以下、本発明に係るぱちんこ遊技機の実施例について説明する。なお、ここでは先ず、本実施例のぱちんこ遊技機の基本構成について説明し、その後に、本実施例のぱちんこ遊技機における遊技手順、演出、及び、制御態様などについて説明する。
<ぱちんこ遊技機の基本構成>
図1は、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の前面構成を示している。ぱちんこ遊技機10においては、後述する遊技機枠11に遊技盤50が装着されている。これらのうち、遊技盤50は、ぱちんこ遊技機10の機種に応じて付属機器や意匠等といった構成要素を異ならせているものである。さらに、遊技盤50は、遊技機枠11との電気的な接続関係や、構造的な接続関係を解除することにより、遊技機枠11から分離できるようになっている。
また、複数機種の遊技盤50について、遊技機枠11との構造的及び電気的な接続関係を共通化することにより、異機種間で遊技機枠11を共用する所謂機種変更が可能となっている。なお、以下では先ず、遊技機枠11について説明し、その後に遊技盤50の盤面構成について説明する。
上述の遊技機枠11は、外枠12、前枠13、及び、下部前板14を有している。さらに、前枠13には、ガラス扉15、及び、皿ユニット16が装着されている。これらのうち外枠12は、ぱちんこ遊技機10を、遊技場(遊技店舗)内の島設備における所定位置に固定するために用いられる矩形の枠体であり、図1中に示すように、ガラス扉15や皿ユニット16を有する前枠13と、上述の下部前板14とにより、前面側が閉じられる開口部分を有している。
前枠13は、外枠12の開口部分に整合する外形を備えた構造であり、図1中の左側に示すヒンジ機構15A、15Bを介して、外枠12に装着されている。そして、前枠13は、外枠12に対する閉鎖状態から、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、前方へ揺動することで開放状態となる。
前枠13の外枠12への係止と、外枠12からの解放は、錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、図1中に示すように、前枠13の自由端側には、錠装置のシリンダ部17が配置されており、このシリンダ部17は、前枠13の下部を覆った前述の皿ユニット16を通して、鍵穴をぱちんこ遊技機10の前方へ向けている。そして、遊技場店員が、鍵をシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば反時計回りに回すと、前枠13の自由端側が錠装置から解放され、前枠13が開放状態となる。
このような前枠13に対して、前述の下部前板14は、前枠13のような開閉のための構成は備えておらず、外枠12に、動くことないよう固定されている。そして、下部前板14は、外枠12の前面の下端部を常に塞いでいる。
前枠13の前部に配置されたガラス扉15と、皿ユニット16とは、ヒンジ機構(図示略)を介して、前枠13に装着されている。さらに、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、何れも、図1中の左側縁部を固定端とし、右側縁部を自由端として、各々独立に揺動可能である。そして、ガラス扉15と、皿ユニット16とは、例えば遊技場店員が、前方に水平に揺動させることで開放状態となり、開放状態から後方へ水平に揺動させ、前枠13に係止させることにより閉鎖状態となる。
ガラス扉15の前枠13への係止と、前枠13からの解放は、前述の錠装置(図示略)を介して行われている。すなわち、遊技場店員が、鍵を前述のシリンダ17部の鍵穴に挿入し、この鍵を、例えば前枠13の開放時とは逆の時計回りに回すと、ガラス扉15の自由端側が錠装置から解放され、ガラス扉15が開放状態となる。
また、ガラス扉15を開放することで、皿ユニット16の係止機構(図示略)が現れて操作可能となり、この係止機構の操作部(図示略)を遊技場店員が、例えば下方向に押し込み操作することで、皿ユニット16が開放状態となる。
さらに、ガラス扉15は、例えば平行な2枚の透明板を脱着可能に保持しており、閉鎖状態にある場合に、これらの透明板を通して、ぱちんこ遊技機10の前方から遊技盤50を視認できるようにしている。透明板としては、ガラス板のほか、透明な樹脂板なども利用することができる。
皿ユニット16は、その前面に、上球皿18、下球皿19、及び、発射ハンドル20等を有している。これらのうち、上球皿18には、遊技球の貯留、発射ハンドル20を介して操作される発射装置43(図2及び図4参照)への遊技球の供給、下球皿19への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。また、下球皿19には、遊技球の貯留、上球皿18から送られてきた遊技球の受入れ、ぱちんこ遊技機10の外部に置かれた玉箱(所謂ドル箱)への遊技球の排出といった各種機能のための機構が備えられている。
また、本実施例においては、ガラス扉15の上隅部や、下部前板14などといった部位に、各種のスピーカ21が設けられており、これらのスピーカ21を通して、遊技状態や演出パターンなどに応じたBGMや各種効果音などが出力されるようになっている。
さらに、上球皿18の、遊技者に向かう部分には、遊技者により押下操作が可能な操作ボタン22が設けられている(図1参照)。この操作ボタン22は、上球皿18の上部の外壁面に設けられており、上球皿18の左右方向の中央近傍に位置している。また、操作ボタン22は、内部に操作ボタン用発光体(図示略)を備えており、実行される演出パターンに応じて光出力を行うようになっている。
なお、操作ボタン22を、例えばモータやソレノイド等の駆動源を用いて、所定の場合に上方に突出ないし振動動作を実施するようにしてもよい。本実施例における操作ボタン22は、詳細は図示しないが昇降モータの駆動により操作ボタン22の先端が上方へ突出する態様に変位し、傾倒による入力を実施可能な操作レバー入力部を形成することが可能であり、操作レバーの駆動系に振動を発生するための半月状の偏心カムを有している。また、図19(a)に示すように、操作ボタン22のほかに十字キー96が備えられており、この十字キー96を用いて遊技者による各種の環境設定や演出操作が可能となっている。そして、環境設定の内容としては、スピーカ21の音量調節(調整)、後述する演出表示の輝度調節(調整)や光量調節(調整)、或いは、後述する演出モードの変更などを例示できる。また、十字キー96を用いた演出操作としては、変動表示中のミニゲームなどを例示できる。さらに、十字キー以外にも、例えば、レバー状の操作手段や、各種方式のタッチパネル等を用いることが可能である。なお、十字キー96を用いた光量調節(調整)等については後述する。また、図19(a)中に符号97で示すのは玉貸ボタンであり、符号98で示すのは返却ボタンである。さらに、図19(a)中に符号98で示すのは上球皿18用の球抜ボタンである。
<ぱちんこ遊技機の背面構成>
次に、ぱちんこ遊技機10の背面側における基本的な構成を説明する。図2に示すように前枠13の背面には、遊技球を誘導又は回収するための遊技球通路等を備えたセット基盤31が取着されており、このセット基盤31の下方に、遊技機全体に電源を供給するための電源ユニット32、遊技機枠側の制御を行う払出制御基板103が取り付けられている。また、遊技盤50の背面側においては、遊技全体を統括制御するメイン基板(主制御基板)102や、メイン基板102からの制御コマンドに基づいて演出制御を実行するサブ基板104が、セット基盤31の開口に対応する位置関係で設けられている。
セット基盤31においては、上述の開口の上部に賞球タンク33が設けられている。この賞球タンク33は、島設備から供給されて賞球となる遊技球を貯留する。さらに、賞球タンク33の下方には、賞球通路34、払出ユニット35、賞球排出通路36が設けられている。
払出ユニット35は、賞球通路34と連絡し賞球タンク33内に貯留された球を1球単位で下方に排出可能である。さらに、賞球排出通路36は、払出ユニット35から流下された遊技球を賞球として球皿(上球皿18又は下球皿19)に案内する。
前述の電源ユニット32は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の左下の部位に設けられている。そして、電源ユニット32は、遊技機外部から供給される交流電源を、遊技機中において使用する各種の電圧に変換して、払出制御基板103、メイン基板102、サブ基板104等へ供給する。また、電源ユニット32には、傾倒スイッチである電源スイッチ40が設けられている。
前述の払出制御基板103は、図2中に示すようにぱちんこ遊技機10を背面視した場合における、セット基盤31の右下の部位に配置されている。そして、払出制御基板103は、メイン基板102からの払出に係る指令や外部からの貸出要求に応じて払出ユニット35を制御する払出制御機能を有している。また、払出制御基板103は、発射ハンドル20(図1参照)の操作量に応じた強度で遊技球を遊技領域に発射するよう、発射装置43を制御する発射制御機能も備えている。
前述のメイン基板102は、遊技盤50の背面側における中央下部に配置されており、主に、各種の抽選機能や、払出制御基板103及びサブ基板104に対する制御機能などのように、ぱちんこ遊技機10における中心的な処理機能を備えている。前述のサブ基板104は、遊技盤50の背面側における中央上部に配置されており、主に、後述する各種の演出を制御するための機能を備えている。また、図示は省略するが、メイン基板102の基板上には、4つの7セグメント表示体で構成される性能表示部と、1つの7セグメント表示体で構成される設定表示部とを備えている。
前述のサブ基板104については、演出制御の主体的な機能を担う主サブ基板(本実施例ではサブメイン基板301)と、画像作成などの特定の演出機能に特化した副サブ基板(本実施例ではサブサブ基板302)とに分かれているが、「サブ基板」の用語はこれらを包含したものである。また、セット基盤31の背面側における右上部には、メイン基板102や払出制御基板103等からの信号をぱちんこ遊技機10の外部の機器へ中継する外部中継端子基板46が設けられている。
<遊技盤の盤面構成>
次に、前述の遊技盤50や、遊技盤50の盤面に配置された部品(盤面部品)について説明する。本実施例においては、遊技盤50は、透明な樹脂材質(例えば透明アクリル樹脂など)や木材(ベニヤ板)からなる複数の部品により構成されている。また、遊技盤50は、板状に形成されており、遊技球を遊技盤50の裏側に導く遊技球通路や、所定の空間などを有している。そして、遊技盤50は、各種の盤面部品が装着された板面を前方に向けた状態で、遊技機枠11の前枠13に装着されており、閉鎖状態にあるガラス扉15等により、その前方を覆われるようになっている。さらに、遊技盤50の前面側においては、湾曲した帯状に成形された内レールや外レールを組み合せて遊技領域52が区画形成されている。
図1中に示すように、遊技領域52には、第1始動入賞口62と第2始動入賞口63、大入賞口装置90(アタッカーユニット)、作動口68、複数の一般入賞口72、及び、遊技領域52の最下部に配置され図1中では操作ボタン22の背後に隠れているアウト口(58)等が備えられている。さらに、遊技領域52には、演出のための表示を行うことが可能な液晶表示装置からなる演出表示装置60や、この演出表示装置60の周辺を装飾するセンター飾り64等が備えられている。
また、遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や、風車などの機構が備えられている。なお、風車を設けないようにすることも可能である。さらに、遊技盤50の、遊技領域52の左下の外部には、主制御表示装置53が設けられている。なお、この主制御表示装置53の具体的な構成や機能については後述する。また、遊技盤50の上述のような盤面構成は、例えば、ぱちんこ遊技機10に採用されたゲーム性等に応じて種々に異なり得るものである。
<盤面部品の機能>
続いて、上述した個々の盤面部品に係る具体的な機能や構成について説明する。先ず、前述の第1始動入賞口62は、第1遊技に係る始動入賞口であり、遊技球の入口を常時開き、且つ、遊技球の入口の大きさを変化させないタイプのものである。さらに、第1始動入賞口62は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を検出する第1始動入賞検出装置74(センサ)を有しており、このセンサの出力信号は、前述のメイン基板102に入力されている。
前述の第2始動入賞口63は、第2遊技に係る始動入賞口であり、第1始動入賞口62の右側に配置されている。第2始動入賞口63は、普通電動役物(所謂「電動チューリップ」或いは「電チュー」)に係る始動口となっており、後述する普通図柄が当りの態様で停止表示された場合に、片側(図1中の右側)に開放動作する羽根(開閉羽根)を備えている。そして、第2始動入賞口63が、普通電動役物の作動に基づき、開閉羽根を所定時間に亘り開放動作させて拡開することにより、遊技球の第2始動入賞口63への入球が可能となる。なお、本実施例の態様に限らず、第2遊技に係る始動口に普通電動役物を設けない構成としたり、第1遊技に係る始動口について普通電動役物を配置する構成としてもよい。
さらに、第2始動入賞口63は、図3中に示すように、第2始動入賞検出装置75(センサ)と、上述の開閉羽根を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76とを備えている。第2始動入賞検出装置75の出力信号は、メイン基板102に入力されている。
また、本実施例では、第2始動入賞口63を開放する態様として、複数種類が設けられている。そして、これらの開放態様には、比較的短時間(例えば0.2秒程度)の態様(「ショート開放」や「短開放」などと称する)や、比較的長時間(例えば5秒程度)の態様(「ロング開放」や「長開放」などと称する)などがある。また、ショート開放とロング開放の間の開放時間に設定されたミドル開放の態様を設けることも可能である。そして、第2始動入賞口63に係る各種の開放態様については後述する。
前述の一般入賞口72は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73(センサ)を備えている。一般入賞検出装置73は、の出力信号はメイン基板102に入力されている。
そして、一般入賞検出装置73を複数の一般入賞口72で共用する場合には、複数の一般入賞口72入球した遊技球を、一般入賞検出装置73が配置された箇所に集合させて、検出することが可能である。また、複数の一般入賞口72について、位置関係毎に、または賞球個数毎にグループ化(一般入賞検出装置73の共用)することも可能である。なお、賞球の払出しに係る具体的な態様については後述する。
前述の大入賞口装置90は、透明な合成樹脂製の部品を組み合わせてケース状に形成されており、図示は省略するが、その内側に、遊技者から視認可能な大入賞口を備えている。大入賞口は、横長の長方形状に形成された開口を有しており、この開口を開閉するための第1開閉扉(図示略)を備えている。そして、大入賞口は所定の当りが発生した場合に、所定の態様で開放動作を行う。
また、大入賞口装置90は、図3中に示すように、遊技球の入球を検出するための大入賞検出装置78や、上述の開閉扉を開閉駆動する大入賞口ソレノイド80を備えている。これらのうち、大入賞検出装置78は、大入賞口装置90への遊技球の入球を検出するセンサを有しており、その出力信号はメイン基板102に入力されている。
なお、大入賞口装置90としては種々のものを採用可能である。例えば、大入賞口装置90として、大入賞口を前向きに開口したものや、上向きに開口したものなどを採用することが可能である。また、大入賞口装置90として、大入賞口を開閉する上述の開閉扉(図示略)に係る動作パターン(開閉パターン)を複数種類備え、特別遊技が実行される大当り遊技中に、複数種類の異なる動作パターンで開閉扉を動作させるものなどを採用することが可能である。さらに、大入賞口装置90として、大入賞口を複数備え、遊技の状況に応じて、遊技球を各大入賞口へ振り分けるものなども採用が可能である。
前述の作動口68aは、図3中に示すように、通過検出装置69を備えており、この通過検出装置69は、作動口68における遊技球の通過を検出するセンサを有している。そして、通過検出装置69、におけるセンサの出力信号は、メイン基板102に入力されており、通過検出装置69は、入球の有無に応じて、センサの出力信号を変化させる。
前述のアウト口58は、図3中に示すように、アウト球検出装置(アウト口センサ)82を備えている。このアウト口センサ82は、遊技領域52で入賞球(セーフ球)とならずアウト口58に入った遊技球(アウト球)の検出を行うようになっている。そして、アウト口センサ82の検出結果は、アウト球の計数や、性能表示部での表示(ベース表示)に利用されるようになっている。
前述のセンター飾り64は、演出の機能等を有しており、センター飾り64の内部には、多数のチップ型LEDが実装されたLED基板が設けられている。そして、センター飾り64のLEDを駆動することで、LEDの光がセンター飾り64を透過し、センター飾り64が光装飾(光演出)を行うようになっている。さらに、センター飾り64における光装飾は、遊技中のみでなく、遊技開始を待つ待機中や、遊技者が光量調整(光量設定)などを行うための遊技準備中などにも行われるが、これらに係る詳細については後述する。
また、センター飾り64の背面(内側)には、複数の可動演出部材が設けられており、これらの可動演出部材が、演出用のギミックを構成している。本実施例においては、主な可動演出部材として、図21に示す各種の導光板標識(左下標識601、上標識602、右下標識603)が設けられている。これらの可動演出部材(601〜603)は、通常は図1に示すようにセンター飾り64の内側に隠れている。しかし、所定の演出が行われる場合には、これらの可動演出部材(601〜603)が、図21に示すように演出表示装置60の前に出現する。
ここで、図21においては、3つの可動演出部材(601〜603)を全て出現させた状態が示されている。また、本実施例においては、可動演出部材においても光装飾(光演出)が行われるようになっている。さらに、可動演出部材における光装飾は、遊技中のみでなく、遊技開始を待つ待機中や、遊技者が光量調整などを行うための遊技準備中などにも行われるが、これらに係る詳細については後述する。
さらに、センター飾り64の、正面から見て右側の部位には遊技球通路部65が形成されており、センター飾り64は、上述のような演出機能のほかに、遊技球の流路の機能を有している。
また、センター飾り64には、導光板88が備えられている。この導光板88としては、図示は省略するが、例えば、板面を前後に向けて平行に並べられた2枚の透明板を備えたものを採用することが可能である。さらに、導光板88は、センター飾り64に装着されており、演出表示装置60の前方において、センター飾り64の外側と内側との間を遮蔽している。そして、導光板88は、センター飾り64において、演出表示装置60の保護カバーとしても機能している。
この導光板88は、例えば、以下のように構成することが可能である。すなわち、センター飾り64の内部において、透明板の、例えば左右の端面のうちの一方の端面に向い合うように、光源となる複数のLEDを、それぞれ帯状に並べて配置する。そして、通常時には、演出表示装置60の画面に他の像を重ねることなく、演出表示装置60の表示内容を、遊技者が視認できるように透明板の外側に透過させている。
しかし、導光板88を構成する各透明板の内部には、通常の環境の下では視認できない程度の細かな凹凸が形成されている。そして、所定の演出の実行時に、例えば、いずれか一方の透明板の端面に面した上述の光源が駆動され、当該透明板の端面から、光源の光が、透明板の内部に向けて照射される。さらに、光を照射された透明板の凹凸により光が拡散し、拡散光により、所定のイラストなどが、遊技者に認識可能なように発色して浮かび上がる。
また、導光板88の2枚の透明板のうち、他方の透明板には、上述のイラスト等とは異なる像を形成するための凹凸が刻まれている。そして、所定の演出時に、端面に面した光源を駆動することにより、上述のものとは異なるイラストなどが、遊技者に認識可能なように浮かび上がる。
ここで、透明板の左右のうちの一方の端面だけではなく、上下のうちの一方の端面にも光源を向い合せ、この光源の光により、他のイラスト等を映し出すことも可能である。このようにすることで、1枚の透明板につき2種類の画像を表示することが可能となる。また、透明板の数は、1枚であっても、3枚以上であってもよい。また、導光板88に代えて、或いは併せて、透過液晶表示体を用いることも可能である。
なお、本実施例では、前述の可動演出部材(図21中の601〜603など)でも、導光板を用いた演出が行われるようになっているが、可動演出部材(図21中の601〜603など)の構成や、導光板の利用形態については後述する。
前述の主制御表示装置53は、図6に示すように、図柄表示基板(メイン図柄表示基板)256上に、LED表示灯を多数配置したものや、メイン基板102上に7セグメント表示体で構成される性能表示部や設定表示部を配置するものである。この主制御表示装置53のうち図柄表示基板側には、前述の普通図柄を表示する普通図柄表示部59、第1遊技に対応する第1特別図柄(後述する)を表示する第1特別図柄表示部70、第2遊技に対応する第2特別図柄(後述する)を表示する第2特別図柄表示部71、及び、その他の各種表示部が遊技機正面から遊技者に視認可能に形成されている。なお、上述の普通図柄表示部59は普通図柄表示装置を構成している。また、第1特別図柄表示部70は第1特別図柄表示装置を構成しており、第2特別図柄表示部71は第2特別図柄表示装置を構成している。一方で、メイン基板102側に配置された性能表示部では、遊技状態別のベース(発射数あたりの賞球数の値)を表示可能であり、設定表示部においては、役物連続作動装置の作動確率(特別電動役物を連続的に作動させる装置の作動確率であり、いわゆる大当り確率)を異ならせるための設定値に関して現在の設定値を表示可能とするものである。また、主制御表示装置53に形成された各表示部の詳細については後述する。
また、以下では、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「第1特図」や「特図1」、「特1」、第2特別図柄を「第2特図」や「特図2」、「特2」、などと称する場合がある。さらに、第1特別図柄については「特別図柄1」や「図柄1」などと称し、第2特別図柄については「特別図柄2」や「図柄2」などと称する場合がある。
<基本的な遊技手順>
続いて、本実施例のぱちんこ遊技機10における遊技手順について説明する。先ず、前述の上球皿18に遊技球が供給された状況で、遊技者が、前述の発射ハンドル20を操作して回動させると、その回動角度に応じた強度で、上球皿18に貯留された遊技球が1球ずつ所定間隔で発射される。そして、遊技球は、前述の内レールと外レールにより案内され、遊技領域52の上部に達し、内レールと外レールとの間から遊技領域52へ放出される。
通常の遊技においては、遊技者は、遊技球が遊技領域52の左側で流下するように発射を行い、遊技領域52の下方中央部に位置する第1始動入賞口62を狙う。このような遊技領域52の左側を主に使用する発射の態様は、所謂左打ちと呼ばれる。また、遊技球の発射は、遊技者が発射ハンドル20を操作している間、前述の発射装置43により、所定の時間間隔(例えば1分間に100発を超えない程度の間隔)で繰り返される。そして、遊技領域52に連続して放出された遊技球は、複数の遊技釘や風車などに干渉しながら、その速度や入射角度(又は反射角度)等の要因に応じた方向へ落下する。
遊技球が、前述の一般入賞口72や第1始動入賞口62などの各種の入賞口へ落入すると、入球が検出され、遊技球の払出制御が行われる。そして、入球した入賞口の種類に応じて、所定数の遊技球が、前述の払出ユニット35を介し、賞球として上球皿18に払出される。また、上球皿18が多くの遊技球により満たされ、払出された後続の遊技球が上球皿18に進入できない場合には、これらの遊技球は、溢れ球として下球皿19に導かれる。
また、各種の入賞口に落入した遊技球はセーフ球となり、遊技盤50の表面側から裏面側に案内される。また、セーフ球とならなかった遊技球は、遊技領域52の下端部に達してアウト口(58)に落入し、遊技盤50の裏面側に案内される。そして、遊技盤50の裏面側に達した遊技球は、所定の案内樋やセット基盤31内の遊技球通路を通って下方に導かれ、ぱちんこ遊技機10から、前述の島設備の側へ向けて排出される。
前述の作動口68は、上述のセーフ球を発生させる入賞口と異なり、遊技球が通過するゲートとなっている。なお、以下では作動口68を含めて「入賞口」とし、本実施例における「落入」、「入球」、「入賞」の用語は、ゲートに係る「通過」の意味を含むものとする。
遊技球が、作動口68に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(普図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、普通図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される普通図柄は、作動口68への入球に基づき実行される乱数抽選(普図抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
遊技球が、始動口(ここでは第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63)に入球した場合、後述するような所定の変動開始条件(特図変動開始条件)が成立していれば、主制御表示装置53において、特別図柄(後述する)が変動表示される。主制御表示装置53で表示される特別図柄は、始動口への入球に基づき実行される乱数抽選(大当り抽選)の結果を示すものであり、所定の変動時間を経たのちに停止表示される。
前述の演出表示装置60においては、特別図柄に係る演出表示が行われる。この演出表示は、特別図柄が変動表示中であるか、停止表示中であるか、といった違いや、特別図柄の停止表示態様が大当りのものであるか、はずれのものであるか、といった違いに関係して、予め定められた各種の態様の演出を行うものである。
特別遊技が実行される大当り遊技においては、大入賞口装置90が作動し大入賞口(図示略)が開放される単位遊技が複数回繰り返される。さらに、特別遊技には、単位遊技が最大回数に亘り繰り返されるものと、単位遊技が最大回数よりも少ない回数に亘り繰り返されるものとがある。最大回数としては、15回(15R(ラウンド))などを例示でき、最大回数よりも少ない回数としては、5回(5R)などを例示できる。なお、大入賞口の開放が実行される単位遊技を1度だけ行う場合の特別遊技を「小当り」と称する。
各単位遊技においては、対応する大入賞口において、所定数(例えば10個)の遊技球が検出された場合、又は、合計の開放時間が所定時間(例えば約30秒)に達した場合に、終了条件が成立して、大入賞口が閉鎖される。単位遊技の終了条件として、合計の開放時間とするのは、1回の単位遊技中で複数回の大入賞口の開放を分割して行う場合であっても上限値を定めていることを示している。大入賞口の開放を単位遊技内で複数行うことにより、技術介入性を高めたり、1回の開放で行うことにより容易に出玉を獲得できるなど大当り中の遊技性に幅を持たせるため、大入賞口の開放態様は予め設定されているパターンの中から選択可能としている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、上述のように、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数(ここでは2つ)混在するゲーム性が採用されている。つまり、本実施例においては、上述の複数の遊技を、第1始動入賞口62が使用される第1遊技と、第2始動入賞口63が使用される第2遊技とに分けることができる。そして、第2遊技が第1遊技よりも優先されており、同時に遊技の開始条件を満たした状況においては、第2遊技を優先して実行させ、第1遊技を保留しておくことにより、第1遊技と第2遊技とが同時に実行されないようになっている。
また、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述の大当り抽選の結果に応じて、特別遊技の終了後に、特定遊技が実行される場合がある。この特定遊技は、前述の特別遊技とは別な態様で、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態となるものである。本実施例においては、特定遊技として、確率変動遊技(以下「確変」と称する)、変動時間短縮遊技(以下「時短」と称する)、及び、入球容易化遊技が設けられている。特定遊技として、確変、時短、入球容易化遊技の何れか1のみ実行するものもあれば、複数の特定遊技を同時に行うものもあり、それらの組み合わせによって異なる遊技性を創出するものである。
特定遊技が実行される場合には、演出表示装置60の画像や音声などによって推奨される遊技球の発射位置、発射タイミングに関する報知(例えば、右打ちを促す演出)が実行される。そして、遊技者が、発射ハンドル20の回動量を時計回りに増やして発射力を強め、遊技球を遊技領域52の右側の領域に向けて発射すると、センター飾り64の上方を通った遊技球が、センター飾り64の遊技球通路部65に進入し、センター飾り64を流下する。さらに、センター飾り64から放出された遊技球は、複数の遊技釘や他の構造物に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。
センター飾り64から放出された多数の遊技球のうちの一部は、作動口68(図1参照)を通過して通過検出装置69(図3参照)により検出される。そして、前述のように、作動口68を遊技球が通過すると、前述の普通図柄が主制御表示装置53(図6参照)で変動表示され、普通図柄の変動表示が所定の当り態様にて停止すると、第2始動入賞口63の普通電動役物が当り態様に応じて所定時間拡開する。
本実施例においては、遊技領域52の右側に達した遊技球を、釘等によって、第2始動入賞口63や大入賞口装置90の周辺に導くことが可能となっている。さらに、本実施例では、特定遊技である時短には入球容易化遊技が付加されるようになっており、時短中は、入球容易化遊技により普通電動役物の開放延長、普通電動役物の確率変動、普通電動役物の時短の組み合わせが行われ、前述の普通電動役物のロング開放が実行され易くなる。そして、時短中において、第2始動入賞口63の普通電動役物が1回拡開した際に、1個、または複数個の遊技球が第2始動入賞口63に入球し得るようになっている。
なお、大当りが発生して特別遊技が実行される際には、大入賞口装置90の大入賞口(図示略)が開放するが、この特別遊技中に、遊技者に対して右打ちを行わせることが可能である。そして、この場合には、特別遊技の開始前に、演出表示装置60の画像や音声などによって、遊技者に右打ちを促す演出を実行することが考えられる。
<大当りの種類の例:ST>
次に、上述の第1遊技及び第2遊技における大当りの種類について説明する。先ず、大当りとして、前述の単位遊技を15回繰り返す大当り(以下、適宜「15R大当り」とも称する)や、単位遊技を7回繰り返す大当り(以下、適宜「7R大当り」とも称する)が設けられている。なお、これらの大当りの抽選態様については後述する。
上述の単位遊技は、特別遊技において、大入賞口装置90における大入賞口91(図示略)の開放に伴って開始され、所定時間(例えば約30秒)が経過した場合や、大入賞口に所定個数(例えば10個以上)の遊技球が落入した場合に終了し、大入賞口を閉鎖する。このような単位遊技を繰り返す特別遊技は、遊技者に遊技球を獲得させることを目的とする所謂出球(出玉と記載する場合もある)あり当りに伴う遊技を基本としている。さらに、各種の大当りのうち、15R大当りや7R大当りなどは、遊技者に相対的に多くの遊技球を獲得させようとするものである。
しかし、これに限定されず、大当りの1部の種類として、例えば15R大当りや15R大当りの一部に、確変にならないもの(15R通常や7R通常)を設けることが可能である。また、例えば、15R大当りであっても、大入賞口の開放期間が短く、実質的に5R大当りと同じ程度の出球しか獲得できないといったもの(15R確変(実5R))を設けたり、5R大当りであっても、出球の獲得がほとんどできない(例えば各Rにおいて最小限度程度(例えば1球)しか大入賞口装置90に入球しない)といったものを設けたりすることが可能である。
また、本実施例では、前述の確変や時短等といった特定遊技状態は、予め定められた特定の大当りについて発生するようになっている。このような特定遊技状態の発生態様として、例えば、確変、時短、及び、入球容易化遊技といった特典機能のうち、少なくとも1部を付与しない大当りを設けることが可能である。より具体的には、確変のみが伴う大当りや、時短のみが伴う大当りを設けることが考えられる。さらに、確変の継続期間の相違や、時短の継続期間の相違によって、大当りの種類を異ならせることも可能である。また、時短中に電チューサポートを併せて実行する場合は、「時短の継続期間」は、「電チューサポートの継続期間」と言い換えることができる。さらに、時短と電チューサポートのうち、電チューサポートのみを実行するといったことも考えられる。
しかし、大当りと、確変や時短等との組合せについては、本実施例のものに限定されず、種々の組合せを採用することが可能である。例えば、確変が全ての大当りについて発生するようにしてもよい。この場合、本実施例における15R大当りは、全てが、確変を伴う15R大当り(15R確変)となり、7R大当りは、全てが、確変を伴う7R大当り(7R確変)となる。
<大当り以外の当り>
また、本実施例では、大当り以外の当りの種類として、小当りが設けられている。第1遊技(又は第2遊技)において、この小当りが発生した場合には、大入賞口装置90の開放を、例えば1回行うようになっている。なお、小当りの抽選態様については後述する。
<主制御表示装置>
<<主制御表示装置の構成>>
次に、前述の主制御表示装置53について、図6に基づき説明する。主制御表示装置53は、図柄表示基板256に多数のLED表示灯を配置し、各種の表示体の前方に透明板を重ねて構成されている。さらに、図6に示すように主制御表示装置53は、図柄表示基板256上に多数(ここでは36個)のLED表示灯を2行(上段及び下段)に分けて配置することにより構成されている。本実施例において、上段及び下段におけるLED表示灯の個数は18個となっており、各段のLED表示灯は水平方向に等間隔で配置されている。また、上下の位置関係にあるLED表示灯の間隔も、18個すべてについて一定となっている。
主制御表示装置53において、正面から見て上段における右端の10個のLED表示灯は、特図1に係る情報表示に用いられ、下段における右端の10個のLED表示灯は、特図2に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上段及び下段において、右端の2個のLED表示灯は保留記憶数を示す第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84を構成している。第1特別図柄記憶表示部83の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第1特別図柄表示部70を構成しており、第2特別図柄記憶表示部84の左に並んだ8個のLED表示灯は、前述した第2特別図柄表示部71を構成している。
第1特別図柄表示部70は、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第1遊技に係る第1特別図柄の変動表示及び停止表示が可能となっている。この第1特別図柄表示部70による第1特別図柄は、第1始動入賞口62への遊技球の入球を契機として行われる第1抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに大当りが発生し特別遊技が実行される。なお、第1特別図柄表示部70は、第1特別図柄の停止表示の際には、各LED表示灯の点灯と消灯との組み合せによって、すべて消灯する場合を除く最大で255(=2^8−1)種類の識別情報を表示可能である。
前述の第2特別図柄表示部71についても同様に、横方向に一列に並んだ8個のLED表示灯の動作態様によって、第2特別図柄の停止表示の際には、最大で255(=2^8)種類の識別情報を表示可能である。
さらに、上段において、第1特別図柄表示部70の左に並んだ4個のLED表示灯は普通図柄(普図)に係る情報表示に用いられるようになっている。そして、上述の第1特別図柄表示部70の左に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄の保留記憶数を表示するための普通図柄記憶表示部85を構成しており、その左側に並んだ2個のLED表示灯は、普通図柄表示部59を構成している。
普通図柄表示部59は、2つのLED表示灯の動作態様により、普通図柄の変動表示及び停止表示を行うようになっている。そして、普通図柄表示部59は、停止表示の際には、最大で3(=2^2−1)種類の識別情報を表示可能である。
また、上段において普通図柄表示部59の左側に並んだ2個と、その下に位置する下段左端の2個の4個のLED表示灯により、ラウンド数表示部86が構成されている。さらに下段における、ラウンド数表示部86と第2特別図柄表示部71との間の4個のLED表示灯は、左から順に第1状態表示部(状態表示灯1)87a、第2状態表示部(状態表示灯2)87b、第3状態表示部(状態表示灯3)87c、第4状態表示部(状態表示灯4)87dとなっている。
上述の第1状態表示部87aは、特図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっており、第2状態表示部87bは、普図に係る確率変動機能作動時に点灯するようになっている。また、第2状態表示部87bは、所謂電サポ(電チューサポート)状態時である開放延長時にも点灯するようになっている。さらに、第3状態表示部87cは、打ち分け(右打ち)状態指示灯として用いられている。また、第4状態表示部87dは、エラー表示灯として用いられている。
ここで、上述の第3状態表示部87c(打ち分け状態指示灯)は、電サポ状態中のほか、大当り中などにも点灯するようになっている。なお、大当り中は、連荘中であったとしても、電サポ状態とするためのフラグ(電サポフラグ)等はオフとなっている。また、第3状態表示部87cは、これら以外の状態(通常時)の普通電動役物に係るロング開放時などにも点灯するようになっている。
このような構成の主制御表示装置53は、図3中に示すように、前述のメイン基板102に電気的に接続されている。そして、主制御表示装置53における各種の表示部は、メイン基板102によって制御される。なお、図3中では、主制御表示装置53における各種の表示部のうち、普通図柄表示部59、第1特別図柄表示部70、第2特別図柄表示部71のみを示している。
<<主制御表示装置の機能>>
前述の作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄表示部59が点滅し、普通図柄の変動表示が実行される。そして、普通図柄の変動表示が開始されてから所定の変動時間(普図変動時間)が経過すると、普通図柄が停止表示される。そして、普通図柄が、はずれの態様(はずれ態様)で表示された場合には、所定の停止時間(普図停止固定時間)の経過の後、後続の作動口への入球があれば、普通図柄に係る次の変動表示が開始される。また、普通図柄が、所定の当りの態様(当り態様)で停止表示された場合には、はずれの場合と同様に次回の変動表示へ移行する一方で、先に停止表示された普通図柄の当り態様に応じて、第2始動入賞口63が所定時間の開放動作を行う。
この普図抽選に係る保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動表示がまだ実行されていない普図柄抽選の回数を示している。すなわち、普通図柄記憶表示部85において先に行われている図柄変動が終了していない場合には変動開始条件が成立していないこととなり、当該図柄変動が終了すると変動開始条件が成立し、保留記憶されていた抽選結果(保留抽選結果)に基づき、新たな図柄変動が開始されることとなる。そして、保留数の上限は4個であり、保留記憶は4個を超えて行われることがないようになっている。
普通図柄記憶表示部85による、4種類の数値の表示は、例えば、保留数が0の場合(保留がない)場合は両方を消灯し、保留数が1の場合は何れか一方を点灯して他方を消灯するといった態様で行うことが可能である。また、保留数が2の場合は両方を点灯し、保留数が3の場合は何れか一方を点灯して他方を点滅させ、保留数が4の場合は両方を点滅させる、といった態様で保留数の表示を行うことが可能である。
前述の第1特別図柄記憶表示部83による第1特別図柄の保留数の表示については、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。前述の第2特別図柄記憶表示部84による第2特別図柄の保留数の表示についても、2個のLED表示灯を1組として、4種類の情報を表示することにより行われる。
なお、前述の右打ちを行うべき遊技状況となった場合には、主制御表示装置53(図6参照)の第3状態表示部86cを用いた所定態様での表示が行われる。本実施例では、第3状態表示部86cは、左打ちすべき遊技状況である左打ち時には消灯し、右打ちすべき遊技状況である右打ち時には点灯するよう設定されている。
<演出表示装置の構成と基本的な表示内容>
続いて、前述の演出表示装置60の構成と、演出表示装置60の基本的な表示例について説明する。本実施例では、演出表示装置60として、大型(例えば15インチ程度)な液晶ディスプレイが用いられている。この演出表示装置60の表示領域194には、前述の主制御表示装置53で表示される第1特別図柄又は第2特別図柄についての演出表示や、ストーリー表示などといったその他の演出表示が行われる。なお、演出表示装置60においては多様な画像の表示が行われるが、ここでは、第1特別図柄又は第2特別図柄に直接的に関係する基本的な演出表示について説明する。
前述のように、主制御表示装置53において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が開始されると、演出表示装置60において、図7(a)、(b)に示すように、演出図柄190の変動表示を伴う変動演出が実行される。本実施例においては、演出図柄190は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cにより構成されている。なお、以下では、左中右の演出図柄190a〜190cについて、状況に応じ、「演出図柄190」や「演出図柄190a〜190c」と記載する場合がある。
さらに、本実施例において演出図柄190は、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄(記号要素演出図柄)を有している。なお、上述の要素図柄の詳細については後述する。また、ここでは、説明が煩雑にならないよう、数字の「1」から「7」の記号の意味を有する7種類の要素図柄を用いて説明を行うが、要素図柄としては、例えば所定の単語などのように、数字以外の意味を持った図柄を採用することも可能である。さらに、要素図柄として、数字の意味を持ったものと、他の意味を持ったものとを併用することも可能である。また、特殊な演出(後述する疑似連続予告や特殊ゾーン演出)を実行させるために、ある変動時においてのみ出現(通常図柄に対して追加される、または差し替わることにより表示)する演出示唆を行うための特殊図柄も広義では演出図柄190の中に含まれるものである。
主制御表示装置53における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示に伴い、演出表示装置60において、上述の演出図柄190が変動表示される(図7(a)参照)。演出図柄の変動表示は、本実施例においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に縦方向に移動(縦スクロール)させ、上述の要素図柄を順次表示領域194中に登場させることにより実行される。なお、演出図柄190a〜190cのスクロール方向としては、縦方向のほか、横方向や回転、或いは、旋回などといった種々の態様を採用することが可能であるが、スクロール表示の各種の態様については後述する。
また、演出図柄190は、変動表示の途中段階として、所謂「リーチ」の組合せを構成する場合がある。この「リーチ」においては、演出図柄190のうち、2つの演出図柄(ここでは左演出図柄190aと右演出図柄190c)が、例えば「7」と「7」などの同じ数字の図柄、同じ意味、或いは、所定の関係を持った図柄で組合せを構成する。さらに、この「リーチ」においては、リーチの組合せを構成した演出図柄190a、190c以外の、残りの1図柄(ここでは中演出図柄190b)が、他の演出図柄との組合せを構成できない変動中となっている。
なお、演出図柄190の表示態様としては、多種類の「リーチ」や、その他の種々のものを採用できるが、各種の表示態様の詳細については後述する。また、演出表示装置60においては、演出図柄190による演出以外にも種々の演出が行われるが、それらの詳細については後述する。
また、本実施例では、演出表示装置60は液晶ディスプレイを用いたものとなっているが、これに限らず、例えば、機械式のドラム体やLED表示体といった他の種類の表示体を用いたものであってもよい。さらに、演出表示装置60は、1つの表示体のみを備えたものに限らず、例えば付加的な表示体が追加されて複数の表示体の組合せにより構成されるものであってもよい。
さらに、このような付加的な表示体を可動演出部材として備え、付加的な表示体によるギミックを構成することも可能である。そして、通常は、付加的な表示体を、演出表示装置60の表示領域194の視認の障害とならないように、表示領域194の外側に避けて配置しておき、所定の演出パターンが実行される場合に、付加的な表示体が、表示領域194の前方に現れるようにすることが考えられる。
<ぱちんこ遊技機の電気的構成>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における電気的構成について説明するが、ここでは電気的構成のうちの主要なものを抽出して説明する。先ず、ぱちんこ遊技機10には、図4に示すように、電源基板251、払出制御基板103、メイン基板102、及びサブメイン基板301等が備えられている。これらのうち電源基板251には、上述の払出制御基板103等が接続されており、払出制御基板103には、メイン基板102、発射装置43、及び、遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)などが接続されている。また、メイン基板102には、前述の主制御表示装置53や、サブメイン基板301が接続されており、サブメイン基板301には、前述のサブサブ基板302が接続されている。
上述の各種構成のうちの電源基板251は、前述の電源ユニット32(図2参照)に備えられているものである。また、払出制御基板103には、図示を省略するが、エラーの種別の表示などに用いられる状態表示部や、球貸しに係る金銭処理や球貸処理を実行するカードユニットなども接続されている。さらに、上述の遊技球等貸出装置接続端子板(図示略)には、球貨操作に用いられる球貨操作基板等が接続される。また、上述の発射装置43には、発射ハンドル20(図1参照)に備えられたタッチスイッチ(図示略)や発射停止スイッチ(図示略)等が接続されている。
メイン基板102には、図示を省略した各種の遊技盤接続基板を介して、図3に示すように、主制御表示装置53、通過検出装置69、普通電動役物ソレノイド76、第1始動入賞検出装置74、第2始動入賞検出装置75、一般入賞検出装置73、大入賞検出装置78、大入賞口ソレノイド80、及び、磁気センサや電波センサ(図示略)等が接続されている。また、メイン基板102にはアウト口センサ82が接続されている。
サブメイン基板301には、図示を省略した各種の中継基板を介して、演出用の各機器が接続されている。演出用の各機器としては、センター飾り64における各種電飾用のLED基板、可動演出部材(601〜603等)の各種の可動体モータ、遊技機枠11における電飾用のLED基板、遊技機枠11に備えられた演出用の枠モータ等を例示できる。ここで、遊技機枠11における電飾としては、前述のガラス扉15で行われるもののほか、皿ユニット16で行われるものや、操作ボタン22が備えられたボタン装置において行われるものなどを例示できる。また、上述の枠モータは、遊技機枠11に備えられた可動演出部材(図示略)の駆動に用いられるものである。
サブサブ基板302には、図4中に示すように、前述の演出表示装置60に備えられた液晶ユニット42や、各種スピーカ21などが接続されている。なお、各種スピーカ21を、上述のサブメイン基板301に接続するようにしてもよい。
続いて、メイン基板102、及び、払出制御基板103の構成について説明する。図4に示すように、メイン基板102には、CPU(メインCPU)501、ROM(メインROM)502、RWM503が搭載されている。これらのうち、CPU501としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。なお、本実施例で説明する「ROM」や「RWM」は、CPUデバイスに内蔵されたもの、及び、CPUデバイスに対して外付けされたものの両方を含む包括的な概念のものである。
さらに、図示は省略するが、メイン基板102に搭載されたCPUデバイス内には、CPU501のほかに、制御用クロック生成回路、乱数用クロック生成回路、16ビット乱数用の乱数回路、8ビットの乱数用の乱数回路等が備えられている。これらのうち16ビット乱数用の乱数回路、及び、8ビットの乱数用の乱数回路は、内蔵乱数であるハードウェア乱数を発生させるためのものである。
また、メイン基板102には、メイン基板102の外部の機器との間でデータの入出力を行う入出力ポート505が搭載されている。さらに、メイン基板102には、図示は省略するが、割込回路やタイマ回路などの各種回路部が形成されている。
上述のROM502は、CPU501が遊技に係る処理を行うための遊技プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM503は、CPU501による遊技プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
続いて、払出制御基板103には、CPU(払出CPU)511、ROM(払出ROM)512、RWM513が搭載されている。これらのうち、CPU511としては、例えば樹脂パッケージングがされたCPU装置(CPUデバイス)内の中央処理装置を利用可能である。また、ROM512は、CPU511が払出しに係る処理を行うための払出用プログラムや、所定の制御データなどを記憶している。また、上述のRWM513は、CPU501による払出プログラムの実行に際して、各種の処理に必要なデータや、処理中に発生したデータ等を書換え可能に記憶する。
前述のサブメイン基板301は、CPU(サブメインCPU)521と、ROM(サブメインROM)522と、ワークRWM523と、入力ポート527と、出力ポート528、バスライン(図示略)などを備えている。そして、入力ポート527の入力側にはメイン基板102の出力側が接続され、入力ポート527の出力側には、CPU521、ROM522、ワークRWM523、及び、出力ポート528などが接続されている。
サブメイン基板301のCPU521は、メイン基板102から送信される図柄表示用の演出制御コマンド(指令)に基づいて演出表示装置60の表示を制御する。ROM522は、CPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRWM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
なお、前述のメイン基板102とサブメイン基板301の間におけるデータの送受信は、メイン基板102からサブメイン基板301への一方向通信(片方向通信)の態様で行われる。したがって、メイン基板102が保有する情報は、メイン基板102がサブメイン基板301へ送信しない限り、サブメイン基板301で参照することはできない。
前述のサブサブ基板302は、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533、サウンドROM534、キャラクタROM535、画像コントローラ(VDP)536、音制御回路537、入力ポート538、出力ポート539、及び、バスライン(図示略)などを備えている。さらに、画像コントローラ(VDP)536は、ビデオメモリ540を備えている。そして、入力ポート538の入力側にはサブメイン基板301の出力側が接続され、入力ポート538の出力側には、CPU531、ワークRWM532、プログラムROM533等の各機器が接続されている。
上述のビデオメモリ540は、演出表示装置60に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオメモリ540における画像データの内容を書き替えることにより、演出表示装置60の表示内容(フレーム画像)が変更される。キャラクタROM535は、演出表示装置60に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ536は、CPU531、ビデオメモリ540、出力ポート539のそれぞれの動作タイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオメモリ540に記憶される表示データを、キャラクタROM535から所定のタイミングで読み出し、更に予め優先順位を定めたレイヤの順に図柄を重ねて演出表示装置60に表示させる。
<電源供給とデータバックアップ>
前述の電源基板251は、ぱちんこ遊技機10の各部に電源を供給するための電源部541と、初期化スイッチ544を有する初期化スイッチ回路部543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、メイン基板102や払出制御基板103等に対して、各種スイッチ、モータ、ロジック回路等を駆動するための所定量の電圧を、メイン基板102や払出制御基板103、及び、その他の所定の機器に対して供給する。
初期化スイッチ回路部543は、電源投入時に初期化スイッチ544が押下された場合に、メイン基板102及び払出制御基板103へ、バックアップデータをクリアするための初期化信号を出力する回路を備えている。
上述のように、メイン基板102におけるRWM503は、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後においても、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。つまり、RWM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリア(図示略)の他に、バックアップエリア503aが設けられている。このバックアップエリア503aは、停電(瞬間的な電圧降下による停電である所謂瞬停を含む)などの発生により電源が遮断された場合(電断が生じた場合)において、電源遮断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。そして、通常の電源立ち上げや、停電の解消に伴い、メイン基板102等の状態が、バックアップエリア503aの情報に基づいて、電源遮断前の状態に戻される。
また、払出制御基板103におけるRWM513についても、メイン基板102のRWM503と同様に、ぱちんこ遊技機10の電源の遮断後において、電源基板251からバックアップ電圧が供給されて、データを保持(バックアップ)できるようになっている。
前述のメイン基板102には、上述のような停電等による電源遮断を監視する停電監視回路部506が設けられている。停電監視回路部506は、電源基板251の電源部541から出力される最大電圧である直流安定(例えば30ボルト)の電圧を監視し、この電圧が所定電圧未満になった場合に、停電(電源遮断)の発生を検知して、上述の電断信号を出力する。このような電断信号の入力に基づき、メイン基板102のCPU501、及び、払出制御基板103のCPU511は、所定の電源断処理を実行する。
次に、メイン基板102における基本的な機能について説明する。本実施例のメイン基板102は、前述した各構成(図4参照)の働きにより、例えば、入球判定、抽選、コマンド送信などの各種の機能を果たす。
図5中には、メイン基板102、サブメイン基板301、及び、サブサブ基板302の各々における代表的な機能的手段を示している。これらのうち、メイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段111、第2抽選手段112、普図抽選手段113、保留制御手段114、メイン表示制御手段115、特別遊技制御手段116、特定遊技制御手段117、開閉制御手段118、事前情報通知手段119、メインコマンド送信手段120等を備えている。そして、メイン基板102は、これらの機能的手段により、以下に順に説明するように、特別図柄に関する抽選、普通図柄に関する抽選、保留制御、主制御表示、特別遊技、特定遊技、開閉制御、事前情報通知等を実行する。
上述の入球判定手段110は、各入賞口(作動口、各種始動入賞口、大入賞口、一般入賞口、アウト口など)への遊技球の入球を各入賞口に設けられたセンサ類から出力される信号をもとに判定する。
<<特別図柄に係る当否抽選機能>>
前述の第1抽選手段111は、第1始動入賞口62への入球に基づき第1抽選を実行する。第1抽選手段111は、第1抽選値取得手段121、第1当否判定手段122、第1図柄決定手段123、第1パターン決定手段124の機能を有している。第1抽選の結果は、前述の主制御表示装置53(図6参照)の第1特別図柄表示部70において、停止表示された第1特別図柄により表される。
同様に、前述の第2抽選手段112は、第2始動入賞口63への入球に基づき第2の抽選を実行する。第2抽選手段112は、第2抽選値取得手段125、第2当否判定手段126、第2図柄決定手段127、第2パターン決定手段128の機能を有している。第2の抽選の結果は、前述の主制御表示装置53の第2特別図柄表示部71において、停止表示された第2特別図柄により表される。
前述の第1抽選手段111に備えられた第1抽選値取得手段121は、第1始動入賞口62への入球を契機に、第1抽選に係る大当り乱数の値を、第1当否抽選値として取得する。また、前述の第2抽選手段112に備えられた第2抽選値取得手段125は、第2始動入賞口63への入球を契機に、第2抽選に係る大当り乱数の値を、第2当否抽選値として取得する。
なお、本実施例では、第1当否抽選値として取得される大当り乱数、及び、第2当否抽選値として取得される大当り乱数は、ハードウェア乱数(ハード乱数)とソフトウェア乱数(ソフト乱数)とを用いた演算(加算)により生成されている。ハードウェア乱数としては、例えば16ビット用の乱数回路で生成される内蔵乱数を利用し、ソフトウェア乱数としては、ソフトウェアにおける乱数生成プログラムにより割込毎に更新される値を利用する。なお、ハードウェア乱数とソフトウェア乱数のうちのいずれか一方を使用するものであってもよい。
第1抽選手段111における第1当否判定手段122は、第1当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第1当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。同様に、第2抽選手段112における第2当否判定手段126は、上述の第2当否抽選値に基づいて当否判定を行い、第2当否抽選値が、当りとなる所定の値(当り値)に該当するか否かを判断する。第1当否判定手段122及び第2当否判定手段126による当否判定では、第1当否抽選値や第2当否抽選値と、大当り抽選の抽選結果との対応を定めた当否判定テーブル(図8(a)参照)が用いられる。ここで、図8(a)中に示す、通常時確変時大当りとは、常に大当りとなる乱数値範囲を示すものであり、確変時大当りとは、確変時のみ大当りとなる乱数値範囲であることを示している。
第1抽選手段111における第1図柄決定手段123や第2抽選手段112における第2図柄決定手段127は、第1特別図柄または第2特別図柄に係る大当り抽選でいずれかの大当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、大当り図柄判定テーブル(図9参照)に基づき決定する。第1抽選用の大当り図柄判定テーブルは、図柄決定に係る乱数値(図柄乱数)である図柄抽選値と、特別図柄の種類との関係を規定している。
ここで、図柄抽選値は、特別図柄に係る「特別図柄当り図柄乱数」や「図柄乱数」などとも称する場合がある。また、本実施例では、当たりの種類に小当りが含まれており、第1図柄決定手段123および第2図柄決定手段127は、特別図柄に係る大当り抽選で小当りに当選した場合における、特別図柄の種類を、小当り図柄判定テーブル(図9(c)参照)に基づき決定する。
図柄抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。また、特別図柄の種類は、当りの種類に対応付けられており、取得された図柄抽選値に紐付いて、大当りの種類や小当りの有無が定まるようになっている。
第1抽選手段111における第1パターン決定手段124や第2抽選手段112における第2パターン決定手段128は、それぞれに対応する特別図柄表示部における特別図柄の変動パターンを、特図変動パターンテーブルに基づき決定する。特図変動パターンテーブルは、多数の特図変動パターンと、特別図柄の変動パターン決定に係る乱数値(変動パターン乱数)であるパターン抽選値との関係を規定している。
パターン抽選値は、前述の当否抽選値と同様に、始動入賞口への入球を契機に取得されるものである。さらに、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動パターンは、例えば、大当り時、はずれ時、リーチの有無、時短の有無、保留数、大当り後の変動回数などといった各種の遊技状況に応じて相違した複数の特図変動パターンテーブルが設けられている。
特別図柄に係る変動パターン(特図変動パターン)は、特別図柄の変動表示における、変動開始から停止までの時間(変動時間)を定めている。そして、特図変動パターンは、その種類によって、例えば1秒以下から数十秒度のように、長短様々な変動時間を規定している。すなわち、各特図変動パターンには、変動表示の終了条件として変動時間が定められており、前述の第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71(図6参照)においては、特別図柄の変動表示が開始されて、規定された変動時間が経過すると、特別図柄が停止表示される。
時短時に選択対象となる特図変動パターンの多くについては、非時短時に選択対象となる特図変動パターンよりも、変動時間が短く設定されている。しかし、非時短時で、且つ、保留数が4個の場合に選択対象となり得る特図変動パターンには、時短時の特定の特図変動パターンに比べて、変動時間の短いものが含まれている。
また、本実施例においては、確変時等の所定の状況で選択される変動パターンは、極短い変動時間(例えば0.6秒程度)のものが大半を占めるようになっている。そして、このような状況においては、極短い時間の変動パターンに基づき、特別図柄の変動表示や、これに伴う演出が実行されるようになっている。なお、このような極短い変動時間の変動パターンに基づく演出については後述する。
<<普通図柄に係る各種抽選機能>>
続いて、前述の普図抽選手段113について説明する。この普図抽選手段113は、普図抽選値取得手段129、普図当否判定手段130、普図図柄決定手段131、普図パターン決定手段132を有している。そして、普図抽選手段113は、前述の入球判定手段110により、作動口68における遊技球の通過が検出されると、この検出結果に基づき、普通図柄に係る抽選(普図抽選)を実行する。
この普図抽選においては、普図抽選値取得手段129により、普通図柄に係る乱数(普図図柄乱数)である普図抽選値が取得され、普図図柄決定手段131により、普図判定テーブルが参照される。この普図判定テーブルには、普図抽選値と、普通図柄の種類との対応関係が定められている。そして、普図当否判定手段130により、普図抽選値に紐付けられた普通図柄が、当りに該当するものであるか否かが判定され、当りに該当する場合には、当たりの種類が判定される。
また、作動口68への入球を契機に普図パターン抽選値が取得され、取得した普図パターン抽選値を用いて普図パターン決定手段132により、普通図柄に係る変動パターン(普図変動パターン)が決定される。各普図変動パターンは、普図変動パターンに係る乱数(普図変動パターン乱数)である普図パターン抽選値と対応けられており、取得された普図パターン抽選値に紐付いて、遊技の状況に応じた普図変動パターンが定まるようになっている。
さらに、本実施例では、普通図柄に係る乱数である普図抽選値、及び、普図パターン抽選値は、ソフトウェア乱数のみを用いて作成されている。
<<特別図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の保留制御手段114について説明する。保留制御手段114は、第1保留手段133、第2保留手段134、普図保留手段135を有している。これらのうち第1保留手段133は、新たに第1始動入賞口62への入球があった場合に、第1特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第1当否抽選値、第1図柄抽選値など)に係る情報(第1特図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。本実施例では、第1特別図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、第1特別図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了し、更に、上述の入球よりも前に発生した第1特別図柄又は第2特別図柄に係る保留が存在しない場合には、第1特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第1特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
前述の第2保留手段134についても、新たに第2始動入賞口63への入球があった場合に、第2特別図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された各種の乱数(第2当否抽選値、第2図柄抽選値など)に係る情報を、一時的に保留記憶する。
上述の入球があった際に実行されていた第2特別図柄の変動表示が終了した場合には、第2特別図柄に係る変動開始条件が成立し、第2特別図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。なお、本実施例では、第2特別図柄に係る保留の上限値は、第1特別図柄と同様に4個に設定されている。
上述の第1特別図柄、および第2特別図柄は、特別遊技を開始する図柄が停止して特別遊技に制御された場合は、特別遊技が終了した後に変動開始条件を判定する。
<<普通図柄の保留に関する機能>>
続いて、前述の普図保留手段135について説明する。普図保留手段135は、作動口68(図1参照)における入球があった場合に、普通図柄に係る所定の変動開始条件が満たされなければ、入球により取得された乱数(普図抽選値など)に係る情報(普図保留記憶情報)を、一時的に保留記憶する。そして、変動開始条件が成立するまで、上述の入球に係る普通図柄の変動表示を許可しない。なお、本実施例では、普通図柄に係る保留の上限値は4個に設定されており、この上限値を超えない範囲で、普通図柄に係る保留が可能となっている。
上述の入球があった際に実行されていた普通図柄の変動表示が終了し、普通電動役物が作動していない場合に、普通図柄に係る変動開始条件が成立し、普通図柄に係る新たな図柄変動が許可されることとなる。
<<主制御表示に関する機能>>
続いて、前述のメイン表示制御手段115について説明する。メイン表示制御手段115は、第1特図制御手段136、第2特図制御手段137、普図制御手段138、保留表示制御手段139、及び、その他表示制御手段140を有している。これらのうち第1特図制御手段136は、第1抽選手段111により決定された第1特別図柄の変動パターンに従い、第1特別図柄表示部70(図6参照)で、第1特別図柄の変動表示(例えば、所定の一部のLED表示灯を100msec毎に点滅させる点滅表示)を行う。そして、第1特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第1特別図柄表示部70において、決定された図柄で停止表示する。
さらに、第2特図制御手段137は、前述の第2特別図柄に係る変動開始条件が成立していれば、第2抽選手段112により決定された変動パターンに従い、第2特別図柄表示部71(図6参照)で、第2特別図柄の変動表示を行う。そして、第2特別図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、第2特別図柄表示部71において、決定された図柄で停止表示される。
また、普図制御手段138は、前述の普通図柄に係る変動開始条件が成立していれば、普図抽選手段113により決定された普通図柄の変動パターンに従い、普通図柄表示部59(図6参照)で、普通図柄の変動表示を行う。さらに、そして、普通図柄は、変動パターンにより定められた変動時間が経過すると、普通図柄表示部59において、決定された図柄で停止表示される。
さらに、保留表示制御手段139は、前述の第1特別図柄、第2特別図柄、及び、普通図柄に係る保留数の表示を行う。そして、これらの保留数の表示は、図6に示す主制御表示装置53の、第1特別図柄記憶表示部83、第2特別図柄記憶表示部84、及び、普通図柄記憶表示部85にて行われる。また、前述のその他表示制御手段140は、上述した第1特別図柄、第2特別図柄、普通図柄、及び、各種保留表示以外の、主制御表示装置53における表示を制御する。
<<特別遊技に関する機能>>
続いて、前述の特別遊技制御手段116について説明する。特別遊技制御手段116は、大当りに当せんした場合に、特別図柄が所定の大当り態様で停止されると、特別遊技作動条件が成立したと判定し、前述のように大当りの種類に応じた所定の態様(予め定められた単位遊技の回数や単位遊技中の大入賞口の開放パターン)で開放させる特別遊技を実行する。
<<特定遊技に関する機能>>
続いて、前述の特定遊技制御手段117について説明する。特定遊技制御手段117は、前述の確変や時短等に係る制御を行う。特定遊技制御手段117は、大当りの種類に応じて、その特別遊技の終了後の遊技状態を、確変状態や時短状態等へ移行させる。確変状態は、全ての種類の大当りではなく、一部の種類の大当りに付帯している。さらに、一部の大当りについては確変状態が次回の大当りまで継続し、確変を伴う他の大当りについては、特別遊技後の合計の変動表示回数が所定数(例えば100回)に達するまで継続される。確変状態の間は、第1抽選手段111や第2抽選手段112による大当りの当せん確率が、非確変時である通常時よりも高い値のまま維持される。
また、時短状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示回数の合計が、特別遊技の終了時点から数えて所定の終了条件回数(例えば100回など)に達するまで継続される。さらに、時短中は、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動表示時間が、通常状態よりも概ね短くなるよう、第1パターン決定手段124や第2パターン決定手段128が、時短用の変動パターンを選択する。
さらに、前述のように、特定遊技として時短が実行されるときに合わせて入球容易化遊技が実行され、普通電動役物の作動が容易になり、第2始動入賞口の入り口に配置された開閉羽根が開放しやすくなる。開閉羽根の開閉制御は、後述する開閉制御手段118により制御される。
<<開閉制御に関する機能>>
続いて、前述の開閉制御手段118について説明する。開閉制御手段118は、第2始動入賞口63の普通電動役物(開閉羽根)や、大入賞口装置90の開閉動作を制御する。開閉制御手段118は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動入賞口63の普通電動役物を開放させる。さらに、開閉制御手段118は、特別遊技において、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送るための制御を行い、大入賞口装置90を開放させる。
<<事前情報通知に関する機能>>
続いて、前述の事前情報通知手段119について説明する。事前情報通知手段119は、第1始動入賞口62又は第2始動入賞口63に入球があった際、その入球に対応する図柄変動表示が保留されるか否かにかかわらず、取得された各種の乱数値に係る情報を、事前通知情報として、サブ基板(ここではサブメイン基板301)へ送信するための処理を行う。
上述の事前通知情報としては、取得した前述の各当否抽選値(第1当否抽選値又は第2当否抽選値)、各図柄抽選値(第1図柄抽選値又は第2図柄抽選値)、各パターン抽選値(第1パターン抽選値又は第2パターン抽選値)が、どのような当否範囲、図柄範囲、パターン範囲に属するものであるのか、といった情報を例示できる。
なお、このような事前通知情報の送信により、サブ基板104の側において、各種の先読み演出が可能となる。そして、先読み演出としては、保留予告や連続予告などを例示できるが、これらの詳細については後述する。
<<コマンド送信に関する機能>>
続いて、前述のメインコマンド送信手段120について説明する。メインコマンド送信手段120は、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド(メインコマンド)の送信を行う。メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンド送信は、始動入賞時、特別図柄の変動開始時、特別図柄の変動停止時、大当り発生時などの種々のタイミングで、種々の情報を含んで行われる。
<サブ基板の基本機能>
次に、前述のサブ基板104における基本的な機能について説明する。本実施例においてサブ基板104は、サブメイン基板301及びサブサブ基板302により構成されており、メイン基板102からのコマンド受信、演出パターン決定、演出表示制御、演出実行などの各種の機能を果たす。
図5中に示すように、サブメイン基板301は、メインコマンド受信手段141、演出パターン決定手段142、サブメインコマンド送信手段143等を有している。さらに、サブメイン基板301は、スピーカ出力等の制御を行うための音制御手段144や、遊技効果ランプ出力等の制御を行う光制御手段145などの機能的手段が備えられている。
演出パターン決定手段142により決定される演出パターンは、演出表示装置60に表示される表示演出や、必要に応じ表示演出と併せて行われる音演出及び光演出を指定する情報を含んでおり、演出図柄190の変動表示中に大当りの期待度の高さを示唆する演出を実行する。ここで、本実施例における「期待度」は、「信頼度」と言い換えることが可能なものである。以下「期待度」については、同種の予告演出のパターンのうち出現したときの変動で大当りとなる期待感を高める演出段階(通常パターン、チャンスアップパターン、確定パターン)について述べるものや、1の演出を発生させる当り変動パターン(当り変動における変動パターン)情報およびはずれ変動パターン情報(はずれ変動における変動パターン)について確認したときに、1の演出に対応する変動パターン中に当り変動パターンが含まれる確率について述べるものの記載それぞれについて使用する場合があり、総じて「期待度が高い演出」とは、当該演出が発生した場合に大当りすることが多い演出のことをいう。
演出パターン決定手段142により演出パターンが決定されると、決定された演出パターンを示す演出パターン情報が、サブメインコマンド送信手段143を介し、サブメインコマンドとして、サブサブ基板302へ送信される。また、サブメイン基板301からサブサブ基板302へ送信されるコマンドには、サブサブ基板のROMから音データやランプデータ等を読み出すために、音情報なども含まれる。
サブサブ基板302には、図5中に示すように、サブメインコマンド受信手段146や演出実行制御手段147などが備えられている。そして、サブサブ基板302においては、演出実行制御手段147により、サブメイン基板301からのサブメインコマンドに基づき、必要な画像データを液晶ユニット42(図4参照)に順次出力し、アニメーション画像を構成して、演出表示装置60において演出用の動画を表示する。
<特定遊技に係る具体的態様例>
次に、前述した特定遊技の具体的態様について説明する。前述のように特定遊技として、特別図柄の確率変動機能(確変)、特別図柄の変動時間短縮機能(時短)、及び、入球容易化遊技(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能、普通電動役物の開放延長機能の複合)が設けられている。そして、これらの各種特定遊技のうちの少なくともいずれか1つが、大当り抽選の結果(特別図柄の停止表示図柄)や、大当り中の遊技結果に応じて実行される。なお、本実施例では、前述した所謂ST機ではなく、一部の大当りでは次回大当りまで確変期間が継続する仕様が採用されているが、その具体的態様については後述する。
<<確率変動遊技>>
上述の確変は、大当り後の特別図柄に係る遊技の確率状態を、通常の確率状態と比べて大当りの発生確率が高くなるように変更するものである。STを採用するぱちんこ遊技機において確変状態の継続期間(確変期間)は、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。
特別図柄の変動回数は、特別図柄の変動表示から停止表示までが1回として定まるものである。そして、STにおいて確変期間は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に設定される。このように次回の大当りが発生する前に確変期間が終了し得るようにした機能はSTや回数切り確変などと称することが可能である。
<<変動時間短縮遊技>>
上述の時短は、前述の主制御表示装置53における特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)の変動時間を、通常遊技の場合と比べて、概ね短縮するものである。ここで、「概ね短縮する」とは、全ての場合に通常遊技よりも短縮するとは限らず、一部には、特別図柄の変動時間が通常遊技と同等な場合や、通常遊技よりも長い場合を含み得る、という意味である。そして、この時短によれば、特別図柄の変動時間が短くなることから、連続して始動入賞口(第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63)への入賞が発生しても、特別図柄の変動表示及び停止表示を短い間隔で円滑に進めることができ、大当り抽選の機会を多く確保することが可能となる。
さらに、時短状態の継続期間(時短期間)は、確変状態と同様に、特別図柄の変動回数に基づき決定されている。そして、本実施例において時短状態は、特別遊技終了後の第1特別図柄及び第2特別図柄の合計の変動回数が所定回数(例えば100回)に達するまで継続される。
なお、上述した例では、確変期間と時短期間を同じ期間に設定しているが、確変期間と時短期間を互いに異なる期間としてもよい。例えば、確変期間を104回とし、時短期間を100回とすることなどが可能である。また、確変期間や時短期間は、いずれも一定であることに限定されない。例えば、確変期間を、発生した大当りの種類に応じて4回、25回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。また、時短期間を、発生した大当りの種類に応じて、25回、50回、75回、100回などのいずれかとすることなどが可能である。
また、所謂転落抽選の機能を備えることが可能である。この転落抽選としては、以下のようなものを例示できる。例えば、確変や時短が、上述の最大変動回数(ここでは100回)よりも少ない所定の回数(例えば50回)に達した後には、最大変動回数に達するまで毎回の特別図柄の変動毎に、確変や時短を終了させるか否かの抽選(特定遊技終了抽選)が実行される。そして、この特定遊技終了抽選に当せんした場合には、確変及び時短を終了させ、次回の変動からの遊技状態が、確変や時短が伴わない通常状態に戻る。
さらに、確変と時短の両方を実行することに限らず、特定遊技において、いずれか一方のみを実行することも可能である。例えば、当せんした大当りの種類によっては、時短のみが付与され、確変は付与されないようにすることや、時短が付与されず、確変のみが付与されるようにすることなどが可能である。
<<入球容易化遊技>>
続いて、前述の入球容易化遊技について説明する。この入球容易化遊技は、普通電動役物に係る機能を遊技者に有利に設定し、第2始動入賞口63の開放態様が通常よりも遊技球を受け入れ易くなり得るようにする遊技状態である。入球容易化遊技が実行された場合には、普通図柄に係る時短、普通図柄に係る確率変動、普通電動役物に係る開放延長などの制御態様や、これらの制御態様の組合せにより、第2始動入賞口63への入球容易性が高められ、入球容易状態が形成される。
普通図柄における上述の各種の制御態様のうち、普通図柄に係る時短は、普通図柄の変動時間が通常状態よりも短縮される制御態様であり、普通図柄に係る確率変動は、普通図柄の当せん確率を通常状態よりも向上させる制御態様(普通図柄に係る確変)である。さらに、普通電動役物に係る開放延長は、第2始動入賞口63の開放時間を、通常時(非特定遊技時)の開放(ショート開放)よりも長く開放(ロング開放)を行う制御態様である。
上述のように、特定遊技中の入球容易化遊技は、普通図柄の時短、開放抽選の確率変動、普通電動役物の開放延長という3つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める。しかし、これに限定されず、これら3つの機能のうち、1つ又は2つの機能を用いて第2始動入賞口63への入球容易性を高める構成としてもよい。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間との切り替えを、遊技状態に応じて行う構成としてもよい。
このような入球容易化遊技の継続期間は、特別図柄に係る時短期間に基づいて決定することが可能である。例えば、特別図柄に係る時短中は入球容易化遊技を継続し、特別図柄に係る時短が終了すると入球容易化遊技が終了する、といった制御態様の採用が可能である。そして、このようにした場合は、特別図柄の時短が終了した以降に図柄変動が開始される普通図柄の変動パターン(普図変動パターン)は、通常時(非特定遊技時)のために設けられた変動パターンの中から決定されるようにすることが可能である。
<ぱちんこ遊技機における主な演出>
<<演出図柄の基本的表示態様>>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へのコマンドに基づき、サブメイン基板301及びサブサブ基板302によって実行される各種の演出について、主要なものを説明する。そして、ここでは先ず、前述の演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の基本的な表示態様について説明する。
演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が変動表示されることに伴って、演出表示装置60上において変動表示される(図7(a)参照)。さらに、演出図柄190は、主制御表示装置53において特別図柄が停止表示されることに伴って、演出表示装置60上において停止表示(図7(b)参照)される。
演出図柄190の停止に伴い表示される停止図柄は、左演出図柄190a、中演出図柄190b、右演出図柄190cの3つの図柄の組合せにより構成される。そして、メイン基板102における大当り抽選の結果が大当りとなった場合には、例えば「777」や「555」のように、3つの図柄が揃ったぞろ目の組合せが、大当りを表す停止図柄として表示される。また、大当り抽選の結果がはずれであった場合には、例えば「767」、「928」、「331」などのように、1部又は全ての演出図柄が他の演出図柄と異なる組合せで、演出図柄190が停止表示される。
ここで、本実施例における「停止図柄」や「図柄の停止」は、3つの演出図柄190が「確定停止」していることを意味している。すなわち、3つの演出図柄190a〜190cが、演出表示装置60の表示領域194において、例えば「767」や「928」などの組合せを保った状態で表示されていたとしても、それだけでは「確定停止」したことには該当しない。そして、このように演出図柄190が、組合せを保ちつつ「確定停止」に至っていない状態を、「仮停止」の状態と称することが可能である。
このような「仮停止」の表示態様としては、例えば、演出図柄190が小刻みに振動している(揺れている)状態を例示できる。そして、演出図柄190が組合せを維持したまま小刻みに揺れているような仮停止の態様を、「揺れ変動」の態様などと称することが可能である。この「仮停止」における演出図柄190の揺れの態様としては、縦又は横の直線移動や水平方向の回転移動などを例示でき、移動範囲としては数ミリ程度を例示できる。
また、上述の「確定停止」の表示態様としては、仮停止の状態を経て、全ての演出図柄190a〜190cが組合せを保ったまま停止した状態を例示できる。さらに、この「確定停止」の際に、確定停止されたことを示す演出を行うことが可能である。そして、確定表示されたことを示す演出としては、確定停止の状態を所定時間(例えば1秒程度)維持することや、確定停止された各演出図柄190a〜190cを、特殊効果が付加された状態で表示すること(図柄エフェクト)を例示できる。
ここで、図柄エフェクトとしては、各演出図柄190a〜190cを瞬間的(例えば0.5秒程度)に限り光らせる、各演出図柄190a〜190cの周りに輝点を1回或いは複数回周回させる、演出図柄190a〜190cを拡大又は縮小する、演出図柄190a〜190cを数ミリ程度移動させて元の位置に戻す、などといった種々の態様を採用することが可能である。
また、前述の「リーチ」の表示態様において、リーチの組合せを保った演出図柄が、前述の「仮停止」の態様で表示される場合がある。そして、この「仮停止」によるリーチ表示の後に、変動表示されていた図柄(ここでは中演出図柄190b)が、はずれの組合せ(はずれリーチの組合せ)を構成して「仮停止」し、組合せを保ったまま「確定停止」が行われて変動表示が終了する、といった演出を例示することができる。また、3つの演出図柄190a〜190cが、はずれリーチの組合せによる「仮停止」を行っている状態から、中演出図柄190bが変動を再開してリーチ演出が高信頼度のもの(大当りに係る信頼度が相対的に高いもの)に発展する、といった演出(後半リーチ)も例示できる。
なお、演出図柄190のスクロール表示の態様としては、上述の縦スクロールに限定されるものではなく、種々の表示態様を採用することが可能である。そして、他の表示態様としては、例えば、横方向(右から左など)への横スクロール態様や、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、個々に、鉛直軸まわりに回転(自転)させて、変動表示を行う回転態様を例示できる。また、例えば、左演出図柄190aから右演出図柄190cが、表示領域194中で、後方から前方、即ち画面の奥から手前に向って、直線軌道或いは曲線(旋回)軌道に沿って、拡大されながら順次繰り出される、といった表示態様も例示できる。さらに、後方から前方へ向う演出図柄が、上方から下方手前へ降りてくる、といったスクロール表示の態様を採用することも可能である。
また、スクロールの態様は、前述したような各種の態様のいずれか1つを採用することに限らず、例えば、所定の演出が実行される場合に、所定のスクロール態様から他のスクロール態様に切り替えることなども可能である。また、複数の演出モードについて、演出モード毎に、スクロール態様を異ならせることなども可能である。
また、図7(a)、(b)においては、演出図柄190の組合せが、表示領域194の上下方向の中段でのみ停止表示される表示態様が例示されており、有効ラインは、横方向の1ラインのみとなっている。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、有効ラインの数を2ラインや5ラインとすることなども可能である。
さらに、図7(b)においては、左演出図柄190aから右演出図柄190cを、所定の字体の数字のみにより簡略化して示しているが、演出図柄190は、数字などの所定の記号を意味する部分(前述の記号要素演出図柄である要素図柄)と、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分(非記号要素演出図柄である要素図柄)との組合せにより構成することが可能である。そして、所定の記号以外を表す絵柄からなる部分としては、各種のデザイン画や人物画、及び、これらの組合せ等を例示でき、さらに、記号に組合される各種のデザイン画や人物画を、動画とすることも可能である。
<<演出パターンの例示>>
続いて、前述の演出パターンについて説明する。演出パターンは、メイン基板102で決定される変動パターンに関連付けられた状態で多数設けられている。さらに、演出パターンには、演出図柄190を含む演出の態様が規定されている。より具体的には、演出パターンには、選択された演出図柄190に対する変動開始から変動停止までの変動過程や、演出図柄190と組合せて表示される背景及びストーリー展開などといった演出過程が定義されている。そして、演出パターンには、前述の「リーチあり」や「リーチなし」に対応したものがある。
これらのうち、「リーチあり」の演出パターンが実行される場合は、あと1つの演出図柄(ここでは中演出図柄190b)が揃えば大当りとなるリーチ演出が、演出表示装置60において行われる。そして、特別図柄に係る当否抽選の結果が大当りである場合には、大当りの種類に応じた「777」や「333」などのぞろ目の表示が、確定停止した演出図柄190によって行われる。また、特別図柄に係る当否抽選の結果がはずれである場合には、例えば「767」や「515」などのはずれを示す組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
さらに、「リーチなし」の演出パターンが実行される場合は、例えば「928」や「331」などのように、左演出図柄190aと右演出図柄190cがリーチの組合せとならないリーチなしの組合せが、確定停止した演出図柄190によって行われる。
これらの演出パターンには、長短様々な変動時間をもつものがあり、特に、「リーチあり」の変動パターンには、変動時間が数分に及ぶようなものも含まれている。なお、本実施例では、前述した特別図柄に係る変動パターン(図10(a)〜(c)参照)における、「リーチなし(3秒〜10秒程度)」、「ノーマルリーチ(10秒〜20秒程度)」、「スーパーリーチ(大当り信頼度の高いリーチ)(30秒〜2分程度)」に対応した、リーチなしの演出パターン、ノーマルリーチの演出パターン、スーパーリーチの演出パターンが設けられている。そして、これらの演出パターンには、例えば、1つの変動パターンに対して複数の演出パターンが関連付けられており、演出パターン数は、前述の変動パターンよりも多岐に亘っている。さらに、「スーパーリーチ」は、「SP(スペシャル)リーチ」と言い換えることが可能なものである。
<<特別図柄に係る保留演出表示>>
次に、演出表示装置60において行われる特別図柄に係る保留表示(保留演出表示)について説明する。演出表示装置60の表示領域194の下部には、図7(a)、(b)中に示すように、第1遊技における当否抽選値の保留数を示す第1保留数表示部196と、第2遊技における当否抽選値の保留数を示す第2保留数表示部197とが表示される。なお、ここでは説明や図示を簡略化するため、個々の保留表示を真円によって表しているが、保留表示を、その他の形状や色彩の組み合わせ、キャラクタ画像、アニメーション等により行ってもよい。
本実施例においては、第1遊技に係る保留が発生すると、上述の第1保留数表示部196に所定の保留表示が行われる。さらに、保留数が増えると、保留表示が追加される。そして、保留数が上限に達すると、図7(a)に示すように、第1保留数表示部196において、4つの保留表示が行われる。
また、第1保留数表示部196における保留表示は、第1表示位置から第4表示位置にて行うことが可能である。つまり、第1保留数表示部196には、第1表示位置から第4表示位置が含まれており、第1保留数表示部196の、遊技者から見て右端の部位が、第1表示位置となっている。そして、左端へ向かって順に、第2表示位置、第3表示位置、第4表示位置が設けられている。さらに、以下では、第1表示位置から第4表示位置で行われる保留表示を、それぞれ「保1」、「保2」、「保3」、「保4」と称する。
例えば、演出表示装置60において、第1遊技に係る演出図柄190が行われている最中で、且つ、第1保留数表示部196に1つの保留表示も行われていない状況において、保留が発生すると、右端の第1表示位置(上述の「保1」の位置)に保留表示が行われる。そして、この際には未だ他の保留表示が行われておらず、「保2」〜「保4」は発生していないものとする。このように「保1」が発生している状況で、更に保留が発生すると、発生した保留に係る表示は、「保1」の左隣の「保2」の位置で行われる。そして、「保1」及び「保2」が表示され、「保3」や「保4」が表示されていない状況で、更に保留が発生すると、発生した保留数に応じて、「保3」や「保4」の表示が行われる。
そして、「保1」が発生した際に実行されていた変動表示が終了し、第1遊技に係る他の変動開始条件も成立していれば、上述の「保1」に係る保留記憶情報が消化される段階となり、「保1」の保留表示が、第1保留数表示部196の右側へ移動する。第1保留数表示部196の右側の部位には、当該変動情報表示部195が設けられている。この当該変動情報表示部195は、そのときに実行されている変動表示に係る情報(当該変動情報)を表示する領域である。つまり、「保1」の保留表示は、対応する保留記憶情報に係る変動表示が実行される際には、当該変動情報表示部195に移動して、当該変動情報表示198に変化する。
ここで、「保1」の保留表示を当該変動情報表示部195に移動させる際に、アイテムに係るサイズ、色彩、形態などといった表示要素の変更を行うようにしてもよい。図7(a)、(b)の例では、「保1」の保留表示を当該変動情報表示198に変化させる際に、サイズの拡大を行っている。
上述のように「保1」にあった保留表示が当該変動情報表示部195に移動すると、後続の保留表示の待機順位が繰り上り、「保2」は「保1」の位置にシフトする。さらに、「保3」や「保4」が存在した場合には、「保3」は「保2」の位置にシフトし、「保4」は「保3」の位置にシフトする。そして、このような状況で更に保留が発生した場合には、新たに「保4」が発生し、保留数が上限に達することとなる。また、新たな保留が発生しなければ、この次の変動表示の開始に伴い、保留表示のシフトが行われ、各保留の待機順位が繰り上がることとなる。
なお、「保1」〜「保4」における保留表示から、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態を含めて、広義に、保留演出と捉えることが可能であるが、これに限らず、「保1」〜「保4」における保留表示までを保留表示とし、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198に変化した状態は保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
また、演出図柄190に係る変動表示が行われておらず、保留数が0の状況で、第1始動入賞口62に入球があると、「保1」の表示は行われず、当該変動情報表示部195に、直接的に、当該変動情報表示198が行われるようになっている。そして、このような場合に限って、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198を保留表示に含めない、といった取扱いを行うことも可能である。
続いて、前述の第2保留数表示部197について説明するが、第1保留数表示部196と同様な点については、説明を省略する。本実施例では、第2保留数表示部197は、図中に示すように、上述の当該変動情報表示部195を挟んで、第1保留数表示部196の反対側(遊技者から見て右側)に、第1保留の画像と異なる色彩にて、「保1」〜「保4」の関係が対称となるよう配置されている。
また、保留表示については、種々の遊技状態に応じた態様で行うことが可能である。例えば、大当り抽選の確率が通常確率の場合と高確率の場合などで、異なる演出モードに制御される場合に互いの保留表示の態様を異ならせることなどを例示できる。
さらに、第1保留数表示部196、第2保留数表示部197、及び、当該変動情報表示部195の位置関係は、上述のものに限定されず、本実施例のように第2遊技を第1遊技に優先して実行するのではなく、第1遊技及び第2遊技に係る始動入賞の発生順に特別図柄や演出図柄190の変動表示を行うタイプのぱちんこ遊技機には、当該変動情報表示部195の左側に8つの保留表示を並べることができるようにしてもよい。
<<特別図柄に係る保留先読み演出>>
次に、特別図柄に係る予告演出(先読み演出)の1つである、保留先読み演出について説明する。この保留先読み演出は、前述の保留記憶情報(第1特図保留記憶情報又は第2保留記憶情報)に基づき、実行される演出である。さらに、保留先読み演出は、前述の事前情報通知の機能を用いて、そのときに演出図柄190等を用いて行われている演出よりも後に消化が行われる保留に対して、リーチや大当りが発生することの期待を示唆する演出として実行される。
例えば、前述の第1保留数表示部196における「保3」の位置で発生した保留表示について、前述の基本の表示態様である表示(例えば青色)とは異なり、緑色の保留表示を行うことで、通常の青色の態様である場合に比べて、リーチが発生すること等の期待度が高いことが示される。そして、青や緑の彩色の他に、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を設け、緑色よりも、黄色、赤色、金色、虹色、所定柄の順で大当りの期待度が高いことを示す、といった演出が行われている。
ここで、上述の「所定柄」の表示態様としては、キリン等の動物模様や、所定のキャラクタ画像を含む表示態様などを例示できる。また、保留表示の彩色や柄のみでなく、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。さらに、上述の各種の表示態様に点滅や発光を行っている態様を組み合せて先読み演出を行うことも可能である。また、保留先読み演出を含む先読み演出に当せんした保留を、例えば「トリガ保留」などと称することが可能である。
以上説明したような保留に係る先読み演出は、第2遊技においても行われる場合がある。そして、第2遊技に関しては、基本色(オレンジ)のほかに、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様を備えることが可能である。また、第2遊技に係る保留表示としても、真円形状以外のアイテムや人物画像等を採用することも可能である。
さらに、上述したような第1遊技及び第2遊技において保留表示を用いる先読み演出は、「保留変化」などと称することが可能である。そして、このような「保留変化」には、保留発生の当初から上述のように基本の表示態様と異なる表示態様を示すものや、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものなどがある。
これらのうち、保留発生の後のタイミングで表示態様の変化を示すものとしては、例えば、保留が発生して保留表示が開始され、保留の消化が進み、保留表示が、例えば「保2」、「保1」と進む間に、保留表示が変化するようなものを例示できる。そして、例えば、保留発生時には「保3」の位置に青色(第2遊技の場合はオレンジ色)で保留表示が行われ、「保1」の位置に移動した際に、緑色等の他の色に変化する、といったことが行われる。
また、第1遊技及び第2遊技の何れについても、当該変動情報表示198となった場合に、保留表示が基本色から、赤色、金色、虹色、所定柄などの表示態様や、或いは、真円形状以外のアイテムや人物画像等の表示態様に変化して、大当りの期待度を表す場合もある。
さらに、上述のような保留変化に係る制御態様としては、以下のようなものを例示できる。例えば、保留発生時に、保留変化の演出パターン(保留変化パターン)を決定するための抽選(保留変化パターン抽選)を行う。この保留変化パターン抽選には、保留変化パターンテーブルが用いられ、この保留変化パターンテーブルには、保留変化の有無や、保留変化を実行する場合(保留変化ありの場合)には、どのようなタイミングでどのような表示態様を実行するか、といった演出パターンの決定に係る事項が規定されている。また、保留変化パターンとしては、第1遊技のためのものと、第2遊技のためのものとが定められている。
また、保留変化に当せんした保留が、「保1」から「保4」の中に複数存在する場合に、いずれか一方の保留先読み演出をキャンセルする、といったことが可能である。より具体的には、例えば、「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、緑色に変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生しているいずれかの保留が、虹色に変化する保留変化パターンに当せんしていれば、上述の「保4」に係る保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
さらに、例えば、上述の例と同様に「保4」が発生した際に、「保4」に係る保留が、虹色まで変化する保留変化パターンに当せんし、先に発生している全ての保留が、虹色までは変化せず、緑色などまでしか保留変化しないものであれば、先に発生している保留については、保留変化をキャンセルして実行しない、といったもの例示できる。
<<特別図柄に係る連続予告>>
次に、他の先読み演出のパターンとして、特別図柄に係る連続予告(連続演出)について説明する。この連続予告は、真正のものと疑似のものとがあり、これらのうちの真正の連続予告は、特別図柄に係る複数回の変動表示に亘り、連続性のある予告演出を行うものを意味している。また、疑似の連続予告は、特別図柄に係る1回の変動表示について、複数回の特別図柄の変動があったような断続的な予告演出(疑似連続予告)を行うものを意味している。
上述の「連続予告」としては、例えば、演出上のストーリーにおいて主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、最終到達目的としている部屋を目指して、順次異なる部屋に移動するようなものなどを例示できる。また、その他の態様の「連続予告」としては、主人公となる登場人物が、特別図柄に係る1回の変動毎に、異なる敵と対戦して勝利し、最終目的となる敵を目指すようなものも例示できる。
さらに、前述した真正の連続予告(以下では単に「連続予告」と称する場合がある)は、メイン基板102からサブメイン基板301に送信される事前通知情報に基づいて行うことが可能である。より具体的には、例えば、「保3」の保留が発生した場合に受信した事前通知情報に基づいて、サブメイン基板301が、その次以降の特別図柄に係る変動表示に対応した演出パターンとして、3回の変動表示に亘る連続予告を含んだ内容のものを選択する、といったことが可能である。
そして、1回分の保留が消化され、上述の「保3」の保留が「保2」の位置にシフトされた際には、選択された連続予告に係る演出パターンのうち、最初の1回目の予告に係る演出パターンが実行される。さらに、保留が順次消化され、保留表示が、「保2」から「保1」に移動した際には、3回のうちの2回目の予告が実行され、「保1」から当該変動情報表示部195に移動した際には、最後となる3回目の予告が実行される。
なお、サブメイン基板301において、上述の「保3」の保留が発生した時点で実行されている変動表示に係る変動パターンや、それ以前に発生している「保2」又は「保1」に係る保留記憶情報を確認することも可能である。すなわち、上述の「保3」の保留が発生した際に、既に記憶されている各種の情報の中に、大当り信頼度の高い所定のリーチ演出が実行されることを表す情報や、大当りが発生することを表す情報が存在すれば、「保3」の保留が発生した際に選択した連続予告に係る演出パターンをキャンセルする、といったことが可能である。その他、「保3」に対する保留の期待度に応じて、次変動から即座に連続予告を行うものではなく、1変動待って「保1」の変動及び先読み態様となるトリガ保留の消化時の2変動に跨る連続予告とするケースも考えられる。
また、前述した疑似の連続予告(以下では「疑似連続予告」と称する場合がある)としては、特別図柄の1回の変動表示に係る演出パターンにおいて、リーチ表示が、複数回断続的に行われるようなものや、登場人物が複数回の行為を繰り返すようなもの、演出図柄190の仮停止と再変動を繰り返すものなどを例示できる。
なお、以上説明したような連続予告の内容は、あくまでも例示であり、連続予告の内容としては、説明したもの以外にも種々のものを採用することが可能である。
<<普通図柄に係る演出図柄>>
次に、前述の普通図柄に係る演出について説明する。本実施例では、普通図柄に係る演出表示は行われていない。しかし、普通図柄に係る演出を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。そして、このように普通図柄の演出表示を行う場合には、演出図柄としては、例えば、はずれと、当たりの種類とを識別できる程度の表示を行うことが考えられる。
また、前述のように、演出表示装置60を、複数の表示体の組合せにより構成した場合には、相対的に大型な表示体と、これに比べて小型な表示体(複数でもよい)を備えることが可能である。そして、大型な表示体を、例えば「メイン表示体」や「メイン液晶」などと称し、小型な表示体を、例えば「サブ表示体」や「サブ液晶」などと称することが可能である。さらに、上述のような相対的に小型な表示体を備えた場合には、普通図柄に係る演出図柄(199)を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これを普通図柄に係る演出表示装置としてもよい。
また、普通図柄に係る演出図柄を用いた演出を行う場合は、普通図柄に係る保留演出表示を、演出表示装置60における演出の一部として行うことが可能である。また、前述のように、演出表示装置60を、大型な表示体及び小型な表示体のような複数の表示体により構成した場合には、普通図柄に係る演出保留表示を、例えば、小型な表示体に表示するようにしてもよい。また、前述のセンター飾り64の所定の部位に、例えば、2つを1組としたLED表示灯を設け、これにより「1」から「4」の普通図柄に係る保留数の演出表示を行ってもよい。
<<限定頻度パターンに係る演出>>
次に、限定頻度パターンに係る演出(以下では「限定頻度パターン演出」と称する)について説明する。限定頻度パターン演出は、前述の演出パターンの一部として備えられているものである。さらに、限定頻度演出パターン演出は、メイン基板のパターン決定手段にて特定の期間に決定される変動パターンに対応して、所定の遊技状態において出現し易くなるように設定された演出である。この限定頻度パターン演出の内容は、特定の傾向を示す演出内容となっており、限定頻度パターン演出の内容として、例えば、時短遊技中の特定の変動において、あらかじめ定められた変動パターンをメイン基板で決定し、演出として高信頼度のリーチを必ず発生させるようなものを例示できる。
また、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、遊技開始時、所定の演出パターンが実行された直後(例えば、小当り、出玉無大当りの直後)、所定の演出モード中(確変、時短遊技モード中)、特別遊技の終了直後などを例示することができる。また、これらに加えて、限定頻度パターン演出が出現し易い遊技状況としては、第1遊技(又は第2遊技)に係る保留数が所定数(例えば4個)に達している場合や、保留が存在しない場合なども例示できる。さらに、限定頻度パターン演出が実行される状況においては、その時の状況に応じて予め設けられている限定頻度テーブルを用い、この限定頻度テーブルに定められた限定頻度パターンから、実行すべき演出パターンが選択されるようになっている。
<<操作ボタンを用いた演出>>
次に、前述の操作ボタン22(図1参照)を利用する演出(以下「ボタン演出」と称する)について説明する。操作ボタン22は、ボタン演出が実行された場合に、遊技者によって押下操作され、遊技者に対し、自分が遊技の演出や当否抽選に参加しているような感覚を与える機能を発揮するものである。ボタン演出としては、例えば演出図柄190(図7(a)、(b)参照)の変動表示過程で、演出表示装置60の表示領域194に、操作ボタン22の図柄とともに、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等といった文字や、或いは残り時間を示すインジケータの動画などの、操作を促すガイド表示を行うことを例示できる。
さらに、ボタン演出としては、遊技者が、上述のガイド表示に従って操作ボタン22を操作すると、登場人物がコメントを発するような演出や、味方キャラクタが敵キャラクタに対する攻撃を行うような演出を例示できる。また、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材(601〜603等)が作動して、リーチとなることを報知するようなものも例示できる。さらに、リーチ演出中にボタン演出が行われることもあり、その場合には、操作ボタン22を操作すると、前述の可動演出部材(601〜603等)が作動して大当りへの期待を煽るものなども例示できる。
また、上述の操作ボタン22に関して、通常時は操作ボタン22の操作が無効となっているが、ボタン演出中は操作ボタン22の操作が有効となるボタン操作有効期間となっている。ボタン操作有効期間は、予め設定された一定時間となっている。
なお、操作ボタン22のような操作入力機器としては、その他にも種々の形態のものを採用可能であり、例えば、演出内容に関連した、自動車の操作ハンドル、航空機の操作レバー、登場人物の模型(フィギュア)にタッチセンサを付加したものなども採用が可能である。また、操作ボタンと、操作レバー等の形態を有するものを併設し、演出内容などの状況に応じて使い分ける、といったことも可能である。
さらに、前述のように操作ボタン22の近傍に十字キー96(図19(a))が設けられており、操作ボタン22は、環境設定などを行う状況で決定キー等として用いられる場合がある。そして、本実施例では、演出表示装置60で演出図柄190等の変動表示が行われている状況や、変動表示が行われていない状況で、操作ボタン22と十字キーを用いた演出操作が行われる場合がある。なお、十字キー96を用いた環境設定の具体例については後述する。
<<大当り発生時の演出>>
次に、大当りが発生した場合の演出について説明する。大当りが発生した場合の演出には、特別遊技開始時の演出(大当り開始デモ)、特別遊技中の演出(ラウンド演出)、最終ラウンド終了時の演出(当り終了デモ)、特別遊技の終了時の演出(大当り終了デモ)などがある。
前述の演出図柄190が確定停止されると、ファンファーレなどの音に伴い、大当りが開始される旨の表示を行う。さらに、特別遊技中の打ち方指示として右打ち案内演出を実行し、遊技者に対し、発射ハンドル20の回動量を増やして右打ちを行うよう案内する内容のものを例示できる。
前述の特別遊技中の演出としては、遊技者が大当りを獲得しなければ見ることができない内容の動画を例示できる。また、この際には所定の楽曲が、前述のスピーカ21(図1参照)から出力される。さらに、特別遊技中の動画としては、例えば、ぱちんこ遊技機10の演出に採用された劇画における所定の登場人物が、ライバルとなる敵と戦う様子を描いたものや、僥倖を享受する様子を描いたものなどを例示できる。
なお、特別遊技中のラウンドの切換わりを、例えば、表示領域194(図7(a)、(b)参照)の隅部(例えば右上隅部)における「1R」、「2R」、・・・、「15R」といった表示により報知することが可能である。さらに、特別遊技中の演出の一部として、例えば、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を表示することも可能である。
続いて、前述の特別遊技後の演出としては、特別遊技中の演出内容の結果に係るもの例示できる。より具体的には、登場人物同士の闘いの結果に応じて勝者が感情を表す内容などを例示できる。このような特別遊技後の演出は、エンディング演出と称することも可能である。
さらに、特別遊技後の演出としては、大当りの連続回数を追加して表示するものや、そのときの特別遊技により遊技者が獲得した賞球数を表示するものなどを例示できる。また、特定遊技中に大当りが発生して、大当りが連続した場合における大当りの発生回数を追加して表示することも可能である。また、大当りの連続に関しては、大当りの発生回数が所定回数(例えば20回)に達した場合に、それ以前には選択されることがない演出パターンを実行する、といったことも可能である。
<各種の具体的演出例>
<<複数の演出部材の重畳による演出>>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10において実施することが可能な各種の具体的な演出について例を挙げて説明する。先ず、演出表示装置60の表示と、前述した導光板88の表示、及び、可動演出部材(601〜603等)の重畳による演出を行うことが可能である。この種の演出は、演出表示装置60の前方に可動演出部材を位置させ、演出表示装置60の表示内容と、可動演出部材の光装飾や動きなどとを組み合わせることによる複合的な演出となる。
一例を挙げれば、いずれかの可動演出部材が演出表示装置60の表示領域194の前に飛び出した状態において、可動演出部材の外側には演出表示装置60の表示領域194の少なくとも一部が見えており、例えば、演出表示装置60に炎が燃え盛る様子の映像を表示した場合には、炎の前方で可動演出部材が光装飾や動作を行う組合せの演出が実行されるようにする。さらに、導光板88において、例えば、炎の模様が点滅するような演出や、或いは、波紋状の模様を点滅させるような演出を行うことにより、導光板88と演出表示装置60の遠近の差による視覚効果を発揮することができる。
さらに、この状態において、導光板88と演出表示装置60との間で可動演出部材による演出を実行することにより、可動演出部材の様子や、演出表示装置60の映像を、導光板88の表示を部分的に障害としながら遊技者に視認させることができる。さらに、可動演出部材の前後の模様状の表示の変化の合成により、複雑な状況表示を可動演出部材に重畳でき、可動演出部材の置かれた環境を複雑な態様で表現することが可能となる。
そして、これらのことにより、導光板88、可動演出部材(601〜603等)、演出表示装置60といった限られた構成によって、より複雑な演出を行うことができ、演出を多様化することが可能となる。なお、導光板88を、例えば透過液晶表示体などに変更した場合であっても、透過液晶表示体の一部を、背後の可動演出部材や、演出表示装置60の表示内容の一部を視認できる程度の透過状態とすることで、導光板88の場合と同様に重畳による演出を行うことが可能である。
また、導光板88や透過液晶表示体など(ここでは導光板88等と称する)の利用の態様として、導光板88等を強調する態様と、演出表示装置60との組合せによる態様とを採用することが可能である。上述の「導光板88等を強調する態様」は、導光板88等の表示面の大部分を利用して所定の像を浮かび上がらせる発色表示を行い、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が可能な限り向かないようにする表示態様である。
これに対し、上述の「演出表示装置60との組合せによる態様」は、導光板88等における発色表示が行われる部分の面積の割合を所定の程度に抑え、背後にある演出表示装置60の表示内容に遊技者の意識が向かうようにし、導光板88等の表示と、演出表示装置60の表示とを組み合わせた演出を遊技者に対して示す表示態様である。そして、所定の場合には、「導光板88等を強調する態様」での演出を実行し、他の所定の場合には、「演出表示装置60との組合せによる態様」での演出を実行する、といったことが可能である。
<<保留表示を利用した演出>>
続いて、前述の保留表示を用いた演出としても種々のものを例示することができる。例えば、図7(a)、(b)中に示す当該変動情報表示部195の当該変動情報表示198を一旦消去し、当該変動情報表示部195に、例えば、「色変化?」のように期待度が高まることを示唆するような文字の情報(文字の状態遷移示唆情報)を表示する。そして、このような状態遷移示唆情報の表示の後、当該変動情報表示部195における当該変動情報表示198が、例えば赤色や虹色などといった高期待度を意味するものに変化する場合があるようにする。
また、上述の「色変化?」のような表示を、ルーレットの目の1つや、回転ドラム(リール)の1つの図柄として表示することも可能である。例えば、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」のような情報表示をルーレットの目や、回転ドラムの図柄として採用し、当該変動情報表示部195において、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行う。そして、当該変動情報表示部195において、「変化なし」、「色変化?」、「赤」、「虹」の表示が順次変化し、停止した情報に対応した態様で、その後の当該変動情報表示198が行われるようにすることが考えられる。なお、当該変動情報表示198を消去せずに、ルーレットや回転ドラムのオブジェクトの表示を行うことも可能である。
また、保留表示を用いた演出の他の態様として、図7(a)、(b)中の第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において保留変化が行われる場合に、保留変化したことや、保留変化が直後に発生することを、例えば、「保留変化」、「赤保留」、「虹保留」などといった保留変化情報を表示することで、積極的に報知することが考えられる。ここで、このような保留変化情報の表示を、演出表示装置60における表示領域194の中央で行ってもよく、或いは、第1保留数表示部196や第2保留数表示部197において、保留変化する保留表示の近傍で行ってもよい。
<メイン基板からサブメイン基板へ送信される各種コマンド>
次に、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される各種コマンドについて主要なコマンドについて説明する。先ず、コマンドの送信タイミングとしては、初期画面表示中、客待ちデモ(待機デモ)中、特別図柄の図柄変動開始時、特別図柄の図柄確定時、特別図柄の図柄確定中、大当り開始デモ時、大当り中大入賞口開放時、大当り中大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などがある。このうち初期画面表示中は、ぱちんこ遊技機10の電源投入後、客待ちデモが開始されて定常状態に入るまでの期間である。また、始動入賞時、電断復帰時、及び、エラー検出時は、何れの場合であってもコマンド送信が行われる。さらに、RWMクリア時にもコマンド送信が実行される。
これらのうち、RWMクリア時のコマンドとしては、演出表示器初期化、演出LED初期化、各種エラーのコマンドがある。演出表示器初期化コマンドは、演出表示装置60に所定の演出図柄を表示するためのものである。演出LED初期化コマンドは、通信が正常である場合に遊技効果ランプの一部を点灯させるものである。各種エラーコマンドは、エラーの状態に合わせた演出表示等を行うためのものである。
客待ちデモのコマンドとしては、客待ちデモコマンドがある。この客待ちデモコマンドは、演出表示装置60や遊技効果ランプを客待ちデモ用に設定し、音声を消去するためのものである。
特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとしては、図柄1記憶数、図柄2記憶数、通信検査1、通信検査2、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、変動付加情報、図柄1演出パターン、図柄2演出パターン、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出のコマンドがある。図柄1記憶数コマンドは、第1特別図柄の保留記憶数を示すものであり、図柄2記憶数コマンドは、第2特別図柄の保留記憶数を示すものである。通信検査1コマンド及び通信検査2コマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。演出回数A〜Zの各種コマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2の各種コマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。変動付加情報コマンドは、演出パターン中に例えば大当り期待度の示唆等を行う要素(演出構成要素)を付加するための情報を示すものである。図柄1演出パターンコマンドは、第1特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2演出パターンコマンドは、第2特別図柄の変動パターンに対応したコマンドを送信するためのものである。図柄1キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものであり、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
特別図柄の図柄確定時のコマンドとしては、図柄1演出パターン停止、図柄2演出パターン停止のコマンドがある。図柄1演出パターン停止コマンド、及び、図柄2演出パターン停止コマンドは、それぞれ、第1特別図柄や第2特別図柄に基づく演出図柄190を停止させるためのものである。
特別図柄の図柄確定中のコマンドとしては、変動時間短縮回数0(低確率時)、変動時間短縮回数A〜Z(低確率時)、変動時間短縮回数0(高確率時)、確率変動中(所定変動回数まで)のコマンドがある。これらは、その時の遊技状態に関するコマンドを送信するためのものであり、演出モード表示や時短回数表示などに使用される。
大当り開始デモ時のコマンドとしては、図柄1大当り開始デモ、図柄2大当り開始デモ、発射位置指定のコマンドがある。図柄1大当り開始デモコマンド、及び、図柄2大当り開始デモコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄に基づいた開始デモを表示させるためのものである。発射位置指定コマンドは、所謂左打ちや右打ちにより、遊技者に、遊技球の打ち分けを行わせる場合に発射位置を報知するためのものである。
大当り中大入賞口開放時のコマンドとしては、図柄1大当り中デモ1〜16、図柄2大当り中デモ1〜16のコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の大当り図柄及びラウンド数に基づいた演出を表示させるためのものである。
大当り中大入賞口閉鎖時のコマンドとしては、大入賞口閉鎖演出コマンドがある。これは、大入賞口閉鎖演出を表示させるためのものである。
大当り終了デモ時のコマンドとしては、図柄1当り終了デモ、図柄2当り終了デモのコマンドがある。これらは、第1特別図柄や第2特別図柄の当り図柄に基づいた当り終了デモ演出を表示させるためのものである。
始動入賞時のコマンドとしては、当り予告(当り予告演出)、図柄予告(当り図柄予告演出)、変動予告(パターン予告演出)、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドは、事前情報通知手段157による前述の先読み演出に係るコマンド(先読みコマンド)である。そして、当り予告コマンドは、当否乱数の乱数値範囲を送信するためものであり、抽選確率に応じた当否の情報などを含んでいる。図柄予告コマンドは、図柄乱数の乱数値範囲を送信するためのものであり、当りの種類に係る情報などを含んでいる。さらに、変動予告コマンドは、変動パターンの乱数範囲を送信するためのものであり、変動パターンのグループの種別(リーチなし、ノーマルリーチ、又は、スーパーリーチなど)の指定に利用可能である。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。そして、本実施例では、当否抽選の結果、先読み演出の有無や期間などの情報は、当り予告、図柄予告、変動予告の各コマンドによって、サブメイン基板301に伝えられるようになっている。
電断復帰時のコマンドとしては、通信検査1、通信検査2、電断復帰用遊技状態A〜E、演出回数A〜Z、演出選択状態0〜2、図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出、電断復帰当り状態、電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態、発射位置指定、エラーa〜d、図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドがある。
通信検査1、通信検査2のコマンドは、正常な通信がなされているか否かの確認のためのものである。電断復帰用遊技状態A〜Eのコマンドは、電断時の遊技状態に応じて異なるコマンドを送信するためのものである。演出回数A〜Zのコマンドは、前述の限定頻度テーブルにしたがった演出に係る回数を示すものであり、演出選択状態0〜2のコマンドは、限定頻度テーブルにしたがった演出の種類を示すものである。図柄1キャラクタ演出、図柄2キャラクタ演出コマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の図柄に対応したコマンドを送信するためのものである。
電断復帰当り状態コマンドは、当り中か否かに応じて異なるコマンドを送信するためのものである。電断復帰時特別図柄1状態、電断復帰時特別図柄2状態のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の、待機中・変動中・当たり中などの状態に応じたコマンドを送信するためのものである。発射位置指定コマンドは、前述のように、状況に応じた適切な発射位置を指定するためのものである。エラーa〜dは、エラーの有無及び種類を送信するためのものである。図柄1記憶数、図柄2記憶数のコマンドは、第1特別図柄や第2特別図柄の保留記憶数を伝えるためのものである。
<メイン基板の主要な制御処理>
次に、上述の構成のぱちんこ遊技機10のメイン基板102における主要な制御処理について、図11〜図14等に基づいて説明する。なお、説明に先立ち、以下で用いる「特別電動役物」、「条件装置」、「役物連続作動装置」の用語について説明する。これらは何れもぱちんこ遊技機10の制御処理における概念上の機器を表しており、これらのうち「特別電動役物」は、大入賞口装置90の大入賞口を作動(開放)させることとなるものである。また、「条件装置」は、特別図柄として特定の図柄組合せが停止表示された場合に作動するものであり、「役物連続作動装置」は、特別電動役物を連続して複数回作動させることができるものである。
また、ここで説明するぱちんこ遊技機10の主要な制御処理は、図11及び図12に示す制御開始処理、図13に示す遊技進行割込み処理、及び、図14に示す電源断処理であり、これらはメイン基板102において実行される。
<制御開始処理>
図11及び図12に示す制御開始処理は、ぱちんこ遊技機10の電源投入によりCPU501の製造コードを利用したセキュリティチェックが行われた後に開始される制御処理であり、この制御開始処理においては、後述する電源投入時に必要な設定(S1〜S4)を実行後、初期化スイッチ544の操作状態(S5)、電断時状況確認処理(S6〜S8)における電源断情報フラグ(電源断確認情報)の値、及びRWM領域の加算結果(チェックサムデータ)に対応して、電源断復帰時の処理(S9〜S17)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)、遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)、循環処理(S32(S28〜S31))等を実行する。
<<電源投入時に必要な設定>>
電源投入時に必要な設定として、スタックポインタの設定(S1)、割込みモードの設定(S2)、及びRWM503へのアクセス許可の設定(S3)が行われ、続いて内蔵レジスタの初期設定が行われる(S4)。
これらのうちスタックポインタの設定(S1)の処理においては、スタック領域を確保するため、スタックポインタにスタックポインタの初期値としてセットし、スタックポインタが特定の番地にセットされる。次に、割込みモードの設定(S2)においては、所定番号のモードを設定し、RWMのアクセス許可設定(S3)においては、RWMへのアクセスを許可するため、所定のレジスタにアクセス許可データをセットする。これにより、マスカブル割込みが特定の割込みモードに設定され、CPU内蔵RWMがアクセス許可にされる。さらに、内蔵レジスタの設定(S4)においては、内蔵レジスタ初期設定テーブルを用いて、遊技進行割込み使用設定値やクロック源選択値等といった対応する各種の設定値がセットされる。なお、メイン基板102における割込みについては後述する。
<<RWMクリアスイッチの操作状態の確認>>
初期化スイッチ544の操作状態の確認の処理(S5)においては、入力ポートを介して入力される初期化スイッチ544の出力信号の状態が確認される。RWMクリアスイッチが押されたか(オンされたか)否かが判定され、押されていなければ(S5:NO)、後述する電断時状況判定処理(S6〜S8)中の電源断情報フラグの値の判定処理(S6)へ進む。一方、初期化スイッチ544が押されていれば(S5:YES)、RWMの初期化時の処理(S24〜S26)の処理が行われる。
ここで、初期化スイッチ544は、対応する入力ポートのRWMクリアスイッチビットが5回連続でオンと判定された場合に操作されたと判断される。また、初期化スイッチ544が押されたか否かの情報の判定はこのとき1回だけ行われ、以降は判定が行われない。
<<電断時状況確認処理>>
初期化スイッチ544の操作がなかった場合の電断時状況確認処理(S6〜S8)においては、電源断情報フラグの値が読込まれ、読込まれた値が所定の電源断正常データに一致するか否かが判定される(S6)。電源断正常データは、電源がオフする電源断(電断)が生じた際に、電源断の処理が正常に行われた場合に保存されるものである。
電源断情報フラグの値が電源断正常データに一致した場合(S6:YES)場合には、チェックサムデータが算出される(S7)。このチェックサムデータの算出の処理においては、図示は省略するが、チェックサムデータとして初期値がセットされ、チェックサムデータに対して所定の演算が行われた後、演算後のチェックサムデータが0と異なるか否かの判定が実行される。
チェックサムデータが0でなかった場合(S8:NO)、即ち再開準備処理実行条件が成立していない場合には、相対アドレスの基準値の上位にRWM先頭上位がセットされ、この場合にもRWMの初期化時の処理(S24以降)へ移行する。一方、チェックサムデータが0であった場合(S8:YES)には、後述する電源断復帰時の処理(S9〜S17)へ移行する。
<<電源断復帰時の処理>>
電源断復帰時の処理においては、スタックポインタにスタックポインタバッファの値がセットされ、スタックポインタが電源断時に保存した値に戻される(S9)。さらに、メイン基板102とサブ基板104との通信線の検査を行うため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされ(S10、S11)、装飾ランプ(遊技効果ランプ)及び効果音(音響演出)の演出を電源断発生前の状態に戻すため、演出制御コマンドをサブ基板104へ送信する要求がされる(S10、S11)。また、特別図柄表示装置の作動保留球数に対応したコマンドの要求を行うため、図柄記憶数コマンド要求処理が実行される(S12)。
さらに、ソレノイドが電源断発生前の出力状態に戻される(S13)。具体的には、第2始動入賞口63、大入賞口装置90の大入賞口の開放/閉鎖状態を電源断前の状態に復帰させる。
この後、以降の特別図柄の設定の処理(S14)へ進み、特別図柄表示装置(70、71)の確率変動機能の作動状態の情報が設定される。次に、電源復帰の設定(S15)、及びデータ格納処理(S16)、払出制御基板との通信線異常の検出設定(S17)が実行される。
続いて、遊技進行割込み処理の起動の処理において、遊技進行割込みを起動させるため、PTC0カウンタ設定レジスタのアドレスがセットされ、所定の大きさ(ここでは約4msに相当)のカウント値がPTC0カウンタ設定レジスタにセットされる(S18)。これにより、遊技進行割込みが4ms毎に発生することとなる。
そして、フラグレジスタを除く各種レジスタの復帰の処理が実行され(S19)、電源断が発生したときの状態が割込み許可であったのか否かの判定の処理(S20)が実行される。そして、電源断時が割込み禁止の状態であった場合には(S20:NO)、フラグレジスタを復帰させ(S21)、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき番地の処理に戻す。一方、電源断時が割込み許可の状態であった場合には(S20:YES)、フラグレジスタを復帰させた後(S22)、割込み許可の設定(S23)を行ってから、スタックポインタにセットされている再開指標情報に基づき、制御処理を電源断の発生前の戻すべき処理に戻す。
ここで、フラグレジスタの復帰を他のレジスタとは別に行うのは、フラグレジスタには確変等の遊技状態の情報が記憶されており、これらの情報の復帰を可能な限り、制御処理を電源断の発生前に戻す直前で行うためである。
<<RWMの初期化時の処理>>
RWMの初期化時の処理(S24〜S28)においては、RWM領域をクリアした後(S24)、RWMの初期設定(S25)、演出表示器(演出表示装置60)の初期化(S26)、及び遊技進行割込み用の計時設定(S27)を行う。このうちRWM領域のクリア(S24)からRWMの初期設定(S25)の処理においては、RWM全領域にクリアデータ(00H)がセットされ、クリアデータが相対アドレスの基準値としてストアされ、この基準値が+1される。さらに、この基準値のビット7が検査され、検査結果の判定が実行される。検査結果の判定の処理において、検査結果が0であれば、前述のクリアデータを上記基準値にストアする処理に戻り、初期化データ設定テーブルのアドレスがセットされる。これにより、RWMの初期値が設定される。なお、RWM領域のクリアは、全領域に対して行うものに限定されず、例えば特定の情報が記憶された一部の領域のみや、未使用の領域を除いた領域のみをクリアするようにしてもよい。
なお、上述のクリアデータの値である「00H」のように、数値の末尾に記載した「H」は、その数値が16進数表記されていることを表している。また、本実施例では、16進数を表す数値には「H」の記号を付し、2進数を表す数値には「B」の記号を付し、これらのような表記法を示す記号が付されていない数値は10進数で表記されたものとする。
演出表示器の初期化(S26)においては、演出表示装置60の初期化、エラー状態及び不正賞球監視情報のコマンド送信要求を行うため、演出初期コマンド設定テーブルのアドレスを引数としてコマンド要求データ設定処理を実行する。
<<遊技進行割込み用の計時設定の処理>>
遊技進行割込み用の計時設定の処理(S27)においては、遊技進行割込みを起動させるため、対応するカウンタ設定レジスタに所定の大きさのカウント値をセットし、遊技進行割込みを例えば4ms毎に発生させる。
<<循環処理>>
遊技進行割込み用の計時設定(S27)の後には、割込み処理時間監視手段である所定のタイマの再帰(リスタート)準備や、各種乱数の初期値の生成に用いられる乱数関係値の更新を行う循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。この循環処理(S32(S28〜S31))においては、遊技機の管理を行うため、先ず、割込みを禁止する(S28)。さらに、割込み処理時間監視手段を再帰させる準備のため、割込み処理時間監視手段クリアレジスタに第1再帰情報となる所定の値をセットする(S29)。この第1再帰情報は、予め定められた例えば55H等の値である。
そして、初期値乱数更新処理を実行し(S30)、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。この後、割込みを許可した後(S31)、再度割込み禁止(S28)の処理に戻り、それ以降の処理(S28〜S31)を順次繰り返して制御処理を循環させる。
割込み許可(S28)が実行される毎に前述の遊技進行割込みが可能となり、遊技進行割込み処理は、S27で設定された周期情報に基づいて、所定の周期(ここでは4ms周期)毎に繰返される。
<<初期値乱数更新処理>>
前述の初期値乱数更新処理(S30)においては、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新するため、初期値乱数更新テーブルから乱数の更新回数取得し、更新回数分、初期値乱数の更新を行う。
<遊技進行割込み処理>
次に、遊技進行割込み用の計時設定(S27)の処理において設定された周期情報に基づき4ms周期で繰返される遊技進行割込み処理について説明する。図13に示すように、遊技進行割込み処理においては、割込み動作条件の設定(S41、S42)、割込み処理時間監視手段の再帰(S43)、遊技機の管理(S45〜S70)、割込みの許可(S71)を順に行い、遊技進行割込みが発生する前の処理に復帰させる。
具体的には、割込み動作条件の設定の処理(S41、S42)においては、割込みフラグをクリアするため、割込み動作条件設定値が、遊技進行割込み制御レジスタに格納され(S41)、割込み動作条件設定値が、所定の入力端子に対応した制御レジスタにセットされる(S42)。この後、第2再帰情報がセットされ(S43)、更に第2再帰情報が割込み処理時間監視手段レジスタにセットされる(S44)。
遊技機の管理(S45〜S70)においては、遊技機の管理を行うため、以下の処理を順に実行する。
先ず、特定の信号の入力を監視するため、入力処理(S45)を実行する。ここで監視の対象となっているのは、遊技盤面に取り付けられている各種スイッチ、受け皿満タンスイッチ、開放信号、磁気検知信号、電波検知信号、ガラス未検出信号、及び断線短絡電源異常検知信号である。
続いて、各種乱数更新処理(S46)を実行し、普通図柄変動パターン乱数、及び変動パターン乱数を更新する。さらに、初期値更新型乱数更新処理(S47)を実行し、普通図柄当り乱数、特別図柄当り図柄乱数、及び特別図柄当りソフト乱数を更新する。次に、初期値乱数更新処理(S48)を実行し、普通図柄当り初期値乱数、特別図柄当り図柄初期値乱数、及び特別図柄当りソフト初期値乱数を更新する。また、2バイトタイマの更新を行うため、タイマ減算処理(S49)を実行し、第2始動入賞口63の有効期間を設定するため、第2始動口の有効期間設定処理(S50)を実行する。
さらに、入賞監視処理(S51)が実行され、賞球を払出す回数の記憶、盤用外部情報の出力要求の作成、及びサブ基板104に送信するコマンドの送信要求が行われる。続いて、払出制御基板103を制御するため、賞球制御処理(S52)を実行する。
次に、遊技球が普通図柄作動ゲート(作動口68)を通過したとき、普通図柄に係る乱数を記憶するため、普通図柄作動ゲート監視処理(S53)を実行し、普通図柄表示装置又は普通図柄電動役物に係る処理を行うため、普通図柄制御処理(S54)を実行する。さらに、普通図柄の変動開始の監視を行うため、普通図柄変動開始監視処理(S55)を実行する。また、遊技球の第1始動入賞口62及び第2始動入賞口63の入賞の監視を行うため、始動口監視制御処理(S56)を実行し、第1特別図柄表示部70又は第2特別図柄表示部71に係る処理を行うため、特別図柄制御処理(S57)を実行する。続いて、特別電動役物に係る処理を行うため、特別電動役物制御処理(S58)を実行し、大入賞口装置90の有効期間に係る処理を行うため、大入賞口有効期間設定処理(S59)を実行し、第1特別図柄、及び、第2特別図柄の変動開始の監視を行うため、特別図柄変動開始監視制御処理(S60)を実行する。
次に、磁気の監視、断線・短絡・電源の監視、電波の監視、ガラス枠セット・遊技盤の枠の開閉状態の監視、及びペアガラスの監視を行うため、異常検知処理(S61)を実行し、入球通過時間異常の検出を行うため、入球通過時間異常検出処理(S62)を実行する。さらに、特別電動役物が連続して作動する回数、エラー状態、普通図柄表示装置の作動保留球数、及び特別図柄表示装置の作動保留球数の表示要求を行うため、遊技状態表示処理(S63)を実行し、発射ハンドル20のタッチ状態(操作量の状態を含む)の監視を行うため、ハンドル状態信号検査処理(S64)を実行する。また、特別図柄の表示、普通図柄の表示、特別図柄表示装置(70、71)の作動保留球数の表示、普通図柄表示装置の作動保留球数の表示、遊技状態の表示、特別電動役物が連続して作動する回数の表示、及びエラーの表示を行うため、LED出力処理(S65)を実行する。
続いて、遊技球の発射の禁止/許可の信号を出力するため、発射制御信号出力処理(S66)を実行し、試験装置に出力する信号を作成し出力するため、試験信号出力処理(S67)を実行する。さらに、普通電動役物ソレノイド、大入賞口開放ソレノイドの出力データの出力を行うため、ソレノイド出力処理(S68)を実行し、演出制御コマンドを送信するため、演出制御コマンド送信処理(S69)を実行し、外部端子(外部中継端子基板46(図2参照)の各種外部出力端子)に信号を出力するため、外部情報出力処理(S70)を実行する。
この後、割込み許可(S71)が実行され、制御処理がリターン(RET)に抜ける。そして、次回の遊技割込みが実行されるまでの残余時間を利用して、制御開始処理の前述の循環処理(S32(S28〜S31))が実行される。
<<演出制御コマンド送信処理>>
演出制御コマンド送信処理(S69)においては、演出制御基板へ送信するコマンドの送信要求を検査し、送信要求があると判断した場合、要求するコマンドデータを取得し、使用したコマンドバッファのクリアを行い、取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得、MODEデータの出力、MODEデータの保持、取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得、EVENTデータの出力を順次行う。コマンドデータの送出タイミングは、演出データストローブにより規定され、演出データストローブ信号のオン時間(ここでは2μs以上)の後の所定時間(ここでは46μs以上)が演出データ保持時間となっている。
コマンドの送信要求の検査においては、コマンド要求書き込み位置(領域)の値とコマンド要求読み込み位置(領域)の値を比較し、値が一致しない場合、コマンドの送信要求があると判断する。要求するコマンドデータの取得においては、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値と位置補正ビットデータの論理積の2倍値とコマンドバッファのアドレスを加算し、加算の結果、取得したアドレスの内容をコマンドデータとする。なお、コマンド要求読み込み位置に格納されたアドレス算出値の取得後、コマンドデータの読み込み位置の内容を更新するため、コマンド要求読み込み位置を+1する。コマンドバッファのクリアにおいては、コマンドバッファをクリアするため、取得したコマンドデータが格納されていたコマンドバッファを0でクリアする。
取得したコマンドデータに対応したMODEデータの取得においては、取得したコマンドデータ上位をMODEデータとする。MODEデータの出力においては、取得したMODEデータを演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。MODEデータの保持においては、MODEデータの保持のため、所定時間(ここでは46μs以上)ウェイトする。取得したコマンドデータに対応したEVENTデータの取得においては、取得したコマンドデータ下位をEVENTデータとする。EVENTデータの出力においては、取得したEVENTデータを前述のものと同じ演出コマンド出力ポートに出力した後、演出データストローブを出力するため、ストローブ出力処理を実行する。
<<コマンド送信タイミングに係る制御態様>>
本実施例では、メイン基板102からサブメイン基板301に出力される演出制御コマンドは、送信の前に、コマンド要求により、コマンドバッファに一旦格納される。コマンドバッファは、複数のバッファをリングバッファとして機能させたものであり、コマンド送信のための制御処理(ここでは演出制御コマンド送信処理(S69))において、コマンドバッファに蓄積された順に、1回の遊技進行割込み処理で1コマンドずつ、コマンドバッファから取出されて送信される。なお、優先順位が高く設定されたコマンドから先に送信するような手法も採用可能である。また、各種の制御処理において、送信が必要となったコマンドが発生した場合に、随時コマンド送信を行うことも可能である。このような手法を採用した場合には、1回の遊技進行割込み処理中に、例えば演出制御コマンド送信処理(S69)のような一つの制御処理モジュール内で集約的に演出コマンドの送信が行われるのではなく、コマンド送信の必要が生じる都度、各制御処理モジュール内で、逐次的にコマンド送信が行われることになる。このため、コマンド送信が次回以降の遊技進行割込み処理に持ち越されるといった事態が生じ難い。そして、例えば始動入賞時のコマンドや、特別図柄の変動開始時のコマンド送信に遅れを生じることがなく、迅速なコマンド処理が可能となる。
<<電源断処理>>
次に、電源断が生じた場合に実行される電源断処理について説明する。図14に示すように、電源断処理においては、全使用レジスタのデータをRWMに退避し(S81)、電源断前の割込み許可/禁止の状態を保存する(S82)。さらに、RWMに電源投入正常の情報が保存されているか否かが判定され(S83)、保存されていない場合には(S83:NO)、電源断異常の情報をRWMに保存し(S84)、RWMアクセス禁止の処理(S88)へ移る。一方、保存されている場合には(S83:YES)、スタックポインタの値をスタックポインタバッファに保存し(S85)、電源断正常の情報をRWMに保存し(S86)、RWMのチェックサムを算出し、チェックサムデータを保存する(S87)。そして、RWMをアクセス禁止とし(S88)、制御処理をループさせながらCPU501のリセットを待つ。
<<変動パターンの抽選に係る制御態様>>
続いて、変動パターンの抽選に係る各種態様について説明する。ここで説明する変動パターンの決定の態様は、一のぱちんこ遊技機10において、何れかが選択されて適用されてもよく、或いは、適宜併用されていてもよい。そして、複数の態様を併用する場合には、例えば、当否結果等の要素に基づき、態様の使い分けを行うことが可能である。
本実施例では、変動パターンの決定には、前述のように、当否結果、保留球数、特別図柄(図柄群の場合もある)、及び、変動パターン選択状態(特別図柄のステイタス情報)が決定要素として用いられているが、これらの決定要素の組合せに対応した変動パターンが選択される。そして、変動パターンの決定に伴い、変動パターンと紐付けされ対になっている変動時間が決定される。さらに、本実施例では、変動パターンの決定に関し、当否抽選の結果が大当りの場合と、はずれの場合とで、決定の要素を異ならせることが行われている。すなわち、大当りの場合には、演出状態(特別図柄のステイタス情報など)、特別図柄群、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。一方、はずれの場合には、演出状態、保留球数、当否乱数を基に、これらに紐付けされた中から変動パターンが選択される。このうち、大当りの場合で、演出上の再抽選の時間が付与される変動パターンについては、演出状態(特定の演出の有無など)と、特別図柄群とに基づき、再抽選の時間の付与の有無が決定され、決定された結果が、メイン基板102からサブメイン基板301へ送信される。
また、変動パターン及び変動時間の決定に際して、決定された演出パターン番号(別の言い方をすれば、演出パターンの内容)に応じた後続的な変動時間の決定を行うことが可能である。例えば、選択された変動パターンが、限定頻度パターン演出に対応したものである場合に、それに応じた変動時間の延長分を事後的に決定するといったことが考えられる。
また、前述のように特別図柄の図柄変動開始時のコマンドとして変動付加情報のコマンドを設定することにより、遊技状態や当り図柄といった要素に関係づけて先に決定した変動時間中に、後発的に予告等の演出を付加することができる。そして、この様な態様で、総合的な変動時間を決定する場合には、以下のように、予め設けられる変動パターンの数を少なく抑えつつ、多様な変動パターンを作成することが可能である。すなわち、前述の疑似連続予告(所謂「疑似連」)を行う場合について考えれば、疑似連の変動パターンを単に個別に設定した場合には、演出の種類数と同じ数の変動パターンを予め設けておく必要がある。そして、このように全て個別に演出パターンを用意した場合には、変動パターンの合計数が大となって、例えば256個を超えるほどの数に達することも考えられる。このため、多数の変動パターンに対して識別可能な符号を与えるためには、従来よりも符号を表すためのビット数やバイト数を増やす必要が生じてしまう。
しかし、変動付加情報(変動付加パターン)を用いることにより、相対的に少ない数の基本の変動パターンに対し、例えば乱数抽選した変動付加情報を繋げて、事後的に変動パターンを形成することが可能である。そして、このことにより、変動パターンの組合せにより新たな変動パターンを形成できるので、予め設けておく変動パターンの数を過大とすることなく、多様な変動パターンを作成できる。なお、変動付加情報に係る乱数値も、先読み演出用のコマンドとして、始動入賞発生時に、メイン基板102からサブメイン基板301に送信することが可能である。また、限定頻度パターン演出が実行される場合に変動付加情報の付加が行われ易くなるよう、変動付加パターンの出現確率を設定しておくことなども可能である。なお、変動付加情報を用いる例を更に挙げれば、演出図柄190の組合せとして最初から確変図柄である「777」が表示された場合には変動付加情報の設定は行わず、演出図柄190の組合せとして、一旦非確変図柄である「666」が表示された場合には、「777」に昇格させるか否かの結果が表示されるまでの演出(例えば、揺れ変動の演出や、変動態様の展開を表す演出など)を、変動付加情報を設定して行う、といったことがある。
また、本実施例では、変動パターンは、保留球数を要素として決定されており、保留球数が幾つであるかに応じて、参照される変動パターンテーブルが異なる。変動パターンテーブルは、保留球数0〜4に対応して設けられている。保留0〜3の4つだけではなく、保留4に対応する変動パターンテーブルが設けられているのは、以下の理由による。例えば、保留球数が4つの状況から新たな変動表示が開始され、保留球数が3となった場合を考える。その時点で実行されている遊技進行割込み処理中の、未だ制御処理が、後の遊技進行割込み処理中の処理である変動パターンの決定に至らない段階において、保留球数が3となっている状態から新たな始動入賞が発生すると、変動パターンの決定時には、保留球数が加算されて4となっている。したがって、このような状況も変動パターンの決定の要素とし得るよう、保留球数0〜4に対応して変動パターンテーブルが設けられているのである。
また、変動パターン乱数の取得タイミングとしては、変動パターン抽選時とすることが可能である。すなわち、変動パターン乱数は、特別電動役物等の役物作動に係る乱数ではないので、適正な遊技を行うための要素としては、当否乱数などに比べて、例えば公正な遊技を目指すうえでの制約を設ける必要性が低くなる。したがって、始動入賞時には敢えて変動パターン乱数の取得はせず、例えば、別途設けられたタイミングとして変動パターン抽選時に、変動パターン乱数を取得し、記憶することが考えられる。このようにすることにより、始動入賞時に記憶すべき情報の数を減らすことができ、プログラムやメモリの容量削減が可能となる。
<<図柄の指定に係る制御態様>>
図柄の抽選にあたり、図柄乱数を示す符号の上位バイトの値に基づき使用する図柄判定テーブルを決定し、その後、図柄乱数の下位バイトの値に基づき、決定した図柄判定テーブルから図柄を決定することなども可能である。本実施例では、図柄乱数の数値範囲が「0〜999」に設定されているので、これらの数値の2値符号コードを利用することができる。そして、このようにすることにより、メモリやプログラムの容量を削減できる。また、当り図柄(図柄群であってもよい)に対してラウンド数や時短回数等の遊技状態の振分けを行い、当り図柄に応じて、その後のラウンド数や時短回数等が決定されるようにしてもよい。このようにすることにより、遊技状態の固有のデータの記憶や制御処理を行う必要がなく、メモリやプログラムの容量を削減できる。さらに、メイン基板102からサブメイン基板301へ当り図柄等を伝えるコマンド(例えば、本実施例では、図柄1演出パターン、図柄2演出パターンの各コマンド)に、遊技状態を伝える情報(遊技状態指定情報)を付加することも可能である。このコマンドは、作成されてから直ぐにサブメイン基板301へ送信されるものではなく、作成されて一時記憶され、所定のタイミングを待ってからサブメイン基板301へ送信されるものである。
<サブ基板の主要な制御処理>
次に、前述のサブ基板104の主要な制御処理について説明する。ここでは、主要な制御処理として、例外処理である各種の割込み処理、及び、これらに関係する処理について、図15〜18に基づき説明する。
<<割込み要因と優先レベル>>
先ず、本実施例においては、サブ基板104を構成するサブメイン基板301において、CPU521が最優先する割込み要因(要因発生元)として、CPU521に設けられたリセット端子への所定信号(リセット信号)の入力、及び、各種の異常の発生がある。これらのうち、リセット信号の入力があるのは電源立ち上げ時、外部リセットが行われる場合、ウォッチドッグタイマのタイムアウトがあった場合などであり、リセット信号の入力に伴い後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。
一方、各種異常の発生時の割込みは、ウォッチドッグタイマの機能(ウォッチドッグ機能)が有効に設定されているか否かに応じて実行されるものである。すなわち、ウォッチドッグ機能が有効であれば、対象となるような所定の異常が発生した場合に、処理時間がウォッチドッグタイマの設定時間を超えるように、CPU521の処理が例えば所定の無限ループに移行する。そして、ウォッチドッグ機能におけるタイムアウトにより暴走検知がされると、後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。そして、上述の各種異常と、リセット信号の入力とが同時に発生した場合には、リセット信号の入力によるリセット(サブメイン初期設定処理)が優先される。
サブメイン基板301におけるその他の割込み発生要因として、メイン基板102からのコマンド(メインコマンド)の受信がある。メイン基板102からのコマンドの受信中であることは、メイン基板102からの前述のストローブ信号(演出データストローブ信号)の立ち上がりを検出することにより判定される。このメインコマンド受信割込みが発生すると、後述するメインコマンド受信処理(図17参照)が実行される。なお、メインコマンド受信処理において、問題なくコマンドを受信できた正常受信の場合は、受信したコマンドの内容がコマンドバッファ(コマンドリングバッファ)に保存され、コマンド解析処理は、後述するメイン処理(図16参照)内のメインループ処理(S124〜S132の循環処理)にて行われる。そして、メインコマンド受信割込みの優先レベルは、上述の最優先の次に高いレベル7に設定されている。
また、前述のウォッチドッグ機能が有効に設定されている場合に、前述の各種異常の発生時のように、故意にタイムアウトさせるような処理を経ずに、CPU521についての暴走検知がされると割込み(暴走検知割込み)が発生し、後述するサブメイン初期設定処理(図15参照)が実行される。このような通常のウォッチドッグタイマによる割込みの優先レベルは、上述のレベル7よりも4段階低いレベル3である。なお、本実施例では、このレベル3と上述のレベル7との間となるレベル4〜6の割込みは、実行されないようになっている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との送受信がある。このサブサブ基板302との送受信に係る割込み(サブサブコマンド受信割込み)は、サブサブ基板302からの受信コマンド(サブサブコマンド)が入力された場合に発生する。サブサブ基板302からの受信コマンドは、サブサブ基板302が、サブメイン基板301からコマンド(サブメインコマンド)を受信した場合に、正常にコマンド受信した旨をサブメイン基板301伝えるものである。そして、サブサブ基板302との送受信に係る割込みが発生すると、コマンド送受信管理処理が実行される。なお、サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信は、後述するように、サブサブ基板302からの監視用トグル信号が正常に送られてきた場合に行われるものである。このサブサブ基板302との送受信に係る割込みの優先順位は、レベル2となっている。
また、他の割込み発生要因として、サブサブ基板302との通信がある。サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブサブ通信割込み)は、後述するように所定周期(本実施例では500μs)毎に発生する。そして、サブサブ基板302との通信に係る割込みが発生すると、サブサブ基板との通信処理が実行される。このサブサブ基板302との通信に係る割込みの優先順位は、上述のサブサブ基板302との送受信に係る割込みと同じレベル2である。
さらに、他の割込み発生要因としては、RTCクロック(リアルタイムクロック)との通信、タイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の発生、各種ランプ類の割込み要求、などがあり、これらの優先順位は最も低いレベル1に設定されている。これらのうち、RTCクロックとの通信に係る割込みの際には、RTCクロックとの通信処理が実行される。また、上述のタイマ割込みは、ソレノイド出力処理、モータ出力処理、遊技用タイマ管理処理等、遊技演出全般で利用するためのものである。タイマ割込みの起動は、初期化時の設定(初期設定)で直ちに行われ、タイマ割込みは所定の周期(本実施例では約1ms)毎に繰り返される。そして、タイマ割込みが発生した場合には、後述するタイマ割込み処理(図18参照)が実行される。
<<サブメイン初期設定処理>>
ぱちんこ遊技機10の電源投入がされた場合のように、サブメイン基板301の電源がオンされると、図15に示すサブメイン初期設定処理が実行される。このサブメイン初期設定処理においては、先ず、所定のアドレスがスタックポインタとしてセットされ(S101)、続いて各種の初期設定が完了するまですべての割込みが禁止される(S102)。さらに、ハードウェア初期設定処理(S103)において、ハードウェアに関する基本的な設定(レジスタ設定やポート初期化など)が行われ、RWM初期化処理(S104)において、所定の条件に応じてRWM初期化が行われる。そして、このRWM初期化においては、初期値付き変数には初期値が準備され、初期値なし変数については0クリアがされる。また、RWM初期化処理(S104)においては、RWMへのROMデータ(制御プログラム等)の展開なども行われる。
さらに、S105において、メインコマンドの受信以外の割込み禁止がされ、続いて、各種エラー情報の設定を行う電断復帰エラー検出処理(S106)が実行される。この電断復帰エラー検出処理(S106)においては、ゲーム性等の事情に応じた処理が行われる。つまり、サブメイン基板301においては、振動エラーや電波エラー等を含めた各種のエラーに対処する機能が備えられている。しかし、これらの各種エラーに対処する機能は予め選択されており、有効とされているエラーに対してのみ、エラー検出の機能が発揮されるようになっている。例えば、所謂1種と2種のゲーム性を組合せた1種2種タイプや、所謂球確スペックなどのように、遊技球が特定の領域を通過することで所定の当りが発生するか否かが決まるような機種では、振動エラーの検出機能が有効とされる。しかし、本実施例に係るぱちんこ遊技機のように、当否抽選が乱数抽選のみにより行われるタイプの機種では、振動エラー検出機能を有していても、その機能は予め選択的に無効とされており、振動エラー等についての特別な対処は行われない。
続いて、全ランプ消灯処理(S107)において、全ランプ消灯を行うために消灯リクエストが行われ、ウォッチドッグタイマ動作開始処理(S108)において、ウォッチドッグタイマをウォッチドッグタイマとして使用する設定に基づき、ウォッチドッグタイマが起動される。なお、図15においては、S101からS108までの処理にメイン処理(S109)を繋げて記載しているが、S101からS108までの処理がサブメイン初期設定処理となっており、メイン処理(S109)は、このサブメイン初期設定処理(S101〜S108)の後に続いて行われるものとなっている。さらに、メイン処理(S109)において、遊技の主たる処理の管理などが行われるが、このメイン処理(S109)の詳細については後述する。
メイン処理(S109)の後には、スリープ処理(S110)が配置されている。通常であれば、メイン処理(S109)からサブメイン初期設定処理を行うリセット動作に復帰することはないため、このスリープ処理(S110)は実行されないが、図中に破線の矢印で示すように、何らかの原因によってこのスリープ処理(S110)が実行されることになった場合には、小消費電力モードへの移行が行われる。
<<サブメイン基板におけるメイン処理>>
前述のメイン処理(S109)においては、図16に示すように、RWM配置アドレス取得処理(S121)が実行され、このRWM配置アドレス取得処理(S121)においては、RWMに展開されたプログラム領域をチェックできるように、展開されたプログラム領域の先頭アドレスの取得が行われる。
次に、以降の処理での割込みを可能とするため、すべての割り込みが許可される(S122)。さらに、デバイス初期化処理(S123)において、モータ、ソレノイド、ランプ類等の各種デバイスの初期化動作が行われる。続くウォッチドッグクリア処理(S124)において、ウォッチドッグタイマを使用する設定が行われていれば、ウォッチドッグタイマがクリアされる。さらに、図柄更新処理(S125)において、演出図柄190a〜190cに係るはずれ図柄がカウンタにより決定される。
ここで用いられるカウンタとしては、「111」から「999」の3桁のカウンタを例示でき、例えば、取得されたカウンタ値が「757」であった場合には、停止表示される演出図柄190a〜190が「757」となるようにすることが可能である。取得されたカウンタ値が「111」のようなぞろ目の組合せであった場合には、例えば「121」のように所定の桁の数値をオフセットして、はずれの組合せとすることが可能である。
この図柄更新処理(S125)は、採用されたはずれ図柄の決定方式によっては実行されない場合がある。例えば、はずれ図柄を抽選で決定する場合は実行されず、具体的なものとしては、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を例示できる。
続くエラー演出管理処理(S126)においては、エラー状態の監視が行われ、監視結果に応じて各種エラー報知が実行される。
次に、予告抽選管理処理(S128)においては、予告演出を決定するための抽選が実行されるが、この予告演出の抽選は、メイン処理(S109)における後述のループ処理の効率(メインループ処理効率)を上げるため、数回に分けて行われる。すなわち、1回の変動中に複数回の予告演出が実行されるような場合、複数回の予告演出に関する抽選の工程は、1回のメインループで全て行われるのではなく、複数回のメインループに分けた複数回の抽選を経て実行される。また、抽選のタイミングは、変動中における予告演出出現タイミングに関係付けられている。例えば、変動開始直後のように相対的に早いタイミングで出現する予告演出については、抽選時期の優先順位が高く設定されており、優先順位に従ったタイミングで抽選を行うことにより、極力早く画像制御側であるサブサブ基板302にコマンド送信できるようになっている。なお、予告抽選管理処理(S128)において行われる各種の処理については後述する。
次に、デバイス管理処理(S129)においては、リアルタイムクロック(RTC)、ランプ、スピーカ類等のデバイス動作要求があった場合に、該当するデバイスを動作させるための処理が実行される。
さらに、コマンド解析処理(S130)においては、メイン基板102から受信したコマンド(メインコマンド)に応じるための処理を開始する必要や、前述のコマンドバッファにコマンドデータが存在する場合に、コマンドの解析を行う。そして、コマンドの解析が行われた場合(S131:YES)には、処理がウォッチドッグクリア処理(S124)に戻り、メインループが実行される。メイン基板102からのコマンド受信の直後はコマンドバッファにコマンドデータがあるため、メインループを実行し、ウォッチドッグクリア処理(S124)以降の処理に戻る。しかし、メインループが繰返されて、後述する次回のタイマ割込みが実行されるまでの間に、コマンドバッファが空になると、コマンド解析を行う必要がなくなり、コマンド解析を行わないことになる。このような場合には、メインループに進まず(S131:NO)、生じた時間を利用して、コマンド解析に比べれば優先順位が低い乱数更新処理(S132)が実行される。この乱数更新処理(S132)は、ソフト乱数更新処理である。また、このコマンド解析処理(S130)においては、サブメイン基板301における変動パターン(サブ変動パターン)の決定を行う。また、全ての図柄組合せを組み込んだ抽選シート(抽選テーブル)のデータを持ち、該抽選シートを使用してはずれ図柄を決定するような制御態様を採用した場合は、コマンド解析処理(S130)で演出図柄の決定を行う。
これらのコマンド解析に係る処理(S130、S131)については、言い換えれば、或るコマンドについて、コマンド受信直後には、以降に配置された処理(ここでは乱数更新処理(S132))に進まずにメインループ処理(S124〜S132)内のそれ以外の処理(S124〜S131)を繰り返し、コマンドバッファにコマンドがなくなれば、以降に配置された処理へ進み、この結果、或るメインコマンドについて、コマンド解析処理(S130)の開始直後には、コマンド解析が実行されるので、後に配置されたプログラムモジュールへは進まず、コマンド解析処理(S130)においてコマンド解析が行われなくなると、後に配置されたプログラムモジュールへ進むものであるということができる。なお、コマンド解析したか否かの判定処理(S131)の後に、例えばチェックサムの算出などの処理を行う場合には、この処理についても乱数更新処理(S132)と同様に、コマンド受信直後は実行されない処理であるということがいえる。
乱数更新処理(S132)においては、演出に係る抽選用乱数(ソフトウェア乱数)の更新が行われ、この乱数更新処理(S132)が実行される度にサブメイン基板301に係るソフトウェア乱数は新たな値に更新される。そして、乱数更新処理(S132)で逐次更新される値は、前述の予告抽選管理処理(S128)などにおいて、各種の演出態様の抽選のための乱数として用いられる。さらに、乱数更新処理(S132)で生成される値は、前述のメイン基板102における所定の乱数の生成と同様に、各種の演出態様の抽選のためのハードウェア乱数との演算を経て、抽選用の乱数として用いられることもある。
<<メインコマンド受信処理>>
次に、メイン基板102からのメインコマンド受信処理について、図17に基づいて説明する。先ず、コマンド入力値を確定するか否かの判定が行われる(S141)。コマンド入力については、ノイズ等により読み込み失敗の恐れがあるため、2連続で同じ値が読み込まれるまでは入力値は確定とされない。具体的には、コマンドデータを最高5回まで読込み、2連続で同じ値が読み込まれた時点で入力値確定とする処理が実行される。そして、コマンド入力値を確定しない場合(S141:NO)には、このメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前の元の処理へ戻る。
コマンド入力値が確定された場合(S141:YES)には、受信したコマンドが第1コマンドか否かの判定が行われ(S142)、第1コマンドであったか第2コマンドであったかの判定結果に応じて処理が分岐する。メイン基板102は、1回のコマンド送信で1バイトのコマンド送信を行うが、メイン基板102からのコマンドはMODEデータ及びEVENTデータの2バイト構成であるため、前述のように2回のコマンド送信が必要である。したがって、メイン基板102からは、1回目に上位バイトのコマンド(MODEコマンド)を送信し、2回目に下位バイトのコマンド(EVENTコマンド)が送信される。そして、コマンドを受信したサブメイン基板301においては、コマンドデータの最上位ビットが「1」であれば第1コマンド(MODEコマンド)と判定し、最上位ビットが「0」であれば第2コマンド(EVENTコマンド)と判断する。
受信したコマンドが第1コマンドであった場合(S142:YES)には、第1コマンドがテンポラリに保存され(S148)、記憶される。ここで、テンポラリは、値を一時退避させておくための記憶領域である。
さらに、所定のハードウェア乱数であるハード乱数1のそのときの値が、ソフトウェア上のバッファにラッチされて保持され(S149)、その後、処理はこのメインコマンド受信処理を抜けて割込み発生前に戻る。ここで、S149のように、メイン基板102のコマンド(第1コマンド)を受信する毎に、ハード乱数1をラッチしておくのは、乱数の周期が形成されないようにするためである。つまり、ランダムなタイミングで発生する第1コマンドの受信を利用して数値を作成し、演出のための所定の抽選等のタイミングにてそのときの数値を利用することで、周期性を排除した乱数の取得が可能となっている。
ハードウェア乱数は高速カウンタを用いて生成されるものであるが、取得するタイミングがランダムでなければ何らかの周期性が生じてしまうことがあり得る。しかし、メイン基板102からの第1コマンドは、遊技球の入賞等に起因する不規則なタイミングにてサブメイン基板301で受信されるものであるため、周期が生じる可能性は少ない。したがって、サブメイン基板301においては、上述のようにコマンドの受信を利用したハードウェア乱数の生成を行い、メイン基板102で行われているような周期性の排除を行っているのである。
一方、S142において、受信したコマンドが第1コマンドでないと判定された場合(S142:NO)には、第2コマンドを受信したことになる。そして、第2コマンドを受信した場合には、第1コマンドを受信済みか否かの確認が行われる(S143)。第1コマンドを受信済みでない場合(S143:NO)には、メインコマンド受信処理を抜けて元の処理へ戻る。
第1コマンドを受信済みの場合(S143:YES)には、コマンドライトポインタの取得が行われる(S144)。ここで、コマンドライトポインタは、コマンドリングバッファにおける読み取り位置を示すものであり、コマンドライトポインタの取得は、コマンドライトポインタにより示された読み取り位置からデータを取得するものである。
さらに、この時点で正常に受信されている第1コマンドと第2コマンドとが解析処理用のコマンドリングバッファに保存される(S145)。保存されたデータは、前述のメイン処理(図16参照)のコマンド解析処理(S130)にて解析処理される。そして、コマンドライトポインタが更新され(S146)、前述のテンポラリの第1コマンドがクリアされる(S147)。ここで、コマンドライトポインタの更新は、コマンドリングバッファの読み取り位置を1つ更新する処理である。また、テンポラリの第1コマンドをクリアする処理は、S148にて記憶した第1コマンドをクリアするものである。
なお、本実施例では、2つの要素コマンド(第1コマンド及び第2コマンド)の組を1組(1セット)とし、第1コマンドの受信に応じてハード乱数1のラッチを行っているので、第2コマンドの受信後の処理(S143〜S147)の系統とは異なった処理系統(S148,S149の系統)でラッチ処理ができ、第2コマンドの受信後の処理を迅速に終えることができる。
<<サブメインタイマ割込み処理>>
次に、タイマ割り込み処理について、図18に基づき説明する。タイマ割込み処理は、所定周期である1ms毎に発生する。このタイマ割り込み処理は、優先度が一番低いレベル1の割込み処理であるため、図中に示すように、先ず、優先レベル2以上の割り込みが許可される(S161)。さらに、ポート入力処理(S162)が実行され、ポートデータの入力処理や出力処理が行われる。このポート入力処理(S162)においては、各種センサ(磁気センサ、振動センサ、可動演出部材の位置センサ、プッシュボタンの入力検出センサ等)に接続されたポートを確認する処理(入力処理)、及び、各種デバイス(モータ、ソレノイド、ランプ等)に接続されたポートからの情報出力(出力処理)が行われている。
また、ポート入力処理(S162)では、これらのポート以外にも、電断時に電断を示す旨の信号(電断信号)が入力される電源電圧監視用のポートに係る処理も行われている。そして、この電断信号が入力されると、CPU521の処理は、全ての割込み処理を禁止し、記憶された情報のバックアップを行うための転送処理へ移行する。なお、このサブメイン基板301のバックアップ機能については後述する。
続いて、デバイス制御データ出力処理(S163)が実行され、各種モータ、ソレノイド、ランプ類等を駆動するためのデバイス制御データ出力が行われる。例えば、図16に示すメイン処理のデバイス管理処理(S129)において、所定のモータに対し100ms間の励磁の後、100ms間の消磁を行うという駆動制御パターンが決定されていた場合には、このデバイス制御データ出力処理(S163)において、100msの時間のカウント処理が行われる。
さらに、演出用タイマ更新処理(S164)が実行され、各種演出における所定のタイミングを計るためのタイマ値の更新処理(S165)が行われる。そして、ボタン制御タイマ更新が実行され、プッシュボタン(操作ボタン22)の操作が有効となる期間の管理のための有効時間管理タイマが更新される。
さらに、プッシュボタン監視制御処理(S166)が実行される。このプッシュボタン監視制御処理(S166)は、演出用サブボタン(プッシュボタン)である前述の操作ボタン22に係る制御のためのものであり、操作ボタン22の入力状態(操作状態)に応じた処理を実行する。
次に、タスク制御カウンタの更新(S167)が実行され、所定の複数のタスクに用いられる制御用カウンタ(マルチタスク用カウンタ)が更新される。この制御用カウンタは、16回を1単位として、タイマ割込み周期である1ms毎に1回のカウント値の更新を行うものである。そして、タスク制御用カウンタは、本実施例では、0〜15までの値を1ms毎に順にカウントするとともに、この0〜15の値のカウントをループさせている。
また、所定のタスクの一つとして、遊技効果ランプに係るものを例示できる。遊技効果ランプの駆動態様には、演出表示装置60における画像と同期して行われるものも多く、動画の1フレーム(1単位の画像フレーム)の表示の切換えは約16ms又は約32ms(約33msである場合もある)といった周期で行われることが多い(本実施例では16ms周期)。このため、遊技効果ランプに係る制御用カウンタの生成周期が、動画表示における制御単位時間(16msや32ms)と整数倍や整数分の1といった関係を形成するよう、制御用カウンタの設計が行われている。この結果、画像とタイミングを合わせたランプ演出の設計が容易となる。
また、制御用カウンタに関しては、例えば遊技効果ランプに係る或る処理が16ms間隔で行われるとすると、制御用カウンタの値が3等の一つの所定の値にとなるタイミングで当該処理が行われる。また、後述する画像CPU暴走監視処理のように8ms間隔で行われる処理については、制御用カウンタが1となる場合及び9となる場合のように、差が8である2箇所のタイミングで処理が行われる。
また、制御用カウンタが生成する周期を、例えばタイマ割込み(サブメインタイマ割込み)の1周期(1ms)のように比較的短い周期に合せた場合、エラー報知等の制御のように、30秒間程度の比較的長い時間をカウントする制御を行うと、30秒を計数するのに確保すべきデータ長が長くなり、必要なメモリ数も大となる。このため、制御用カウンタの周期を、タイマ割込みの1周期(1ms)よりも長く設定するとともに、重畳される他の演出(画像演出)に係る制御周期と整数倍或いは整数分の1の関係となるよう、制御用カウンタが一周する周期を所定周期(ここでは16ms)に設定している。なお、このタスク制御カウンタの更新の処理(S167)で更新される制御用カウンタの他の用途としては、サブサブ基板302に対する暴走監視(後述する)がある。
次に、画像CPU暴走監視処理(S168)が実行され、サブサブ基板302の画像CPUに対する暴走監視処理が行われる。ここで、本実施例においては、サブサブ基板302のCPUは、図4中の画像コントローラ526に一体化されている。前述のように、サブサブ基板302からは、動画制御の1つのフレーム表示毎にオンとオフを繰り返す所定の信号(監視用トグル信号)が出力されている。このサブサブ基板302からのトグル信号が、所定期間(例えば50〜100フレーム程度に相当する1600ms)連続して変化しない場合に、画像CPUの暴走のような異常が発生していると判断され、サブメイン基板301からサブサブ基板302に対してリセット信号(外部リセット信号)が送信される。サブサブ基板302では、このリセット信号の受信後、サブサブ基板302の状態初期化のためのリセット処理(サブメイン初期設定処理)が実行される。
上述のようなトグル信号の監視は、後述するように、8回のタイマ割込み(8ms)につき1回行われる。また、この監視の周期が到来したことの判断には、前述の制御用カウンタが用いられている。ここで、監視の周期を8msとしているのは、画像の1フレームに係る表示の周期(16ms又は32ms)よりも短い周期で監視を行うことにより1フレームの表示周期中に必ず1回は監視が行われるようにするためである。さらに、監視の周期を8msとしていることの他の理由としては、前述の制御用カウンタが生成する周期の整数分の1とすることで、制御用カウンタの更新タイミングを利用できるようにするためである。
この画像CPU暴走監視処理(S168)に続いて、エラー管理タイマ処理(S169)が実行される。このエラー管理タイマ処理(S169)においては、エラー管理タイマの減算が行われ、タイムアウト時には所定の処理を実行する。タイムアウト時の処理としては、前述のエラー報知を終了させる処理などを挙げることができる。なお、このエラー管理タイマは、16回のタイマ割込みにつき1回のカウントを行うものであり、エラー管理タイマを用いたエラー管理に係る処理も、前述の制御用カウンタを用いる所定のタスクのうちの一つである。このエラー管理タイマ処理が終わるとサブメインのメイン処理(図16参照)の、タイマ割込み前の元の処理へ戻る。ここで、前述のS161において割込み許可の対象に制限をかけているため、図示は省略するが、全ての割込みを許可してから、サブメインのメイン処理へ戻るようになっている。
<<サブサブ基板との通信処理>>
次に、前述のサブサブ基板302との通信処理について説明する。サブメイン基板301からサブサブ基板302へのコマンド送信(サブメインコマンドの送信)は、サブサブ基板302との通信に係る割込み(サブ通信割込み)を一定間隔(ここでは500μs)毎に発生させ、割込みの度にサブサブ基板302との通信処理を実行することにより行われている。このサブサブ基板302との通信処理においては、順に、バッファチェックが行われて送信すべきデータの存在が確認され、データがあればこのデータが読み込まれる。そして、読み込まれたデータが送信バッファにセットされ、コマンド送信に係る設定が更新されて、サブサブとの通信処理が終了する。
<<コマンド送受信管理処理>>
また、サブメイン基板301がサブサブ基板302へコマンド送信した際には、サブサブ基板302側から、正常にコマンド(サブメインコマンド)を受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)がサブメイン基板301側に送信される。このコマンド送受信管理処理においては、コマンドの読み込みが行われ、コマンド解析が実行された後、コマンドの保存が行われる。サブサブコマンドの受信にあたっては、サブサブ基板302においてコマンド受信割込み処理が実行されるが、このコマンド受信割込み処理は、前述のサブ通信割込み内で、コマンド受信割込み処理を実行するためのフラグを設定することにより実行される。つまり、サブサブ基板302からのサブサブコマンドの入力は、サブメイン基板301からのサブメインコマンドの送信後に発生するものであるため、コマンド受信割込み処理は、サブ通信割込みに係る処理に対し付帯的に行われるものとなっている。
<<サブサブ基板における制御処理>>
サブサブ基板302においては、サブメイン基板301と同様に、電源立ち上げ後に開始されるサブサブ初期設定処理、このサブサブ初期設定処理後に実行されるメイン処理、メイン処理に対し所定周期で発生するサブサブタイマ割込みに伴って実行されるタイマ割込み処理、サブメインコマンドの受信に伴って発生する割込み処理であるサブメインコマンド受信処理、などが実行される。これらのうち、サブメインコマンド受信処理においては、サブメイン基板301からのサブメインコマンドを受信すると、正常にサブメインコマンドを受信できた旨を示す前述の受信コマンド(サブサブコマンド)を送信する処理が実行される。
<本実施例における各可動演出部材>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10に採用されている前述の可動演出部材(図21に示す左下標識601、上標識602、右下標識603)や、その他の可動演出部材(図33に示す左可動演出部材604、右可動演出部材605)について説明する。先ず、これらの可動演出部材のうち、左下標識601、上標識602、右下標識603は、導光板を用いて複数種類の導光板演出を行えるものとなっている。さらに、図21や図22に示すように、左下標識601は真円形状の形態を有しており、上標識602は二等辺三角形状の形態を有している。また、右下標識603は正方形状の形態を有している。
また、各標識601〜603は、非作動時である通常時には、センター飾り64の上部に収容されており(図1)、作動時(非通常時)に、図21や図22に示すように演出表示装置60の前方に現れるようになっている。ここで、図21や図22では、3つの標識(601〜603)の全てが同時に作動した状態を示しているが、作動する標識の種類や数、或いは、複数が作動する場合の組合せは、演出パターンによって異なるようになっている。
<上標識ユニットの構成>
図23及び図24は、上述の上標識602を備えた上標識ユニット611を示している。図23は、上標識ユニット611の非作動時(通常時)の状態を示しており、図24は、上標識ユニット611の作動時の状態を示している。図23に示すように、上標識ユニット611においては、合成樹脂製のベース部612に、駆動源である可動体モータ613や、可動体モータ613の駆動力を上標識602に伝達する動力伝達機構部614が装着されている。上述の可動体モータ613としては、例えばステッピングモータを採用することが可能である。
可動体モータ613の出力軸(図示略)には、出力ギアとなる第1歯車615が装着されており、この第1歯車615には、ベース部612に装着された第2歯車616が噛み合わされている。さらに、第2歯車616には、ベース部612に装着された第3歯車617が噛み合わされている。第1歯車615〜第3歯車617の直径(基準円直径)は、第1歯車615、第2歯車616、第3歯車617の順に大きくなっており、第3歯車617は、可動体モータ613の回転に伴い、所定の比率で減速されて回転するようになっている。
第3歯車617の、ベース部612に対して逆側を向いた面には、クランクピンとなる突部618が偏心して形成されている。この突部618は、クランク部材619の長孔620に挿入されている。クランク部材619は、ベース部612に突出して設けられた支軸部621に装着されている。そして、クランク部材619は、支軸部621を中心として、第3歯車608の突部618を長孔620に挿入させたまま、回転できるようになっている。
クランク部材619は、平行クランク部622に連結されている。平行クランク部622は、第1平行部材623、及び、第2平行部材624を有しており、第1平行部材623、及び、第2平行部材624の長手方向における一端側(基端側)の部位は、ベース部612に、回転可能に連結されている。これらのうち第1平行部材623の基端部は、上述のクランク部材619の内側に入り込んでおり、クランク部材619と同様に、支軸部621に連結されている。
第1平行部材623、及び、第2平行部材624の他端側(先端側)は、前述の上標識602の背面側の板面に、回転可能に連結されている。そして、第1平行部材623、及び、第2平行部材624は、ベース部612に連結された基端側を中心として、互いに略平行な関係を保ったまま回転できるようになっている。
図23に示す上標識ユニット611の非作動時(通常時)には、第1平行部材623、及び、第2平行部材624は、水平方向(ぱちんこ遊技機10の左右方向)に延びた状態で保持されている。このときの上標識602の姿勢は、二等辺三角形の頂角を真下に向けた姿勢となっている。
このような状況において、可動体モータ613が駆動されると、第1歯車615、及び、第2歯車616を介して第3歯車617が回転する。このときの第3歯車617の回転方向は、ベース部612の、上標識602や第3歯車617が配置された側からみて、反時計回り(左回り)となっている。第3歯車617の回転に伴い、突部618が一体に変位する。第3歯車617の回転角度が180°程度に達すると、上標識ユニット611は、図23に示す状態から図24に示す状態へ変化する。
つまり、第3歯車617の回転に伴ってクランク部材619が、突部618を介し、支軸部621を中心として上方へ持ち上げられる。この際、クランク部材619の回転が、支軸部621に外装されたねじりコイルばね625を介して、第1平行部材623に弾性的に伝わる。そして、第1平行部材623が、先端側が下方を向くよう回転する。
図24に示すように、第1平行部材623と第2平行部材624が、互いに平行な関係を保って先端側を下方に向けることにより、第1平行部材623と第2平行部材624の先端側に連結された上標識602が、下方に変位する。上標識602と、第1平行部材623及び第2平行部材624との連結は回転可能に行われていることから、上標識602は、頂角を真下に向けた姿勢のまま変位する。
そして、上標識602の形態は、センター飾り64に隠れた状態(図1)から、演出表示装置60の表示領域194の前方に現れた状態(図21)に変化する。なお、図23及び図24では、作図中に用いられた仮想線を一部残して図示が行われている。
<上標識の構成>
続いて、図25及び図26に基づき、前述の上標識602の構成について説明する。上標識602は、図25に示すように、ベース部631、インナーレンズ632、拡散シート633、周辺レンズ634、ミドルレンズ635、導光カバー636、外装カバー637を備えている。
<<ベース部>>
これらのうちベース部631は、二等辺三角形状の外形を有する合成樹脂製のベース体641に、概ね二等辺三角形状の外形を有する発光体基板642を組み込んで形成されている。
発光体基板642の一方の板面には、所定数の第1フルカラーLED643A、第2フルカラーLED643B、及び、赤色LED644が実装されている。これらのうち第1フルカラーLED643Aは、発光体基板642の外縁部の形状に沿うよう、二等辺三角形の各辺に3個ずつ、所定間隔で並べられている。そして、本実施例における第1フルカラーLED643Aの個数は合計で9個となっている。
また、第2フルカラーLED643Bは、第1フルカラーLED643Aよりも内側の部位において、二等辺三角形状に並べられている。これらの第2フルカラーLED643Bの配置は、第1フルカラーLED643Aの配置と平行になるよう行われており、第2フルカラーLED643Bの列と、第1フルカラーLED643Aの対応する列との間隔は、三辺とも略等しくなっている。そして、本実施例における第2フルカラーLED643Bの個数は、各辺に4個ずつの合計12個となっている。
前述の赤色LED644は、第1フルカラーLED643A及び第2フルカラーLED643Bの各列の間に、二等辺三角形状に配置されている。そして、各赤色LED644は、斜め方向に隣接する2つの第2フルカラーLED643Bとの間隔が同程度となるように配置されている。そして、本実施例における第2フルカラーLED643Bの個数は、等しい二辺について4個ずつ、残りの一辺について3個の合計11個となっている。なお、発光体基板642の、第2フルカラーLED643Bの内側に位置する中央部645は、平坦な板部となっている。
<<インナーレンズ>>
前述のインナーレンズ632は、発光体基板642の中央部645に重ねられて、前述した第2フルカラーLED643Bの光を、ぱちんこ遊技機10の前方へ導く機能を有している。このインナーレンズ632は、透明な合成樹脂材料を二等辺三角形状に成型してなるものであり、第2フルカラーLED643Bの配置と合致する程度の大きさの外形を有している。
さらに、インナーレンズ632における板状の本体部646は、発光体基板642の側を向いた面が凹凸面647(図26)となっており、他方の面は、ぱちんこ遊技機10の前側を向くの平坦面648(図25)となっている。これらのうち凹凸面647は、本体部646の略全域に形成されている。そして、凹凸面647には、図27(b)や図29(a)に示すように、断面が鋸刃状の多数の細かい凹凸(ローレット)が規則的に設けられている。また、凹凸面647は、図26に示すように、インナーレンズ632の3つの各頂点から中央側に向かって延びる直線649a〜649cにより、3つの三角形状の領域650a〜650cに区分けされている。
インナーレンズ632の外縁部には、本体部646から発光体基板642の側へ延びる周壁部651が形成されている。この周壁部651の先端面には、矩形状に形成された12個の凹部652(図26)が設けられており、各凹部652は、図29(d)に一箇所のみ示すように、第2フルカラーLED643Bとの干渉を防ぐ逃げ部となっている。そして、各凹部652は、第2フルカラーLED643Bと面し、第2フルカラーLED643Bから出射された光が、インナーレンズ632の周壁部651に入射するようになっている。
図29(a)に拡大して示すように、インナーレンズ632の周壁部651と本体部646との間には傾斜部653が形成されており、傾斜部653は、周壁部651により導かれた光の進路を変更し、矢印Jで示すように本体部646内に向けて光を反射させる。ここで、図29(a)は、第2フルカラーLED643が配置されていない位置での断面を示しており、矢印Bで示す光を出射している第2フルカラーLED643Bや、その周囲の凹部652の図示は省略している。
本体部646内の光に対しては、凹凸面647で反射、拡散、回析等が行われ、第2フルカラーLED643Bの光により、インナーレンズ632の平坦面648(図25、図29(d))が照らされる。また、インナーレンズ632は、光源である第1フルカラーLED643A、第2フルカラーLED643B、及び、赤色LED644のうち、最も内側に配置された第2フルカラーLED643Bのみに面しており、第1フルカラーLED643Aや赤色LED644に係る導光は行わないものとなっている。
<<拡散シート>>
インナーレンズ632の平坦面648を照らした光は、前述の拡散シート633(図25、図26)に到達する。拡散シート633は、濃い灰色(或いは薄い黒色)の合成樹脂材料を二等辺三角形状の薄板に成型してなるものである。拡散シート633は、インナーレンズ632の本体部646と同程度の外形寸法を有している。さらに、拡散シート633は、インナーレンズ632の平坦面648と、前述のミドルレンズ635との間に挟まれている(図29(a))。
そして、拡散シート633は、インナーレンズ632から出射された光を拡散させて拡散光とし、直線的にミドルレンズ635の側に向かうのを阻止している。さらに、拡散シート633は、インナーレンズ632の凹凸面647における細かな凹凸が、遊技者に模様として視認されるのを防ぐ機能を有している。なお、ミドルレンズ635については後述する。
<<周辺レンズの構成>>
前述の周辺レンズ634(図25、図26)は、透明な合成樹脂材料を二等辺三角形状の枠体に成型してなるものであり、後述するミドルレンズ635や、その外側を覆う導光カバー636を枠内に収容できる程度の外形寸法を有している。この周辺レンズ634は、インナーレンズ632、ミドルレンズ635、及び、導光カバー636の周辺領域で、第1フルカラーLED643Aの光を利用した発光演出を行う機能を有している。
周辺レンズ634には、発光体基板642の側へ延びる周壁部656が形成されている。この周壁部656の先端面には、矩形状に形成された9個の凹部657(図26)が設けられており、各凹部657は、図29(b)に一箇所のみ示すように、第1フルカラーLED643Aとの干渉を防ぐ逃げ部となっている。そして、各凹部657は、第1フルカラーLED643Aと面し、第1フルカラーLED643Aから出射された光が、周辺レンズ634の周壁部656に入射するようになっている。
周辺レンズ634の、周壁部656が設けられた側に対し反対側の面には、ぱちんこ記10の正面側を向くよう掲載された凹凸部658が形成されている。そして、周辺レンズ634は、この凹凸部658により、第1フルカラーLED643Aの光を反射、拡散、回析等して発光演出を行えるようになっている。
<<ミドルレンズ>>
続いて、前述のミドルレンズ635は、透明な合成樹脂材料を二等辺三角形状に成型してなるものであり、インナーレンズ632や拡散シート633に被せられて、インナーレンズ632や拡散シート633を覆い隠す程度の大きさの外形を有している。さらに、ミドルレンズ635の本体部661は、表裏ともに平坦に成型されており、この本体部661の外縁部には、発光体基板642の側へ延びる周壁部662が形成されている。
この周壁部662の先端面には、矩形状に形成された11個の凹部663(図26)が設けられており、各凹部663は、図29(c)に一箇所のみ示すように、赤色LED644との干渉を防ぐ逃げ部となっている。そして、各凹部663は、赤色LED644と面し、赤色LED644から出射された光が、ミドルレンズ635の周壁部662に入射するようになっている。
図29(a)に拡大して示すように、ミドルレンズ635の周壁部662と本体部661との間にはR部664が形成されており、R部664は、周壁部662により導かれた光の進路を変更し、矢印Kで示すように、赤色LED644の光を、本体部661内に向けて導くようになっている。
ミドルレンズ635の本体部661には、所定の形態の拡散部665が形成されている。本実施例では、この拡散部665の形態は、「好奇」の文字となっており、赤色LED644の光の反射や拡散等により遊技者側に向けられることで、赤色の「好奇」の文字が浮かび上がるようになっている。また、この「好奇」の文字は、本体部661の中央部において「好」の文字と「奇」の文字が上から下へ並ぶように形成されている。そして、この「好」の文字と「奇」の文字の周囲は後方(拡散シート633の側)が透けて見える透明になっており、拡散シート633の存在によって、「好」の文字と「奇」の文字の拡散部665が目立たないように(赤色LED644の発光時のみ「好」の文字と「奇」の文字が目立つように)なっている。
<<導光カバー>>
続いて、前述の導光カバー636(図25、図26)は、透明な合成樹脂を二等辺三角形状に成型してなる透明な本体部671と、この本体部671に組み合わされた同じく二等辺三角形状の赤色部672とを有している。これらのうち本体部671は、図27(b)に示すように、ミドルレンズ635に被せられて、ミドルレンズ635を覆い隠す程度の大きさの外形を有している。さらに、導光カバー636の本体部671は、表裏ともに平坦に成型されており、この本体部671の外縁部には、発光体基板642の側へ延びる周壁部674が形成されている。
また、赤色部672は、導光カバー636の本体部671に接合されており、導光カバー636に一体化されている。さらに、赤色部672は、赤色透明の態様で形成されており、光透過性を有している。また、赤色部672の上辺部には、所定の形態の透明部675が形成されている。
この透明部675の形態は、右から左へ「止マレ」と読むことができる文字となっており、赤色部672から「止マレ」の文字となる部分を除去し、本体部671を露出させることにより形成されている。そして、本体部671が透明であることから、「止マレ」の周囲は目立たず、「止マレ」の文字のみが浮かび上がって見えるようになっている。
ここで、赤色部672を形成するために、透明部675に赤色透明のフィルムを貼り付けたり、赤色透明のシートや板材を透明部675に、一般的な各種の接合方法により接合したりすることが可能である。また、導光カバー636の樹脂成型の際に、彩色の異なる2種の材料を用い、透明な「止マレ」の文字が現れるように一体成型を行うことなども考えられる。
<<外装カバー>>
続いて、前述の外装カバー637(図25、図26)は、例えば赤色で不透明な合成樹脂材料を二等辺三角形状の枠体に成型してなるものであり、上述の導光カバー636を枠内に収容できる程度の外形寸法を有している。さらに、この外装カバー637は、導光カバー636の外側を10mm程度の幅で縁取るとともに、その内部に前述の周辺レンズ634を収容している。
そして、外装カバー637は、図27(a)に示すように、全周に亘って形成された開口部676を有しており、この開口部676から、周辺レンズ634の各辺の凹凸部658等を覗かせている。このため、第1フルカラーLED643Aが駆動されて周辺レンズ634が光ると、光った周辺レンズ634が、外装カバー637の開口部676から遊技者に認識され得るようになっている。
さらに、外装カバー637には、発光体基板642の側へ延びる周壁部677が形成されており、周壁部677の先端を発光体基板642に突き当てた状態で、図示しないビス等の固定具を介して、前述のベース体641に、発光体基板642と共に固定されている。また、外装カバー637は、導光カバー636を発光体基板642に押し付けて固定しており、導光カバー636は、その内側で、ミドルレンズ635、拡散シート633、インナーレンズ632を、位置ずれが生じないよう拘束して規制している。
<上標識の導光態様>
続いて、このように構成された上標識602における導光態様について説明する。先ず、前述の導光カバー636は、インナーレンズ632、拡散シート633、ミドルレンズ635と組み合わせて使用されるようになっている。例えば、第2フルカラーLED643Bからが駆動された場合には、第2フルカラーLED643Bの光は、インナーレンズ632の凹凸面647で反射等され、拡散シート633を透過する。さらに、拡散シート633を透過した光は、ミドルレンズ635を透過して導光カバー636を背後から照明する。
前述のように、導光カバー636においては、赤色部672が、透明な「止マレ」の文字が現れるように設けられていることから、拡散シート633を経た第2フルカラーLED643Bの光は、その発光色に応じた色で、導光カバー636をバックライト照明する。そして、第2フルカラーLED643Bの発光色が、例えば白色であれば、導光カバー636は、遊技者が「止マレ」の文字を認識できるよう、赤色部672を介して赤色で光ることになる。また、インナーレンズ632で拡散された光がミドルレンズ635の「好奇」の拡散部665で反射されたとしても、周囲も同色で発光していることから「好奇」の文字が目立つことはなく視認できない状態が保たれる。
これに対して、赤色LED644が駆動され、ミドルレンズ635が赤色で照明された場合には、インナーレンズ632の凹凸面647や拡散シート633よりも前方(遊技者側)に配置されるミドルレンズ635の拡散部665により光の反射等が行われ、拡散部665の形態である「好奇」の文字が赤色で浮かび上がることになる。この際、第2フルカラーLED643Bの駆動は行われず、導光カバー636はバックライト照明されていない。このため、赤色で光る「好奇」の文字は、導光カバー636の赤色部672、透明部675において拡散等の作用により視認性を妨げられることなく、遊技者が認識し得るものとなる。
このように、インナーレンズ632、ミドルレンズ635、導光カバー636を入れ子構造で設け、第2フルカラーLED643Bと赤色LED644の駆動を選択的に行うことにより、導光カバー636やミドルレンズ635に形成された絵柄(ここでは文字)が浮き出ることとなる。そして、1つの上標識602を用いて、異なる態様の複数の導光板演出が実行される。前述の周辺レンズ634が外装カバー637内に設けられていることから、ミドルレンズ635や導光カバー636の周囲が、周辺レンズ634を用いて光装飾される。
なお、ここでは、上標識602が、インナーレンズ632、ミドルレンズ635、導光カバー636等を備えたものとして説明を行ったが、これらの名称は適宜変更することが可能である。例えば、インナーレンズ632を「第1レンズ」、ミドルレンズ635を「第2レンズ」などと称し、導光カバー636を「外側板」などと称することも可能である。また、例えば、インナーレンズ632と拡散シート633や、ミドルレンズ635と導光カバー636を、それぞれ1組の導光板ユニットと称することも可能である。さらに、ミドルレンズ635に対するLEDを赤色でなく、例えば緑色や青色に変更した場合、導光カバー636において、透明部675ではLEDの色が視認できるが、赤色部672(加色領域)においては色が混じりあってしまうため、ミドルレンズ635に対するLEDの色に合わせて導光カバー636における透明部675の周囲の加色領域の色を変更することが好ましい。
<左下標識ユニットの構成>
次に、前述の左下標識601を備えた左下標識ユニット701について説明する。図30及び図31は、左下標識ユニット701を示している。そして、図30は、左下標識ユニット701の非作動時(通常時)の状態を示しており、図31(a)、(b)は、左下標識ユニット701の作動時の状態を示している。図30に示すように、左下標識ユニット701においては、合成樹脂製のベース部702に、駆動源である可動体モータ703や、可動体モータ703の駆動力を左下標識601に伝達する動力伝達機構部704が装着されている。上述の可動体モータ703としては、例えばステッピングモータを採用することが可能である。
可動体モータ703の出力軸(図示略)には、出力ギアとなる第1歯車705が装着されており、この第1歯車705には、ベース部702に装着された第2歯車706が噛み合わされている。第2歯車706の直径(基準円直径)は、第1歯車705よりも大きくなっており、第2歯車706は、可動体モータ703の回転に伴い、所定の比率で減速されて回転するようになっている。
第2歯車706の、ベース部702の側を向いた面には、クランクピンとなる突部707が偏心して形成されている。この突部707は、スライドガイド機構を備えた伸縮部材708の凹部709に挿入されている。図30に示す非作動の状態から、第2歯車706が図31(b)に示す角度まで回転すると、伸縮部材708の可動側が突部707を介して持ち上げられ、伸縮部材708が伸長する。
伸縮部材708は、符号710で示すリンク部材とともにクロスリンクを構成しており、伸縮部材708の基端側(固定側の基端側)は、直接的或いは間接的にベース部702に回転可能に連結されている。さらに、伸縮部材708の先端側(可動側の先端側)には、真円状の左下標識601が回転可能に連結されており、第2歯車706の回転に伴って、左下標識601が上昇するようになっている。
左下標識601には、上述のリンク部材710の先端側が、所定範囲で変位できるよう係止されている。このリンク部材710の基端側は、ベース部702に回転可能に連結されており、左下標識601が上昇した際には、リンク部材710が、左下標識601の回り止めとして機能する。そして、左下標識601は姿勢を保ったまま上昇し、左下標識601の形態は、図1に示すようにセンター飾り64に隠れた状態から、図21に示すように、演出表示装置60の表示領域194の前方に現れた状態に変化する。
ここで、図30(a)は、左下標識ユニット701の動作後の状態を正面から見た様子を示しており、図30(b)は、左下標識ユニット701の同じく動作後の状態を斜め後方から見た様子を示している。また、図30(b)中に示す例では、左下標識601の背面にも可動体モータ711が備えられており、左下標識601の一部(例えば最前面の部材)が、左下標識601の上昇後も所定の動作(例えば回転動作)を行えるようになっている。また、左下標識601としては、上標識602と同様に導光板により複数態様の表示演出を行えるものを用いることが可能である。なお、図30及び図31では、作図中に用いられた仮想線を一部残して図示が行われている。
<右下標識ユニットの構成>
次に、前述の右下標識603を備えた右下標識ユニット801について説明する。図32及び図33は、右下標識ユニット801を示している。そして、図32は、右下標識ユニット801を正面から見た状態を示しており、図33(a)は、右下標識ユニット801を正面側の斜め上方から見た状態を示している。さらに、図33(b)は、右下標識ユニット801を背面側の斜め上方から見た状態を示している。
この右下標識ユニット801は、正方形状の右下標識603を、揺動変位及び回動変位させるようになっている。そして、図32中に実線で示す右下標識603は非作動時(通常時)の状態にあり、作動時には、右下標識603が二点鎖線で示すような、正面から見て左下の位置へ変位する。また、図示は省略するが、右下標識603は、最前部の導光板を、正面から見て反時計回りや時計回りに所定範囲内で回転させることが可能となっている。
より具体的には、図33(b)に示すように、合成樹脂製のベース部802に駆動源である揺動用可動体モータ803や、揺動用可動体モータ803の駆動力を右下標識603に伝達する動力伝達機構部804が装着されている。上述の揺動用可動体モータ803としては、例えばステッピングモータを採用することが可能である。
揺動用可動体モータ803の回転力は、出力ギアとなる第1歯車(図示略)や第2歯車805を介して第3歯車806に伝達される。第3歯車806の、ベース部802の側を向いた面には、クランクピンとなる突部807が偏心して形成されている。この突部807は、クランク部材808の長孔809に挿入されている。クランク部材808の上端部810は、右下標識603に、力の伝達が可能なように連結されている。
ベース部802には揺動軸811が設けられており、この揺動軸811には右下標識603が連結されている。揺動軸811は、右下標識603の揺動変位に係る中心となるものである。揺動用可動体モータ803が駆動されると、第3歯車806が所定量回転し、クランク部材808を介して、右下標識603が図32中に二点鎖線で示すように、ベース部802に対して変位(揺動変位)する。この結果、図21に示すように、右下標識603が、演出表示装置60の表示領域194の前方に出現する。
ここで、図33(b)中に符号812で示すのは第1アームであり、符号813で示すのは第2アームである。そして、第1アーム812及び第2アーム813は、平行クランクを構成しており、右下標識603の揺動時に姿勢を一定に保てるようになっている。
さらに、図33(b)中に符号816で示すのは回転用可動体モータである。この回転用可動体モータ816は、ベース部802に装着されており、回転用可動体モータ816の回転力は、動力伝達機構部804の各種の歯車817〜819等を介して、右下標識603内に備えられた前面意匠部としての導光板を、遊技者が位置する正面から見て、反時計回りや時計回りに回転させることができるようになっている。右下標識603の背面側には、意匠背面歯車820が装着されており、この意匠背面歯車820は、右下標識603における最前面の導光板を回転動作させるのに用いられている。
なお、右下標識603は、上標識602と同様に複数の導光板により複数態様の表示演出を行えるものとすることが可能である。また、図32及び図33では、作図中に用いられた仮想線を一部残して図示が行われている。
<右下標識の安定動作のための構成>
次に、上述の右下標識603を安定して動作させるための構成や制御態様について説明する。右下標識603を備えた右下標識ユニット801は、前述したように、可動部分の先端部に右下標識603を備え、揺動用可動体モータ803を駆動することにより平行アームA(第1アーム)813および平行アームB(第2アーム)812を揺動させて、右下標識603を、水平状態を保った状態で揺動させて演出表示装置60の表示領域194の前に登場させるものとなっている。
このため、右下標識603(回転演出体)の動力源である回転用可動体モータ816を揺動の先端側に設けてしまうと、揺動先端側の重量がその分増し、右下標識603の揺動動作に発生する振動が大きくなり易い。このため、回転用可動体モータ816を、右下標識ユニット801の基端側の部位に近づけて配置し、右下標識603までの間をギア列(歯車817〜819等)で連結して動力源からの動力を伝達することで、揺動先端側の重量を低減し、右下標識603が円滑に動作するようにしている。
しかし、ギア列(歯車817〜819等)を用いていることから、右下標識603が動作(揺動)した際に、各歯車817〜819等が幾分回転してしまうため、右下標識603を揺動動作前の位置(退避位置)に戻した際や、動作後の位置(作動位置)に移動した際には、揺動動作時における右下標識603の図柄表示の停止角度の位置ずれの影響が表れ、右下標識603の導光板(及び導光板に施されたデザイン(図柄や文字など))が適切な角度(図柄の上下方向位置を合わせるセンサ監視位置)に戻らない、といったことが生じる。
このため、本実施例では、揺動動作の後、退避位置に戻った際に、回転用可動体モータを再度駆動して、右下標識603の導光板を揺動動作前の基の角度に戻すようにしている。このことによって、導光板に施されたデザインが、センター飾り64に戻って初期位置に復帰した際に、導光板も初期位置(初期角度)に戻すことができる。
<環境設定の具体的態様>
次に、本実施例のぱちんこ遊技機10における環境設定の具体的態様として、光量調整や音量調整等について説明する。先ず、環境設定は、環境設定が可能な状況において前述した十字キー96を用いて行えるようになっている。環境設定が可能な状況としては、遊技において始動入賞が発生しておらず、特別図柄や演出図柄の変動表示が行われていない状況(変動終了直後に有効にすると遊技結果の視認性に影響が出る恐れがあるので、保留なしでの変動終了後所定時間経過後などが好ましい)などを挙げることができる。
さらに、遊技説明やその他のデモ表示(待機デモ中の表示)が行われている状況などでも、環境設定が可能である。また、音量調整などのあらかじめ定められた特定の種類の環境設定については、特別図柄や演出図柄の変動表示中などの遊技中であっても行えるようになっている。ただし、変動中においては、変動開始直後(演出図柄の高速変動(透過状態)移行前)や、疑似連続予告や最終結果報知に係る変動停止、仮停止の直前など演出用図柄の視認性を阻害し得る状況を除くように制御したり、演出図柄と重ならない領域にて簡易的な表示を行い環境設定を行えるようにすることが望ましい。また、演出図柄の変動中に環境設定を有効とする場合には、変動演出としてボタン演出等の操作手段(特に環境設定に用いる操作手段)を用いた演出の操作手段有効期間には環境設定を可能としないよう制御することが好ましい。このように環境設定(特に光量調整)が行える状況を、例えば「調整可能時」と称し、環境設定(特に光量調整)が行えない状況を、例えば「非調整可能時」と称することが可能である。さらに、環境設定が行える状況(調整可能時)であり、特に待機デモ中など非遊技中(非変動中)である場合に、例えば、遊技機製造会社が提供する各種のサービス情報(携帯端末連動サービス、楽曲再生、演出デモプレイなど)を、演出表示装置60で閲覧できるようにすることなどが可能である。
環境設定を行う場合には、上述のような環境設定が可能な状況において、図19(a)に示す操作ボタン22、又は、十字キー96の押下を行う。本実施例では、十字キー96のうちの何れかの方向キー96a〜96dを操作すると、演出表示装置60に、図19(b)に示すような環境設定メインメニューが表示されるようになっている。また、この環境設定メインメニューは、遊技者に環境設定が可能であることを報知するため自動的に表示される場合もある。環境設定メインメニューが自動的に表示される条件としては、例えば、特別図柄等の変動表示中でなく、遊技盤50を流下する遊技球が所定時間(例えば20秒など)の間検出されないことなどを例示できる。
環境設定メインメニューの表示は、演出表示装置60の表示領域194の、例えば中央部分のみに重畳表示され、環境設定メインメニューの周囲では、環境設定メインメニューの表示が行われなかった場合と同様の表示が進行している。ここで、環境設定メインメニューの背景色の透明度を、背後の表示内容が透けて見える程度の値とすることが可能である。
また、環境設定が可能な状況において操作ボタン22が所定時間継続して押下操作される(いわゆる「長押し」が実行される)と、図示は省略するが、操作ボタン22の自動操作設定画面が表示されるようになっている。この操作ボタン22の自動操作設定画面は、遊技者が操作ボタン22を操作しなくても、操作した場合と同じように演出を進行させる演出モード(自動操作モード)を選択するためのものである。自動操作モードは、変動演出においてボタン演出が選択され、自動操作に伴う演出が実行される前に遊技者による操作がなされた場合に、自動操作モードを終了させるようにしてもよい。また、変動中の環境設定可能となる期間にボタンを長押しした場合、自動操作モードのオン/オフを切り替え可能としてもよい。なお、操作ボタン22を所定時間より短く押下する場合には、前述した各種のサービス情報のメニュー画面が表示されるようになっている。
この環境設定メインメニューにおいては、音量調整選択領域861aと、光量調整選択領域871aとが左右に並んで表示されている。また、図19(b)に示す例では、操作ボタン22に係る自動操作設定選択領域881も左端に表示されている。これらのうち、音量調整選択領域861aには、「音量設定」の文字のほか、十字キーを表すマーク862a、スピーカを表すマーク863a、音量レベルを表すマーク864aが表示されている。
音量調整選択領域861における十字キーを表すマーク862aは、左右の方向キー96c、96dに対応した部分が明るい彩色で描かれている。図19(b)では、明るく描かれている部分の輪郭を太線で表し、暗く描かれている部分を細線で表している。そして、音量調整選択領域861の十字キーを表すマーク862aは、音量調整を行うためには、左方向キー96c、又は、右方向キー96dの操作が必要であることを示している。
音量レベルを表すマーク864aは、音の伝播を表現した複数の円弧のマークを有しており、図19(b)の例では、円弧のマークの数は5つとなっている。さらに、音量レベルを表すマーク864aにおける各円弧の長さは、スピーカを表すマーク863aから離れるほど大となっている。また、図19(b)の例では、スピーカを表すマーク863aに最も近い円弧のみが、明るい彩色で描かれている。これは、現在の音量レベルが、最も小さいレベル(レベル1)に設定されていることを示している。
続いて、前述の光量調整選択領域871aには、「光量設定」の文字のほか、十字キーを表すマーク872a、光量レベルを表すマーク873aが表示されている。光量調整選択領域871aにおける十字キーを表すマーク872aは、上下の方向キー96a、96bに対応した部分が明るい彩色で描かれている。図19(b)では、明るく描かれている部分の輪郭を太線で表し、暗く描かれている部分を細線で表している。そして、光量調整選択領域871aの十字キーを表すマーク872aは、音量調整を行うためには、上方向キー96a、又は、下方向キー96bの操作が必要であることを示している。
光量レベルを表すマーク864aは、光源からの光の放射を表現したデザインを有している。さらに、図19(b)の例では、マーク864aの右下に「弱」の文字が添えられている。そして、図19(b)の例では、光量が最も弱いレベル(レベル1)に設定されていることを示している。
続いて、前述の自動操作設定選択領域881には、「自動操作設定」の文字のほか、操作ボタンを表すマーク881aが表示されている。さらに、自動操作設定選択領域881には、自動操作設定の現在の状況を示す文字(ここでは「OFF」の文字)が表示されている。
<音量調整メニューの構成及び音量調整の操作>
図20(a)は、図19(b)に示す環境設定メインメニューから、音量調整メニューに移行した状態を示している。図20(a)に示す音量調整メニューは、図19(b)に示す環境設定メインメニューが表示された状況において、左方向キー96c、又は、右方向キー96dが操作された場合に表示されるようになっている。
図20(a)に示す音量調整メニューにおいては、「音量設定」の文字のほか、スピーカを表すマーク863b、音量レベルを表すマーク864bが表示されている。また、スピーカを表すマーク863bの左側には最小を意味する「MIN」の文字が表示されており、音量レベルを表すマーク864bの右側には最大を意味する「MAX」の文字が表示されている。
さらに、スピーカを表すマーク863bの下方には、十字キーを表すマーク862bが表示されており、十字キーを表すマーク862bの下方には、「音量設定」の文字が表示されている。また、音量レベルを表すマーク864bの下方には、操作ボタンを表すマーク865が表示されており、操作ボタンを表すマーク865の下方には、音量設定の終了を意味する「終了」の文字が表示されている。
図20(a)における音量調整の表示例においては、音量レベルは最小(MIN)のレベル1となっており、音量レベルを表すマーク864bの複数の円弧のうち、最も左側の円弧のみが明るい色で反転表示されている。この状態で、右方向キー96dを1回押下すると、音量レベルはレベル2となり、右隣のマークも反転表示され(図示略)、反転表示されるマークの数が2つとなる。この際、ぱちんこ遊技機10のスピーカ21からは音楽が出力されており、音量レベルの変化に応じて、スピーカ21から出力されている音楽の音量も増加する。さらに、右方向キー96dを1回押下すると、音量レベルはレベル3となり、反転表示されるマークの数が3つとなる。
これとは逆に、図20(a)に示す音量レベル(レベル1)の状態から、左方向キー96cを1回押下しても、音量レベルは変化せずレベル1のままとなる。また、例えば、音量レベルがレベル2以上の状況で、左方向キー96cを押下すると、音量レベルは、押下した回数に応じて、最大でレベル1まで減少する。また、本実施例では、音量レベルの最大値(MAX)は5となっており、5段階の音量調整が可能となっている。
さらに、音量レベルが5となっている状況で、右方向キー96dを押下しても、音量レベルに変化はないようになっている。しかし、これに限定されず、例えば、光量レベルがレベル5となっている状況で右方向キー96dを押下すると、光量レベルが最小のレベル1に一気に下がるようにしてもよい。
なお、本実施例では、図19(b)に示す環境設定メインメニューが表示された状況や、図20(a)に示す音量調整メニューの表示が開始された状況などの初期段階では、音量レベルは常に同じ値(ここでは最低レベルであるレベル1)とされている。しかし、これに限らず、例えば、前回設定された音量レベルを記憶しておき、初期段階では、前回設定された音量レベルから調整を開始できるようにしてもよい。
また、左方向キー96c、及び、右方向キー96dによる音量調整の機能は、本実施例では、図20(a)に示す音量調整メニューが表示されている間は有効となっている。そして、図20(a)に示す音量調整メニューが表示されている際に操作ボタン22を押下すると、音量調整が終了し、環境設定メインメニュー(図19(b))に戻る。また、音量調整メニューが表示された状態で、音量調整のための操作が入力されず、所定時間が経過した場合にも環境設定メインメニュー(図19(b))に戻る。さらに、環境設定メインメニュー(図19(b))は、遊技が開始され、遊技盤50を流下する遊技球の検出があると、演出表示装置60の画面から消去される。
<光量調整メニューの構成及び光量調整の操作>
続いて、図20(b)は、図19(b)に示す環境設定メインメニューから、光量調整メニューに移行した状態を示している。図20(b)に示す光量調整メニューは、図19(b)に示す環境設定メインメニューが表示された状況において、上方向キー96a、又は、下方向キー96bが操作された場合に表示されるようになっている。
図20(b)に示す光量調整メニューにおいては、「光量設定」の文字のほか、大中小の3つのサイズの光量レベルを表すマーク873b〜873dが縦に並んで表示されている。これらの光量レベルを表すマーク873b〜873dのうち、最も下に配置された光量レベルのマーク873bの外形寸法が最も小さく、上へ行くほど順にマークの外形寸法が大きくなっている。さらに、光量レベルを表すマーク873b〜873dのうち、最小のマーク873bの下方には、最小を意味する「MIN」の文字が表示されており、最大のマーク873dbの上方には最大を意味する「MAX」の文字が表示されている。
さらに、図20(b)に示す光量調整メニューにおいては、「MIN」の文字の左下方には、十字キーを表すマーク872bが表示されており、十字キーを表すマーク872bの下方には、「音量設定」の文字が表示されている。また、音量レベルを表すマーク872bの右側には、操作ボタンを表すマーク875が表示されており、操作ボタンを表すマーク875の下方には、光量設定の終了を意味する「終了」の文字が表示されている。
図20(b)における光量調整の表示例においては、光量レベルは最小(MIN)のレベル1となっており、光量レベルを表すマーク873b〜873dのうち、最も小さい下段マークのみが明るい色で反転表示されている。この状態で、上方向キー96aを1回押下すると、図示は省略するが、光量レベルはレベル2となり、中段のマークのみが反転表示される。
この際、遊技盤50や遊技機枠11に備えられた各種のLEDが、所定の発光パターン(「LED駆動パターン」や「ランプパターン」などとも称される)で駆動されており、光量レベルの変化に応じて、各種のLEDからの光量も増加する。さらに、上方向キー96aをもう1回押下すると、光量レベルは最大のレベル3となり、光量レベルを表すマーク873b〜873dのうち、上段のマークのみが明るく反転表示される。
これとは逆に、図20(b)に示す光量レベル(レベル1)の状態から、下方向キー96dを押下しても、光量レベルは変化せずレベル1のままとなる。また、例えば、音量レベルがレベル2やレベル3の状況で、下方向キー96bを押下すると、音量レベルは、押下した回数に応じて、最大でレベル1まで減少する。そして、本実施例では、光量レベルの最大値(MAX)は3となっており、3段階の光量調整が可能となっている。また、上方向キー96a、及び、下方向キー96bによる光量調整の機能は、本実施例では、図20(b)に示す光量調整メニューが表示されている間は有効となっている。
さらに、光量レベルが3となっている状況で、上方向キー96aを押下しても、光量レベルに変化はないようになっている。しかし、これに限定されず、例えば、光量レベルが3となっている状況で上方向キー96aを押下すると、光量レベルが最小のレベル1に一気に下がるようにしてもよい。
なお、本実施例では、図19(b)に示す環境設定メインメニューが表示された状況や、図20(b)に示す光量調整メニューの表示が開始された状況などの初期段階では、光量レベルは常に同じ値(ここでは最低レベルであるレベル1)とされている。しかし、これに限らず、例えば、前回設定された光量レベルを記憶しておき、初期段階では、前回設定された光量レベルから調整を開始できるようにしてもよい。
また、上方向キー96a、及び、下方向キー96bによる光量調整の機能は、本実施例では、図20(b)に示す光量調整メニューが表示されている間は有効となっている。そして、図20(b)に示す光量調整メニューが表示されている際に操作ボタン22を押下すると、光量調整が終了し、環境設定メインメニュー(図19(b))に戻る。また、光量調整メニューが表示された状態で、光量調整のための操作が入力されず、所定時間が経過した場合にも環境設定メインメニュー(図19(b))に戻る。
<光量調整とLED駆動パターンとの関係>
次に、上述したような光量調整と、光量調整時のLED発光パターン(LED駆動パターン)との関係について説明する。まず、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、前述したように、遊技において始動入賞が発生しておらず、特別図柄や演出図柄の変動表示が行われていない状況や、待機デモ中の表示が行われている状況などには、環境設定が可能である。そして、このような環境設定が可能な状況中においても、所定の音楽のスピーカ出力(音演出)や、遊技盤50や遊技機枠11における所定の発光パターン(駆動パターン)での光装飾(光演出)が行われている。
さらに、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、図20(b)に示すような光量調整メニューが表示され環境設定が行われる状況において、各種のLEDが光量調整用の発光パターン(駆動パターン)で駆動されるようになっている。このときの発光パターンとしては各種のものを採用することが可能であり、図35(a)は、光量調整用の発光パターンの一例を示している。
図35(a)中において、横軸は時間(T)を表しており、縦軸は光量調整時に駆動されるLEDの輝度(L)を示している。さらに、図中の実線Mは、光量調整用の発光パターンにおける輝度の変化を表している。ここで、「輝度」の用語は、基板に実装された発光部品であるLEDから発せられる光の直接的な明るさを意味するものとして用い、例えば、LEDがある発光パターンで駆動されたとき、単位時間におけるLEDの点灯時間が占める割合(デューティ比)を示すものである。一方「光量」の用語は、LEDからの直接的な出射光や、レンズや反射鏡等の光学素子を介して遊技者等により視認される光の明るさの総称として用いている。
そして、本実施例では、環境設定において遊技者により変更され、視認される光の明るさを示すものを「光量」と称し、発光パターンの明るさとしてのデータを「輝度」と称している。言い換えると「光量」は、「輝度」に対し、遊技者が設定した光量レベルの設定値に応じた係数を乗じたものということができる。このような用語の関係は、これに限定されるものではなく、例えば用語の対応関係を逆転させ、環境設定において遊技者により変更されるものを「輝度」と称し、発光パターンの明るさとしてのデータを「光量」と称することも可能である。
図35(a)に例示する発光パターンは、図中の左側に示すように高輝度(輝度5=光量レベル最大時でデューティ比100%)での発光から始まり、徐々に輝度を低下させ、消灯(或いは視認できない程度の低輝度)の状態(輝度1=光量レベル最大時でデューティ比30%)となった後、徐々に輝度を所定の輝度(ここでは輝度2程度)まで増大させるものとなっている。さらに、再び輝度を低下させ、消灯(或いは視認できない程度の低輝度)の状態(輝度1)としている。ここで、前述の光量レベルの設定値に応じた係数として、光量レベル最小時を0.25(=25%)とすると、図35に示す高輝度(輝度5)におけるデューティ比は、25%(=100×0.25)となり、低輝度(輝度1)におけるデューティ比は、8%(=30×0.25※小数点以下繰り上げ)となる。
そして、このような発光パターンを1セットとして、光量調整が行われている間(ここでは図20(b)に示す光量調整メニューの表示が行われている間)、LEDの駆動をループさせて繰り返す、といったものを例示できる。また、1セットの発光パターンの実行に要する時間を、例えば3秒程度から5秒程度とすることなどが可能である。
なお、このような発光パターンに限らず、種々の発光パターンを採用することが可能である。例えば、上述のように輝度5から輝度1の順の変化に限らず、例えば、輝度1から輝度5の順の変化を1セットとする発光パターンの採用も可能である。さらに、輝度5から輝度1への変化を1セットとした発光パターンに続けて輝度5に即座に戻すのではなく、輝度1から輝度5の順の変化を1セットとして続ける、といったことも可能である。
ここで、本実施例における光量調整用の発光パターンとしては、遊技盤50に備えられたLEDをすべて同時に発光させるよう制御され、フルカラーLEDについては最も明るく感じられる白色光にて発光するよう駆動するものが採用されている。
さらに、本実施例では、前述した各標識(601〜603)や、その他の可動演出部材についても、光量調整が可能な状況で、図35(a)に例示したような所定のパターンで発光させるようになっている。
すなわち、各種標識(601〜603)は、特定の演出が実行される場合を除き、フルカラーLED(例えば上標識における第1フルカラーLED643A、第2フルカラーLED643B)のみを発光するものであり、単色LED(例えば上標識における赤色LED644)は発光しない。このような特定の演出の実行中でない「通常中」の状態であれば、各種標識(601〜603)等に備えられた単色LEDは、駆動されないようになっており、特定の演出の実行時のみ視認可能となる装飾(例えば、大当り期待度が高いことを示す、上標識602における「好奇」の文字列表示)が秘匿された状態とされている。
しかし、前述したように光量調整メニュー(図20(b))が表示されて光量調整が可能となった際には、各種標識(601〜603)等の全てのLEDが、光量調整時のためのパターンで駆動される。この際、各種標識(601〜603)等は、センター飾り64に収容されて、遊技者の前に現れていないが、センター飾り64の大部分は透明な合成樹脂により構成されており、センター飾り64の構成部材の透明な部分を通して、各種標識(601〜603)等が部分的に視認できるようになっている。
このため、各種標識(601〜603)等を、センター飾り64に収容したまま光らせても、少なくとも一部の発光の様子は、遊技者に提示できるようになっている。また、センター飾り64に彩色された部分があっても同様に、彩色されていない部分から、背後に在る各種標識(601〜603)等を除き見ることができる。
この光量調整時における光量レベルは、そのときに設定されている光量レベルとなっている。例えば、本実施例では、初期段階では光量レベルが最も少ないレベル1となっているため、各標識(601〜603)や、その他の部位は、光量レベル1で前述の発光パターン(図35(a))による発光を繰り返している。
ここで、前述の上標識602を例に挙げれば、光量調整時には、演出を秘匿するため「通常中」には発光させない赤色LED644(図25等)が、第1フルカラーLED643Aや第2フルカラーLED643Bとともに、光量調整時のためのパターンで駆動されるようになっている。そして、赤色LED644は、上述の通常中には駆動されないが、光量調整時になると駆動されることにより、ミドルレンズ635が、光量調整時のためのパターンで照明されることになるので、特定演出にしか使用されない発光部に対しても実際の光量を視認しながら調整することを可能とすることができる。さらに、この光量調整可能な状況で、上方向キー96aが押下操作されると、赤色LED644の光量がレベル1からレベル2に増加し、押下操作前よりも光量を増した状態で、所定のパターン(図35(a))での発光が行われる。
なお、変形例としては、このような赤色LED644を含むすべてのLEDを発光させる態様での光量調整に限らず、例えば上標識602において、実際の遊技演出として上標識602の全てのLEDが同時に点灯する状況はほとんどないために、第1フルカラーLED643Aと第2フルカラーLED643Bや赤色LED644のうちの一方を、光量調整のための発光パターンで駆動してもよい。また、第1フルカラーLED643Aや第2フルカラーLED643Bの光量調整時の発光パターンを、赤色LED644の光量調整時の発光パターンと同期させず、例えば、第1フルカラーLED643Aと第2フルカラーLED643Bを発光させた後に消灯し、赤色LED644を発光させるなどタイミングを異ならせてもよい。さらに、上標識602に限らず、他の標識(601、603)においても、複数種類の導光板異に係るLEDに対して、上標識602と同様の制御を行うことが可能である。
このように、光量調整時に前述の変形例のように各標識(601〜603)を発光させることにより、実際に生じ得る演出に近付けた状態で光量調整を行うことが可能になる。前述したような通常中に各標識(601〜603)の特定の演出用の単色LED(赤色LED644)の照明制御を光量調整時に行わないようにした場合には、光量調整を行う遊技者は、各標識(601〜603)の光量を確認する機会がないまま、限られた特定の部位の様子を参考にして光量調整を行うことになる。
そして、各標識(601〜603)に係る光量を確認しないまま、例えば、光量を初期段階の低レベル(レベル1)や中レベル(レベル2)としたとすると、遊技者が環境設定を終え、遊技機の状態が遊技中の状態に移行した後、各標識(601〜603)のうちの少なくもいずれかが現れて特定の演出用のLED駆動が行われた場合に、光量が十分でなく、遊技者が演出を物足りなく感じることが想定される。そして、このことによって、遊技の趣向性が、開発者が予定していたようには発揮されず、遊技者がぱちんこ遊技機10に対して積極的な印象(好印象)を抱かない、といったことも考えられる。
また、各標識(601〜603)に係る実際の光量を確認しないまま、他の部位の光量を参照して、光量を高レベル(レベル3)とした場合を考えることもできる。例えば、遊技者が環境設定を終え、遊技機の状態が遊技中の状態に移行した後、各標識(601〜603)のうちの少なくもいずれかが現れて特定の演出用のLED駆動が行われた場合に、上述の場合とは逆に光量が過大となり、遊技者が演出を過剰に感じることが想定される。そして、このことによって、遊技者がぱちんこ遊技機10に対して積極的な印象(好印象)を抱かない、といったことも考えられる。
特に、例えば各標識(601〜603)が、大当りの場合や高期待リーチ演出への発展時にしか動作しないような相対的に大当りの期待度が高いもの(所謂決め役物)として用いられている場合、演出時のLEDの発光量が、他の可動演出部材や、遊技盤50の他の部位に設けられたLEDよりも多くなることが多い。このため、光量調整時に各標識(601〜603)の光量を直接参照できず、他の部位の光量からの見込みにより光量調整を行わなければならいのでは、遊技者の好みに合わせた光量調整を行うことが容易ではなく、光量調整の機能を有効に活用することが困難になる。
しかし、本実施例のように、光量調整時の発光を、透明なセンター飾り64の中に収容されている各標識(601〜603)等についても行うことで、光量調整時と、遊技中の変位動作時との不一致を極力抑制でき、遊技者の好みに合った演出を実行することが可能になる。そして、光量調整の機能を有効に活用することが可能となる。
<<発光パターンの頭出し>>
なお、光量調整時におけるLEDの駆動制御は、種々の態様で行うことが可能である。例えば、光量調整のための十字キー96(ここでは上方向キー96aや下方向キー96b)の操作が実行される毎に、発光パターンの最初に戻ってLEDを駆動すること(発光パターンの頭出しを行うこと)も可能である。
図35(a)中には、二点鎖線Nにより、このような発光パターンの頭出しの一例を示している。図35(a)の横軸上に「開始」として示したタイミングT1で、実線Mで示すように、光量調整時のLEDの発光が開始されている。この発光パターンの途中、図中に「1回目」として示すタイミング(初回操作のタイミング)T2で、上方向キー96a又は下方向キー96bが操作されている。
そして、この「1回目」のタイミングT2で発光パターンの頭出しが行われ、二点鎖線Nで示すように、新たにLEDの発光が開始されている。そして、図示は省略するが、その後も入力操作がある度に、同等に発光パターンの頭出しが行われ、発光パターンの最初からLEDの発光駆動が行われる。
このように光量調整におけるレベル変更の操作の都度、発光パターンの最初に戻るようにLEDの駆動制御を行うことで、十字キー96の操作が、1回(1セット)の発光パターン中(例えば3秒程度)に複数回といった短い間隔で繰り返されても、各光量レベルにおける最大光量が初めに示されるので、遊技者にとって光量の比較がし易くなる。
つまり、光量調整中の発光パターンに従い輝度が変化する状況で、遊技者が光量調整を行う際に発光パターンを最初に戻さないと、発光パターンにおける輝度の変化と、遊技者の操作による光量の変化とが組み合わさる(重合する)。そして、次にいくつか示すような問題が生じ得る。例えば、光量調整中の発光パターンが輝度を高めている状況(輝度1から輝度5へ向かう変化の途中)で、遊技者が光量を増大させた場合には、遊技者が実際に調整した以上に明るさが増したように錯覚させてしまう恐れがある。このため、遊技者は、本来自分が望んでいるほどには光量を上げず、自分の好みよりも光量を抑えてしまうことが考えられる。
また、例えば、光量調整中の発光パターンが輝度を下げている状況で、遊技者が光量を低下させた場合には、遊技者が調整した以上に明るさが低くなる。このため、遊技者は、本来自分が望んでいるほどには光量を下げず、自分の好みよりも光量を高めてしまうことが考えられる。
さらに、例えば、光量調整中の発光パターンが輝度を高めている状況で、遊技者が光量を低下させた場合には、遊技者が想定するほど明るさが低下しない。また、光量調整中の発光パターンが輝度を下げている状況で、遊技者が光量を増大させた場合には、遊技者が想定するほど明るさが増えない。そして、これらの場合には、遊技者が過大な調整を行ってしまい、遊技中には、演出が明る過ぎたり暗過ぎたりすることになる。
また、遊技者が、例えば、光量調整用の発光パターンが最低の輝度に到達した場合や、最高の輝度に到達した場合に光量調整の操作を行おうとしても、所望の輝度に達するまで時間が経過するのを待たなければならず、光量調整に要する時間がその分長くなる。
このように、光量調整の光量レベル変更に伴う発光パターンの頭出しを実行しない場合には、発光パターンにおける輝度の変化と、遊技者の操作による光量の変化とが組み合わされ(重合する)、光量調整の操作のみでは絶対的な明るさが決まらず、光量調整が容易ではないものになり得る。しかし、前述のように、光量変更の操作の度に駆動パターンを最初に戻す(頭出しする)ことで、光量調整のための操作が短い間隔で複数回行われても、遊技者は、輝度変化の態様を一定とした状況の下で光量調整を行うことができる。そして、光量調整の操作の都度、輝度の変化の態様を同じ条件に揃えながら明るさを確認でき、この結果、発光パターンにおける輝度が変化する中でも、遊技者が光量を自分の好みに合せ易くなる。
なお、光量レベルの変更操作が1回行われるごとに、発光パターンの頭出しを毎回行うことに限らず、例えば、頭出しを行う場合と、行わない場合とを組み合わせて光量調整を行えるようにしてもよい。具体的には、1回目の光量変更操作(初回操作)または発光パターンの開始からT2までの期間における操作の際には、発光パターンの最初に戻って頭出しを行うが(図35(a)中の二点鎖線N)、2回目以降の光量変更の操作またはT2以降のタイミングでは頭出しを行わない、といったものを例示することができる。
発光パターンの頭出しを行わない場合には、例えば、図35(a)中に併せて例示しているように、遊技者が1回目の光量調整操作(タイミングT2)により設定した光量で、頭出しされた発光パターン(二点鎖線N)の最初から演出の明るさを確認し、その後、例えば輝度が輝度4と輝度3の間(輝度3.5程度)まで下がった段階(タイミングT3)で更なる調整のための操作(2回目の操作)を行う。そして、このときには、発光パターンの頭出しを行わず、1回目の操作時に頭出しされたパターンでの発光を一通り継続させる。
このようにすることで、例えば、遊技者が、発光パターンの途中に到達する輝度(例えば輝度2など)での演出の明るさを確認したいといったような場合に、頭出しされた発光パターンの最初から輝度2に到達するまで時間の経過を待つ、といったことが必要ない。そして、迅速に所望の輝度に到達させることができ、遊技者が望む態様での光量調整を短時間で行うことが可能となる。
なお、このような光量調整時の発光パターンに関して、輝度が順次変化するものとはせずに、一定の輝度の発光を継続するものとすることも考えられる(図示略)。このようにすることで、発光パターンの強弱と、光量切り替えのタイミング次第で光量調整が難しいものとなってしまうのを防止できる。
<各標識以外の可動演出部材>
また、各標識(601〜603)のためのLED駆動に限らず、他の可動演出部材に備えられたLED(図示略)について、光量調整時に所定の発光パターン(図35(a)など)で発光させたり、これまでに説明した光量調整の制御態様を適用したりすることが可能である。図34は、各標識(601〜603)以外の可動演出部材の一例として、前述した左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605が動作した状態を示している。これらの左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605は、非作動時である通常時には、センター飾り64の左右の部位にそれぞれ収容されており発光部が正面からは視認できない状態となっている。
このような左可動演出部材604や右可動演出部材605を用いた演出としては、以下のようなものを例示できる。例えば、前述のボタン演出が実行されている状況で操作ボタン22が遊技者により押下操作されると、左可動演出部材604、及び、右可動演出部材 605のうちの何れか一方を、センター飾り64の中から演出表示装置60の前面における所定位置に登場させる場合がある。これらの左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605は、前述の各標識(601〜603)に比較して大型の外形寸法を有している。
このため、左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605を同じタイミングで登場させると、演出表示装置60の前面で、左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605が干渉する場合がある。また、左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605を、時間差を以って順番に登場させた場合であっても、その順番とタイミング次第では、干渉が生じるような、大きさや位置関係になっている。ここで、図34は、干渉が生じないような順番とタイミングで、左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605を登場させた状態を示している。
また、図示は省略するが、左可動演出部材604を支持した左可動演出部材ユニット、及び、右可動演出部材605を支持した左可動演出部材ユニットには、各可動演出部材604、605が非作動時の待機位置(初期位置)に存在するか否かを検出するための位置センサや、演出時の所定の出現位置(作動位置)に登場しているか否かを検出するため位置センサなどが備えられている。
さらに、これらの左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605にも多数のLEDが搭載されており、演出時には所定のパターンでLEDが駆動される。また、演出時のみでなく、遊技待機デモ中の光量調整時にも、光量調整用の所定の発光パターンで、LEDの駆動が行われるようになっている。そして、光量調整時には、左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605が動作して、図34に示すように、演出表示装置60の前に登場するようになっている。このようにすることで、遊技者は、左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605の演出時等の発光を想定した光量調整を行うことができる。
ここで、光量調整時における左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605の登場位置(停止位置)は、遊技者がLEDの駆動パターンを目視できる位置であればよい。なお、作動時において干渉関係にある可動演出部材がない場合には、光量調整時の登場位置を、演出時の登場位置と同じとすることで、演出時と同様の位置制御を行うことができ、光量調整時用の位置センサや、動作パターン等を別途設ける必要もない。光量調整時のための左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605の位置制御を、目視可能位置まで動作させる駆動パターンのみで実施する場合には、別途中間位置センサ等を設ける必要はなく低コストで行うことが可能である。
また、左可動演出部材604、右可動演出部材605、各標識(601〜603)以外に可動演出部材を備えていてもよい。また、光量調整時に、遊技者が目視できるようにするのは、LEDを備えたものや、光演出に関係するもののみでよい。そして、これらのうち、「光演出に関係するもの」としては、例えば、自らは発を発しないが、LEDを備えた他の可動演出部材が発する光を反射させる機能を有するもの等を例示できる。また、前述のように、センター飾り64に収容された待機位置に在る場合も、例えば、センター飾り64の透明な部位を通して発光していることが目視できるものであれば、必ずしも光量調整時に登場させる必要はない。
さらに、前述した左可動演出部材604、及び、右可動演出部材605のように、複数の可動演出部材が干渉する場合には、例えば、何れか一方(一部)のみを登場させることが考えられる。この場合は、例えば、大当りや特別なリーチ(発展リーチなど)への期待度が相対的に高い演出で用いられる優先順位の高い可動演出部材(所謂決め役物など)を登場させ、相対的に期待度が低く優先順位が低い可動演出部材は登場させない、といったことが考えられる。なお、「優先順位が低い可動演出部材」としては、例えば、前述した疑似連続予告でのみ登場するものや、大当りの期待度が相対的に高い場合に、他の可動演出部材と共にでなければ動作しないものなどを例示できる。
また、これに限らず、例えば複数の可動演出部材を所定時間ごとに切替えて登場させることも可能である。この場合には、例えば、先ず所定の1つの可動演出部材を演出位置まで動作させ、この登場させた可動演出部材のLEDを発光させて所定時間(例えば6秒程度)に亘り発光を継続させる。その後、この可動演出部材を元の待機位置に戻し、他の可動演出部材を登場させて、同様な発光制御を行う、といったことが考えられる。
<光量調整対象の選択>
さらに、この他の例として、遊技者が、光量調整できる可動演出部材の選択を行えるようにしてもよい。この場合には、例えば、図20(b)に示すように光量調整メニューが表示されて、光量調整を行うことが確定した状態で、左右の方向キー96c、96dを操作し、可動演出部材を順次選択できるようにする。そして、上下の方向キー96a、96bを操作し、選択した可動演出部材に対する光量調整を行う、といったことが考えられる。
また、光量調整は、演出装置毎に行えるようにしてもよい。ここでいう「演出装置」は、各可動演出部材(601〜605)のほか、遊技盤50、センター飾り64、大入賞口装置90などのように、LEDを利用した演出を行うことが可能な遊技用機器等を意味している。さらに、これらの演出装置には、単に演出の発展への期待を煽ったり、擬似連続予告の際に作動したり、といったように相対的に高い頻度で演出に用いられるものや、大当りの場合にしか動作しないような相対的に大当りの期待度が高いもの(所謂決め役物)などがある。
そして、相対的に高い頻度で光演出を行う演出装置については光量を抑えたいが、相対的に低い頻度で光演出を行う演出装置については、十分な光量で光らせたい、といったような遊技者のニーズに応えるため、上述のように、光量を演出装置毎に変更可能とすることが考えられる。さらに、この場合は遊技者が、光量調整できる演出装置の選択を、十字キー96等を使って行えるようにすることが考えられる。なお、このように演出装置毎に光量調整を変更する場合、それぞれの演出装置に対する光量レベルを記憶する記憶領域を備えておく必要がある。また、各演出装置毎に光量レベルを調整した際に、前述した光量レベルに応じた係数の値は、全演出装置に対して共通のものでなく、演出装置毎に係数値データを保持しておくことにより、演出部材に設けられた拡散部材等の構成による光量の減衰率の差を補正することができる。
また、例えば図35(b)に直交する2本の一点鎖線を引いて示すように、遊技領域52を複数の分割区域P1〜P4に区分けし、分割区域毎に光量調整を行えるようにする、といったことも考えられる。この場合は、分割区域毎に所定の発光パターン(例えば共通の発光パターン)で光らせることが考えられる。さらに、このようにするために、サブメインCPU521(図4)からの発光駆動のための信号(発光信号)を、各分割区域に対応した出力ポート(528)の切り替えを行って各分割区域に向けて出力する、といったことが考えられる。
このように分割区域P1〜P4毎に光量調整できるようにした場合や、前述のように各演出装置毎に光量調整できるようにした場合には、光量調整時の発光パターンを複数種類設け、分割区域、演出装置の種類、或いは、可動演出部材の種類に応じて発光パターンを異ならせてもよい。なお、図35(b)では、上標識602が、分割区域P1〜P4の全てに跨って配置されているが、例えば、上標識602は特定の1つの分割区域(例えばP1)に属するものとして発光制御を行うことが可能である。
また、光量調整中の分割区域や演出装置以外の部位を、待機デモ中等の移行可能期間中の態様で並行して発光させ、光量調整を、他の分割区域や演出装置の発光を参照しながら光量調整を行えるようにしてもよい。そして、このようにした場合、遊技者は、他の分割区域や演出装置がどのような態様で光っているのかを見ながら、対象箇所の光量調整を行うことができるようになる。
さらに、分割区域P1〜P4毎に光量調整できるようにした場合や、前述のように各演出装置毎に光量調整できるようにした場合には、一括ですべての演出装置に対する光量を変更可能とすることも考えられる。その場合には、例えば、以下のような光量調整態様を考えることができる。先ず、第1の光量調整態様としては、各分割区域や演出装置の光量レベルをそれぞれ相対的に現設定から増減させ、最大レベル(MAX)、最小レベル(MIN)に到達すると、それ以上同じ方向への操作(増大操作又は低下操作)を行っても、光量レベルは変化せず固定される。
続いて、第2の光量調整態様としては、1回目の操作では、全ての分割区域や演出装置の光量レベルを所定値に変更する。そして、2回目以降の操作では、全ての分割区域や演出装置について操作に応じた光量レベルを設定する。また、1回目の操作の際の「所定値」としては、常に一定の光量に設定されるようにしてもよい。この1回目の操作時に係る「常に一定の光量」としては、最大(MAX)設定値、最小(MIN)設定値、全ての分割区域又は演出装置のうち現設定(そのときの設定)の内MAX(又はMIN又は中間)の設定値、基準となる演出装置の現設定値、遊技場側で予め決めておいた設定値(標準値)などを例示できる。
また、分割区域毎又は演出装置毎に光量を変更可能とした際、操作回数によって、求められる操作態様が異なる容易することも可能である。例えば、1回目の操作(初回操作)では所定時間以上の継続した押下(長押し)により光量が変更され、2回目以降は長押ししなくても光量が変更される、といったものを例示できる。このようにすることで、例えば、遊技者が目的としていない分割区域や演出装置の設定値が1回目の操作時に変更されてしまったり、せっかく個別に設定したものが一様な光量に変更されたりといったような誤操作による問題を防止できる。なお、初回操作時の長押しに代えて、例えば短時間の2回操作により光量が変更されるようにすることも可能である。
<光量調整時の発光色>
また、光量調整時の発光色を、所定の色(単一色或いは単色)に統一することも可能である。所定の色としては、例えば、白や赤などを例示できる。そして、白とした場合には、遊技者が最も明るく感じる光にて調整が可能と考えられる。また、自動車の制動灯(ブレーキランプ)でも採用されている赤系統の発光色は、一般に、視認可能距離が長いと言われており、赤とした場合には、遊技場内における周囲の環境等の影響が少なく遊技者が視認し易くなると考えられる。
さらに、光量調整時の発光色や発光パターンなどの発光態様を検討するにあたっては、エラー報知におけるLEDの発光態様との関係を考慮することが望ましい。すなわち、光量調整時の発光態様と、エラー報知の発光態様が同一であったり、類似していたりすると、光量調整中にエラー報知が行われた場合、遊技者や遊技場の店員等が、エラー発生中であることを認識し難くなったり、光量調整の発光をエラー発生と誤認したりしてしまう恐れがある。
このため、赤系統での発光による光量調整時の発光色や発光パターンを、エラー報知に係る発光色や発光パターンと異ならせることが考えられる。例えば、光量調整時の発光色を橙色に近い赤としたり、エラー報知に用いられるような点滅と誤認しないために、輝度0を含まない光量調整用発光パターンを使用するなどが考えられる。さらに、エラー報知に関して、例えば、遊技盤50における発光態様と、遊技機枠11における発光態様とを分けて考え、光量調整に係る発光態様を遊技盤50の発光態様とは異ならせることとし、遊技機枠11における発光態様とは異ならせなくてもよいものとすることが考えられる。このように、光量調整に係る発光態様を、他の部位のエラー報知に係る発光態様と異ならせることで、エラー報知の発光態様を光量調整の発光態様と混同するような事態が生じるのを防止できる。
<可動演出部材の復帰順序の変更>
次に、可動演出部材を動作させるにあたり、複数の可動演出部材を円滑に動作させるための干渉防止策について説明する。ぱちんこ遊技機10の電源投入時に可動演出部材を初期化動作させる際には、複数の可動演出部材について、動作の順番が決められている。例えば、電源立ち上げ時には、まず、あらかじめ定められた順序で各可動演出部材を初期位置へ戻す動作が実行された後、各可動演出部材について定められた最大可動範囲において、サブメインCPU521において、対象となる全ての位置センサの出力が確認され、可動演出部材が正常に初期化動作を行ったか否かが判定される。そして、遊技中や、初期化動作中にエラーが検出された場合には、初期化動作を最初から実行することとなるが、エラーの内容に応じて予め定められた処理が順に行われ、エラー状態から正常状態へ復帰させる制御が行われる。
例えば、左下標識601、上標識602、左可動演出部材604、右可動演出部材605、右下可動演出部材の順で初期化する手順が定められているものとする。そして、上標識602と左可動演出部材604や、左可動演出部材604と右可動演出部材605は、同時に作動した場合には互いに干渉する可能性があるものとする。
このような状況で、左下標識601、上標識602、左可動演出部材604、他可動演出部材の順に初期位置へ戻す動作制御を行う。もし上標識602についてエラーが検出さていれば、上標識602と左可動演出部材604とは干渉の可能性があることから、上標識が初期位置に復帰できない要因として左可動演出部材604が干渉していることが考えられるため、上標識602について初期位置へ戻す動作制御を行わず、左可動演出部材604を初期位置に戻す動作制御を先に行う。つまり、基本としては、上標識602、左可動演出部材604の順で動作制御がされることになっているが、状況によっては順序を入れ替え、左可動演出部材604の動作制御を先に行うようになっている。また、ここでは左可動演出部材604と右可動演出部材605も干渉の可能性があるため、右可動演出部材605の動作制御が、左可動演出部材604よりも先に行われる場合がある。
本実施例のように、可動演出部材が複数設けられている場合、可動演出部材に係るエラーが常に一定の態様で発生するとは限らず、エラー状態から正常状態へ復帰させる動作の態様が一通りでは、エラーの解消に多くの時間を要したり、自動的にはエラーを解消できず、遊技場の店員が手動で可動演出部材をセンター飾りに収容しなけらばならなくなったりすることも考えられる。そこで、前述のように、状況に応じて動作制御の順序を入れ替えることにより、迅速に初期化動作を行うことが可能となる。
<光量調整可能な時期に係る各種態様>
前述したように、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、遊技において始動入賞が発生しておらず、特別図柄や演出図柄の変動表示が行われていない状況や、待機デモ中の表示が行われている状況などには、環境設定が可能である。そして、このような環境設定が可能な時期には、音量調整や光量調整などが可能であるが、音量調整などの特定の種類の環境設定については、特別図柄や演出図柄の変動表示中などの遊技中であっても行えるようになっている。
しかし、音量調整に限らず光量調整を、特別図柄や演出図柄の変動表示中などの遊技中に調整できるようにすることも可能である。そして、このようにする場合は、光量調整メニュー(図20(b))と演出図柄190(図7(a)、(b))との関係について検討しておくことが有用である。つまり、光量調整メニューを重畳表示することによって、演出図柄190が視認し難くなることを防止することが必要で、そのための対策としていくつかのものを考えることができる。
先ず、演出図柄190の変動開始から所定期間に限り光量調整を行うことが考えられる。ここでいう「所定期間」には、演出図柄190の変動開始から、高速変動を経て、最初に停止(仮停止を含む)する演出図柄の中速変動時や、低速変動開始時までの期間を含むことができる。さらに、このような「所定期間」中に、光量調整メニューを演出図柄190の表示領域全体に重畳し、演出図柄190が光量調整メニューの背後に隠れるようにすることが可能である。また、光量調整メニューの少なくとも一部の画像に係る透明度(透過率)や配置を、演出図柄190が変動中であることが視認できるよう定めることが考えられる。
また、光量調整可能な時期を、これ以外の時期に定めることも可能である。例えば、大当り発生に係る大当り開始デモ時、大入賞口開放時、大入賞口閉鎖時、当り終了デモ時、大当り終了デモ終了時などを挙げることができる。そして、これらの期間に該当することをサブメイン基板301で認識するために、メイン基板102から前述したような各種のタイミングで送信される各種のコマンドを利用することが可能である。また、これに限らず、軽微なエラー発生中(ガラス扉の開放中など)に光量調整が可能となるようにすることも考えられる。
<<他のタイプの可動演出部材を用いた演出>>
また、前述の可動演出部材(601〜605)以外の可動演出部材を用いることも可能である。可動演出部材(601〜603等)以外のものとして、例えば、複数の回転ドラム(リール)を所定配列(2行2列など)で並べた可動演出部材(ドラムユニット)を、可動演出部材の1つとして用いることが可能である。そして、各回転ドラムを個別に回転制御し、停止(仮停止を含む)時に、ドラム上に配列された文字や記号などが所定の組合せを構成した場合に、演出が発展する、といったようなものを例示できる。このようなドラムユニットの配置箇所としては、演出表示装置60の上部などを例示できる。さらに、所定の場合にドラムユニットが、演出表示装置60の上部から中央部に降りてくる、といったような演出を行うことも可能である。
また、異なる種類の可動演出部材を前後に配置し、光透過性の材質で形成された可動演出部材を前方(遊技者に近い側)に配置し、前方の可動演出部材を透して背後の可動演出部材の動作を視認できるようにすることが可能である。
また、可動演出部材を用いた演出の他の態様として、前述したような小型の表示体を複数(例えば2つ)備え、複数の表示体を、上下方向、左右方向、斜め方向のうちの少なくとも1つの方向に隣接するよう組み合せることが可能である。より具体的には、例えば、2つの矩形な表示体を、前後方向に延びる軸を中心に左右に揺動可能に支持する。そして、演出表示装置60の表示領域194の上方と下方(左方と右方であってもよい)に、各表示体を配置する。
さらに、所定の演出が実行される場合に、上方の表示体を下降させ、下方の表示体を上昇させ、各表示体が表示領域194の前方で近付くようにする。そして、上方の表示体の下辺と、下方の表示体の上辺を水平に且つ平行に対向させて、両表示体を上下に隣接させる。そして、各表示体で所定の演出表示を行い、2つの表示体の組合せによる演出を実行する。
また、他の所定の演出が実行される場合には、上下の表示体の角度を変更し、各表示体の姿勢を、画面を正面に向けたまま、水平な状態から、例えば左上がりの斜めの状態に変更する。つまり、矩形の各表示体の上辺と下辺は左上がりの斜めの状態になり、これに伴って、各表示体の左辺と右辺は右上がりの斜めの状態になる。そして、両表示体を、表示領域194の前方で互いに近付くように移動させ、上方の表示体の下辺と、下方の表示体の上辺を斜めに且つ平行に対向させて、両表示体を上下に隣接させる。
<本実施例に係る発明の基本的な作用効果>
以上説明したように本実施例のぱちんこ遊技機10によれば、光量調整を行える状態への移行が可能である移行可能期間(環境設定メインメニューが表示されている期間など)には、各標識(601〜603)等におけるLEDの発光が行われず、移行可能期間から光量調整が可能な変更可能期間(光量調整メニューが表示されている期間など)に移行すると、LEDを発光させる。そして、特定の演出が実行された場合に限り視認可能になる発光演出部を備えた演出装置について、特定の演出に用いる発光演出部の発光態様を視認可能に表示する。したがって、通常は隠れているような可動演出部材の発光部についても、発光態様を確認しながら光量調整を行うことが可能となる。
そして、通常は視認されない可動演出部材の光量を遊技者に提示せずに光量調整が行われた場合には、遊技中の演出が行われた場合に、遊技者の好みと演出における光量との不一致が生じることも考えられるが、本実施例のぱちんこ遊技機10によれば、このような不一致が生じるのを防止でき、発光演出に係る環境設定を適正に行うことが可能となる。
<光量調整時の非発光制御>
なお、上述の実施例では、通常は隠れている各標識(601〜603)を、光量調整時に光らせるようにしているが、これに限らず、例えば遊技場の営業中における遊技者による光量調整時に、これらの可動演出部材を光らせないようにすることが可能である。このようにした場合には、所定の可動演出部材を消灯状態としたまま光量調整が行われることとなる。そして、導光板演出のように、限られた場合にしか遊技者に提示しない光演出が、光量調整時に遊技者に知られてしまうことを防止できる。
なお、遊技者操作に基づく光量調整において、可動演出部材(各標識601〜603の導光板演出のための各種導光板)を発光させない態様とした場合においては、遊技場店員等の遊技台管理者が、各演出装置が正常に動作(発光演出)を行えるかどうかの確認が難しくなる恐れがある。つまり、遊技台管理者が、遊技機を実際に特定の演出が出るまで変動させ続けなければ、各演出装置の発行動作の確認を行うことができなくなる。このため、例えば、ガラス扉15(図1)を開放させた状態で操作ボタン22を押下する操作などのように、予め定められた特殊な操作によってのみ移行することが可能な遊技店舗側遊技台管理状態(演出部材動作確認モード)などを別途設けておくことが考えられる。そして、この遊技店舗側遊技台管理状態における光量調整を可能とし、光量調整時に、上述の遊技者の光量調整時には発光しない可動演出部材について発光させうるように設計することが好ましい。
<光量調整による色数削減の制御>
また、光量調整により、光量のみでなく、発光色の種類数についても低減させることが考えられる。例えば、所定の演出において使用されるのと同じ発光パターンで所定の範囲(遊技盤全体、所定の演出装置、所定の領域など)に配置されたLEDが駆動されるが、遊技者により調整された光量レベルが所定値(レベル2など)以下になると、発光色のパターン数が、演出時よりも減少する、といったものを考えることができる。
そして、通常の演出時(光量レベルが所定値より大きい場合)には赤、青、緑等といった各種の色を使った発光制御が行われるが、光量を所定値以下に調整した場合には青(及び緑)の発光は行わずに省略し、赤と緑(或いは赤)のみの発光が、演出時の赤色の発光と同様に行われる。このようにすることで、色数の多い演出を苦手としている遊技者にとって、好みに合った発光態様にて発光演出を行うことが可能となる。そして、光量調整時における遊技者への視覚的な刺激を抑制するとともに、青色の発光を行わない場合には、目の疲れへの影響が大きいブルーライトをカットすることが可能となる。
また、これに限らず、例えば演出時に用いられる演出装置毎や部位毎に異なる発光パターンのうち、光量調整時(所定値以下に光量レベルが設定されているとき)には一部の発光パターンでのLED駆動を行わず、発光パターン数を減らすようにすることも可能である(例えば、短時間に高速に点滅するパターンを使用しないなど)。また、色の種類と発光パターンの種類の両方を光量調整時に減らすようにしてもよい。なお、フルカラーLEDの三原色のうち1つをオフとする以外にも、光量レベルが所定値以下となった場合に、赤青緑の各光源の発光パターンにおける輝度レベルを均一化して、白色のみで発光するようにすることで、発光色数を減らす方法もある。
また、上記例では、光量レベルを所定値以下に設定することに伴って、色の種類数、発光パターンの種類数を変更可能としているが、光量レベルとは別に、色の種類数、及び、発光パターンの種類数のそれぞれについて設定可能としてもよい。このようにすることで、色のちらつきは苦手であるが、明るさはそのままが良いといった遊技者のニーズにこたえることも可能となる。
また、前述した実施例においては、光量調整時には、白色光や赤系統の色での発光など、単色で発光する態様も例示していたが、光量レベルの調整に伴い色数を変更する場合には、光量調整中にも複数色で発光し得る態様で光量調整用の発光パターンを構成し、光量レベルが所定値以下になったことに基づいて単色での発光に変更し、色数が減少したように視認可能となるよう設計してもよい。
<その他の実施形態>
なお、本発明は上述した各種の実施態様に限定されるものではなく、種々に変形が可能なものである。例えば、本発明は、遊技者が獲得した遊技媒体としての遊技球を、前述のように、遊技者に対し直接的に払出して遊技者が賞球に触れることができるようにしているぱちんこ遊技機に限られず、例えば、遊技機内部で遊技球を循環させて使用する封入循環式のぱちんこ遊技機(管理遊技機)にも適用が可能である。さらに、封入循環式のぱちんこ遊技機としては、遊技媒体の出入りを電磁的に記録することが可能なものを例示できる。
また、本発明は、所定数の図柄が配列された複数のリールを備え、遊技者の操作に基づきリールの回転開始と回転停止の制御を行い、当せんした入賞役に応じて遊技メダル等の遊技媒体の払出し(貯留装置への貯留を含む)を行うスロットマシン(回胴式遊技機)にも適用が可能なものである。さらに、本発明は、例えばカジノ施設に設置されるカジノマシンなどにも適用が可能である。