以下、本発明を適用したパチンコ遊技機に係る一実施形態を、図1〜図23に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機の遊技盤11には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域YRが形成され、中央部には、表示装置13(本発明に係る「表示手段」に相当する)が備えられている。遊技領域YRのうち表示装置13の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、遊技領域YRのうち表示装置13等を挟んだ左右の両側には、上から順に、ランプ風車17、始動ゲート18、風車19、一般入賞口20,21が設けられ、遊技領域YR全体に亘って、図示しない複数の障害釘が起立している。さらに、ガイドレール12に沿った両側端部には、サイドランプ22,22が設けられている。
図1に示すように、パチンコ遊技機のうち、遊技盤11より上方には、遊技盤11の前面側に張り出した装飾ランプ35が設けられている。パチンコ遊技機のうち遊技盤11より下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。上皿27Aの両側には、スピーカ56Sが備えられている。また、上皿27Aに備えたボタン29を押せば、上皿27Aから下皿27Bに遊技球が移動して収容される。そして、下皿27Bの右端部に設けた操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が遊技盤11の遊技領域YRに向けて弾き出されて遊技が開始される。
次に所要の各部位について詳説する。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵したゲートスイッチ30(図3参照)によって検出される。そして、その検出信号に基づいて、後述する普通図柄表示領域24の図柄が変動表示される。
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球が約1つ入る大きさになっている。そして、ゲートスイッチ30への遊技球の通過を起因に遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動されると、可動翼片14C,14Cが横に倒され、遊技球が可動翼片14Cに案内されて始動入賞口14に入り得る状態になる。
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた始動口センサ31(図3参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて表示装置13が後述するように図柄を変動表示する。なお、表示装置13が図柄を変動表示している間に、始動入賞口14に入賞した入賞球は、4個まで保留記憶される。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、後述する所定条件の成立によって、パチンコ遊技機が「大当たり状態」になり、本発明に係る「大当たり遊技」が実行される。その大当たり遊技が実行されると、遊技盤11の裏に設けたソレノイド15S(図3参照)が駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能になる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に、1回分の「大当たり遊技」が終了する。
大入賞口15の内部には、継続入賞口と計数入賞口とが設けられており、これら継続入賞口及び計数入賞口が開放される。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイド15M(図3を参照)が駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサ32(図3を参照)が遊技球の入賞を検出すると継続権利が発生して、前述した終了条件(可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか)を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサ33(図3参照)が遊技球の入賞を検出すると、前記継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。
表示装置13は、全体として枠形構造をなした表示枠体23の後端面に、図示しない液晶モジュール(詳細には、TFT−LCDモジュール)を組み付けてなる。液晶モジュールのうち表示枠体23によって取り囲まれた前面部分は、液晶表示部34となっており、遊技者は、表示枠体23を通して液晶表示部34に表示された画像を見ることができる。
液晶表示部34には、図1に示すように、通常は、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cが、横並びに表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが、液晶表示部34に確定表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに当否判定を行い、各特別図柄13A,13B,13Cを、上下方向にスクロールして変動表示し、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cを停止表示し、このときの、左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cの組み合わせによって、当否判定の結果を表示する。具体的には、例えば、当否判定の結果が当たりで全ての特別図柄13A,13B,13Cが同じ図柄、即ち、ぞろ目になった場合に、遊技が前記した「大当たり状態」になり、大当たり遊技が実行されて可動扉15Tが開かれる。
また、各特別図柄13A,13B,13Cを、変動表示後、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cを停止する際に、左、右の各特別図柄13A,13Cが同じ図柄になって先に停止した状態で、中特別図柄13Bが変動表示された状態になる場合がある。この状態を「リーチ」という。
液晶表示部34のうち、特別図柄13A,13B,13Cの表示領域の左下隅には、普通図柄表示領域24が設けられている。この普通図柄表示領域24は、始動ゲート18内に設けたゲートスイッチ30(図3参照)が遊技球の通過を検出したときに当否判定して、例えば、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。そして、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合(普通図柄の当たりの事を「小当たり」と呼ぶ)に、始動入賞口14に設けた可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。なお、普通図柄表示領域24で表示する図柄は、数字に限るものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
図2に示すように、パチンコ遊技機の後面には、各種制御基板が設けられている。具体的には、パチンコ遊技機の後面中央には、主制御基板50が設けられ、この主制御基板50に重なるようにして、ランプ制御基板55、音声制御基板56及び表示制御基板57が設けられている。さらに、各基板50,55,56,57の下方には、電源基板58、払出制御基板59が備えられ、電源基板58の下方に遊技球発射装置70及び発射制御基板60が備えられている。
図3に示すように、主制御基板50は、CPU51AとRAM51B及びROM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備えている。ワンチップマイコン51は、入出力回路54,54を介して、前述した入賞球を検出するためのスイッチ及びセンサ31〜33等から信号を受けると共に、ランプ制御基板55、音声制御基板56、表示制御基板57、払出制御基板59、発射制御基板60等に制御信号を出力して各部位を制御する。
ランプ制御基板55は、主制御基板50からの制御信号に基づいて発光パターンの選択、発光データの設定を行い、サイドランプ22,22や装飾ランプ35、LED等を発光させる。
音声制御基板56は、主制御基板50からの制御信号に基づいてBGMや演出時の音声データを設定し、スピーカ56Sより音声を発生させる。
表示制御基板57は、液晶表示部34に遊技画像を表示するための制御データや画像データ等を記憶する表示用ROM63を備える。そして、主制御基板50からの制御信号に基づき、表示用CPU61が、表示用ROM63から所定のデータを取り出し、表示用RAM62の作業領域にて遊技画像(特別図柄、演出図柄、背景画像、キャラクター画像、文字画像等)を作成し、液晶表示部34に表示させる。
払出制御基板59は、各入賞口14,15,20,21への遊技球の入賞に基づいたワンチップマイコン51からの信号や、プリペイドカードユニット150からの信号に基づいて、賞球払出装置52及び球貸し装置53を駆動して遊技球を上皿27Aに払い出す。
図4には、主制御基板50に備えられたRAM51Bの記憶領域R0が概念的に示されている。この記憶領域R0は、例えば、1バイトずつの複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、以下詳説するように、所定のアドレス空間で構成された更新領域R1〜R13が、表1に示した各種の乱数カウンタのデータ格納部として割り当てられている。また、上記アドレス空間は、乱数カウンタの更新領域以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。さらに、RAM51Bには、CPU51Aの作業領域も備えられている。
上記表1における「乱数カウンタ名」の各乱数カウンタは、同表における「数値範囲」の連続した複数個の整数からなるカウンタ値を、所定の処理が実行される度に、1インクリメントしてカウントし、逐次、そのカウント結果、即ち、「カウンタ値」が、図4に示した所定の更新領域R1〜R13に格納される。また、各乱数カウンタのカウント結果が、「数値範囲」の最大値まで達したら、次に「数値範囲」の最小値をカウントする。即ち、各乱数カウンタは、「数値範囲」の連続した整数の最大値と最小値との間も連続しているものとして、「数値範囲」の整数をループ状にカウントし続ける。なお、各アドレス空間は1バイトで構成されているので、「数値範囲」が「255」以下の乱数カウンタの更新領域には1つのアドレス空間が割り当てられ、「数値範囲」が「255」より大きな乱数カウンタの更新領域には2つ以上のアドレス空間が割り当てられている。具体的には、以下の通りである。
表1のうち「ラベル−TRND−A」は、本発明に係る「第1乱数カウンタ」に相当し、大当たりの判定に用いられる乱数カウンタである。以下、この乱数カウンタを第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」といい、そのカウンタ値(本発明に係る「第1カウンタ値」に相当する)を「大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)」という。大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)、「0」〜「629」の数値範囲の630個の整数で構成されている。また、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」は、後述する主要乱数更新処理(S3)、大当たり乱数更新割込処理(S12)が実行される毎に1インクリメントしてカウントを行い、そのカウント結果である大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が、図4に示した大当たり判定用乱数更新領域R1に格納される。
表1のうち「ラベル−TRND−AZ1」は、本発明に係る「第2乱数カウンタ」に相当し、大当たり判定の結果を表示するための図柄を決定するために用いられる乱数カウンタである。以下、この乱数カウンタを第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」といい、そのカウンタ値(本発明に係る「第2カウンタ値」に相当する)を「大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)」という。大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)、「0」〜「9」の数値範囲の10個の整数で構成されている。また、第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」は、後述する主要乱数更新処理(S3)、大当たり図柄決定用乱数更新割込処理(S13)が実行される毎に1インクリメントしてカウントを行い、そのカウント結果である大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)が、図4に示した大当たり図柄決定用乱数更新領域R2に格納される。
表1のうち「ラベル−TRND−AS」は、本発明に係る「第1付随カウンタ」に相当しする乱数カウンタである。この乱数カウンタを第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」といい、そのカウンタ値(本発明に係る「第1カウンタ値」に相当する)を「大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)という。第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」は、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」が1ループ分のカウントを行う毎に、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」が次の1ループ分のカウントを開始する初期値を決定するために用いられる。即ち、第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」は、「0」〜「629」の範囲の630個の整数で構成された大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)を、後述するその他乱数更新処理(S5)が行われる毎に1インクリメントしてカウントし、そのカウント結果である大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)が、図4に示した大当たり初期値乱数更新領域R9に格納される。そして、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」が1ループ分のカウントを終了したタイミングで、大当たり初期値乱数更新領域R9に格納されていた大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)を、図4に示した初期値記憶領域R12に格納し、この初期値記憶領域R12に格納された大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)を用いて、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」が次の1ループ分のカウントの開始する初期値が決定される。
表1のうち「ラベル−TRND−AZ1S」は、本発明に係る「第2付随カウンタ」に相当する乱数カウンタである。この乱数カウンタを、第2付随カウンタ「ラベル−TRND−AZ1S」といい、そのカウンタ値(本発明に係る「第2カウンタ値」に相当する)を「図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)」という。第2付随カウンタ「ラベル−TRND−AZ1S」は、第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」が1ループ分のカウントを行う毎に、第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」が次の1ループ分のカウントを開始する初期値を決定するために用いられる。また、この乱数カウンタは、「0」〜「9」の範囲の10個の整数で構成されたカウンタ値(本発明に係る「第2カウンタ値」に相当する)を、後述するその他乱数更新処理(S5)が行われる毎に1インクリメントしてカウントし、そのカウント結果である図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)が、図4に示した図柄初期値乱数更新領域R10に格納される。そして、第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」が1ループ分のカウントを終了したタイミングで、図柄初期値乱数更新領域R10に格納されていた図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)を図4に示した初期値記憶領域R13に格納し、この初期値記憶領域R13に格納された図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)を用いて、第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」が次の1ループ分のカウントの開始する初期値が決定される。
表1のうち「ラベル−TRND−RC」は、リーチを行うか否かを決定するために用いられる乱数カウンタである。この乱数カウンタ「ラベル−TRND−RC」は、「0」〜「126」の範囲の127個の整数で構成されたカウンタ値(以下、「リーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)」という)を、後述するその他乱数更新処理(S5,S14)が実行される毎に、1インクリメントしてカウントし、そのカウント結果であるリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)が、図4に示したリーチ乱数更新領域R3に格納される。
表1のうち「ラベル−TRND−B1,B2,B3」は、左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cの停止表示の内容を決定するために用いられる乱数カウンタである。これら乱数カウンタ「ラベル−TRND−B1,B2,B3」は、「0」〜「9」の範囲の10個の整数でそれぞれ構成されたカウンタ値(以下、「左、中、右特別図柄用カウンタ値(ラベルーTRND−B1〜B3)」という)を、後述するその他乱数更新処理(S5,S14)が実行される毎に、1インクリメントしてカウントし、そのカウント結果である左、中、右特別図柄用カウンタ値(ラベルーTRND−B1〜B3)が、図4に示した外れ特別図柄乱数更新領域R4,R5,R6にそれぞれ格納される。
表1のうち「ラベル−TRND−T1」は、左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cを変動表示する際の変動態様を決定するために用いられる乱数カウンタである。これら乱数カウンタ「ラベル−TRND−T1」は、「0」〜「198」の範囲の199個の整数でそれぞれ構成されたカウンタ値(以下、「変動態様決定用カウンタ値(ラベルーTRND−T1)」という)を、後述するその他乱数更新処理(S5,S14)が実行される毎に、1インクリメントしてカウントし、そのカウント結果である変動態様決定用カウンタ値(ラベルーTRND−T1)が、図4に示した変動態様乱数更新領域R7に格納される。
表1のうち「ラベル−TRND−F」は、小当たり(普通図柄が当たり始動入賞口14の可動翼片14C,14Cを作動させる)の当否を決定するために用いられる乱数カウンタである。この乱数カウンタ「ラベル−TRND−F」は、「0」〜「9」の範囲の10個の整数でそれぞれ構成されたカウンタ値(以下、「普通図柄当たりカウンタ値(ラベル−TRND−F)」という)を、後述するその他乱数更新処理(S5,S14)が実行される毎に、1インクリメントしてカウントし、そのカウント結果である普通図柄当たりカウンタ値(ラベル−TRND−F)が、図4に示した普通図柄当たり乱数更新領域R8に格納される。
図4に示したカウンタ値記憶領域R11には、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに上記した各更新領域R1〜R8に格納されているカウンタ値が取り出されて、乱数値群として記憶される。また、カウンタ値記憶領域R11には、上記した4つの保留記憶に対応して、4組の乱数値群が記憶されるようになっている。そして、このカウンタ値記憶領域R11に格納された各乱数値に基づいて大当たり判定や特別図柄13A,13B,13C、変動態様の設定等が行われる。
なお、本実施形態では、上記した各種カウンタ値の他に、普通図柄判定用カウンタ値が備えられており、RAM51Bには、普通図柄判定用カウンタ値の更新領域及び取得領域が備えられている。
主制御基板50に備えたワンチップマイコンは、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから図5に示したメインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、メインプログラムPG1がランされると、まず初期設定が行われる(S1)。初期設定(S1)では、例えば、スタックの設定、定数設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種フラグ及び乱数カウンタのリセット等を行う。なお、初期設定(S1)は、メインプログラムPG1が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S1)に次いで、割り込みが禁止され(S2)、主要乱数更新処理(S3)が実行される。この主要乱数更新処理(S3)では、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」及び第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」によって交互にカウントされる大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)及び大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)が更新される。即ち、表2に示すように、動作カウンタ選択値が「0」の場合には大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)がカウントされ、「1」の場合には大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)がカウントされる(本発明の「乱数カウンタ選択手段」に相当する)。また、この動作カウンタ選択値によって選択されるカウンタ及びカウンタ値を以下「動作対象カウンタ」及び「動作対象カウンタ値」という。具体的には、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)及び大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)は、電源投入時には「0」に設定され、主要乱数更新処理(S3)が実行されると、図6に示すように、まず動作終了フラグがONかどうか確認される(S321)。動作終了フラグがONであれば(S321でYes)、動作回数選択カウンタ(本発明の「補助数値」に相当する)が1インクリメントされ(S322)、動作終了フラグをOFFにしてこの処理(S3)を抜ける。
動作終了フラグがONでなければ(S321でNo)、動作回数選択済みフラグがONであるか確認し(S323)、ONでなければ(S323でNo)動作回数選択テーブル(表3、本発明の「データテーブル」に相当する)から動作回数選択カウンタに対応する動作回数値を取得し(S324)動作回数選択済みフラグをON(S325)にしてこの処理(S3)を抜ける。
動作回数選択済みフラグがON(S323でYes)であれば、動作回数値をロードし(S326)、動作回数値が「0」かどうか判断する(S327)。動作回数値が「0」でなければ(S327でNo)、動作対象カウンタ値を1インクリメントし動作対象カウンタ値の更新値を得る(S328)。1インクリメントされた結果が、それぞれのカウンタ値の上限値(大当たりカウンタ値なら「630」、大当たり図柄カウンタ値なら「10」)と等しいかどうか判断し(S329)、上限値と等しければ(S329でYes)カウンタ値を「0」にリセットし(S330)、上限値と等しくなければ(S329でNo)カウンタ値の更新値を「0」にリセットせずに次の処理(S331)に移る。
ステップS331では、後で述べるステップS332,S125及びS135でセットした動作対象カウンタ値の初期値(以下「大当たりカウンタ初期値」又は「大当たり図柄カウンタ初期値」という)から動作対象カウンタ値の更新値を減算して「0」かどうか判断する(S331)。「0」であれば(S331でYes)、動作対象カウンタが大当たりカウンタの場合には、現在の大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)を取得し、大当たりカウンタ初期値及び大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)としてセットする(S332、本発明の「第1初期値決定手段」に相当する)。また、動作対象カウンタが大当たり図柄カウンタの場合には、現在の図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)を取得して、大当たり図柄カウンタ初期値及び大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)としてセットする(S332、本発明の「第2初期値決定手段」に相当する)。そして動作回数値を1ディクリメントして(S333)この処理(S3)を抜ける。ステップ331で減算した結果が「0」でなければ(S331でNo)、そのまま動作回数値を1ディクリメントして(S333)この処理(S3)を抜ける。
ステップS327において、動作回数値が「0」であれば動作回数選択済みフラグをOFFにして(S334)、動作カウンタ選択値を1インクリメントする(S335)。その結果、動作カウンタ選択値の値が「2」かどうか判断し(S336)、「2」であれば(S336でYes)動作終了フラグをONし(S337)、動作カウンタ選択値を「0」としてRAM51Bに記憶させ(S338)、この処理(S3)を抜ける。動作カウンタ選択値が「2」でなければ(S336でNo)、動作回数選択カウンタ値を1インクリメントし、加算した結果が、上限値(「6」)と等しければカウンタ値を「0」にリセットしてこの処理(S3)を抜け、上限値と等しくなければ直ちにこの処理(S3)を抜ける。なお、この動作回数選択カウンタが、本発明の「素数決定カウンタ」に相当する。
図5に示すように、主要乱数更新処理(S3)が終了すると、その他乱数更新処理(S5)が実行される。その他乱数更新処理(S5)では、乱数カウンタ「ラベル−TRND−RC,B1〜B3,T1,AS,AZ1S,F」のカウンタ値が更新される。これらも電源投入時には「0」に設定され、その他乱数更新処理(S5)が実行されると、図8に示すように、まず1インクリメントされる(S521)。1インクリメントされた結果、カウンタ値がそれぞれの上限値と等しいか否かが順にチェックされ(S522)、上限値と等しい場合には、下限値にリセットされて(S523)この処理(S5)を抜け、上限値と等しくない場合には、下限値にリセットされずにこの処理(S5)を抜ける。
主要乱数更新処理(S3)、その他乱数更新処理(S5)における動作を纏めると、動作対象カウンタ値(大当たりカウンタ値又は大当たり図柄カウンタ値の何れか一方)が、動作対象カウンタの選択に伴って動作回数選択テーブル(表3)より逐一決定した動作回数値の回数分のカウント動作を行うことにより、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」及び第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」が同期しない期間を従来より長くすることができると共に、両カウンタ値の組み合わせの変化パターン自体が煩雑になってランダム性を高めることができる。
その他乱数更新処理(S5)では、第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」及び第2付随カウンタ「ラベル−TRND−AZ1S」が、主要乱数更新処理(S3)の第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」及び第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」とは異なる周期でカウントを繰り返している。このことから、大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)及び図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)を、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」及び第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」の更新に用いると、大当たりカウンタ初期値又は大当たり図柄カウンタ初期値の数値が1ループ分カウントする毎に、大当たりカウンタ初期値及び大当たり図柄カウンタ初期値が毎回異なり、両カウンタ値の組み合わせの変化パターン自体がより煩雑になる。
その他乱数更新処理(S5)が終了すると、割り込みが許可され(S6)、4msタイマ割り込み処理(S7)が実行可能となる。4msタイマ割り込み処理(S7)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、4msタイマ割り込み処理(S7)が終了してから、次に4msタイマ割り込み処理(S7)が開始されるまでの残余処理期間中(残余処理期間の長さは割り込み処理の要する時間により毎回異なる)に、主要乱数更新処理(S3)、その他乱数更新処理(S5)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、この4ms割り込み処理(S7)に要する処理時間は、処理内容によって毎回異なるため、割り込み処理の間に実行される主要乱数更新処理(S3)、その他乱数更新処理(S5)の実行回数も4ms割り込み処理(S7)に要する処理時間によって変化する。なお、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、4msタイマ割り込み処理(S7)はすぐには開始されず、割り込みが許可(S6)されてから開始される。
4msタイマ割り込み処理(S7)について説明する。図8に示すように、4msタイマ割り込み処理(S7)では、まず、出力処理(S10)が実行される。この処理(S10)では、後述する特別動作処理(S17)において決定された各種コマンドや乱数カウンタのカウンタ値がRAM51Bの出力バッファにセットされているか否かをチェックして、セットされていた場合には、そのコマンドや乱数カウンタのカウンタ値を各種制御基板55,56,57,59(図3を参照)に出力する。
出力処理(S10)に次いで行われる入力処理(S11)では、各入賞口14,15,20及び始動ゲート18等に備えた各種センサ30,31,32,33(図3を参照)等による遊技球の検出信号を受信する。
入力処理(S11)に次いで大当たり乱数更新割込処理(S12)が実行されると、図10に示すように、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が1インクリメントされる(S121)。その1インクリメントされた結果得られたカウンタ値の更新値が上限値「630」と等しいか否かがチェックされ(S122)、「630」と等しい場合(S122でYes)には、下限値「0」にリセットされて(S123)次の処理(S124)に移り、「630」と等しくない場合(S122でNo)には、「0」にリセットされずに次の処理(S124)に移る。
ステップS124では、上述したステップS332、又は後述するステップS125でセットした大当たりカウンタ初期値から大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)の更新値を減算して「0」かどうか判断する(S124)。減算した値が「0」でなければ(S124でNo)この処理(S12)を抜け、「0」であれば現在の大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)を取得し、取得した大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)を、大当たりカウンタ初期値及び大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)としてセットする(S125)。
次に行われる図柄乱数更新割込処理(S13)では、大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)が更新される。図10に示すように、まず大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)が1インクリメントされ(S131)、1インクリメントされた結果、カウンタ値の更新値が上限値「10」と等しいか否かがチェックされる(S132)。その結果、カウンタ値が「10」と等しい場合(S132でYes)には、下限値「0」にリセットされて(S133)次の処理(S134)に移り、「10」と等しくない場合(S132でNo)には、「0」にリセットされずに次の処理(S134)に移る。
ステップS134では、上述したS332、又は後述するステップS135でセットした大当たり図柄カウンタ初期値から大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)の更新値を減算して「0」かどうか判断する(S134)。減算した値が「0」でなければ(S134でNo)この処理(S13)を抜け、「0」であれば(S134でYes)現在の図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)を取得し、取得した図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)を、大当たり図柄カウンタ初期値及び大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)としてセットする(S135)。
次に行われるその他乱数更新割込処理(S14)では、上記表1のリーチ有無決定用カウンタ値(「TRND−RC」)、左、中、右特別図柄用カウンタ値(「TRND−B1〜B3」)、変動態様決定用カウンタ値(「TRND−T1」)、普通図柄当たりカウンタ値(「TRND−F」)が更新される。即ち、図11のように、その他乱数更新割込処理(S14)が実行されると、まず1インクリメントされる(S141)。1インクリメントされた結果、カウンタ値がそれぞれの上限値と等しいか否かがチェックされ(S142)、各上限値と等しい場合(S142でYes)には、各下限値にリセットされて(S143)この処理(S14)を抜け、各上限値と等しくない場合(S142でNo)には、直ちにこの処理(S14)を抜ける。
大当たり乱数更新割込処理(S12)、図柄乱数更新割込処理(S13)、その他乱数更新割込処理(S14)における動作を纏めると、まず大当たり乱数更新割込処理(S12)では、ステップS125において、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」が、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を1ループ分カウントしたタイミングで、大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)を、大当たりカウンタ初期値としてセットする。すると、第1カウンタ「ラベル−TRND−A」が、その大当たりカウンタ初期値を始点にして大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)群を次の1ループ分カウントし、以下、同じ動作を繰り返す。また、これと同様に、大当たり図柄決定用乱数更新割込処理(S13)では、ステップS135において、大当たり図柄カウンタ初期値を取得して、第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」が、その大当たり図柄カウンタ初期値を始点にして大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)を次の1ループ分カウントする動作を繰り返す。
一方、その他乱数更新割込処理(S14)では、ステップS125やS135に相当する処理は行われず、それぞれの上限値と下限値の間で、ループ状にカウントをする動作を繰り返す。
また、大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)、及び図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)は、その他乱数更新処理(S5)でのみ、カウンタ値の更新が行われ、その他乱数更新割込処理(S14)においては更新されない。即ち、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)及び大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)は、主制御基板50のメインプログラムPG1の主要乱数更新処理(S3)と、4ms割り込み処理(S7)の大当たり乱数更新割込処理(S12)及び図柄乱数更新割込処理(S13)とでカウンタ値が更新されるのに対し、大当たり初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AS)及び図柄初期値カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1S)は、主制御基板50のメインプログラムPG1のその他乱数更新処理(S5)でのみ更新される。このため、第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」及び第2付随カウンタ「ラベル−TRND−AZ1S」は、第1の乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」及び第2の乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」とは異なる周期でカウントすることになる。
次いで行われる始動スイッチ検出処理(S15)は、図12に示されている。この処理(S15)では、RAM51Bの更新領域R1〜R8に格納されている各種乱数カウンタのカウンタ値が取り出され、保留記憶数に応じたアドレス空間に格納される。詳細には、まず、始動入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、始動入賞口14に備えた検出センサによって遊技球が検出されたか否かがチェックされる(S150)。
ここで、始動入賞口14に遊技球が入賞していなかった場合(S150でno)は、直ちにこの処理(S15)を抜ける。始動入賞口14に遊技球が入賞した場合(S150でyes)には、保留記憶数が4個(上限数)に達しているか否かがチェックされる(S151)。保留記憶数が4個に達している場合(S151でyes)には、新たなカウンタ値の記憶を行わずに、直ちにこの処理(S15)を抜ける。一方、保留記憶数が4個未満であった場合(S151でno)には、保留記憶数を1加算し(S152)、各種カウンタ値を記憶する。詳細には、RAM51Bの更新領域R1に記憶されている大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して、RAM51Bの記憶領域R0のうち、保留記憶数に応じたアドレス空間に格納する(S153)。次に、RAM51Bの更新領域R2に記憶されている大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)を読み出して、カウンタ値記憶領域R11のうち、保留記憶数に応じたアドレス空間に格納する(S154)。
なお、始動スイッチ検出処理(S15)では、図示されていないが、リーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)も更新領域R3,R7から取り出されて、記憶領域R0のうち保留記憶数に応じたアドレス空間に格納される。即ち、始動入賞口14への遊技球の入賞を契機として、表1に示した各種乱数カウンタのカウンタ値が取得される。以上が始動スイッチ検出処理(S15)の説明である。
図8に示すように、始動スイッチ検出処理(S15)に次いで、普通動作処理(S16)が行われる。この処理(S16)では、始動ゲート18内に設けた普通図柄始動センサ(図示せず)が遊技球の通過を検出したときに、RAM51Bの普通図柄判定用カウンタ値の更新領域からカウンタ値を取得し、RAM51Bに設けられた取得領域に格納する。
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、上記ステップS15においてRAM51Bのカウンタ値記憶領域R11に格納された各種カウンタ値に基づいて行われる。
特別動作処理(S17)は、図13に示されており、まず、外れ特別図柄作成処理(S170)が行われる。外れ特別図柄作成処理(S170)は、図14に詳細に示されており、まず、RAM51Bの更新領域R1〜R13のアドレスをセットして、左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)を読み出す(S100)。次に、判定値として、右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)を読み出す(S101)。そして、これら左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)と右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)とを比較し(S102)、一致していた場合(S102でyes)には、直ちにこの処理(S170)を抜ける。
一致しなかった場合(S102でno)には、外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)の格納先のアドレス空間として、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R11のうち保留記憶数に応じたアドレス空間をセットし(S103)、更新領域R1〜R13に記憶されている外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)を、セットされたアドレス空間に転送して格納する(S104)。
図13に示すように、外れ特別図柄作成処理(S170)に次いで、特別動作ステータスがチェック(S171,S173,S175)され、この特別動作ステータスに応じて特別図柄待機処理(S172)、特別図柄変動処理(S174)、特別図柄確定処理(S176)、特別電動役物処理(S177)の何れかが実行される。
特別動作ステータスが「1」であった場合(S171でyes)、即ち、特別図柄13A,13B,13Cが変動表示中又は「大当たり遊技」中の何れでもない場合には、特別図柄待機処理(S172)が実行される。
特別図柄待機処理(S172)は、図15に示されている。まず、保留記憶数が「0」か否かがチェックされる(S202)。保留記憶数が「0」である場合(S202でyes)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が無い場合には、液晶表示部34の表示が待機画面であるか否かがチェックされる(S208)。待機画面である場合(S208でyes)には直ちにこの処理(S172)を抜ける一方、待機画面でない場合(S208でno)には、待機画面を設定する処理(S209)を行ってから、この処理(S172)を抜ける。
一方、保留記憶数が「0」ではない場合(S202でno)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、以下に説明する、特別図柄大当たり判定処理(S203)、特別図柄選択処理(S204)、特別図柄変動パターン作成処理(S205)、特別図柄乱数シフト処理(S206)、特別図柄変動開始設定(S207)が行われる。
特別図柄大当たり判定処理(S203)では、遊技の当否判定が行われ、「大当たり遊技」の実行の可否が判定される。詳細には、図16に示すように、まず、判定値として、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R11に格納されている大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S310)。次に、大当たり判定値テーブルのアドレスをセットし(S311)、これにより、表3に示すように、確率変動状態における比較値として例えば、「1」〜「19」、「397」が設定され、非確率変動状態における比較値として例えば「3」,「397」が設定される(本発明の「第1の当たり数値」に相当する)。次いで、確率変動状態(確変フラグがON)か否かをチェック(S312)して、確率変動状態である場合(S312でyes)には、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が「1」〜「19」、「397」の何れかと一致したか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される(S315)。一方、非確率変動状態である場合(S312でno)には、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が「3」又は「397」と一致したか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される(S313)。そして、何れの場合も「大当たりである」と判定された場合には(S313でyes、S315でyes)、RAM51Bに格納された大当たりフラグがONされ(S314)、「大当たりではない」と判定された場合には(S313でno、S315でno)、何もせずに(大当たりフラグをオフのままにして)この処理(S203)を抜ける。以上が特別図柄大当たり判定処理(S203)の説明である。なお、この特別図柄大当たり判定処理(S203)が本発明に係る「大当たり遊技当否判定手段」に相当する。
図15に示すように、特別図柄大当たり判定処理(S203)に次いで特別図柄選択処理(S204)が実行される。特別図柄選択処理(S204)は、図17に示されており、まず、大当たりフラグがONか否かチェックする(S210)。
大当たりフラグがONである場合(S210でyes)、即ち、取得した大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が大当たり判定値テーブルの当たり数値(表3を参照)の何れかに一致していた場合には、液晶表示部34における特別図柄13A,13B,13Cが全て同一(ぞろ目)となる組合せに決定する。具体的には、図12に示す始動スイッチ検出処理(S15)で取得した大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)をRAM51Bの出力バッファにセットして(S211)、この処理(S204)を抜ける。なお、この特別図柄選択処理(S204)が本発明に係る「図柄決定手段」に相当する。
一方、大当たりフラグがオフであった場合(S210でno)、即ち、取得した大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が当たり数値(表3を参照)の何れとも一致しなかった場合には、始動入賞口14の入賞に起因して取得したリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)が予め設定された11個のリーチ発生数値(例えば、5,17,28,40,51,63,74,86,97,109,120)の何れかと一致したか否かをチェックする(S212)。
取得したリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ発生数値の何れかと一致した場合(S212でyes)には、特別図柄13A,13B,13Cの停止図柄がリーチ外れとなる組合せにする。
具体的には、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R11に記憶されている左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)を強制的に右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)と同一数値に変更(S213)すると共に、左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)に1加算し(S214)、その加算した数値を強制的に中外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B2)にする(S215)。即ち、特別図柄13A,13B,13Cを、例えば、「1 2 1」、「2 3 2」の如く確定停止表示されるように決定する。そして、決定された外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)をRAM51Bの出力バッファにセットして、この処理(S204)を抜ける。
一方、取得したリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)が上記したリーチ発生数値の何れとも一致しなかった場合(S212でno)、即ち、リーチ無し外れの場合には、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R11に記憶された外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)をそのままRAM51Bの出力バッファにセット(S216)して、この処理(S204)を抜ける。以上が特別図柄選択処理(S204)の説明である。
図15に示すように、特別図柄選択処理(S204)に次いで、特別図柄変動パターン作成処理(S205)が実行される。特別図柄変動パターン作成処理(S205)は、図18に示されており、最初に、大当たりフラグがONしているか否かが判別される(S240)。そして、大当たりフラグがONしている場合(S240でyes)、即ち、当否判定結果が「当たり」の場合には、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて、下記表4に示した第1変動パターンテーブルの中から、変動パターン1又は変動パターン2の何れか一方が選択される(S241)。具体的には、取得した変動態様決定用カウンタ値が0〜194の何れかの値であった場合には、変動パターン1が選択され、取得した変動態様決定用カウンタ値が195〜198の何れかの値であった場合には、変動パターン2が選択される。
一方、大当たりフラグがOFFしている場合(S240でno)、即ち、当否判定結果が「外れ」の場合には、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて、下記表5に示した第2変動パターンテーブルの中から、変動パターン1、変動パターン2又は変動パターン3の何れかが選択される(S243)。具体的には、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)が、0であった場合には、変動パターン1が選択され、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)が、1〜18の何れかの値であった場合には、変動パターン2が選択され、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)が、19〜198の何れかの値であった場合には、変動パターン3が選択される。
変動パターンが選択されたら、その他の処理(S242)を行ってから、この処理(S205)を抜ける。なお、その他(S242)の処理では、選択された変動パターンに応じた変動パターンコマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。
図15に示すように、特別図柄変動パターン作成処理(S205)に次いで、特別図柄乱数シフト処理(S206)が行われる。この処理(S206)は図19に示されており、最初に、保留記憶数(RAM51Bの保留数記憶領域の数値)が1ディクリメントされる(S350)。次いで、カウンタ値記憶領域R11における各種カウンタ値の格納場所が、1つ下位側(図4におけるアドレス「0000」側)のカウンタ値記憶領域R11にシフトされる(S351)。そして、最上位のカウンタ値記憶領域R11の各アドレス空間に「0」をセットして(S352)、この処理(S206)を抜ける。
図15に示すように、特別図柄乱数シフト処理(S206)に次いで行われる特別図柄変動開始設定(S207)では、特別動作ステータスを「2」に設定すると共に、変動開始コマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。以上が、特別動作処理(S15)における特別図柄待機処理(S172)の説明である。
図13に示すように、特別動作処理(S17)において特別動作ステータスが「2」であった場合(S171でno、S173でyes)、特別図柄変動処理(S174)が実行される。この処理(S174)は、図20に示されており、最初に、特別図柄変動パターン作成処理(S205、図18参照)で設定された変動パターンに応じた変動表示時間(表4及び表5を参照)が経過したか否かがチェックされ、経過していない場合(S261でno)には、直ちにこの処理(S174)を抜けて特別図柄13A,13B,13Cの変動表示を続行する。
一方、変動パターンに応じて設定された変動表示時間に亘って特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が行われた場合(S261でyes)には、変動停止テーブルのアドレスをセット(S262)してから、データ格納処理(S263)が行われる。これらの処理(S262,S263)では、変動表示中の特別図柄13A,13B,13Cを停止表示させる変動停止コマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。次いで、特別動作ステータスを「3」に設定し(S264)、その他の処理(S265)を行ってから、この処理(S174)を抜ける。
図13に示すように、特別動作処理(S17)において特別動作ステータスが「3」の場合(S173でno、S175でyes)には、特別図柄確定処理(S176)が実行される。特別図柄確定処理(S176)は、図21に示されており、最初に大当たりフラグがONしているか否か(大当たりか否か)がチェックされる(S270)。
大当たりフラグがONしていない場合(S270でno)、即ち、当否判定結果が「外れ」であった場合には、特別動作ステータスを「1」にセットして(S271)、この特別図柄確定処理(S176)から抜ける。一方、大当たりフラグがONしている場合(S270でyes)、即ち、当否判定結果が「当たり」である場合には、「大当たり遊技」に対するラウンドカウンタをセット(S272)し、特別動作ステータスを「4」にセットする(S273)と共に、例えば、RAM51Bに記憶された開放フラグをOFFからONに切り替えて(S274)、この特別図柄確定処理(S176)から抜ける。
ここで、ラウンドカウンタとは、「大当たり遊技」における「ラウンド」数をカウントするものであり、本実施形態では、ラウンドカウンタの初期値は「15」に設定されている。
図13に示すように、特別動作処理(S17)において特別動作ステータスが「4」の場合(S175でno)、即ち、「大当たり遊技」の実行中である場合には、特別電動役物処理(S177)が行われる。特別電動役物処理(S177)は、図22に示されており、最初に、確変フラグをONからOFFに切り替える(S280)。つまり、「大当たり遊技」が開始されると、強制的に確率変動状態が終了する。
次いで、大当たり終了フラグがONか否かがチェックされる(S281)。大当たり終了フラグがONではない場合(S281でno)、即ち、「大当たり遊技」の実行中である場合には、開放フラグに基づいて、大入賞口15が開放中か否かがチェックされる(S282)。
大入賞口15が開放中(開放フラグがON)である場合(S282でyes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かがチェックされる。具体的には、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか否か(S286)、ラウンド終了時間(大入賞口15の開放時間が30秒)となったか否か(S287)がチェックされる。
ラウンド終了条件が不成立であった場合(S286及びS287の何れもNo)には、直ちにこの処理(S177)を抜ける一方、ラウンド終了条件が成立した場合(S286及びS287の何れかでyes)には、ラウンド終了時の処理(S289〜S293)が行われる。
即ち、大入賞口閉鎖処理(S289)によってソレノイド15Sの励磁が停止される。次いで、ラウンドカウンタを1ディクリメント(S290)してから、ラウンドカウンタが「0」となったか否かがチェックされ(S291)、ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S291でno)、即ち、「大当たり遊技」が、最大ラウンド(15ラウンド)まで行われていない場合には、直ちにこの処理(S177)を抜ける。つまり、大当たり遊技中であっても1回のラウンドが終了した時点で開閉扉15Tが「閉位置」となって、一時的に大入賞口15が閉鎖される。
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S291でyes)、即ち、大当たり遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、大当たり終了処理(S292)が行われる。そして、大当たり終了フラグをON(S293)してから、この処理(S177)を抜ける。
ステップS282において、大入賞口15が閉鎖中(開放フラグがOFF)の場合(S282でno)には、大入賞口15を開放する時間となったか否かがチェックされる(S283)。具体的には、「大当たり遊技」が開始されてから所定の開放待ち期間又は、前回のラウンドが終了してから所定のインターバル期間が経過したか否かがチェックされ、開放待ち期間又はインターバル期間が経過していない場合(S283でno)には、この処理(S177)を抜ける一方、開放待ち期間又はインターバル期間が経過した場合(S283でyes)には、大入賞口開放処理(S285)によってソレノイド15Sが励磁される。つまり、「大当たり遊技」の開始又は前回のラウンドが終了してから所定時間が経過すると、開閉扉15Tが「閉位置」から「開位置」に移動して大入賞口15が開放される。
上記ステップS281において、大当たり終了フラグがONであった場合(S281でyes)、即ち、大当たり遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、開放フラグ、大当たり終了フラグ及び大当たりフラグを全てONからOFFに切り替え(S294,S295,S296)て、停止表示された特別図柄13A,13B,13Cが、確変図柄(奇数のぞろ目)か否かをチェックする(S297)。確変図柄でない場合(S297でno)には確変フラグはOFFのままにする一方、確変図柄である場合(S297でyes)には確変フラグをOFFからONに切り替えて(S298)から、特別動作ステータスを「1」にセット(S299)して、この処理(S177)を抜ける。以上が特別動作処理(S17)の説明である。
図8に示すように4msタイマ割り込み処理(S7)では、特別動作処理(S17)に次いで保留記憶数処理(S18)が行われる。この処理(S18)は、図23に示されており、RAM51Bに記憶されたカウンタ値群の組数から保留記憶数を読み取り(S180)、その保留記憶数のデータを、RAM51Bの出力バッファにセットする(S181)。
本実施形態のパチンコ遊技機10における構成の説明は以上である。次に、このパチンコ遊技機10の作用・効果について説明する。
パチンコ遊技機10の電源オンと同時に4ms周期で4ms割り込み処理(S7)が実行され、この4ms割り込み処理(S7)が実行される度に、表1に示した各乱数カウンタが1インクリメントされてカウンタ値が更新されていく。
さて、遊技者がパチンコ遊技機10の操作ノブ28を操作して、遊技球を遊技領域YRに打ち込むと、遊技球が遊技領域YRをランダムに流下する。そして、遊技球が始動入賞口14に入賞(入球)したときに、各乱数カウンタのカウンタ値が乱数値として取得され、それら取得されたカウンタ値に応じて、大当たりの遊技を実行するか否かが判定されると共に、表示装置13に表示する表示内容が決定される。
本実施形態では、大当たりの遊技を実行するか否かの判定には、上記した第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」のカウンタ値である大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が利用され、その判定結果を表示装置13において表示するための図柄を決定するために、第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」のカウンタ値である大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)が利用される。そして、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」と第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」とが交互に選択され、動作対象カウンタとしてカウント動作をさせる。
そして、動作対象カウンタは、動作対象カウンタの選択に伴って逐一選択した素数からなる動作回数値の回数分のカウント動作を行う。動作回数値分のカウント動作をしたら、動作対象を変更すると伴に再度動作回数値を選択し、その動作回数分値分のカウントを行い、以下繰り返される。
また、第1及び第2の各乱数カウンタ「ラベル−TRND−A,AZ1」は、1ループ分のカウント動作を終えたタイミングで、それら各乱数カウンタ「ラベル−TRND−A,AZ1」の次の1ループ分のカウントを行う初期値、即ち、大当たりカウンタ初期値及び大当たり図柄カウンタ初期値が逐一変更される。
また、第1及び第2の乱数カウンタ「ラベル−TRND−A,AZ1」が、1ループ分のカウント動作を終えるタイミングで、第1及び第2の付随カウンタ「ラベル−TRND−AS,AZ1S」がカウントしていたカウント値が、第1及び第2の乱数カウンタ「ラベル−TRND−A,AZ1」が次の1ループ分をカウントする初期値として用いられる。
その第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」は、第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」がカウントされている間もカウントされるので、第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」は、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」のカウント周期と異なる周期でカウント動作を行うこととなる。また、第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」は、メインプログラムPG1のその他乱数更新処理(S5)の実行時のみにカウント動作を行い、4ms割り込み処理(S7)ではカウント動作を行わない。このことからも第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」は、第1乱数カウンタ「ラベル−TRND−A」のカウント周期と異なる周期でカウント動作を行うこととなる。このため第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」のカウント値を、第1カウンタ初期値として用いる度に、第1付随カウンタ「ラベル−TRND−AS」が提供するカウンタ値は逐次異なった値になる。これと同様に、第2付随カウンタ「ラベル−TRND−AZ1S」は、第2乱数カウンタ「ラベル−TRND−AZ1」のカウント周期と異なる周期でカウント動作を行うので、第2付随カウンタ「ラベル−TRND−AZ1S」のカウント値を、第2カウンタ初期値として用いる度に、第2付随カウンタ「ラベル−TRND−AZ1S」が提供するカウンタ値は逐次異なった値になる。
これらにより、第1及び第2の乱数カウンタは、交互に異なる素数の動作回数分をカウントし、さらに第1及び第2の乱数カウンタ「ラベル−TRND−A,AZ1」が1ループ分をカウントする毎に、次の1ループ分のカウントの始点が煩雑に変化することで、従来より、第1及び第2のカウンタ「ラベル−TRND−A,AZ1」の同期しない期間が長くなると共に、両カウンタ値の組み合わせの変化パターン自体も煩雑になる。よって、任意のタイミングで取得した第1及び第2のカウンタ「ラベル−TRND−A,AZ1」のカウンタ値を乱数として遊技の制御に利用した場合に遊技状態のランダム性が確保される。
大当たり判定は、上述したように大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が大当たり判定値(表3)に一致したときに行われ、大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)の「0」〜「9」の数値がぞろ目となって表示装置13に表示される。
ここで、付随カウンタの利用、及び素数の加算を行わず第1及び第2の各カウンタ値(ラベル−TRND−A,AZ1)のみを用いて、大当たり判定と大当たり図柄を決定すると、遊技状態に規則性が生じうる。例えば、「0」から「629」をカウントする第1のカウンタと、「0」から「9」をカウントする第2のカウンタの場合では、第1のカウンタ値が大当たり判定値「397」と一致する時の第2のカウンタ値は、常に「7」となる。仮に、第1のカウンタの上限値を「631」にしても(第1のカウンタ値の構成数が「632」個となり第2のカウンタ値の構成数「10」の実数倍でなくなる)、大当たり判定値「397」に一致する時の第2のカウンタ値は「7」「9」「1」「3」「5」…となって、2ずつずれた値から構成されるという一定の規則性が現れる。
大当たりとなったときの図柄(数値)に、このような規則性があるとすると、遊技者にとっては、次に大当たりとなったときの図柄の予想が容易となり、遊技の趣向性を保つことができなくなる。特に、大当たり図柄の数値が奇数の場合には、大当たり遊技終了後に再び大当たり判定の発生しやすい所謂「確変」となるため、遊技者は奇数のぞろ目が表示されるのを期待して遊技を楽しむこととなる。大当たり図柄に規則性ができて、上述した例のように、奇数の数値が連続してしまうと遊技者に極端に有利となり、逆に偶数の数値が連続してしまうと極端に不利になってしまう。また、遊技者がこの規則性を知り、次に大当たりとなったときの図柄を予想して、遊技を止めたり継続したりといった「決め打ち」も可能となってしまう。
しかしながら、本実施形態では、第1及び第2のカウンタ(ラベル−TRND−A,AZ1)は、それぞれ異なる素数の動作回数値分のカウントを交互におこなうことで下記実施例でのシミュレーションで確認できたように、第1及び第2のカウンタでカウントされる数値の間に上述したような規則性がなくなる。さらに、各カウンタ(ラベル−TRND−A,AZ1)が1ループ分カウントした時点で、別の付随カウンタがカウントしていた数値を始点として次のカウントを始めて各カウンタ値の連続性もなくなる。これらにより、大当たり図柄の数値で奇数や偶数が連続することがなくなり、遊技者が規則性を利用して決め打ちすることが不可能となる。また、各カウンタ値に連続性や規則性が無くなることで、短い周期で両カウンタ値が同期してしまうこともなくなる。その結果、大当たり時に表示される大当たり図柄のランダム性を確保し、遊技の趣向性を安定して保つことができる。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、乱数を生成するための複数のカウンタ値の同期しない期間が従来より長くなる。また、それらカウンタ値の組み合わせの変化パターン自体も煩雑になる。これらにより、任意のタイミングで取得した複数のカウンタ値を乱数として遊技の制御に利用した場合に、遊技状態のランダム性が高まる。そして、それら大当たり判定用カウンタ及び大当たり図柄決定用カウンタがカウントしていた両カウンタ値を任意のタイミングで取得して乱数として遊技の制御に利用した場合に、遊技状態の変化が周期的・規則的になる事態を防ぐことができ、遊技のランダム性を確保することができる。