JP2007296588A - 高硬度用エンドミル - Google Patents
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Abstract
【課題】高硬度材の金型や部品等の高能率加工において、切り屑排出性を向上させることによって、横送り高速切削が可能なエンドミルを提供することを課題とする。
【解決手段】複数の外周刃2、底刃4、ギャッシュとを有する高硬度用エンドミルにおいて、前記外周刃2のねじれ角は40°以上、心厚はエンドミル刃径の70%〜90%、前記ギャッシュは複数の面から構成され、底刃4のすくい面でもあるギャッシュ面5の他端より、エンドミルの回転中心側と、エンドミルの外周側とにそれぞれギャッシュ面6、7を設け、前記ギャッシュ面5と6の交叉部と底刃4との成す角度をギャッシュ角8、前記ギャッシュ面5と7の交叉部と底刃4との成す角度をギャッシュ角9としたとき、ギャッシュ角9をギャッシュ角8より、大きく設けたことを特徴とする高硬度用エンドミルである。
【選択図】図1
【解決手段】複数の外周刃2、底刃4、ギャッシュとを有する高硬度用エンドミルにおいて、前記外周刃2のねじれ角は40°以上、心厚はエンドミル刃径の70%〜90%、前記ギャッシュは複数の面から構成され、底刃4のすくい面でもあるギャッシュ面5の他端より、エンドミルの回転中心側と、エンドミルの外周側とにそれぞれギャッシュ面6、7を設け、前記ギャッシュ面5と6の交叉部と底刃4との成す角度をギャッシュ角8、前記ギャッシュ面5と7の交叉部と底刃4との成す角度をギャッシュ角9としたとき、ギャッシュ角9をギャッシュ角8より、大きく設けたことを特徴とする高硬度用エンドミルである。
【選択図】図1
Description
本願発明は、高硬度材、例えば、HRC50を超える金型や部品等の高能率な加工に用いるエンドミルに関する。
高硬度材加工に使用するエンドミルは、特許文献1は、底刃のすくい面側に、前記ギャッシュとねじれ溝とが交わる稜線部に副溝を凹設した例が、特許文献2は、高硬度材の被削材に対応でき、ギャッシュ角を20゜〜45゜に設けた例が、記載されている。しかし、底刃4の切り屑排出溝であるギャッシュのチップスペースが小さく、ギャッシュの切り屑排出性が不十分であり、高硬度材の高能率加工において不十分であった。
特開2005−125465号公報
特開平6−17063号公報
本願発明は、上記事情に鑑み、高硬度材の金型や部品等の高能率加工において、切り屑排出性を向上させることによって、横送り高速切削が可能なエンドミルを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本願発明は、複数の外周刃2、底刃4、ギャッシュとを有する高硬度用エンドミルにおいて、前記外周刃2のねじれ角は40°以上、心厚はエンドミル刃径の70%〜90%、前記ギャッシュは複数の面から構成され、底刃4のすくい面でもあるギャッシュ面5の他端より、エンドミルの回転中心側と、エンドミルの外周側とにそれぞれギャッシュ面6、7を設け、前記ギャッシュ面5と6の交叉部と底刃4との成す角度をギャッシュ角8、前記ギャッシュ面5と7の交叉部と底刃4との成す角度をギャッシュ角9としたとき、ギャッシュ角9をギャッシュ角8より、大きく設けたことを特徴とする高硬度用エンドミルである。本願発明の構成により、高速切削時の切り屑排出性を高めることが出来、高能率に高硬度材を加工できる。
実施態様として、前記エンドミルの側面視で、前記底刃4は直線状に、且つ、軸方向すくい角を軸心から外周にかけて一定とし、更に、前記軸方向すくい角は、−10°〜0°とした高硬度用エンドミルである。また、前記ギャッシュ面6、7の繋ぎ部を、外周から刃径の15%〜30%の位置に設けた高硬度用エンドミルである。前記ギャッシュ面7と外周刃2のすくい面との交差部を、刃径の25%〜35%の位置に設け、前記エンドミルの少なくとも刃部の表面にHV30GPa以上の硬質被膜を被覆したことを特徴とする高硬度用エンドミルである。
実施態様として、前記エンドミルの側面視で、前記底刃4は直線状に、且つ、軸方向すくい角を軸心から外周にかけて一定とし、更に、前記軸方向すくい角は、−10°〜0°とした高硬度用エンドミルである。また、前記ギャッシュ面6、7の繋ぎ部を、外周から刃径の15%〜30%の位置に設けた高硬度用エンドミルである。前記ギャッシュ面7と外周刃2のすくい面との交差部を、刃径の25%〜35%の位置に設け、前記エンドミルの少なくとも刃部の表面にHV30GPa以上の硬質被膜を被覆したことを特徴とする高硬度用エンドミルである。
本願発明を適用することにより、底刃の切り屑排出性を向上させる、高硬度材、例えばHRC50以上の金型や部品等の横送り切削において、高速切削による高能率加工を可能にし、長寿命を実現するエンドミルを提供することができた。
本願発明のエンドミルは、高硬度材加工の高速切削時の切り屑排出性を高めるため、図1、図2に示すように、エンドミル本体1の外周に、複数の外周刃2と刃溝3を設け、外周刃2のねじれ角は40〜60°、外周刃2のすくい角は負角とする。底刃4の溝であるギャッシュは、底刃4のすくい面(以下、ギャッシュ面5と称する)と、ギャッシュ面5の他端に、エンドミルの回転中心側にギャッシュ面6、エンドミルの外周側にギャッシュ7を設けて、刃溝3に連通させる。図3より、ギャッシュ面6と底刃4の成す角度をギャッシュ角8、ギャッシュ面7と底刃4の成すギャッシュ角9とすると、ギャッシュ角9をギャッシュ角8より大きく設けたので、底刃4で生成された切り屑は、ギャッシュ面5、ギャッシュ面6、7を通り、スペースが拡げることが出来るので、刃溝3へ良好に排出することができる。これにより、切り屑の底刃4や外周刃2への噛み込みを抑制して欠損を防止でき、寿命を向上して高硬度材の加工を高能率に行える。また、切り屑がギャッシュ内に停滞することを抑制できるので、切り屑が被削材の表面と擦れることを防止でき、加工面粗さが向上する。ここで、ギャッシュ角9がギャッシュ角8と同等、若しくは、小さいと、ギャッシュ面7と刃溝3の境界付近で切り屑の移動を阻害し、切り屑がギャッシュ内に停滞し、底刃4に過大な負荷が生じ、底刃4と外周刃2の交点であるコーナ部から欠損する。ギャッシュ角9はギャッシュ角8より10°以上大きく設けることが上記観点から好ましい。
次に、図2より、エンドミルの左側面視で、底刃4を直線状に設け、底刃4の軸方向すくい角は、回転中心軸側からコーナ部にかけて一定に設けるのが好ましい。これにより、底刃4のすくい面を形成するギャッシュ面5は平面状となり、底刃4で生成される切り屑を幅広い平面で受けることができ、切り屑の流れを阻害することなく、良好な切り屑排出性を維持できる。ここで、底刃4の外周側が回転方向後方へ屈曲した形状であると、切り屑がコーナ部へ流れ、コーナ部付近で噛み込みを起こして欠損したり、コーナ部付近の切れ刃の摩耗の進行が早くなったりして高硬度材の高能率加工ができない。更に、底刃4を直線状に設ける方法として、ギャッシュ面5を平面状に設ける方法があり、ギャッシュ面5が複数の面で構成されると、底刃4で生成される切り屑の流れる方向が安定せず、切削抵抗が増大して底刃4の欠損を誘発する可能性があるので、ギャッシュ面5は1つの面で構成されるのが好ましい。底刃4の直線状とは、エンドミル側面視で、回転中心側の底刃4に対して、外周側の底刃4がエンドミル回転方向に−2°〜2°の範囲内にあることを意味する。
底刃4の軸方向すくい角は、−10°〜0°の範囲に設けるのが好ましい。これにより、底刃4で生成される切り屑がせん断型の切り屑となり、切り屑長さを抑制でき、切り屑が刃溝3へ良好に排出でき、高硬度材の高能率加工を安定して行える。ここで、底刃4の軸方向すくい角が0°を超えると、切り屑長さが長くなり、ギャッシュに切り屑が詰まり欠損する。更に、底刃4の刃先強度が低下し、欠損の可能性が高まる。−10°未満であると、底刃4の切削性が低下し、底刃4の摩耗が進行して切削抵抗が増大し、欠損する。より好ましくは−5°以上0°以下が良い。
底刃4の軸方向すくい角は、−10°〜0°の範囲に設けるのが好ましい。これにより、底刃4で生成される切り屑がせん断型の切り屑となり、切り屑長さを抑制でき、切り屑が刃溝3へ良好に排出でき、高硬度材の高能率加工を安定して行える。ここで、底刃4の軸方向すくい角が0°を超えると、切り屑長さが長くなり、ギャッシュに切り屑が詰まり欠損する。更に、底刃4の刃先強度が低下し、欠損の可能性が高まる。−10°未満であると、底刃4の切削性が低下し、底刃4の摩耗が進行して切削抵抗が増大し、欠損する。より好ましくは−5°以上0°以下が良い。
更に、図2より、ギャッシュ面6とギャッシュ面7の繋ぎ部を、外周から刃径の15%〜30%の位置に設ける。これにより、コーナ部近傍のギャッシュのスペースを確保でき、切り屑が停滞するのを防ぎ、切り屑排出性が良好になる。また、切り屑がエンドミル回転中心側に移動するのを抑制することができ、切り屑の噛み込みを抑制でき、底刃4、コーナ部の欠損を防止できる。15%未満では、コーナ部近傍のチップポケットが小さく、切り屑詰まりを起こしやすく、高硬度材の高速切削が安定して行えない。30%を超えると、コーナ部の強度が低下し、高硬度材の高速切削で欠損を起こしやすくなる。
図3より、ギャッシュ面7と外周刃2のすくい面との交差部を、刃径の25%〜35%に設けることが好ましい。これにより、ギャッシュが刃溝3へ連通するスペースを増大することができ、底刃4で生成された切り屑を刃溝3に良好に排出できる。25%未満であると、ギャッシュの刃溝3へ連通するスペースが少なく、切り屑がギャッシュから排出されにくく、切り屑詰まりを起こしやすくなる。35%を超えると、外周刃2のねじれ角によっては、ギャッシュが外周刃2を切り取る場合があるので、エンドミル先端の強度が低下し、外周刃2の欠損やエンドミルの折損の可能性が高くなるので好ましくない。
本願発明の高硬度用エンドミルにおいて、前記エンドミルの少なくとも刃部の表面にHV30GPa以上、特に、TiSiN系の被膜、HV31〜40GPaの硬質皮膜、を被覆するのが好ましい。これにより、切れ刃の摩耗を抑制し、安定して切り屑排出を行うことができる。被膜はPVD法で被覆されるのが良く、切れ刃の摩耗を抑制し、また、切れ刃に圧縮応力を付与して刃先強度を高め、安定して切り屑排出を行うことができる。
ギャッシュ面6、7は、2段のみでなく3段以上で設けても良い。ギャッシュ角8は、10°以上25°未満とするのが好ましい。これにより、エンドミル先端の回転中心付近の剛性を保ち、底刃4の補強ができ、高硬度材の安定した切削を可能とする。10°未満であると、スペースが小さく、回転中心側の底刃4を切削に使用した場合、切り屑詰まりを起こす可能性がある。25°以上であると、切り屑がギャッシュ面5の回転中心側へ流れる可能性があり、切り屑が噛み込み、底刃4が欠損する。
底刃4のすくい面と外周刃2のすくい面との境界線から底刃4までの距離12は、0.1mm以上0.3mm以下が好ましく、コーナ部の強度を高め、ギャッシュから刃溝3への切り屑排出性を向上でき、高硬度材の高能率加工が安定して行える。以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
図3より、ギャッシュ面7と外周刃2のすくい面との交差部を、刃径の25%〜35%に設けることが好ましい。これにより、ギャッシュが刃溝3へ連通するスペースを増大することができ、底刃4で生成された切り屑を刃溝3に良好に排出できる。25%未満であると、ギャッシュの刃溝3へ連通するスペースが少なく、切り屑がギャッシュから排出されにくく、切り屑詰まりを起こしやすくなる。35%を超えると、外周刃2のねじれ角によっては、ギャッシュが外周刃2を切り取る場合があるので、エンドミル先端の強度が低下し、外周刃2の欠損やエンドミルの折損の可能性が高くなるので好ましくない。
本願発明の高硬度用エンドミルにおいて、前記エンドミルの少なくとも刃部の表面にHV30GPa以上、特に、TiSiN系の被膜、HV31〜40GPaの硬質皮膜、を被覆するのが好ましい。これにより、切れ刃の摩耗を抑制し、安定して切り屑排出を行うことができる。被膜はPVD法で被覆されるのが良く、切れ刃の摩耗を抑制し、また、切れ刃に圧縮応力を付与して刃先強度を高め、安定して切り屑排出を行うことができる。
ギャッシュ面6、7は、2段のみでなく3段以上で設けても良い。ギャッシュ角8は、10°以上25°未満とするのが好ましい。これにより、エンドミル先端の回転中心付近の剛性を保ち、底刃4の補強ができ、高硬度材の安定した切削を可能とする。10°未満であると、スペースが小さく、回転中心側の底刃4を切削に使用した場合、切り屑詰まりを起こす可能性がある。25°以上であると、切り屑がギャッシュ面5の回転中心側へ流れる可能性があり、切り屑が噛み込み、底刃4が欠損する。
底刃4のすくい面と外周刃2のすくい面との境界線から底刃4までの距離12は、0.1mm以上0.3mm以下が好ましく、コーナ部の強度を高め、ギャッシュから刃溝3への切り屑排出性を向上でき、高硬度材の高能率加工が安定して行える。以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
本発明例1として、底刃4と外周刃2がそれぞれ6枚刃であり、刃径が8.0mm、外周刃2のねじれ角が45°、底刃4のすかし角が2°、底刃4の逃げ角が7°、外周刃2の逃げ角が10°とした微粒子超硬合金製エンドミルを作成した。本発明例1のギャッシュは、底刃4のすくい面をなすギャッシャ5と、ギャッシュ6、7を回転中心側と外周側の3つの面で構成し、ギャッシュ角8を8°、ギャッシュ角9を45°に設けた。底刃4を直線状に設け、軸方向すくい角を底刃4の中心側と外周側で一定の2°とし、交差部は、刃径の33%、つまり、2.64mmとし、繋ぎ部は、刃径の23%、つまり、1.84mmとし、そして、刃部にTiSiN膜(HV35GPa)を被覆した。比較のため、従来例2として、本発明例1と同様の仕様で、ギャッシュ6、7を同じ角度8°で繋いだものを作成した。
切削テストの条件は、被削材に硬さがHRC60のSKD11を使用し、切削速度200m/min、送り速度3700mm/min、軸方向の切り込み量を1mm、半径方向の切り込み量を4mmに設定し、側面切削を行った。評価方法として、切削長1mおきに光学顕微鏡を用いて400倍の倍率で観察し、コーナ逃げ面摩耗幅が0.2mmを超えた時、若しくは、切れ刃にチッピングや欠損が認められた時に寿命として切削テストを終了した。本発明例1と従来例2の仕様と切削テストの結果と評価を表1に示す。
本発明例1として、底刃4と外周刃2がそれぞれ6枚刃であり、刃径が8.0mm、外周刃2のねじれ角が45°、底刃4のすかし角が2°、底刃4の逃げ角が7°、外周刃2の逃げ角が10°とした微粒子超硬合金製エンドミルを作成した。本発明例1のギャッシュは、底刃4のすくい面をなすギャッシャ5と、ギャッシュ6、7を回転中心側と外周側の3つの面で構成し、ギャッシュ角8を8°、ギャッシュ角9を45°に設けた。底刃4を直線状に設け、軸方向すくい角を底刃4の中心側と外周側で一定の2°とし、交差部は、刃径の33%、つまり、2.64mmとし、繋ぎ部は、刃径の23%、つまり、1.84mmとし、そして、刃部にTiSiN膜(HV35GPa)を被覆した。比較のため、従来例2として、本発明例1と同様の仕様で、ギャッシュ6、7を同じ角度8°で繋いだものを作成した。
切削テストの条件は、被削材に硬さがHRC60のSKD11を使用し、切削速度200m/min、送り速度3700mm/min、軸方向の切り込み量を1mm、半径方向の切り込み量を4mmに設定し、側面切削を行った。評価方法として、切削長1mおきに光学顕微鏡を用いて400倍の倍率で観察し、コーナ逃げ面摩耗幅が0.2mmを超えた時、若しくは、切れ刃にチッピングや欠損が認められた時に寿命として切削テストを終了した。本発明例1と従来例2の仕様と切削テストの結果と評価を表1に示す。
表1より、本発明例1は切削長6mでコーナの欠損により寿命となり、長寿命であった。これは、ギャッシュの切り屑排出のスペースが広いことに加えて、底刃4で生成される切り屑形態が安定しており、切り屑が底刃4からギャッシュ面5を経て、ギャッシュ面6、7から刃溝3へ良好に排出されたためと思われる。従来例2は、切削長2.5mでコーナが欠損し、5.0mに満たない時点で寿命となった。これは、ギャッシュ面の角度を同じとしたので、十分なチップポケットを有しておらず、ギャッシュ内に溜まった切り屑がコーナ部付近で噛み込んだためと考えられる。
(実施例2)
本発明例1と同仕様で、本発明例3〜6として、底刃4の軸方向すくい角を−15°〜0°に変化させたものを作成し、実施例1と同様のテストと評価を行った。本発明例3〜6の仕様とその結果を表2に示す。
本発明例1と同仕様で、本発明例3〜6として、底刃4の軸方向すくい角を−15°〜0°に変化させたものを作成し、実施例1と同様のテストと評価を行った。本発明例3〜6の仕様とその結果を表2に示す。
表2より、本発明例3〜6は、いずれも切削長が6.5m以上の時点で寿命となり、切り屑の排出性が良く、欠損や摩耗が抑制でき、高硬度材の加工を高能率に行えた。特に、本発明例4〜6は切削長が7.0mを超えた時点で摩耗により寿命となり、本発明例3は、本発明例1より更に長寿命であった。このことから、軸方向すくい角は−10°〜0°の範囲が好ましい。これは、切り屑が主に剪断型となり、細かく分断されたため、切り屑がギャッシュから排出されやすかったためと思われる。本発明例3は、切れ刃に微小なチッピングが生じており、底刃4の切削抵抗が大きいため寿命となったと思われる。
(実施例3)
実施例3は、本発明例5と同仕様で、本発明例7〜12として、ギャッシュ面6、7の繋ぎ部の位置をコーナから半径方向で刃径の10%から35%としたものを用意し、実施例1と同様のテストと評価を行った。その結果を表3に示す。
実施例3は、本発明例5と同仕様で、本発明例7〜12として、ギャッシュ面6、7の繋ぎ部の位置をコーナから半径方向で刃径の10%から35%としたものを用意し、実施例1と同様のテストと評価を行った。その結果を表3に示す。
表3より、本発明例7〜12は、切削長が6.5mを超えた時点で寿命となり、切り屑排出性を向上し、切り屑の噛み込みを抑制でき、高硬度材の加工を長寿命で行うことができた。特に、本発明例8〜11は切削長が7.5mを超えており、更に長寿命であった。このことから、繋ぎ部の位置は、15%〜30%の範囲が好ましい。これは、底刃4の剛性を保ちながら、ギャッシュ面6、7の切り屑排出するスペースを十分確保し、高硬度材を高速切削した際のエンドミル先端の回転中心側の剛性を高め、且つ、切り屑排出性を向上することができ、高硬度材の切削を長寿命に行うことができたと思われる。
(実施例4)
本発明例9と同仕様で、本発明例13〜16として、交差部を刃径の20%〜35%としたものを用意し、実施例1と同様のテストと評価を行った。結果を表4に示す。
本発明例9と同仕様で、本発明例13〜16として、交差部を刃径の20%〜35%としたものを用意し、実施例1と同様のテストと評価を行った。結果を表4に示す。
表4より、本発明例14〜16は切削長6.5mを超えた時点で摩耗により寿命となり、高硬度材の切削を高能率に長寿命に行うことができた。これは、ギャッシュから刃溝3へ連通するチップスペースを大きく設けることで、切り屑をギャッシュから外周刃2の溝へ良好に流すことができ、切り屑排出性を高めて、底刃4、コーナ部にかけて切れ刃の負荷を低減し、摩耗を抑制できたためと思われる。これにより、交差部の位置は、25%〜35%の範囲が好ましい。
(実施例5)
本発明例17として、本発明例1と同仕様で、底刃4のすくい面を、回転中心側と外周側の2面から形成した。本発明例17の底刃4の軸方向すくい角は、回転中心側で0°、外周側で2°に設けた。外周側は、回転中心側に対してエンドミル回転方向後方へ4°屈曲して設けてある。
本発明例17は、切削長5.0mでコーナ付近の外周刃2の逃げ面の摩耗が進行したため寿命となり、高硬度材の加工を十分に行うことができた。
本発明例17として、本発明例1と同仕様で、底刃4のすくい面を、回転中心側と外周側の2面から形成した。本発明例17の底刃4の軸方向すくい角は、回転中心側で0°、外周側で2°に設けた。外周側は、回転中心側に対してエンドミル回転方向後方へ4°屈曲して設けてある。
本発明例17は、切削長5.0mでコーナ付近の外周刃2の逃げ面の摩耗が進行したため寿命となり、高硬度材の加工を十分に行うことができた。
1:エンドミル本体
2:外周刃
3:刃溝
4:底刃
5:底刃のすくい面(ギャッシュ面5)
6:ギャッシュ面5の他端より、エンドミルの回転中心側に設けたギャッシュ面
7:ギャッシュ面5の他端より、エンドミルの外周側に設けたギャッシュ面
8:ギャッシュ面5と6の交叉部が底刃4との成す角
9:ギャッシュ面5と7の交叉部が底刃4との成す角
10:ギャッシュ面6と7の繋ぎ部
11:ギャッシュ面7と外周刃のすくい面の交差部
12:底刃4のすくい面と外周刃2のすくい面との境界線から底刃4までの距離
2:外周刃
3:刃溝
4:底刃
5:底刃のすくい面(ギャッシュ面5)
6:ギャッシュ面5の他端より、エンドミルの回転中心側に設けたギャッシュ面
7:ギャッシュ面5の他端より、エンドミルの外周側に設けたギャッシュ面
8:ギャッシュ面5と6の交叉部が底刃4との成す角
9:ギャッシュ面5と7の交叉部が底刃4との成す角
10:ギャッシュ面6と7の繋ぎ部
11:ギャッシュ面7と外周刃のすくい面の交差部
12:底刃4のすくい面と外周刃2のすくい面との境界線から底刃4までの距離
Claims (6)
- 複数の外周刃2、底刃4、ギャッシュとを有する高硬度用エンドミルにおいて、前記外周刃2のねじれ角は40°以上、心厚はエンドミル刃径の70%〜90%、前記ギャッシュは複数の面から構成され、底刃4のすくい面でもあるギャッシュ面5の他端より、エンドミルの回転中心側と、エンドミルの外周側とにそれぞれギャッシュ面6、7を設け、前記ギャッシュ面5と6の交叉部と底刃4との成す角度をギャッシュ角8、前記ギャッシュ面5と7の交叉部と底刃4との成す角度をギャッシュ角9としたとき、ギャッシュ角9をギャッシュ角8より、大きく設けたことを特徴とする高硬度用エンドミル。
- 請求項1記載の高硬度用エンドミルにおいて、前記エンドミルの側面視で、前記底刃4は直線状に、且つ、軸方向すくい角を軸心から外周にかけて一定としたことを特徴とする高硬度用エンドミル。
- 請求項2記載の高硬度用エンドミルにおいて、前記軸方向すくい角は、−10°〜0°に設けたこと特徴とする高硬度用エンドミル。
- 請求項1記載の高硬度用エンドミルにおいて、前記ギャッシュ面6とギャッシュ面7との繋ぎ部を、外周から刃径の15%〜30%の位置に設けたことを特徴とする高硬度用エンドミル。
- 請求項1乃至請求項4何れかに記載の高硬度用エンドミルにおいて、前記ギャッシュ面7と前記外周刃2のすくい面との交差部を、刃径の25%〜35%の位置に設けたことを特徴とする高硬度用エンドミル。
- 請求項1乃至請求項5何れかに記載の高硬度用エンドミルにおいて、前記エンドミルの少なくとも刃部の表面にHV30GPa以上の硬質被膜を被覆したことを特徴とする高硬度用エンドミル。
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