわらず、レバーとピス
トンがラックとピニオンの噛み合いにより係合している
ために、レバーの前進側への回転操作によりあえてピス
トンを前進方向へ押し出すように操作しなければなら
ず、レバーの前進方向への切換え操作が重くて迅速に行
えないという問題がある。
【0007】さらに、この形式の装置では、ピストンを
前進方向へ移動するとき、該ピストンは起振装置の前後
進切換え軸側からの機械的戻し油圧力により自動的に前
進方向へ押される力を有しているのにもかかわらず、レ
バーの前進側への回転操作によりあえてピストンを前進
方向へ押し出すように操作するために、ピストンの前進
方向への移動により起振装置の前後進切換え軸側からの
機械的戻し力を伴った圧油を引き込んで、この圧油中に
混入する空気をハンドポンプ内へ導入する率が多くな
り、ハンドポンプ内の圧油中に空気の混入量が増大する
と、後進操作の際にピストンが圧油中の空気を圧縮する
ことになり、前記の機械的戻し油圧力を起振装置の前後
進切換え軸側方向へ押し戻すための操作が適切に行なえ
なくなるという問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来のこの種
の振動締固め機のうち、起振装置の偏心振子の回転によ
って前後進切換え軸に生ずる機械的戻し力に対して、機
体ハンドルなどに設けた前後進切換ハンドポンプの前後
進レバーを、油圧補助サーボ機構を必要とせずに手動で
回動操作できる汎用の振動締固め機における前後進切換
ハンドポンプの上記のような問題点に鑑み、前後進切換
ハンドポンプの油圧ポンプ機構を簡便で価格が低廉なも
のに改善することを目的としたものである。
【0009】請求項1の発明は、そのための具体的手段
として、起振装置における前後進切換え軸の一端に設け
られた機械的戻し力により作動する油圧シリンダと、油
圧ホースを介して接続される前後進切換ハンドポンプの
ボデー内に、シリンダを介して背面に前記起振装置の前
後進切換え軸方向から機械的戻し圧油力を受けるピスト
ンと、該ピストン内に挿通された開閉する流路を備えた
ロッドとを備え、前記ピストンを挟んでポンプボデーの
一端に設けられた油室内に前後進レバーの回動軸を設け
て、該回動軸に前記ロッドの先端と接触するカムを設
け、前後進レバーの前進又は後進方向への回動により、
前記カムを介してピストンを前記起振装置前後進切換え
軸方向からの機械的戻し力を受ける方向、又は前記起振
装置前後進切換え軸方向からの機械的戻し力に対向する
方向へ移動させることを特徴とする。
【0010】請求項2の発明は、前後進レバーの前進方
向への回動により、カムがピストンを前記起振装置前後
進切換え軸方向からの機械的戻し力を受ける方向へ移動
し、前後進レバーの後進方向への回動により、カムがピ
ストンを前記起振装置前後進切換え軸方向からの機械的
戻し力に対向する方向へ移動するような構成となってい
ることを特徴とする。
【0011】請求項3の発明は、ピストン内に挿通され
るロッドの弁付開閉流路が、前後進レバーを前進方向へ
回動したときに流路を開き、前後進レバーを前進位置か
ら後進方向へ回動することで閉じるボールバルブからな
っていることを特徴とする。
【0012】また、請求項4の発明は、ポンプボデーの
一端に設けられる油室の蓋に、該油室内の圧油に混入し
た空気を室外へ放出するチェックバルブを備えているこ
とを特徴とし、請求項5の発明は、ピストン内に挿通さ
れるロッドが、中間にスプリングを介在させた複数のピ
ースに分割されていることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明に係る振動締固め機におけ
る前後進切換ハンドポンプの構成を図面に示す実施例に
ついて説明すると、この振動締固め機の前後進切換ハン
ドポンプ2は、図1乃至図4に示すように、振動締固め
機1の後方に突設される操作ハンドル3の上部に装着さ
れていて、図5に示す起振装置4における前後進切換え
軸17の一端に設けられた油圧シリンダ23と油圧ホー
ス5を介して接続されている。
【0014】図5に示すように、前記起振装置4はエン
ジン6からプーリ7を介して回転を伝えられる駆動軸8
と、この駆動軸8と平行に配置された従動軸9とを有
し、駆動軸8には偏心振子10が固定されると共に、従
動軸9には同様の偏心振子11が前記駆動軸偏心振子1
0に対して位相を変化させることができるように軸装さ
れている。
【0015】従動軸9の中央部分には、該軸9とは回転
可能であり、かつ軸方向には移動不能なるように軸装さ
れた従動ギア13を備え、この従動ギア13が駆動軸8
の中央部に固定された駆動ギア12から回転を伝えられ
る。また、前記従動ギア13には、ボス14の内壁に該
ボス14の軸線に対して傾斜した螺旋溝15が設けられ
ている。
【0016】一方、前記従動軸9は筒形になっていて、
前記従動ギア13の位置する部分には、相対向する軸壁
に夫々軸方向に沿った長孔16が開設されていると共
に、該従動軸9内には、前後進切換え軸17が回転可能
でかつ軸方向に移動可能なるように挿通されている。
【0017】この前後進切換え軸17は、従動軸9の内
径と摺動する太さの大径部18と、この大径部18の一
端に突設した小径部19とを有し、この小径部19の先
端にベアリング21を介してピストン20が設けられ、
このピストン20が従動軸9の軸線上に位置する起振体
ケース22の一端に設けられた油圧シリンダ23内に挿
着されている。
【0018】さらに、この前後進切換え軸17の大径部
18には、該切換え軸17の軸線方向と直交するように
ピン24が埋め込まれており、このピン24の両端が従
動軸9の長孔16を貫通して前記従動軸9の内壁におけ
る螺旋溝15内に係合している。
【0019】前後進切換え軸17の一端のピストン20
が挿着された油圧シリンダ23内に、外部からの油圧力
が全く作用しない状態においては、従動ギア9に駆動ギ
ア12からの回転を伝えられると、前後進切換え軸17
は、ピン24の両端が従動軸9の長孔16を貫通して前
記従動軸9の内壁における螺旋溝15内に係合している
ことにより、螺旋溝15のリード角、リード角方向及び
従動ギア13の回転方向に伴って、図5の右側方向へ押
される機械的戻し力を与えられる。そして、前後進切換
え軸17が図面上最も右側へ移動した状態が、従動軸9
の偏心振子11を駆動軸8の偏心振子10に対して、前
後進いずれか、例えば前進の最速で走行する位相位置へ
回転したことになる。
【0020】一方、前後進切換え軸17の一端のピスト
ン20が挿着された油圧シリンダ23は、外部に設けた
前記前後進切換ハンドポンプ2の一端とホース5を介し
て接続されている。この前後進切換ハンドポンプ2は、
前記従動軸9内の前後進切換え軸17が従動ギア9の螺
旋溝15により右側方向への機械的戻し力を受けること
により、前記油圧シリンダ23内から油圧ホース5を介
して前記の機械的戻し力が伝えられたり、また、前記の
機械的戻し力に打ち勝って前後進切換え軸17を反対の
図5の左側(後進)方向へ押し戻すための機能を有す
る。
【0021】前記前後進切換ハンドポンプ2は、図1乃
至図3に示すように、操作ハンドル3の上端に装着され
たポンプボデー25内に、一端(図1の左側)が通路2
6により前記起振装置4と前記ホース5を介して導通す
るシリンダ27と、該シリンダ27内に挿着されたピス
トン28と、ボデー25の他端(図1の右側)における
圧油を貯留した油室25a内に軸着された前後進レバー
29と、該前後進レバー29の回動軸31に前記ピスト
ン28から突出するロッド30と接触するローラ33を
設けたカム32とから構成されている。
【0022】前後進レバー29は、ボデー25の他端の
油室25a内にシリンダ27の軸方向と直交する向きに
軸着された回動軸31の両端に設けられていて、図1及
び図2に実線で示す前進位置と鎖線で示す後進位置との
間を回動するようになっており、回動軸31に設けられ
た前記カム32とピストン28との関係は、図1に実線
で示すように、前後進レバー29を前進方向へ回動する
と、カム32が右側へ回転して、ピストン28が前記起
振装置4の前後進切換え軸17方向からの機械的戻し力
を受けて右側へ突出する形となり、レバー29を鎖線の
ように後進方向へ回動すると、カム32が左側へ回転し
てピストン28を起振装置前後進切換え軸17方向から
の機械的戻し力に対向して左側へ押し込むような関係に
構成されている。
【0023】前記ピストン28は、シリンダ27内に、
通路26側に配置したスプリング34によりレバー回動
軸31が設けられた油室25aの方向へ押されるように
設けられている。また、このピストン28は通路26側
の端部(図1の左側)に中空部35が設けられていると
共に、この中空部35のレバー回動軸31側に中空部3
5より内径の小さい孔36が設けられていて、この孔3
6内に前記ロッド30が軸端30aをレバー回動軸31
側に突出するように挿通されている。更に、図1に示す
ように、該ピストン28における孔36の外側には、ピ
ストン28のレバー回動軸31側と前記中空部35内と
を連通する圧油流路37が孔36と平行に設けられてい
る。
【0024】前記ロッド30は、通路26側の端部にボ
ール38を備えていると共に、該ボール38よりレバー
回動軸31側に寄った外周面にフランジ39が設けられ
ていて、このフランジ39が中空部35と孔36との境
目の段部40に係合し、該フランジ39が段部40と係
合することでロッド30がレバー回動軸31側方向へ移
動しないようになっている。
【0025】前記ボール38を備えたロッド30の通路
26側端部には、ピストン中空部35の通路26側端部
を閉じる流路42を有する弁座41が設けられていて、
この弁座41の内側とロッド30の前記フランジ39と
の間に前記スプリング34よりも弱いスプリング43が
介装され、このスプリング43によりロッド30がレバ
ー回動軸31側方向へ押されることで前記ボール38が
弁座流路42と離れ、図1の左側の通路26側と右側の
油室25a側との間に圧油の流路が形成されるようにな
っている。
【0026】前記ポンプボデー25のレバー回動軸31
が設けられた油室25a内には所定量の圧油が充填され
ていて、端部が蓋44により閉じられている。また、こ
の蓋44の一部には、図6に示すように、通常は油室2
5a内の圧油及び空気を外部へ漏出しないように遮断し
ているが、油室25a内の圧油中に含まれる空気の量が
増加して、油室25a内の空気圧が高まると空気を外部
に放出するためのチェックバルブ45が設けられてい
る。
【0027】前に述べたように、図1及び図2は、前後
進レバー29を前進の位置へ回動した状態であり、この
状態ではカム32が図面の右側へ回動することで、ピス
トン28が左側のスプリング34の押圧力と前記起振装
置4の前後進切換え軸17方向からの機械的戻し力によ
る圧油を受けて、シリンダ27内の右側へ移動し、機体
は前進最速の状態で走行する。
【0028】この前進最速の位置では、ピストン28
が、スプリング34の押圧力と起振装置4の前後進切換
え軸17方向からの機械的戻し圧油力により、シリンダ
27内の最も右側(図4では上方)に移動しているが、
カム32が図1の実線で示す位置まで回動すると、ロッ
ド30がスプリング43のバネ圧によって、フランジ3
9が中空部35右側の段部40に係合する位置までさら
に移動し、ボール38が弁座41から離れるので、油室
25a内の圧油が流路37及び中空部35を通って流路
42からシリンダ27内方向へ補給される。
【0029】一方、前後進レバー29を、図1の前進位
置から後進位置の方向へ回動すると、カム32が図面の
左側へ回動することで、まず、ロッド30がスプリング
43のバネ圧に抵抗して左側へ移動してボール38を弁
座41に圧着し、油室25aとシリンダ27との間の流
路37及び流路42を閉じて、油室25a内の圧油がシ
リンダ27方向へ流出しない状態としてから、そのまま
ロッド30により、ピストン28をスプリング34の押
圧力と前記起振装置4の前後進切換え軸17方向からの
機械的戻し圧油力とに抵抗してシリンダ27内の左側へ
移動し、図7に示すように、ピストン28がシリンダ2
7の最も左側まで移動することで機体は後進最速の状態
に到る。
【0030】なお、前後進レバー29を、図1の前進位
置から後進位置方向へ回動する過程では中立位置を通る
ことになる。この中立位置では、図示してはいないが、
ピストン28がシリンダ27の中間部分に位置すること
になり、レバー29をその中立位置で保持することで、
スプリング34の押圧力と前記起振装置4の前後進切換
え軸17方向からの機械的戻し圧油力とに抵抗して、ピ
ストン28をシリンダ27の中間部分に固定し、機体を
前進も後進もしない中立状態に保持する。
【0031】ピストン28はレバー29を前進位置のと
きに、ロッド30がスプリング43により右側方向へ移
動して、ボール38が弁座流路42と離れ、図1の左側
の通路26側と右側の油室25a側との間に圧油の流路
が形成されて圧油が流動するため、そのときの圧油の流
動が繰り返されることで、起振装置4の前後進切換え軸
17方向からの機械的戻し圧油内に混入した空気が徐々
に油室25a内に流入蓄積されて、所定の使用時間経過
後に油室25a内の空気圧が高くなる。
【0032】このように、油室25a内の空気圧が高ま
ると、レバー29を前進位置から後進位置方向へ切換え
るべく回動して、カム32によりロッド30を図面の左
側方向へ移動させる時に、圧油中に混入した空気を圧縮
することになってピストン28の押出し動作が鈍くなる
ことがある。
【0033】そのため、前記のように油室25aの蓋4
4にチェックバルブ45を設けておくことで、油室25
a内の空気圧が高くなったときに、チェックバルブ45
が作動して、油室25a内に溜まった空気を自動的に外
部に放出することができ、ピストン28の押出し動作が
鈍くなることを防止できる。
【0034】図7は、別の実施例を示すものであり、ピ
ストン28内に設けられるロッド30を左側の通路26
側のピース30aと右側の油室25a側のピース30b
とに分割して、両ピース30a,30bの間に前記中空
部35内のスプリング43よりもバネ圧の強いスプリン
グ46を介装した構成を示している。
【0035】図1及び図2に示したロッド30の場合に
は、機体を前進状態から後進状態に切換えるべくレバー
29を急速に後進位置方向へ回動したときに、まずロッ
ド30が左側へ移動して油圧流路を閉じてからピストン
28が押されるが、そのときレバー29にはピストン2
8がシリンダ27内の圧油を押圧するための負荷がかか
り、レバー29を前進から後進へ切換えることで機体が
後進を開始するまでに比較的大きな力と時間とを必要と
することになる。
【0036】一方、図7に示す実施例のように、ロッド
30を中間にスプリング46を介装した両ピース30
a,30bにより構成した場合には、レバー29を前進
から後進へ切換えたときに、ロッド30を介してピスト
ン28がシリンダ27内の圧油を直接押圧する前に、ま
ずレバー29を、ロッド30内の右側のピース30bが
スプリング44を圧縮する位置まで比較的容易に回動で
き、そのままレバー29を後進方向へ押し続けることで
ピストン28がシリンダ27内の圧油を押圧する工程に
入ることができるので、ピストン28が直接シリンダ2
7内の圧油を押圧するための負荷を軽減して、レバー2
9の後進方向への切換え操作を楽に行うことができる。
【0037】前記前後進切換ハンドポンプ2は、前後進
レバー29を前進方向へ回動すると、カム32が図1の
右側へ回転して、ピストン28が前記起振装置4の前後
進切換え軸17方向からの機械的戻し力を受けて右側へ
突出する形となり、レバー29を鎖線のように後進方向
へ回動すると、カム32が図1の左側へ回転してピスト
ン28を起振装置前後進切換え軸17方向からの機械的
戻し力に対向して左側へ押し込むような関係に構成され
ているので、オペレーターがハンドルを保持しながら後
進している時に、建物の壁面と機体との間に挟まれたよ
うな場合には、レバー29を前方へ倒せば機体は直ちに
前進を開始するので、作業中の危険性を防止することが
できる。
【0038】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明の締固め機
の前後進切換ハンドポンプでは、起振装置前後進切換え
軸17方向からの機械的戻し力を受け入れたり、この機
械的戻し力に対抗するためのピストン28を、レバー2
9に設けたカム32によって前後進方向に切換えるよう
にしたため、例えば、レバー29を後進位置に回動し
て、カム32によりピストン28を起振装置前後進切換
え軸17方向からの機械的戻し力に対抗して左側へ押し
ている状態から、レバー29を前進位置へ回動するとき
は、カム32がまずピストンロッド30から抵抗なく瞬
時に離れて前進位置へ回動でき、その後ピストン28が
起振装置前後進切換え軸17方向からの機械的戻し力に
よってカム32の方向へ追随するように移動する。
【0039】そのため、従来のラックとピニオンとによ
る方式のハンドポンプのように、レバーの回動をラック
とピニオンの係合を介してピストンに伝える必要がない
ので、レバーの前進方向への切換え操作が軽く、迅速か
つ能率的に操作することができ、形状が小型で、価格的
にも低廉なものとすることができる。
【0040】また、ピストン28に挿通するロッド30
にボール弁38を設けて、起振装置前後進切換え軸17
方向からの機械的戻し力をもった圧油中に混入する空気
を油室25a内へ導入すると共に、この油室25aにチ
ェックバルブ45を設けることにより、油室25a内の
エア抜きを効果的に行なえるので、ピストンによる前記
機械的戻し力圧油を加圧するときのエアによる圧縮障害
を防止することができ、しかも、このチェックバルブ4
5によって、圧力の異なる高地での作業や温度上昇時に
おける作業にもエア調整を適切に行なえるという利点を
有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る前後進切換ハンドポンプの構成を
示す断面図。
【図2】図1のI−I線における断面図。
【図3】図1のII−II線における断面図。
【図4】本発明の前後進切換ハンドポンプを備えた振動
締固め機の側面図。
【図5】起振装置の構成を示す平面図。
【図6】前後進切換ハンドポンプの後進最速時の状態を
示す断面図。
【図7】図1の構成の別の実施例を示す要部断面図。
【符号の説明】
1:振動締固め機、 2:前後進切換ハンドポンプ、
3:操作ハンドル、4:起振装置、 5:油圧ホ
ース、 6:エンジン、 7:プーリー、8:駆動
軸、 9:従動軸、 10,11:偏心振子、
12:駆動ギア、 13:駆動ギア、 14:ボ
ス、 15:螺旋溝、 11:長孔、 17:前
後進切換え軸、 18:大径部、 19:小径部、
20:ピストン、 21:ベアリング、 2
2:起振体ケース、 23:油圧シリンダ、 2
4:ピン、 25:ポンプボデー、 25a:油
室、26:通路、 27:シリンダ、 28:ピス
トン、 29:前後進レバー、 30:ロッド、
30a,30b:ロッドピース、 31:レバー回
動軸、 32:カム、 33:ローラ、 34:
スプリング、 35:中空部、 36:小孔、
37:流路、 38:ボール、 39:フランジ、
40:段部、 41:弁座、 42:流路
43:スプリング、 44:蓋、 45:チェック
バルブ、 46:スプリング、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01C 19/34 B60T 7/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 起振装置における前後進切換え軸の一端
    に設けられた機械的戻し力により作動する油圧シリンダ
    と、油圧ホースを介して接続される前後進切換ハンドポ
    ンプのボデー内に、シリンダを介して背面に前記起振装
    置の前後進切換え軸方向から機械的戻し圧油力を受ける
    ピストンと、該ピストン内に挿通された弁付開閉流路を
    有するロッドとを備え、前記ピストンを挟んでポンプボ
    デーの一端に設けられた油室内に前後進レバーの回動軸
    を設けて、該回動軸に前記ロッドの先端と接触するカム
    を設け、前後進レバーの前進又は後進方向への回動によ
    り、前記カムを介してピストンを前記起振装置前後進切
    換え軸方向からの機械的戻し力を受ける方向、又は前記
    起振装置前後進切換え軸方向からの機械的戻し力に対向
    する方向へ移動させることを特徴とする振動締固め機の
    前後進切換ハンドポンプ。
  2. 【請求項2】 前後進レバーの前進方向への回動によ
    り、カムがピストンを前記起振装置前後進切換え軸方向
    からの機械的戻し力を受ける方向へ移動し、前後進レバ
    ーの後進方向への回動により、カムがピストンを前記起
    振装置前後進切換え軸方向からの機械的戻し力に対向す
    る方向へ移動する請求項1の振動締固め機の前後進切換
    ハンドポンプ。
  3. 【請求項3】 ピストン内に挿通されるロッドの弁付開
    閉流路が、前後進レバーを前進方向へ回動したときに流
    路を開き、前後進レバーを前進位置から後進方向へ回動
    することで閉じるボールバルブからなっている請求項1
    又は2の振動締固め機の前後進切換ハンドポンプ。
  4. 【請求項4】 ポンプボデーの一端に設けられる油室の
    蓋に、該油室内の圧油中に混入した空気を室外へ放出す
    るチェックバルブを備えている請求項1の又は2の振動
    締固め機の前後進切換ハンドポンプ。
  5. 【請求項5】 ピストン内に挿通されるロッドが、中間
    にスプリングを介在させた複数のピースに分割されてい
    る請求項1乃至3のいずれかの振動締固め機の前後進切
    換ハンドポンプ。
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