JP2006203458A - 圧電振動片、及びこれを利用した圧電デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 互いに平行に延びる複数の振動腕34,35を支持する基部51と、この基部51から縮幅したネック部54を介して、振動腕34,35と平行に延びる固定用腕37,38とを備えた圧電振動片20であって、固定用腕37,38は、重心GP2を通る振動腕34,35の幅方向の仮想線GP3上の位置で基体と接合される接合部20,20を有し、この接合部20,20は、振動腕34,35の延びる方向に沿って、圧電振動片32の全長L1に対して25%以上の長さにわたり形成されている。
【選択図】 図1
Description
これらの図において、圧電デバイス1は圧電振動子の例を示しており、パッケージ2内に圧電振動片3が収容されている。
基部4からは、振動腕5,5と平行に延びる固定用腕6,6が一体的に形成されており、さらに、振動腕5,5と反対の方向にはバランス部7が一体的に形成されている。
そして、固定用腕6,6は、圧電振動片2の重心GPを通る幅方向の仮想線GP1上に、接着剤10,10を適用してパッケージ2側のマウント電極12,12と接合されている。
さらに、この固定用腕の接合部は、振動腕の延びる方向に沿って、圧電振動片の全長に対して25%以上の長さにわたり形成されている。このため、固定用腕の基体に固定される領域は、振動腕の延びる方向に長く形成され、振動腕の延びる方向について、圧電振動片の揺動可能な自由部分を少なくすることができ、外部から衝撃を受けた場合であっても、この揺動可能な自由部分の揺動を基体に触れない程度に小さくすることができる。
かくして、圧電振動片の厚み方向の振れを有効に防止して、優れた振動特性を備えた圧電振動片を提供することができる。
第3の発明の構成によれば、接合部はネック部側の端部から所定の距離を有するように離れているため、固定用腕のパッケージと接合される領域を大きく取り過ぎるあまり、接合部とネック部側の端部との距離が近づきすぎて、いわゆる振動漏れが生ずることを有効に防止できる。
第4の発明の構成によれば、所定の距離は、圧電振動片の全長に対して10%以上である。したがって、第2の発明の作用効果を発揮しつつ、振動漏れの発生を有効に抑制できるだけの距離を確保して、優れた振動特性を発揮する圧電デバイスを提供できる。
第5の発明の構成によれば、接合部は、少なくともその長手方向の両端がパッケージと接合されているので、接合部はパッケージに固定され、この接合部の両端より外側の揺動可能な自由部分は、第2の発明と同様に小さくなっている。したがって、第1の発明と同様の作用効果を発揮する。しかも、接合部の全域はパッケージと接合されていないので、第1の発明に比べて接着剤等を少量とすることができ、例えば接着剤を硬化させる際に発生するガスを抑制することができる。
第6の発明の構成によれば、接合部をパッケージに接合するための部材は、シリコーン系の導電性接着剤であるため、導電性接着剤を用いる場合においては、比較的、広い温度範囲で安定した振動特性が得られ、また、その柔軟性から、外部からの衝撃を吸収することができる。
第7の発明の構成によれば、接合部をパッケージに接合するための部材は、バンプであるので、圧電振動片とパッケージとの導通の安定性を向上することができる。
尚、圧電デバイスとは、圧電振動子や圧電発振器等の名称にかかわらず、パッケージ内に圧電振動片を収容した全ての製品を意味する。
また、図1および図2の平行斜線で示した部分は、理解の便宜のために示したものであり、断面等を表すものではない。
パッケージ36は、矩形状となっており、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成型して形成される第1の基板36aおよび第2の基板36bを積層した後、焼結して形成されている。
また、第1の基板36aの図2において上部に開口した側の開口端面には、低融点ガラス等のロウ材48が適用されて蓋体39により封止されている。蓋体39は、蓋封止した後であっても、圧電振動片32に設けられた励振電極あるいは錘等にレーザ光をあてて、質量削減方式で周波数調整できるように、光を透過する材料、例えばガラスから形成されている。
具体的には、マウント電極31,31は、後述する圧電振動片32の接合部20,20と対向する位置に設けられており、本実施形態では、内部空間S2における幅方向(X方向)の両端部であって、長手方向(Y方向)の内壁に沿うように形成されている。
なお、接着剤43には柔軟性があり、広い温度範囲で安定した振動特性が得られるシリコーン系の導電性接着剤を用いるのが好ましい。
本実施形態の場合、圧電振動片32は、小型に形成して必要な性能を得るために、互いに平行に延びる一対の振動腕34,35と、この一対の振動腕34,35を支持する基部51とを備えている。
すなわち、基部51からは、振動腕34,35と反対側の端部に、基部51の幅を縮幅あるいは括れるようにして、基部51よりも脆弱となるネック部54が一体的に形成されており、このネック部54を介して、固定用腕37,38が振動腕34,35と平行に延びるように形成されている。
なお、図1および図2では、接合部20,20は、固定用腕37,38の先端部(基部と反対側の端部であって、図1の左側)を残すように配置されており、固定用腕37,38の先端部はパッケージ36と接合されていないようになっている。これにより、固定用腕37,38の先端部を接合部20に含めた場合の、接着剤塗布位置または圧電振動片32の搭載位置のズレによって生じる接合面積の減少の恐れを防止している。
また、本実施形態の接合部20,20は、仮想線GP3上の位置から長手方向の両端側に向かって均等に延びており、図1における仮想線GP3上の位置から、先端側(左側)の長さL4とネック側(右側)の長さL5とが略同じになっている。
このように、固定用腕37,38は、接合部20の位置(仮想線GP3の位置と端部32bからの距離L3)、接合部20の長さL2、ネック部54からの距離L4を総合的に考慮して、その位置や長さを決めるようにされている。
すなわち、図3は、接合部20を仮想線GP3上の位置に設けた場合において、2×104G程度(150cmの高さから100グラムの物体を自由落下させた衝撃と同等)の衝撃を与えた場合の周波数の変化量を示す図であり、図3(a)は、長さL2が25%未満の場合の周波数変化量、図3(b)は長さL2が25%の場合の周波数変化量である。この図に示すように、接合部20の長さL2を25%に設定したことで、衝撃を与える前(試験前)と与えた後(試験後)との周波数変化量は少なくなり、これにより耐衝撃性に有利となったことがわかる。
すなわち、図4は、接合部20を仮想線GP3上の位置に設けた場合において、温度変化に伴うクリスタルインピーダンス値(CI値)を示した図であり、図4(a)は所定の距離L3が圧電振動片32の全長L1の10%未満、図4(b)は所定の距離L3が圧電振動片32の全長L1の10%である場合の図である。この図に示されるように、接合部20の端部32bからの距離L3を圧電振動片32の全長L1に対して10%以上とすることで、CI値の変化を抑えることができ、これにより、振動漏れによるCI値の上昇を抑制できたことがわかる。
なお、これらの図では、理解の便宜のために、圧電振動片の表面に設けられた励振電極等の電極を省略しており、また、平行斜線で示した部分は断面等を表すものではない。
これらの図において、図1および図2の説明で用いた符号と同一の符号を付した箇所は共通する構成であるから、重複した説明は省略し、以下、相違点を中心に説明する。
圧電デバイス60が図1および図2の圧電デバイス30と異なるは、接合部20とパッケージ36とを接合する構造についてである。
そして、本変形例の場合、接合部20,20をマウント電極31,31に接合するための部材は、例えば半田により形成されたバンプ46,46,46,46を用いるようにして、圧電振動片32とパッケージ36との導通の安定性を向上するようにしている。
Claims (7)
- 互いに平行に延びる複数の振動腕を支持する基部と、この基部から縮幅したネック部を介して、前記振動腕と平行に延びる固定用腕とを備えた圧電振動片であって、
前記固定用腕は、重心を通る前記振動腕の幅方向の仮想線上の位置で基体と接合される接合部を有し、
この接合部は、前記振動腕の延びる方向に沿って、前記圧電振動片の全長に対して25%以上の長さにわたり形成されている
ことを特徴とする圧電振動片。 - 互いに平行に延びる複数の振動腕を支持する基部を有するとともに、この基部から縮幅したネック部を介して、前記振動腕と平行に延びる固定用腕を有する圧電振動片と、前記固定用腕を接合して前記圧電振動片を収容するようにしたパッケージとを備えた圧電デバイスであって、
前記固定用腕は、重心を通る前記振動腕の幅方向の仮想線上の位置で前記パッケージと接合される接合部を有し、
この接合部は、前記振動腕の延びる方向に沿って、前記圧電振動片の全長に対して25%以上の長さにわたり形成されている
ことを特徴とする圧電デバイス。 - 前記接合部は、前記圧電振動片の前記ネック部側の端部から所定の距離を有するように離れていることを特徴とする請求項2に記載の圧電デバイス。
- 前記所定の距離は、前記圧電振動片の全長に対して10%以上であることを特徴とする請求項3に記載の圧電デバイス。
- 前記接合部は、少なくともその長手方向の両端が前記パッケージと接合されており、前記接合部の全域は前記パッケージと接合されていないことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 前記接合部を前記パッケージに接合するための部材は、シリコーン系の導電性接着剤であることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の圧電デバイス。
- 前記接合部を前記パッケージに接合するための部材は、バンプであることを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の圧電デバイス。
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