JP6269938B2 - シール装置、シール方法及びシール容器 - Google Patents
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Description
容器の開口部周縁と密封用フィルムとは、剥離を起こさず密封性を担保する強度でヒートシールされる必要があり、容器の開口部周縁に接する面全体を面状にシールするものや、環状のシールラインに沿ってシールするものが知られている(例えば、特許文献1等参照。)。
また、環状のシールラインに沿ってシールした場合、面状にシールした場合に比べ剥離は容易となるものの、局所的に強度不足の箇所が発生しやすく、密封不良が起こりやすいという問題があった。
このような問題を解決するために、外周側と内周側の2本の環状のシールラインに沿ってヒートシールしたものが公知である(例えば、特許文献2等参照。)。
特に、シール面圧が十分に得られないと、粘稠物や固形物等の内容物の一部が開口部周縁に付着していた場合、シールラインに局所的な強度不足が発生しやすい。
また、粘稠物や固形物等の内容物がシールラインに挟まった場合には、その部分の密封用フィルムに皺が生じて内外が連通する場合があり、液状物がシールライン状に存在した場合、シール時に発泡して同様に内外が連通する場合があり、上記の公知のものでは、これを防止することはできなかった。
このことで、必要なシール強度を確実に確保できるとともに、局所的なシール不良や夾雑物による内外の連通を確実に防止することが可能となる。
また、外側シール部の押圧面の断面形状が、幅方向の中心線上より内側に中心点を有する半径R2の円弧形状に形成されていることにより、シール時に容器と外側シール部の位置に多少のズレが生じても、外側シール部による押圧力の中心が、容器の開口部周縁の外側に外れることが抑制され、容器の位置決め精度を高めるために装置全体を複雑化したり動作速度を低下させることなく、効率的にシールすることが可能となる。
また、外側のシールラインによって、さらに密封性を確実とすることができる。
さらに、外側シール部の外側側部の角部は、内側側部の角部より上方に位置し、外側シール部の押圧面は、内側側部の角部を含み外側側部の角部を含まない部分が密封用フィルムに押しつけられる面であり、外側シール部により容器の開口部周縁に押圧加熱する際、外側シール部の円弧形状のうち外側側部の角部が密封用フィルムに密着する力以下の押圧力で押圧することにより、外側シール溝の外側に向けて徐々にシール強度が小さくなるため、剥離の容易性を確保することができる。
本請求項3に記載の構成によれば、外側シール部の押圧面の断面形状の半径R2が、内側シール部の押圧面の断面形状の半径R1以上であることにより、外側シール部によるシール強度を内側シール部によるシール強度より小さくでき、剥離の容易性を確保することができる。
本請求項4に記載の構成によれば、環状の内側シール部及び環状の外側シール部が、それぞれ独立した別個のシールヘッドに設けられていることにより、シールヘッドを複雑化することなく構成でき、メンテナンス性も向上するとともに、個々に最適な押圧力を設定することで、シール強度、密封性、剥離の容易性をさらに確実に担保することができる。
本請求項6に記載の構成によれば、内側シール部による押圧加熱を解除した後に、内側シール部の押圧した部分の外側領域を、外側シール部により押圧加熱することにより、個々に最適な押圧力を設定することが可能となり、シール強度、密封性、剥離の容易性をさらに確実に担保することができる。
また、環状の内側シール部及び環状の外側シール部を、それぞれ独立した別個のシールヘッドに設けることが可能となり、シールヘッドを複雑化することなく構成でき、メンテナンス性も向上する。
また、外側のシールラインによって、さらに密封性を確実とすることができる。
さらに、外側シールラインの中心線の両側に、表面側から押圧溶着されて断面凹状に陥没した外側シール溝を形成し、外側シール溝の内周側の端縁に段部が形成され、外周側の端縁は、曲面から角部を形成することなく平坦に移行し、或いは、単純な曲面となる傾斜部を形成していることにより、粘稠物や固形物等の内容物の一部が開口部周縁に付着していた場合でも、外側シール溝の内側シール溝側に排除することができるとともに、密封フィルムが開口部周縁の最外縁まで密着していても、外側シール溝の外側に向けて徐々にシール強度が小さくなるため、剥離の容易性を確保することができる。
容器搬送コンベア109による容器の搬送経路上には、上流側から、容器供給部101、容器検出部102、充填部103、第1シールヘッド110、第2シールヘッド120、冷却部106及びトリミング部107が順に設けられている。
また、第1シールヘッド110の上流側には、容器の上部開口部を密封するための密封フィルムFを供給するフィルム供給ロール104が設けられ、トリミング部107より下流側には、密封フィルムFのトリミング後の残部を回収するフィルム巻取ロール108が設けられており、フィルム供給ロール104の直近には、密封フィルムFに製造番号等を印字する印字部105が設けられている。
内側シール部111の容器の開口部周縁に対向する押圧面112の断面形状は、図3(b)に示すように、幅方向の中心線(容器の内側シールライン中心線C1)上に中心点を有する半径R1の円弧形状に形成され、内側シール部111の幅wは半径R1の2倍未満に設定される(本実施例では、幅wは半径R1の1/2(。)。
外側シール部121の容器の開口部周縁に対向する押圧面122の断面形状は、図5(b)に示すように、幅方向の中心線上より内側(内側端面からu2(<u/2)の距離で、容器の外側シールライン中心線C2上に相当)に中心点を有する半径R2の円弧形状に形成されている。
また、外側シール部121の幅uは内側シール部111の幅wより大きく、外側シール部121の押圧面122の断面形状の半径R2は、内側シール部111の押圧面112の断面形状の半径R1以上に設定される。
なお、本実施形態の特徴は、密封用フィルムを容器の開口部周縁に押圧加熱溶着するための構成及び動作にあり、容器搬送コンベア109、容器供給部101、容器検出部102、充填部103、冷却部106、トリミング部107、フィルム供給ロール104、フィルム巻取ロール108、及び印字部105等の構成、動作はいかなるものであってもよいため、第1シールヘッド110及び第2シールヘッド120の動作以外の説明は省略する。
なお、図1乃至図5に示す実施形態のシール装置100においては、内側シール部111と外側シール部121は、それぞれ独立した第1シールヘッド110及び第2シールヘッド120に設けられており、図6乃至図8のように並ぶことはないが、位置関係をわかりやすくするため、内側シール部111と外側シール部121の両方を同時に図示した。
まず、図7に示すように、第1シールヘッド110の内側シール部111が、密封用フィルムFを容器150の開口部周縁151に押圧加熱する。
この時、内側シール部111の円弧形状の押圧面112全体が、密封用フィルムFに密着する力以上の押圧力で押圧されることで、内側シールライン中心線C1の両側に、表面側から押圧接着されて断面凹状に陥没した内側シール溝152が形成される。
また、内側シール部111の幅wが半径R1の2倍未満に設定されることで、内側シール部111の押圧面112側の両側部下端側には角部113が存在し、該角部113が容器の開口部周縁151の表面より下方に押し付けられて段部を形成するため、粘稠物や固形物等の内容物の一部が開口部周縁151に付着していた場合でも、内側シール溝152の内外両側に充分に排除することができる。
この時、外側シール部121の押圧面122が、幅方向の中心線上より内側の容器の外側シールライン中心線C2上に中心点を有する半径R2の円弧形状に形成されていることで、外側シール部121の押圧面122部の内側側部には内側角部123が存在し、該内側角部123が容器の開口部周縁151の表面より下方に押し付けられて段部を形成するため、粘稠物や固形物等の内容物の一部が開口部周縁に付着していた場合でも、外側シール溝153の内側シール溝152側に排除することができる。
また、外側シール部121の押圧面122部の外側側部にも外側角部124が存在しても、内側角部123よりも上方に位置し容器の開口部周縁151の表面より下方に押し付けられないため、外側シール溝153の外側には徐々に曲面から平坦、或いは平坦状の曲面となる傾斜部が形成され、外側に向けて徐々にシール強度が小さくなる。
内側シール溝152の内周側及び外周側の両端縁、及び、外側シール溝153の内周側の端縁には段部が形成され、外側シール溝153の外周側の端縁には徐々に曲面から平坦、或いは平坦状の曲面となる傾斜部が形成される。
また、内側シール部によって、粘稠物や固形物等の内容物の一部が開口部周縁に付着していた場合でも、内側シールラインの両外側に充分に排除することが可能であるため、外側シール部は、上記実施形態のものに限定されず、剥離の容易性をさらに重視した形態にしてもよく、さらには省略することも可能である。
101 ・・・ 容器供給部
102 ・・・ 容器検出部
103 ・・・ 充填部
104 ・・・ フィルム供給ロール
105 ・・・ 印字部
106 ・・・ 冷却部
107 ・・・ トリミング部
108 ・・・ フィルム巻取ロール
109 ・・・ 容器搬送コンベア
110 ・・・ 第1シールヘッド
111 ・・・ 内側シール部
112 ・・・ 押圧面(内側シール部の)
113 ・・・ 角部
120 ・・・ 第2シールヘッド
121 ・・・ 外側シール部
122 ・・・ 押圧面(外側シール部の)
123 ・・・ 内側角部
124 ・・・ 外側角部
150 ・・・ 容器
151 ・・・ 開口部周縁
152 ・・・ 内側シール溝
153 ・・・ 外側シール溝
F ・・・ 密封用フィルム
C1 ・・・ 内側シールライン中心線
C2 ・・・ 外側シールライン中心線
Claims (7)
- 密封用フィルムを容器の開口部周縁に押圧加熱するシールヘッドを備えたシール装置であって、
前記シールヘッドのシール部が、環状の内側シール部及び環状の外側シール部で構成され、
前記内側シール部の押圧面の断面形状が、幅方向の中心線上に中心点を有する半径R1の円弧形状に形成され、
前記内側シール部の幅が、前記半径R1の2倍未満であり、
前記内側シール部の押圧面は、その全体が密封用フィルムに押しつけられる面であり、
前記外側シール部の押圧面の断面形状が、幅方向の中心線上より内側に中心点を有する半径R2の円弧形状に形成され、
前記外側シール部の内側及び外側の両側部には、それぞれ角部が存在し、
前記外側シール部の外側側部の角部は、内側側部の角部より上方に位置し、
前記外側シール部の押圧面は、前記内側側部の角部を含み前記外側側部の角部を含まない部分が密封用フィルムに押しつけられる面であることを特徴とするシール装置。 - 前記外側シール部の幅が、前記内側シール部の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
- 前記外側シール部の押圧面の断面形状の半径R2が、前記内側シール部の押圧面の断面形状の半径R1以上であることを特徴とする請求項2に記載のシール装置。
- 前記環状の内側シール部及び環状の外側シール部が、それぞれ独立した別個のシールヘッドに設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のシール装置。
- 密封用フィルムをシールヘッドにより容器の開口部周縁に押圧加熱して密封するシール方法であって、
前記シールヘッドのシール部が、環状の内側シール部及び環状の外側シール部で構成され、
前記内側シール部の押圧面の断面形状が、幅方向の中心線上に中心点を有する半径R1の円弧形状に形成され、
前記内側シール部の幅が、前記半径R1の2倍未満であり、
前記内側シール部により容器の開口部周縁に押圧加熱する際、内側シール部の円弧形状の押圧面全体が密封用フィルムに密着する力以上の押圧力で押圧し、
前記外側シール部の押圧面の断面形状が、幅方向の中心線上より内側に中心点を有する半径R2の円弧形状に形成され、
前記外側シール部の内側及び外側の両側部には、それぞれ角部が存在し、
前記外側シール部の外側側部の角部は、内側側部の角部より上方に位置し、
前記外側シール部により容器の開口部周縁に押圧加熱する際、前記外側シール部の円弧形状のうち外側側部の角部が密封用フィルムに密着する力以下の押圧力で押圧することを特徴とするシール方法。 - 前記内側シール部による押圧加熱を解除した後に、前記内側シール部の押圧した部分の外側領域を、前記外側シール部により押圧加熱することを特徴とする請求項5に記載のシール方法。
- 密封用フィルムが開口部周縁に押圧加熱されて密封されたシール容器であって、
前記密封フィルムと開口部周縁とが、押圧加熱されて溶着された内側シールライン及び外側シールラインを有し、
前記内側シールラインの中心線の両側に、表面側から押圧溶着されて断面凹状に陥没した内側シール溝を形成し、
前記内側シール溝の内周側及び外周側の両端縁が、段部を形成し、
前記外側シールラインの中心線の両側に、表面側から押圧溶着されて断面凹状に陥没した外側シール溝を形成し、
前記外側シール溝の内周側の端縁に段部が形成され、外周側の端縁は、曲面から角部を形成することなく平坦に移行し、或いは、単純な曲面となる傾斜部を形成していることを特徴とするシール容器。
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