JP5001962B2 - 易開封性容器、易開封性容器の製造方法、及び易開封性容器の製造装置 - Google Patents
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Description
このような蓋付き容器は、容器の内部に収納される食品類を安全に保存するという観点から、容器本体に設けられたフランジ部と蓋材をヒートシールして、かかるヒートシールにより形成されたシール部を剥がれにくくするといった高い密封性が必要とされるとともに、蓋材を開封する場合にあっては、当該蓋材を容器本体から簡便に剥離可能とする、密封性と易開封性という相反する特性を同時に具備する必要があった。
また、前記した特許文献2に開示された技術は、樹脂溜まりを両側に形成すると、その後の別工程のヒートシールで片側の樹脂溜まりを潰した場合も含め、容器の開封時にバーの外周部にできた樹脂溜まりの一部が伸びてしまい、その結果開封外観も悪くなるという問題点があった。更には、容器のシール層とその隣接層の間をシール部の開封面とした場合であっても、シール層が安定して切断されず、開封外観が悪くなってしまっていた。
そして、前記した特許文献3に開示された技術は、実際の使用にあっては、開封開始部の容器のシール層が破断しなかったり、また、容器のシール層とその隣接層との剥離がスムースに行われない等により易開封性が十分でないことに加え、開封時に応力を加えると表面層が伸びてしまい開封外観が悪くなるという問題が生じていた。また、この構成の易開封性容器は、開封開始が困難であるという問題もあった。
更には、この樹脂溜まり部を形成することで、蓋材を開けようとする応力(内圧)が集中する樹脂溜まりの付け根(フランジ内周側)と、内圧で蓋材が開封する場合は、最初に破壊される可能性が高い部位(例えば、後記する図6で言えば、樹脂溜まり部6の上部に現れている、蓋材3のシール層31と、容器本体2の容器表面層21の境界付近)を離れさせることができるため、内圧に対し開き難い(以下、「高密封性」とすることもある)を維持することができる。
ここで、容器本体の表面層及び蓋材のシール層の少なくともいずれかが凝集破壊されるとは、開封に際し、当該表面層、又は蓋材シール層が凝集破壊される層となって開封されていくことのみならず、容器本体の表面層と蓋材のシール層の何れも凝集破壊して開封されていく態様も含む。
また、前記容器本体の表面層及び前記蓋材のシール層の少なくともいずれかに、蓋材を開封する時の力で凝集破壊する材料を選択することで、蓋材や容器の表面層等が破断したり、開封時に応力を加えた際に表面層が伸びてしまい容器の開封外観が悪くなるという、問題の発生を防止することができる。
更には、製造に際し環状シール盤の位置決め等も厳密でないため、生産性も良好であり、高品質の易開封性容器を低コストで提供することができる。
[第1実施形態]
(I)易開封性容器1の構成:
図1は、本発明の易開封性容器1の一態様(第1実施形態)を示した概略図であり、図1(A)は蓋材3で密封された状態、図1(B)は開封開始部4から蓋材3を開封した状態をそれぞれ示している。また、図2は、図1の開封開始部4の断面図である。
一方、密封状態の易開封性容器1を開封するには、図1(B)に示すように(及び後記する図6及び図7にも示すように)、易開封性容器1の隅角に設けられた開封開始部4において蓋材3を上部(図1(B)の矢印方向)に引き上げるようにすれば、易開封性容器1が簡便に開封される。
図1及び図2に示される易開封性容器1は、容器本体2を備え、この容器本体2は、表面層21、表面下層22、基材層23の3層からなる積層体である。
また、当該容器本体2は、所定の深さを有する略長方形のトレー形状であって、略長方形状の開口部24を有し、当該開口部24の周縁には、外側に張り出すようにフランジ部25が配設されている。
表面層21を構成可能な樹脂は、例えば、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体やスチレングラフトプロピレン樹脂の少なくとも一つを、ポリプロピレン系樹脂にブレンドして得られた樹脂組成物が挙げられる。この場合にあっては、エチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体やスチレングラフトプロピレン樹脂は、ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して、好ましくは10〜50重量部、特に好ましくは15〜40重量部程度添加するようにすればよい。
更には、容器本体2を構成する基材層23は、容器本体2の外部に現れる層であり、構成材料としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のオレフィン系樹脂やポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂等の材料、及びこれらのブレンド材料の単層または積層体や、また、ガスバリアー性を付与すべく、例えばエチレンビニルアルコール共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)等の樹脂材料やアルミ蒸着等で形成されたガスバリアー層を形成する樹脂等を使用することができる。
蓋材3は、本実施形態にあっては、易開封性容器1の外部に現れる外層32と、容器本体2の表面層21とヒートシールされるシール層31からなる積層体である。
容器本体2の表面層21とヒートシールされる蓋材3のシール層31は、容器本体2の表面層21が凝集破壊して剥離する開封態様で、当該表面層21を構成する樹脂として前記した樹脂組成物を採用する場合にあっては、ランダムポリプロピレン(RPP)やブロックポリプロピレン(BPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレン等を使用することができる。
本実施形態の易開封性容器1は、図2に示すように、フランジ部25上に有るシール部の内周縁近傍(図2のXの位置)に、容器本体2の表面下層22、表面層21及び蓋材3のシール層31が、容器本体2の開口部24方向に押し出されるようにして、瘤(こぶ)状の樹脂溜まり部6が形成されている。
図2に示すように、樹脂溜まり部6は、容器本体2の表面層21の樹脂溜まり61、表面下層22の樹脂溜まり62、及び蓋材3のシール層31樹脂溜まり63が集まって形成されているが、容器本体2の表面層21が凝集剥離される開封形態の易開封性容器1にこのような樹脂溜まり部6を形成させることにより、包装容器として高い密封性を備えた上で、凝集剥離による開封形態を採用して易開封性を良好な状態で維持するとともに、当該樹脂溜まり部6における蓋材3と容器本体2のフランジ部25との切断が簡便に行われるとともに、内圧による応力がかかる向きと凝集破壊による開封しやすい向きを異ならせることにより、密封性の向上を実現することとなる。
容器本体2のフランジ部25と蓋材3とのヒートシールは、図3に示すように、容器本体2のフランジ部25に蓋材3を重ね合わせ、当該蓋材3の上部から、加熱状態の環状シール盤7を図3の矢印方向に押圧することにより実施され、これにより、容器本体2のフランジ部25に現れた表面層21と蓋材3のシール層31が融着される。
本実施形態の易開封性容器1を製造するために使用される環状シール盤7は、フランジ部上面に対して、内周縁にR加工が施され、外周縁が環状シール盤7の先端(図5の先端73)より遅れて蓋材3に当たるようにされた形状の環状シール盤7であり、具体的に
は、境界A(環状シール盤7の先端73でもある)を介して、外周縁側には、断面が傾斜状となる傾斜面部71が、また、内周縁側には、R加工されて断面が曲面状の曲面部72が連続して形成されている。
この傾斜面部71の角度が2°より小さいと、ヒートシール時に押圧した場合であっても、前記した図2に示すような樹脂溜まり部6が、シール部26の外周縁近傍にも形成され易くなり、得られた容器1の開封時におけるシール部26外側で抵抗が大きくなり、易開封性容器1の開封を円滑に行うことが困難となる。一方、傾斜面部71の角度が20°を超えると、境界Aの周辺がなだらかでなく尖ってしまい、シール時若しくは開封時に蓋材3が切断されてしまう場合があり、易開封性が損なわれるおそれがある。
図6は、本実施形態の易開封性容器1が初期開封された状態を示した断面図であり、図7は、当該易開封性容器1が完全に開封された状態を示した断面図である。
なお、ここでいう「初期開封された状態」とは、凝集剥離された剥離面が樹脂溜まり部6まで達していない状態を指す。
また、この凝集剥離が樹脂溜まり部6に達したところにおいては、表面層21の凝集剥離は、当該表面層21と隣接する表面下層22に形成された樹脂溜まり62の形状に沿って進行されることになる。
前記したような第1実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)易開封性容器1が、開口部24の周縁にフランジ部25を配設する容器本体2と、この容器本体2のフランジ部25と蓋材3が環状にヒートシールされてなるので、高い密封性が維持されるとともに、容器本体2の表面層21が凝集破壊することで、蓋材3が開封可能とされるため、容器本体2の表面層21とこの表面層21に隣接する表面下層22とを界面剥離させる態様と比較して、初期開封強度も安定し、開封がスムースに進行される。また、開封時に、樹脂溜まり部6にある表面層21が伸びて、容器1の開封外観が悪くなるという問題の発生を防止することができる。
[第2実施形態]
前記した第1実施形態の易開封性容器1は、容器本体2と蓋材3が開封するに際し、容器本体2の表面層21が凝集剥離して開封される態様を示すものであった。
これに対して、第2実施形態の易開封性容器1aは、図8及び図9に示すように、容器本体2と蓋材3が開封するに際して、蓋材3のシール層31が凝集剥離するという点において、第1実施形態と相違する。
なお、本実施形態においては、前記した第1実施形態と同一構造及び同一部材については、同一符号を付すとともに、その説明は省略又は簡略化している。
図8及び図9に示すように、易開封性容器1aを構成する蓋材3のシール層31が凝集破壊して、蓋材3が剥離するようにするには、シール層31を構成する材料として、スチレングラフトプロピレン樹脂、接着性ポリオレフィン樹脂等を使用することができる。
また、容器本体2の表面層21としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂やこれらのブレンド系を使用すればよい。
蓋材3のシール層31の凝集剥離がシール部の内周縁近傍(切断位置にもなる)Xにまで達した後は、シール層31の樹脂溜まり63が切断されることにより、易開封性容器1における容器本体2と蓋材3との開封が容易に行われることになる。
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。
その場合、図6〜図9で言えば、表面層21と表面下層22は、別層のように見えるが同一部材で、便宜的に、表面下層22の凝集破壊される部分(フランジ部25の表面)を表面層21と示した、と見る。
その他、本発明の実施における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
下記の材料及び方法を用いて、全体形状を図1、また、開封開始部の断面構成を図2に示す本発明の易開封性容器を製造した。
共押出成形により、次の表面層21/表面下層22/基材層23からなる、厚さが600μmの積層体を成形した。
表面層21:ポリプロピレン(70質量%)+エチレンアクリル酸エステルー無水マ
レイン酸共重合体(30質量%) (20μm)
表面下層22:ポリプロピレン(80質量%)+ポリエチレン(20質量%) (1
00μm)
基材層23:ポリプロピレン(150μm)/接着性樹脂(5μm)/エチレンビニ
ルアルコール(EVOH)(30μm)/接着性樹脂(5μm)/ポリプロ
ピレン(300μm)の積層体
なお、この構成の容器本体2と蓋材3を使用すると、開封時は、容器本体2の表面層21の凝集破壊により剥離が進行する凝集剥離が行われる。
シール層31:ポリエチレン(60μm)
外層32:ポリエチレンテレフタレート(PET)(12μm)/ポリアミド(ナイロン)(15μm)(PET/Ny/PEの順)
シール温度: 200℃
シール圧力: 200kg/個
時間: 2.0秒
ヒートシールの回数: 1回
シール巾: 3mm
傾斜角度θ(傾斜面部71): 6°
R加工(曲面部72): 1.0mmR
実施例1において、蓋材3の構成を下記のようにした以外は、実施例1と同様な方法を用いて、本発明の易開封性容器1を製造した。
なお、この構成の容器本体2と蓋材3を使用すると、実施例1と同様、開封時は、容器本体2の表面層21の凝集破壊により剥離が進行する凝集剥離が行われる。
シール層31:ポリプロピレン(60μm)
外層32:実施例1と同様とした。
実施例1において、容器本体2の構成と蓋材3の構成を下記のようにした以外は、実施例1と同様な方法を用いて、本発明の易開封性容器1を製造した。
なお、この構成の容器本体2と蓋材3を使用すると、開封時は、蓋材3のシール層31の凝集破壊により剥離が進行する凝集剥離が行われる。
表面層21:ポリプロピレン(80質量%)+ポリエチレン(20質量%)(50μm)
表面下層22:ポリプロピレン(100μm)
基材層23:ポリプロピレン(100μm)/接着性樹脂(5μm)/エチレンビニ
ルアルコール(EVOH)(30μm)/接着性樹脂(5μm)/ポリプロピ
レン(420μm)の積層体
シール層31:スチレングラフトプロピレン(60μm)
外層32:実施例1と同様とした。
実施例1において、環状シール盤7として、傾斜面部71と曲面部72を環状に連続して形成したシールリングを使用する代わりに、開封開始部4に対応する部位に対してのみ、図5に示した形状の傾斜面部71と曲面部72を形成して、その他の部分は、傾斜面部がなく、内周縁、外周縁に実施例1と同じR加工された曲面部72を備えたシールリングを用いる以外は、実施例1と同様な方法を用いて、本発明の易開封性容器1を製造した。
実施例1において、環状シール盤として、その断面形状が、蓋材と接する面が全周にわたって平滑とされたシールリングを用いる以外は、実施例1と同様な方法を用いて、易開封性容器を製造した。
なお、かかる形状の環状シール盤(シールリング)を使用してヒートシールした場合にあっては、易開封性容器のフランジ部にあるシール部の内周縁近傍には、瘤状の樹脂溜まり部は形成されないこととなる。
実施例1において、環状シール盤として、その断面形状が、外周縁側に、実施例1(図5)で使用した環状シール盤の内周縁側と同形状な曲面部、内周縁側に、実施例1で使用した環状シール盤の外周縁側と同形状の傾斜面部がそれぞれ形成された環状シール盤を使用した以外は、実施例1と同様な方法を用いて、易開封性容器を製造した。
なお、かかる形状の環状シール盤(シールリング)を使用してヒートシールした場合にあっては、易開封性容器のシール部内周縁近傍には樹脂溜まり部が形成されない一方、フランジ部のシール部の外周縁近傍に樹脂溜まり部が形成されることになる。
実施例1において、容器本体の構成を下記のようにした以外は、実施例1と同様な方法を用いて、易開封性容器を製造した。
なお、かかる構成の容器本体のフランジ部と蓋材をヒートシールした易開封性容器の開封は、容器本体の表面層と表面下層の界面が剥離する界面剥離によって実施される。
表面層:ポリエチレン(70μm)
表面下層:ポリプロピレン(80質量%)+ポリエチレン(20質量%) (100
μm)
基材層:ポリプロピレン(150μm)/接着性樹脂(5μm)/エチレンビニルア
ルコール(EVOH)(30μm)/接着性樹脂(5μm)/ポリプロピレン(300μm)の積層体
前記のようにして得られた実施例1〜4及び比較例1〜3の開封強度、シール強度、内圧強度及び開封時の開封外感を下記の基準にて比較・評価した。結果を表1に示す。
図10(A)に示すように、容器1の隅角(開封開始部)を15mm巾に切断して試験サンプルとし、当該サンプルを、フランジ部の外側(フランジ部の外周縁側)から内側(容器本体の開口部側)(図10(A)の矢印方向)へオートグラフ引張試験機を用いて、135°剥離で300mm/minの条件で測定した。試験は、n=6で行った。
また、実施例4については、開封開始部でない任意の位置(非開封部)についてもサンプルを作成して、同様に測定した。
図10(B)に示すように、容器1の4辺を15mm巾に切断して試験サンプルとし、フランジ部の内側から外側(図10(B)の矢印方向)へ、オートグラフ引張試験機を用いて、180°剥離で300mm/minの条件で測定した。試験は、n=12で行った。
易開封性容器に加圧空気を1.0±0.2リットル/minで注入し、当該容器が破裂したときの圧力(MPa)を測定した。試験は、n=5で行った。
開封後の開封開始部の外観を目視で評価した。評価内容は、開封開始部の外観が全体的に良好の場合を「良」、開封開始部の外観について一部分が悪い場合を「一部悪」、開封開始部の外観について全体が悪い場合を「悪」とした3段階で評価した。
従って、実施例1〜実施例3の易開封性容器は、易開封性と高密封性を兼ね備えた容器であることが確認できた。更には、実施例1〜実施例3の易開封性容器の開封外観も、概ね良好であった。
また、シール部の外周縁近傍に樹脂溜まり部が形成される比較例2は、シール強度が小さく、かつ、内圧強度も小さく、高密封性が良好でなかった。更には、比較例2の易開封性容器は、開封外観も良好ではなかった。
そして、易開封性容器の開封が、容器本体の表面層と表面下層の界面が剥離する界面剥離によって実施される比較例3は、開封強度が大きく、易開封性が良好でないことに加えて、開封外観も悪かった。
従って、比較例で得られた易開封性容器は、易開封性と高密封性を兼ね備えたものではなく、実施例で得られた、高密封性と易開封性を兼ね備えた本発明の易開封性容器と比較すると劣るものであった。
2 …容器本体
21…表面層
22…表面下層
23…基材層
24…フランジ部
25…開口部
3 …蓋材
31…シール層
32…外層
4 …開封開始部
6 …樹脂溜まり部
61…樹脂溜まり(容器本体2の表面層21)
62…樹脂溜まり(容器本体2の表面下層22)
63…樹脂溜まり(蓋材3のシール層31)
7 …環状シール盤(第1の環状シール盤)
71…傾斜面部
72…曲面部
73…先端
A …境界
X …シール部の内周部近傍(切断位置)
Claims (4)
- 開口部の周縁にフランジ部を配設する容器本体を備え、当該フランジ部に現れる容器本体の表面層と蓋材のシール層が環状にヒートシールしてなる易開封性容器であって、
前記容器本体の表面層及び前記蓋材のシール層の少なくともいずれかが凝集破壊することで、蓋材が開封可能とされ、
前記容器本体の表面層、当該表面層に隣接する層及び蓋材のシール層の構成樹脂からなる瘤状の樹脂溜まり部が、開封開始部においては前記フランジ部に有るシール部の内周縁近傍に選択的に形成され、前記開封開始部以外においては前記シール部の内周縁近傍及び前記シール部の外周縁近傍に形成され、
前記開封開始部における前記シール部の内周縁近傍に選択的に形成された前記樹脂溜まり部は、その前記容器本体外周側の付け根近傍において湾曲している
ことを特徴とする易開封性容器。 - 開口部の周縁にフランジ部を配設する容器本体を備え、当該フランジ部に現れる容器本体の表面層と蓋材のシール層が環状にヒートシールされ、前記容器本体の表面層及び前記蓋材のシール層の少なくともいずれかが凝集破壊することで、蓋材が開封可能とされる易開封性容器の製造方法であって、
前記容器本体のフランジ部上面に蓋材を重ね、
前記フランジ部上面に対して、内周縁にR加工されて断面が曲面状の曲面部が形成された環状シール盤であって、外周縁が前記環状シール盤の先端より蓋材に遅れて接するようにされた傾斜面部を、少なくとも一部に有するとともに、前記曲面部と前記傾斜面部とが連続して形成されている環状シール盤を前記蓋材上部から押圧し、
前記フランジ部の前記環状シール盤の内周縁が接する位置の近傍に、前記容器本体の表面層、当該表面層に隣接する層及び蓋材のシール層の構成樹脂からなる瘤状の樹脂溜まり部を形成し、かつ、少なくとも開封開始部においては、前記樹脂溜まり部を前記フランジ部の前記環状シール盤の内周縁が接する位置の近傍に選択的に形成しながら、前記フランジ部に現れる前記容器本体の前記表面層と、前記蓋材の前記シール層をヒートシールする
ことを特徴とする易開封性容器の製造方法。 - 開口部の周縁にフランジ部を配設する容器本体を備え、当該フランジ部に現れる容器本体の表面層と蓋材のシール層が環状にヒートシールされ、前記容器本体の表面層及び前記蓋材のシール層の少なくともいずれかが凝集破壊することで、蓋材が開封可能とされる易開封性容器の製造方法であって、
前記容器本体のフランジ部上面に蓋材を重ね、
前記フランジ部上面に対して、内周縁にR加工されて断面が曲面状の曲面部が形成された環状シール盤であって、外周縁が前記環状シール盤の先端より蓋材に遅れて接するようにされた傾斜面部を、少なくとも一部に有するとともに、前記曲面部と前記傾斜面部とが連続して形成されている第1の環状シール盤を前記蓋材上部から押圧し、
前記フランジ部の前記環状シール盤の内周縁が接する位置の近傍に、前記容器本体の表面層、当該表面層に隣接する層及び蓋材のシール層の構成樹脂からなる瘤状の樹脂溜まり部を形成し、かつ、少なくとも開封開始部においては、前記樹脂溜まり部を前記フランジ部の前記環状シール盤の内周縁が接する位置の近傍に選択的に形成しながら、前記フランジ部に現れる前記容器本体の前記表面層と、前記蓋材の前記シール層をヒートシールし、
更に、第2の環状シール盤を、前記樹脂溜まりに当該環状シール盤が当たらないようにかつ、前記樹脂溜まり部の外周側を押圧して、前記容器本体の表面層と前記蓋材のシール層をヒートシールすることを特徴とする易開封性容器の製造方法。 - 開口部の周縁にフランジ部を配設する容器本体を備え、当該フランジ部に現れる容器本体の表面層と蓋材のシール層をヒートシールする環状シール盤を備えた易開封性容器の製造装置であって、
前記環状シール盤が、フランジ部上面に対して、内周縁にR加工されて断面が曲面状の曲面部が形成された環状シール盤であって、外周縁が前記環状シール盤の先端より蓋材に遅れて接するようにされた傾斜面部を、少なくとも一部に有するとともに、前記曲面部と前記傾斜面部とが連続して形成されている
ことを特徴とする易開封性容器の製造装置。
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