JP5002021B2 - ボールエンドミル - Google Patents

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Description

本発明はエンドミル、すなわち切削刃が形成された先端部を対象物に接触させて回転しつつ回転軸に略垂直な方向に移動することにより対象物を加工(切削)する工具の技術に関する。
より詳細には、エンドミルによる加工面の面精度を向上する技術に関する。
従来、フライス盤やマシニングセンタに装着され、切削刃が形成された先端部を対象物に接触させて回転しつつ回転軸に略垂直な方向に移動することにより対象物を加工(切削)する工具であるエンドミルは公知となっている。
また、エンドミルのうち、半球状の先端部に切削刃が形成されたボールエンドミルは、例えば複雑な曲面で構成される金型のキャビティ面の加工等の三次元加工に多く用いられる。
ボールエンドミルによる切削加工を行うと、対象物の加工面に「むしれ」と呼ばれる面精度が低い(凹凸が表れた)領域が形成される場合がある。
特に、図10の(a)および(b)に示す如く、ボールエンドミルの回転軸に略垂直な面に対する加工面の角度である加工面角度αが小さくなると加工面の面粗さが大きくなる。加工面角度αが小さく、面粗さが大きい加工面を顕微鏡により観察すると、加工面に不規則な凹凸部、すなわち「むしれ」が発生しているのが分かる。なお、図10の(b)は直径が20mmのボールエンドミルで加工した例を示す。
加工面に「むしれ」が発生した場合、所望の面精度を確保するために別途研磨等の処置を施す必要が生じ、加工工数が増大するという問題がある。
「むしれ」は、ボールエンドミルの先端部のうち、回転軸上の点(いわゆるNULLポイント)およびその近傍の領域が対象物に接触しつつ引きずられることにより加工面に発生するものであり、その発生のメカニズムを詳細に分析することにより、(1)周速ゼロむしれ、(2)低周速むしれ、(3)逃げ面むしれ、(4)切粉の巻き込みむしれ、の四つに大別することができる。
以下、図11に示す従来のボールエンドミル100を用いて各種「むしれ」の発生メカニズムについて説明する。
ボールエンドミル100は略円柱形状の部材からなり、その一端である基部はフライス盤やマシニングセンタの回転駆動軸に着脱可能に固定される。ボールエンドミル100の他端である先端部は半球状であり、当該先端部には切削刃101・102が形成される。
切削刃101・102はボールエンドミル100の回転軸の軸線方向から見て、回転軸を中心として互いに180度回転した位置に配置される。
切削刃101は対象物の切削に関与する面である刃面101aと切削に関与しない面である逃げ面101bを有し、刃面101aと逃げ面101bとの境界は稜線101cとなる。刃面101aとボールエンドミル100の回転軸とは平行または平行に近い角度を成す。また、逃げ面101bとボールエンドミル100の回転軸とは垂直または垂直に近い角度を成す。
ボールエンドミル100の回転軸の軸線方向から見て、切削刃101の稜線101cの一端はボールエンドミル100のNULLポイント105に一致し、切削刃101の稜線101cはボールエンドミル100の半径方向に延びている。
同様に、切削刃102は対象物の切削に関与する面である刃面102aと切削に関与しない面である逃げ面102bを有し、刃面102aと逃げ面102bとの境界は稜線102cとなる。刃面102aとボールエンドミル100の回転軸とは平行または平行に近い角度を成す。また、逃げ面102bとボールエンドミル100の回転軸とは垂直または垂直に近い角度を成す。
ボールエンドミル100の回転軸の軸線方向から見て、切削刃102の稜線102cの一端はボールエンドミル100のNULLポイント105に一致し、切削刃102の稜線102cはボールエンドミル100の半径方向に延びている。
NULLポイント105はボールエンドミル100の先端部のうち、ボールエンドミル100の回転軸上の点(ボールエンドミル100の先端部とボールエンドミル100の回転軸との交点)である。
このように、ボールエンドミル100の切削刃101の刃面101aおよび切削刃102の刃面102aは、いずれもその内周端部が回転方向についてオフセットせず、その内周端部がボールエンドミル100の回転軸上に配置されるものである。
ボールエンドミル100が対象物の刃面に「むしれ」を発生することなく切削加工を行うためにはボールエンドミル100と対象物との間の接触部位における切削刃101・102の周速Vを所定の「閾値」以上に保持することにより、切削刃101・102による対象物の未加工部の剪断が行われることが重要である。
周速Vは、ボールエンドミル100の回転軸からの距離r、およびボールエンドミル100の回転数Sを用いて、V=2π×r×Sの関係式で表される。
しかし、NULLポイント105はボールエンドミル100の回転軸上に位置する(r=0)ため、NULLポイント105における周速Vはゼロとなり、切削刃101・102による対象物の未加工部の剪断が行われない。
従って、NULLポイント105は、実質的には上記所定の「閾値」よりも小さいボールエンドミル100の送り速度F(回転軸に略垂直な方向へのボールエンドミル100の移動速度)で加工面を引きずられていることになる。
以上の如きメカニズムでNULLポイント105と加工面との接触部で発生する「むしれ」が「周速ゼロむしれ」である。
また、NULLポイント105の近傍の領域、すなわち切削刃101・102におけるNULLポイント側の端部は、回転軸からの距離rが小さいので周速Vも小さく、切削刃101・102による対象物の未加工部の剪断が弱い。
従って、NULLポイント105の近傍の領域は、実質的には上記所定の「閾値」よりも小さいボールエンドミル100の送り速度F(回転軸に略垂直な方向へのボールエンドミル100の移動速度)とほとんど変わらない速度で加工面を引きずられていることになる。
以上の如きメカニズムでNULLポイント105の近傍の領域と加工面との接触部で発生する「むしれ」が「低周速むしれ」である。
さらに、NULLポイント105の近傍の領域のうち、特に周速Vよりも送り速度Fの方が大きくなる領域(V<Fを満たす領域)では切削刃101の逃げ面101a(切削刃102の逃げ面102b)がボールエンドミル100の送り方向に向いているときに逃げ面101a(逃げ面102b)で対象物の未加工部を送り方向に押し出す(塑性変形させる)こととなる。
従って、NULLポイント105の近傍の領域のうち、特に周速Vよりも送り速度Fの方が大きくなる領域は、未加工部を送り方向に押し出しつつ加工面を引きずられていることになる。
以上の如きメカニズムでNULLポイント105の近傍の領域のうち周速Vよりも送り速度Fの方が大きくなる領域で発生する「むしれ」が「逃げ面むしれ」である。
さらにまた、ボールエンドミル100による切削加工で発生する切粉(切り屑)のうち、NULLポイント105の近傍の領域で発生するものは、NULLポイント105の近傍の領域の周速が小さいため外部に効率良く排出されず、ボールエンドミル100の先端部(NULLポイント105の近傍の領域)と対象物の加工面との間で挟まれたまま引きずられたり、あるいは摩擦熱で切粉の表面が溶けてボールエンドミル100の先端部に付着(溶着)した状態で引きずられたりする場合がある。このように、加工面とボールエンドミル100の先端部との間に挟まれた切粉、あるいはボールエンドミル100の先端部に溶着した切粉が引きずられることにより加工面に生じるキズ(凹凸)が「切粉の巻き込みむしれ」である。
このような「切粉の巻き込みむしれ」は、特に加工の対象物(被削物)が鋳鉄等の鋳物系材料である場合に発生しやすい。これは、一般的に鋳物系材料はその硬度が小さいためにボールエンドミルのNULLポイント近傍の切削刃が加工面に食い込みやすいこと、および加工時に発生する切粉(切り屑)のサイズが小さいことによる。
このように、従来のボールエンドミル100を用いて対象物に加工を行うと、(1)周速ゼロむしれ、(2)低周速むしれ、(3)逃げ面むしれ、(4)切粉の巻き込みむしれ、といった種々の「むしれ」が発生する。
また、このような「むしれ」が発生する場合における切粉は、形状が不揃いである、表面に光沢が無い(がさついている)、先端部が丸みを帯びている、カス(微細な粉砕切粉)が混じっている、といった特徴を有する。
従来、先端部の形状に特徴を有するボールエンドミルが種々提案されている。例えば、特許文献1乃至特許文献15に記載の如くである。
特許文献1に記載のボールエンドミルは、切削刃の刃面をボールエンドミルの回転方向の前方にオフセットした位置に配置したもの(いわゆる芯下がり)である。
特許文献1に記載のボールエンドミルは、耐摩耗性および耐衝撃性に優れるという利点を有する。
しかし、特許文献1に記載のボールエンドミルは、切削刃の刃面の内周端部がNULLポイントからオフセット方向にずれた位置に配置されるものの、加工面の寸法誤差を所定の許容範囲内に収めるためのオフセット量の範囲内では(2)低周速むしれの発生を防止することができないという問題を有する。
特許文献2乃至特許文献4に記載のボールエンドミルは、位相が180度ずれて配置された二つの切削刃のうち、一方の切削刃の刃面の内周端部が回転軸を跨いで反対側(他方の切削刃が形成されている側)に突出し、他方の切削刃の刃面の内周端部は回転軸を跨がず回転軸から所定距離だけ退避した位置に配置されるものである。
特許文献2に記載のボールエンドミルは、切削刃の内周端部のチッピングを防止することが可能であるという利点を有する。
しかし、特許文献2および特許文献4に記載のボールエンドミルは、回転軸を跨いで反対側に突出している方の切削刃の逃げ面がNULLポイントに位置するため、加工時に(1)周速ゼロむしれの発生を防止することができないという問題を有する。
また、特許文献2乃至特許文献4に記載のボールエンドミルは、回転軸を跨いで反対側に突出している方の切削刃の逃げ面により(3)逃げ面むしれの発生を防止することができないという問題を有する。
特許文献5乃至特許文献8に記載のボールエンドミルは、NULLポイントおよびその周囲の領域に凹部(ぬすみ)を形成するものである。
特許文献5乃至特許文献8に記載のボールエンドミルはNULLポイントにおいて加工面と接触しないので、(1)周速ゼロむしれの発生を防止することが可能であるという利点を有する。
しかし、特許文献5乃至特許文献8に記載のボールエンドミルは、(2)低周速むしれの発生を防止することができないという問題を有する。これは、以下の理由による。
特許文献5乃至特許文献8に記載のボールエンドミルは切削刃の刃面がボールエンドミルの回転方向に対してオフセットしない構成であるため、切削刃の刃面の内周端部からNULLポイントまでの距離が凹部の半径に等しい。そして、当該凹部の半径は加工面の寸法誤差を所定の許容範囲内に収める観点からあまり大きくすることが出来ないので、切削刃の刃面の内周端部の周速が小さくなり、(2)低周速むしれが発生する。
特許文献9に記載のボールエンドミルは、切削刃の刃面をボールエンドミルの回転方向の前方にオフセットした位置に配置したもの(いわゆる芯上がり)である。
しかし、特許文献9に記載のボールエンドミルは、一対の切削刃の刃面の内周端部がNULLポイントから切削刃の刃面のオフセット方向にずれた位置に配置され、一対の切削刃の逃げ面の連結部がNULLポイントに配置されるため、当該連結部が加工面に接触しつつ引きずられることとなり、(1)周速ゼロむしれの発生を防止することができないという問題を有する。
また、特許文献9に記載のボールエンドミルは切削刃の刃面のオフセット量が小さく、一対の切削刃の刃面の内周端部の周速が小さいので、(2)低周速むしれの発生を防止することができないという問題を有する。
特許文献10乃至特許文献13に記載のボールエンドミルは、先端部に形成される複数の切削刃の内周端部をNULLポイントを跨いで形成されるチゼル刃で繋ぎ、当該チゼル刃によりNULLポイントおよびその近傍の領域に接触する加工面をバニシング加工するものである。
しかし、特許文献10乃至特許文献13に記載のボールエンドミルは、バニシング加工がそもそもチゼル刃を加工面に接触させつつ引きずる加工であることから(1)周速ゼロむしれの発生を防止することができないという問題を有する。
また、チゼル刃が半径方向に関して短いので、(2)低周速むしれおよび(3)逃げ面むしれの発生を防止することができないという問題を有する。
さらに、チゼル刃には大きな負荷が作用するためチッピングが生じやすいという問題を有する。
特許文献14に記載のボールエンドミルは、特許文献10に記載のボールエンドミルのチゼル刃を半径方向に長くしたものである。
チゼル刃はその両面が切削面であり逃げ面を有さないことから、特許文献14に記載のボールエンドミルは特許文献10に記載のボールエンドミルに比べると(3)逃げ面むしれの発生を防止することが可能であるという利点を有する。
しかし、特許文献14に記載のボールエンドミルは、チゼル刃の切削面と加工面との成す角度が小さいので、チゼル刃の切削面と加工面との成す角度が90度程度の通常の切削刃に比べて切削性に劣るという問題を有する。
また、チゼル刃を半径方向に長くしても(1)周速ゼロむしれの発生を防止することができないという問題は解消されない。
特許文献15に記載のボールエンドミルは、一つのチゼル刃をNULLポイントからオフセットした位置に配置したものである。
特許文献15に記載のボールエンドミルは、チゼル刃がNULLポイントからオフセットした位置にあるため(1)周速ゼロむしれの発生を防止することが可能であり、チゼル刃は両面が切削面であることから(3)逃げ面むしれの発生を防止することが可能であるという利点を有する。
しかし、特許文献15に記載のボールエンドミルは、チゼル刃のエッジの略中央部からNULLポイントまでの距離が短いため、(2)低周速むしれの発生を防止することができないという問題を有する。
また、上記特許文献1乃至特許文献15に記載のボールエンドミルは、そもそも(4)切粉の巻き込みむしれの発生を防止するという観点から設計されていない。
特に、特許文献10乃至特許文献15に記載のボールエンドミルに形成されているチゼル刃は、その刃面が加工面に垂直な状態から大きく傾いているため、チゼル刃と加工面との隙間に入り込んだ切粉を押し潰して溶着を引き起こしやすく、かえって切粉の巻き込みむしれが発生しやすいという問題を有する。
「むしれ」は、ボールエンドミルのNULLポイントおよびその近傍の領域が加工面に接触するときに発生するものであることから、「むしれ」の発生を防止する別の方法としては、フライス盤あるいはマシニングセンタにおけるボールエンドミルの固定支持部の角度を変更可能とし、加工時におけるボールエンドミルのNULLポイントおよびその近傍の領域の加工面への接触を常に回避する方法も考えられる。
しかし、この方法はフライス盤あるいはマシニングセンタの構造が複雑化し、ひいては設備コストが増大すること、ボールエンドミルの固定支持部の角度を変更可能とした場合には当該角度を変更する機構を構成する部材間の遊び(ガタ)に起因して加工面の寸法精度が低下するおそれがあること、といった問題を有する。
実開昭63−189518号公報 特開平5−138425号公報 特開平5−228714号公報 特開平10−249623号公報 特開平7−1218号公報 特開平9−262713号公報 特開平9−267211号公報 特開2000−52125号公報 特開2001−1208号公報 特開2001−293609号公報 特開2001−341026号公報 特開2002−254234号公報 特開2003−53617号公報 特開2004−181563号公報 特開2004−142055号公報
本発明は、加工面における「周速ゼロむしれ」の発生、「低周速むしれ」の発生、「逃げ面むしれ」の発生、および「切粉の巻き込みむしれ」の発生、をいずれも防止することが可能なボールエンドミル、およびその製造方法を提供する。
本発明の第一の態様に係るボールエンドミルは、曲率を有する先端部に形成された複数の切削刃を有し、前記複数の切削刃の刃面の内周端部を回転軸よりも回転方向の前方にオフセットした位置に配置し、前記複数の切削刃の刃面の内周端部を半径方向について回転軸から切削刃形成側の反対側に所定距離X0だけ突出した位置に配置したボールエンドミルであって、前記切削刃のうち、前記切削刃の刃面と逃げ面との境界線である稜線の外周端部から前記稜線の中途部までの部分を主切削刃とし、前記切削刃のうち、前記稜線の中途部から前記稜線の内周端部までの部分を副切削刃とし、前記主切削刃と前記副切削刃との連結部を前記切削刃において回転軸の軸線方向の先端側に最も突出した部分とする。
また、所定距離X0は、前記切削刃の稜線において前記回転軸からの距離が最も近くなる位置から前記切削刃の連結部までの距離Wを用いて以下の数1を満たすことが好ましい。
Figure 0005002021
本発明のボールエンドミルにおいては、前記切削刃の稜線において前記回転軸からの距離が最も近くなる位置から前記切削刃の連結部までの距離Wは、前記切削刃の側面視の曲率半径Rk、ボールエンドミルの先端部の表面形状が球面状であると仮定したときの最先端部から前記切削刃の連結部までの回転軸の軸線方向における距離の許容誤差Δtを用いて以下の数2を満たすことが好ましい。
Figure 0005002021
本発明のボールエンドミルにおいては、前記切削刃の稜線において前記回転軸からの距離が最も近くなる位置から前記切削刃の連結部までの距離Wは、切削刃の一枚当たりの送り量fzを用いて以下の数3を満たすことが好ましい。
Figure 0005002021
本発明のボールエンドミルにおいては、前記副切削刃のすかし角度は0°以上1°未満であることが好ましい。
本発明のボールエンドミルにおいては、前記複数の切削刃のすくい角度は−10°以上10°以下であることが好ましい。
本発明のボールエンドミルにおいては、前記副切削刃の逃げ角度は前記主切削刃の逃げ角度よりも大きいことが好ましい。
本発明のボールエンドミルにおいては、前記切削刃の刃面に対向する部分にチップポケットを形成することが好ましい。
本発明の第二の態様に係るボールエンドミルは、曲率を有する先端部に形成された複数の切削刃を有し、前記複数の切削刃の刃面の内周端部を回転軸よりも回転方向の前方にオフセットした位置に配置し、前記複数の切削刃の刃面の内周端部を半径方向について回転軸から切削刃形成側に所定距離X1だけ退避した位置に配置したボールエンドミルであって、前記切削刃のうち、前記切削刃の刃面と逃げ面との境界線である稜線の外周端部から前記稜線の中途部までの部分を主切削刃とし、前記切削刃のうち、前記稜線の中途部から前記稜線の内周端部までの部分を副切削刃とし、前記主切削刃と前記副切削刃との連結部を前記切削刃において回転軸の軸線方向の先端側に最も突出した部分とする。
また、所定距離X1は、前記切削刃の稜線において前記回転軸からの距離が最も近くなる位置から前記切削刃の連結部までの距離Wを用いて以下の数4を満たすことが好ましい。
Figure 0005002021
本発明は、加工面における「むしれ」の発生を防止することが可能である、という効果を奏する。
本発明に係るボールエンドミルの第一実施形態を示す模式図である。 本発明に係るボールエンドミルの第一実施形態の側面図である。 本発明に係るボールエンドミルの第二実施形態の側面図である。 本発明に係るボールエンドミルの第二実施形態のチップを示す斜視図である。 本発明に係るボールエンドミルの第二実施形態のチップ先端部を示す図である。 本発明に係るボールエンドミルの第二実施形態のチップ先端部の拡大図である。 本発明に係るボールエンドミルの第二実施形態のチップ先端部の側面模式図である。 副切削刃のすかし角度と加工面の面性状との関係を示す図である。 副切削刃のすかし角度と加工面の面粗さとの関係を示す図である。 本発明に係るボールエンドミルの第三実施形態のチップ先端部の拡大図である。 従来のボールエンドミルの加工面角度と面粗さとの関係を示す図である。 従来のボールエンドミルの一例を示す模式図である。
以下では、図1および図2を用いて本発明に係るボールエンドミルの第一実施形態であるボールエンドミル10について説明する。
ボールエンドミル10は略円柱形状の部材からなり、その一端である基部はフライス盤やマシニングセンタの回転駆動軸に着脱可能に固定される。
ボールエンドミル10の他端である先端部は半球状であり、当該先端部には二つの切削刃11・12が形成される。
図1に示す如く、切削刃11・12はボールエンドミル10の回転軸(中心軸)の軸線方向から見て互いに180度回転した位置に配置される。
切削刃11は対象物の切削に関与する面(すくい面)である刃面11aと切削に関与しない面である逃げ面11bを有し、刃面11aと逃げ面11bとの境界は稜線(エッジ)11cとなる。
切削刃11の刃面11aとボールエンドミル10の回転軸とは平行または平行に近い角度を成す。すなわち、刃面11aとボールエンドミル10の回転軸との成す角度は−10°以上10°以下の角度(0°に近い角度)となる。
ここで、刃面11aとボールエンドミル10の回転軸との成す角度は、刃面11aの稜線11c側の端部が刃面11aの基部側の端部よりもボールエンドミル10の回転方向の前方に突出するように刃面11aが傾斜しているときを正、刃面11aの稜線11c側の端部が刃面11aの基部側の端部よりもボールエンドミル10の回転方向の後方に退避するように刃面11aが傾斜しているときを負としている。
また、逃げ面11bとボールエンドミル10の回転軸とは垂直または垂直に近い角度を成す。
切削刃11の刃面11aの内周端部は、当該回転軸(NULLポイント15)よりも回転方向の前方にオフセットした位置に配置される(いわゆる芯上がりとなっている)。
切削刃11の刃面11aの内周端部は、半径方向について回転軸(NULLポイント15)から切削刃形成側の反対側に所定距離だけ突出した位置に配置される。
ここで、「回転軸から切削刃形成側の反対側に所定距離だけ突出した位置」は、ボールエンドミルの先端部表面において、回転軸(NULLポイント)を跨いで切削刃が形成される側の反対側に越えた位置を指す。
切削刃12は対象物の切削に関与する面である刃面12aと切削に関与しない面である逃げ面12bを有し、刃面12aと逃げ面12bとの境界は稜線(エッジ)12cとなる。
切削刃12の刃面12aとボールエンドミル10の回転軸とは平行または平行に近い角度を成す。また、逃げ面12bとボールエンドミル10の回転軸とは垂直、または垂直に近い角度を成す。
切削刃12の刃面12aの内周端部は、当該回転軸(NULLポイント15)よりも回転方向の前方にオフセットした位置に配置される(いわゆる芯上がりとなっている)。
切削刃12の刃面12aの内周端部は、半径方向について回転軸(NULLポイント15)から切削刃形成側の反対側に所定距離だけ突出した位置に配置される。
このように、切削刃11の刃面11aの内周端部および切削刃12の刃面12aの内周端部は、いずれも回転軸(NULLポイント15)よりも回転方向の前方にオフセットされ、かつ半径方向について回転軸(NULLポイント15)から所定距離だけ突出した位置に配置されるので、切削刃11の内周端部および切削刃12の内周端部はボールエンドミル10の先端部の表面におけるNULLポイント15およびその近傍の領域において互いにラップする(刃面11aまたは刃面12aに垂直な方向から見たとき、ボールエンドミル10の先端部の表面におけるNULLポイント15およびその近傍の領域において切削刃11の内周端部および切削刃12の内周端部が重なる)。
図1に示す如く、ボールエンドミル10のNULLポイント15は、切削刃11の逃げ面11bおよび切削刃11の逃げ面11bの境界部に位置する。切削刃11の逃げ面11b(切削刃12の逃げ面12b)は、稜線11c(稜線12c)から遠ざかるほどボールエンドミル10の基部側に近付く方向に傾斜している。
図2に示す如く、切削刃11を刃面11aに略垂直な方向から見て、切削刃11の稜線11cの中途部に連結部11fがあり、連結部11fを境界として切削刃11の外周端側が主切削刃11m、切削刃11の内周端側が副切削刃11sとなる。
主切削刃11mは、主としてボールエンドミル10による対象物の切削加工を行う部分である。
副切削刃11sは、ボールエンドミル10による対象物の切削加工を行うだけでなく、切削加工により発生する切粉をボールエンドミル10におけるNULLポイント15近傍の領域と加工面との隙間から外部に排出する部分である。
切削刃12も切削刃11と同様、切削刃12を刃面12aに略垂直な方向から見て、切削刃12の稜線12cの中途部に接続点12fがあり、接続点12fを境界として切削刃12の外周端側が主切削刃12m、切削刃12の内周端側が副切削刃12sとなる。
図2に示す如く、切削刃11の稜線11cにおいて、主切削刃11mと副切削刃11sとの境界を成す連結部11fがボールエンドミル20の回転軸の軸線方向に(より厳密には、ボールエンドミル10の先端側に向かって)最も突出している。
従って、ボールエンドミル10の先端部において軸線方向に最も突出している部分は連結部11fであり、切削刃11の副切削刃11sは連結部11fから切削刃11の内周端部に近付くほどボールエンドミル10の基部側に退避する。
切削刃12の接続点12fについても切削刃11の連結部11fと同様である。
以上の如く、ボールエンドミル10は、球面状の先端部に形成された二つの切削刃11・12を有し、切削刃11の刃面11aの内周端部を回転軸(NULLポイント15)よりも回転方向の前方にオフセットした位置に配置し、切削刃11の刃面11aの内周端部を半径方向について回転軸(NULLポイント15)から切削刃形成側の反対側に所定距離だけ突出した位置に配置し、切削刃12の刃面12aの内周端部を回転軸(NULLポイント15)よりも回転方向の前方にオフセットした位置に配置し、切削刃12の刃面12aの内周端部を半径方向について回転軸から切削刃形成側の反対側に所定距離だけ突出した位置に配置したボールエンドミルであって、切削刃11のうち、切削刃11の刃面11aと逃げ面11bとの境界線である稜線11cの外周端部から稜線11cの中途部までの部分を主切削刃11mとし、切削刃11のうち、稜線11cの中途部(主切削刃11mの一端部)から稜線11cの内周端部までの部分を副切削刃11sとし、主切削刃11mと副切削刃11sとの連結部11fを切削刃11において回転軸の軸線方向の先端側に最も突出した部分とし、切削刃12のうち、切削刃12の刃面12aと逃げ面12bとの境界線である稜線12cの外周端部から稜線12cの中途部までの部分を主切削刃12mとし、切削刃12のうち、稜線12cの中途部(主切削刃12mの一端部)から稜線12cの内周端部までの部分を副切削刃12sとし、主切削刃12mと副切削刃12sとの連結部12fを切削刃12において回転軸の軸線方向の先端側に最も突出した部分とするものである。
このように構成することは、以下の如き利点を有する。
すなわち、ボールエンドミル10の先端部において軸線方向の先端側に最も突出している部分は切削刃11・12(厳密には、連結部11f・12f)となり、加工時にはボールエンドミル10の先端部の表面におけるNULLポイント15およびその近傍の領域よりも切削刃11・12が先に対象物に接触することとなるため、「周速ゼロむしれ」の発生を防止することが可能である。
また、切削刃の刃面の内周端部をオフセットのみ行った場合や切削刃の刃面の内周端部を回転軸から切削刃形成側の反対側に突出のみを行った場合に比べて回転軸から切削刃の刃面の内周端部までの距離を相対的に大きく設定することが可能であり、「低周速むしれ」の発生を防止することが可能である。
特に、図1に示す如く、軸線方向から見たときに切削刃11の刃面11aにおいて回転軸(NULLポイント15)に最も近い位置は切削刃11の刃面11aの内周端11dではなく回転軸から刃面11aに引いた垂線と稜線11cとの交点11eであるが、内周端11dは交点11eよりも回転方向の前方に位置するため、加工面において交点11eによる切削が行われる部分は内周端11dにより予め切削が行われることとなり、交点11eによる切削に起因する「低周速むしれ」の発生を防止することが可能である。切削刃12についても同様である。
さらに、切削刃12の逃げ面12bの内周端部は、切削刃11の刃面11aのうち、内周端11dから交点11eまでの部分(すなわち、半径方向について回転軸(NULLポイント15)を越えて反対側に突出した部分)が予め切削した部分に接触することとなるため、「逃げ面むしれ」の発生を防止することが可能である。切削刃11の逃げ面11bの内周端部についても同様である。
また、ボールエンドミル10のNULLポイント15近傍の領域と加工面との間に存在する切粉(切り屑)は、副切削刃11sおよび副切削刃12sによりさらわれて外部に排出されるので、NULLポイント15近傍の領域と加工面との間で切粉が挟まれたまま引きずられたり摩擦熱で溶着したりすることが無く、「切粉の巻き込みむしれ」の発生が防止される。
従って、ボールエンドミル10は発生メカニズムの異なる「周速ゼロむしれ」の発生、「低周速むしれ」の発生、「逃げ面むしれ」の発生、および「切粉の巻き込みむしれ」の発生をいずれも防止することが可能であり、対象物の加工面の面精度を向上することが可能である。また、ボールエンドミルによる加工を行った後の対象物の加工面の面精度が向上することにより、対象物の加工面の面精度をさらに向上させて所望のレベルとするための仕上げ工程(例えば、研磨等)を省略することが可能であり、工数および加工コストの削減に寄与する。
以下では、図3乃至図9を用いて本発明に係るボールエンドミルの第二実施形態であるボールエンドミル20について説明する。
図3に示す如く、ボールエンドミル20は本体20aおよびチップ20bを具備する。
本体20aは略円柱状の部材であり、その基端部はフライス盤やマシニングセンタの回転駆動軸に着脱可能に固定される。また、本体20aの先端部は半球状に成形されるとともに収容溝26が形成される。
チップ20bはその先端部に切削刃21・22(図3において切削刃22は隠れている)が形成される部材であり、収容溝29に収容される。
収容溝29に収容されたチップ20bはボルト30により締結され、本体20aに固定される。
このように、ボールエンドミル20は本体20aとチップ20bとを別体とし、チップ20bを本体20aに対して着脱可能とすることにより、切削刃21・22が損耗したチップ20bを別の(切削刃21・22が損耗していない)チップ20bに交換可能としている。
以下では、図4乃至図7を用いてチップ20bの詳細について説明する。
図4に示す如く、チップ20bの先端部には切削刃21・22が形成される。
切削刃21・22はボールエンドミル20の回転軸の軸線方向(チップ20bを本体20aに固定されたときの本体20aの中心軸の軸線方向)から見て互いに180度回転した位置に配置される。
切削刃21は対象物の切削に関与する面(すくい面)である刃面21aと切削に関与しない面である逃げ面21bとを有し、刃面21aと逃げ面21bとの境界は稜線(エッジ)21cとなる。
図5および図6に示す如く、切削刃21の刃面21aの内周端部(切削刃21の稜線21cの内周端21d)は、ボールエンドミル20の回転軸(NULLポイント25)よりも回転方向の前方にY0だけオフセットした位置に配置される(いわゆる芯上がりとなっている)。
切削刃21の刃面21aの内周端部(切削刃21の稜線21cの内周端21d)は、ボールエンドミル20の半径方向について回転軸(NULLポイント25)から切削刃形成側の反対側に所定距離X0だけ突出した位置に配置される。
切削刃21を刃面21aに略垂直な方向から見て、切削刃21の稜線21cの中途部に連結部21fがあり、連結部21fを境界として切削刃21の外周端側が主切削刃21m、切削刃21の内周端側が副切削刃21sとなる。
主切削刃21mは、主としてボールエンドミル20による対象物の切削加工を行う部分である。
副切削刃21sは、ボールエンドミル20による対象物の切削加工を行うだけでなく、切削加工により発生する切粉をボールエンドミル20におけるNULLポイント25近傍の領域と加工面との隙間から外部に排出する部分である。
連結部21fは、切削刃21において回転軸の軸線方向の先端側に最も突出した部分となる。
切削刃21の刃面21aに対向する部分には、チップポケット26aが形成される。
チップポケット26aはボールエンドミル20の表面に開口した窪みであり、切削刃21により対象物が切削されて発生した切粉はチップポケット26aを通じて外部に効率よく排出される。
切削刃22は刃面22aと逃げ面22bとを有し、刃面22aと逃げ面22bとの境界は稜線22cとなる。
切削刃22の刃面22aの内周端部(切削刃22の稜線22cの内周端22d)は、ボールエンドミル20の回転軸(NULLポイント25)よりも回転方向の前方にY0だけオフセットした位置に配置される(いわゆる芯上がりとなっている)。
切削刃22の刃面22aの内周端部(切削刃22の稜線22cの内周端22d)は、ボールエンドミル20の半径方向について回転軸(NULLポイント25)から切削刃形成側の反対側に所定距離X0だけ突出した位置に配置される。
切削刃22を刃面22aに略垂直な方向から見て、切削刃22の稜線22cの中途部に連結部22fがあり、連結部22fを境界として切削刃22の外周端側が主切削刃22m、切削刃22の内周端側が副切削刃22sとなる。
主切削刃22mは、主としてボールエンドミル20による対象物の切削加工を行う部分である。
副切削刃22sは、ボールエンドミル20による対象物の切削加工を行うだけでなく、切削加工により発生する切粉をボールエンドミル20におけるNULLポイント25近傍の領域と加工面との隙間から外部に排出する部分である。
連結部22fは、切削刃22において回転軸の軸線方向の先端側に最も突出した部分となる。
以下では、切削刃21・22の刃面21a・22aの内周端部(切削刃21・22の稜線21c・22cの内周端21d・22d)における、ボールエンドミル20の半径方向について回転軸(NULLポイント25)から切削刃形成側の反対側への突出距離である所定距離X0について、より具体的に説明する。
所定距離X0と、切削刃21・22の稜線21c・22cにおいてボールエンドミル20の回転軸からの距離が最も近くなる交点21e・22eから連結部21f・22fまでの距離Wとは、以下の数1の関係を満たすことが望ましい。
Figure 0005002021
このように、切削刃21・22の刃面21a・22aの内周端部(切削刃21・22の稜線21c・22cの内周端21d・22d)のNULLポイント25からの突出距離を所定距離X0に設定することによって、「低周速むしれ」の発生、「周速ゼロむしれ」の発生をより確実に防止できる。
また、所定距離X0がWよりも大きい場合(X0>0)は、副切削刃21s・22sの長さが2Wを超えて長くなるため、切削対象物との接触長さが長くなり、切削抵抗が大きくなる。このため、びびり振動(ボールエンドミルが振動する現象)の発生等によって切削対象物の加工面精度を悪化させる不具合が生じる可能性がある。このため、本発明では、切削刃21・22の刃面21a・22aの内周端部(切削刃21・22の稜線21c・22cの内周端21d・22d)の、ボールエンドミル20の半径方向について回転軸(NULLポイント25)から切削刃形成側の反対側に突出する所定距離X0を上記数1のように設定している。
なお、本実施形態では切削刃21と切削刃22とは略同じ構成であることから、以下では切削刃21についてのみ説明を行い、切削刃22についての説明は省略する。
以下では、図6および図7を用いてNULLポイント25(ボールエンドミル20の回転軸)と連結部21fとの位置関係について説明する。
図6に示す如く、連結部21fは、切削刃21の稜線21cにおいてNULLポイント25(ボールエンドミル20の回転軸)からの距離が最も近くなる位置、すなわち交点21eからの距離(ボールエンドミル20の回転軸に垂直な方向の距離)がWとなる位置にある。
図7に示す如く、ボールエンドミル20の先端部(側面視の切削刃21)の曲率半径がRk、ボールエンドミル20の先端部の表面形状が球面状であると仮定したときの最先端部28から切削刃21の連結部21fまでの回転軸の軸線方向における距離がTであるとすると、W、RkおよびTの関係は以下の数5で表される。
Figure 0005002021
ボールエンドミル20の切削精度を向上する観点からは、ボールエンドミル20の先端部の表面形状が球面状であると仮定したときの最先端部28から切削刃21の連結部21fまでの回転軸の軸線方向における距離Tが所定の許容誤差Δt以下であること(すなわち、T≦Δtを満たすこと)が望ましい。
従って、切削刃21の稜線21cにおいてボールエンドミル20の回転軸からの距離が最も近くなる交点21eから連結部21fまでの距離Wは、切削刃21の側面視の曲率半径Rkおよび所定の許容誤差Δtを用いて以下の数2の関係を満たすことが望ましい。
Figure 0005002021
ボールエンドミル20の送り速度Fは、ボールエンドミル20に形成される切削刃の一枚当たりの送り量fzと比例関係にある。
加工時にボールエンドミル20を回転軸に垂直な方向に送る速度、すなわち送り速度が過大になるとボールエンドミル20に形成される切削刃の一枚当たりの送り量fzも過大となり、副切削刃21s・22sによる切削および切粉の排出が十分に行われず、ひいては「切粉の巻き込みむしれ」が発生することとなる。
そのため、加工時のボールエンドミル20の送り速度、ひいてはボールエンドミル20に形成される切削刃の一枚当たりの送り量fzが過大とならないように適正に設定する必要がある。
以下の数3に示す如く、ボールエンドミル20に形成される切削刃の一枚当たりの送り量fzを切削刃21の稜線21cにおいてボールエンドミル20の回転軸からの距離が最も近くなる交点21eから連結部21fまでの距離W以下とすることにより、対象物においてNULLポイント25近傍の領域に対向する部分を副切削刃21sまたは副切削刃22sのいずれかが必ず一回は通過することとなり、「切粉の巻き込みむしれ」の発生を効果的に防止することが可能である。
Figure 0005002021
ボールエンドミル20に形成される切削刃の一枚当たりの送り量fzは、ボールエンドミル20の送り速度F、ボールエンドミル20の加工時の回転数S、ボールエンドミル20に形成される切削刃の数α(本実施形態の場合、α=2)を用いて以下の数6で表される。
Figure 0005002021
例えば、NC加工(Mumerical Control Machining)における通常の仕上げ加工の許容加工誤差は±30μm程度であるが、高精度仕上げ加工の許容加工誤差は±5μm程度である。
従って、ボールエンドミル20の先端部の曲率半径Rkが15mm(Rk=15mm)の場合、切削刃21の稜線21cにおいてボールエンドミル20の回転軸からの距離が最も近くなる交点21eから連結部21fまでの距離Wは、通常の仕上げ加工の場合には0.948mm以下(W≦0.948mm)、高精度仕上げ加工の場合には0.387mm以下(W≦0.387mm)であれば、ボールエンドミル20の許容誤差Δtを高精度仕上げ加工の許容加工誤差以下とする(Δt≦5μmを満たす)ことが可能である。
また、ボールエンドミル20の先端部の曲率半径Rkを15mm(Rk=15mm)とし、切削刃21の稜線21cにおいてボールエンドミル20の回転軸からの距離が最も近くなる交点21eから連結部21fまでの距離Wを0.3mm(W=0.3mm)とした場合、ボールエンドミル20に形成される切削刃の一枚当たりの送り量fzを0.3mm/枚以下(fz≦0.3mm/枚)に設定することにより、ボールエンドミル20を用いて高精度仕上げ加工を行うことが可能である(言い換えれば、ボールエンドミル20による切削加工後の加工面に更に仕上げ加工を施す必要がない)。
以下では、切削刃21のすくい角度について説明する。
本実施形態の刃面21aは平滑な面であり、切削刃21のすくい角度、すなわち切削刃21の刃面21aとボールエンドミル20の回転軸との成す角度は5°である。
ここで、切削刃21のすくい角度は、刃面21aの稜線21c側の端部が刃面21aの基部側の端部よりもボールエンドミル20の回転方向の前方に突出するように刃面21aが傾斜しているときを正、刃面21aの稜線21c側の端部が刃面21aの基部側の端部よりもボールエンドミル20の回転方向の後方に退避するように刃面21aが傾斜しているときを負としている。
本実施形態では切削刃21のすくい角度を5°としたが、本発明に係るボールエンドミルはこれに限定されず、切削刃のすくい角度を−10°以上10°以下の角度に設定することが可能である。
切削刃のすくい角度を−10°以上10°以下の角度に設定することにより、主切削刃21m・22mだけでなく副切削刃21s・22sも対象物を効果的に切削することが可能であり、周速ゼロむしれおよび低周速むしれの発生を防止することが可能である。
なお、本実施形態の切削刃21の刃面21a(すくい面)は一つの平滑面であり、刃面21aのうち主切削刃21mに対応する部分と副切削刃21sに対応する部分との間に境界線はないが、本発明はこれに限定されず、主切削刃および副切削刃がそれぞれ別の刃面(すくい面)を有し、両者の間に境界線が存在する構成でも良い。
以下では、図7を用いて副切削刃21sのすかし角度について説明する。
図7に示す如く、副切削刃21sのすかし角度θ」は、刃面21aに対して垂直な方向から見たときに、連結部21fと内周端21dとを結ぶ線と、ボールエンドミル20の回転軸に垂直な平面と、の成す角度で表される。
なお、本実施形態の如く連結部21fが内周端21dよりもボールエンドミル20の先端側に突出している場合に、副切削刃21sのすかし角度θが正であると定義する。
以下では、図7、図8および図9を用いて副切削刃のすかし角度と加工面の面性状との関係を示す。
まず、ボールエンドミル20のチップ20b(S6)、およびチップ20bと材質および基本的な形状が同じで、副切削刃のすかし角度のみをそれぞれ変更した8つのチップ(S1〜S5、S7〜S9)の計9つのチップを用意する。
S1〜S9の計9つのチップは、いずれも超微粒子超硬合金(K10)からなり、ボールエンドミルの直径は30mm(チップに形成された切削刃の半径15mm)である。
S1〜S9の計9つのチップのR誤差(ボールエンドミルの先端部の表面形状が球面状であると仮定したときの最先端部から切削刃の連結部までの回転軸の軸線方向における距離Tに対応する値)は、いずれも5μmである。
S1〜S9の計9つのチップの切削刃の稜線においてボールエンドミルの回転軸からの距離が最も近くなる点から連結部までの距離Wは、いずれも0.35mmである。
S1〜S9の計9つのチップの切削刃のすくい角度は、いずれも5°である。
図8に示す如く、S1からS3までの3つのチップはすかし角度が負の値であり、副切削刃の内周端が連結部(主切削刃と副切削刃との境界)よりもボールエンドミルの先端側に突出している。
S4のチップはすかし角度がゼロであり、副切削刃の内周端と連結部(主切削刃と副切削刃との境界)がボールエンドミルの回転軸に垂直な同一平面上に位置している。
S5からS9までの5つのチップはすかし角度が正の値であり、連結部(主切削刃と副切削刃との境界)が副切削刃の内周端よりもボールエンドミルの先端側に突出している。
次に、ボールエンドミルの本体にチップS1を固定し、これを用いて球状黒鉛鋳鉄の一種であるFCD400(JIS G 5502)からなる対象物の表面を乾式で切削加工する。
続いて、切削加工後の複数の加工面(複数の切削加工位置)の面粗さRyをそれぞれプローブ式の面粗さ測定装置により測定する。
同様にして、順次ボールエンドミルの本体に固定するチップを交換して対象物の表面の切削加工と加工面の面粗さRyの測定を行う。
切削加工時におけるボールエンドミルの回転数は、S1〜S9の計9つのチップのいずれを用いた場合も2000rpmである。
切削加工時におけるボールエンドミルの送り速度は、S1〜S9の計9つのチップのいずれを用いた場合も8m/minである。
切削加工時における切削刃の一枚当たりの送り量(fzに対応する値)は、S1〜S9の計9つのチップのいずれを用いた場合も0.333mmである。
切削加工時における切り込み深さ(対象物の表面から加工後の加工面の底までの深さ)は、いずれも0.1mmである。
切削加工時におけるボールエンドミルのピックフィード(ボールエンドミルを送り方向に垂直な方向に移動させるときの一回あたりの移動量)は、いずれも0.5mmである。
図8および図9に示す如く、すかし角度が負の値となるS1からS3までの3つのチップは、送り方向の面粗さRyおよびピック方向(送り方向に垂直な方向)の面粗さRyがいずれも10μm以上であり、一般的な高精度加工(仕上げ加工を必要としない切削加工)の面粗さRyの目安である6.3μmよりも大きい。S1からS3までの3つのチップによる切削加工時には「びびり(ボールエンドミルが振動する現象)」が発生した。
また、S1からS3までの3つのチップの加工面を顕微鏡観察した結果、ボールエンドミルのNULLポイント近傍に対応する位置に深い送りマークが発生しており、当該位置では周速ゼロむしれおよび低周速むしれが発生している。
これは、すかし角度が負の値である場合には、副切削刃が主切削刃よりもボールエンドミルの先端側に突出しているため、NULLポイント近傍に位置する副切削刃の逃げ面が切削加工時に加工面に強く当接し、周速ゼロむしれおよび低周速むしれの発生の原因となることによる。
従って、S1からS3までの3つのチップによる切削加工の加工面の面性状は良くない(面性状の総合評価は×である)。
図8および図9に示す如く、すかし角度が0°から0.5°までの値となるS4からS7までの4つのチップは、送り方向の面粗さRyおよびピック方向の面粗さRyがいずれも一般的な高精度加工の面粗さRyの目安である6.3μmよりも小さい。
また、S4からS7までの3つのチップの加工面を顕微鏡観察した結果、加工面の凹凸が小さく、むしれが発生していない。
これは、すかし角度が正の値である場合には、(a)主切削刃が副切削刃よりもボールエンドミルの先端側に突出しているため、NULLポイント近傍に位置する副切削刃の逃げ面が切削加工時に加工面に強く当接せず、周速ゼロむしれおよび低周速むしれの発生が防止されること、および(b)副切削刃が対象物を切削するとともに切削時に発生する切粉を効果的に外部に排出することにより切粉の巻き込みむしれが防止されること、による。
特に、S6のチップによる切削加工の加工面は、S4、S5およびS7による切削加工の加工面よりも、送り方向の面粗さRyとピック方向の面粗さRyとの間のばらつき(ピック方向の面粗さRyから送り方向の面粗さRyを引いた差分)が小さい。
従って、S4、S5およびS7の3つのチップによる切削加工の加工面の面性状は良好である(面性状の総合評価は○である)。
また、S6のチップによる切削加工の加工面の面性状は極めて良好である(面性状の総合評価は◎である)。
図8および図9に示す如く、すかし角度が1°となるS8のチップは、送り方向の面粗さRyが5.0μm、ピック方向の面粗さRyが6.0μmであり、一般的な高精度加工の面粗さRyの目安である6.3μmよりも小さい。
しかし、S8のチップの加工面を顕微鏡観察した結果、ボールエンドミルの切削刃の内終端に対応する位置に深い送りマークが発生しており、当該位置では低周速むしれが発生している。
これは、すかし角度の増大に伴い副切削刃(特に、副切削刃の内周端部)が対象物の浅い位置を切削することとなり、対象物を効果的に切削することが困難となることによる。
従って、S8のチップによる切削加工の加工面の面性状はあまり良くない(面性状の総合評価は△である)。
図8および図9に示す如く、すかし角度が5°となるS9のチップは、送り方向の面粗さRyが13μm、ピック方向の面粗さRyが15μmであり、一般的な高精度加工の面粗さRyの目安である6.3μmよりも大きい。
また、S9のチップの加工面を顕微鏡観察した場合、加工面の広範囲にわたってむしれが発生している。また、S9のチップには切粉の溶着が発生していた。
これは、すかし角度が過大であるために副切削刃(特に、副切削刃の内周端部)が対象物の表面から離間し、対象物を効果的に切削することが困難となるとともに切粉を効果的に外部に排出することが困難となることによる。
従って、S9のチップによる切削加工の加工面の面性状は良くない(面性状の総合評価は×である)。
このように、副切削刃のすかし角度を0°以上1°未満の範囲に設定することが望ましく、0.1°以上0.5°以下の範囲に設定することが好ましく、さらには0.33°を挟んだ0.2°以上0.4°以下の範囲に設定することがより好ましい。
以下では、切削刃21・22の逃げ面21b・22bとボールエンドミル20の回転軸に垂直な面との成す角度、すなわち逃げ角度について説明する。
ボールエンドミル20の逃げ面21bは、主切削刃21mに対応する第一逃げ面23aと、副切削刃21sに対応する第二逃げ面23bと、を合わせたものである。
そして、第二逃げ面23bとボールエンドミル20の回転軸に垂直な面との成す角度、すなわち副切削刃21sの逃げ角度は、第一逃げ面23aとボールエンドミル20の回転軸に垂直な面との成す角度、すなわち主切削刃21mの逃げ角度よりも大きい。
同様に、ボールエンドミル20の逃げ面22bは、主切削刃22mに対応する第一逃げ面24aと、副切削刃22sに対応する第二逃げ面24bと、を合わせたものである。
そして、第二逃げ面24bとボールエンドミル20の回転軸に垂直な面との成す角度、すなわち副切削刃22sの逃げ角度は、第一逃げ面24aとボールエンドミル20の回転軸に垂直な面との成す角度、すなわち主切削刃22mの逃げ角度よりも大きい。
このように構成することは、以下の利点を有する。
すなわち、副切削刃21sはボールエンドミル20のNULLポイント25の近傍に位置することから、副切削刃21sの逃げ角度が小さいと切削加工時に副切削刃21sの逃げ面(第二逃げ面23b)が加工面に押しつけられることになり、副切削刃21sの逃げ面(第二逃げ面23b)と加工面の間でスラスト力(背分力)が発生して周速ゼロむしれ、低周速むしれ、および切粉の巻き込みむしれといった種々のむしれが発生する要因となる。
従って、副切削刃21sの逃げ角度を主切削刃21mの逃げ角度よりも大きくすることにより、切削加工時に副切削刃21sの逃げ面(第二逃げ面23b)が加工面に押しつけられることを防止し、ひいては周速ゼロむしれ、低周速むしれ、および切粉の巻き込みむしれといった種々のむしれの発生を防止することが可能である。副切削刃22sについても同様である。
なお、副切削刃21sの逃げ角度を主切削刃21mの逃げ角度よりも大きくすることにより、切削加工時には主として主切削刃21mの逃げ面(第一逃げ面23a)が加工面に押しつけられることとなるが、主切削刃21mは副切削刃21sに比べてボールエンドミル20の回転軸からの距離が大きく、その分だけ周速も大きく、主切削刃21mの逃げ面(第一逃げ面23a)と加工面との接触部位において周速ゼロむしれ、低周速むしれ、および切粉の巻き込みむしれが発生することはない。
本実施形態のボールエンドミル20は切削刃21・22がストレートなもの(回転軸の軸線方向から見たときの切削刃21・22の稜線21c・22cが直線状のもの)であるが、本発明はこれに限定されず、切削刃がねじれているもの(回転軸の軸線方向から見たときの切削刃の稜線が曲線状のもの)でも良い。
本実施形態のボールエンドミル20は最も先端側に突出している部分である連結部21fおよび連結部22fが相互に離れているため、チップ20bの製造時に出発材(本実施形態の場合、超微粒子超硬合金)を砥石を用いて研削して切削刃21・22を形成する場合に連結部21fおよび連結部22fで挟まれた部分に砥石を進入させ易く、逃げ面の形成が容易である。
以下では、図10を用いて本発明に係るボールエンドミルの第三実施形態であるボールエンドミル40について説明する。
なお、ボールエンドミル40の基本的な構成は、第二実施形態であるボールエンドミル20と共通であるため、以下の説明において、係る共通部分については詳細な説明は省略する。
ボールエンドミル40は本体20aおよびチップ40bを具備する。図10に示す如く、チップ40bの先端部には切削刃41・42が形成される。
切削刃41・42はボールエンドミル40の回転軸の軸線方向(チップ40bを本体20aに固定されたときの本体20aの中心軸の軸線方向)から見て互いに180度回転した位置に配置される。
切削刃41は対象物の切削に関与する面(すくい面)である刃面41aと切削に関与しない面である逃げ面41bとを有し、刃面41aと逃げ面41bとの境界は稜線(エッジ)41cとなる。
図10に示す如く、切削刃41の刃面41aの内周端部(切削刃41の稜線41cの内周端41d)は、ボールエンドミル40の回転軸(NULLポイント45)よりも回転方向の前方にY0だけオフセットした位置に配置される(いわゆる芯上がりとなっている)。
切削刃41の刃面41aの内周端部(切削刃41の稜線41cの内周端41d)は、ボールエンドミル40の半径方向について回転軸(NULLポイント45)から切削刃形成側に所定距離X1だけ退避した位置に配置される。
切削刃41を刃面41aに略垂直な方向から見て、切削刃41の稜線41cの中途部に連結部41fがあり、連結部41fを境界として切削刃41の外周端側が主切削刃41m、切削刃41の内周端側が副切削刃41sとなる。
主切削刃41mは、主としてボールエンドミル40による対象物の切削加工を行う部分である。
副切削刃41sは、ボールエンドミル40による対象物の切削加工を行うだけでなく、切削加工により発生する切粉をボールエンドミル40におけるNULLポイント45近傍の領域と加工面との隙間から外部に排出する部分である。
連結部41fは、切削刃41において回転軸の軸線方向の先端側に最も突出した部分となる。
切削刃41の刃面41aに対向する部分には、チップポケット46aが形成される。
チップポケット46aはボールエンドミル40の表面に開口した窪みであり、切削刃41により対象物が切削されて発生した切粉はチップポケット46aを通じて外部に効率よく排出される。
切削刃42は刃面42aと逃げ面42bとを有し、刃面42aと逃げ面42bとの境界は稜線42cとなる。
切削刃42の刃面42aの内周端部(切削刃42の稜線42cの内周端42d)は、ボールエンドミル40の回転軸(NULLポイント45)よりも回転方向の前方にY0だけオフセットした位置に配置される(いわゆる芯上がりとなっている)。
切削刃42の刃面42aの内周端部(切削刃42の稜線42cの内周端42d)は、ボールエンドミル40の半径方向について回転軸(NULLポイント45)から切削刃形成側に所定距離X1だけ退避した位置に配置される。
切削刃42を刃面42aに略垂直な方向から見て、切削刃42の稜線42cの中途部に連結部42fがあり、連結部42fを境界として切削刃42の外周端側が主切削刃42m、切削刃42の内周端側が副切削刃42sとなる。
主切削刃42mは、主としてボールエンドミル40による対象物の切削加工を行う部分である。
副切削刃42sは、ボールエンドミル40による対象物の切削加工を行うだけでなく、切削加工により発生する切粉をボールエンドミル40におけるNULLポイント45近傍の領域と加工面との隙間から外部に排出する部分である。
連結部42fは、切削刃42において回転軸の軸線方向の先端側に最も突出した部分となる。
以下では、切削刃41・42の刃面41a・42aの内周端部(切削刃41・42の稜線41c・42cの内周端41d・42d)における、ボールエンドミル40の半径方向について回転軸(NULLポイント45)から切削刃形成側への退避距離である所定距離X1について、より具体的に説明する。
所定距離X1と、切削刃41・42の稜線41c・42cにおいてボールエンドミル40の回転軸からの距離が最も近くなる交点41e・42eから連結部41f・42fまでの距離Wとは、以下の数4の関係を満たすことが望ましい。
Figure 0005002021
このように、切削刃41・42の刃面41a・42aの内周端部(切削刃41・42の稜線41c・42cの内周端41d・42d)のNULLポイント45からの退避距離を所定距離X1に設定することによって、「周速ゼロむしれ」の発生、「低周速むしれ」の発生を防止できる。
また、所定距離X1が0.5Wよりも大きい場合は、切削刃41・42の刃面41a・42aの内周端部の回転速度が遅くなるため、低周速むしれが発生する不具合が生じる可能性がある。このため、本発明では、切削刃41・42の刃面41a・42aの内周端部(切削刃41・42の稜線41c・42cの内周端41d・42d)の、ボールエンドミル40の半径方向について回転軸(NULLポイント45)から切削刃形成側に退避する所定距離X1を上記数4のように設定している。
なお、本実施形態では切削刃41と切削刃42とは略同じ構成であることから、以下では切削刃41についてのみ説明を行い、切削刃42についての説明は省略する。
また、ボールエンドミル40におけるNULLポイント45(ボールエンドミル40の回転軸)と連結部41fとの位置関係、切削刃41のすくい角度、副切削刃41sのすかし角度等については、ボールエンドミル20におけるものと同様であるため、説明は省略する。
本発明に係るボールエンドミルの切削刃の数は二つに限定されず、一つでも良く、隣り合う切削刃間の干渉が無ければ三つ以上でも良い。
本発明に係るボールエンドミルは切削刃交換式エンドミル(本体部分とチップ部分とが別体であり、チップ部分を本体部分に固定して使用するボールエンドミル)、およびソリッドタイプエンドミル(本体部分とチップ部分とが一体成形されているボールエンドミル)のいずれにも適用可能である。
本発明に係るボールエンドミルを回転軸に垂直な方向から見たときの切削刃の稜線の形状は円弧状であることが望ましいが、稜線の形状が曲率を有していれば良く、例えば稜線の形状が楕円形状または放物線形状でも良い。
本発明は、エンドミルによる加工面の面精度を向上する技術に利用可能である。

Claims (7)

  1. 曲率を有する先端部に形成された複数の切削刃を有し、
    前記複数の切削刃の刃面の内周端部を回転軸よりも回転方向の前方にオフセットした位置に配置し、
    前記複数の切削刃の刃面の内周端部を半径方向について回転軸から切削刃形成側の反対側に所定距離X0だけ突出した位置に配置したボールエンドミルであって、
    前記切削刃のうち、前記切削刃の刃面と逃げ面との境界線である稜線の外周端部から前記稜線の中途部までの部分を主切削刃とし、
    前記切削刃のうち、前記稜線の中途部から前記稜線の内周端部までの部分を副切削刃とし、
    前記主切削刃と前記副切削刃との連結部を前記切削刃において回転軸の軸線方向の先端側に最も突出した部分とし、
    前記所定距離X0は、前記切削刃の稜線において前記回転軸からの距離が最も近くなる位置から前記切削刃の連結部までの距離Wを用いて以下の数1を満たすボールエンドミル。
    Figure 0005002021
  2. 前記切削刃の稜線において前記回転軸からの距離が最も近くなる位置から前記切削刃の連結部までの距離Wは、前記切削刃の側面視の曲率半径Rk、ボールエンドミルの先端部の表面形状が球面状であると仮定したときの最先端部から前記切削刃の連結部までの回転軸の軸線方向における距離の許容誤差Δtを用いて以下の数2を満たす請求項1に記載のボールエンドミル。
    Figure 0005002021
  3. 前記切削刃の稜線において前記回転軸からの距離が最も近くなる位置から前記切削刃の連結部までの距離Wは、切削刃の一枚当たりの送り量fzを用いて以下の数3を満たす請求項2に記載のボールエンドミル。
    Figure 0005002021
  4. 前記副切削刃のすかし角度は0°以上1°未満である請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のボールエンドミル。
  5. 前記複数の切削刃のすくい角度は−10°以上10°以下である請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のボールエンドミル。
  6. 前記副切削刃の逃げ角度は前記主切削刃の逃げ角度よりも大きい請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のボールエンドミル。
  7. 前記切削刃の刃面に対向する部分にチップポケットを形成する請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のボールエンドミル。
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