JP2010264592A - 高硬度材用エンドミル - Google Patents

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Abstract

【課題】切り屑の排出性を向上させることにより、高硬度材について横送り高速切削が可能なエンドミルを提供する。
【解決手段】底刃4のすくい面となる平面状の第1のギャッシュ面5と、第1のギャッシュ面5の端部にあって、底刃4と対向する直線状の第1の交差部から前記エンドミル本体1の回転中心側に位置するように設けられた第2のギャッシュ面6と、第1のギャッシュ面5の端部あって、第1の交差部のエンドミル本体の外周方向の端部からこの外周方向に位置する第2の交差部と、第2のギャッシュ面6のエンドミル本体1の外周方向の端部となる端部稜線部とを含んで外周方向に形成された第3のギャッシュ面7と、から構成されたギャッシュを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、HRC50以上の高硬度材の金型や部品等について、高能率な横送り切削に用いる高硬度材用エンドミルに関する。
高硬度材の切削加工に使用するエンドミルに関しては、下記の特許文献1、2が提案されている。特許文献1には、底刃のすくい面側に、前記ギャッシュとねじれ溝とが交わる稜線部に副溝を凹設した例が、特許文献2には、高硬度材の被削材に対応でき、ギャッシュ角を20°〜45゜に設けた例が、記載されている。しかし、底刃4の切り屑排出溝であるギャッシュのチップスペースが小さく、ギャッシュの切り屑排出性が不十分であり、高硬度材の高能率加工において不十分であった。
特開2005−125465号公報 特開平6−17063号公報
本発明は、上記事情に鑑み、HRC50以上の高硬度材の金型や部品等の横送り切削において、切り屑排出性を向上させることによって、横送り高速切削を可能にした高硬度材用エンドミルを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、複数の外周刃と底刃とギャッシュを有し、前記底刃の軸方向すくい角を0°又は負角とした高硬度材用のエンドミルであって、
前記底刃は、前記エンドミル本体の側面視で直線状をなし、
前記ギャッシュは、
前記底刃のすくい面となる平面状の第1のギャッシュ面と、
前記第1のギャッシュ面の前記底刃と対向する位置における端部となる第1の交差部から、前記エンドミル本体の回転中心側に位置するように形成されるとともに、前記エンドミル本体の外周方向に対向する端部となる端部稜線部を有する平面状の第2のギャッシュ面と、
前記第1のギャッシュ面の前記底刃と対向する位置における端部であって、前記第1の交差部の前記外周方向の端部から該外周方向に直線状に延びる第2の交差部と、前記端部稜線部とを含んで前記外周方向に形成された平面状の第3のギャッシュ面と、から構成され、
さらに、前記第2のギャッシュ面の前記底刃の方向に対する幅は、前記回転中心側から前記外周方向に向うにつれて幅広になるように形成されており、
前記端部稜線部が前記第1のギャッシュ面と交差する位置を繋ぎ部としたときに、
前記繋ぎ部を通り前記第2の交差部に沿う直線と前記直線状の底刃とがなす角度は、前記繋ぎ部を通り前記第1の交差部に沿う直線と前記直線状の底刃とがなす角度より大きくしていることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の高硬度材用エンドミルに係り、前記繋ぎ部は、前記エンドミル本体の外周から前記回転中心方向に、前記エンドミルの刃径の15%〜30%の位置に設けられていることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の高硬度材用エンドミルに係り、前記底刃の外周刃側の端部と、前記外周刃のすくい面であって該底刃側の端部との間には、微小な幅の前記第1のギャッシュ面を介在させていることを特徴としている。
本発明は、底刃の切り屑排出性を向上させることができるから、HRC50以上の高硬度材の金型や部品等の横送り切削において、高速切削による高能率加工を可能にし、長寿命を実現する高硬度材用のエンドミルを提供することができた。
本発明の高硬度材用エンドミルについて、その実施形態を示す正面図である。 図1に示す高硬度材用エンドミルを、回転中心軸方向からみた断面図であって、底刃を含む先端部の形状を説明するための図である。 図2に示すW−W断面を、図2示すに矢印の方向から見た断面図を示す。
本発明の高硬度材用エンドミルは、高硬度材の高速横送り切削加工において、切り屑の排出性を高めるための構成を備えている。
すなわち、本発明の高硬度材用エンドミルは、図1〜図3に示すように、エンドミル本体1の外周に、複数の外周刃2と刃溝3を設け、外周刃2のねじれ角は40〜60°、外周刃2のすくい角は負角としている。そして、底刃4の溝となるギャッシュは、底刃4のすくい面となる平面状のギャッシュ面(以下、「第1のギャッシュ面5」という)と、この第1のギャッシュ面5の底刃4と対向する位置における端部であって、直線状の端部(以下、「第1の交差部」という)から形成された第2のギャッシュ面6と、同じく、第1のギャッシュ面5の底刃4と対向する位置における端部であって、直線状の端部であるとともに、上記直線状の第1の交差部のうちの外周方向の端部に連接する直線状の端部(以下、「第2の交差部」という)から形成された第3のギャッシュ面7とから構成されている。
また、図2(図3)に示すように、第2のギャッシュ面6は、第1のギャッシュ面5に対してエンドミル本体1の回転中心側に配置するとともに、エンドミル本体1の外周方向に向く端部(以下、「端部稜線部」という)を設けている。さらに、第3のギャッシュ面7は、第2のギャッシュ面6に対してエンドミル本体1の外周側に配置するとともに、端部稜線部からエンドミル本体1の外周側方向に形成している。そして、これら第1、第2及び第3のギャッシュ面5、6,7から構成されるギャッシュは、刃溝3に連通させた構成にしている。
図1に示すエンドミル本体1を底刃4方向から見た図2に示されている底刃4については、一つの符号「4」のみを付しているが、この図2は、エンドミル本体1の回転中心付近から6つの底刃4が外周方向に等間隔で形成されていることを示している。また、切削加工を行うときには、図2の紙面を上方から見たときに、エンドミル本体1(底刃4)は反時計方向に回転することを示している。
そして、図2に示されている底刃4からこの底刃4の下方(図2の紙面の下方)に向けて、第1のギャッシュ面(底刃4のすくい面)5が形成されている。第1のギャッシュ面5が底刃4と対向する位置となる端部は、直線状の端部(前記した「第1の交差部」)になっており、この第1の交差部から平面状の第2のギャッシュ面6が形成されている。なお、底刃4の軸方向すくい角は0°又は負角としているので、図2にはこの第1のギャッシュ面5、第1の交差部は図示されていない。図2において、各底刃4に沿って回転方向側に図示されている3角形をなす平面部が、第2のギャッシュ面6である。
図2に示されているように、回転中心軸方向から見て3角形をなす第2のギャッシュ面6は、その底刃4方向に対する幅は、エンドミル本体1の回転中心付近の側から外周方向に向うにつれて次第に幅広になるように形成している。さらに、図2に示すように、第2のギャッシュ面6には、外周方向に対向する向きをなす直線状の端部となる前記した端部稜線部が形成されている。そして、この端部稜線部の底刃4側は、上記した第1の交差部であって、エンドミル本体1の外周方向側の端部(以下、「繋ぎ部10」という)まで伸びている。なお、この繋ぎ部10は図2には示していないが、図3に示すように、第1のギャッシュ面5が第2のギャッシュ面6の端部となる端部稜線部と交差する位置になる。
また、図2に示すように、第3のギャッシュ面7は、上記した第2のギャッシュ面6の端部稜線部からエンドミル本体1の外周方向に向けて外周端面部まで形成されている。なお、この第3のギャッシュ面7の底刃4側の端部は、上記した直線状をなす第2の交差部である。この第2の交差部は、前記した第1の交差部のエンドミル本体1の外周方向側の端部に連接して、エンドミル本体1の外周方向に向けて形成されている。このようにして、第2の交差部は、第1の交差部に連接してエンドミル本体1の外周方向側に位置し、図2に示すように、第2のギャッシュ面6は端部稜線部を介してエンドミル本体1の回転中心側に配置され、第3のギャッシュ面7はエンドミル本体1の外周側に配置されている。なお、図2には、この第2の交差部は図示されていない。
さらに、本発明の高硬度材用エンドミルは、底刃4による切り屑の排出性を高めるために、次の構成を備えていることに特徴がある。
すなわち、上記した端部稜線部の第1のギャッシュ面5側の端部がこの第1のギャッシュ面5と交差する位置を繋ぎ部10(図3参照)としたときに、繋ぎ部10を通るとともに前記第2の交差部に沿う直線と、直線状の底刃4とがなす角度(以下、「第2のギャッシュ角9」という)は、繋ぎ部10を通るとともに前記第1の交差部に沿う直線と、直線状の底刃4とが成す角度(以下、「第1のギャッシュ角8」という)より大きくしている。
このように、図3に示す第2のギャッシュ角9を第1のギャッシュ角9より大きくすると、底刃4で生成された切り屑は、第1のギャッシュ面5、第2のギャッシュ面6、第3のギャッシュ面7を通るときに、スペースを拡げることができるので、切り屑を刃溝3へ良好に排出することができる。これにより、切り屑の底刃4や外周刃2への噛み込みを抑制してこれら切刃の欠損を防止でき、寿命を向上して高硬度材の加工を高能率に行える。また、切り屑がギャッシュ内に停滞することを抑制できるので、切り屑が被削材の表面と擦れることを防止でき、加工面粗さが向上する。
ここで、第2のギャッシュ角9が第1のギャッシュ角8と同等、もしくは、小さいと、第3のギャッシュ面7と刃溝3の境界付近で切り屑の移動を阻害し、切り屑がギャッシュ内に停滞し、底刃4に過大な負荷が生じ、底刃4と外周刃2の交点であるコーナ部から欠損する。第2ギャッシュ角9は、第1のギャッシュ角8より10°以上大きく設けることが上記観点から好ましい。
次に、図2に示すように、底刃4は直線状に設け、底刃4の軸方向すくい角は、回転中心軸側からコーナ部にかけて一定に設けるのが好ましい。これにより、底刃4のすくい面を形成する第1のギャッシュ面5は平面状となり、底刃4で生成される切り屑を幅広い平面で受けることができ、切り屑の流れを阻害することなく、良好な切り屑排出性を維持できる。ここで、底刃4の外周側が回転方向後方へ屈曲した形状であると、切り屑がコーナ部へ流れたときに、切り屑がコーナ部付近で噛み込みを起こしてコーナ部が欠損したり、コーナ部付近の切れ刃の摩耗の進行が早くなったりして高硬度材の高能率加工ができなくなる。
なお、底刃4を直線状に設ける方法として、第1のギャッシュ面5を複数の平面状の面から構成する方法があるが、第1のギャッシュ面5を複数の平面状の面で構成すると、底刃4で生成される切り屑の流れる方向が安定せず、切削抵抗が増大して底刃4の欠損を誘発する可能性がある。このため、第1のギャッシュ面5は1つの面で構成されるのが好ましい。底刃4の直線状とは、エンドミルの底刃4側からみた側面視で、回転中心軸側の底刃4に対して、外周側の底刃4がエンドミル回転方向に−2°〜2°の範囲内にあることを意味する。
さらに、発明の高硬度材用エンドミルにおいては、底刃4の軸方向すくい角は、−10°〜0°の範囲に設けるのが好ましい。これにより、底刃4で生成される切り屑はせん断型の切り屑となって切り屑長さを抑制できる。これにより、切り屑を刃溝3へ良好に排出することができるようになり、高硬度材の安定した高能率加工が行える。ここで、底刃4の軸方向すくい角が0°を超えると、切り屑長さが長くなり、ギャッシュに切り屑が詰まりコーナ部が欠損する。更に、底刃4の刃先強度が低下し、コーナ部が欠損する可能性が高まる。一方、底刃4の軸方向すくい角がマイナス方向に−10°を超えると、底刃4の切削性が低下し、底刃4の摩耗が進行して切削抵抗が増大し、底刃4が欠損する。より好ましくは−5°〜0°が良い。
さらに、発明の高硬度材用エンドミルにおいて、前記した繋ぎ部10の位置は、エンドミル本体1の外周からエンドミル本体1の回転中心方向にこのエンドミルの刃径の15%〜30%の位置に設けるようにする。このように、繋ぎ部10の位置を設定すると、コーナ部近傍のギャッシュのスペースを確保でき、切り屑が停滞するのを防ぎ、切り屑排出性が良好になる。また、切り屑がエンドミル回転中心側に移動するのを抑制することができ、切り屑の噛み込みを抑制でき、底刃4、コーナ部の欠損を防止できる。なお、繋ぎ部10の位置を刃径の15%未満の位置に設定すると、コーナ部近傍のチップポケットが小さくなり、切り屑詰まりを起こしやすくなって、高硬度材の高速切削が安定して行えなくなる。一方、繋ぎ部10の位置を刃径の30%を超える位置に設定すると、コーナ部の強度が低下し、高硬度材の高速切削で欠損を起こしやすくなる。
図3において、ギャッシュ面7と外周刃2のすくい面とが交差する交差位置11は、図3に示すように、繋ぎ部10から外周刃2までの距離のおよそ1/3程度ほど、外周から回転中心方向に離れた位置に設置するようにする。これにより、ギャッシュが刃溝3へ連通するスペースを増大することができ、底刃4で生成された切り屑を刃溝3に良好に排出できる。
また、本発明の高硬度材用エンドミルにおいて、エンドミルの少なくとも刃部(底刃4及び外周刃2)の表面にHV30GPa以上、特に、TiSiN系の被膜の場合にはHV31〜40GPaの硬質皮膜を被覆するのが好ましい。これにより、切れ刃の摩耗を抑制し、安定して切り屑排出を行うことができる。なお、被膜はPVD法で被覆されるのが良い。
なお、上記した第2のギャッシュ面6に続く第3のギャッシュ面7は、2段のみで構成する他に、3段以上のギャッシュから構成しても良い。また、第1のギャッシュ角8は、10°以上25°未満とするのが好ましい。これにより、エンドミル先端の回転中心付近の剛性を保ち、底刃4の補強ができ、高硬度材の安定した切削が可能になる。第1のギャッシュ角8が10°未満であると、スペースが小さく、回転中心側の底刃4を切削に使用した場合、切り屑詰まりを起こす可能性がある。25°以上であると、切り屑が第1のギャッシュ面5の回転中心側へ流れる可能性があり、切り屑が噛み込み、底刃4が欠損する。
また、図3に示すように、底刃4の外周刃側の端部と外周刃2のすくい面の底刃4側の端部とには、微小な長さ12の第1のギャッシュ面5を設け、この微小な長さ(図3に示す「12」)の値は、0.1mm〜0.3mmの範囲に設定することが好ましい。これにより、コーナ部の強度を高め、ギャッシュから刃溝3への切り屑排出性を向上させることができ、高硬度材の高能率加工が安定して行える。
以下、切削テストを行った実施例に基づいて、本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
本発明例1として、底刃4と外周刃2がそれぞれ6枚刃であり、刃径が8.0mm、外周刃2のねじれ角が45°、底刃4のすかし角が2°、底刃4の逃げ角が7°、外周刃2の逃げ角が10°とした微粒子超硬合金製からなる高硬度材用エンドミルを作製した。この本発明例1に係る高硬度材用エンドミルのギャッシュは、前記したように、底刃4のすくい面をなす第1のギャッシャ5面と、回転中心側と外周側にそれぞれ形成した第2のギャッシュ面6と第3のギャッシュ面7との3つの面から構成した。そして、第1のギャッシュ角8を8°、第2のギャッシュ角9を45°に設けた。底刃4を直線状に設け、軸方向すくい角を底刃4の中心側と外周側で一定の2°とした。
また、本発明例1では、前記したギャッシュ面7と外周刃2のすくい面とが交差する交差位置は、エンドミル本体1の外周から回転中心方向に、刃径の33%ほど離れた位置、つまり、外周から2.64mm離れた位置とした。なお、前記した繋ぎ部10の位置は、エンドミル本体1の外周から回転中心方向に、このエンドミル本体1の刃径の23%の位置、つまり、外周から1.84mm離れた位置とした。そして、刃部である底刃4と外周刃2には、TiSiN膜(HV35GPa)を被覆した。
さらに、本発明例1と比較するための従来例2として、本発明例1と同様の仕様で、第1のギャッシュ面5を備え、第2のギャッシュ6と第3のギャッシュ7を同じ角度8°、すなわち、底刃4に対するギャッシュ角を同一として、第2のギャッシュ面6と第3のギャッシュ面7を一つの面から形成したエンドミルを作製した。
切削テストの条件は、被削材に硬さがHRC60のSKD11を使用し、切削速度200m/min、送り速度3700mm/min、軸方向の切り込み量を1mm、半径方向の切り込み量を4mmに設定して、エンドミルを横送りにし、外周刃を用いて被削材を切削する側面切削を行った。切削テストの評価方法は、切削長1mおきに光学顕微鏡を用いて400倍の倍率で観察し、コーナ逃げ面摩耗幅が0.2mmを超えた時、若しくは、切刃にチッピングや欠損が認められた時に寿命として切削テストを終了した。本発明例1と従来例2のエンドミルの仕様と切削テストの結果を表1に示す。
Figure 2010264592


表1より、本発明例1は切削長6mでコーナの欠損により寿命となり、長寿命であった。これは、ギャッシュの切り屑排出のスペースが広いことに加えて、底刃4で生成される切り屑形態が安定しており、切り屑が底刃4から第1のギャッシュ面5を経て、第2、第3のギャッシュ面6、7から刃溝3へ良好に排出されたためと思われる。これに対して、従来例2は、切削長2.5mでコーナが欠損し、5.0mに満たない時点で寿命となった。これは、第2、第3のギャッシュ面6、7のギャッシュ角を同じとしたので、十分なチップポケットを有しておらず、ギャッシュ内に溜まった切り屑がコーナ部付近で噛み込んだためと考えられる。
(実施例2)
本発明例1と同仕様で、本発明例4〜6として底刃4の軸方向すくい角を−10°〜0°に変化させた高硬度材用エンドミルを、また、比較例3として底刃4の軸方向すくい角を−15°とした高硬度材用エンドミルを作製し、実施例1と同様の切削テストを行った。本発明例3〜6の仕様とその切削テストの結果を表2に示す。
Figure 2010264592





表2より、本発明例4〜6は、いずれも切削長が7.0m以上の時点で寿命となり、切り屑の排出性が良く、欠損や摩耗が抑制でき、高硬度材の加工を高能率に行えた。比較例3は軸方向すくい角を−15°としたが、本発明例1より更に長寿命であった。このことから、軸方向すくい角は−10°〜0°の範囲に設定することがよりが好ましいといえる。これは、切り屑が主に剪断型となり、細かく分断されたため、切り屑がギャッシュから排出されやすかったためと思われる。比較例3は、切れ刃に微小なチッピングが生じており、底刃4の切削抵抗が大きいために本発明例4より寿命が短くなったと思われる。
(実施例3)
本発明例5と同仕様で、比較例7、本発明例8〜11、さらに比較例12として、第2及び第3のギャッシュ面6、7との繋ぎ部10の位置を、コーナ部から回転中心方向で刃径の10%から35%とした位置に設定した高硬度材用エンドミルを作製し、実施例1と同様の切削テストを行った。その切削テストの結果を表3に示す。
Figure 2010264592







表3より、本発明例8〜11は、切削長が7.5mを超えた寿命となり、切り屑排出性を向上し、切り屑の噛み込みを抑制でき、高硬度材の加工を長寿命で行うことができた。一方、比較例7及び12では、寿命までの切削長が6.8mになり、本発明例8〜11と比較して寿命が短くなった。このことから、繋ぎ部10の位置は、コーナ部から回転中心方向に刃径の15%〜30%の範囲にすることが好ましい。これは、底刃4の剛性を保ちながら、第2及び第3のギャッシュ面6、7が切り屑を排出するスペースを十分確保し、高硬度材を高速切削した際のエンドミル先端の回転中心側の剛性を高め、且つ、切り屑排出性を向上することができ、高硬度材の切削加工を長寿命に行うことができたと思われるからである。
(実施例4)
本発明例13として、本発明例1と同仕様で、切刃4のすくい面を、回転中心側と外周側の2面から形成した高硬度材用エンドミルを作製して切削テストを行った。なお、本発明例13の底刃4の軸方向すくい角は、回転中心側で0°、外周側で2°に設けた。また、外周側は回転中心側に対して、エンドミル回転方向後方へ4°屈曲して設けた。この本発明例13の切削テストの結果は、切削長5.0mにおいてコーナ付近の外周刃の逃げ面の摩耗が進行したが従来例2より長寿命となり、高硬度材の切削加工を十分行うことができた。
1:エンドミル本体
2:外周刃
3:刃溝
4:底刃
5:第1のギャッシュ面(底刃5のすくい面)
6:第2のギャッシュ面
7:第3のギャッシュ面
8:第1のギャッシュ面と第2のギャッシュ面との交叉部が底刃となす角度(第1のギャッシュ角)
9:第1のギャッシュ面と第3のギャッシュ面との交叉部が底刃となす角度(第2のギャッシュ角)
10:繋ぎ部
11:第3のギャッシュ面と外周刃のすくい面との交差部
12:第1のギャッシュの幅

Claims (3)

  1. 複数の外周刃と底刃とギャッシュを有し、前記底刃の軸方向すくい角を0°又は負角とした高硬度材用のエンドミルであって、
    前記底刃は、前記エンドミル本体の側面視で直線状をなし、
    前記ギャッシュは、
    前記底刃のすくい面となる平面状の第1のギャッシュ面と、
    前記第1のギャッシュ面の前記底刃と対向する位置における端部となる第1の交差部から、前記エンドミル本体の回転中心側に位置するように形成されるとともに、前記エンドミル本体の外周方向に対向する端部となる端部稜線部を有する平面状の第2のギャッシュ面と、
    前記第1のギャッシュ面の前記底刃と対向する位置における端部であって、前記第1の交差部の前記外周方向の端部から該外周方向に直線状に延びる第2の交差部と、前記端部稜線部とを含んで前記外周方向に形成された平面状の第3のギャッシュ面と、から構成され、
    さらに、前記第2のギャッシュ面の前記底刃の方向に対する幅は、前記回転中心側から前記外周方向に向うにつれて幅広になるように形成されており、
    前記端部稜線部が前記第1のギャッシュ面と交差する位置を繋ぎ部としたときに、
    前記繋ぎ部を通り前記第2の交差部に沿う直線と前記直線状の底刃とがなす角度は、前記繋ぎ部を通り前記第1の交差部に沿う直線と前記直線状の底刃とがなす角度より大きくしていることを特徴とする高硬度材用エンドミル。
  2. 前記繋ぎ部は、前記エンドミル本体の外周から前記回転中心方向に、前記エンドミルの刃径の15%〜30%の位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高硬度材用エンドミル。
  3. 前記底刃の外周刃側の端部と、前記外周刃のすくい面であって該底刃側の端部との間には、微小な幅の前記第1のギャッシュ面を介在させていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高硬度材用エンドミル。
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