以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るパチンコ遊技機に配備された遊技盤1の正面図である。遊技盤1の略中央には開口よりなる窓部2が設けられ、遊技盤裏面にはカラー液晶表示装置で構成された遊技演出用の装飾表示装置(図13の液晶表示装置51)が窓部2に臨ませて配設されている。遊技盤1の中央下部には、窓部2の下方に第1の始動口としての上始動口3が配設されている。なお、本実施形態では、上始動口3はチャッカで構成されている。なお、上始動口3に入賞した遊技球は上始動口スイッチ29(図12参照)によって検出される。
また、上始動口3を構成しているチャッカの直下には、第2の始動口としての下始動口4が配設されている。本実施形態では、下始動口4は下始動口ソレノイド27(図12参照)により拡開作動されるチューリップ式の普通電動役物5の可変入賞口で構成されている。なお、下始動口4に入賞した遊技球は下始動口スイッチ30(図12参照)によって検出される。さらに、普通電動役物5の直下には、大入賞口ソレノイド28(図12参照)により前後方向に傾動可能に設けられた開閉扉6を備えた可変入賞装置により構成された特別電動役物7が設けられている。なお、特別電動役物7の大入賞口8に入賞した遊技球はカウントスイッチ32(図12参照)によって検出される。
なお、普通電動役物5は、通常時にはその下始動口4を閉成状態としており、下始動口4の直上に配設された上始動口3を構成するチャッカにより、遊技球の下始動口4への入賞が不可能な状態(遊技者に不利となる状態)となっている。また、特別電動役物7は、通常時には開閉扉6を閉成状態としてその入賞口である大入賞口8への遊技球の入賞が不可能な状態(遊技者に不利となる状態)となっている。なお、特別電動役物7は、作動時には開閉扉6を前方に傾動し、大入賞口8へ遊技球が入賞し易い状態(遊技者に有利となる状態)となる。
また、上始動口3は、後述する第1の特別図柄表示装置10における第1の可変表示ゲームを開始(図柄変動を開始)させるための始動入賞口(第1の始動口)に設定されている。また、普通電動役物5の下始動口4が後述する第2の特別図柄表示装置11における第2の可変表示ゲームを開始(図柄変動を開始)させるための始動入賞口(第2の始動口)に設定されている。
また、遊技盤1の下部左側には、表示LED配設パネル9が配設されている。図2は、表示LED配設パネル9の正面図である。表示LED配設パネル9の上部左側には、左右2連のLEDで構成された第1の特別図柄表示装置としての特別図柄表示装置10a,10b(以下、第1特別図柄表示装置という)と、同じく左右2連のLEDで構成された第2の特別図柄表示装置としての特別図柄表示装置11a,11b(以下、第2特別図柄表示装置という)とが上下2段に配設されている。
第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置の各LEDは、赤色、緑色、橙色の各発光色を発光表示可能なものである。第1特別図柄表示装置は遊技者に第1の可変表示ゲーム(発光色による点灯態様を変化させた後に停止表示する。この明細書では、図柄の変動と停止ということにする。)を提供するもので、第1の可変表示ゲームによる当り外れを認識させるための識別情報としての発光色による点灯態様を表示するものである。また、第2特別図柄表示装置は、遊技者に、第1の可変表示ゲームとは別に独立した第2の可変表示ゲーム(発光色による点灯態様を変化させた後に停止表示する。この明細書では、図柄の変動と停止ということにする。)を提供するもので、第2の可変表示ゲームによる当り外れを認識させるための識別情報としての発光色による点灯態様を表示するものである。なお、第1特別図柄表示装置による第1の可変表示ゲームに関わる制御と第2特別図柄表示装置による第2の可変表示ゲームに関わる制御とは、ゲーム内容が同じであるので、共通のアルゴリズムで行われる。
また、表示LED配設パネル9の上部中央には、左右2連のLEDで構成された記憶数表示LED12a,12bが配設され、表示LED配設パネル9の上部右側には、同じく左右2連のLEDで構成された記憶数表示LED13a,13bが配設されている。実施形態のパチンコ遊技機は、遊技球の上始動口3への入賞に起因した第1の可変表示ゲームを行う回数を最高4個まで保留するものであり、記憶数表示LED12は、第1の記憶数表示手段を構成するもので、保留されている第1の可変表示ゲームを行う回数(以下、第1の保留数という)を点灯状態(点滅を含む)により表示するものである。また、同様に、実施形態のパチンコ遊技機は、遊技球の下始動口4への入賞に起因した第2の可変表示ゲームを行う回数を最高4個まで保留するものであり、記憶数表示LED13は、第2の記憶数表示手段を構成するもので、保留されている第2の可変表示ゲームを行う回数(以下、第2の保留数という)を点灯状態(点滅を含む)により表示するものである。
記憶数表示LED12a,12bによる第1の保留数に対応する表示態様は図14に示すとおりであり、記憶数表示LED13a,13bによる第2の保留数に対応する表示態様は図15に示すとおりである。なお、図14及び図15に示すように、記憶数表示LED12a,12bによる第1の保留数に対応した表示態様と記憶数表示LED13a,13bによる第2の保留数に対応した表示態様とは点灯態様が同じとなっている。このように、本発明では、第1の記憶数表示手段と第2の記憶数表示手段とを同じ個数(各々2個)の発光LEDで構成し、かつ各LEDの場所とその消灯、点灯及び点滅の各状態の組合せにより1つの保留数(0個〜4個のうちの何れか1つ)を表示する。
また、表示LED配設パネル9の上部寄りの中央には、普通図柄表示装置を構成している普通図柄表示LED14が配設され、普通図柄表示LED14の右側には、左右2連のLEDで構成された記憶数表示LED15a,15bが配設されている。普通図柄表示LED14は、赤色、緑色の各発光色を発光表示可能なものであり、遊技者に、第1の可変表示ゲーム及び第2の可変表示ゲームとは別に独立した第3の可変表示ゲーム(補助可変表示ゲーム、発光色による点灯態様を変化させた後に停止表示する。この明細書では、図柄の変動と停止ということにする。)を提供するもので、補助可変表示ゲームによる当り外れを認識させるための識別情報としての発光色による点灯態様を表示するものである。なお、補助可変表示ゲームを行って普通図柄表示LED14が緑色に点灯した場合には外れであり、普通図柄表示LED14が赤色に点灯した場合には当りである。また、普通図柄表示LED14における図柄変動の開始に関わるゲート16が遊技盤1の左側上部に設けられている(図1参照)。なお、ゲート16を通過した遊技球はゲートスイッチ31(図12参照)によって検出される。
実施形態のパチンコ遊技機は、遊技球のゲート16への通過に起因した補助可変表示ゲームを行う回数を最高4個まで保留するものであり、記憶数表示LED15は、保留されている補助可変表示ゲームを行う回数(以下、普通図柄の保留数または第3の保留数という)を点灯状態(点滅を含む)により表示するものである。
記憶数表示LED15a,15bによる普通図柄の保留数に対応する表示態様は図16に示すとおりである。なお、記憶数表示LED15a,15bによる普通図柄の保留数に対応した表示態様は、上述した特別図柄の保留数の表示態様と点灯態様が同じとなっている。
普通図柄表示LED14の斜め左下方には、遊技状態表示LED17が配設され、遊技状態表示LED17の左側には小当り表示LED18が配設され、小当り表示LED18の左側にはラウンド表示(連続回数表示)LED19が配設されている。遊技状態表示LED17は、赤色、緑色、橙色の各発光色を発光表示可能なものであり、点灯発光色により、後述の変動時間短縮機能と確率変動機能の作動状態を表示するものである。すなわち、変動時間短縮機能が作動中の場合には緑色に点灯し、変動時間短縮機能が非作動の場合には消灯する。また、確率変動機能が作動中の場合には赤色に点灯し、確率変動機能が非作動の場合には消灯する。なお、変動時間短縮機能が作動中で、かつ確率変動機能が作動中の場合、緑色と赤色が同時に点灯発光して、結果的に橙色に点灯発光する。
小当り表示LED18は、第1特別図柄表示装置又は第2特別図柄表示装置において、後述する特別電動役物作動図柄が表示されることによる特別電動役物7の作動中に点灯し、遊技者に小当りであることを報知する。ラウンド表示(連続回数表示)LED19は、第1特別図柄表示装置又は第2特別図柄表示装置において、後述する15R(15ラウンド)図柄が表示されることによる条件フラグのセット中(=1)には緑色に点灯し、2R(2ラウンド)図柄が表示されることによる条件フラグのセット中(=1)には赤色に点灯し、遊技者に大当りが15Rか2Rかを報知する。
表示LED配設パネル9の中間部から下部に亘って複数個のLEDよりなる装飾表示用のサイドLED20が配設されている。なお、表示LED配設パネル9の上部裏面には普通図柄・特別図柄表示LED基板21が配設され、特別図柄表示装置10(第1特別図柄表示装置)、特別図柄表示装置11(第2特別図柄表示装置)、記憶数表示LED12(第1特別図柄の保留数)、記憶数表示LED13(第2特別図柄の保留数)、普通図柄表示LED14、記憶数表示LED15(普通図柄の保留数)、遊技状態表示LED17、小当り表示LED18、ラウンド表示LED19の各LEDは、普通図柄・特別図柄表示LED基板21に配設されている。また、表示LED配設パネル9の下部裏面にはサイドLED基板22が配設され、サイドLED20を構成する各LEDはサイドLED基板22に配設されている。
次に、遊技盤面における遊技について説明する。従来のパチンコ遊技機と同様、上受皿(図示せず)に遊技球を入れ、発射装置の発射レバー(図示せず)を遊技者が直接操作することにより右に回して調整することで、遊技球を遊技盤1面上の任意の位置に1個ずつ1分間に99.9個発射することができる。遊技盤1に向けて発射された遊技球は、遊技盤1に配置された各入賞口に入賞するか、又は遊技盤の最下部に設けられたアウト口23(図1参照)に入る。遊技球が入賞口に入賞すると、入賞した遊技球1個につき、予め定められた数の遊技球(賞球)が獲得できる。獲得した遊技球は上受皿又は下受皿に払い出される。なお、入賞口への入賞によらずに遊技球を獲得することはできない。なお、各入賞口及び獲得できる遊技球の数は次のとおりである。左上入賞口(図示せず)は10個、左中入賞口(図示せず)は10個、左下入賞口(図示せず)は10個、右入賞口(図示せず)は10個、上始動口3は3個、下始動口4(普通電動役物5に係る入賞口)は3個、大入賞口8は14個である。
次に、普通電動役物5に関する遊技について説明する。遊技球がゲート16を通過すると、普通図柄表示装置(普通図柄表示LED14)が作動して図柄が変動を開始する。なお、普通図柄表示装置の保留数は最大4個で、普通電動役物5が作動している間は、普通図柄表示装置は作動しない。普通図柄表示装置の図柄が変動を開始してから8.7秒以上が経過すると、図柄の変動が停止する。ただし、普通図柄表示装置には変動時間短縮機能があり、変動時間短縮機能作動時においては、約1.1秒が経過すると、図柄の変動が停止する。普通図柄表示装置に下記の図柄の組合せが表示されると、当りとなって普通電動役物5の作動により下始動口4(普通電動役物に係る入賞口)が開放する。
普通電動役物5を作動させることとなる図柄の組合せは1通りであり、発光色が赤色で点灯停止した場合である。なお、普通図柄表示装置には確率変動機能があり、普通電動役物5が作動することとなる図柄の組合せが表示される確率には、低確率と高確率の2種類がある。下始動口4(普通電動役物に係る入賞口)が作動した場合、5.3秒間に1.650秒間の開放を2回するか又は遊技球が8個入賞すると、普通電動役物5の作動が終了し、下始動口4の開放を終了する。ただし、普通電動役物5には開放延長機能があり、開放延長機能作動時においては約6.7秒間に1.654秒間の開放を3回するか又は遊技球が8個入賞すると、普通電動役物5の作動が終了し、下始動口4の開放を終了する。なお、上述の普通図柄表示装置の確率変動機能及び変動時間短縮機能の作動契機は、第1特別図柄表示装置及び第2の特別図柄表示装置の変動時間短縮機能(後述)の作動契機と同期している。また、普通電動役物の開放延長機能の作動契機は、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置の変動時間短縮機能の作動契機と同期している。
次に、特別電動役物7に関する遊技について説明する。特別電動役物7は、第1特別図柄表示装置または第2特別図柄表示装置に特定の図柄の組合せが表示された場合に作動する。遊技球が上始動口3に入賞すると、第1特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動を開始する。また、遊技球が下始動口4に入賞すると、第2特別図柄表示装置が作動し、図柄が変動を開始する。なお、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置の保留数は各々最大4個で、特別電動役物7が作動している間は、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置は作動しない。
また、第1特別図柄表示装置と第2特別図柄表示装置は、各始動口への入賞順に作動するように構成されている。さらに、第1特別図柄表示装置が作動している間は、第2特別図柄表示装置は作動を開始しない。同様に、第2特別図柄表示装置が作動している間は、第1特別図柄表示装置は作動を開始しない。すなわち、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置が両方とも作動している状態はなく、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置のうちの何れか一方のみ作動する。
第1特別図柄表示装置または第2特別図柄表示装置の図柄が変動を開始してから12.2秒以上が経過すると、各々の特別図柄表示装置に対応した図柄の変動が停止する。ただし、変動時間短縮機能未作動時の保留数の数の違いによる変動時間の短縮時においては、3.2秒以上が経過すると、各々の特別図柄表示装置に対応した図柄の変動が停止する。また、変動時間短縮機能作動時または変動時間短縮機能作動時の保留数の数の違いによる変動時間の短縮時においては、2.0秒以上が経過すると、各々の特別図柄表示装置に対応した図柄の変動が停止する。
第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置に表示される図柄の組合せには、特別電動役物7が小当りで作動することとなる図柄の組合せ(以下「特別電動役物作動図柄」という。)と、条件フラグがセットされることとなる図柄の組合せ(以下「条件フラグ図柄」という。)とがある。
第1特別図柄表示装置又は第2特別図柄表示装置に図3に示すそれぞれ3通りの特別電動役物作動図柄が表示されると特別電動役物7が小当りで作動し、大入賞口8が約2.6秒間に約0.3秒間の開放を2回するか又は遊技球が9個入賞すると特別電動役物7の作動が終了し、大入賞口8の開放が終了する。なお、図3に示すように、第1特別図柄表示装置による特別電動役物作動図柄と第2特別図柄表示装置による特別電動役物作動図柄とは点灯態様(図柄の組合せ)が同じとなっている。
一方、第1特別図柄表示装置又は第2特別図柄表示装置に図4に示すそれぞれ11通りの条件フラグ図柄が表示されると、条件フラグがセット(=1)される。当該条件フラグのセットにより役物連続作動機能が作動する。役物連続作動機能の作動により特別電動役物7が作動し、大入賞口8が開放し、大入賞口8が29.5秒間または約0.3秒間開放するか、もしくは遊技球が9個入賞すると特別電動役物7の作動が終了し、大入賞口8の開放が終了する(特別遊技状態の一実施態様)。なお、図4に示すように、第1特別図柄表示装置による条件フラグ図柄と第2特別図柄表示装置による条件フラグ図柄とは点灯態様(図柄の組合せ)が同じとなっている。
図4に示す条件フラグ図柄のうち、大入賞口8が29.5秒間もしくは遊技球が9個入賞すると大入賞口8の開放が終了する図柄の組合せ(15R図柄という)は、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置において図5に示すそれぞれ6通りである。なお、図5に示すように、第1特別図柄表示装置による15R図柄と第2特別図柄表示装置による15R図柄とは点灯態様(図柄の組合せ)が同じとなっている。
また、大入賞口8が約0.3秒間もしくは遊技球が9個入賞すると大入賞口8の開放が終了する図柄の組合せ(2R図柄という)は、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置において図6に示すそれぞれ5通りである。なお、図6に示すように、第1特別図柄表示装置による2R図柄と第2特別図柄表示装置による2R図柄とは点灯態様(図柄の組合せ)が同じとなっている。
役物連続作動機能の作動により特別電動役物7が再び作動し、大入賞口8が開放する。ただし、大入賞口8に遊技球が9個入賞した場合は、開放動作の時間内であっても特別電動役物7の作動は終了する。なお、役物連続作動機能により特別電動役物7が連続して作動する回数は、15R図柄の場合は15回、2R図柄の場合は2回である。
次に、確率変動機能について説明する。確率変動機能の作動条件については、低確率中に条件フラグがセットされることとなる第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置のそれぞれ11通りの条件フラグ図柄の組合せのうち(図4参照)、図7に示すそれぞれ8通りの図柄の組合せ(以下「特定図柄」という。)で条件フラグがセットされた場合、当該条件フラグのセットにより作動した役物連続作動機能の作動停止から確率変動機能が作動を開始し、条件フラグがセットされることとなる図柄の組合せが表示される確率が高確率に移行する。また、高確率中に特定図柄以外で条件フラグがセットされたときは、低確率に移行し確率変動機能が作動を停止する。一方、高確率中に特定図柄で条件フラグがセットされたときは、当該条件フラグのセットにより作動した役物連続作動機能の作動停止から新たに高確率の状態を継続する。なお、条件フラグがセットされている間は全て低確率となる。なお、条件フラグ図柄を表示する場合に、特定図柄が選択される割合は、72/100となっている。
次に、変動時間短縮機能について説明する。変動時間短縮機能の作動条件については、条件フラグがセットされることとなる第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置のそれぞれの図柄の組合せ(図4の条件フラグ図柄)には、図7に示す特定図柄又は図8に示すそれぞれ3通りの図柄の組合せ(以下「変動時間短縮図柄」という。)がある。特定図柄のうちの図9に示すそれぞれ3通りの図柄の組合せ(以下「特定図柄1」という。)及び図10に示すそれぞれ2通りの図柄の組合せ(以下「特定図柄3」という。)で条件フラグがセットされた場合、当該条件フラグのセットにより作動した役物連続作動機能の作動停止から変動時間短縮機能が作動を開始し、特別図柄の変動時間が短縮される。また、高確率中又は変動時間短縮機能作動中に特定図柄のうちの図11に示すそれぞれ3通りの図柄の組合せ(以下「特定図柄2」という。)で条件フラグがセットされた場合も、当該条件フラグのセットにより作動した役物連続作動機能の作動停止から変動時間短縮機能が作動を開始し、特別図柄の変動時間が短縮される。
特定図柄1、特定図柄3、高確率中又は変動時間短縮機能の作動中に特定図柄2で条件フラグがセットされた場合、当該条件フラグのセットにより作動した役物連続作動機能の作動停止から次回の条件フラグがセットされるまでの間、変動時間短縮機能が作動する。
一方、図8の変動時間短縮図柄で条件フラグがセットされた場合には、当該条件フラグのセットにより作動した役物連続作動機能の作動停止から次回の条件フラグがセットされるまでの間、または第1特別図柄と第2特別図柄の変動の合計が100回になるまでの間、変動時間短縮機能が作動する。なお、条件フラグがセットされている間に、変動時間短縮機能が作動することはない。
次に、パチンコ遊技機の裏面側に設けられる主基板24と周辺基板34とについて説明する。図12は主基板24を示すブロック図であり、図13は周辺基板34を示すブロック図である。主基板24は、図12に示すように、メイン制御基板25及び払出制御基板26により構成されている。メイン制御基板25は、図12に示すように、マイクロプロセッサとしてのメインCPU25aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート25bとを備えている。メインCPU25aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMとが内蔵されている、また、不正を防止するための機能も内蔵されている。
メインCPU25aは、主制御I/Oポート25bを介して、上述したゲートスイッチ31、上始動ロスイッチ29、下始動ロスイッチ30及びカウントスイッチ32からの検出信号がそれぞれ入力されており、これらの検出信号に基づいて、上述した下始動口ソレノイド27、大入賞口ソレノイド28、第1特別図柄表示装置10、第2特別図柄表示装置11、普通図柄表示LED14、記憶数表示LED12、13及び15、遊技状態表示LED17、小当り表示LED18、ラウンド表示LED19を駆動する駆動信号を、主制御I/0ポート25bを介して出力する。
メイン制御基板25と払出制御基板26との基板間では、互いに、つまり双方向に各種コマンドがやり取りされ、メイン制御基板25とサブ統合基板35との基板間では、メイン制御基板25からサブ統合基板35へ、つまり一方向に各種コマンドが出力されている。
払出制御基板26は、図12に示すように、マイクロプロセッサとしての払出制御CPU26aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/0ポート26bとを備えている。払出制御CPU26aには、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMと、一時的にデータを記憶するRAMと、が内蔵されている。また、不正を防止するため機能も内蔵されている。払出制御CPU26aは、メイン制御基板25から出力された払出装置33(払出モータ)を駆動するコマンドが払出制御I/Oポート26bを介して入力されると、このコマンドに基づいて払出装置33(排出モータ)を駆動する駆動信号を払出制御I/Oポート26bを介して出力する。これにより、払出装置33は賞球を払い出す。
周辺基板34は、図13に示すように、サブ統合基板35及び液晶制御基板40により構成されている。サブ統合基板35は、図13に示すように、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU36と、各種処理プログラムや各種コマンドを記億するサブ統合ROM37と、高音質の演奏を行う音源IC38と、この音源IC38が参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM39を備えている。
サブ統合MPU36は、パラレル入出力ポートやシリアル入出力ポート等を内蔵しており、メイン制御基板25からコマンドを受け取ると、このコマンドに基づいて、演出に関する演出コマンドを作成し、この演出コマンドを、パラレル入出力ポートから音源IC38及び液晶制御基板40にそれぞれ出力する。また、演出コマンドに合わせて、シリアル入出力ポートから後述するランプ駆動基板45に、演出ランプ47a〜47dを点灯/消灯(ON/OFF)するON/OFFデータと、階調ランプ48a,48bを階調点灯する階調データとを出力する。
音源IC38は、サブ統合MPU36から出力された演出コマンドに応じて、音ROM39から音情報を読み込み、低音用スピーカ49及び中低音用スピーカ50から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が出るよう制御を行う。
液晶制御基板40は、図13に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU41と、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する液晶制御ROM42と、液晶表示装置51を表示制御するVDP(Video Disp1ay Processorの略)43と、液晶表示装置51に表示する各種画像を記憶する画像ROM44と、を備えている。液晶制御MPU41は、サブ統合基板35から上述した演出コマンドを受け取ると、この演出コマンドに基づいて、VDP43を制御する。このVDP43は、画像ROM44から画像を読み出し、液晶表示装置51に表示する制御を行う。
ランプ駆動基板45は、上述したサブ統合基板35からシリアル出力されたON/OFFデータ、階調データ及び駆動データに応じて、図13に示すように、演出ランプ47a〜47dに点灯信号を出力し、階調ランプ48a,48bに階調点灯信号を出力し、モータ駆動装置46に駆動信号を出力する。このモータ駆動装置46は、この駆動信号に応じて、図示しない2つのステッピングモータを駆動する。
以上のように構成された実施形態のパチンコ遊技機におけるメイン制御基板25のメインCPU25a(以下、単にメインCPUという)が実行する処理について説明する。図17は、メインCPUが実行する処理を示すゼネラルフローチャートである。メインCPUが実行する処理は、電源投入により実行が開始されるメインルーチンと4ms毎に発生するタイマ割り込みにより実行されるタイマ割り込みルーチンとにより構成される。メインルーチンについては本発明の要旨に関わりがないので概略で説明する。電源投入時、メインCPUは、以下の各処理に必要な初期設定を行い、次いで、初期化処理を行ってRAMのワークエリアをクリアすると共に、以下の処理に必要な各種カウンタやフラグ等に初期値をセットする。メインCPUは、初期化処理を終えると、割込み許可を行い、割込み許可を終えるとメインループに進み、停電が発生したか否かを(電源電圧が所定電圧より降下しているか否かにより)判別し、停電が発生している場合は停電処理に移行する。一方、停電が発生していない場合には、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置に関わる当り外れを決定する乱数(大当り乱数)と普通図柄表示LEDに関わる当り外れを決定する乱数(当り乱数)以外の各乱数(当落に関係しない乱数)の更新をメインループにて行う。
4ms毎に発生するタイマ割り込みがかかると、メインCPUは、タイマ割り込みルーチンにジャンプする。まず、レジスタの内容を退避し(ステップS01)、スイッチ入力処理(ステップS02)、タイマ減算処理(ステップS03)、当落乱数更新処理(ステップS04)、賞球制御処理(ステップS05)、賞球チェック処理(ステップS06)、枠コマンド受信処理(ステップS07)、特別図柄・電動役物制御処理(ステップS08)、普通図柄・電動役物処理(ステップS09)、ポート出力処理(ステップS10)、周辺基板コマンド送信処理(ステップS11)を順次行い、レジスタの内容を復帰し(ステップS12)、割込み許可を行い(ステップS13)、メインループにリターンする。
ここで、上記各処理を概略で説明する。ステップS02のスイッチ入力処理では、上始動口スイッチ29、下始動口スイッチ30、ゲートスイッチ31及びカウントスイッチ32の検出信号を入力して記憶する。なお、その他の普通入賞口に配設されている入賞検出スイッチについても検出信号を入力して記憶する。ステップS03のタイマ減算処理では、各タイマにセットされているタイマ値が−1される。
ステップS04の当落乱数更新処理では、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置に関わる当り外れを決定する乱数(大当り乱数)の値と普通図柄表示LEDに関わる当り外れを決定する乱数(当り乱数)の値とが更新される。
ステップS05の賞球制御処理では、ステップS02のスイッチ入力処理の各スイッチの検出信号の記憶に基いて、各入賞口に対応する賞球数を払い出させる賞球コマンドがセットされ、払出制御基板26に対して賞球コマンドが送信され、払出制御基板26からのACK信号の返信待ちを行う。ステップS06の賞球チェック処理では、各入賞検出スイッチで検出される検出信号と、各入賞検出スイッチを通過した全ての球を検出する全入賞検出スイッチによる検出信号との整合性を判定する。
ステップS07の枠コマンド受信処理では、払出制御基板26から送信されるコマンドを受信する。具体的には、賞球制御に関して異常が発生した時、払出制御基板から出力されるコマンドの受信処理を行う。ステップS08の特別図柄・電動役物制御処理では、例えば、第1及び第2特別図柄を変動するにあたり、現在の表示時間の管理、何コマ目の表示態様であるかを管理する。また、大入賞口の開閉動作に関する制御を行う。ステップS09の普通図柄・電動役物処理では、普通図柄表示LED14の図柄変動処理と普通電動役物5の駆動に関する処理を行う。ステップS10のポート出力処理では、第1特別図柄表示装置及び第2特別図柄表示装置に出力するLED出力データの作成、第1特別図柄、第2特別図柄並びに普通図柄に関する保留数を表示するためのLED出力データの作成等を行うと共に、ポートを選択して出力を行う。ステップS11の周辺基板コマンド送信処理では、サブ統合基板35に対する各種コマンドを送信する。
次に、メインCPUが実行するLED出力データ作成処理のうち、本発明に関わる第1可変表示ゲーム(第1特別図柄の可変表示)の保留に関わる第1の保留数と、第2可変表示ゲーム(第2特別図柄の可変表示)の保留に関わる第2の保留数とを含む保留数LED出力データ作成処理について説明する。保留数LED出力データ作成処理においては、補助可変表示ゲーム(普通図柄の可変表示)の保留に関わる第3の保留数を表示するためのLED出力データ、第1可変表示ゲームの保留に関わる第1の保留数を表示するためのLED出力データ、第2可変表示ゲームの保留に関わる第2の保留数を表示するためのLED出力データ及び遊技状態表示LED17に表示するためのLED出力データを、8ビットで構成されたLED出力データ作成エリアに作成し、作成したLED出力データ作成エリアの内容(最終的なLED出力データ)をポートに出力する。
図18は、8ビット(D7〜D0)で構成されたLED出力データ作成エリア(仮にCレジスタとする)におけるデータ構成を示す図である。Cレジスタの0ビット(D0)は、第1可変表示ゲーム(第1特別図柄)の保留数表示に関する記憶数表示LED12a(左)のLED出力データ、1ビット(D1)は、第1可変表示ゲーム(第1特別図柄)の保留数表示に関する記憶数表示LED12b(右)のLED出力データである。
また、Cレジスタの2ビット(D2)は、第2可変表示ゲーム(第2特別図柄)の保留数表示に関する記憶数表示LED13a(左)のLED出力データ、3ビット(D3)は、第2可変表示ゲーム(第2特別図柄)の保留数表示に関する記憶数表示LED13b(右)のLED出力データである。
Cレジスタの4ビット(D4)は、補助可変表示ゲーム(普通図柄)の保留数表示に関する記憶数表示LED15a(左)のLED出力データ、5ビット(D5)は、補助可変表示ゲーム(普通図柄)の保留数表示に関する記憶数表示LED15b(右)のLED出力データである。
さらに、Cレジスタの6ビット(D6)は、遊技状態表示LED17による遊技状態の表示に関する赤色(確率変動機能の作動状態を表示)のLED出力データ、7ビット(D5)は、遊技状態表示LED17による遊技状態の表示に関する緑色(時間短縮機能の作動状態を表示)のLED出力データである。
次に、メインCPU(CPU内蔵のROMのデータエリア)に予め設定された各LED出力データテーブルについて説明する。上記データエリアには、第1の保留数(第1特別図柄に関する)に対応した各保留数を表示するための各LED出力データを記憶した第1の保留数LED出力データテーブルと(図19参照)、第2の保留数(第2特別図柄に関する)に対応した各保留数を表示するための各LED出力データを記憶した第2の保留数LED出力データテーブルと(図20参照)、第3の保留数(普通図柄の保留数)に対応した各保留数を表示するための各LED出力データを記憶した第3の保留数LED出力データテーブルと(図21参照)、確率変動機能の作動状態(通常確率状態と高確率状態の2つの状態がある)を表示するためのLED出力データを記憶した確変LED出力データテーブルと(図22参照)、変動時間に関する時間短縮機能の作動状態(通常状態と時間短縮状態の2つの状態がある)を表示するためのLED出力データを記憶した時短LED出力データテーブルと(図23参照)が設定されている。なお、各LED出力データにおいて各ビットの値は、「1」が点灯、「0」が消灯である。また、第1乃至第3の保留数LED出力データテーブルにおけるLED出力データは、保留数0個乃至4個の5種類である。
図19乃至図20に示すように、第1の保留数LED出力データテーブル及び第2の保留数LED出力データテーブルは同数のビット長(8ビット)からなる。各第1の保留数LED出力データは、所定のビット位置(0ビットと1ビット)に第1の記憶数表示手段の第1の保留数表示に関わる表示データ「1」が記憶され、かつその他のビット位置(2ビット〜7ビット)には第1の保留数表示に関わらない非表示データ「0」が記憶されている。また、各第2の保留数LED出力データは、第1の保留数LED出力データの第1の保留数表示に関わるビット位置とは異なるビット位置(2ビットと3ビット)に、第2の記憶数表示手段の第2の保留数表示に関わる表示データ「1」が記憶され、かつその他のビット位置(0ビット、1ビット、4ビット〜7ビット)には第2の保留数表示に関わらない非表示データ「0」が記憶されている。第1の保留数LED出力データテーブル及び第2の保留数LED出力データテーブルは、それぞれ保留数を相対アドレスとして該保留数に応じた保留数LED出力データの読み出しが可能になっている。
また、実施形態のパチンコ遊技機は、4ms毎に発生するタイマ割込み処理を利用してLED出力データ(Cレジスタの内容)を200msを1つの保留数についての単位表示時間として更新するようにしている。具体的には、第1乃至第3の保留数LED出力データテーブルには、1つの保留数について、LED変化タイマのタイマ値が初期値から100ms経過する時点までセットされるLED出力データ(前半の100ms間)と、LED変化タイマのタイマ値が100ms経過する時点から200ms経過する時点までセットされるLED出力データ(後半の100ms間)との2つがある。このように構成することで、第1の保留数乃至第3の保留数の表示態様において、LEDの点滅による保留数表示を実現している(保留数が3個と4個が点滅を用いた表示)。
図24は、図17のステップS10のポート出力処理の一部としてメインCPUが実行する保留数LED出力データ作成処理のフローチャートである。なお、この時点での、Cレジスタ(LED出力データ作成エリア)の内容は、「00000000B」(Bはビット表現の意味)とされている。メインCPUは、まず、Bレジスタ(8ビット)に普通図柄の保留数をセットし(ステップS20)、HLレジスタに第3の保留数LED出力データテーブルのアドレスをセットし(ステップS21)、保留数LEDデータ組合せサブルーチン(共通サブルーチン)をコールする(ステップS22)。ステップS22により、Cレジスタへの普通図柄の保留数に対応した保留数LED出力データのセットが完了する。なお、共通サブルーチンについては後述する。
次いで、Bレジスタに第1特別図柄の保留数をセットし(ステップS23)、HLレジスタに第1の保留数LED出力データテーブルのアドレスをセットし(ステップS24)、保留数LEDデータ組合せサブルーチン(共通サブルーチン)をコールする(ステップS25)。ステップS25により、Cレジスタへの第1特別図柄の保留数に対応した保留数LED出力データのセットが完了する。
次いで、Bレジスタに第2特別図柄の保留数をセットし(ステップS26)、HLレジスタに第2の保留数LED出力データテーブルのアドレスをセットし(ステップS27)、保留数LEDデータ組合せサブルーチン(共通サブルーチン)をコールする(ステップS28)。ステップS28により、Cレジスタへの第2特別図柄の保留数に対応した保留数LED出力データのセットが完了する。
次に、その他LED出力データセット処理を行う(ステップS29)。ステップS29により、Cレジスタへの遊技状態表示LED17のLED出力データのセットが完了する。そして、LED出力データ作成エリア(Cレジスタ)の内容を出力ポート(PGポート)に出力する(ステップS30)。
次に、保留数LEDデータ組合せサブルーチン(共通サブルーチン)について説明する。図25は、メインCPUが実行する共通サブルーチンのフローチャートである。メインCPUは、共通サブルーチンを開始すると、まず、LED変化タイマのタイマ値が0であるか否かを判別する(ステップS41)。LED変化タイマのタイマ値が0であれば、LED変化タイマが200ms(1つの保留数を表示するための単位時間)を計時したことになるため、LED変化タイマに新たに200msに相当するタイマ値(=49)をセットし(ステップS42)、ステップS43に進む。一方、LED変化タイマのタイマ値が0でなければ、直接ステップS43に進む。
ステップS43に進むと、表示時間は前半100msが経過したか否か、具体的には、LED変化タイマのタイマ値が100msに相当する値(=25)より小さいか否かを判別する(ステップS43)。LED変化タイマのタイマ値が100msに相当する値より小さければ、LED変化タイマが100msを計時した(1つの保留数を表示するための保留数LEDデータを後半のデータに切り換えるタイミングに達した)ことになるため、ステップS44に進み、Aレジスタに「1(キャリーあり)」をセットし(ステップS44)、ステップS46に進む。一方、LED変化タイマのタイマ値が100msに相当する値より小さくなければ、LED変化タイマがまだ100msを計時していないことになり、Aレジスタに「0(キャリーなし)」をセットし(ステップS45)、ステップS46に進む。
ステップS46に進むと、Bレジスタにセットされている保留数を2倍し(ステップS46)、HLレジスタにセットされている保留数LED出力データテーブルのアドレスにBレジスタの値(保留数×2)を加算し(ステップS47)、さらに、このアドレスにAレジスタの値を加算する(ステップS48)。ステップS48の結果、HLレジスタにセットされているアドレスは、保留数LED出力データテーブルのアドレス+(保留数×2)+Aレジスタの値となる。
次いで、ステップS49に進み、HLレジスタにセットされたアドレスで指定されるLED出力データを保留数LED出力データテーブルから取得し(ステップS49)、取得したLED出力データとCレジスタ(既に取得している保留数LEDデータ)との論理和をとって演算結果をCレジスタに記憶し(ステップS50)、保留数LED出力データ作成処理にリターンする。
以上に説明した共通サブルーチンによる保留数LEDデータ組合せを、第3の保留数(普通図柄の保留数)が2、第1の保留数(第1特別図柄の保留数)が4、第2の保留数(第2特別図柄の保留数)が3である場合について説明する。なお、LED変化タイマのタイマ値は、まだ100msを計時していない(キャリーなし)ものとする。
まず、図24のステップS20〜ステップS22の処理では、ステップS20でBレジスタに保留数として「2」がセットされ、ステップS21でHLレジスタに第3の保留数LED出力データテーブルPG_LED3_Bの先頭アドレス(135E)がセットされる。
そして、ステップS22で共通サブルーチンがコールされる。図25のステップS43で、LED変化タイマのタイマ値は、まだ100msを計時していないため、ステップS45によりAレジスタに「0(キャリーなし)」がセットされる。ステップS46では、Bレジスタの値「2」が2倍されて「4」となり、ステップS47で、第3の保留数LED出力データテーブルPG_LED3_Bの先頭アドレス(135E)にBレジスタの値が加算される結果、HLレジスタにセットされているアドレスが(135E)+4となる。さらに、ステップS48では、HLレジスタのアドレスにAレジスタの値が加算される結果、HLレジスタにセットされているアドレスが(135E)+4+0となる。この結果、ステップS48を実行した時点のHLレジスタにセットされているアドレスは、(1362)となる。
ステップS49では、アドレス(1362)のLED出力データ「00110000B」が第3の保留数LED出力データテーブルから取得される。したがって、保留数「2」を表示するためのLED出力データが取得される。次いで、ステップS50では、Cレジスタの内容「00000000B」と取得したLED出力データ「00110000B」との論理和がとられ、演算結果がCレジスタに記憶される。したがって、Cレジスタの内容は「00110000B」となる。そして、共通サブルーチンを抜けて保留数LED出力データ作成処理にリターンし、ステップS23に進む。
次に、図23のステップS23〜ステップS25の処理では、ステップS23でBレジスタに保留数として「4」がセットされ、ステップS24でHLレジスタに第1の保留数LED出力データテーブルPG_LED1_Bの先頭アドレス(134A)がセットされる。ステップS25で共通サブルーチンがコールされる。前述と同様の理由で、ステップS43、ステップS45と進み、Aレジスタに「0(キャリーなし)」がセットされる。ステップS46では、Bレジスタの値「4」が2倍されて「8」となり、ステップS47で、第1の保留数LED出力データテーブルPG_LED1_Bの先頭アドレス(134A)にBレジスタの値が加算される結果、HLレジスタにセットされているアドレスが(134A)+8となる。さらに、ステップS48では、HLレジスタのアドレスにAレジスタの値が加算される結果、HLレジスタにセットされているアドレスが(134A)+8+0となる。この結果、ステップS48を実行した時点のHLレジスタにセットされているアドレスは、(1352)となる。
ステップS49では、アドレス(1352)のLED出力データ「00000011B」が第1の保留数LED出力データテーブルから取得される。したがって、保留数「4」を表示するためのLED出力データが取得される。次いで、ステップS50では、Cレジスタの内容(既に取得している保留数LEDデータ)「00110000B」と取得したLED出力データ「00000011B」との論理和がとられ、演算結果がCレジスタに記憶される。したがって、Cレジスタの内容は「00110011B」となる。そして、共通サブルーチンを抜けて保留数LED出力データ作成処理にリターンし、ステップS26に進む。
次に、ステップS26〜ステップS28の処理では、ステップS26でBレジスタに保留数として「3」がセットされ、ステップS27でHLレジスタに第2の保留数LED出力データテーブルPG_LED2_Bの先頭アドレス(1354)がセットされる。ステップS28で共通サブルーチンにジャンプし、前述と同様の理由で、ステップS43、ステップS45と進み、Aレジスタに「0(キャリーなし)」がセットされる。ステップS46では、Bレジスタの値「3」が2倍されて「6」となり、ステップS47で、第2の保留数LED出力データテーブルPG_LED2_Bの先頭アドレス(1354)にBレジスタの値が加算される結果、HLレジスタにセットされているアドレスが(1354)+6となる。さらに、ステップS48では、HLレジスタのアドレスにAレジスタの値が加算される結果、HLレジスタにセットされているアドレスが(1354)+6+0となる。この結果、ステップS48を実行した時点のHLレジスタにセットされているアドレスは、(135A)となる。
ステップS49では、アドレス(135A)のLED出力データ「00001100B」が第2の保留数LED出力データテーブルから取得される。したがって、保留数「3」を表示するためのLED出力データが取得される。次いで、ステップS50では、Cレジスタの内容(既に取得している保留数LEDデータ)「00110011B」と取得したLED出力データ「00001100B」との論理和がとられ、演算結果がCレジスタに記憶される。したがって、Cレジスタの内容は「00111111B」となる。そして、共通サブルーチンを抜けて保留数LED出力データ作成処理にリターンし、ステップS29に進む。なお、図27に、共通サブルーチンによる上述した保留数LEDデータ組合せの一具体例を示す。
ここで、ステップS29の処理について説明する。図26は、その他LEDデータセット処理のフローチャートである。メインCPUは、高確率フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS61)、高確率フラグがセットされていない通常確率状態の場合には、確変LED出力データテーブルPB_SEL1_Bのアドレス(12B4)のLED出力データ「00000000」を取得し(ステップS62)、ステップS63に進む。一方、高確率フラグがセットされている高確率状態の場合には、確変LED出力データテーブルPB_SEL1_Bのアドレス(12B4)+1のアドレスのLED出力データ「01000000」を取得し(ステップS63)、ステップS64に進む。ステップS64では、Cレジスタの内容(既に取得している保留数LEDデータが記憶されている)と取得したLED出力データとの論理和をとって演算結果をCレジスタに記憶する(ステップS64)。
次に、時短フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS65)、時短フラグがセットされていない通常状態の場合には、時短LED出力データテーブルPB_SEL2_Bのアドレス(12B6)のLED出力データ「00000000」を取得し(ステップS66)、ステップS68に進む。一方、時短フラグがセットされている時間短縮状態の場合には、時短LED出力データテーブルPB_SEL2_Bのアドレス(12B6)+1のアドレスのLED出力データ「10000000」を取得し(ステップS67)、ステップS68に進む。ステップS68では、Cレジスタの内容(既に取得している保留数LEDデータが記憶されている)と取得したLED出力データとの論理和をとって演算結果をCレジスタに記憶する。一例として、高確率フラグがセットされておらず、時短フラグがセットされていないものとして説明する。したがって、ステップS29を行った時点のCレジスタの内容は、上述の具体例では、「00111111B」となる。
そして、ステップS30にて、Cレジスタの内容を出力ポートに出力する。これにより、上述の具体例では、前半の100msが経過するまでの間、記憶数表示LED12a,12bが点灯し、記憶数表示LED13a,13bが点灯し、記憶数表示LED15a,15bが点灯し、遊技状態表示LED17は消灯する。
そして、LED変化タイマのタイマ値が100msを計時すると、共通サブルーチンのステップS43でLED変化タイマのタイマ値が100msに相当する値よりも小さいと判別され、ステップS44によりAレジスタに「1(キャリーあり)」がセットされる。
以下、第3の保留数の場合であれば、ステップS46で、Bレジスタの値「2」が2倍されて「4」となり、ステップS47で、HLレジスタにセットされているアドレスが(135E)+4となる。さらに、ステップS48では、HLレジスタのアドレスにAレジスタの値が加算される結果、HLレジスタにセットされているアドレスが(135E)+4+1となる。この結果、ステップS48を実行した時点のHLレジスタにセットされているアドレスは、(135E)+5となる。
ステップS49では、アドレス(1363)のLED出力データ「00110000B」が第3の保留数LED出力データテーブルから取得される。したがって、保留数「2」を表示するためのLED出力データが取得される。次いで、ステップS50では、Cレジスタの内容「00000000B」と取得したLED出力データ「00110000B」との論理和がとられ、演算結果がCレジスタに記憶される。したがって、Cレジスタの内容は「00110000B」となる。
次に、第1の保留数の場合であれば、ステップS46では、Bレジスタの値「4」が2倍されて「8」となり、ステップS47で、HLレジスタにセットされているアドレスがPG_LED1_Bのアドレス(134A)+8となる。さらに、ステップS48で、HLレジスタのアドレスにAレジスタの値が加算される結果、HLレジスタにセットされているアドレスが(134A)+8+1となる。この結果、ステップS48を実行した時点のHLレジスタにセットされているアドレスは、(134A)+9となる。
ステップS49では、アドレス(1353)のLED出力データ「00000000B」が第1の保留数LED出力データテーブルから取得される。したがって、保留数「4」を表示するためのLED出力データが取得される。次いで、ステップS50では、Cレジスタの内容(既に取得している保留数LEDデータ)「00110000B」と取得したLED出力データ「00000000B」との論理和がとられ、演算結果がCレジスタに記憶される。したがって、Cレジスタの内容は「00110000B」となる。
次に、第2の保留数の場合であれば、ステップS46では、Bレジスタの値「3」が2倍されて「6」となり、ステップS47で、HLレジスタにセットされているアドレスがPG_LED2_Bのアドレス(1354)+6となる。さらに、ステップS48では、HLレジスタにセットされているアドレスが(1354)+6+1となる。この結果、ステップS48を実行した時点のHLレジスタにセットされているアドレスは、(1354)+7となる。
ステップS49では、アドレス(135B)のLED出力データ「00001000B」が第2の保留数LED出力データテーブルから取得される。したがって、保留数「3」を表示するためのLED出力データが取得される。次いで、ステップS50では、Cレジスタの内容(既に取得している保留数LEDデータ)「00110000B」と取得したLED出力データ「00001000B」との論理和がとられ、演算結果がCレジスタに記憶される。したがって、Cレジスタの内容は「00111000B」となる(図27参照)。
そして、ステップS30にて、Cレジスタの内容を出力ポートに出力する。これにより、上述の具体例では、後半の100msが経過するまでの間、記憶数表示LED12a,12bが消灯し、記憶数表示LED13aが消灯し、記憶数表示LED13bが点灯し、記憶数表示LED15a,15bが点灯し、遊技状態表示LED17は消灯する。
以上を100ms毎に繰り返すことにより、記憶数表示LED12a,12bが100ms毎に点灯と消灯とを交互に繰り返し、記憶数表示LED13aが100ms毎に点灯と消灯とを交互に繰り返し、記憶数表示LED13bは点灯を維持し、記憶数表示LED15a,15bが点灯を維持することになる。したがって、記憶数表示LED12a,12b,記憶数表示LED13aが見る者に点滅として認識されることになり、第1の保留数が「4」、第2の保留数が「3」として認識される。また、当然ながら、点灯維持している記憶数表示LED15a,15bにより第3の保留数が「2」として認識される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、図24の保留数LED出力データ作成処理のフローチャートに示されるように、第1特別図柄による第1可変表示ゲームの保留数を表示するためのLED出力データを作成する処理と、第2特別図柄による第2可変表示ゲームの保留数を表示するためのLED出力データを作成する処理とを共通のサブルーチンで作成するようにしたから、プログラムが多岐にならずに済んで平易なものにでき、遊技制御プログラムの詳細な検査を容易なものとすることができ、適正かどうかの判断も簡単にできる。また、共通のサブルーチンを検査するだけでよいから適正かどうかの判断も簡単にできる。
遊技機用のメインCPUに内蔵されるROMにおいて、遊技制御用のプログラムを格納するコードエリアは3072バイトまで、データエリアは3072バイトまでと厳しく制限されているが、第1特別図柄による第1可変表示ゲームの保留数を表示するためのLED出力データを作成する処理と、第2特別図柄による第2可変表示ゲームの保留数を表示するためのLED出力データを作成する処理とを共通のサブルーチンで作成するようにしたから、第1特別図柄による第1可変表示ゲームの保留数を表示するためのLED出力データを作成する処理と、第2特別図柄による第2可変表示ゲームの保留数を表示するためのLED出力データを作成する処理とをそれぞれ独立して平書きした場合と比較して、遊技制御用のプログラムの容量を低減することができる。
また、従来のパチンコ遊技機においては、普通図柄の図柄変動に関する保留数表示と特別図柄の図柄変動に関する保留数表示とをそれぞれ4つずつのLEDを用いて個数点灯(点灯するLEDの個数)で表示していたため、メイン制御基板の出力ポートは8つ必要であった。実施形態のパチンコ遊技機では、特別図柄が1つ増えたことに対応して(第1特別図柄と第2特別図柄)、第1特別図柄の保留数表示に対して2個のLED、第2特別図柄の保留数表示に対して2個のLEDに割り振り、さらに普通図柄の保留数表示に対しても2個のLEDとし、各LEDの場所とその消灯、点灯及び点滅の各状態の組合せで保留数を表示する構成としたので、保留数表示に必要な出力ポートを少なくすることができ、メイン制御基板を改版することなく、既存のメイン制御基板を使用することができる。