JP5004039B2 - 振動子 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に使用される表面実装型の圧電振動子に関し、特に音叉型圧電振動片を片持ち式に支持して気密封止するパッケージの構造に関する。
従来より掲帯電話、PHS等の情報通信機器やコンピューター等のOA機器、電子時計等の民生機器を含む様々な電子機器には、電子回路のクロック源として圧電振動子が広く採用されている。最近は、特に携帯用機器等の電子機器の小型化・薄型化に伴い、圧電振動子のより一層の小型化・薄型化が図られている。
一般に表面実装型の圧電振動子は、水晶などの圧電振動片をその一端で片持ち式に支持して、セラミック等の絶縁材料からなるパッケージ内に固定し、気密に封止する構造が広く採用されている。図11に、このような薄い矩形箱型のベース部分1と薄板状の蓋部分2とからなるパッケージ3に音叉型水晶振動片4を収容した表面実装型水晶振動子の構成を例示する。その水晶表面に励振電極を形成した音叉型水晶振動片4は、該励振電極からの引出電極を設けた基端部4aを、ベース部分1の内側底面に設けた電極パッド5に導電性接着剤6を用いて固着することにより片持ち式にマウントし、ベース部分1の上端に蓋部分2を接合して気密に封止する。
しかしながら、上述した従来の圧電振動子は、その小型化・薄型化に伴い、耐衝撃性が問題となっている。かかる問題を解消するために、例えばパッケージ内部の底面に対向配置した2つの段差の一方に圧電振動片の一端を固定し、かつ自由端を他方の段差から僅かに離隔して片持ち式に固定支持し、該圧電振動片の上面と蓋の内面との間隔を或る値以下に小さくした圧電振動子が知られている(特許文献1を参照)。この圧電振動子は、落下等の衝撃が加わったとき、圧電振動片の自由端が段差の上面又は蓋の内面と接触して、その上下の振れを抑制することにより、衝撃を吸収して耐衝撃性を向上させる。
また、圧電振動片を片持ち式に支持したパッケージ内部の底面を傾斜面とし、かつ傾斜面の上り側と圧電振動片の自由端とを僅かな隙間で離隔した圧電デバイスのパッケージ構造が知られている(例えば、特許文献2を参照)。このパッケージ構造によれば、外部からの衝撃を、圧電振動片の自由端がパッケージ内部底面に接触して吸収することにより、耐衝撃性の向上と同時にパッケージの薄型化を図っている。
特開平9−186545号公報 特開平11−214947号公報
本願発明者は、圧電振動子に外部から落下等による大きな衝撃が加わると周波数が変動する原因を様々に検討した。その結果、例えば図11において想像線4′で示すように、音叉型水晶振動片4の振動腕の自由端部4bが衝撃により上下に大きく変位して、パッケージ3の内面即ちベース部分1の内側底面または蓋部分2の内面に接触し、その角が欠落することにより特に振動腕の先端の質量が変化することが、周波数を変動させる主な原因であることを見い出した。圧電振動片の基端部4aを電極パッド5上に接着する際に、その自由端部4bは、幾分上向き又は下向きに傾く虞があるが、特に下向きに傾いた場合には、落下等の衝撃で容易にベース部分1の底面に衝突して破損する可能性が高い。そして、かかる知見に基づいて、本願発明を案出したものである。
また、振動腕の先端から欠落した材料の破片が音叉型水晶振動片4に付着すると、その周波数が変化し、更に振動子特性を劣化させる虞がある。そのため、従来は、衝撃等により圧電振動片の振動腕の自由端部が上下に大きく変位してもパッケージ内面に接触しない程度の比較的大きな隙間を確保するように、圧電振動片をベース部分の内部底面から高い位置にマウントし、かつ蓋部分をより高い位置に配置して耐衝撃性を確保していた。しかしながら、このような構成では圧電振動子全体の厚みが増し、小型化・薄型化の要求に対応できないという問題があった。
また、音叉型圧電振動子の場合、パッケージ内部に圧電振動片を封止した後に透明なガラスの蓋部分を介して外側からレーザー光を照射し、振動腕の先端に形成した金属重り部を部分的に溶融除去することにより、最終的に周波数調整を行う方法が採用されている。しかしながら、パッケージの小型化・薄型化が進むに連れて、圧電振動片とパッケージとの隙間が少なくなるため、レーザー光で除去した金属が振動腕に再付着して周波数に影響を与え、高精度の周波数調整を困難にする虞がある。
本発明の目的は、表面実装型圧電振動子の小型化・薄型化への要求に対応してパッケージの厚みを増すことなく、優れた耐衝撃性を実現し得るパッケージ構造を提供することにある。
更に本発明の目的は、特に音叉型圧電振動子において、高精度の周波数調整を可能にすることにある。
本発明の振動子は、上記目的を達成するべく、ベース部分を有するパッケージと、
一方の端部と、自由端部と、一方の端部と自由端部との間の中間部とを有し、一方の端部においてベース部分の実装面に片持ちにマウントされている振動片とを備え、
ベース部分の実装面が、平面視において振動片の中間部から自由端部に亘る部分に重なる位置に凹部を有し、
凹部の開口が、その振動片の一方の端部側の辺に、振動片の長手方向に交差する向きに延長する直線状の辺部分を有し、
直線状の辺部分が、平面視において振動片の中間部と重なり、かつ直線状の辺部分の長さが、該直線状の辺部分の中間部と重なる部分の長さよりも長いことを特徴とする。
このようにパッケージを構成することによって、落下等の衝撃で振動片の自由端部が上下に大きく振れて、ベース部分の実装面の凹部内に突入しても、該凹部の底面には接触せず、自由端部の先端が欠落したり、欠落した材料が振動片に付着するなどして、周波数を所定の設定範囲から変動させる虞が解消される。このことを、本願発明者は、後述するように試験結果から確認した。更に、本発明の振動子は、振動片とベース部分の実装面との隙間を狭くして、パッケージ全体の厚さを薄くし、その小型化・薄型化を実現することができる。
また、本発明の振動子が音叉型圧電振動子であって、振動片が振動腕を有する音叉型圧電振動片の場合、ベース部分に蓋部分を接合してパッケージを封止した後に振動片の周波数を調整するために、蓋部分の外側からレーザー光を照射して、振動腕の金属重り部を溶融除去したときに、該レーザー光によって飛散した金属は、その多くがベース部分の実装面の凹部内に付着するので、振動腕に再付着する可能性が大幅に低減する。そのため、音叉型圧電振動子の周波数をより高精度に調整することができる。また、凹部の底面は、従来よりもレーザ光の焦点位置から遠くなっているので、音叉の腕を通過したレーザー光で損傷する虞がない。
或る実施例では、振動片の自由端部が前記実装面に向けて振れて、中間部が凹部開口の振動片の一方の端部側の辺に接触したとき、中間部の全幅において直線状の辺部分に接触し得るように、凹部が設けられる。これによって、凹部開口の辺に接触した振動片の中間部が該辺の角部から受ける衝撃が、中間部の全幅に分散される。
別の実施例では、凹部の前記直線状の辺部分の角部が鈍角である。これにより、振動片の自由端部が上下に変位したときにその中間部が凹部の角部に接触しても、その衝撃を緩和し、かつ許容される変位量を大きくすることができる。
前記凹部の平面形状は、圧電振動片の自由端部に対応して矩形や楕円形、トラック形状(陸上競技のトラックの形状)等の様々な形状にすることができる。矩形の場合には、凹部の平面面積を大きくとることができる。更に、矩形の各隅部が丸み付けされていると、凹部の加工時、振動子の組立時及び使用時において、隅部への応力集中を緩和し、割れ等の発生が防止され、パッケージ強度を向上させることができると共に、凹部の加工が容易になるので好ましい。また、楕円形の場合には、パッケージ自体にかかる応力が凹部付近に集中するのを緩和して、パッケージ強度を向上させることができる。特にトラック形状は、これら双方の利点を備え、パッケージにかかる応力の集中を緩和しつつ、大きな平面面積を確保することができる。
また、ベース部分の実装面に形成された凹部に、圧電振動子の最終製造工程でパッケージ内部を減圧するための通孔が形成されていると、ベース部分の構成を簡単にしかつその製造工数を減らすことができるので好ましい。
本発明による振動子は、振動片をその一方の端部において片持ちにマウントするパッケージのベース部分の実装面に、平面視において振動片の中間部から自由端部に亘る部分に重なる位置に凹部を設け、該凹部の開口が、その振動片の一方の端部側の辺に、振動片の長手方向に交差する向きに延長する直線状の辺部分を有し、該直線状の辺部分が、平面視において振動片の中間部と重なり、かつ直線状の辺部分の長さがその中間部と重なる部分の長さよりも長いことによって、外部からの衝撃で振動片が上下に大きく変位しても、その自由端部がベース部分の実装面に接触しないので、その先端や角の材料が欠落したり再付着して振動子特性を劣化させる虞が無い。しかも振動片とベース部分の実装面との隙間を狭くできるので、小型化・薄型化と同時に優れた耐衝撃性を実現することができる。
本発明の第1実施例を示す圧電振動子の縦断面図である。 図1の圧電振動子の平面図である。 第1実施例の変形例を示す圧電振動子の平面図である。 本発明の第2実施例を示す圧電振動子の縦断面図である。 図4の圧電振動子の平面図である。 本発明の第3実施例を示す圧電振動子の平面図である。 本発明の第4実施例を示す圧電振動子の平面図である。 本発明の第5実施例を示す圧電振動子の縦断面図である。 A図は、圧電振動子の落下衝撃試験に使用する治具及びサンプルの圧電振動子の取付状態を示す概略斜視図、B図は、サンプルの水晶振動片に作用する衝撃力の方向を示す図である。 落下衝撃試験に使用するサンプルのパッケージ構造の内部寸法を示す部分拡大断面図である。 従来の圧電振動子の構造を示す縦断面図である。
以下に、添付図面を参照しつつ、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。
図1及び図2には、本発明による圧電振動子の基本的構成を備えた第1実施例が示されている。この圧電振動子は、薄い矩形箱形のベース部分10と蓋部分11とからなるパッケージ内に音叉型水晶振動片12が片持ち式に実装されている。ベース部分10は、セラミックスなどの絶縁材料からなる概ね長方形の2枚の薄板部材13a、13bを張り合わせた底板部13の上面に矩形枠状の側壁部材14を接合させて形成される。蓋部分11は透明なガラス薄板やセラミック薄板で形成され、側壁部材14の上端に例えば封止ガラスやはんだ等の金属ろう材で接合されて、パッケージ内部に音叉型水晶振動片12を気密に封止している。
音叉型水晶振動片12の実装面を構成する底板部13の上面には、外部回路に接続するための2本の導通電極15が配線され、ベース部分10内部の一方の端部側に露出する前記各導通電極の端部上に、音叉型水晶振動片12の接続電極として1対の電極パッド16が形成されている。電極パッド16には、音叉型水晶振動片12の引出電極を形成した基端部12aが導電性接着剤17を用いて接着され、それにより音叉型水晶振動片が前記実装面と所定の僅かな間隔をもって略平行に延在するように、片持ち式にマウントされている。導電性接着剤17としては、落下などによる外部からの衝撃を吸収可能な軟らかいシリコーン系の接着剤を使用すると良い。
ベース部分10内部の前記実装面には、音叉型水晶振動片12の自由端部12b即ち振動腕の先端に隣接する部分に、凹部18が設けられている。凹部18は、前記振動片の基端部12a側から自由端部側12bに向かう長手方向に沿って直線状に延長する直線状辺部分と、該長手方向に直交する向きに直線状に延長する直線状辺部分とで構成される平面矩形の開口を有する。平面矩形の凹部18は、底板部13を構成する上側の薄板部材13aに矩形穴を貫設し、これに下側の薄板部材13bを張り合わせることにより、容易に形成することができる。また、底板部13の略中央には、周波数調整を終えた水晶振動子の最終製造工程においてパッケージ内を減圧するための通孔19が穿設され、充填材20で閉塞されている。
凹部18を設けたことにより、外部からの衝撃により音叉型水晶振動片12の振動腕が、図1に想像線12′で示すように、下向きに即ち実装面に向けて大きく振れても、前記振動腕自由端部12bは凹部18内にその底面に接触することなく突入する。ここで、前記振動腕の中間部は、前記凹部開口の電極パッド16側の、前記長手方向に直交する向きの前記直線状辺部分の角18aに当接する場合、又は当接しない場合があり得る。これにより、周波数に最も大きな影響を与える自由端部12bの先端が破損して欠落したり、欠落した材料が音叉型水晶振動片に再付着する虞がない。また、音叉型水晶振動片の振動腕の中間部は、その平面で凹部の角18aに接触するので、破損したり材料が欠落する虞が少なく、またその場合にも周波数の変動に与える影響が少ない。
本実施例において、水晶振動子の周波数調整は、ベース部分10に接合した蓋部分11を通過させて外側からレーザー光を照射し、音叉型水晶振動片12の自由端部12b即ち振動腕の先端に形成されたCr、Au、Ag等の金属の重り部を除去することにより行われる。このとき、重り部から飛散した金属は、凹部18により振動腕先端の下側に大きい隙間があるので、その大部分が凹部の底面や側面に付着する。そのため、振動腕に再付着する金属は大幅に少なく、高精度に周波数調整を行うことができる。また、底板部13上面は、自由端部12bとの離隔距離が接近していると、レーザー光の照射により破損する虞があるが、本実施例では凹部18の深さだけレーザー光の焦点位置がずれるので、そのような虞が無い。
また、変形例として、パッケージ内を減圧するための通孔19′を、図1に想像線で示すように、凹部18の位置に設けることができる。これにより、上側の薄板部材13aに貫通孔を穿設する工程を1つ省略して加工工数を削減することができる。
図3には、第1実施例の音叉型水晶振動子の変形例が示されている。この変形例は、矩形をなす凹部18の各隅部18bがそれぞれ丸みを付けられている点において第1実施例と異なる。これにより、比較的硬質のセラミックからなる上側薄板部材13aに凹部を加工する際、及び水晶振動子の組立時・使用時に、隅部への応力集中が緩和されて割れ等の破損が防止されるので、凹部18の加工が容易になり、かつバッケージ構造の強度が向上する。本変形例の凹部18も、上記第1実施例と同様に、前記振動片の基端部12a側から自由端部側12bに向かう長手方向に沿って直線状に延長する直線状辺部分と、該長手方向に直交する向きに直線状に延長する直線状辺部分とで構成される平面矩形の開口を有する。
図4及び図5には、本発明による圧電振動子の第2実施例が示されている。この圧電振動子は第1実施例と概ね同様な構造となっており、同様な部分には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施例においても、セラミックスなどの絶縁材料からなるベース部分21内部の底面部22上面には、音叉型水晶振動片12の振動腕の自由端部12bに対応する位置に凹部23が形成されている。本実施例の凹部23は、その電極パッド16側の壁面23aが、凹部の底に向けて下向きに傾斜する傾斜面となっている点で、図1の第1実施例と異なる。
これにより、音叉型水晶振動片12の振動腕が下向きに振れたとき、その中間部が、図1のような直角ではなく鈍角の角部に又は傾斜面に接触するので、その衝撃を幾分緩和することができる。また、凹部23の電極パッド16側の角に接触する音叉型水晶振動片12の前記振動腕の中間部の位置が、第1実施例の場合よりも基端部側にシフトするので、音叉型水晶振動片12は、第1実施例の場合より大きく変位可能で、その場合にも前記振動腕の自由端部12bがパッケージ内面に接触する虞が無く、より耐衝撃性が向上する。
上記第1及び第2実施例では、ベース部分10、21の凹部18、23を、大きな平面面積を確保できるように平面矩形に形成したが、それ以外の様々な形状にすることができる。図6に示す本発明の第3実施例では、ベース部分24の凹部25が平面楕円形になっている。第1及び第2実施例の場合には、パッケージ自体にかかる応力が凹部の各隅部付近に集中し易いが、第3実施例では、凹部への応力の集中が緩和され、パッケージ強度が向上する。更に、図7に示す本発明の第4実施例では、ベース部分26の凹部27が平面トラック形状、即ち陸上競技のトラックのように、対向する2つの半円部分を直線部分で結合した形状に形成されている。これにより、第1及び第2実施例と第3実施例双方の利点を組み合わせて、パッケージにかかる応力の凹部への集中を緩和しつつ、凹部の平面面積を大きくとることができる。
図8には、本発明による圧電振動子の第5実施例が示されている。本実施例においては、パッケージのベース部分28ではなく、蓋部分29の内面に凹部30が形成されている点で、上記各実施例と異なる。これにより、音叉型水晶振動片12の前記振動腕の自由端部12bが衝撃により上向きに変位しても、蓋部分29の内面に接触しないので、その先端が破損して欠落したり、欠落した材料が水晶振動片に再付着する虞がない。
また、別の実施例では、水晶振動片のパッケージを構成するベース部分及び蓋部分の両方に、それぞれ図1及び図8に示すような凹部を設けることができる。これにより、水晶振動片が上下いずれに大きく変位しても、その自由端部がパッケージ内面に接触する虞が無く、より一層耐衝撃性が向上する。
図9に示す治具31を用いて、図3の音叉型水晶振動子について落下衝撃試験を行った。治具31は、所定の重量を有するステンレス製の直方体からなり、その上面及び一方の側面に3個のサンプルの音叉型水晶振動子32を貼り付けて、一定の高さ例えば約150cmから床面に落下させる。図9Aに示すように、1個の水晶振動子32は治具31の上面に、残りの2個は側面に、一方がその長手方向を水平方向に向けて、かつ他方を垂直方向に向けて配置する。これにより、各水晶振動子32内の水晶振動片33には、それぞれ図9Bに示すように互いに直交するX、Y、Z方向に衝撃力が作用する。前記治具を数回落下させた後、各水晶振動子32を取り外してその周波数を測定し、所定の周波数範囲外となったものを不良品としてその発生率を算出する。
音叉型水晶振動子32のパッケージ内部の寸法を、図10に示すように、水平方向には、その上に水晶振動片12を片持ち式に固着した電極パッド16の前端即ち水晶振動片の固定支持点16aから水晶振動片の振動腕の自由端部先端12bまでの距離をL0 、固定支持点16aから凹部18の電極パッド側の端縁までの距離をL1 とし、垂直方向には、水平に支持された水晶振動片12と蓋部分11との隙間、即ち水晶振動片上面から蓋部分までの高さをt1 、水晶振動片12と凹部18底面との隙間、即ち凹部底面から水晶振動片下面までの高さをt2 とする。電極パッドの高さを50μm、水晶振動片の板厚を100μm、L0 =3mm、L1 =1.5mm、t1 =100μmとし、t2 を50〜150μmの範囲で変化させた多数のサンプルについて前記落下衝撃試験を行った。その結果、t2 が75μmを超えると不良品の発生率が大幅に減少して、t2 ≧80μmで略0になり、優れた耐衝撃性を発揮することが確認された。
次に、電極パッドの高さ及び水晶振動片の板厚を同様にそれぞれ50μm、100μm、L0 =3mm、t1 =t2 =100μmとし、L1 を0.6〜2.4mmの範囲で変化させた多数のサンプルについて前記落下衝撃試験を行った。その結果、L1 が1.2mmを超えると不良品の発生率が大幅に減少して、L1 ≧1.5mmで略0にななり、優れた耐衝撃性を発揮することが確認された。
水晶振動片の剛性はその寸法L0 に拘わらず一定であるから、その撓み率も一定であると解すれば、上記試験結果から、本発明のパッケージ構造は、その内部寸法が0.5≦L1 /L0 <1、及びt2 /t1 ≧0.8の範囲内において、優れた耐衝撃性を発揮すると言うことができる。
また、本発明は上記実施例の音叉型水晶振動片に限定されず、水晶以外のタンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの様々な圧電材料を用いることができ、また矩形状のATカット水晶振動子等、圧電振動片を片持ち式にマウントする表面実装型のものであれば、同様に適用できることは云うまでもない。
1,10,21,24,26,28…ベース部分、2,11,29…蓋部分、3…パッケージ、4,4′,12…音叉型水晶振動片、4a,12a…基端部、4b,12b…自由端部、5,16…電極パッド、6,17…導電性接着剤、13…底板部、13a、13b…薄板部材、14…側壁部材、15…導通電極、16a…固定支持点、18,23,25,27,30…凹部、18a…角、19、19′…通孔、20…充填材、22…底面部、23a…壁面、31…治具、32…水晶振動子。

Claims (4)

  1. ベース部分を有するパッケージと、
    一方の端部と、自由端部と、前記一方の端部と前記自由端部との間の中間部とを有し、前記一方の端部において前記ベース部分の実装面に片持ちにマウントされている振動片とを備え、
    前記ベース部分の実装面が、平面視において前記振動片の前記中間部から前記自由端部に亘る部分に重なる位置に凹部を有し、
    前記凹部の開口が、その前記振動片の前記一方の端部側の辺に、前記振動片の長手方向に交差する向きに延長する直線状の辺部分を有し、
    前記直線状の辺部分が、平面視において前記振動片の前記中間部と重なり、かつ前記直線状の辺部分の長さが、該直線状の辺部分の前記中間部と重なる部分の長さよりも長いことを特徴とする振動子
  2. 前記振動片の前記自由端部が前記実装面に向けて振れて、前記中間部が前記凹部開口の前記振動片の前記一方の端部側の辺に接触したとき、前記中間部の全幅において前記直線状の辺部分に接触し得るように、前記凹部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の振動子
  3. 前記凹部の前記直線状の辺部分の角部が鈍角であることを特徴とする請求項1又は2記載の振動子
  4. 前記ベース部分の実装面に形成された前記凹部に、前記パッケージ内部を減圧するための通孔が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の振動子
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