[第1実施形態]
以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図28に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、枠体92の内部に遊技板11を備え、枠体92に備えたガラス枠92G越しに遊技板11が前方から視認することができるようになっている。また、枠体92のうちガラス枠92Gより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。そして、下皿27Bの右端部に設けた操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が遊技板11の遊技領域Rに向けて弾き出される。また、上皿27Aに設けたボタン29を押せば、上皿27Aから下皿27Bに遊技球が移動して収容される。さらに、上皿27Aを挟んだ両側には、スピーカ59Sが備えられている。
遊技板11には、ガイドレール12が取り付けられ、ガイドレール12の内側が遊技領域Rになっている。遊技板11には、遊技領域Rのほぼ中央部に、1対の矩形窓11W,11Wが横並びに間隔を開けて配置して貫通形成されている。また、遊技板11の裏面から各液晶表示器90,91(詳細には、TFT−LCDモジュール)が各矩形窓11W,11Wに宛がわれている。そして、これら1対の液晶表示器90,91の表示画面が、本発明に係る1対の分離表示画面90G,91Gになっている。また、これら1対の液晶表示器90,91により本発明に係る表示装置26が構成され、1対の分離表示画面90G,91Gにより表示装置26全体の表示画面26Gが構成されている。
遊技領域Rのうち上端部には、両液晶表示器90,91の上方を覆うように上部ランプ23が遊技板11から突出している。また、遊技領域Rの両側端部には、1対のサイドランプ22,22が設けられている。これら上部ランプ23、サイドランプ22は、LEDを透光部材で覆ってなる。
遊技領域Rのうち下端部には、アウト口16が設けられ、そのアウト口16の上側には大入賞口15が設けられている。また、表示装置26と大入賞口15との間には、左右方向の中央から側方に向かって左右対称に、1対の始動入賞口14A,14Bと、1対の始動ゲート18A,18Bとが設けられている。そして、一方の液晶表示器90の下方に、それに対応した始動入賞口14A及び始動ゲート18Aが配置され、他方の液晶表示器91の下方に、それに対応した始動入賞口14B及び始動ゲート18Bが配置されている。また、始動ゲート18A,18Bの側方には、1対の第1のサイド入賞口20,20が左右対称に設けられ、始動ゲート18A,18Bの斜め下方で、大入賞口15の左右両側には、1対の第2のサイド入賞口21,21が備えられている。さらに、遊技領域Rには、図示しない複数の釘が起立している。
第1及び第2のサイド入賞口20,21は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口している。そして、各サイド入賞口20,21に遊技球が入賞すると、サイド入賞口20,21の内部に設けたサイド入賞口センサ20S,21S(図2参照)が遊技球を検出して、例えば、所定数の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。
各始動入賞口14A,14Bは、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14A,14Bの開口幅は、遊技球が丁度1つ入る大きさになっている。そして、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、始動入賞口14A,14B内に設けた始動口センサ14S(図2参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて、例えば、4個の遊技球が賞球として上皿27Aに払い出される。
始動ゲート18A,18Bは、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなしている。そして、何れかの始動ゲート18A(18B)に遊技球が通過すると、その始動ゲート18A(18B)に内蔵したゲートセンサ18S(図2参照)によって遊技球が検出される。また、これら始動ゲート18A,18Bに対応させて、両分離表示画面90G,91Gには、互いに離れた側の下端部に普通図柄表示部90F,91Fがそれぞれ設けられている(図3参照)。そして、始動ゲート18A(18B)のゲートセンサ18Sが遊技球の通過を検出すると、それに対して当否判定(本発明に係る「当否判定」とは異なる)が行われ、例えば、「0」〜「9」までの数字から構成される普通図柄が普通図柄表示部90F(91F)に所定期間に亘って変動表示され、その後、所定の数字を確定表示する。ここで、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合に、遊技球が通過した始動ゲート18A(18B)に対応した始動入賞口14A(14B)における可動翼片14C,14Cが、所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。これにより、遊技球が可動翼片14C,14Cに案内されて始動入賞口14A(14B)に入り易い状態になる。
何れかの始動入賞口14A(14B)に遊技球が入賞すると、上述の如く遊技球が賞球として上皿27Aに払い出されると共に、本発明に係る「遊技の当否判定」が行われる。そして、その当否判定の結果が、遊技球が入賞した何れかの始動入賞口14A(14B)と対応した分離表示画面90G(91G)に表示される。
具体的には、図3に示すように、各分離表示画面90G,91Gには、通常、3つの左、中、右の特別図柄94A,94B,94Cが横並びに表示されている。これら各特別図柄94A,94B,94Cは、例えば、「0」〜「9」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄94A,94B,94Cごと、所定の種類のものが停止表示されている。そして、何れかの始動入賞口14A(14B)に遊技球が入賞したときに、対応した分離表示画面90G(91G)に、3つの特別図柄94A,94B,94Cが上下方向にスクロール表示され、所定時間後に、例えば、左、中、右の順で各特別図柄94A,94B,94Cが停止表示される。このとき、例えば、全ての特別図柄94A,94B,94Cが同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が「大当たり状態」になる。また、停止表示された特別図柄94A,94B,94Cの図柄の組合せが「0」〜「9」の何れかの奇数のぞろ目(確変図柄)となった場合には、次回の当否判定における「当たり」の発生確率が、通常遊技状態に比較して高い確率変動状態に移行する。より詳細には、特別図柄94A,94B,94Cがぞろ目となって「当たり」が発生する確率は、通常遊技状態時には2/630であるが、確率変動状態では20/630となる。
各分離表示画面90G,91Gにおいて特別図柄94A,94B,94Cが変動表示又は「大当たり状態」の最中に始動入賞口14A,14Bに入賞した場合は、その入賞に起因して取得された後述する所定のカウンタ値に基づく処理(例えば、当否判定や図柄の決定)が保留され、カウンタ値が記憶されると共に、保留記憶数(後述のRAM51Bに設けられた図示しない保留数記憶領域の数値)が1加算される。そして、各分離表示画面90G(91G)において特別図柄94A,94B,94Cの変動表示が開始される(保留記憶が1つ消費される)ときに、保留記憶数が1つ減らされて、保留記憶数が0になるまでこの動作が繰り返される。本実施形態では、各始動入賞口14A,14B毎にそれぞれ最大で4個(計8個)まで保留記憶される。また、保留記憶数は各始動入賞口14A,14Bに上限数の「4個」に達しているか否かが判断され、保留記憶数が上限数の「4個」に達している場合に始動入賞口14A(14B)に入賞したときには、始動口センサ14Sによって入賞球が検出されるが、この入賞球に起因する所定のカウンタ値の取得及びその取得カウンタ値に基づく特別図柄94A,94B,94Cの変動及び停止表示は行われない。
また、各分離表示画面90G(91G)のうち例えば、遊技領域Rの左右方向の中心から離れた側の上端部には保留記憶数を表示するための保留数表示領域90E(91E)が設定されている(図3参照)。保留数表示領域90E(91E)は、4つのマス目90M(91M)を分離表示画面90G,91Gの縦向き辺に沿って、上下に一直線上に並べた構成をなし、保留記憶が発生すると、下側のマス目90M(91M)から順番に、例えば、星形図柄99が連なって表示される。また、保留記憶が消費されると、上側のマス目90M(91M)から順番に、星形図柄99が消失する。そして、表示された星形図柄99の合計数でもって、現在の保留記憶数が遊技者に報知されている。また、星形図柄99が表示されていない空のマス目90M(91M)の数によって、あといくつ保留記憶させることが可能かを知ることができる。さらに、保留記憶が発生すると下側のマス目90M(91M)から順番に積み重なるように星形図柄99が表示され、保留記憶が消費されると上側のマス目90M(91M)から順番に星形図柄99が消失するので、保留記憶数の増減が分かり易くなる。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、上記したように何れかの分離表示画面90G,91Gにおける特別図柄94A,94B,94Cの表示が大当たりの表示になると、遊技板11の裏に設けたソレノイド15C1(図2参照)が励磁され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能となる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したかの何れかの条件が先に満たされた場合に終了する。また、「大当たり状態」は、最大で、例えば16ラウンドまで継続される。
大入賞口15の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられている。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイド15C2(図2参照)が励磁されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサ15S1(図2参照)が遊技球の入賞を検出すると、前述した終了条件を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサ15S2(図2参照)が遊技球の入賞を検出すると、継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。なお、大入賞口15に遊技球が入賞すると、例えば、15個の遊技球が上皿27Aに払い出される。
次に、図2を参照しつつ本実施形態のパチンコ遊技機10の電気的な構成について説明する。同図において、50は、メイン制御回路であって、CPU51AとRAM51B及びROM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備えている。
メイン制御回路50には、図示しない初期化リセット回路と定期リセット回路とが備えられている。初期化リセット回路は、パチンコ遊技機10の電源投入時に、ワンチップマイコン51のリセット端子に初期化信号を出力する。定期リセット回路は、周期的(例えば、4msec毎)に割り込みパルスをワンチップマイコン51に出力する。ワンチップマイコン51は、割り込みパルスを受ける度に、図9に示した後述する割り込み処理(S11)を実行し、前述した各始動口センサ14S、ゲートセンサ18S等の各センサから検出信号を受け、サブ制御回路70、発射制御回路56、払出制御回路58等に制御信号を出力して各部位を制御する。なお、ワンチップマイコン51は、入出力回路54を介して各センサから検出信号を受ける。
払出制御回路58は、ワンチップマイコン51から受けた信号に基づき、賞球払出装置35及び貸球払出装置36を駆動して、所定数の遊技球を上皿27Aに払い出す。また、発射制御回路56は、ワンチップマイコン51から受けた信号に基づき、発射装置37を駆動して、遊技球を遊技領域Rに向けて発射する。
サブ制御回路70は、CPU71AとRAM71B及びROM71Cを合わせてパッケージしてなる副ワンチップマイコン71を主要部として備えている。そして、副ワンチップマイコン71が、入出力回路74を介して受信したワンチップマイコン51からの制御信号(コマンド)に基づいて、入出力回路74を介して、表示制御回路90A,91A、ランプ制御回路55、音声制御回路59等に制御信号を出力して各部位を制御する。
ランプ制御回路55は、サブ制御回路70からの制御信号(コマンド)に基づいて左右のサイドランプ22、上部ランプ23等の発光パターンの選択、発光データの設定を行う。具体的には、ランプ制御回路55には、前記ランプ、LEDを発光させるための制御データ等を記憶する制御データROM、サブ制御回路70から受信したコマンドを一時記憶する制御データRAM、ランプ発光データを記憶するランプデータROMを備える。そして、発光制御用CPUが、サブ制御回路70から受けたコマンドに基づいて発光制御回路に信号を出力し、発光制御回路がその信号に基づいてランプ発光データROMから必要なデータを読み出し、左右のサイドランプ22,22等を発光させる。
音声制御回路59は、サブ制御回路70からの制御信号(コマンド)に基づいてスピーカ59Sから発生させるBGMや演出時の音声の選択を行い、その音声データを設定する。具体的には、音声制御回路59には、音声を発生させるための制御データ等を記憶する制御データROMと、サブ制御回路70からのコマンドを一時記憶する制御データRAM、演出時の各種音声データ、BGMデータを記憶する音声データROMを備える。そして、音声制御用CPUが、サブ制御回路70からのコマンドに基づいて音声合成回路に信号を出力し、音声合成回路が音声制御用CPUからの信号に基づいて音声データROMから必要な音声データを読み出して音声信号を合成し、アンプに出力する。そして、アンプは音声信号を増幅してスピーカ59Sに出力する。これにより、スピーカ59Sから音声が発生される。
一方の表示制御回路90Aは一方の液晶表示器90に接続され、他方の表示制御回路91Aは、他方の液晶表示器91に接続されている。また、これら両表示制御回路90A,91A及び両液晶表示器90,91に係る電気的な構成は、同じになっている。即ち、各表示制御回路90A,91Aは、表示制御用CPU90C,91Cと、制御データを記憶した制御データROM90B,91Bと、特別図柄94A,94B,94C、演出図柄、背景画像、キャラクタ画像、文字画像等の画像データを記憶した画像データROM90J,91J、制御データRAM90S,91Sと、図示しないVRAM、VDPと、入力回路90X,91Xと、出力回路90Y,91Yとを備えている。
そして、サブ制御回路70からの制御信号(コマンド)に基づき、表示制御用CPU90C,91Cが、制御データROM90B,91Bから所定の表示制御データを取り出し、制御データRAM90S,91Sの記憶領域で制御用データを生成してVDP(図示せず)に出力する。VDPは、表示制御用CPU90C,91Cからの指令に基づいて画像データROM90J,91Jから必要なデータを読み出し、表示画像における特別図柄94A,94B,94C、演出図柄、背景画像、キャラクタ画像、文字画像等のマップデータを作成し、VRAMに格納する。そして、格納記憶された画像データは、出力回路90Y,91Yに備えたD/A変換回路にてRGB信号に変換されて、分離表示画面90G,91Gに出力される。また、VDPからは、複合同期信号SYNCが分離表示画面90G,91Gに出力される。そして、分離表示画面90G,91Gは、送信されてきたRGB信号及び複合同期信号SYNCに基づいて画像を表示する。なお、上記した各種回路及び装置は、パチンコ遊技機10の後面の所定の位置(図示せず)に取り付けられている。
電気的な構成は以上であり、次に、CPU51AがRAM51Bに設定する格納領域(メモリー空間)R0の構成について説明する。即ち、RAM51Bの格納領域R0は、図6に示すように、複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、格納領域R0における所定のアドレス空間に、各種乱数としてのカウンタ値(表1を参照)やその他のデータ、フラグが格納されている。また、RAM51Bは、CPU51Aの作業領域も備えている。
RAM51Bの格納領域R0のうち、第1乱数値記憶領域R10には、一方の始動入賞口14Aへの遊技球の入賞を起因として取得された各種カウンタ値が乱数値として記憶される。そして、この第1乱数値記憶領域R10に格納された各種カウンタ値に基づいて、大当たり判定や一方の分離表示画面90Gに表示する特別図柄94A,94B,94Cの変動態様の設定等の遊技制御が行われる。ここで、第1乱数値記憶領域R10は保留記憶数の上限数分、即ち、一方の始動入賞口14A用に4つの保留データ格納部が備えられている。そして、各カウンタ値は、保留記憶数に応じて、これら4つの保留データ格納部のうちの下位側(図6におけるアドレス「0000」側)から順番に記憶される。
第2乱数値記憶領域R20には、他方の始動入賞口14Bへの遊技球の入賞を起因として取得されたカウンタ値が記憶される。そして、この第2乱数値記憶領域R20に格納された各種カウンタ値に基づいて、大当たり判定や他方の分離表示画面91Gに表示する特別図柄94A,94B,94Cの変動態様の設定等の遊技制御が行われる。その他は、上記した第1乱数値記憶領域R10と同様である。
ここで、本実施形態においては、乱数を生成するために表1に示したカウンタが設けられている。
次に、上記構成からなるパチンコ遊技機10の動作を、図7〜図28に示したフローチャートを参照しつつ説明する。パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ワンチップマイコン51(図2を参照)は、図7に示したメインプログラムMをROM51Cから取り出してランする。
メインプログラムMがランされると、まず初期設定が行われる(S1)。初期設定(S1)では、例えば、スタックの設定、定数設定、CPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、後述する各種フラグ及びカウンタのリセット等を行う。なお、初期設定(S1)は、メインプログラムMが、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S1)に次いで、割り込み禁止処理(S2)が行われ、後に詳説する割り込み処理(S5)が実行不可能な状態になる。この状態で、特別図柄乱数更新処理(S3)が実行される。
特別図柄乱数更新処理(S3)は、図8に示されている。この処理(S3)では、上記表1で示した各カウンタが更新される。表1に示した各カウンタは、図8に示した特別図柄乱数更新処理(S3)の「XRNDX」に置き換えて更新される。具体的には、これら各カウンタは、電源投入時には「0」に設定され、特別図柄乱数更新処理(S3)が実行される毎に、1インクリメントされる(S30)。また、表1における各カウンタの数値範囲の上限値は、図5における「Y」に置き換えられ、各カウンタ(XRND)が上限値(Y)を越えたか否かがチェックされる(S31)。そして、上限値を越えた場合(S31でYes)には、下限値(「0」)にリセットされて(S32)、再び下限値から1インクリメントされる。このように更新された各カウンタ値は、前記RAM51Bの更新値記憶領域に逐一記憶され(S33)、この乱数更新処理(S3)から抜ける。
さて、図7に示すように、特別図柄乱数更新処理(S3)を抜けると、割り込み許可処理(S4)が行われて割り込み処理(S5)が実行可能となる。ここで、割り込み処理(S5)は、定期リセット回路から所定の周期毎(例えば、4msec毎)に出力される割り込みパルスがワンチップマイコン51入力したことを起因にして開始される。そして、割り込み処理(S5)が終了して、次に割り込みパルスが入力するまでの間は、ステップS2〜S4の処理が、繰り返し実行される。つまり、割り込み処理(S5)が終了してから、次に割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、特別図柄乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。
また、割り込み禁止状態のとき、即ち、特別図柄乱数更新処理(S3)を実行している最中にワンチップマイコン51に割り込みパルスが入力した場合は、割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込み許可処理(S4)が実行された後で開始される。つまり、割り込み処理(S5)は、特別図柄乱数更新処理(S3)の途中に割り込んで実行されることはない。
さて、図9〜図21に基づいて割り込み処理(S5)についてより詳細に説明する。割り込み処理(S5)は、上記したように、ワンチップマイコン51への割り込みパルスの入力に起因して実行され、始動入賞口14A,14Bや始動ゲート18A,18Bへの遊技球の入賞に起因した処理を行う。
図9に示すように、割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が実行される。この処理(S10)は、後述する特別動作処理(S15)において決定された各種コマンドが、RAM51Bの出力バッファに格納されているか否かをチェックして、コマンドが格納されていた場合には、そのコマンドを、サブ制御回路70や払出制御回路58等の各種回路に出力する。
出力処理(S10)に次いで行われる入力処理(S11)では、各入賞口14A,14B,15,20,21及び始動ゲート18A,18B等に備えた各種センサ14S,15S1,15S2,20S,21S,18S等による遊技球の検出信号を受信する。
次いで、普通図柄及び普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S12)が実行される。この処理では、上記表1に示した各種カウンタ値及び普通図柄決定用のカウンタの両方が上記ステップS3における処理と同様にして更新される。つまり、普通図柄決定用のカウンタ値は、割り込み処理(S5)中にのみ更新され、表1に示した各種カウンタ値は、前述した残余処理期間(割り込み処理(S5)が終了後、次の割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)中にも行われている。
図9に示すように、割り込み処理(S5)では、普通図柄・特別図柄乱数更新処理(S12)に次いで、始動口センサ検出処理(S13)が行われる。この処理(S13)では、RAM51Bの更新値記憶領域に格納されている各種カウンタ値が取り出されて第1乱数値記憶領域R10又は第2乱数値記憶領域R20の保留記憶数に対応する保留データ格納部に格納される。具体的には、図10に示すように、まず、左側の始動入賞口14Aに遊技球が入賞したか否か、即ち、左側の始動入賞口14Aに備えた始動口センサ14Sによって遊技球が検出されたか否かがチェックされる(S150)。
ここで、左側の始動入賞口14Aに遊技球が入賞していなかった場合は(S150でNo)、直ちにステップS155に進む。左側の始動入賞口14Aに遊技球が入賞した場合(S150でYes)には、左側の始動入賞口14Aへの入賞に起因して取得した各種カウンタ値(乱数)の保留記憶数が4個(上限数)に達しているか否かがチェックされる(S151)。保留記憶数が4個に達している場合(S151でYes)、即ち、第1乱数値記憶領域R10における4つの保留データ格納部の全てにデータが格納されている場合には、新たなカウンタ値の記憶を行わずに、直ちにステップS155に進む。一方、保留記憶数が4個未満であった場合(S151でNo)には、保留記憶数(RAM51Bの保留数記憶領域の数値)を1加算し(S152)、各種カウンタ値を取得する。詳細には、RAM51Bの更新値記憶領域に記憶されている大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出し、その大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を、RAM51Bに備えられた第1乱数値記憶領域R10の4つの保留データ格納部のうち最も下位側で空いているところに格納する(S153)。次に、RAM51Bの更新値記憶領域に記憶されている大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)を読み出し、第1乱数値記憶領域R10の4つの保留データ格納部に対応したRAM51B上の大当たり図柄乱数格納部に格納する(S154)。
次いで、右側の始動入賞口14Bに遊技球が入賞したか否かがチェックされる(S155)。ここで、右側の始動入賞口14Bに遊技球が入賞していなかった場合は(S155でNo)、直ちにこの処理(S15)を抜ける。右側の始動入賞口14Bに遊技球が入賞した場合(S155でYes)には、右側の始動入賞口14Bへの入賞に起因して取得した各種カウンタ値(乱数)の保留記憶数が4個に達しているか否かがチェックされる(S156)。保留記憶数が4個に達している場合(S156でYes)には、直ちにこの処理(S15)を抜ける。一方、保留記憶数が4個未満であった場合(S156でNo)には、保留記憶数を1加算し(S157)、各種カウンタ値を取得する。詳細には、RAM51Bの更新値記憶領域に記憶されている大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出し、その大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を、第2乱数値記憶領域R20の4つの保留データ格納部のうち最も下位側で空いているところに格納する(S158)。次に、大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)を読み出し、第2乱数値記憶領域R20の4つの保留データ格納部に対応したRAM51B上の大当たり図柄乱数格納部に格納する(S159)。
なお、始動口センサ検出処理(S13)では、図示されていないが、リーチカウンタ値(ラベル−TRND−RC)、変動態様カウンタ値(ラベル−TRND−T1)も更新値記憶領域から取り出されて、第1乱数値記憶領域R10又は、第2乱数値記憶領域R20の保留記憶数に対応する保留データ格納部に格納される。即ち、各始動入賞口14A,14Bへの遊技球の入賞を契機として、各種カウンタ値(大当たりカウンタ値、大当たり図柄カウンタ値、リーチカウンタ値、変動態様カウンタ値)が取得される。以上が始動口センサ検出処理(S13)の説明である。
図9に示すように、割り込み処理(S5)では、始動口センサ検出処理(S13)に次いで、普通図柄処理(S14)が行われる。この処理では、始動ゲート18A,18B内に設けた普通図柄始動センサが遊技球の通過を検出したときに、RAM51Bの普通図柄判定用カウンタ値の更新領域から、カウンタ値(乱数)を取得し、各始動ゲート18A,18Bに対応させてRAM51Bに設けられた1対の取得領域に格納する。
普通図柄処理(S14)に次いで行われる特別動作処理(S15)及び保留球数処理(S16)は、第1乱数値記憶領域R10に関連した格納データに対して実行され、その後、同じ構成の特別動作処理(S15’)及び保留球数処理(S16’)が、第2乱数値記憶領域R20に関連した格納データに対して実行される。即ち、左側の始動入賞口14Aへの入賞に対して特別動作処理(S15)及び保留球数処理(S16)が実行された後、右側の始動入賞口14Aへの入賞に対して特別動作処理(S15’)及び保留球数処理(S16’)が実行される。
具体的には、図11に示すように、外れ特別図柄作成処理(S170)を行うと共に、特別動作ステータスに応じた処理を行う(S171〜S177)。外れ特別図柄作成処理(S170)は、図12に示されており、まず、RAM51Bの更新値記憶領域のアドレスをセットして、左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)を読み出す(S100)。次に、判定値として、右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)を読み出す(S101)。そして、読み出した左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)と右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)とを比較し(S102)、一致していた場合(S102でYes)には、直ちにこの処理(S170)を抜ける。
一方、一致しなかった場合(S102でNo)には、外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)の格納先のアドレスとして、第1乱数値記憶領域R10のうちデータ格納中の保留データ格納部のアドレスをセットし(S103)、更新値記憶領域に記憶されている外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)を、その保留データ格納部に転送して格納する(S104)。
図11に示すように、特別動作処理(S15)では、外れ特別図柄作成処理(S170)に次いで、特別動作ステータスがチェック(S171)され、この特別動作ステータスに基づいて特別図柄待機処理(S172)、特別図柄変動処理(S174)、特別図柄確定処理(S176)、特別電動役物処理(S177)の何れかが実行される。
特別動作ステータスが「1」であった場合(S171でYes)、即ち、特別図柄94A,94B,94Cが変動表示中又は大当たり遊技中の何れでもない場合には、特別図柄待機処理(S172)が実行される。
特別図柄待機処理(S172)は、図13に示されている。まず最初に、第1乱数値記憶領域R10のうち、最も下位(図6におけるアドレス「0000」側)に記憶されたカウンタ値(即ち、左側の始動入賞口14Aに対するカウンタ値)に対して、この特別図柄待機処理(S172)が行われる。具体的には、まず、保留記憶数が「0」か否かがチェックされる(S202)。保留記憶数が「0」である場合(S202でYes)、即ち、左側の始動入賞口14Aへの入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が無い場合には、左側の分離表示画面90Gの表示が待機画面であるか否かがチェックされる(S208)。表示が待機画面である場合(S208でYes)には直ちにこの処理(S172)を抜ける一方、表示が待機画面でない場合(S208でNo)には、待機画面を設定する処理(S209)を行ってから、この処理(S172)を抜ける。
一方、保留記憶数が「0」ではない場合(S202でNo)、即ち、左側の始動入賞口14Aへの入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶がある場合には、以下に説明する、特別図柄大当たり判定処理(S203)、特別図柄選択処理(S204)、特別図柄変動パターン作成処理(S205)、特別図柄乱数シフト処理(S206)、特別図柄変動開始設定(S207)が行われる。
特別図柄大当たり判定処理(S203)では、遊技の当否判定が行われ、「大当たり遊技」の実行の可否が判定される。詳細には、図14に示すように、まず、判定値として、RAM51Bの第1乱数値記憶領域R10に格納されている大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S310)。次に、大当たり判定値テーブルのアドレスをセットし(S311)、これにより、確率変動状態における比較値として「77」〜「96」が設定され、非確率変動状態における比較値として「77」,「78」が設定される。次いで、確率変動状態(確変フラグがオン)か否かをチェック(S312)して確率変動状態である場合(S312でYes)には、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)の値が「77」〜「96」の何れかと一致したか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される(S315)。一方、非確率変動状態である場合(S312でNo)には、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)の値が「77」又は「78」と一致したか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される(S313)。そして、何れかの場合も「大当たりである」と判定した場合には(S313でYes、S315でYes)、大当たりフラグがオンされ(S314)、「大当たりではない」と判定した場合には(S313でNo、S315でNo)、何もせずにこの処理を抜ける。以上が特別図柄大当たり判定処理(S203)の説明である。
図13に示すように特別図柄大当たり判定処理(S203)に次いで特別図柄選択処理(S204)が実行される。この特別図柄選択処理(S204)は図15に示されており、まず、大当たりフラグの有無をチェックする(S210)。
大当たりフラグがセットされている場合(S210でYes)、即ち、取得した大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が大当たり判定値テーブルの当たり数値の何れかに一致していた場合には(表2を参照)、左側の分離表示画面90Gにおける特別図柄94A,94B,94Cをぞろ目となる組合せに決定する。具体的には、始動口センサ検出処理(S13)で取得した大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)に対応する停止図柄データを、左側の分離表示画面90Gに対応する出力バッファに記憶して(S211)、この処理(S204)を抜ける。
一方、大当たりフラグがセットされていない場合(S210でNo)、即ち、取得した大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が当たり数値の何れとも一致しなかった場合には、左側の始動入賞口14Aの入賞に起因して取得したリーチカウンタ値(ラベル−TRND−RC)が予め設定された11個のリーチ発生数値(例えば、5,17,28,40,51,63,74,86,97,109,120)の何れかと一致したか否かをチェックする(S212)。
取得したリーチカウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ発生数値の何れかと一致した場合(S212でYes)には、特別図柄94A,94B,94Cの停止図柄がリーチ外れとなる組合せにする。
具体的には、右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)の数値を強制的に左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)の数値と同一数値に変更し(S213)、かつ中外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B2)の数値を強制的に前記左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)の数値に1加算した数値に変更し(S214)、それらの数値に対して予め決められている図柄を外れ図柄組合せとして決定する(S215)。即ち、特別図柄94A,94B,94Cを、例えば、「1 2 1」、「2 3 2」の如く確定停止表示されるように決定する。そして、その停止図柄データを左側の分離表示画面90Gに対応する出力バッファに記憶して、この処理(S204)を抜ける。
取得したリーチカウンタ値(ラベル−TRND−RC)が上記したリーチ発生数値の何れとも一致しなかった場合(S212でNo)、即ち、リーチ無し外れの場合には、外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)に対応する停止図柄データを、左側の分離表示画面90Gに対応する出力バッファに記憶して(S216)、この処理(S204)を抜ける。以上が特別図柄選択処理(S204)の説明である。
図13に示すように、特別図柄選択処理(S204)に次いで、特別図柄変動パターン作成処理(S205)が実行される。この特別図柄変動パターン作成処理(S205)は、図16に示されており、最初に、左側の始動入賞口14Aに係る大当たりフラグがオンしているか否かが判別される(S240)。そして、大当たりフラグがオンしている場合には(S240でYes)、取得した変動態様カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて、下記表3に示した第1変動パターンテーブルの中から、変動パターン1(変動態様1)又は変動パターン2(変動態様2)の何れかが選択される(S241)。具体的には、取得した変動態様カウンタ値(ラベル−TRND−P)の値が、0〜194の何れかの値であった場合には、変動パターン1(変動態様1)が選択され、取得した変動態様カウンタ値(ラベル−TRND−P)の値が、195〜198の何れかの値であった場合には、変動パターン2(変動態様2)が選択される。
一方、大当たりフラグがオフしている場合には(S240でNo)、取得した変動態様カウンタ値(ラベル−TRND−P)に基づいて、下記表4に示した第2変動パターンテーブルの中から、変動パターン1(変動態様1)又は変動パターン2(変動態様2)又は変動パターン3(変動態様3)の中から何れかが選択される(S243)。具体的には、取得した変動態様カウンタ値(ラベル−TRND−P)の値が、0であった場合には、変動パターン1(変動態様1)が選択され、取得した変動態様カウンタ値(ラベル−TRND−P)の値が、1〜18の何れかの値であった場合には、変動パターン2(変動態様2)が選択され、取得した変動態様カウンタ値(ラベル−TRND−P)の値が、19〜198の何れかの値であった場合には、変動パターン3(変動態様3)が選択される。
そして、変動パターンが選択されたら、その他の処理(S242)を行ってから、この特別図柄変動パターン作成処理(S205)を抜ける。なお、その他の処理では、選択された変動パターンに応じた変動パターンコマンドがRAM51Bの出力バッファに格納される。
ここで、本実施形態の構成によれば、大当たりの場合に、変動パターン1が選択される確率は、195/199であり、変動パターン2が選択される確率は、4/199であり、変動パターン3が選択される確率は、0である。これに対して、大当たりでない場合に、変動パターン1が選択される確率は、1/199であり、変動パターン2が選択される確率は、19/199であり、変動パターン3が選択される確率は、179/199である。
このように、本実施形態は、遊技が当たりの場合に選択され得る当たり用の変動態様群(表3の第1変動パターンテーブルに記載された変動パターン1,2)と、遊技が外れの場合に選択され得る外れ用の変動態様群(表4の第2変動パターンテーブルに記載された変動パターン1,2,3)とが設けられると共に、それら当たり用と外れ用の両変動態様群には、本発明の「高期待度変動態様」に相当する変動パターン1(変動態様1)が共通して含められた構成になっている。そして、この「高期待度変動態様」に相当する変動パターン1が、当たり用の変動態様群(表3の第1変動パターンテーブルに記載された変動パターン1,2)の中から選択される確率(=195/199)は、変動パターン1が、外れ用の変動態様群(表4の第2変動パターンテーブルに記載された変動パターン1,2,3)の中から選択される確率(=1/199)より高くなるように設定されている。つまり、第1の変動パターン(変動態様)は、遊技が外れの場合よりも、当たりの場合に選択され易くなっている。
図13に示すように、特別図柄変動パターン作成処理(S205)に次いで、特別図柄乱数シフト処理(S206)が行われる。この処理(S206)は、図17に示されており、まず保留記憶数が1ディクリメントされる(S350)。次いで、第1乱数値記憶領域R10における各種カウンタ値(乱数値)の格納場所を、1つ下位側アドレス(図6におけるアドレス「0000」側)にシフトする(S351)。そして、第1乱数値記憶領域R10の最上位の格納場所に「0」をセットして(S352)、この処理(S206)を抜ける。
特別図柄乱数シフト処理(S206)に次いで行われる特別図柄変動開始設定(S207)では、特別動作ステータスを「2」に設定すると共に、変動開始コマンドを、RAM51Bの出力バッファに格納する。以上が、特別動作処理(S15)における特別図柄待機処理(S172)の説明である。
図11に示す特別動作処理(S15)において、特別動作ステータスが「2」であった場合(S171でNo、S173でYes)、即ち、左側の分離表示画面90Gで特別図柄94が変動表示中の場合には、特別図柄変動処理(S174)が実行される。この処理(S174)は図18に詳細に示されており、まず、特別図柄変動パターン作成処理(S205、図16を参照)で設定された変動パターン(変動態様)に応じた変動表示時間が経過したか否かがチェックされ、経過していない場合(S261でNo)には、直ちにこの処理(S174)を抜けて、左側の分離表示画面90Gへの特別図柄94A,94B,94Cの変動表示を続行する。
一方、変動パターン(変動態様)に応じて設定された変動表示時間に亘って特別図柄94A,94B,94Cの変動表示が行われた場合(S261でYes)には、変動停止テーブルのアドレスをセット(S262)してから、データ格納処理(S263)が行われる。これらの処理(S262,S263)では、変動表示中の特別図柄94A,94B,94Cを停止表示させる変動停止コマンドを設定する。次いで、特別動作ステータスを「3」に設定し(S264)、その他の処理(S265)を行ってから、この処理(S174)を抜ける。
図11に示す特別動作処理(S15)において、特別動作ステータスが「3」の場合(S173でNo、S175でYes)には、特別図柄確定処理(S176)が実行される。特別図柄確定処理(S176)は、図19に示されており、まず、左側の始動入賞口14Aに係る大当たりフラグがオンしているか否か(大当たりか否か)がチェックされる(S270)。
大当たりフラグがオンしていない場合(S270でNo)には、特別動作ステータスを「1」にセットして(S271)、この特別図柄確定処理(S176)から抜ける。一方、大当たりフラグがオンしている場合(S270でYes)には、特別図柄94A,94B,94Cに対するラウンドカウンタをセットする(S272)。そして、特別動作ステータスを「4」にセットして(S273)、この特別図柄確定処理(S176)から抜ける。
ここで、ラウンドカウンタとは、大当たり遊技における「ラウンド」数をカウントするものであり、本実施形態では、特別図柄94A,94B,94Cに対するラウンドカウンタの初期値は「16」に設定されている。
図11に示す特別動作処理(S15)において、特別動作ステータスが「4」の場合(S175でNo)、即ち、遊技が「大当たり状態」である場合には、特別電動役物処理(S177)が行われる。特別電動役物処理(S177)は、図20に示されており、まず、確変フラグをオフする(S280)。つまり、大当たり遊技が開始されると、強制的に確率変動状態が終了する。
次いで、大当たり終了フラグが「1」か否かがチェックされる(S281)。大当たり終了フラグが「1」ではない場合(S281でNo)、即ち、大当たり遊技中である場合には、大入賞口15が開放中か否かがチェックされる(S282)。
大入賞口15が開放中である場合(S282でYes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かがチェックされる。具体的には、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか否か(S286)及び、ラウンド終了時間(大入賞口15の開放時間が30秒)となったか否か(S287)がチェックされる。
ラウンド終了条件が不成立であった場合(S286及びS287の何れもNo)には、直ちにこの処理(S177)を抜ける一方、ラウンド終了条件が成立した場合(S286及びS287の何れかでYes)には、以下のラウンド終了時の処理(S288〜S292)が行われる。
即ち、大入賞口閉鎖処理(S288)によって、可動扉15Tが大入賞口15を閉鎖すると共に、ラウンドカウンタが1ディクリメントされ(S289)、ラウンドカウンタが「0」となったか否かがチェックされる(S290)。
ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S290でNo)、即ち、大当たり遊技が、最大ラウンド数(16ラウンド)まで行われていない場合には、直ちにこの処理(S177)を抜ける。
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S290でYes)、即ち、大当たり遊技が最大ラウンド(16ラウンド)まで行われた場合には、大当たり終了処理(S291)が行われる。そして、大当たり終了フラグをセット(S292)してから、この処理(S177)を抜ける。
ステップS282において、大入賞口15が開放中ではない場合(S282でNo)には、大入賞口を開放する時間となったか否か、具体的には、ラウンドとラウンドとの間に設定された所定時間のインターバル期間(例えば、2秒)が経過したか否かがチェックされる(S283)。インターバル期間が経過していない場合(S283でNo)には、この処理(S177)を抜ける一方、インターバル期間が経過した場合には、大入賞口開放処理(S285)を実行して、この処理(S177)を抜ける。つまり、1つのラウンドが終了してから2秒が経過すると、可動扉15Tが倒れて大入賞口15が再度開放され、次のラウンドが開始される。
上記ステップS281において、大当たり終了フラグが「1」であった場合(S281でYes)、即ち、大当たり遊技が最大ラウンド(16ラウンド)まで行われた場合には、大当たり終了フラグ及び大当たりフラグをOFFする(S293、S294)。そして、停止表示された第1特別図柄94が、確変図柄(奇数のぞろ目)か否かがチェックされ(S295)、確変図柄である場合(S295でYes)には、確変フラグをオンして(S296)、特別動作ステータスを「1」にセット(S297)してからこの処理(S177)を抜ける。以上が特別動作処理(S15)の説明である。
図9に示すように、割り込み処理(S5)では、上述した特別動作処理(S15)に次いで、保留球数処理(S16)が行われる。この処理(S16)では、図21に示すようにRAM51Bに記憶された保留記憶数を読み出し(S180)、読み出した保留記憶数のデータを、RAM51Bの出力バッファにセットする(S181)。
以上が、左側の始動入賞口14Aへの入賞に対して実行される特別動作処理(S15)及び保留球数処理(S16)である。次いで、図9に示すように、右側の始動入賞口14Bへの入賞に対して特別動作処理(S15’)及び保留球数処理(S16’)が実行される。これら特別動作処理(S15’)及び保留球数処理(S16’)は、前述した特別動作処理(S15)及び保留球数処理(S16)と同じ構成であるため、重複説明を省略する。
図9に示すように、割り込み処理(S5)では、保留球数処理(S16)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S17)を実行して、割り込み処理(S5)から抜ける。そして、次にワンチップマイコン51に割り込みパルスが入力するまで、特別図柄乱数更新処理(S3)が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度割り込み処理(S5)が実行される。以上が、メインプログラムMの説明である。
サブ制御回路70に備えた副ワンチップマイコン71は、図22に示したサブデータ処理SPをROM71Cから取り出してランする。また、副ワンチップマイコン71は、メイン制御回路50のワンチップマイコン51による割り込み処理(S5)の実行と同期して、その割り込み処理(S5)の実行完了後に、サブ割り込み処理(S405)を行う。
図22に示したサブデータ処理SPにおける割り込み禁止処理(S401)及び割り込み許可処理(S403)に関しては、図7に示した前記メインプログラムMにおける割り込み禁止処理(S2)及び割り許可処理(S4)と同様であるので説明は省略する。サブデータ処理SPにおける表示領域抽選カウンタ更新処理(S402)は、前記メインプログラムMにおける特別図柄乱数更新処理(S3)と同様な処理を行って、表5に示した第1の表示領域カウンタ値(ラベル−TRND−W1)を「80〜100」の数値範囲で更新し、第2の表示領域カウンタ値(ラベル−TRND−W2)を「80〜99」の数値範囲で更新し、第3の表示領域カウンタ値(ラベル−TRND−W3)を「31〜79」の数値範囲で更新し、第4の表示領域カウンタ値(ラベル−TRND−W4)を「0〜30」の数値範囲で更新する。
サブ割り込み処理(S405)は、図23に示されている。副ワンチップマイコン71がサブ割り込み処理(S405)を実行すると、まず、サブ制御コマンド受信処理(S410)を行って、メイン制御回路50から種々のデータを取得する。次いで、表示領域カウンタ値取得処理(S411)を行って、各始動入賞口14A,14B毎に、表示領域抽選カウンタ更新処理(S402)によって随時更新されているカウンタ値を取得する。
具体的には、図24に示すように、表示領域カウンタ値取得処理(S411)が実行されると、左側の始動入賞口14Aに係る特別図柄94A,94B,94Cを変動表示中であるか否かが判別される(S420)。ここで、以後、変動表示中であるか否かについては、新規に開始される変動表示の有無を含めて判断する。また、表示される変動パターンの種類は、新規に開始される変動表示の変動パターンを含めて判定する。そして、変動表示中でなければ(S420でNo)、後述するステップ429にジャンプする。一方、現在表示中の場合は(S420でYES)、それが当たり遊技中の変動パターン1であれば(S421でYes)、左側の始動入賞口14A用に、第1の表示領域カウンタ値(ラベル−TRND−W1)が取得され(S422)、ステップ429にジャンプする。変動表示中の遊技が当たり遊技中の変動パターン1でなければ(S421でNo)、外れ遊技中の変動パターン1であるか否かが判別される。そして、外れ遊技中の変動パターン1であれば(S423でYes)、第2の表示領域カウンタ値(ラベル−TRND−W2)が取得され(S424)、ステップ429にジャンプする。変動表示中の遊技が外れ遊技中の変動パターン1でなければ(S423でNo)、変動パターン2であるか否かが判別される。そして、変動パターン2であれば(S425でYes)、第3の表示領域カウンタ値(ラベル−TRND−W3)が取得され(S426)、ステップ429にジャンプする。変動表示中の遊技が変動パターン2でなければ(S425でNo)、第4の表示領域カウンタ値(ラベル−TRND−W1)が取得される(S428)。次いで、右側の始動入賞口14Bに係る特別図柄94A,94B,94Cを変動表示中であるか否かが判別される(S429)。そして、現在表示中であれば(S429でYes)、ステップ421〜ステップ428と同様にして、右側の始動入賞口14B用に第1〜第4の何れかの表示領域カウンタ値が取得され、この処理(S411)を抜ける。一方、表示中でなければ(S429でNo)、直ちにこの処理(S411)を抜ける。なお、図24のフローチャートでは、右側の始動入賞口14B用の表示領域カウンタ値の取得に関する処理は、省略してある。
図23に示すようにサブ割り込み処理(S405)では、表示領域カウンタ値取得処理(S411)に次いで表示領域抽選処理(S412)が行われる。
表示領域抽選処理(S412)が行われると、図25に示すように、まず、左側の始動入賞口14Aに係る変動表示を行っている最中か否かが判別される(S430)。そして、左側の始動入賞口14Aに係る変動表示を行っていなければ(S430でNo)、右側の始動入賞口14Bに係る変動表示を行っている最中か否かが判別され(S435)、右側の始動入賞口14Aに係る変動表示も行っていなければ(S435でNo)、この処理(S412)を抜ける。
ここで、右側の始動入賞口14Bに係る変動表示のみが行われている場合(S435でYes)、上記した表示領域カウンタ値取得処理(S411)において右側の始動入賞口14B用に取得された表示領域カウンタ値が採用され(S436)、左側の始動入賞口14A用に取得された表示領域カウンタ値は不採用になる。
左側の始動入賞口14Aに係る変動表示を行っている最中である場合も(S430でYes)、次いで、右側の始動入賞口14Bに係る変動表示を行っている最中か否かが判別される(S431)。そして、左側の始動入賞口14Aに係る変動表示のみが行われている場合(S430でYES、S431でNo)、左側の始動入賞口14A用に取得された表示領域カウンタ値が採用され(S434)、右側の始動入賞口14B用に取得された表示領域カウンタ値は不採用になる。
左右の両始動入賞口14A,14Bに係る変動表示を共に行っている最中である場合(S430でYes、S431でYes)、左右の両始動入賞口14A,14Bに係る当否の判定結果が共に当たりであるときは(S432でYes,S433でNo)、左右の両始動入賞口14A,14Bのうち先に変動表示を開始した始動入賞口14A(14B)用のに取得された表示領域カウンタ値が採用される(S438)。また、左右の両始動入賞口14A,14Bに係る当否の判定結果が共に外れであるときは(S432でNo,S437でYes)、この処理(S412)を抜ける。
また、左右の両始動入賞口14A,14Bに係る変動表示を共に行っている最中である場合であって(S430でYes、S431でYes)、左側の始動入賞口14Aに係る当否の判定結果のみが当たりであるときは(S432でYes,S433でYes)、左側の始動入賞口14A用に取得された表示領域カウンタ値が採用され(S434)、この処理(S412)を抜ける。一方、左右の両始動入賞口14A,14Bに係る変動表示を共に行っている最中である場合であって(S430でYes、S431でYes)、右側の始動入賞口14Bに係る当否の判定結果のみが当たりであるときは(S432でNo,S437でNo)、右側の始動入賞口14B用に取得された表示領域カウンタ値が採用され(S436)、この処理(S412)を抜ける。
図23に示すようにサブ割り込み処理(S405)では、表示領域抽選処理(S412)に次いで分割比取得処理(S413)が行われる。この分割比取得処理(S413)では、上記ステップS411で取得された表示領域カウンタ値と、ステップS412による抽選結果とに基づき、表示画面26Gの分割比を決定する。
分割比取得処理(S413)に次いで、その他の処理(S414)を行い、表示制御回路90A,91Aへのコマンド送信処理(S415)を行う。この処理(S415)では、図26に示すように、表示制御回路90A,91Aに対する送信データ(特別図柄に関するデータ、分割比に関するデータ等)があるか否かをチェックし(S440)、送信データが有る場合(S440でYes)に、その送信データを表示制御回路90A,91Aに送信して(S441)、この処理(S415)を抜ける。サブ割り込み処理(S405)の説明は以上である。
さて、表示制御回路90A,91Aに備えた表示制御用CPU90C,91Cは、図27に示した表示制御処理Nを制御データROM90B,91Bからから取り出してランする。具体的には、図27に示すように、まず、コマンド受信処理(S500)を行って、サブ制御回路70から種々のデータを取得する。次いで、特別図柄制御処理(S501)を行う。具体的には、図28に示すように、サブ制御回路70から受信した特別図柄に関するデータに基づいて表示する画像データを画像データROM90J,91Jから選択し(S510)、対応する液晶表示器90,91に表示させる。
表示制御処理Nでは、特別図柄制御処理(S501)に次いで特別図柄停止処理(S502)を行う。この処理(S502)では、変動表示中の特別図柄94A,94B,94Cを、大当たり図柄組合せ(ぞろ目)又は、外れ図柄組合せ(ぞろ目以外の組合せ)で停止表示させる。そして、その他の処理(S503)を行い、表示制御処理Nを抜ける。
ところで、一方の表示制御回路90Aは、液晶表示器90の分離表示画面90Gを左右方向において5等分した5つの要素画面a1,a2,a3,a4,a5に区分して表示データを液晶表示器90に付与することができる。そして、特別図柄94A,94B,94Cを、最小で要素画面a1のみに表示し、残りの要素画面a2〜a5に別画像を表示することができる。他方の表示制御回路91Aに関しても同様に、液晶表示器91の分離表示画面91Gを左右方向において5等分した5つの要素画面b1,b2,b3,b4,b5に区分して表示データを液晶表示器90に付与することができる。そして、特別図柄94A,94B,94Cを、最小で要素画面b5のみに表示し、残りの要素画面b1〜b4に別画像を表示することができる。
ここで、各表示制御回路90A,91Aは、前記した分割比を副ワンチップマイコン71から取得して表示装置26の表示画面26Gを第1分割表示領域HR1(以下、「第1表示領域HR1」という)と第2分割表示領域HR2(以下、「第2表示領域HR2」という)とに2分割する。そして、表示制御回路90A,91Aが協働して、2組の特別図柄94A,94B,94Cのうち一方の組の特別図柄94A,94B,94Cを液晶表示器90,91の何れか一方の一部に縮めて表示しかつ他方の組の特別図柄94A,94B,94Cを液晶表示器90,91に両方に跨って拡張して表示したり、或いは、液晶表示器90と分離表示画面91Gとの両方の分離表示画面90G,91Gを合わせた表示画面26Gの全体に、1組の特別図柄94A,94B,94Cのみを表示したりすることができる。なお、表6,7には、表示画面26Gにおける第1表示領域HR1及び第2表示領域HR2の占有範囲と分割比とが対比して示されている。
本実施形態のパチンコ遊技機10の構成は以上であって、次に作用・効果を説明する。 操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が次々と遊技板11の遊技領域Rに向けて弾き出される。すると、それら遊技球は遊技領域Rを流下し、そのうちいくつかは始動入賞口14A,14Bに入賞する。このとき、各始動入賞口14A,14B毎に別々に当否判定が行われ、それら当否判定結果に係るデータが記憶されていく。そして、各始動入賞口14A,14Bへの入賞毎に、所定の変動パターンで変動表示を行った後で、当否判定結果を確定表示する。この変動表示中に始動入賞口14A,14Bに入賞した遊技球は、保留球として扱われ、その保留球に関しても、各始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞したときに予め当否判定を行い、それら当否判定結果に係るデータが記憶されていく。ここで、本発明の「待機状態」とは、左右の両始動入賞口14A,14Bで入賞に基づく変動表示がなされていない状態である。なお、待機状態であっても、一方の表示領域HR1(HR2)を他方の表示領域HR2(HR1)よりも広くしたり、待機状態専用表示態様、例えば、客待ちデモ画面等の遊技の当否に関与しない画像を表示したりしてもよい。
このとき記憶されるデータには特別図柄94A,94B,94Cを変動表示するための変動パターン1〜3も含まれる。ここで、変動パターン1〜3は、当否判定結果が当たりの場合には表3に示した第1変動パターンテーブルから選択され、当否判定結果が外れの場合には、表4に示した第2変動パターンテーブルから選択される。
ここで、第1変動パターンテーブルと第2変動パターンテーブルとに共に含まれる変動パターン2は、所謂、ノーマルリーチと呼ばれるものである。これに対し、第1変動パターンテーブルと第2変動パターンテーブルとに共に含まれる変動パターン1は、所謂、スーパーリーチと呼ばれるものであり、この第1変動パターンの変動表示が行われた場合には、ノーマルリーチより比較的高い確率で遊技が当たりになる。さらに、第2変動パターンテーブルのみに含まれる変動パターン3は、所謂、リーチ無し外れであり、変動パターン3の変動表示が行われたときには、遊技は必ず外れとなる。
そして、保留球を順次減らしながら、始動入賞口14A,14Bへの入賞に対する所定の変動パターンによる変動表示及び当否判定結果の確定表示が行われる。ここで、変動パターン1又は2を表示した場合には、何れも変動表示の途中から「リーチ状態」になる。このリーチ状態になると、中特別図柄94Bがスクロール表示されている状態で、先にスクロール表示を終了した左・右の特別図柄94A,94Cが停止表示されると共に、これら停止表示された左・右の特別図柄94A,94Cが、同じ図柄になる。また、変動パターン3を表示した場合には、変動表示の過程で「リーチ状態」にもならずに、外れ図柄の組合せで確定表示される。
なお、「リーチ状態」とは、上記のものに限られるものではなく、遊技の当たり外れを、複数の図柄組み合わせで表示する場合に、複数の図柄の一部が、停止表示されており、他の図柄が変動中において、停止表示されている図柄が当たりを意味する図柄組み合わせの一部を構成している状態をいう。
さて、本実施形態では、変動パターン及び当否判定結果に応じて表示装置26の表示画面26Gに対する分割比を決定し、その分割比で表示装置26の表示画面26Gを第1表示領域HR1と第2表示領域HR2とに2分割する。ここで、特別図柄94A,94B,94Cが変動表示されていないとき(以下、通常状態という)には、分割比(本実施形態では、第1表示領域HR1と第2表示領域HR2との面積比)は、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=50%:50%
になっている。即ち、第1表示領域HR1,HR2における各特別図柄94A,94B,94Cが共に停止表示されているときには、液晶表示器90の分離表示画面90Gが第1表示領域HR1に相当し、液晶表示器91の分離表示画面91Gが第2表示領域HR2に相当した状態になっている。
ここで、始動入賞口14A,14Bのうち何れか一方にのみ遊技球が入賞して、第1表示領域HR1又は第2表示領域HR2の何れか一方のみが変動表示される場合には、その変動表示の変動パターンによって分割比が決定される。例えば、右側の始動入賞口14Bにのみ遊技球が入賞し、第2変動パターンテーブルから変動パターン3(リーチ無し外れ)が選択されてその変動表示が行われるときの分割比は、表4と表7のカウンタ値が一致する部分を見れば明らかなように、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=50%:50%
、となり、通常状態に対して変化しない。そして、変動パターン3(リーチ無し外れ)の変動表示後に確定表示される当否判定結果は必ず外れになる。これにより、遊技者は、分割比が50%:50%の場合には、当たりになりにくいことを認識する。
また、例えば、右側の始動入賞口14Bにのみ遊技球が入賞し、第1又は第2の何れかの変動パターンテーブルから変動パターン2(ノーマルリーチ)が選択されてその変動表示が行われるときの分割比は、表4と表7のカウンタ値が一致する部分を見れば明らかなように、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=30〜40%:60〜70%
、となり、通常状態に対して多少変化する。ここで、表3及び表4に比較して示したように、当否判定結果が当たりの場合の変動パターン2(ノーマルリーチ)の出現率は4/199であるのに対し、当否判定結果が外れの場合の変動パターン2の出現率は19/199である。即ち、変動パターン2が出現したときには、当否判定結果が外れになる場合が多い(即ち、変動パターン2は、本発明に係る「低期待度変動態様」に相当する)。従って、変動パターン2(ノーマルリーチ)が出現して、通常状態に対して分割比が多少変化した場合には、当たりになる確率はあるものの、外れになる確率が高い。しかしながら、通常状態よりは当たりになる確率が多少高くなるので、遊技者の興味を引き起こすことができる。
また、例えば、右側の始動入賞口14Bにのみ遊技球が入賞し、第1変動パターンテーブルから変動パターン1(スーパーリーチ)が選択されてその変動表示が行われるときの分割比は、表3と表7のカウンタ値が一致する部分を見れば明らかなように、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=0〜20%:80〜100%
、になり、通常状態に対して大きく変化する。ここで、表3及び表4に比較して示したように、当否判定結果が当たりの場合の変動パターン1(スーパーリーチ)の出現率は195/199であるのに対し、当否判定結果が外れの場合の変動パターン1の出現率は1/199である。即ち、変動パターン1が出現したときには、当否判定結果が当たりになる場合が多い(即ち、変動パターン1は、本発明に係る「高期待度変動態様」に相当する)。これにより、遊技者の興味を高めることができる。
また、1/199の出現率で変動パターン1(スーパーリーチ)が第2変動パターンテーブルから選択される場合がある。即ち、当否判定結果が外れの場合でも、希に、スーパーリーチが発生する。但しこの場合の分割比は、表4と表7のカウンタ値が一致する部分を見れば明らかなように、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=10〜20%:80〜90%
であり、通常状態に対して大きく変化するが、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=0%:100%
のように、第1表示領域HR1が2つの液晶表示器90,91の全体に表示されることはない。換言すれば、[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=0%:100%の分割比で第1表示領域HR1が表示装置26全体に表示された場合には、必ず当否判定結果は当たりになる。これを知っている遊技者は、1組の特別図柄94A,94B,94Cのみが表示装置26全体に表示された場合には、興奮がピークに達すると共に、変動表示が開始される際には、この状態になることを想像しながら遊技に没頭することができる。
ここまでは、一方の始動入賞口14Bにのみ入賞した場合についての説明であるが、他方の始動入賞口14Aにのみ入賞した場合も上記の場合と同様である。次に、両始動入賞口14A,14Bの両方に入賞した場合について説明する。
まず、左右の始動入賞口14A,14Bの入賞に対する当否判定結果が共に外れである場合には、先に変動表示が開始された方の変動パターンに対する分割比が保持される。例えば、先に第1表示領域HR1において変動パターン3の変動表示が開始され、次に第2表示領域HR2において変動パターン1又は2の変動表示が開始された場合には、分割比は、先に変動表示が開始された変動パターン3に基づいて、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=50%:50%
、に保持される(図4の状態)。
また、例えば、先に第2表示領域HR2において変動パターン2の変動表示が開始され、次に第1表示領域HR1において変動パターン1又は3の変動表示が開始された場合には、分割比は、先に変動表示が開始された変動パターン2に基づいて、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=30〜40%:60〜70%
、に保持される。
左右の始動入賞口14A,14Bの入賞に対する当否判定結果が共に当たりである場合も、先に変動表示が開始された変動パターンに対する分割比が保持される。
例えば、先に第2表示領域HR2において当たりとなる変動パターン1の変動表示が開始され、次に第1表示領域HR1において当たりとなる変動パターン2の変動表示が開始された場合には、分割比は、先に変動表示が開始された変動パターン1に基づいて、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=0〜20%:80〜100%
、に保持される(図5の状態)。
これに対し、左右の始動入賞口14A,14Bの入賞に対して一方の当否判定結果が外れでありかつ他方の当否判定結果が当たりである場合には、変動表示の開始がどちらが先であったとしても、当否判定結果が当たりの変動表示に係る分割比が採用される。従って、先に変動表示が開始された側の当否判定結果が当たりでありかつ後に変動表示が開始された側の当否判定結果が外れである場合には、後に変動表示が開始される際に、分割比の変更は行われない。
例えば、第2表示領域HR2において、当たりとなる変動パターン1の変動表示が開始され、その後で、第1表示領域HR1において変動パターン3の変動表示が開始された場合には、分割比は、当たりとなる変動パターン1に基づいて、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=0〜20%:80〜100%
、に保持される(図5の状態)。
これに対し、先に変動表示が開始された側の当否判定結果が外れでありかつ後に変動表示が開始された側の当否判定結果が当たりである場合には、後の変動表示が開始される際に、分割比の変更が行われ得る。
例えば、第1表示領域HR1において、外れとなる変動パターン3の変動表示が開始され、その後で、第2表示領域HR2において当たりとなる変動パターン1の変動表示が開始された場合、分割比は、第1表示領域HR1で変動パターン3の変動表示が開始された時点において、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=50%:50%
、となっているが、第2表示領域HR2で変動パターン1の変動表示が開始されると、分割比は、
[第1表示領域HR1]:[第2表示領域HR2]=0〜20%:80〜100%
に変更される(図5の状態)。つまり、図5に示すように、当たりの当否判定結果を表示する第2表示領域HR2が、あたかも、外れの当否判定結果を表示する第1表示領域HR1を押し退けるように拡大し、変動パターン1における演出画像(例えば、キャラクタ画像96)が、左右の分離表示画面90G,91Gに跨って拡張して表示される。これにより、遊技者に注意を喚起し、興味を駆り立てることができる。
なお、変動パターン1(スーパーリーチ)の変動表示時間は、変動パターン2(ノーマルリーチ)に比べて長く設定されているので(表3及び表4参照)、このことから、遊技者は、変動パターン1(スーパーリーチ)によるリーチ状態が選択された場合には、少なくとも変動パターン2(ノーマルリーチ)によるリーチ状態が選択された場合よりも当該遊技が当たりとなる期待感を持つことになる。従って、当たりの場合に選択されるリーチ状態の選択率(変動パターンテーブル内での出現率)は、遊技者から見た場合に、当該遊技が大当たりとなるか否かを選択されたリーチ状態から推測するための目安となる。また、当該変動パターンテーブル内での出現率は、換言すれば、遊技者にとって当該リーチ状態において当該遊技が当たりとなるか否かに対する信頼度ということができる。
前述の通り、本実施形態において各液晶表示器90,91の表示領域HR1,HR2の範囲は信頼度を反映して決定されるため、表示領域HR1(HR2)の広さが基本表示領域(分離表示画面90G(91G)の広さ)よりも広がるほど遊技者は当該遊技が大当たりになるという期待を高める。また、信頼度の高い変動パターンが選択される程広い表示領域を割り当てるように設定されているので、遊技者は、表示領域が基本表示領域に対して広くなるほど、遊技が大当たりになるという期待を高める。
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10によれば、表示装置26の表示画面26Gを第1表示領域HR1と第2表示領域HR2とに分割して、それら表示領域HR1,HR2毎に独立した変動態様の表示を行う。このとき、分割比決定手段が、遊技に関わる所定の条件に応じて、表示領域HR1,HR2の分割比を決定する。換言すれば、表示領域HR1,HR2毎に独立した変動態様の表示を行う際における表示領域HR1,HR2の分割比に応じて、その後に表示される当否判定結果を、ある程度、予想することができるので、遊技の継続中に遊技者の期待感を喚起することで興味を持続させることができ、遊技の趣向性を向上させることが可能になる。なお、遊技に関わる所定の条件とは、表示領域分割条件が成立したときのことであり、具体的には、大当たりや変動パターン等の遊技者の遊技への大当たり期待度を高めるものである。
[第2実施形態]
前記第1実施形態では分割比をサブ制御回路70で決定していたが、本実施形態のパチンコ遊技機10では、2つの表示制御回路90A,91Aで分割比を決定する構成になっている。以下、第1実施形態と異なる構成に関してのみ説明し、第1実施形態と同一の構成に関しては同一の符号を付して重複説明は省略する。図29に示すように、本実施形態のサブ制御回路70で実行されるサブ割り込み処理(S405’)は、前記第1実施形態で説明したサブ割り込み処理(S405)から、表示領域抽選処理(S412)及び分割比取得処理(S413)を削除した構成になっている。そして、図30に示すように2つの表示制御回路90A,91Aでそれぞれ実行される表示制御処理(N)のうちコマンド受信処理(S500)を実行した後に、他表示制御回路への情報送信処理(S504)、表示領域抽選処理(S412)及び、分割比取得処理(S413)が実行されるようになっている。
この構成により、各表示制御回路90A,91Aは、コマンド受信処理(S500)にてサブ制御回路70から同一のデータをそれぞれ取得した後、他方の表示制御回路90A(91A)への情報送信処理(S504)を行う。図31に示すように、この処理(S504)では、まず、先に受信したサブ制御回路70からのコマンド内に、他方の表示制御回路90A(91A)の表示装置が表示する特別図柄94A,94B,94Cに関する情報が含まれているか否かをチェックし(S520)、その情報が含まれている場合(S520でYes)は、他方の表示制御回路90A(91A)に一方の表示制御回路91A(90A)の表示装置が表示する特別図柄94A,94B,94Cに関する情報を送信して(S521)、この処理(S504)を抜ける。一方、先に受信したサブ制御回路70からのコマンド内に、他方の表示制御回路90A(91A)の表示装置が表示する特別図柄94A,94B,94Cに関する情報が含まれていない場合(S520でNo)は、この処理(S504)を抜ける。次いで、表示領域抽選処理(S412)、分割比取得処理(S413)が行われ、分割比が選択される。そして、両表示制御回路90A,91Aの各表示制御用CPU90C,91Cが、第1実施形態と同様の処理を行い、表示装置26の表示画面26Gを所定の分割比で2つの分割表示領域HR1,HR2に分割し、各分割表示領域HR1,HR2にそれぞれ特別図柄94A,94B,94Cを変動表示する。実施形態の構成によっても第1実施形態と同様の作用効果を奏する。
[第3実施形態]
前記第1及び第2の実施形態では保留球がある場合に、当否判定及び変動パターンに係るカウンタ値は、始動入賞口14A,14Bへの遊技球の入賞時に予め決定しておく一方、分割比に係る表示領域カウンタ値は、始動入賞口14A,14Bへの遊技球の入賞に対する変動表示を開始する際に決定していた。これに対し、本実施形態では、分割比に係る表示領域カウンタ値も当否判定及び変動パターンに係るカウンタ値と共に、始動入賞口14A,14Bへの遊技球の入賞時に予め決定しておくように構成されている。また、各始動入賞口14A,14Bへの入賞に対する表示領域カウンタ値同士の間では、次の第1及び第2の条件が共に成立した場合を除いて、先に始動入賞口14A(14B)に入賞した入賞球に対する表示領域カウンタ値が採用され、第1及び第2の条件が共に成立した場合には、後に始動入賞口14A(14B)に入賞した入賞球に対する表示領域カウンタ値が採用されるように構成されている。
第1条件:一方の始動入賞口14A(14B)に基づいた変動態様を表示中に、一方の始動入賞口14A(14B)への入賞より後に生じた他方の始動入賞口14B(14A)への入賞に基づいた変動態様の表示を開始する場合であること。
第2条件:一方の始動入賞口14A(14B)への入賞に対する判定結果が外れでありかつ、他の始動入賞口14B(14A)への入賞に対する判定結果が当たりであること。
本実施形態の構成によれば、各始動入賞口14A,14B毎に保留球が貯まって、その貯まった保留球を順次使用して変動表示を行う際には、始動入賞口14A,14Bへの入賞が先か後かを判別し、先に始動入賞口14A(14B)に入賞した保留球に対する表示領域カウンタ値に基づいて分割比が決定される。このとき、通常は、先に入賞した保留球に対する変動表示が先に開始されるので、一方の始動入賞口14A(14B)に係る変動表示を行っている最中に、他方の始動入賞口14B(14A)に係る変動表示が開始されても分割比が変更されない。
これに対し、先に変動表示が開始された側の判定結果が外れでありかつ、後から変動表示が開始される側の判定結果が当たりである場合には、一方の始動入賞口14A(14B)に係る変動表示を行っている最中でも、他方の始動入賞口14B(14A)に係る変動表示の表示領域カウンタ値に基づいて分割比が変わり得る。このとき、後から変動表示が開始される他方の分割表示領域HR2(HR1)が、まるで、先に変動表示が行われている一方の分割表示領域HR1(HR2)を押し退けるようにして拡張される。これにより、遊技者の注意を喚起することができる。そして、当たりの変動表示をクローズアップすることができる。また、継続して遊技を続けている遊技者は、後から開始された変動表示の画面が拡張された場合には、当否判定結果が当たりになることを認識し、そのような現象を起こすように興味を抱かせることができる。
さらに、希ではあるが、始動入賞口14A,14Bの間で、入賞の順序と変動表示の開始の順序とが逆転した場合には、先に変動表示が開始された側の判定結果が外れでありかつ、後から変動表示が開始される側の判定結果も外れであるときにも、後から変動表示が開始される他方の表示領域HR2(HR1)が、まるで、先に変動表示が行われている一方の表示領域HR1(HR2)を押し退けるようにして拡張される現象が起こる。これにより、後から変動表示が開始される画面が拡張されたとしても、遊技が100%の確率で当たりになることはなく、遊技者に一定の緊張感を持たせることができる。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1〜第3の実施形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機10を例示したが、遊技機であれば、アレンジボールやコイン遊技機、スロットマシン等でもよい。
(2)前記第1〜第3の実施形態では、2つの液晶表示器90,91で表示装置26が構成されていたが、3つ以上の複数の液晶表示器で表示装置を構成してもよいし、或いは、1つの液晶表示器で本発明に係る表示装置を構成してもよい。
(3)前記第1〜第3の実施形態においては、保留記憶数を分離表示画面90G,91Gにて表示していたが、例えば、遊技板11上に、4つずつ計8つの発光素子(例えば、LED)を別途設け、これら発光素子の点灯数でもって保留記憶数を表示するようにしてもよい。
(4)前記第1〜第3の実施形態においては、普通図柄表示部90F,91Fを、分離表示画面90G,91Gに設けたが(図3参照)、分離表示画面90G,91Gと別途に普通図柄表示画面を設けてもよい。
(5)前記第1〜第3の実施形態では、始動入賞口14A,14Bは、液晶表示器90,91に対応して2つ設けられていたが、液晶表示器と始動入賞口の数を異ならせてもよい。例えば、2つの液晶表示器に対して1つの始動入賞口を設けた構成にしてもよいし、或いは、1つの液晶表示器に対して1つの2つの始動入賞口を設けた構成にしてもよい。
(6)前記第1〜第3の実施形態では、表示領域に係るデータ及び各種画像データが表示制御回路90A,91Aの制御データROM90B,91B、画像データROM90J,91Jに予め格納されていたが、サブ制御回路70からのコマンドに基づいて表示制御回路90A,91Aで生成する構成にしてもよい。
(7)前記第1〜第3の実施形態では、サブ制御回路70から各表示制御回路90A,91Aへ信号を送信する構成としたが、例えば、サブ制御回路70を設けずに、メイン制御回路50から各表示制御回路90A,91Aに直に信号を送信する構成としてもよい。
(8)前記第1〜第3の実施形態では、高確率状態(確変状態)でも同じ変動パターンを使用していたが、異なる変動パターンを使用してもよい。
(9)リーチ状態になった場合に当たりとなる確率をリーチの信頼度とした場合、「信頼度」に応じて分割比を変更してもよい。具体的には、「信頼度」が高いリーチ状態になる変動パターンに優先的に表示領域を割り当てるように分割比を決定してもよい。また、「信頼度」の低いリーチ状態になる変動パターンに優先的に表示領域を割り当てるように分割比を決定してもよい。この構成によれば、信頼度が低いリーチ状態が小さな表示領域で表示され大当たりとなった場合に、遊技者は思いがけない大当たり遊技を楽しむことができる。
(10)前記第1〜第3の実施形態では、左右方向で表示領域の広さを変更して、遊技者が表示領域の広さから「信頼度」が分かるように構成していたが、上下方向で表示領域の広さを変更して、表示領域の広さから「信頼度」が分かるように構成してもよい。
(11)また、一方の分割表示領域HR1(HR2)に表示される特別図柄94A,94B,94Cの変動表示等の演出を他方の分割表示領域HR2(HR1)の全部又は一部を使用して表示していれば、必ずしも「信頼度」を基準に分割比を決定しなくてもよい。具体的には、例えば、当否判定結果を基準として、当たりとなる変動パターンに対し優先して表示領域を割り当てるように分割比を決定してもよい。
(12)前記第1〜第3の実施形態では、両始動入賞口14A,14Bのうち何れかへの入賞に基づく遊技が当たりと判定された後であっても、始動入賞口14A,14Bへの入賞があれば遊技の当否を判定したが、一方の始動入賞口14A(14B)への入賞に基づく遊技が当たりと判定された後は、その大当たり遊技が終了するまで一方の始動入賞口14A(14B)への入賞に基づく遊技の当否判定を中止し、他方の始動入賞口14B(14A)への入賞に基づく遊技の当否判定のみを実施するようにしてもよい。又は、両方の始動入賞口14A,14Bへの入賞に基づく遊技の当否判定を中止するようにしてもよい。
(13)前記第1〜第3の実施形態では、特別図柄として数字図柄を使用したが、識別可能であれば、アルファベット等の文字図柄やキャラクタ等の図柄を使用してもよい。
(14)前記第1〜第3の実施形態では、説明の便宜上、左側の始動入賞口14A,右側の始動入賞口14B、及び、始動入賞口14A,14Bとしたが、先に入賞があった始動入賞口14A,14Bから各制御が行われる場合は、先に入賞があった始動入賞口14Aと後に入賞があった始動入賞口14Bと置き換えてもよい。
(15)前記第1〜第3の実施形態では、本発明に係る「遊技に関わる所定の条件」を当否判定結果や変動パターンに応じて分割比を決定していたが、遊技に関わる条件であって、遊技者の当該遊技の大当たりの期待度を高めるもの、例えば、確変大当たりであるか否か、保留球数の比等に応じて決定してもよい。