[第1実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る第1実施形態を、図1〜図33に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の遊技盤11には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域R1が形成され、遊技領域R1の中央部に、本発明の「表示手段」に相当する表示装置26が備えられている。遊技領域R1のうち表示装置26の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、遊技領域R1のうち表示装置26等を挟んだ左右の両側には、上から順に、ランプ風車17、始動ゲート18、風車19、一般入賞口20,21が設けられている。
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球が約1つ入る大きさになっている。また、大入賞口15は、横長に形成されて、通常は、可動扉15Tにて閉塞されている。
遊技領域R1のうち始動入賞口14の左側方には、本特図表示部14X及び普通図柄表示部18Xが並べて設けられ、7セグメントLEDがそれぞれ備えられている。一方、始動入賞口14の右側方には、普通保留数表示部18Hが設けられ、4つのLEDが備えられている。なお、遊技領域R1全体に亘って、図示しない複数の障害釘が起立している。
ガイドレール12に沿った両側端部には、電飾装置としてのサイドランプ22,22が設けられている。サイドランプ22,22には、それぞれ3つの発光素子101,102,103が内蔵されている。また、遊技盤11の前面側には、電飾装置としての装飾ランプ35が張り出して設けられ、複数の発光素子(図示せず)が内蔵されている。
さらに、表示装置26に備えた表示枠体23は、複数の発光素子が内蔵され、電飾装置として機能する。詳細には、図2に示すように、表示枠体23の内部には、表示枠体23の上辺の左右両端部に、それぞれ2つの発光素子A1,A3及びA2,A4が上下に並べて備えられている。また、表示枠体23の上辺のうち、円弧状の湾曲部分には、4つの発光素子A5,A6,A7,A8が備えられている。これら発光素子A1〜A8は、LED、電球等で構成されて、本実施形態では、これら8つの発光素子A1〜A8が、本発明に係る「複数の演出用発光部」に相当し、後に詳説するように、発光素子A1〜A8全体に割り当てられたピーク電流が、例えば、600mAに制限されている。
なお、表示枠体23の上辺の中央部には3つの発光素子104,105,106が横並びに備えられている。これら発光素子104〜106や、上記したサイドランプ22,22、装飾ランプ35にも、ピーク電流の制限値を割り当てて、本発明に係る「複数の演出用発光部」として制御してもよい。ここで、本発明に係る「演出用発光部」は、発光素子単体であってもよいし、同じタイミングで点灯・消灯しかつ同じ態様で光量が変化するものであれば、複数の発光素子を1つの「演出用発光部」としてもよい。
図1に示すように、パチンコ遊技機10のうち、遊技盤11より上方には、両側部にスピーカ59Sが備えられている。そして、遊技盤11より下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。そして、下皿27Bの右端部に設けた操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が遊技盤11に向けて弾き出される。また、上皿27Aに設けたボタン29Aを押せば、上皿27Aから下皿27Bに遊技球が移動して収容される。また、下皿27Bの下方に容器(所謂、ドル箱)を配置して下皿27Bに備えた遊技ボタン29Bを押すと下皿27Bに収容されていた遊技球が容器へと移動する。さらに、下皿27Bの左側には、操作ジョグ90が備えられ、遊技ボタン29Bの右側には、球貸し状態表示モニター29C及び球貸し操作ボタン29Eが設けられている。
次に上記した遊技領域R1における所要の各部位について詳説する。始動ゲート18は、ゲートスイッチ30(図4参照)を内蔵している。そして、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄表示部18Xに、例えば、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示された後、所定の数字が確定表示される。そして、その確定表示した数字が奇数であった場合に、遊技盤11の裏に設けた駆動装置(例えば、ソレノイド)が駆動されて、始動入賞口14の可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒間)に亘って横に倒される。すると、始動入賞口14の上方空間が側方に開放し、遊技球が可動翼片14C,14Cに受け止められて始動入賞口14に案内されるようになる。
始動入賞口14に遊技球が入賞する(本発明に係る「当否判定条件」に相当する)と、始動入賞口14内に設けた始動口センサ31(図4参照)が遊技球を検出し、本特図表示部14Xに、例えば、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示すると共に、その検出信号に基づいて特別図柄80,81,82(本発明に係る「判定図柄」に相当する)が、表示装置26にて変動表示される。所定条件の成立によって、パチンコ遊技機10が「大当たり状態」になると、遊技盤11の裏に設けた、ソレノイド15S(図4参照)が駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能な大当たり遊技が実行される。
即ち、始動ゲート18に遊技球が入球すると、始動入賞口14の可動翼片14Cを開くか否かの当否判定を受ける権利(普通図柄判定権利)が発生し、始動入賞口14に遊技球が入球すると、大入賞口15の可動扉15Tを開くか否かの当否判定を受ける権利(特別図柄判定権利)が発生する。その普通図柄判定権利及び特別図柄判定権利は使うことによって消滅する。なお、普通図柄表示部18X及び本特図表示部14Xで表示される図柄は、数字図柄に限るものではなく、アルファベットや、記号等でもよい。
そして、普通図柄表示部18Xに数字が変動表示されている間に始動ゲート18に遊技球が入球すると、普通図柄判定権利は保留されて貯まっていく。その保留数は、普通図柄表示部18Xへの変動表示中の保留数を含めずに、例えば、最高4つに設定されており、その普通図柄判定権利の保留数は、普通保留数表示部18Hにて表示される。
ここで、大入賞口15の可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が29秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に終了し、最大で、例えば、15ラウンドまで行われる。
大入賞口15の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられており、これら継続入賞口及び計数入賞口が開放される。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイドが駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサ32(図4を参照)が遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件(可動扉15Tの開放時間が29秒に到達、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞)を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサ33(図4参照)が遊技球の入賞を検出すると、前記継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。なお、大当たり遊技は、15ラウンド目が終了したか、1つのラウンド中に継続入賞口へ遊技球が1つも入賞しなかった場合に終了する。
表示装置26は、全体として枠形構造をなした表示枠体23の後端面に、図示しない液晶モジュール(詳細には、TFT−LCDモジュール)を組み付けてなる。液晶モジュールのうち表示枠体23によって取り囲まれた前面部分は、特別図柄表示部34Aとなっており、遊技者は、表示枠体23を通して特別図柄表示部34Aに表示された画像(キャラクター画像、背景画像、文字画像等)を見ることができる。
特別図柄表示部34Aには、3つの左、中、右の特別図柄80,81,82が、横並びに表示されている。これら各特別図柄80,81,82は、通常は、「1」〜「7」の数字図柄を表記した複数種類のもので構成されており、特別図柄80,81,82ごと、所定の種類のものが確定停止表示されている(図1の状態)。
始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、当否判定が行われ、各特別図柄80,81,82が、上下方向にスクロールして変動表示される(図2の状態)。次いで、所定時間経過後に、例えば、左特別図柄80、右特別図柄82、中特別図柄81の順で、スクロール(変動)表示が停止して所定の図柄が確定表示され、確定表示された全部の特別図柄80,81,82が、例えば、ぞろ目になった場合に大当たりが成立し、大当たり遊技が実行される。即ち、各特別図柄80,81,82によって、遊戯の当否の判定結果が報知される。
大当たり成立時に所定条件が成立(例えば、特別図柄80,81,82が奇数のぞろ目で確定停止表示)すると、大当たり遊技の終了後に「確率変動遊技」が与えられる。確率変動遊技では、次回の大当たり発生確率が、通常遊技状態(低確率状態、例えば、1/315)に比較して高く(例えば、5/315)なり、次回の大当たりまでこの確率変動状態を継続するようになっている。また、大当たり成立時に前記所定条件が成立しなかった場合には、確率変動遊技は実行されず、次回の大当たりまで通常遊技状態を継続する。
中特別図柄81がスクロール表示されている状態で、先にスクロール表示を終了した左・右の特別図柄80,82が停止表示されると共に、これら停止表示された左・右の特別図柄80,82が同じ図柄となった場合には、リーチ状態が成立する。
リーチ状態とは、上記のものに限られるものではなく、遊技の当たり外れを複数の図柄組み合わせで表示する場合に、複数の図柄の一部が、停止表示されており、他の図柄が変動中において、停止表示されている図柄が当たりを意味する図柄組み合わせの一部を構成している状態をいう。
特別図柄80,81,82が変動表示している間、或いは、大当たり遊技中に、始動入賞口14に遊技球が入球した場合には、その入球に基づく特別図柄80,81,82の変動表示(特別図柄判定権利)は直ちに開始されずに保留される。詳細には、その入球に起因して後述する所定の乱数値が保留されて、一時記憶される。そして、特別図柄表示部34Aにおいて特別図柄80,81,82の変動表示が開始されるときに、保留記憶数が1つ減らされて、保留記憶数が0になるまでこの動作が繰り返される。その保留数は、本特図表示部14Xへの変動表示中の保留数を含めずに、例えば、最高4つに設定されており、その特別図柄判定権利の保留数は、特別図柄表示部34Aの特別図柄保留数表示部14Hにて表示される。なお、保留記憶数が上限の4つのときに始動入賞口14に遊技球が入賞した場合にも、特別図柄始動センサ31によって入賞球が検出されるが、この入賞球に起因する所定の乱数値の記憶及び特別図柄80,81,82の変動表示は行われない。
図3に示すように、パチンコ遊技機10の後面には、各種制御回路を覆うケースが設けられている。具体的には、パチンコ遊技機10の後面中央には、メイン制御回路50が設けられ、このメイン制御回路50に重なるようにして、音声制御回路59、図柄制御回路57(以後、「サブ制御回路57」と呼ぶ)及びランプ制御回路55が設けられている。さらに、各制御回路50,55,57,59の下方には、電源基板60、払出制御回路58が備えられ、払出制御回路58の下方に発射制御回路56が備えられている。
次に、図4を参照しつつ、本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的な構成について説明する。メイン制御回路50は、CPU51AとRAM51B及びROM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備えている。
ワンチップマイコン51は、入出力回路54を介して、前述した入賞球を検出するためのゲートスイッチ30、センサ31,32,33等から信号を受けると共に、ランプ制御回路55、音声制御回路59、発射制御回路56、払出制御回路58、サブ制御回路57等に制御信号を出力して各部位を制御する。
メイン制御回路50には、図示しない初期化リセット回路と定期リセット回路とが備えられている。初期化リセット回路は、パチンコ遊技機10の電源投入時に、ワンチップマイコン51のリセット端子に初期化信号を出力する。定期リセット回路は、周期的(例えば、4msec毎)に割り込みパルスをワンチップマイコン51に出力する。ワンチップマイコン51は、前記割り込みパルスを受ける度に、後述するメイン制御回路メインプログラムPG1(図6を参照)をランする。メイン制御回路50は、パチンコ遊技機10に備えた各種センサ、スイッチの信号を受けて、各制御回路55〜59に信号を出力する。また、発射制御回路56を介して操作ノブ28から遊技状態変更信号を受け、この信号に基づいてサブ制御回路57に制御信号を出力する。
音声制御回路59は、メイン制御回路50からの信号に基づいてスピーカ59Sから発生させるBGMや演出時の音声の選択を行い、その音声データを設定する。具体的には、音声制御回路59には、音声を発生させるための制御データ等を記憶する制御データROMと、メイン制御回路50からのコマンドを一時記憶する制御データRAM、演出時の各種音声データ、BGMデータを記憶する音声データROMを備える。音声制御用CPUは、メイン制御回路50からの信号に基づいて音声合成回路に信号を出力する。音声合成回路は、音声制御用CPUからの信号に基づいて音声データROMから必要な音声データを読み出し、音声信号を合成してアンプに出力する。音声信号は、アンプにて増幅されてからスピーカ59Sへ出力され、スピーカ59Sより音声が発生される。
サブ制御回路57は、表示装置26に遊技画像を表示するための制御データ等を記憶する制御データROM63と、特別図柄80,81,82、背景画像、キャラクター画像、文字画像等の画像データを記憶する画像データROM66とを備える。そして、メイン制御回路50からの信号に基づき、図柄制御用CPU61が、制御データROM63から所定の図柄制御データを取り出し、制御データRAM64のワークエリアで制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、図柄制御用CPU61からの指令に基づいて画像データROM66から必要なデータを読み出し、特別図柄、演出図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像等のマップデータを作成し、VRAM(図示せず)に格納する。そして、格納記憶された画像データは、出力回路に備えられたD/A変換回路にてRGB信号に変換されて、特別図柄表示部34Aに出力される。また、VDPからは、複合同期信号SYNCが特別図柄表示部34Aに出力される。そして、特別図柄表示部34Aにおいて、送信されてきたRGB信号及び複合同期信号SYNCに基づいて画像が表示される。
払出制御回路58は、ワンチップマイコン51から受けた信号に基づき、図示しない賞球払出装置及び貸球払出装置を駆動して、所定数の遊技球を上皿27Aに払い出す。
発射制御回路56は、操作ノブ28から発射許容信号及び遊技状態変更信号を受信し、遊技状態制御信号をメイン制御回路50に送信すると共に、ワンチップマイコン51から受けた発射許容信号に基づいて、発射装置を駆動して、遊技球を遊技領域R1に向けて発射する。
ランプ制御回路55は、メイン制御回路50からの信号(コマンド)に基づいて、サイドランプ22,22、表示枠体23、装飾ランプ35等に備えられた発光素子101〜106,発光素子A1〜A8を含む複数のランプの点灯態様の選択及び選択された点灯態様に応じた点灯データの設定を行う。具体的には、ランプ制御回路55には、ランプを点灯させるための制御データを記憶する制御データROM52C、メイン制御回路50から受信したコマンドを一時記憶するデータRAM52B、点灯データを記憶する点灯データROM52Dを備える。そして、ランプ制御回路55に備えられた発光制御用CPU52Aが、メイン制御回路50から受けたコマンドに基づいて点灯データROMから必要な点灯データを読み出し、その点灯データに基づいて、各ランプが点灯・消灯する。
電源基板60は、パチンコホールに備えられたAC24V設備電源から受電している。具体的には、各パチンコ遊技機10の電力ケーブル83(図3を参照)が、AC24V設備電源に接続されている。そして、この電源基板60から、各制御回路50,55〜59、各種ソレノイド、ランプ等に給電している。
さて、本実施形態のパチンコ遊技機10では、後述する電飾制御手段が、電飾データテーブルに応じて発光素子の点灯制御(点灯・消灯)を行う。電飾データテーブルは、基準周期毎の各発光素子をオンさせる場合のオン時間の情報(本発明に係る「オンオフ情報」にも相当する)を含んだ点灯制御データ群からなり、ランプ制御回路55の制御データROM52Cに記憶されている。図32には、本実施形態の発光素子A1〜A8に関する電飾データテーブルXが示されている。電飾データテーブルXには、基準周期を10msecとし、発光素子A1〜A8に対する10msec毎の点灯制御データが、300msec分設定されている。即ち、発光素子A1〜A8に対応した8個のフィールドと、基準周期に対応した30個のレコードとを有している。
点灯制御データは、基準周期の間の発光素子A1〜A8のオン時間の情報が、「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,F」の16段階で設定されている。点灯制御データが「0」の場合、発光素子のオン時間は0msec、即ちオフ(消灯)となり、「F」の場合、発光素子のオン時間は基準周期の間、即ち10msec点灯するように設定されている。そして、「0」から「F」に向かうにつれて発光時間が長くなるように設定されている。これにより、基準周期毎に各発光素子のオン時間を異ならせて、基準周期毎に各発光素子が出力する光量を変更することが可能になり、電飾演出の趣向性を高めることができる。
なお、電飾データテーブルは、電飾データテーブルXの他に、予め定められた当たり,リーチハズレ,ハズレの変動態様に対応させて複数設けられ、表示装置26に変動表示される特別図柄80,81,82の変動態様と発光素子による電飾演出とを連動させることができ、遊技機全体の演出の趣向性を高めることができる。
さて、本実施形態のパチンコ遊技機10では、パチンコホールの設備から、パチンコ遊技機10におけるピーク電流の仕様が決められる。そのピーク電流は、表示装置26や駆動役物等に割り当てて決められる。本実施形態では、上記したように、例えば、発光素子A1〜A8全体に割り当てられたピーク電流は、例えば、600mAに制限されている。また、発光素子A1〜A8の個々の点灯時の電流は、100mAになっている。従って、発光素子A1〜A8を全点灯させた状態の電流の総和は800mAとなり、割り当てられたピーク電流の制限値を超える。そこで、発光素子A1〜A8全体のピーク電流が制限値を超えないようにするために、電飾データテーブルにおける基準周期を前半分割期間と後半分割期間とに分割し、発光素子A1〜A8のうち一部の発光素子の点灯を前半分割期間でのみ許可し、発光素子A1〜A8のうち他の一部の発光素子の点灯を後半分割期間でのみ許可する制御を行っている。
具体的には、図31(A)に示すように、前半に点灯する「第1区分」の節電発光部として発光素子A4,A8、後半に点灯する「第2区分」の節電発光部として発光素子A2,A6が、節電基礎テーブルAに節電発光部を2つの区分に分けて設定されている。そして、基準周期10msecを、2つの区分に対応させて、「前半分割期間(前半5msec)」と「後半分割期間(後半5msec)」との2つの分割期間に分割し、分割期間毎に発光素子A1〜A8の節電制御データが設定されている。
節電制御データは、「0」と「1」で設定されている。節電発光部ではない通常の発光素子では、節電基礎テーブルの「前半分割期間」及び「後半分割期間」の両方に、点灯を許可する節電制御データとして「1」が設定されている。そして、「第1区分」の節電発光部では、「第1区分」に対応する「前半分割期間」に、点灯を許可する節電制御データとして「1」が設定される一方、「後半分割期間」には、点灯を禁止する節電制御データとして「0」が設定されている。また、「第2区分」の節電発光部では、「前半分割期間」には、点灯を禁止する節電制御データとして「0」が設定される一方、「第2区分」に対応する「後半分割期間」に、点灯を許可する節電制御データとして「1」が設定される。
また、図31(B)に示すように、「第1区分」の節電発光部として発光素子A2,A4,A8、「第2区分」の節電光部として発光素子A1,A3,A6が、節電基礎テーブルBに設定されている。
そして、後述する制御条件付与手段が、節電基礎テーブルA又はBによって、電飾データテーブルの全てのレコードを細分化処理し、「前半分割期間」に対応した前半細分レコードと、「後半分割期間」に対応した後半細分レコードとからなるランプデータ(本発明に係る「2分割点灯制御データ」に相当する)を生成し、ランプ制御回路55の点灯データROM52Dに記憶する。
具体的には、図33に、電飾データテーブルXと節電基礎テーブルAから生成されたランプデータの一覧が示されている。例えば、「80〜90msec」の発光素子A1〜A8の点灯期間について考える。まず、図32に示す電飾データテーブルXの「80〜90msec」のレコードには、発光素子A1〜A8の点灯制御データとして、「8,8,8,8,8,8,8,8」が設定されている。即ち、電飾データテーブルXによれば、図5(A)に示すように、発光素子A1〜A8は、「80〜90msec」の期間のうち、最初の80msecから5msec点灯するように設定されている。
一方、図31(A)に示す節電基礎テーブルAにおいて、「前半分割期間」の節電制御データは、「1,0,1,1,1,0,1,1」、「後半分割期間」の節電制御データは、「1,1,1,0,1,1,1,0」となっている。この節電基礎テーブルAによって、制御条件付与手段が、電飾データテーブルXの「80〜90msec」のレコードを細分化処理すると、点灯制御データと節電制御データとが演算処理されて、「8,0,8,8,8,0,8,8」という「80〜85msec」のランプデータ(前半細分レコード)と、「8,8,8,0,8,8,8,0」という「85〜90msec」のランプデータ(後半細分レコード)が生成される(図33参照)。
ここで、ランプデータは、基準周期の半分(5msec)毎の発光素子A1〜A8のオン時間の情報が、上記した点灯制御データと同様に「0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,A,B,C,D,E,F」の16段階で設定されている。しかしながら、その発光素子のオン時間は、点灯制御データのオン時間を半分にした2分割オン時間となり、「F」の場合、発光素子のオン時間は基準周期の半分の間、即ち点灯制御データ「8」と同等の5msecに設定されている。従って、ランプデータ「8」となっている場合、そのオン時間は、点灯制御データ「4」と同等の2.5msecに設定されている。
電飾データテーブルXと節電基礎テーブルAから生成されたランプデータによれば、図5(B)に示すように、「第1区分」の節電発光部である発光素子A4,A8は、「80〜90msec」の期間のうち、前半分割期間の「80〜85msec」の期間の最初の80msecから2.5msecのみ点灯するように設定されている。また、「第2区分」の節電発光部である発光素子A2,A6は、「80〜90msec」の期間のうち、後半分割期間の「85〜90msec」の期間の最初の85msecから2.5msecのみ点灯するように設定されている。そして、節電発光部ではない通常の発光素子である発光素子A1,A3,A5,A7は、「80〜90msec」の期間のうち、前半分割期間の「80〜85msec」の最初の80msecから2.5msec点灯し、後半分割期間の「85〜90msec」の期間の、最初の85msecから2.5msec再び点灯するように設定されている。
即ち、節電発光部以外の通常の発光素子(例えば、上記節電基礎テーブルAにおける発光素子A1,A3,A5,A7)のフィールドでは、前半細分レコード及び後半細分レコードの両方に、点灯制御データに対応して、点灯制御データのオン時間を半分にした2分割オン時間の情報が含められているランプデータが格納される。そして、「第1区分」の節電発光部(例えば、上記節電基礎テーブルAにおける発光素子A4,A8)のフィールドでは、前半細分レコードにランプデータを格納する一方、後半細分レコードに節電発光部を強制消灯させるための強制消灯データが格納される。また、「第2区分」の節電発光部(例えば、上記節電基礎テーブルAにおける発光素子A2,A6)のフィールドでは、前半細分レコードに強制消灯データを格納する一方、後半細分レコードにランプデータが格納される。
そして、電飾制御手段が、前半細分レコード及び後半細分レコードに格納されている2分割オン時間に応じた発光素子の点灯を、基準周期の半分の周期の経過毎に開始する。
本実施形態のパチンコ遊技機10のうち内部の情報処理(信号処理)に係る構成以外の説明は以上である。その情報処理に係る説明を行う前に、以下、本実施形態のパチンコ遊技機10の動作、作用及び効果について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出内容がハズレ変動であれば、ハズレ変動に対応した電飾データテーブルと節電基礎テーブルAとが選択され、演出内容がリーチ変動又は当たりであれば、リーチ変動又は当たりに対応した電飾データテーブルと節電基礎テーブルBとが選択され、制御条件付与手段がレコードの細分化処理を行う。そして、生成されたランプデータに基づいて、電飾制御手段によって点灯制御が行われる。
上記したように、通常の発光素子(例えば、上記節電基礎テーブルAにおける発光素子A1,A3,A5,A7)は、レコードの細分化処理がなければ、点灯制御データのオン時間だけ継続して点灯していたところが、レコードの細分化処理によって、基準周期における前半分割期間と後半分割期間との2回に分けて、2分割オン時間ずつ継続して点灯することになる。
一方、節電発光部は、レコードの細分化処理がなければ、点灯制御データのオン時間だけ継続して点灯していたところが、レコードの細分化処理によって、基準周期における前半分割期間又は後半分割期間の何れか一方の分割期間のみで、2分割オン時間だけ継続して点灯することになる。詳細には、「第1区分」の節電発光部(例えば、上記節電基礎テーブルAにおける発光素子A4,A8)の点灯は、「第1区分」に対応した「前半分割期間」でのみ許可される一方「後半分割期間」では禁止される。また、「第2区分」の節電発光部(例えば、上記節電基礎テーブルAにおける発光素子A2,A6)の点灯は、「前半分割期間」では禁止される一方「第2区分」に対応した「後半分割期間」でのみ許可されることになる。このとき、制御条件付与手段が、節電発光部と通常の発光素子とを区別せずに各レコードを細分化するので、それら細分化されたレコードを受け取った電飾制御手段におけるデータ処理が簡素化され、電飾制御手段の負担が軽減される。
具体的には、電飾データテーブルXと節電基礎テーブルAによってレコードの細分化処理がされると、点灯制御データの内容に拘わらず、発光素子A1〜A8のうち同時に点灯するのは、発光素子A1,A2,A3,A5,A6,A7の組合せか、発光素子A1,A3,A4,A5,A7,A8の組合せの6個となり、ピーク電流は600mAとなる。また、電飾データテーブルXと節電基礎テーブルBによってレコードの細分化処理がされると、点灯制御データの内容に拘わらず、発光素子A1〜A8のうち同時に点灯するのは、発光素子A1,A3,A5,A6,A7の組合せか、発光素子A2,A4,A5,A7,A8の組合せの5個となり、ピーク電流は500mAとなる。つまり、発光素子A1〜A8におけるピーク電流の制限値である600mAを超えることがない。
即ち、制御条件付与手段によるレコードの細分化処理によって、各基準周期内における通常の発光素子の点灯時間の総和は変わらず、節電発光部の点灯時間の総和のみが半減される。そして、複数の節電発光部に関しては、電飾データテーブルの点灯制御データの内容に拘わらず、点灯期間が基準周期内で強制的にずらされて、同時に点灯する発光素子の数が減らされる。これにより、発光素子全体のピーク電流が抑えられ、基準周期毎の通常の発光素子の光量は変わらず、節電発光部の光量のみが変えられ、ピーク電流の低減に伴った電飾演出の内容の変化を抑えることができる。
従って、本発明の構成によれば、発光素子全体のピーク電流が制限されている場合に、その制限値より発光素子全体のピーク電流が小さくなるように、節電発光部の数を設定しておきさえすれば、従来の設計者が行っていた電飾データテーブルの修正作業が自動的に行われる。つまり、電飾データテーブルを容易に設定することができるようになる。
さらに、本実施形態では基準周期を16msec以下の10msecにしたので、制御条件付与手段が、点灯制御データの内容に拘わらず、発光素子の点灯期間を基準周期内で強制的にずらしても、そのズレ量は16msec以下になって人間には判別困難であり、点灯期間の強制的なずらしによる電飾演出の変化を抑えることができる。
また、本発明によれば、節電発光部の数が比較的少ないと電飾演出全体の光量の低下が抑えられ、節電発光部の数が比較的多いと電飾演出全体の節電効果を高くすることができる。従って、節電基礎テーブルA及び節電基礎テーブルBのように、節電基礎テーブル同士の間で、節電発光部の数を異ならせれば、何れの節電基礎テーブルを選択するかにより、光量の低減を抑えた華やかな電飾演出と節電効果を高めた電飾演出とを容易に切り替えることができる。
なお、本実施形態では、節電基礎テーブルは2つに限られていたが、1つでもよいし、電飾データテーブルのように複数設け、節電基礎テーブル及び電飾データテーブルを遊技の進行状況に応じて変更して使用してもよい。これにより、遊技の進行状況に応じて電飾演出の内容を変化させることができると共に複数の発光素子の間で節電発光部を担当する発光素子を変化させることができるので、節電発光部を担当する発光素子を固定した場合に比べて、発光素子全体の有効利用が図られる。
上記した本実施形態のパチンコ遊技機10の動作を実現するための、メイン制御回路50、サブ制御回路57等は、前記したメイン制御回路メインプログラムPG1、サブ制御回路メインプログラムPG2等を実行して、情報を処理している。以下、メイン制御回路50及びサブ制御回路57における情報処理に関して図6〜図27に示したフローチャートを参照しつつ詳説する。
メイン制御回路50に備えたワンチップマイコン51(図4を参照)は、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから図6に示したメイン制御回路メインプログラムPG1を取り出してランする。
メイン制御回路メインプログラムPG1がランされると、まず初期設定が行われる(S1)。初期設定(S1)では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。そして、RAMクリアスイッチがONされているか、もしくは電源断フラグがONでRAM51Bの内容が異常と判断された場合には、RAM51Bの初期化が行われる。なお、初期設定(S1)は、メイン制御回路メインプログラムPG1が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S1)に次いで、割り込みが禁止され(S2)、特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。本実施形態においては、乱数を生成するために表1に示したカウンタが設けられている。
表1に示した各力ウンタは、電源投入時には「0」に設定され、特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される毎に、1インクリメントされる。また、表1における各カウンタの数値範囲の上限値を越えた場合には、「0」にリセットされて、再び「0」から1インクリメントされる。このように更新された各カウンタの数値は、前記RAM51Bの更新値記憶領域に逐一記憶され、この特別図柄主要乱数更新処理(S3)から抜ける。
特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、メイン制御回路割り込み処理(S5)が実行可能となる。メイン制御回路割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、メイン制御回路割り込み処理(S5)が終了してから、次にメイン制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、メイン制御回路割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可(S4)がされてから開始される。
メイン制御回路割り込み処理(S5)について説明する。図7に示すように、メイン制御回路割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が実行される。この処理(S10)では、以下説明する各処理において決定された各種コマンドが、RAM51Bの出力バッファに格納されているか否かをチェックして、コマンドが格納されていた場合には、出力バッファ内のコマンドを、ランプ制御回路55やサブ制御回路57及び音声制御回路59等の各種制御回路に出力する。
出力処理(S10)に次いで行われる入力処理(S11)では、主にパチンコ遊技機10に取り付けられている各種センサ(ゲートスイッチ30、始動口センサ31、その他センサ、スイッチ類(図4参照)等)が検知した検出信号を取り込み、払出数情報として、RAM51Bの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)は、メイン制御回路メインプログラムPG1のループ処理内で行われている上記特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。即ち、上記表1に示した各種カウンタ値と普通図柄当たり判定用乱数カウンタ値は、メイン制御回路割り込み処理(S5)の実行期間と、その残余処理期間(メイン制御回路割り込み処理(S5)の終了後、次のメイン制御回路割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)の間の期間との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)に次いで始動入賞口スイッチ検出処理(S15)が実行される。具体的には、図8に示すように、遊技球が始動ゲート18を通過したかどうかを判断する(S150)。このとき、遊技球が始動ゲート18を通過していれば(S150でyes)、続いて保留球数(普通図柄保留球数)が4以上であるか判断する(S151)。保留球数が4以上でなければ(S151でno)、保留球数に1を加算し(S152)、前記RAM51Bの更新値記憶領域に記憶されているカウンタ値を乱数値として取得して、RAM51Bに別途設定した始動ゲート18の保留球数に応じたアドレス空間に格納する(S153,S154)。一方、遊技球が始動ゲート18を通過していない場合(S150でno)、保留球数が4以上である場合(S151でyes)、ただちにこの処理(S15)を終了する。
図7に示すように、始動入賞口スイッチ検出処理(S15)に次いで、普通動作処理(S16)が行われる。メイン制御回路50は、この処理(S16)によって、普通図柄当たり乱数(ラベル−TRND−F)値に基づいて、サブ制御回路57を介さずに普通図柄表示部18Xの表示状態及び可動翼片14C,14Cを直接制御する。
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、表示装置26の表示を制御するための処理であり、上記始動スイッチ検出処理(S15)においてRAM51Bのカウンタ値記憶領域に格納された各種カウンタ値に基づいて行われる。なお、メイン制御回路50は、以下説明する特別動作処理(S17)によって、サブ制御回路57を介して表示装置26を間接的に制御する。
この特別動作処理(S17)は、図9に示されており、表示装置26の表示状態を4つの状態に場合分け、それら各状態を「特別動作ステータス1,2,3,4」に割り当てている。そして、「特別動作ステータス」が「1」である場合に(S171でyes)、特別図柄待機処理(S172)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合に(S171でno,S173でyes)、特別図柄変動中処理(S174)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合に(S171,S173で共にno、S175でyes)、特別図柄確定処理(S176)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合に(S171,S173,S175でno)、特別電動役物処理(S177)を行う。
図9に示した特別動作処理(S17)において特別図柄待機処理(S172)を実行すると、図10に示すように、始動入賞口14の保留球数(即ち特別図柄保留球数)が「0」か否かがチェックされる(S202)。特別図柄保留球数が「0」である場合(S202でyes)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が無い場合には、特別図柄表示部34Aの表示が待機画面であるか否かがチェックされる(S208)。そして、待機画面中である場合(S208でyes)には、直ちにこの処理(S172)を抜ける。一方、待機画面中でない場合(S208でno)には、待機画面設定処理(S209)を行ってから、この処理(S172)を抜ける。
一方、特別図柄保留球数が「0」ではない場合(S202でno)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、以下に説明する、特別図柄大当り判定処理(S203)、特別図柄選択処理(S204)、特別図柄変動パターン作成処理(S205)、特別図柄乱数シフト処理(S206)、特別図柄変動開始設定(S207)が行われる。即ち、特別図柄保留球数が0になるまで、これら特別図柄に対する処理(S203〜207)が行われ、特別図柄の保留球が消化されることとなる。
特別図柄大当り判定処理(S203)は、「大当り遊技」の実行の可否を判定する。また、この特別図柄大当り判定処理(S203)を実行することで、CPU51Aが本発明に係る「当否判定手段」として機能する。詳細には、図11に示すように、まず、判定値として、RAM51Bの最下位のカウンタ値記憶領域(即ち特別図柄の保留1個目にあたるRAM領域)に保留記憶された各種乱数値がロードされて、大当り判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)値を読み出す(S310)。次に、大当り判定値テーブルのアドレスをセットする(S311)。そして、確変中か否かがチェックされる(S312)。確変中でない場合(S312でno)、すなわち通常遊技状態時では、大当たり判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)が「77」又は「78」の2つの当たり数値の何れかと一致したか否かがチェックされ(S313)、確変中である場合(S312でyes)、即ち、確率変動状態時では、大当たり判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)が、「77〜96」の20個の当たり数値の何れかと一致したか否かがチェックされる(S315)。
そして、各ステップS313,S315において、取得した大当たり判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)が何れの当たり数値とも一致しなかった場合には(ステップS313,S315でno)、直ちにこの処理(S203)を抜ける。一方、取得した大当たり判定用カウンタ(ラベル−TRND−A)が何れかの当たり数値と一致した場合には(S313でyes又はS315でyes)、大当たりフラグをオンして(S314)、この処理(S203)を抜ける。
図10に示すように、特別図柄待機処理(S172)では、特別図柄大当たり判定処理(S203)に次いで、特別図柄選択処理(S204)が実行される。特別図柄選択処理(S204)は、図12に示されており、図柄データをセットする。まず、大当たりフラグがオンか否かチェックし(S320)、大当たりの場合(S320でyes)には、大当たり図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ1)の数値が確変かどうかチェックする(S321)。大当たり図柄決定用カウンタが確変の場合(S321でyes)、確変大当たり図柄データをセットし(S322)、大当たり図柄決定用カウンタが確変でない場合(S321でno)、通常大当たり図柄データをセットする(S323)。即ち、大当たり図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ1)の数値に対して予め決められている図柄の組合せを、大当たり図柄組合せとして決定する。一方、大当たりフラグがオンでない場合(S320でno)には、ハズレ図柄データをセットし(S324)、この処理(S204)を抜ける。
特別図柄選択処理(S204)に次いで実行される特別図柄変動パターン作成処理(S205)は、図13に示されており、変動態様を選択する。最初に、大当りフラグがオンしているか否かが判別される(S325)。そして、大当りフラグがオンの場合(S325でyes)、即ち、当否判定結果が「大当り」の場合には、大当たり図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ1)の数値が確変かどうかチェックする(S326)。大当たり図柄決定用カウンタが確変の場合(S326でyes)、変動パターンテーブル4(図28参照)から、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)値に基づいて変動パターン10,11,12の何れかが選択される(S327)。一方、大当たり図柄決定用カウンタが確変でない場合(S326でno)、変動パターンテーブル3(図28参照)から、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)値に基づいて変動パターン7,8,9の何れかが選択される(S328)。
また、大当りフラグがオンでない場合(S325でno)には、次いでリーチ有無決定用カウンタ(ラベル−TRND−RC)がリーチ成立乱数か否かが判別される(S329)。そして、リーチである場合(S329でyes)、即ち、当否判定結果が「外れリーチ」の場合には、変動パターンテーブル2(図28参照)から、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)値に基づいて変動パターン4,5,6の何れかが選択される(S330)。そして、リーチ有無決定用カウンタがリーチ成立乱数値と一致していない場合(S329でno)には、即ち、当否判定結果が「外れ」の場合には、変動パターンテーブル1(図28参照)から、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)値に基づいて変動パターン1,2,3の何れかが選択される(S331)。
そして、変動態様が選択されたら、その他の処理(S332)を行ってから、この処理(S205)を抜ける。なお、その他の処理(S332)では、選択された変動態様に応じた変動パターンコマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。そして上記した出力処理(S10)でRAM51Bの出力バッファにセットされた変動パターンコマンドをサブ制御回路57等に出力する。
図10に示すように、特別図柄変動パターン作成処理(S205)に次いで、特別図柄乱数シフト処理(S206)が行われる。この処理(S206)は、図14に示されており、最初に、特別図柄保留球数(RAM51Bの特別図柄の保留数記憶領域の数値)が1ディクリメントされる(S350)。次いで、カウンタ値記憶領域における各種カウンタ値の格納場所が、1つ下位側のカウンタ値記憶領域にシフトされる(S351)。そして、最上位のカウンタ値記憶領域の各アドレス空間に「0」をセット(即ち特別図柄保留4個目にあたるRAM領域を0クリア)し(S352)、この処理(S206)を抜ける。
図10に示すように、特別図柄乱数シフト処理(S206)に次いで、特別図柄変動開始設定(S207)が行われると、特別動作ステータスを「2」に設定すると共に、変動開始コマンドをRAM51Bの出力バッファにセットするなど、その他特別図柄の変動開始に必要な処理が行われ、特別図柄待機処理(S172)を抜ける。
図9に示した特別動作処理(S17)において、特別図柄変動中処理(S174)を実行すると、図15に示すように、特別図柄変動パターン作成処理(S205、図13参照)で設定された変動態様に応じた変動表示規定時間(変動時間)を判定する処理が行われる(S261)。そして、変動表示規定時間(図28の変動時間参照)が経過したか否かがチェックされ(S262)、経過していない場合(S262でno)には、直ちにこの処理(S174)を抜けて特別図柄80,81,82の変動表示を続行する。
一方、変動表示規定時間が経過している場合(S262でyes)、即ち、変動態様に応じて設定された変動時間に亘って特別図柄80,81,82の変動表示が行われた場合には、変動表示中の特別図柄80,81,82を停止表示させる変動停止テーブルのアドレスをセットし(S263)、データ格納処理を行い(S264)、特別動作ステータスを「3」に設定し(S265)、その他の処理(S266)を行ってから、この処理(S174)を抜ける。
図9に示した特別動作処理(S17)において特別図柄確定処理(S176)を実行すると、図16に示すように、最初に大当りフラグがオンしているか否か(大当りか否か)がチェックされる(S270)。ここで、大当りフラグがオンしている場合(S270でyes)、即ち、当否判定結果が「当り」である場合には、ラウンドカウンタをセットして(S271)、特別動作ステータスを「4」にセットする(S272)。一方、大当りフラグがオンしていない場合(S270でno)、即ち、当否判定結果が「外れ」であった場合には、特別動作ステータスを「1」にセットして(S273)、この処理(S176)から抜ける。ここで、ラウンドカウンタとは、「大当り遊技」における「ラウンド」数をカウントするものであり、本実施形態では、ラウンドカウンタの初期値は「15」に設定されている。
図9に示した特別動作処理(S17)において特別電動役物処理(S177)を実行すると、図17に示すように、確変フラグがオンからオフに切り替えられる(S280)。つまり、「大当り遊技」が開始されると、強制的に確率変動状態が終了する。次いで、大当り終了フラグがオンか否かがチェックされる(S281)。大当り終了フラグがオンではない場合(S281でno)、即ち、「大当り遊技」の実行中である場合には、開放フラグに基づいて、大入賞口15が開放中か否かがチェックされる(S282)。
大入賞口15が開放中(開放フラグがオン)である場合(S282でyes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かがチェックされる。具体的には、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか否か(S286)、ラウンド終了時間(大入賞口15の開放時間が30秒)となったか否か(S287)がチェックされる。そして、ラウンド終了条件が不成立であった場合(S286及びS287の何れもno)には、直ちにこの処理(S177)を抜ける一方、ラウンド終了条件が成立した場合(S286及びS287の何れかでyes)には、ラウンド終了時の処理(S289〜S293)が行われる。
即ち、大入賞口閉鎖処理(S289)では大入賞口閉鎖のコマンドがサブ制御回路57にも送信される。次いで、ラウンドカウンタを1ディクリメント(S290)してから、ラウンドカウンタが「0」となったか否かがチェックされ(S291)、ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S291でno)、即ち、「大当り遊技」が、最大ラウンド(15ラウンド)まで行われていない場合には、直ちにこの処理(S177)を抜ける。つまり、大当り遊技中であっても1回のラウンドが終了した時点で可動扉15Tが「閉位置」となって、一時的に大入賞口15が閉鎖される。
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S291でyes)、即ち、大当り遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、大当り終了処理(S292)が行われる。大当り終了処理(S292)において、保留記憶領域内に記憶されている大当り乱数データを大当り終了コマンドとともに、サブ制御回路57に送信する。そして、大当り終了フラグをオンして(S293)、この処理(S177)を抜ける。
ステップS282において、大入賞口15が閉鎖中(開放フラグがオフ)の場合(S282でno)には、大入賞口15を開放する時間となったか否かがチェックされる(S283)。具体的には、「大当り遊技」が開始されてから所定の開放待ち期間又は、前回のラウンドが終了してから所定のインターバル期間が経過したか否かがチェックされ、開放待ち期間又はインターバル期間が経過していない場合(S283でno)には、この処理(S177)を抜ける一方、開放待ち期間又はインターバル期間が経過した場合(S283でyes)には、大当たり図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−AZ1)の数値が確変かどうかチェックする(S284)。大当たり図柄決定用カウンタが確変の場合(S284でyes)、ラウンドカウンタに対応した確変中ラウンドコマンドを送信し(S285)、大当たり図柄決定用カウンタが確変でない場合(S284でno)、ラウンドカウンタに対応した通常中ラウンドコマンドを送信して(S288)、この処理(S177)を抜ける。
また、上記ステップS281において、大当り終了フラグがオンであった場合(S281でyes)、即ち、大当り遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、大当り終了フラグ及び大当りフラグを全てオンからオフに切り替え(S295,S296)、停止表示された特別図柄80,81,82が、確変図柄か否かをチェックする(S297)。確変図柄でない場合(S297でno)にはステップS299へジャンプし、確変図柄である場合(S297でyes)には確変フラグをオフからオンに切り替える(S298)。そして、ステップ299にて、特別動作ステータスを「1」にセットして、この処理(S177)を抜ける。以上が特別動作処理(S17)の説明である。
図7に示すようにメイン制御回路割り込み処理(S5)では、特別動作処理(S17)に次いで保留球数処理(S18)が行われる。この処理(S18)は、図18に示されており、RAM51Bに記憶されたカウンタ値群の組数から保留球数を読み取り(S180)、その保留球数のデータを、RAM51Bの出力バッファにセットする(S181)。
メイン制御回路割り込み処理(S5)では、保留球数処理(S18)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S20)を実行して、メイン制御回路割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図6に示すように、次にCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、メイン制御回路割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、メイン制御回路割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行されたメイン制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。以上がメイン制御回路メインプログラムPG1の説明である。
さて、サブ制御回路57(図4参照)に備えられたRAM64の記憶領域も、メイン制御回路50におけるRAM51Bの記憶領域と同様に、複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、所定のアドレス空間で構成されたカウンタ値記憶領域が、表2に示した各種の乱数カウンタのデータ格納部として設けられている。また、このアドレス空間は、乱数カウンタの更新領域以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。
サブ制御回路57のCPU61は、図19に示したサブ制御回路メインプログラムPG2をランしている。そのサブ制御回路メインプログラムPG2をランすると、CPU初期化処理(S50)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU61の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。また、電源基板60に電源を投入すると、電源基板60から電源断信号がサブ制御回路57に送信される。この電源断信号が送信されたときに、RAM64の内容が正常であるか判断する(S51)。正常であれば(S51でyes)次に進み、正常でなければ(S51でno)、RAM64を初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S52)。なお、このステップS50,S51及びS52は、サブ制御回路メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS50,S51及びS52を終えると、乱数シード更新処理(S53)を、所定周期で無限に繰り返して行う。
乱数シード更新(S53)の無限ループに対して、受信割り込み処理(S54)、1msタイマ割り込み処理(S55)、10msタイマ割り込み処理(S56)、が割り込んで実行される。受信割り込み処理(S54)は、サブ制御回路57がメイン制御回路50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S55,S56)より優先して実行される。受信割り込み処理(S54)が実行されると、図20に示すように、ストローブ信号の入力を確認してから(S540でyes)、上記したメイン制御回路割り込み処理(S5)の出力処理(S10)でサブ制御回路57に送信される制御データ、例えば、変動パターンコマンド等を取り込み、RAM64の記憶領域に設けた入力信号一次記憶領域に格納する(S541)。また、始動入賞口14に遊技球が入賞した場合にもメイン制御回路50からサブ制御回路57に制御信号が送信される。すると、始動入賞口14が遊技球に入賞する度に、表1に示した各種カウンタ値群がRAM64のカウンタ値記憶領域に前述した特別図柄の4つの保留球に対応して、乱数値群が格納(記憶)されるようになっている。
1msタイマ割り込み処理(S55)は、図21に示されており、サブ制御回路57に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この処理(S55)では、ランプデータをドライバへ出力するランプデータ出力処理(S550)と、本発明に深く関連しないその他の処理(S551)を実行する。
ランプデータ出力処理(S550)は、図22に示すように、後述する10msタイマ割り込み処理(S56)の新ランプ処理(S563)で生成されたランプデータを、割り込みカウンタから判断して、前半細分レコード又は後半細分レコードの何れかを出力ポートに出力する。即ち、出力ポートからは、1msec毎にランプデータが出力され、このランプデータに基づき、発光素子が点灯或いは消灯される。
詳細には、まず、前半細分レコードに関する割り込みか判断する(S640)。そして、前半細分レコードに関する割り込みであれば(S640でyes)、前半細分レコードを設定し(S641)、前半細分レコードに関する割り込みでなければ(S640でno)、後半細分レコードを設定する(S642)。そして、データ出力を開始する(S643)。続いて、割り込みをカウントし(S644)、この処理(S550)を抜ける。具体的には、図33に示すランプデータを、前半分割期間の前半細分レコードと後半分割期間の後半細分レコードと、交互に出力する。そして、300msecが経過したら、ランプデータの先頭に戻って出力する。なお、ランプデータは、上記したように2分割オン時間の情報が含まれており、「0」の場合発光素子のオン時間は0msec、即ちオフ(消灯)となる。そして、ランプデータが「F」の場合発光素子のオン時間は5msecに設定されている。そして、「0」から「F」に向かうにつれて発光時間が長くなるように設定されている。
上記したように、1msタイマ割り込み処理(S55)では、ランプデータ出力処理(S550)によって、メイン制御回路50のCPU51Aと、ランプ制御回路55とが、本発明の「電飾制御手段」として機能する。
10msタイマ割り込み処理(S56)は、図23に示されており、サブ制御回路57に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この処理(S56)では、まず、コマンド監視処理(S562)を実行する。このコマンド監視処理(S562)は、サブ制御回路57がメイン制御回路50等の他の回路から受信割り込み処理で受信してバッファに蓄えられたコマンドの全てに対して行われ、コマンドの解析を行い、コマンドに対応した処理を行って、それぞれの制御回路に対して送信するコマンドを作成する。
具体的には、コマンド監視処理(S562)が実行されると、図24に示すように、まず、受信したコマンドが変動コマンドであるか否かを判別し(S600)、変動コマンドでない場合(S600でno)には、ステップ603へジャンプする。変動コマンドであった場合(S600でyes)には、演出選択処理(S601)を実行する。演出選択処理(S601)では、演出態様、即ち変動パターンを選択すると共に、その変動態様に対応した電飾データテーブル(例えば、図32に示す電飾データテーブルX)を設定して、変動中フラグをセットするなどの処理が行われる。ここで、電飾データテーブルは、複数の変動態様に対応して複数設けられているので、表示装置26に変動表示される特別図柄80,81,82の変動態様に、発光素子による電飾演出とを連動させることができ、遊技機全体の演出の趣向性を高めることができる。
演出選択処理(S601)に続いて、図柄選択処理(S602)が実行される。図柄選択処理(S602)は、図25に示すように、まず、変動コマンドが当たりコマンドかどうか判断し(S650)、当たりコマンドであれば(S650でyes)、続いて確変当たりかどうか判断する(S651)。そして、確変当たりであれば(S651でyes)、当たり図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−SUB−KA)の値を取得して、図柄を選択する(奇数ぞろ目)(S652)。一方、確変当たりでない場合(S651でno)、当たり図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−SUB−NO)の値を取得して、図柄を選択する(偶数ぞろ目)(S653)。
また、当りコマンドで無い場合(S650でno)には、リーチ変動パターンコマンドかどうか判断し(S654)、リーチ変動パターンコマンドであれば(S654でyes)、左図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−SUB−L1)の値を取得して、リーチハズレ図柄作成テーブル(図29参照)に基づいて対応する左図柄、中図柄、右図柄をセットする(S655)。そして、リーチ変動コマンドで無い場合(S654でno)には、左図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−SUB−L1)の値と、ハズレ図柄決定用カウンタ(ラベル−TRND−SUB−H2)の値を取得して、ハズレ図柄作成テーブル(図30参照)に基づいて対応する左図柄、中図柄、右図柄をセットする(S656)。そして、この処理(S602)を抜ける。
図24のコマンド監視処理(S562)において、ステップ603にて、それぞれのコマンド(例えば大当たりコマンドや異常報知コマンドなど)に対応した処理を行い、この処理(S562)を抜ける。
なお、本実施形態では、上記したステップS601及びS602を実行するサブ制御回路57のCPU61によって、本発明の「表示制御手段」が構成されている。
図23の10msタイマ割り込み処理(S56)において、コマンド監視処理(S562)に次いで、新ランプ処理(S563)が実行される。この処理(S563)は、出力するランプデータの生成処理を実行する。
詳細には、図26に示すように、まず、演出内容がハズレ変動かどうか判断する(S610)。演出内容がハズレ変動であれば(S610でyes)、節電基礎テーブルAをセットする(S611)。一方、演出内容がリーチ変動又は当たりであれば(S610でno)、節電基礎テーブルBをセットする(S612)。
これにより、本実施形態では、演出内容がハズレ変動であれば、ハズレ変動に対応した電飾データテーブルと節電基礎テーブルAとからレコードの細分化処理がされ、演出内容がリーチ変動又は当たりであれば、リーチ変動又は当たりに対応した電飾データテーブルと節電基礎テーブルBとからレコードの細分化処理がされる。
ここで、上述したように、節電基礎テーブルAは、節電発光部の数が少ない、節電を控えたテーブルとなっており、節電基礎テーブルBは、節電発光部の数が多い、節電効果が大きいテーブルとなっている。従って、もともとランプの点灯数が少なく、ランプの消費電力量が少ないハズレ変動の場合に、節電基礎テーブルAを使用し、ランプの点灯数が多く、もともとランプの消費電力量が多いリーチ、当たり時に節電基礎テーブルBを使用することで、消費電力に余裕のある演出では、より元の点灯制御データに近い点灯態様をさせることができ、演出を損なわないなどの効果がある。また、光量の低減を抑えた電飾演出と節電効果を高めた電飾演出とを容易に切り替えて、演出に応じた節電ができる。
続いて、前半用ランプデータ生成処理(S613)及び後半用ランプデータ生成処理(S614)が実行される。前半用ランプデータ生成処理(S613)では、電飾データテーブルの該当期間のレコードと、節電基礎テーブルA又は節電基礎テーブルBの「前半分割期間」とを演算処理し、前半細分レコードを生成する。一方、後半用ランプデータ生成処理(S614)では、電飾データテーブルの該当期間のレコードと、節電基礎テーブルA又は節電基礎テーブルBの「後半分割期間」とを演算処理し、後半細分レコードを生成する。
上記したように、10msタイマ割り込み処理(S56)では、新ランプ処理(S563)によって、メイン制御回路50のCPU51Aが、本発明の「制御条件付与手段」として機能する。
図23の10msタイマ割り込み処理(S56)において、新ランプ処理(S563)に次いで、コマンド送信処理(S565)が実行される。コマンド送信処理(S565)は図27に示され、上記説明した各処理においてサブ制御回路57のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等があるかチェックし(S670)、コマンドがあれば(S670でyes)コマンドを対応するランプ制御回路55及び音声制御回路59等に送信する(S671)。そして、この処理(S565)から抜けると共に、10msタイマ割り込み処理(S56)から抜ける。そして、図19に示すように、1msec毎に1msタイマ割り込み処理(S55)、10msec毎に10msタイマ割り込み処理(S56)が実行され、その間にCPU61に割り込みパルスが入力するまで、ステップS53の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因に受信割り込み処理(S54)が実行される。以上がサブ制御回路メインプログラムPG2の説明である。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態において、節電発光部の区分と、その区分に対応する分割期間は、二つに限られるものではなく、1つでもよいし、3つ以上設けてもよい。
(2)前記第1実施形態では、ランプデータには、点灯制御データのオン時間を半分にした2分割オン時間の情報が含められていたが、例えば、点灯制御データが「8」以下に設定されている節電発光部については、ランプデータは、一括して「0」に設定するなど、点灯制御データの半分の時間でなくてもよい。
(3)また、ランプデータと点灯制御データとで、等しいオン時間が設定されていてもよい。この場合、各基準周期内において、ランプデータでの通常の発光素子の点灯時間の総和は点灯制御データでの点灯時間の2倍となり、ランプデータでの節電発光部の点灯時間の総和は点灯制御データでの点灯時間と等しくなる。これに対し、設計者は、点灯制御データの値に予め発光素子の設計上のオン時間の半分の情報を設定しておくことで、通常の発光素子を設計上のオン時間と等しい時間点灯させ、節電発光部を設計上のオン時間の半分の時間点灯させることができる。