JPH09262713A - ボールエンドミル - Google Patents
ボールエンドミルInfo
- Publication number
- JPH09262713A JPH09262713A JP7563596A JP7563596A JPH09262713A JP H09262713 A JPH09262713 A JP H09262713A JP 7563596 A JP7563596 A JP 7563596A JP 7563596 A JP7563596 A JP 7563596A JP H09262713 A JPH09262713 A JP H09262713A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shaft
- cutting
- tip
- main body
- cutting edge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B23—MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- B23C—MILLING
- B23C5/00—Milling-cutters
- B23C5/02—Milling-cutters characterised by the shape of the cutter
- B23C5/10—Shank-type cutters, i.e. with an integral shaft
- B23C5/1009—Ball nose end mills
- B23C5/1018—Ball nose end mills with permanently fixed cutting inserts
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高硬度材料の長時間高速切削を容易にする。
【解決手段】 軸状本体２の先端面に複数の切れ刃６を
半球面上に配列して形成し、軸状本体２の外周面に複数
の切れ刃７を円筒面上に配列して形成したボールエンド
ミルにおいて、軸状本体２の先端面の軸芯部に孔５を設
けて切れ刃を形成せずに、先端面の軸芯部以外の部分に
切れ刃６を形成した。軸状本体２を超硬合金または高速
度鋼で構成し、軸状本体２にＣＢＮ燒結体のような超高
圧燒結体の板４を埋め込み、軸状本体２の先端面と外周
面に突出した超高圧燒結体の板４の側端に切れ刃６，７
を形成した。超高圧燒結体の板４を軸状本体２の軸芯方
向に沿って配置し、切れ刃６，７のねじれ角を零度にし
た。
半球面上に配列して形成し、軸状本体２の外周面に複数
の切れ刃７を円筒面上に配列して形成したボールエンド
ミルにおいて、軸状本体２の先端面の軸芯部に孔５を設
けて切れ刃を形成せずに、先端面の軸芯部以外の部分に
切れ刃６を形成した。軸状本体２を超硬合金または高速
度鋼で構成し、軸状本体２にＣＢＮ燒結体のような超高
圧燒結体の板４を埋め込み、軸状本体２の先端面と外周
面に突出した超高圧燒結体の板４の側端に切れ刃６，７
を形成した。超高圧燒結体の板４を軸状本体２の軸芯方
向に沿って配置し、切れ刃６，７のねじれ角を零度にし
た。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、高硬度金型のよう
な高硬度材料の三次元切削に使用するボールエンドミル
に関する。
な高硬度材料の三次元切削に使用するボールエンドミル
に関する。
【０００２】
【従来の技術】この種のボールエンドミルは、軸状本体
の先端面に複数の切れ刃を半球面上に配列して形成し、
軸状本体の外周面に複数の切れ刃を円筒面上に配列して
形成している。高速切削を行なう場合、じん性と耐摩耗
性が高い被覆工具が使用される。被覆工具は、本体をじ
ん性の高い超硬合金や高速度鋼で構成し、その表面に耐
摩耗性の高いＴｉＮ，ＴｉＣ，Ａｌ2Ｏ3などの硬質材の
薄膜を被覆している。
の先端面に複数の切れ刃を半球面上に配列して形成し、
軸状本体の外周面に複数の切れ刃を円筒面上に配列して
形成している。高速切削を行なう場合、じん性と耐摩耗
性が高い被覆工具が使用される。被覆工具は、本体をじ
ん性の高い超硬合金や高速度鋼で構成し、その表面に耐
摩耗性の高いＴｉＮ，ＴｉＣ，Ａｌ2Ｏ3などの硬質材の
薄膜を被覆している。
【０００３】被覆工具のボールエンドミルにおいても、
切れ刃は、すくい面と逃げ面で構成される刃物角が小さ
いと、強度が低く、欠損し易い。
切れ刃は、すくい面と逃げ面で構成される刃物角が小さ
いと、強度が低く、欠損し易い。
【０００４】そこで、超硬合金にＴｉＮを被覆した被覆
工具において、刃物角を大きくしたボールエンドミルが
発明された。これは、特開平５−９６４１６号公報に図
１に示して実施例として説明されているように、軸状本
体を正六角形断面に形成し、軸状本体の半球面形状の先
端面と六角筒形状の外周面に右刃左ねじれの切れ刃を形
成し、外周刃のすくい角を−６０度にし、先端刃のすく
い角を先端刃の基端から先端に向うに従って徐々に０度
に近付けて先端刃の先端で０度にしている。
工具において、刃物角を大きくしたボールエンドミルが
発明された。これは、特開平５−９６４１６号公報に図
１に示して実施例として説明されているように、軸状本
体を正六角形断面に形成し、軸状本体の半球面形状の先
端面と六角筒形状の外周面に右刃左ねじれの切れ刃を形
成し、外周刃のすくい角を−６０度にし、先端刃のすく
い角を先端刃の基端から先端に向うに従って徐々に０度
に近付けて先端刃の先端で０度にしている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】ところが、刃物角を大
きくした上記の被覆工具のボールエンドミルは、硬度Ｈ
ＲＣ５５以上の金型の高速切削を行なうと、軸芯方向の
切削抵抗が大きく、切削速度が零または零に近くなる軸
芯部で、先端刃の欠損が生じ易く、先端刃の摩耗が激し
くなる。
きくした上記の被覆工具のボールエンドミルは、硬度Ｈ
ＲＣ５５以上の金型の高速切削を行なうと、軸芯方向の
切削抵抗が大きく、切削速度が零または零に近くなる軸
芯部で、先端刃の欠損が生じ易く、先端刃の摩耗が激し
くなる。
【０００６】また、切削速度が高くなる外周刃で、切削
熱によるすくい面のクレータ摩耗が激しくなり、すくい
面に欠損が生じ易い。
熱によるすくい面のクレータ摩耗が激しくなり、すくい
面に欠損が生じ易い。
【０００７】結局、従来のボールエンドミルは、高硬度
材料を長時間高速切削することが困難である。
材料を長時間高速切削することが困難である。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、軸状本体の先
端面に複数の切れ刃を半球面上に配列して形成し、軸状
本体の外周面に複数の切れ刃を円筒面上に配列して形成
したボールエンドミルにおいて、軸状本体の先端面の軸
芯部に孔を設けて切れ刃を形成せずに、先端面の軸芯部
以外の部分に切れ刃を形成した。
端面に複数の切れ刃を半球面上に配列して形成し、軸状
本体の外周面に複数の切れ刃を円筒面上に配列して形成
したボールエンドミルにおいて、軸状本体の先端面の軸
芯部に孔を設けて切れ刃を形成せずに、先端面の軸芯部
以外の部分に切れ刃を形成した。
【０００９】また、軸状本体を超硬合金または高速度鋼
で構成し、軸状本体に被覆超硬合金より熱伝導性が高い
ＣＢＮ（立方晶窒化ほう素）燒結体のような超高圧燒結
体の板を埋め込み、軸状本体の先端面と外周面に突出し
た超高圧燒結体の板の側端に切れ刃を形成した。
で構成し、軸状本体に被覆超硬合金より熱伝導性が高い
ＣＢＮ（立方晶窒化ほう素）燒結体のような超高圧燒結
体の板を埋め込み、軸状本体の先端面と外周面に突出し
た超高圧燒結体の板の側端に切れ刃を形成した。
【００１０】更に、超高圧燒結体の板を軸状本体の軸芯
方向に沿って配置し、切れ刃のねじれ角を零度にした。
方向に沿って配置し、切れ刃のねじれ角を零度にした。
【００１１】
【発明の効果】本発明においては、先端面の軸芯部に中
心孔が開口して先端刃がないので、切削速度が零または
零に近くなって刃の欠損や摩耗が激しくなる不都合切削
領域がない。
心孔が開口して先端刃がないので、切削速度が零または
零に近くなって刃の欠損や摩耗が激しくなる不都合切削
領域がない。
【００１２】また、切削速度が高くなる外周刃は、耐熱
性の高いＣＢＮ燒結体のような超高圧燒結体で構成され
ているので、切削熱に基づく摩耗や欠損が生じ難い。
性の高いＣＢＮ燒結体のような超高圧燒結体で構成され
ているので、切削熱に基づく摩耗や欠損が生じ難い。
【００１３】従って、硬度ＨＲＣ５５以上の金型のよう
な高硬度材料を長時間高速切削することが容易である。
な高硬度材料を長時間高速切削することが容易である。
【００１４】更に、高価で研削し難いＣＢＮ燒結体のよ
うな超高圧燒結体の板は、切れ刃のすくい面と逃げ面を
構成するのに必要な最小厚さで済む。切れ刃は、ねじれ
角が零度であって、単純な形状である。先端面に開口し
た中心孔は、切れ刃を研削する砥石の逃げ場になる。従
って、切れ刃は、研削し難くない。
うな超高圧燒結体の板は、切れ刃のすくい面と逃げ面を
構成するのに必要な最小厚さで済む。切れ刃は、ねじれ
角が零度であって、単純な形状である。先端面に開口し
た中心孔は、切れ刃を研削する砥石の逃げ場になる。従
って、切れ刃は、研削し難くない。
【００１５】
＜第１例（図１〜図６参照）＞本例のボールエンドミル
は、図１と図２に示すように、シャンク１に同芯状に接
続した超硬合金の本体２を正方形断面の四角軸状に形成
している。
は、図１と図２に示すように、シャンク１に同芯状に接
続した超硬合金の本体２を正方形断面の四角軸状に形成
している。
【００１６】軸状本体２の先端部以外の部分は、図２と
図３に示すように、太さが均等であり、４本の稜線を円
筒面上に等間隔に配列し、２本の隣接する稜線の間の各
面をそれぞれ平面に形成している。軸状本体２の先端部
は、図１と図２に示すように、４本の稜線を半球面上に
等間隔に配列し、図４と図５に示すように、２本の隣接
する稜線の間の各面をそれぞれ筒状の曲面に形成してい
る。
図３に示すように、太さが均等であり、４本の稜線を円
筒面上に等間隔に配列し、２本の隣接する稜線の間の各
面をそれぞれ平面に形成している。軸状本体２の先端部
は、図１と図２に示すように、４本の稜線を半球面上に
等間隔に配列し、図４と図５に示すように、２本の隣接
する稜線の間の各面をそれぞれ筒状の曲面に形成してい
る。
【００１７】正方形断面の軸状本体２は、図３と図４に
示すように、各稜線からそれぞれ軸芯に向って溝３を形
成し、軸芯方向に沿った４本の溝３の底を軸芯部で連通
している。各溝３には、それぞれ、ＣＢＮ燒結体の薄い
平板４を嵌め込み蝋付けして固定し、４枚の平板４の凹
状内側端を軸状本体２の軸芯部に集合して、４枚の平板
４の凹状内側端の間に小径の中心孔５を形成している。
４枚の平板４の凸状外側端は、それぞれ、各溝３の開口
から突出し、刃物角の大きい切れ刃６，７に形成してい
る。
示すように、各稜線からそれぞれ軸芯に向って溝３を形
成し、軸芯方向に沿った４本の溝３の底を軸芯部で連通
している。各溝３には、それぞれ、ＣＢＮ燒結体の薄い
平板４を嵌め込み蝋付けして固定し、４枚の平板４の凹
状内側端を軸状本体２の軸芯部に集合して、４枚の平板
４の凹状内側端の間に小径の中心孔５を形成している。
４枚の平板４の凸状外側端は、それぞれ、各溝３の開口
から突出し、刃物角の大きい切れ刃６，７に形成してい
る。
【００１８】軸状本体２の先端面には、図１に示すよう
に、軸芯部に中心孔５が開口して切れ刃がなく、先端面
の軸芯部以外の部分に４本の円弧形状の切れ刃６が半球
面上に等間隔に配列して突出している。先端面の切れ刃
即ち先端刃６は、先端に近付くに従って、すくい角が−
９０度に、逃げ角βが０度に近付き、刃物角が大きくな
る。先端刃６の中央位置では、その法線方向の端面を図
６に示すように、すくい角αが−５５度、逃げ角βが３
５度で、刃物角θが１１０度である。先端刃６のねじれ
角は、０度であり、位置によって変化せず、一定であ
る。
に、軸芯部に中心孔５が開口して切れ刃がなく、先端面
の軸芯部以外の部分に４本の円弧形状の切れ刃６が半球
面上に等間隔に配列して突出している。先端面の切れ刃
即ち先端刃６は、先端に近付くに従って、すくい角が−
９０度に、逃げ角βが０度に近付き、刃物角が大きくな
る。先端刃６の中央位置では、その法線方向の端面を図
６に示すように、すくい角αが−５５度、逃げ角βが３
５度で、刃物角θが１１０度である。先端刃６のねじれ
角は、０度であり、位置によって変化せず、一定であ
る。
【００１９】軸状本体２の外周面には、図２と図３に示
すように、４本の直線形状の切れ刃７が円筒面上に等間
隔に軸芯方向に沿って配列して突出している。外周面の
切れ刃即ち外周刃７は、すくい角が−４５度、逃げ角が
４５度で、刃物角が９０度である。ねじれ角は０度であ
る。それらの角度は、位置によって変化せず、一定であ
る。
すように、４本の直線形状の切れ刃７が円筒面上に等間
隔に軸芯方向に沿って配列して突出している。外周面の
切れ刃即ち外周刃７は、すくい角が−４５度、逃げ角が
４５度で、刃物角が９０度である。ねじれ角は０度であ
る。それらの角度は、位置によって変化せず、一定であ
る。
【００２０】本例のボールエンドミルにおいては、先端
面の軸芯部には、中心孔５が開口して先端刃６がないの
で、切削速度が零または零に近くなって刃の欠損や摩耗
が激しくなる不都合切削領域がない。また、切削速度が
高くなる外周刃７は、耐熱性の高いＣＢＮ燒結体で構成
されているので、切削熱に基づく摩耗や欠損が生じ難
い。軸状本体２は正多角形断面であって、複数本の切れ
刃６，７が等間隔に配置されているので、回転つりあい
が良好である。従って、硬度ＨＲＣ５５以上の三次元曲
面金型のような高硬度材料の三次元切削を高速で長時間
行なうことが容易である。
面の軸芯部には、中心孔５が開口して先端刃６がないの
で、切削速度が零または零に近くなって刃の欠損や摩耗
が激しくなる不都合切削領域がない。また、切削速度が
高くなる外周刃７は、耐熱性の高いＣＢＮ燒結体で構成
されているので、切削熱に基づく摩耗や欠損が生じ難
い。軸状本体２は正多角形断面であって、複数本の切れ
刃６，７が等間隔に配置されているので、回転つりあい
が良好である。従って、硬度ＨＲＣ５５以上の三次元曲
面金型のような高硬度材料の三次元切削を高速で長時間
行なうことが容易である。
【００２１】本例のボールエンドミルにおいては、先端
面の軸芯部に中心孔５が開口して先端刃６がないため、
先端刃６の先端がシャンク１側に後退する。その後退量
をほとんどの金型の許容寸法誤差である０．１mm以内に
するには、 ｄ／２≦（０．２Ｒ−０．０１）1/2≒（０．２Ｒ）1/2 の条件を満たす必要がある。ただし、図１に示すよう
に、ｄは中心孔５の直径を、Ｒは先端刃６が配列する半
球面の半径を表す。
面の軸芯部に中心孔５が開口して先端刃６がないため、
先端刃６の先端がシャンク１側に後退する。その後退量
をほとんどの金型の許容寸法誤差である０．１mm以内に
するには、 ｄ／２≦（０．２Ｒ−０．０１）1/2≒（０．２Ｒ）1/2 の条件を満たす必要がある。ただし、図１に示すよう
に、ｄは中心孔５の直径を、Ｒは先端刃６が配列する半
球面の半径を表す。
【００２２】しかし、中心孔５は、軸状本体２に比較し
て非常に小径である、例えば、先端刃６が配列する半球
面の直径２Ｒが１０mmであるのに対して中心孔５の直径
ｄが０．３mmであるので、切削寸法精度に大きな影響を
与えない。
て非常に小径である、例えば、先端刃６が配列する半球
面の直径２Ｒが１０mmであるのに対して中心孔５の直径
ｄが０．３mmであるので、切削寸法精度に大きな影響を
与えない。
【００２３】軸状本体２は、中心孔５を形成するため、
断面二次モーメントが減少する。しかし、中心孔５は、
軸状本体２に比較して非常に小径であって、軸状本体２
の軸芯に位置するので、軸状本体２の曲げやねじりに対
する剛性にほとんど影響を与えない。
断面二次モーメントが減少する。しかし、中心孔５は、
軸状本体２に比較して非常に小径であって、軸状本体２
の軸芯に位置するので、軸状本体２の曲げやねじりに対
する剛性にほとんど影響を与えない。
【００２４】ＣＢＮ燒結体の切れ刃は、一般的に言っ
て、高硬度で研削し難い。しかし、ＣＢＮ燒結体の板４
は、切れ刃６，７のすくい面と逃げ面を構成するのに必
要な最小厚さである。切れ刃６，７は、ねじれ角が零度
であって、単純な円弧形状と直線形状である。先端面に
開口した中心孔５は、先端刃６を研削する砥石の逃げ場
になる。従って、ＣＢＮ燒結体の切れ刃６，７は、研削
し易い。
て、高硬度で研削し難い。しかし、ＣＢＮ燒結体の板４
は、切れ刃６，７のすくい面と逃げ面を構成するのに必
要な最小厚さである。切れ刃６，７は、ねじれ角が零度
であって、単純な円弧形状と直線形状である。先端面に
開口した中心孔５は、先端刃６を研削する砥石の逃げ場
になる。従って、ＣＢＮ燒結体の切れ刃６，７は、研削
し易い。
【００２５】ＣＢＮ燒結体は、高価であるが、切れ刃
６，７を構成する部分のみで済み、使用量が少ない。
６，７を構成する部分のみで済み、使用量が少ない。
【００２６】中心孔５は、シャンク１を貫通していない
が、貫通させてもよい。中心孔５は、ボールエンドミル
を貫通すると、切削油の供給通路になる。
が、貫通させてもよい。中心孔５は、ボールエンドミル
を貫通すると、切削油の供給通路になる。
【００２７】＜第２例（図７と図８参照）＞本例のボー
ルエンドミルは、第１例における４本の円弧形状の先端
刃６について、２本の隣接する先端刃６の間の各面をそ
れぞれ滑らかに湾曲させて、すくい角と逃げ角を位置に
よって変化しない一定値にしている。また、図７に示す
ように、４本の円弧形状の先端刃６と４本の直線形状の
外周刃７について、それぞれ、２本の隣接する先端刃
６，外周刃７の間の各面のすくい面側をそれぞれ滑らか
に凹ませてすくい角を零度に近付け、２本の隣接する先
端刃６，外周刃７の間の各面の逃げ面側をそれぞれ滑ら
かに膨らませて逃げ角を零度に近付けている。
ルエンドミルは、第１例における４本の円弧形状の先端
刃６について、２本の隣接する先端刃６の間の各面をそ
れぞれ滑らかに湾曲させて、すくい角と逃げ角を位置に
よって変化しない一定値にしている。また、図７に示す
ように、４本の円弧形状の先端刃６と４本の直線形状の
外周刃７について、それぞれ、２本の隣接する先端刃
６，外周刃７の間の各面のすくい面側をそれぞれ滑らか
に凹ませてすくい角を零度に近付け、２本の隣接する先
端刃６，外周刃７の間の各面の逃げ面側をそれぞれ滑ら
かに膨らませて逃げ角を零度に近付けている。
【００２８】例えば、先端刃６は、その法線方向の端面
を図８に示すように、すくい角αを−３０度、逃げ角β
を７度にして、刃物角θを１１３度にしている。ねじれ
角は０度である。
を図８に示すように、すくい角αを−３０度、逃げ角β
を７度にして、刃物角θを１１３度にしている。ねじれ
角は０度である。
【００２９】その他の点は、第１例におけるのと同様で
ある。
ある。
【００３０】また、先端刃６と外周刃７の一方または両
方について、すくい角と逃げ角の一方または両方を所望
の通りに位置に応じて変化させることもできる。
方について、すくい角と逃げ角の一方または両方を所望
の通りに位置に応じて変化させることもできる。
【００３１】要するに、切削性能を向上させるため、先
端刃６と外周刃７の一方または両方は、すくい角と逃げ
角の一方または両方を切削条件に応じた一定の最適角
度、または、位置に応じて変化する最適角度に調整する
ことができる。
端刃６と外周刃７の一方または両方は、すくい角と逃げ
角の一方または両方を切削条件に応じた一定の最適角
度、または、位置に応じて変化する最適角度に調整する
ことができる。
【００３２】＜第３例（図９〜図１２参照）＞本例のボ
ールエンドミルは、図９と図１１に示すように、第１例
における正方形断面の軸状本体２にその各稜線からそれ
ぞれ軸芯に向って形成した溝３を、軸芯部に到達させ
ず、浅くしている。浅い各溝３には、それぞれ、ＣＢＮ
燒結体の幅狭の平板４を嵌め込んで固定し、幅狭の各平
板４の凸状外側端を、それぞれ、各溝３の開口から突出
し、切れ刃６，７に形成している。即ち、ＣＢＮ燒結体
の平板４の埋め込み深さを浅くしている。
ールエンドミルは、図９と図１１に示すように、第１例
における正方形断面の軸状本体２にその各稜線からそれ
ぞれ軸芯に向って形成した溝３を、軸芯部に到達させ
ず、浅くしている。浅い各溝３には、それぞれ、ＣＢＮ
燒結体の幅狭の平板４を嵌め込んで固定し、幅狭の各平
板４の凸状外側端を、それぞれ、各溝３の開口から突出
し、切れ刃６，７に形成している。即ち、ＣＢＮ燒結体
の平板４の埋め込み深さを浅くしている。
【００３３】軸状本体２の先端面には、図１０と図１２
に示すように、小径の短い中心孔５を形成し、中心孔５
に隣接した部分に軸状本体２と同一の超硬合金の４本の
切れ刃１１を形成し、超硬合金の各切れ刃１１をそれぞ
れその外回りのＣＢＮ燒結体の各切れ刃６に接続してい
る。
に示すように、小径の短い中心孔５を形成し、中心孔５
に隣接した部分に軸状本体２と同一の超硬合金の４本の
切れ刃１１を形成し、超硬合金の各切れ刃１１をそれぞ
れその外回りのＣＢＮ燒結体の各切れ刃６に接続してい
る。
【００３４】換言すると、第１例におけるＣＢＮ燒結体
の先端刃６は、耐衝撃性が要求される中心孔５に隣接し
た部分では、ＣＢＮ燒結体よりじん性の高い超硬合金の
切れ刃１１に置き換えている。
の先端刃６は、耐衝撃性が要求される中心孔５に隣接し
た部分では、ＣＢＮ燒結体よりじん性の高い超硬合金の
切れ刃１１に置き換えている。
【００３５】軸状本体２と同一材料の切れ刃１１の長さ
は、ＣＢＮ燒結体の平板４の埋め込み深さを増減して調
整する。
は、ＣＢＮ燒結体の平板４の埋め込み深さを増減して調
整する。
【００３６】その他の点は、第１例におけるのと同様で
ある。
ある。
【００３７】＜第４例（図１３〜図１５参照）＞本例の
ボールエンドミルは、図１３と図１４に示すように、第
１例における軸状本体２の断面形状を正三角形にし、切
れ刃６，７を３本にしたものである。
ボールエンドミルは、図１３と図１４に示すように、第
１例における軸状本体２の断面形状を正三角形にし、切
れ刃６，７を３本にしたものである。
【００３８】先端刃６は、中央位置では、その法線方向
の端面を図１５に示すように、すくい角αが−４０度、
逃げ角βが５０度で、刃物角θが８０度である。ねじれ
角は０度である。
の端面を図１５に示すように、すくい角αが−４０度、
逃げ角βが５０度で、刃物角θが８０度である。ねじれ
角は０度である。
【００３９】外周刃７は、すくい角が−３０度、逃げ角
が６０度で、刃物角が６０度である。ねじれ角は０度で
ある。
が６０度で、刃物角が６０度である。ねじれ角は０度で
ある。
【００４０】その他の点は、第１例におけるのと同様で
ある。
ある。
【００４１】＜第５例（図１６〜図１８参照）＞本例の
ボールエンドミルは、図１６と図１７に示すように、第
１例における軸状本体２の断面形状を正六角形にし、切
れ刃６，７を６本にしたものである。
ボールエンドミルは、図１６と図１７に示すように、第
１例における軸状本体２の断面形状を正六角形にし、切
れ刃６，７を６本にしたものである。
【００４２】先端刃６は、中央位置では、その法線方向
の端面を図１８に示すように、すくい角αが−７０度、
逃げ角βが２０度で、刃物角θが１４０度である。ねじ
れ角は０度である。
の端面を図１８に示すように、すくい角αが−７０度、
逃げ角βが２０度で、刃物角θが１４０度である。ねじ
れ角は０度である。
【００４３】外周刃７は、すくい角が−６０度、逃げ角
が３０度で、刃物角が１２０度である。ねじれ角は０度
である。
が３０度で、刃物角が１２０度である。ねじれ角は０度
である。
【００４４】その他の点は、第１例におけるのと同様で
ある。
ある。
【００４５】＜第１実験例＞本発明品と従来品をそれぞ
れ用いて、硬度ＨＲＣ６０に熱処理した金型用の合金工
具鋼ＳＫＤ１１の平面を、３８cm2の面積について、工
具回転速度２０，０００rpm、取り代０．３mm、ピック
送り０．４mm、工具送り０．１mm／刃、下向き削りの条
件で切削した。
れ用いて、硬度ＨＲＣ６０に熱処理した金型用の合金工
具鋼ＳＫＤ１１の平面を、３８cm2の面積について、工
具回転速度２０，０００rpm、取り代０．３mm、ピック
送り０．４mm、工具送り０．１mm／刃、下向き削りの条
件で切削した。
【００４６】本発明品は、第２例のボールエンドミルに
おいて、一対の対応位置の切れ刃６，７をなくして２枚
刃にし、先端刃６のすくい角αを−３５度、逃げ角βを
１０度にして、刃物角θを１１５度にし、先端刃６が配
列する半球面の直径２Ｒを１０mmに、中心孔５の直径ｄ
を０．３mmにしたものである。ねじれ角は０度である。
おいて、一対の対応位置の切れ刃６，７をなくして２枚
刃にし、先端刃６のすくい角αを−３５度、逃げ角βを
１０度にして、刃物角θを１１５度にし、先端刃６が配
列する半球面の直径２Ｒを１０mmに、中心孔５の直径ｄ
を０．３mmにしたものである。ねじれ角は０度である。
【００４７】従来品は、従来技術として前記した特開平
５−９６４１６号公報に開示の被覆工具である。
５−９６４１６号公報に開示の被覆工具である。
【００４８】切削抵抗は、本発明品においては、軸芯方
向で２５．６kg・f、ピック送り方向で２４．４kg・f、工
具送り方向で１７．２kg・fであった。従来品において
は、軸芯方向で２７．２kg・f、ピック送り方向で２０．
０kg・f、工具送り方向で１６．１kg・fであった。本発明
品においては、先端面の軸芯部の切れ刃がないので、軸
芯方向の切削抵抗が小さくなっている。他の２方向の切
削抵抗は、大きくなっているが、その増加量は少ない。
向で２５．６kg・f、ピック送り方向で２４．４kg・f、工
具送り方向で１７．２kg・fであった。従来品において
は、軸芯方向で２７．２kg・f、ピック送り方向で２０．
０kg・f、工具送り方向で１６．１kg・fであった。本発明
品においては、先端面の軸芯部の切れ刃がないので、軸
芯方向の切削抵抗が小さくなっている。他の２方向の切
削抵抗は、大きくなっているが、その増加量は少ない。
【００４９】切れ刃の損傷は、本発明品においては、少
なく、継続使用が可能な状態であった。従来品において
は、切削速度が零または零に近くなる軸芯部で、突発的
と思われる先端刃の欠損が生じ、切削速度が高くなる外
周刃で、すくい面のクレータ摩耗に起因する欠損が生じ
た。
なく、継続使用が可能な状態であった。従来品において
は、切削速度が零または零に近くなる軸芯部で、突発的
と思われる先端刃の欠損が生じ、切削速度が高くなる外
周刃で、すくい面のクレータ摩耗に起因する欠損が生じ
た。
【００５０】＜第２実験例＞第１実験例の本発明品と従
来品をそれぞれ用いて、第１実験例の合金工具鋼ＳＫＤ
１１の平面を、工具回転速度２０，０００rpm、取り代
０．３mm、ピック送り０．３mm、工具送り０．１４mm／
刃、下向き削りの条件で切削した。
来品をそれぞれ用いて、第１実験例の合金工具鋼ＳＫＤ
１１の平面を、工具回転速度２０，０００rpm、取り代
０．３mm、ピック送り０．３mm、工具送り０．１４mm／
刃、下向き削りの条件で切削した。
【００５１】本発明品は、８００cm2の面積まで切削す
ることができた。従来品は、５０cm2の面積まで切削し
たところで、すくい面のクレータ摩耗に起因する欠損の
ため切削不能になった。本発明品は、耐久性が高く、高
硬度材料を長時間高速切削することができる。
ることができた。従来品は、５０cm2の面積まで切削し
たところで、すくい面のクレータ摩耗に起因する欠損の
ため切削不能になった。本発明品は、耐久性が高く、高
硬度材料を長時間高速切削することができる。
【００５２】＜第３実験例＞第１実験例の本発明品とそ
れの先端刃６のすくい角αを−５５度にして刃物角θを
１３０度にした本発明品をそれぞれ用いて、図１９に示
すように、第１実験例の合金工具鋼ＳＫＤ１１の８０度
傾斜面を、２２７cm2の面積について、工具回転速度２
０，０００rpm、取り代０．３mm、ピック送り０．３m
m、工具送り０．１４mm／刃、下向き削りの条件で切削
した。
れの先端刃６のすくい角αを−５５度にして刃物角θを
１３０度にした本発明品をそれぞれ用いて、図１９に示
すように、第１実験例の合金工具鋼ＳＫＤ１１の８０度
傾斜面を、２２７cm2の面積について、工具回転速度２
０，０００rpm、取り代０．３mm、ピック送り０．３m
m、工具送り０．１４mm／刃、下向き削りの条件で切削
した。
【００５３】いずれの本発明品も、先端刃６の損傷が少
なく、継続使用が可能な状態であった。
なく、継続使用が可能な状態であった。
【００５４】いずれの実験例においても、切り屑は、略
くさび形状に細かく分断され、くさび形の尖った側が先
端刃６の軸芯側で生成されている。従って、切り屑排出
溝の断面積が狭くても、切り屑が排出される。
くさび形状に細かく分断され、くさび形の尖った側が先
端刃６の軸芯側で生成されている。従って、切り屑排出
溝の断面積が狭くても、切り屑が排出される。
【図１】本発明の実施形態の第１例のボールエンドミル
の正面図。
の正面図。
【図２】同例のボールエンドミルの側面図。
【図３】図２のＡ−Ａ線断面図。
【図４】図２のＢ−Ｂ線断面図。
【図５】図４のＣ−Ｃ線断面図。
【図６】図２のＤ−Ｄ線端面部分拡大図。
【図７】第２例のボールエンドミルの横断面であって、
図４と同様な断面図。
図４と同様な断面図。
【図８】同例のボールエンドミルの先端刃中央位置の法
線方向の端面であって、図６と同様な端面部分拡大図。
線方向の端面であって、図６と同様な端面部分拡大図。
【図９】第３例のボールエンドミルの正面図。
【図１０】同例のボールエンドミルの側面図。
【図１１】図１０のＥ−Ｅ線断面図。
【図１２】図１０のＦ−Ｆ線断面図。
【図１３】第４例のボールエンドミルの正面図。
【図１４】同例のボールエンドミルの側面図。
【図１５】図１４のＧ−Ｇ線端面部分拡大図。
【図１６】第５例のボールエンドミルの正面図。
【図１７】同例のボールエンドミルの側面図。
【図１８】図１７のＨ−Ｈ線端面部分拡大図。
【図１９】第３実験例における切削状態を示す説明図。
２ 軸状本体 ４ ＣＢＮ燒結体の平板，超高圧燒結体の板 ５ 中心孔 ６ ＣＢＮ燒結体の切れ刃，先端刃 ７ ＣＢＮ燒結体の切れ刃，外周刃 １１ 超硬合金の切れ刃，軸状本体と同一材料の切れ刃
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 国雄 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の１ 株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 渡辺 一樹 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 高田 泰久 愛知県豊田市トヨタ町１番地 トヨタ自動 車株式会社内
Claims (4)
- 【請求項１】 軸状本体の先端面に複数の切れ刃を半球
面上に配列して形成し、軸状本体の外周面に複数の切れ
刃を円筒面上に配列して形成したボールエンドミルにお
いて、 軸状本体の先端面の軸芯部に孔を設けて切れ刃を形成せ
ずに、先端面の軸芯部以外の部分に切れ刃を形成したこ
とを特徴とするボールエンドミル。 - 【請求項２】 軸状本体を超硬合金または高速度鋼で構
成し、軸状本体に超高圧燒結体の板を埋め込み、軸状本
体の先端面と外周面に突出した超高圧燒結体の板の側端
に切れ刃を形成したことを特徴とする請求項１に記載の
ボールエンドミル。 - 【請求項３】 超高圧燒結体の板を軸状本体の軸芯方向
に沿って配置し、切れ刃のねじれ角を零度にしたことを
特徴とする請求項２に記載のボールエンドミル。 - 【請求項４】 軸状本体の先端面には、軸芯部の孔に隣
接した部分に軸状本体と同一材料の切れ刃を形成し、軸
状本体と同一材料の切れ刃をその外回りの超高圧燒結体
の切れ刃に接続したことを特徴とする請求項２または３
に記載のボールエンドミル。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7563596A JPH09262713A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | ボールエンドミル |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7563596A JPH09262713A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | ボールエンドミル |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09262713A true JPH09262713A (ja) | 1997-10-07 |
Family
ID=13581920
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7563596A Pending JPH09262713A (ja) | 1996-03-29 | 1996-03-29 | ボールエンドミル |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09262713A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007319993A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Mitsui Kokuin:Kk | エンドミル |
| JP2008012610A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Sumitomo Electric Hardmetal Corp | Ｃｂｎボールエンドミル |
| WO2009060833A1 (ja) | 2007-11-07 | 2009-05-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | ボールエンドミル |
| JP2009262320A (ja) * | 2008-04-16 | 2009-11-12 | Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co Kg | ブリスクをフライス加工する方法 |
| JPWO2021172065A1 (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-02 |
-
1996
- 1996-03-29 JP JP7563596A patent/JPH09262713A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007319993A (ja) * | 2006-06-01 | 2007-12-13 | Mitsui Kokuin:Kk | エンドミル |
| JP2008012610A (ja) * | 2006-07-04 | 2008-01-24 | Sumitomo Electric Hardmetal Corp | Ｃｂｎボールエンドミル |
| WO2009060833A1 (ja) | 2007-11-07 | 2009-05-14 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | ボールエンドミル |
| US8585329B2 (en) | 2007-11-07 | 2013-11-19 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Ball end mill |
| JP2009262320A (ja) * | 2008-04-16 | 2009-11-12 | Rolls-Royce Deutschland Ltd & Co Kg | ブリスクをフライス加工する方法 |
| JPWO2021172065A1 (ja) * | 2020-02-28 | 2021-09-02 |
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