以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図26に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の遊技盤11には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域YRが形成され、中央部には、表示装置13が備えられている。遊技領域YRのうち表示装置13の下方には、始動入賞口14、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。また、遊技領域YRのうち表示装置13等を挟んだ左右の両側には、上から順に、ランプ風車17、始動ゲート18、風車19、一般入賞口20,21が設けられ、遊技領域YR全体に亘って、複数の障害釘11Nが起立している。さらに、ガイドレール12に沿った両側端部には、サイドランプ22,22が設けられている。
図1に示すように、パチンコ遊技機10のうち、遊技盤11より上方には、遊技盤11の前面側に張り出した装飾ランプ35が設けられている。パチンコ遊技機10のうち遊技盤11より下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。上皿27Aの前面には、遊技ボタン29Aが備えられ、その遊技ボタン29Aの両側にはスピーカ56Sが備えられている。また、上皿27Aに備えた球抜きボタン29Bを押せば、上皿27Aから下皿27Bに遊技球が移動して収容される。そして、下皿27Bの右端部に設けた操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が遊技盤11の遊技領域YRに向けて弾き出されて遊技が開始される。
次に所要の各部位について詳説する。始動ゲート18は、遊技球が潜って通過可能な門形構造をなし、通過した遊技球は、その始動ゲート18に内蔵したゲートスイッチ30(図3参照)によって検出される。そして、その検出信号に基づいて、後述する普通図柄表示領域24の図柄が変動表示される。
始動入賞口14は、所謂、ポケット構造をなして上方に向かって開口しており、その開口の両側部には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた始動入賞口14の開口幅は、遊技球が約1つ入る大きさになっている。そして、ゲートスイッチ30への遊技球の通過を起因に遊技盤11の裏に設けたソレノイドが駆動されると、可動翼片14C,14Cが横に倒され、遊技球が可動翼片14Cに案内されて始動入賞口14に入り得る状態になる。
始動入賞口14に遊技球が入賞すると、始動入賞口14内に設けた始動口センサ31(図3参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて表示装置13が後述するように図柄を変動表示する。なお、表示装置13が図柄を変動表示している間に、始動入賞口14に入賞した入賞球は、予め定められた個数(例えば4個)まで保留記憶される。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、後述する所定条件の成立によって、パチンコ遊技機10が「大当たり状態」になり、「大当たり遊技」が実行される。その大当たり遊技が実行されると、遊技盤11の裏に設けたソレノイド15S(図3参照)が駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能になる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に、1回分の「大当たり遊技」が終了する。
大入賞口15の内部には、図示しない継続入賞口と計数入賞口とが設けられている場合があり、設けた場合には、これら継続入賞口及び計数入賞口が開放される。より詳細には、可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイド15M(図3を参照)が駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサ(図示しない)が遊技球の入賞を検出すると継続権利が発生して、前述した終了条件(可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか)を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサ(図示しない)が遊技球の入賞を検出すると、前記継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。
表示装置13は、全体として枠形構造をなした表示枠体23の後端面に、図示しない液晶モジュール(詳細には、TFT−LCDモジュール)を組み付けてなる。液晶モジュールのうち表示枠体23によって取り囲まれた前面部分は、液晶表示画面34(本発明の「判定結果表示手段」に相当する)となっており、遊技者は、表示枠体23を通して液晶表示画面34に表示された画像を見ることができる。
液晶表示画面34には、図1に示すように、通常は、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13C(本発明の「判定図柄」に相当する)が、横並びに表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが、液晶表示画面34に確定表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに当否判定を行い、各特別図柄13A,13B,13Cを、上下方向にスクロールして変動表示し、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cを停止表示し、このときの、左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cの組み合わせによって、当否判定の結果を報知する。具体的には、例えば、当否判定の結果が当たりの場合に、全ての特別図柄13A,13B,13Cが同じ図柄、即ち、ぞろ目になって、遊技が前記した「大当たり状態」となり、「大当たり遊技」が実行されて可動扉15Tが開かれる。
また、各特別図柄13A,13B,13Cを、変動表示後、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cを停止する際に、左、右の各特別図柄13A,13Cが同じ図柄になって先に停止した状態で、中特別図柄13Bが変動表示された状態になる場合がある。この状態を「リーチ」という。
液晶表示画面34のうち、特別図柄13A,13B,13Cの表示領域の左下隅には、普通図柄表示領域24が設けられている。この普通図柄表示領域24は、始動ゲート18内に設けたゲートスイッチ30(図3参照)が遊技球の通過を検出したときに当否判定して、例えば、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。そして、確定表示された数字が、例えば、奇数の場合(普通図柄の当たりの事を「小当たり」と呼ぶ)に、始動入賞口14に設けた可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒)に亘って横に倒される。なお、普通図柄表示領域24で表示する図柄は、数字に限るものではなく、アルファベットや記号等でもよい。
ところで、表示枠体23のうち液晶表示画面34の上方には、複数の表示枠ランプ23Aと、本発明の「前兆演出手段」に相当する前兆ランプ25とが備えられている(図1参照)。表示枠ランプ23Aは、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示に合わせて点灯及び消灯を繰り返し行う。一方、前兆ランプ25は、パチンコ遊技機10が当否判定の結果が当たりの場合のみに、その前兆として、各特別図柄13A,13B,13Cが変動表示中に一時的に点灯する。なお、この前兆ランプ25のランプ光が本発明の「演出信号」に相当する。
図2に示すように、パチンコ遊技機10の後面には、各種制御基板が設けられている。具体的には、パチンコ遊技機10の後面中央には、主制御基板50が設けられ、この主制御基板50に重なるようにして、サブ制御基板52(図2に示されていない)、ランプ制御基板55、音声制御基板56及び表示制御基板57が設けられている。さらに、各基板50,52,55,56,57の下方には、電源基板58、払出制御基板59が備えられ、電源基板58の下方に遊技球発射装置70及び発射制御装置60が備えられている。
図3に示すように、主制御基板50は、CPU51AとRAM51B及びROM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備えている。ワンチップマイコン51は、入出力回路54,54を介して、入賞球を検出するためのゲートスイッチ30、始動口センサ31及びその他のセンサ、スイッチ類等から検出信号を受け取り、後述する主制御基板メインプログラムPG1にて処理を行う。そして、その処理結果に応じて、サブ制御基板52及び払出制御基板59と、両基板52,59に接続されたランプ制御基板55、音声制御基板56及び表示制御基板57、発射制御装置60等に制御データを出力して各部位を制御する。
また、図3には示されていないが、主制御基板50とこれらの各制御基板52,59,55,56,60とは、制御データを送受信するパラレル信号線で接続されるとともに、ストローブラインでも接続されている。主制御基板50は制御データを出力する前に、その出力先を特定するためのストローブ信号をこのストローブラインによって送信する。例えば、主制御基板50からサブ制御基板52のみに制御データを出力する場合には、ストローブラインによってサブ制御基板52のみにストローブ信号を出力してから、サブ制御基板52用の制御データを信号線に出力する。
ランプ制御基板55は、主制御基板50からサブ制御基板52を介して受け取った制御データに基づいて発光パターン選択を行い、サイドランプ22、装飾ランプ35、表示枠ランプ23A、前兆ランプ25を点灯させる。
音声制御基板56は、主制御基板50からサブ制御基板52を介して受け取った制御データに基づいてBGMや演出時の音声データを設定し、スピーカ56Sより音声を発生させる。
表示制御基板57は、液晶表示画面34に遊技画像を表示するための画像制御データや画像データ等を記憶する表示用ROM57Cを備える。そして、主制御基板50からサブ制御基板52を介して受け取った制御データに基づき、表示用CPU57Aが、表示用ROM57Cから所定のデータを取り出し、表示用RAM57Bの作業領域にて遊技画像(特別図柄、演出図柄、背景画像、キャラクタ画像、文字画像等)を作成し、液晶表示画面34に表示させる。
払出制御基板59は、各入賞口14,15,20,21への遊技球の入賞に基づいたワンチップマイコン51からの信号や、プリペイドカードユニット150からの信号に基づいて、賞球払出装置62及び貸球払出装置63を駆動して遊技球を上皿27Aに払い出す。
図4には、主制御基板50に備えられたRAM51Bの記憶領域R0が概念的に示されている。この記憶領域R0は、例えば、1バイトずつの複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、所定のアドレス空間で構成されたカウンタ値記憶領域R10が、表1に示した各種の乱数カウンタのデータ格納部として設けられている。また、このアドレス空間は、乱数カウンタの更新領域以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。さらに、RAM51Bには、CPU51Aの作業領域も備えられている。
上記表1における「乱数カウンタ名」の各乱数カウンタは、同表における「数値範囲」の連続した複数個の整数からなるカウンタ値を、所定の処理が実行される度に、1インクリメントしてカウントし、逐次、そのカウント結果、即ち、「カウンタ値」が、図4に示した所定のカウンタ値記憶領域R10に格納される。また、各乱数カウンタのカウント結果が、「数値範囲」の最大値まで達したら、次に「数値範囲」の最小値をカウントする。
そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに(入賞検出を起因に)、各種カウンタ値群をカウンタ値記憶領域R10に格納(記憶)する。また、カウンタ値記憶領域R10には、上記した4つの保留記憶に対応して、4組の乱数値群が格納(記憶)されるようになっている。そして、このカウンタ値記憶領域R10に格納(記憶)された各乱数値に基づいて大当たり判定や特別図柄13A,13B,13C、変動態様の設定等が行われる。なお、本実施形態では各乱数カウンタの乱数値を入賞検出を起因に取得するが、例えば入賞検出を起因に大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)と大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)を取得して、それ以外は変動開始時に取得するなど、取得起因を各乱数カウンタによって異ならせてもよいとする。
また、本実施形態では、表1に示した各種カウンタ値の他に、普通図柄判定用カウンタ値が備えられており、RAM51Bには、普通図柄判定用カウンタ値の更新領域及び取得領域が備えられている。
主制御基板50に備えたワンチップマイコン51は、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから図5に示した主制御基板メインプログラムPG1を取り出してランする。同図に示すように、主制御基板メインプログラムPG1がランされると、まず初期設定が行われる(S1)。初期設定(S1)では、例えば、スタックの設定、定数設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。なお、初期設定(S1)は、主制御基板メインプログラムPG1が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S1)に次いで、割り込みが禁止され(S2)、特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。この特別図柄主要乱数更新処理(S3)では、上記表1に示した各カウンタ値が更新される。更新された各カウンタ値は、RAMの記憶領域R0(図8参照)のうち、カウンタ値記憶領域R10とは別に設けられた更新値記憶領域(図示せず)に逐一記憶され、この特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了する。
特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が実行可能となる。主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、例えば、4msec周期で繰り返して実行される。そして、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が終了してから、次に主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中に、特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込みが許可(S4)されてから開始される。
主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)について説明する。図6に示すように、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が実行される。この処理(S10)では、以下説明する各処理においてRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データをサブ制御基板52、払出制御基板59等に出力する。なお、本発明に係る「変動パターン」の情報を含む「変動パターンコマンド」は、この処理(S10)で制御データの1つとして主制御基板50からサブ制御基板52に出力される。
出力処理(S10)に次いで行われる入力処理(S11)では、ゲートスイッチ30、始動口センサ31、その他センサ、スイッチ類(図3参照)等の検出信号を取り込み、払出数情報として、RAM51Bの出力バッファに記憶する。また、下皿27Bが満杯になったときに発生する下皿満杯スイッチ32の検出信号も下皿満杯データとして取り込み、RAM51Bの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)では、上記表1に示した各種カウンタ値に加え、普通図柄決定用のカウンタ値が、上記特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同様にして更新される。即ち、普通図柄決定用のカウンタ値は、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)中にのみ更新され、表1に示した各種カウンタ値は、残余処理期間(主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が終了後、次の主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)中にも行われている。
次いで行われる始動スイッチ検出処理(S15)は、図7に示されている。この処理(S15)では、RAM51Bの更新値記憶領域に格納されている各種乱数カウンタ値が取り出され、RAMのカウンタ値記憶領域R10のうち保留記憶数に応じたアドレス空間(図4参照)に格納される。詳細には、まず、始動入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、始動入賞口14に備えた始動口センサ31によって遊技球が検出されたか否かがチェックされる(S150)。
ここで、始動入賞口14に遊技球が入賞していなかった場合(S150でno)は、直ちにこの処理(S15)を抜ける。始動入賞口14に遊技球が入賞した場合(S150でyes)には、保留記憶数が4個(上限数)に達しているか否かがチェックされる(S151)。保留記憶数が4個に達している場合(S151でyes)には、新たなカウンタ値の記憶を行わずに、直ちにこの処理(S15)を抜ける。一方、保留記憶数が4個未満であった場合(S151でno)には、保留記憶数を1加算し(S152)、各種カウンタ値を記憶する。詳細には、RAM51Bの更新値記憶領域に記憶されている大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して、RAMのカウンタ値記憶領域R10のうち、保留記憶数に応じたアドレス空間に格納する(S153)。次に、RAM51Bの更新値記憶領域に記憶されている大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)を読み出して、カウンタ値記憶領域R10のうち、保留記憶数に応じたアドレス空間に格納する(S154)。
なお、始動スイッチ検出処理(S15)では、図示されていないが、リーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)も更新値記憶領域から取り出されて、記憶領域R10のうち保留記憶数に応じたアドレス空間に格納される。即ち、始動入賞口14への遊技球の入賞を契機として、表1に示した各種乱数カウンタのカウンタ値が取得される。以上が始動スイッチ検出処理(S15)の説明である。
図6に示すように、始動スイッチ検出処理(S15)に次いで、普通動作処理(S16)が行われる。この処理(S16)では、始動ゲート18内に設けたゲートスイッチ30が遊技球の通過を検出したときに、RAM51Bの普通図柄判定用カウンタ値の更新領域からカウンタ値を取得し、RAM51Bに設けられた取得領域に格納する。
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、上記始動スイッチ検出処理(S15)においてRAM51Bのカウンタ値記憶領域R10に格納された各種カウンタ値に基づいて行われる。
特別動作処理(S17)は、図8に示されており、まず、外れ特別図柄作成処理(S170)が行われる。外れ特別図柄作成処理(S170)は、図9に詳細に示されており、まず、RAM51Bの更新値記憶領域のアドレスをセットして、左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)を読み出す(S100)。次に、判定値として、右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)を読み出す(S101)。そして、これら左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)と右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)とを比較し(S102)、一致していた場合(S102でyes)には、直ちにこの処理(S170)を抜ける。
一致しなかった場合(S102でno)には、外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)の格納先のアドレス空間として、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R10のうち保留記憶数に応じたアドレス空間をセットし(S103)、更新値記憶領域に記憶されている外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)を、セットされたアドレス空間に転送して格納する(S104)。
図8に示すように、外れ特別図柄作成処理(S170)に次いで、特別動作ステータスがチェック(S171,S173,S175)され、この特別動作ステータスに応じて特別図柄待機処理(S172)、特別図柄変動処理(S174)、特別図柄確定処理(S176)、特別電動役物処理(S177)の何れかが実行される。
特別動作ステータスが「1」であった場合(S171でyes)、即ち、特別図柄13A,13B,13Cが変動表示中又は「大当たり遊技」中の何れでもない場合には、特別図柄待機処理(S172)が実行される。
特別図柄待機処理(S172)は、図10に示されている。まず、保留記憶数が「0」か否かがチェックされる(S202)。保留記憶数が「0」である場合(S202でyes)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が無い場合には、液晶表示画面34の表示が待機画面であるか否かがチェックされる(S208)。待機画面である場合(S208でyes)には、待受状態データをRAM51Bの出力バッファに記憶し、直ちにこの処理(S172)を抜ける。一方、待機画面でない場合(S208でno)には、待機画面を設定する処理(S209)を行ってから、この処理(S172)を抜ける。
一方、保留記憶数が「0」ではない場合(S202でno)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、以下に説明する、特別図柄大当たり判定処理(S203)、特別図柄選択処理(S204)、特別図柄変動パターン作成処理(S205)、特別図柄乱数シフト処理(S206)、特別図柄変動開始設定(S207)が行われる。
特別図柄大当たり判定処理(S203)では、「大当たり遊技」の実行の可否が判定(本発明の「当否判定」に相当する)される。詳細には、図11に示すように、まず、判定値として、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R10に格納されている大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S310)。次に、大当たり判定値テーブルのアドレスをセットし(S311)、これにより、表2に示すように、非確率変動状態における比較値として例えば「3」,「397」が設定され、確率変動状態における比較値として例えば、「1」〜「19」、「397」が設定される。次いで、確率変動状態(確変フラグがON)か否かをチェック(S312)して、確率変動状態である場合(S312でyes)には、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が「1」〜「19」、「397」の何れかと一致したか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される(S315)。一方、非確率変動状態である場合(S312でno)には、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が「3」又は「397」と一致したか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される(S313)。そして、何れの場合も「大当たりである」と判定された場合には(S313でyes、S315でyes)、RAM51Bに格納された大当たりフラグがオンされ(S314)、「大当たりではない」と判定された場合には(S313でno、S315でno)、何もせずに(大当たりフラグをオフのままにして)この処理(S203)を抜ける。以上が特別図柄大当たり判定処理(S203)の説明である。なお、この特別図柄大当たり判定処理(S203)が本発明に係る「当否判定手段」に相当する。
図10に示すように、特別図柄大当たり判定処理(S203)に次いで特別図柄選択処理(S204)が実行される。特別図柄選択処理(S204)は、図12に示されており、まず、大当たりフラグがオンか否かチェックする(S210)。
大当たりフラグがオンである場合(S210でyes)、即ち、取得した大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が大当たり判定値テーブルの当たり数値(表2を参照)の何れかに一致していた場合には、液晶表示画面34における特別図柄13A,13B,13Cが全て同一(ぞろ目)となる組み合わせに決定する。具体的には、図7に示す始動スイッチ検出処理(S15)で取得した大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)をRAM51Bの出力バッファにセットして(S211)、この処理(S204)を抜ける。
一方、大当たりフラグがオフであった場合(S210でno)、即ち、取得した大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が当たり数値(表2を参照)の何れとも一致しなかった場合には、始動入賞口14の入賞に起因して取得したリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)が予め設定された11個のリーチ発生数値(例えば、5,17,28,40,51,63,74,86,97,109,120)の何れかと一致したか否かをチェックする(S212)。
取得したリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ発生数値の何れかと一致した場合(S212でyes)には、特別図柄13A,13B,13Cの停止図柄をリーチ外れとなる組み合わせにする。
具体的には、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R10に記憶されている左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)を強制的に右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)と同一数値に変更(S213)すると共に、左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)に1加算し(S214)、その加算した数値を強制的に中外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B2)にする(S215)。即ち、特別図柄13A,13B,13Cを、例えば、「1 2 1」、「2 3 2」の如く確定停止表示されるように決定する。そして、決定された外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)をRAM51Bの出力バッファにセットして、この処理(S204)を抜ける。
一方、取得したリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)が上記したリーチ発生数値の何れとも一致しなかった場合(S212でno)、即ち、リーチ無し外れの場合には、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R10に記憶された外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)をそのままRAM51Bの出力バッファにセット(S216)して、この処理(S204)を抜ける。以上が特別図柄選択処理(S204)の説明である。
図10に示すように、特別図柄選択処理(S204)に次いで、本発明の「変動パターン決定手段」に相当する特別図柄変動パターン作成処理(S205)が実行される。特別図柄変動パターン作成処理(S205)は、図13に示されており、最初に、大当たりフラグがオンしているか否かが判別される(S240)。そして、大当たりフラグがオンしている場合(S240でyes)、即ち、当否判定結果が「当たり」の場合には、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて、下記表3に示した第1変動パターンテーブルの中から、変動パターン「A」又は変動パターン「B」の何れか一方が選択される。具体的には、取得した変動態様決定用カウンタ値が0〜194の何れかの値であった場合には(S241でyes)、変動パターン「A」が選択され(S243)、取得した変動態様決定用カウンタ値が195〜198の何れかの値であった場合には(S241でno)、変動パターン「B」が選択される(S242)。
一方、大当たりフラグがオフしている場合(S240でno)、即ち、当否判定結果が「外れ」の場合には、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて、下記表4に示した第2変動パターンテーブルの中から、変動パターン「1」、変動パターン「2」又は変動パターン「3」の何れかが選択される。具体的には、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)が、0であった場合には(S244でyes)、変動パターン「1」が選択され(S246)、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)が、1〜18の何れかの値であった場合には(S244でno、S245でyes)、変動パターン「2」が選択され(S247)、取得した変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)が、19〜198の何れかの値であった場合には(S244でno、S245でno)、変動パターン「3」が選択される(S248)。
変動パターンが選択されたら、その他の処理(S249)を行ってから、この処理(S205)を抜ける。なお、その他(S249)の処理では、選択された変動パターンに応じた変動パターンコマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。そして上記した出力処理(S10)でRAM51Bの出力バッファにセットされた変動パターンコマンドをサブ制御基板52等に出力する。また、この処理(S205)において選択された変動パターン毎に、本発明に係る変動表示規定時間T1が予め設定されている(表3及び表4参照)。
図10に示すように、特別図柄変動パターン作成処理(S205)に次いで、特別図柄乱数シフト処理(S206)が行われる。この処理(S206)は図14に示されており、最初に、保留記憶数(RAM51Bの保留数記憶領域の数値)が1ディクリメントされる(S350)。次いで、カウンタ値記憶領域R10における各種カウンタ値の格納場所が、1つ下位側(図4におけるアドレス「0000」側)のカウンタ値記憶領域R10にシフトされる(S351)。そして、最上位のカウンタ値記憶領域R10の各アドレス空間に「0」をセットして(S352)、この処理(S206)を抜ける。なお、この処理(S206)で各種カウンタ値がカウンタ値記憶領域R10の最下位にシフトされた後、その各種カウンタ値を用いて処理することが、本発明の「当否判定の実行」に相当する。
図10に示すように、特別図柄乱数シフト処理(S206)に次いで行われる特別図柄変動開始設定(S207)では、特別動作ステータスを「2」に設定すると共に、変動開始コマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。以上が、特別動作処理(S17)における特別図柄待機処理(S172)の説明である。
図8に示すように、特別動作処理(S17)において特別動作ステータスが「2」であった場合(S171でno、S173でyes)、特別図柄変動処理(S174)が実行される。この処理(S174)は、図15に示されており、最初に、特別図柄変動パターン作成処理(S205、図13参照)で設定された変動パターンに応じた変動表示規定時間(変動時間)T1(表3及び表4を参照)が経過したか否かがチェックされ、経過していない場合(S261でno)には、直ちにこの処理(S174)を抜けて特別図柄13A,13B,13Cの変動表示を続行する。
一方、変動パターンに応じて設定された変動表示規定時間T1に亘って特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が行われた場合(S261でyes)には、変動停止テーブルのアドレスをセット(S262)してから、データ格納処理(S263)が行われる。これらの処理(S262,S263)では、変動表示中の特別図柄13A,13B,13Cを停止表示させる変動停止コマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。次いで、特別動作ステータスを「3」に設定し(S264)、その他の処理(S265)を行ってから、この処理(S174)を抜ける。
図8に示すように、特別動作処理(S17)において特別動作ステータスが「3」の場合(S173でno、S175でyes)には、特別図柄確定処理(S176)が実行される。特別図柄確定処理(S176)は、図16に示されており、最初に大当たりフラグがオンしているか否か(大当たりか否か)がチェックされる(S270)。
大当たりフラグがオンしていない場合(S270でno)、即ち、当否判定結果が「外れ」であった場合には、特別動作ステータスを「1」にセットして(S271)、この特別図柄確定処理(S176)から抜ける。一方、大当たりフラグがオンしている場合(S270でyes)、即ち、当否判定結果が「当たり」である場合には、「大当たり遊技」に対するラウンドカウンタをセット(S272)し、特別動作ステータスを「4」にセットする(S273)と共に、例えば、RAM51Bに記憶された開放フラグをオフからオンに切り替えて(S274)、この特別図柄確定処理(S176)から抜ける。
ここで、ラウンドカウンタとは、「大当たり遊技」における「ラウンド」数をカウントするものであり、本実施形態では、ラウンドカウンタの初期値は「15」に設定されている。
図8に示すように、特別動作処理(S17)において特別動作ステータスが「4」の場合(S175でno)、即ち、「大当たり遊技」の実行中である場合には、特別電動役物処理(S177)が行われる。特別電動役物処理(S177)は、図17に示されており、最初に、確変フラグをオンからオフに切り替える(S280)。つまり、「大当たり遊技」が開始されると、強制的に確率変動状態が終了する。
次いで、大当たり終了フラグがオンか否かがチェックされる(S281)。大当たり終了フラグがオンではない場合(S281でno)、即ち、「大当たり遊技」の実行中である場合には、開放フラグに基づいて、大入賞口15が開放中か否かがチェックされる(S282)。
大入賞口15が開放中(開放フラグがオン)である場合(S282でyes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かがチェックされる。具体的には、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか否か(S286)、ラウンド終了時間(大入賞口15の開放時間が30秒)となったか否か(S287)がチェックされる。
ラウンド終了条件が不成立であった場合(S286及びS287の何れもno)には、直ちにこの処理(S177)を抜ける一方、ラウンド終了条件が成立した場合(S286及びS287の何れかでyes)には、ラウンド終了時の処理(S289〜S293)が行われる。
即ち、大入賞口閉鎖処理(S289)によってソレノイド15Sの励磁が停止されるとともにソレノイド15Mが励磁される。次いで、ラウンドカウンタを1ディクリメント(S290)してから、ラウンドカウンタが「0」となったか否かがチェックされ(S291)、ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S291でno)、即ち、「大当たり遊技」が、最大ラウンド(15ラウンド)まで行われていない場合には、直ちにこの処理(S177)を抜ける。つまり、大当たり遊技中であっても1回のラウンドが終了した時点で可動扉15Tが「閉位置」となって、一時的に大入賞口15が閉鎖される。
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S291でyes)、即ち、大当たり遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、大当たり終了処理(S292)が行われる。そして、大当たり終了フラグをオン(S293)してから、この処理(S177)を抜ける。
ステップS282において、大入賞口15が閉鎖中(開放フラグがオフ)の場合(S282でno)には、大入賞口15を開放する時間となったか否かがチェックされる(S283)。具体的には、「大当たり遊技」が開始されてから所定の開放待ち期間又は、前回のラウンドが終了してから所定のインターバル期間が経過したか否かがチェックされ、開放待ち期間又はインターバル期間が経過していない場合(S283でno)には、この処理(S177)を抜ける一方、開放待ち期間又はインターバル期間が経過した場合(S283でyes)には、大入賞口開放処理(S285)によってソレノイド15Sが励磁される。つまり、「大当たり遊技」の開始又は前回のラウンドが終了してから所定時間が経過すると、可動扉15Tが「閉位置」から「開位置」に移動して大入賞口15が開放される。
上記ステップS281において、大当たり終了フラグがオンであった場合(S281でyes)、即ち、大当たり遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、開放フラグ、大当たり終了フラグ及び大当たりフラグを全てオンからオフに切り替え(S294,S295,S296)て、停止表示された特別図柄13A,13B,13Cが、確変図柄(奇数のぞろ目)か否かをチェックする(S297)。確変図柄でない場合(S297でno)には確変フラグはオフのままにする一方、確変図柄である場合(S297でyes)には確変フラグをオフからオンに切り替えて(S298)から、特別動作ステータスを「1」にセット(S299)して、この処理(S177)を抜ける。以上が特別動作処理(S17)の説明である。
図6に示すように主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)では、特別動作処理(S17)に次いで保留記憶数処理(S18)が行われる。この処理(S18)は、図18に示されており、RAM51Bに記憶されたカウンタ値群の組数から保留記憶数を読み取り(S180)、その保留記憶数のデータを、RAM51Bの出力バッファにセットする(S181)。
主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)では、保留記憶処理(S18)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S19)を実行して、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図5に示すように、次にCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行された主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。
以上が、主制御基板50の構成の説明である。次に、サブ制御基板52について説明する。サブ制御基板52も主制御基板50と同様に、CPU52AをRAM52B及びROM52Cと共にパッケージしたワンチップマイコンとして備えている。そして、そのワンチップマイコンが、パチンコ遊技機10の電源をオンするとROM52Cから図19に示したサブ制御基板メインプログラムPG2を取り出してランする。
図19に示すように、サブ制御基板メインプログラムPG2がランされると、CPU初期化処理(S51)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU52Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等が設定される。また、電源基板58に電源を投入すると、電源基板58から電源断信号がサブ制御基板52に送信される。この電源断信号が送信されたときに、RAM52Bの内容が正常であるか判断する(S52)。正常であれば(S52でyes)次に進み、正常でなければ(S52でno)、RAM52Bを初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S53)。なお、このステップS51,S52及びS53は、サブ制御基板メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップステップS51,S52及びS53を終えると、カウンタ値更新処理(S57)を、無限に繰り返して行う。カウンタ値更新処理(S57)では、電源投入時に「0」にリセットされた乱数シードC1及び予告乱数C2が、カウンタ値更新処理(S57)が実行される毎に、1インクリメントされ、更新値が上限値を越えたか否かがチェックされる。乱数シードC1の範囲は「0」〜「128」となっており、上限値(「128」)を越えた場合には、下限値(「0」)にリセットされて、再び下限値から1インクリメントされる。また、予告乱数C2の範囲は「0」〜「3」となっており、上限値(「3」)を越えた場合には、下限値(「0」)にリセットされて、再び下限値から1インクリメントされる。更新された乱数シードC1及び予告乱数C2は、RAM52Bのカウンタ値記憶領域に逐一記憶され、この処理(S57)を終了する。そして、その無限ループに対して、受信割り込み処理(S54)、サブ制御基板2msタイマ割り込み処理(S55)、サブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)が割り込んで実行される。
受信割り込み処理(S54)は、サブ制御基板52が主制御基板50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S55,S56)より優先して実行される。受信割り込み処理(S54)が実行されると、図20に示すように、ストローブ信号の入力を確認してから(S510でyes)、上記した主制御基板4ms割り込み処理(S5)の出力処理(S10)でサブ制御基板52に送信される制御データ、例えば、変動パターンコマンド等を取り込み、RAM52Bの記憶領域に設けた入力信号一次記憶領域に格納する(S511)。
サブ制御基板2msタイマ割り込み処理(S55)(図19参照)は、サブ制御基板52に2ms周期の割り込みパルスが入力される度に、次述するサブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)より優先して実行される。この処理(S55)では、図21に示すように、まず、ランプデータ出力処理(S550)を実行し、後述するサブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)で生成したランプ制御データをランプ制御基板55に送信してサイドランプ22、装飾ランプ35、表示枠ランプ23Aを点灯させる。
次いで、入力処理(S551)を行う。この入力処理(S551)では、サブ制御基板52に接続された遊技ボタン29A(図3参照)が操作されていた場合に、その操作信号をRAM52Bの入力信号一次記憶領域に取り込む。そして最後にウォッチドックタイマ処理(S552)を行って、プログラムが暴走していないかを自己診断し、サブ制御基板2msタイマ割り込み処理(S55)から抜ける。
サブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)(図19参照)は、サブ制御基板52に10ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この処理(S56)では、図22に示すように、まず、データ取得処理(S560)を行い、サブ制御基板2msタイマ割り込み処理(S55)で取り込んだ遊技ボタン29Aの操作信号を取得する。
次いで、制御情報受信許可確認処理(S567)を行う。この処理では、RAM52Bのクリア時など演出禁止期間の判定、つまり、RAM52Bのクリアを実行するための時間が経過したかの判定をする。
次いで、下皿状態確認処理(S561)を行い、RAM52Bの入力信号一次記憶領域に格納された制御データに下皿満杯スイッチ32による下皿満杯データが含まれいるか否かをチェックし、含まれていた場合には液晶表示画面34及びスピーカ56Sにより遊技者に報知する。
次いで、ループシナリオ再設定処理(S562)を行う。一定期間以上、入賞しなかった場合には、主制御基板50が、主制御基板50からの制御データに待受状態データを含めて出力するので、待受状態データがRAM52Bに入力信号一次記憶領域に格納される。ループシナリオ再設定処理(S562)では、この待受状態データから液晶表示画面34に表示するための待受制御データを生成し、表示制御基板57に出力する。すると、表示制御基板57によって液晶表示画面34に待ち受け演出画像が表示される。
次いで、予告設定処理(S563)を行う。この処理では、図23に示すように、まず、RAM52Bの入力信号一次記憶領域に格納されている変動パターンコマンドが大当たりの変動パターンか否かを確認する(S570)。大当たりの変動パターンでなければ(S570でno)直ちにこの処理(S563)を抜ける。この変動パターンコマンドは主制御基板50における特別図柄変動パターン作成処理(S205)で生成された後、当否判定の実行と共に出力処理(S10)でサブ制御基板52に出力され、サブ制御基板52は変動パターンコマンドを受信後すぐにRAM52Bの入力信号一次記憶領域に格納するので、当否判定の実行後すぐにステップS570の判定がなされる。なお、本実施形態では、このステップS570で大当たりの変動パターンであることが本発明の「カウンタ値取得条件」に相当する。
大当たりの変動パターンであれば(S570でyes)、予告乱数C2及び乱数シードC1を取得し、出力待ちフラグをONする(S571)。そして、予告乱数C2が「0」か否かを判断し(S585)、予告乱数C2が「0」であれば(S585でyes)、この処理(S563)を抜ける。予告乱数C2が「0」でなければ(S585でno)、ステップS572に進む。ステップS572では、予告乱数C2が「1」か否かを判断し(S572)、予告乱数C2が「2」又は「3」であれば(S572でno)ステップS578に進み、予告乱数C2の値が「1」であれば(S572でyes)ステップS573に進む。ステップS578では、大当たりの変動パターンコマンドが変動パターン「A」か否かを判断し、「A」であれば出力待ち時間T3に特別経過時間Taを設定し(S579)てこの処理(S563)を抜ける。また、大当たりの変動パターンコマンドが変動パターン「B」であれば出力待ち時間T3に特別経過時間Tbを設定し(S580)この処理(S563)を抜ける。なお、特別経過時間Ta及びTbは、RAM初期化処理(S53)で設定される予め定められた時間である。例えば、特別経過時間Taには「15000ms」が設定され、特別経過時間Tbには「20000ms」が設定される(表3参照)。
ステップS573では、まず大当たりの変動パターンコマンドが「A」か否かを判断し、「A」であれば(S573でyes)、「A」に対応する変動表示規定時間T1から特別経過時間Tbを減算し出力範囲時間T2を生成し(S575)、ステップS576に進む。また、変動パターンが「B」であれば(S573でno)、「B」に対応する変動表示規定時間T1から特別経過時間Tbを減算し出力範囲時間T2を生成し(S575)、ステップS576に進む。
ステップS576では、次の演算を行い出力待ち時間T3を生成する。まず、乱数シードC1から、次の式(1)で数値Z1を求める。
Z1=P・C1+Q ・・・(1)
ここでP,QはRAM初期化処理(S53)で設定される定数である。次に、求めた数値Z1の内、下位4バイト分を取り出し数値Z2とし、さらにその取り出した数値Z2の内の上位2バイトを数値Z3とする。そして、数値Z3を出力範囲時間T2で除算した余りを数値Z4とする(ここで、出力範囲時間T2で除算をしているが、出力範囲時間T2で減算していく方法でも結果的に同じなので良いとする)。得られた数値Z4に特別経過時間Tbを加算して得た値を出力待ち時間T3として設定する。
具体的には、表5の例1に示すように、定数Pが「41C64E6D(16進数)」で定数Qが「12345(16進数)」であって、変動パターンが「A」、変動表示規定時間T1が「50000(10進数)」(表3参照)、特別経過時間Tbが「20000(10進数)」で、乱数シードC1が「5(10進数)」である時、出力範囲時間T2は変動表示規定時間T1の値「50000」から特別経過時間Tbの値「20000」を減算して得た値なので「30000(10進数)」となり、また、数値Z1の値は式(1)より「148E0AB66(16進数)」となる。数値Z2は数値Z1の下位4バイトなので「48E0AB66(16進数)」となり、数値Z3は数値Z2の上位2バイトなので「48E0(16進数)」となる。「48E0(16進数)」は10進数に直すと「18656」なので、これを出力範囲時間T2の値「30000」で除算すれば余りZ4が「18656」になる。この余りZ4に特別経過時間Tbの値「20000」を加算して得た値「38656」を出力待ち時間T3として設定する。また、表5の例2に示すように、変動パターンが「B」、変動表示規定時間T1が「45000(10進数)」(表3参照)で、乱数シードC1が「70(10進数)」である時は、同様の演算により出力待ち時間T3は「20882」となる。
このように、ステップS576では、まず、乱数シードC1に、予め設定した定数を乗算及び加算して、変動表示規定時間T1より大きな値にする。その得られた値を16進数で表し、その文字列のうちの2バイト分を取り出して出力範囲時間T2で除算し、その余りに特別経過時間Tbを加え出力待ち時間T3を設定する。出力範囲時間T2で除算した余りは出力範囲時間T2よりも小さい値であり、その余りに特別経過時間Tbを加算するので、出力待ち時間T3の値は、特別経過時間Tbよりも大きく出力範囲時間T2に特別経過時間Tbを加算した値よりも小さい値となる。出力範囲時間T2と特別経過時間Tbとを加算すると変動表示規定時間T1になることから、出力待ち時間T3は変動表示規定時間T1よりも小さい値となる。また、変動表示規定時間T1、特別経過時間Tb、乱数シードC1の値は、取得した乱数(カウンタ値)や変動パターンによって異なるので、これらの値の組み合わせがランダムに変化することにより、これらの値を基に生成される出力待ち時間T3もランダムに変化させることができる。
次いで、ランプ処理(S564)を行う。図24に示すように、まず、出力待ちフラグがオンか否かがチェックされ(S581)、出力待ちフラグがオンでなければ(S581でno)、直ちにこの処理(S564)から抜ける。出力待ちフラグがオンであれば(S581でyes)、出力待ち時間T3の値を1つディクリメントし(S582)、出力待ち時間T3が「0」となったか否かをチェックする(S583)。ここで、出力待ち時間T3が「0」とならなかった場合には(S583でno)、この処理(S564)から抜ける。一方、出力待ち時間T3が「0」となった場合には(S583でyes)、前兆ランプ25を点灯させるタイミング信号を、ランプ制御基板55を経由して前兆ランプ25に出力し、出力待ちフラグをオフにする(S584)。
このように、ランプ処理(S564)では、前兆ランプ25を点灯させるタイミング信号を、出力待ち時間T3が経過するまでの間、前兆ランプ25に出力しない。図25には特別図柄13A,13B,13Cの変動開始から変動終了までの間で変動パターン及び予告乱数C2に基づいて設定される出力待ち時間T3が矢印で示されている。変動パターンが「A」で予告乱数C2が「2」又は「3」のときは、出力待ち時間T3は予め定められた特別経過時間Taとなるので、変動開始から一定の特別経過時間Taの経過後にタイミング信号が出力される。一方、予告乱数C2が「1」である場合は、出力待ち時間T3は特別経過時間Tbに乱数値Z4を加算した値になるので、タイミング信号は変動開始から特別経過時間Tbの経過後で変動終了までの間のランダムなタイミングで出力される。また、変動パターンが「B」で予告乱数C2が「2」又は「3」のときは、出力待ち時間T3は予め定められた特別経過時間Tbとなるので、変動開始から一定の特別経過時間Tbの経過後にタイミング信号が出力される。一方、予告乱数C2が「1」である場合は、出力待ち時間T3は特別経過時間Tbに乱数値Z4を加算した値になるので、タイミング信号は変動開始から特別経過時間Tbの経過後で変動終了までの間のランダムなタイミングで出力される。
なお、予告設定処理(S563)及びランプ処理(S564)のうち、予告乱数C2が「2」又は「3」で、当否判定の実行後、予め定められた特別経過時間Ta,Tbの経過後にタイミング信号を出力する処理が本発明の「第1のタイミング信号出力制御手段」に相当する。また、予告乱数C2が「1」で、当否判定の実行後、変動表示規定時間T1が終了する前迄の間で、特別経過時間Tbを除いた時間のランダムなタイミングでタイミング信号を前兆ランプ25に出力する処理が本発明の「第2のタイミング信号出力制御手段」に相当する。そして、予告乱数C2の値を基に出力待ち時間T3を設定する処理を選択し、タイミング信号を出力する処理が本発明の「タイミング信号選択手段」に相当する。
図22に示すように、ランプ処理(S564)の次は、Sw処理(S565)が実行される。この処理では、入力処理(S551)においてRAM52Bの入力信号一次記憶領域に格納された制御データを解析し、遊技状態に応じて、遊技ボタン29Aの操作の有効期間を設定する。そして、有効期間内に遊技ボタン29Aが操作された場合には、遊技ボタン29Aの操作データが表示制御基板57に出力され、キャラクタ画像等が任意のタイミングで停止したり出現するなどの演出がなされる。
次の出力処理(S566)では、図26に示すように、RAM52Bの格納領域に、サブ制御基板52から音声制御基板56及び表示制御基板57に出力する制御データが格納されているか否かをチェックする(S594)。ここで、制御データが無い(S594でno)場合は、コマンド送信処理(S566)から抜け、制御データがある(S594でyes)場合は、その制御データを音声制御基板56及び表示制御基板57に向けて出力する(S596)。以上がサブ制御基板52に関する説明である。
本実施形態のパチンコ遊技機10における構成の説明は以上である。次に、このパチンコ遊技機10の作用、効果について説明する。
遊技者がパチンコ遊技機10の操作ノブ28を操作して、遊技球を遊技領域YRに打ち込むと、遊技球が遊技領域YRをランダムに流下する。そして、遊技球が始動入賞口14に入賞(入球)したときに、各乱数カウンタのカウンタ値が乱数値として取得され、それら取得されたカウンタ値に応じて、「大当たり遊技」を実行するか否かが決定される。「大当たり遊技」を実行すると決定した場合には、大当たりの変動パターンが表3の中から選択され(S205)、変動パターンに対応した変動表示規定時間T1が終了するまで液晶表示画面34において特別図柄13A,13B,13Cが変動表示される(S174)。そして、左の特別図柄13A、右の特別図柄13Cが同じ図柄になって停止表示され(所謂「リーチ」)、変動表示規定時間T1の終了と同時に、特別図柄13Bが同じ図柄になって停止表示されて当否判定の結果が当たりであることが遊技者に報知される。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄13A,13B,13Cが当たりの確定表示になる場合には、変動表示中にその前兆として前兆ランプ25が点灯する。この前兆ランプ25は、タイミング信号を受信したときに点灯し、そのタイミング信号を出力するタイミングは、出力待ち時間T3によって決められる。そして、出力待ち時間T3は、図25に示すように予告乱数C2が「2」又は「3」のときと、「1」のときと、「0」のときとによって選択される設定方法が異なる。
予告乱数C2の値が「2」又は「3」のときは、変動パターンが「A」なら出力待ち時間T3に特別経過時間Taが設定され、変動パターンが「B」なら出力待ち時間T3に特別経過時間Tbが設定される。特別経過時間Ta,Tbは予め定められた時間であるので、当否判定の実行後、特別経過時間Ta,Tbの経過後にタイミング信号が前兆ランプ25に出力される。これにより、前兆ランプ25が点灯するタイミングが固定され、遊技者は、当否判定の結果と前兆ランプ25の点灯との規則性(例えば当否判定の結果が当たりの場合に前兆ランプ25を点灯させるなどの当否判定の結果に基づいた前兆ランプ25の点灯制御の規則性や当否判定の結果の表示と前兆ランプ25の点灯との間の時間的な規則性や変動表示開始時から前兆ランプ25の点灯までの間の時間的な規則性など)を見い出し易くなる。
例えば、特別経過時間Taを左の特別図柄13Aが停止表示される時間とし、特別経過時間Tbを右の特別図柄13Cが停止表示される時間としているとする。当否判定の結果が当たりとなり、予告乱数C2の値が「2」又は「3」になると、各特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されて、左、右、中の順で停止表示される際、変動パターンが「A」ならば左の特別図柄13Aの停止表示と同時に前兆ランプ25が点灯し、変動パターンが「B」ならば右の特別図柄13Cの停止表示と同時に前兆ランプ25が点灯する。遊技者は「大当たり遊技」を何回か繰り返すうちに当否判定の結果と前兆ランプ25の点灯との規則性に気付くことになり、その結果、当否判定の結果が当たりになる前兆の演出による楽しみを従来より多くの遊技者に享受させることが可能となる。
また、予告乱数C2が「2」又は「3」となって前兆ランプ25が固定したタイミングで点灯するような出力待ち時間T3の設定方法が選択される確率(2分の1)は、他の設定方法が選択される確率(各4分の1)よりも高くなっているので、同一のタイミングで前兆ランプ25が点灯する頻度が高くなっている。これにより、前兆ランプ25は同一のタイミングで点灯することが多くなり、遊技者は当否判定の結果と前兆ランプ25の点灯との規則性(例えば当否判定の結果が当たりの場合に前兆ランプ25を点灯させるなどの当否判定の結果に基づいた前兆ランプ25の点灯制御の規則性や当否判定の結果の表示と前兆ランプ25の点灯との間の時間的な規則性や変動表示開始時から前兆ランプ25の点灯までの間の時間的な規則性など)をより見い出し易くなっている。
さらに、前兆ランプ25は液晶表示画面34の上方に隣接して備えられており、遊技者は通常液晶表示画面34を見て遊技を行うので、前兆ランプ25の点灯に遊技者は容易に気付くことができる。また、本実施形態での前兆ランプ25は、当否判定の結果が当たりの場合にのみ点灯するので、通常(外れ時)は光ることがない前兆ランプ25が点灯することになり遊技者に驚きを与えることができる。
一方、予告乱数C2の値が「1」のときは、変動表示規定時間T1、特別経過時間Tb、乱数シードC1の値から演算により出力待ち時間T3が設定される。変動表示規定時間T1は変動パターンによって設定される値であり、乱数シードC1は当否判定の実行時に取得されるカウンタ値である。これらの値の組み合わせはランダムに変化し得るので、出力待ち時間T3はランダムに変化する。また、出力待ち時間T3は特別経過時間Tbより長く変動表示規定時間T1よりも短い時間となるように設定されるので、当否判定の実行から変動表示規定時間T1の終了前までの間で特別経過時間Tbを除いた時間(本実施形態では特別経過時間Tbの経過後の時間)のランダムなタイミングでタイミング信号が前兆ランプ25に出力される。これにより、当否判定の結果と前兆ランプ25の点灯との規則性(例えば当否判定の結果が当たりの場合に前兆ランプ25を点灯させるなどの当否判定の結果に基づいた前兆ランプ25の点灯制御の規則性や当否判定の結果の表示と前兆ランプ25の点灯との間の時間的な規則性や変動表示開始時から前兆ランプ25の点灯までの間の時間的な規則性など)を見い出した遊技者の意表を突いた演出が可能になり、趣向性が向上する。
例えば、特別経過時間Taが左の特別図柄13Aが停止表示される時間で、特別経過時間Tbが右の特別図柄13Cが停止表示される時間の場合には、当否判定の結果が当たりとなっても、予告乱数C2の値が「1」であれば、特別図柄13A,13Cの停止表示と同時に前兆ランプ25は点灯しない。当否判定の結果と前兆ランプ25の点灯との規則性を見い出した上記遊技者は、特別図柄13A,13Cの停止表示と同時に前兆ランプ25が点灯しないので当否判定の結果は「外れ」であると思い落胆することになる。しかし、その後、即ち「リーチ」状態となってから、中の特別図柄13Bが停止表示される前迄の間のランダムなタイミングで前兆ランプ25が点灯し、遊技者に当否判定の結果が当たりであることが報知される。これにより、遊技者の意表を突いた演出が可能となり、趣向性が向上する。また、前兆ランプ25が点灯するタイミングがランダムなので、固定的なタイミングで前兆ランプ25が点灯しなくてもそれ以外で点灯する可能性があることが認識できれば遊技者は常に期待感を持続することが可能になる。
ここで、出力待ち時間T3を演算によって設定する際には、出力待ち時間T3は乱数シードC1と出力範囲時間T2とに基づいた演算により決定されるので、その値をランダムに変化させることができる。その乱数シードC1は、サブ制御基板52におけるサブ制御基板メインプログラムPG2が、「0」〜「128」の数値範囲でカウントして生成するカウンタ値であり、また、出力範囲時間T2は、主制御基板50における主制御基板メインプログラムPG1が、「0」〜「198」の数値範囲でカウントして生成するカウンタ値によって決まる変動パターンによって選択される値である。これら2つのカウンタ値は、異なる制御基板でカウントされ、異なる数値範囲内で更新されるので、乱数シードC1と出力範囲時間T2との組み合わせは多様化し、前兆ランプ25が点灯するタイミングをランダムにすることができる。
また、演算によって生成した出力待ち時間T3は、出力範囲時間T2によって除算した余りに特別経過時間Tbを加算した値であるので、出力待ち時間T3は特別経過時間Tbよりも大きく、特別経過時間Tbと出力範囲時間T2とを加算した値(即ち、変動表示規定時間T1)よりも小さい値となる。出力範囲時間T2の値が大きい場合であっても小さい場合であっても、出力待ち時間T3はこの範囲内の値となるので、確実に特別図柄13A,13B,13Cの変動時間中に前兆ランプ25を点灯させることができる。
そして、予告乱数C2の値が「0」のときは、当否判定の結果が当たりであっても出力待ち時間T3は設定されず、タイミング信号は前兆ランプ25に出力されない。即ち、前兆ランプ25は点灯されないまま当たりの確定表示となる。遊技者が前兆ランプ25が点灯すれば当否判定の結果が当たりであるという因果関係を認識している場合には、その遊技者の意表を突くことができる。
なお、本実施形態では予告乱数C2の値が「0」となる確率は4分の1である。この確率をより低くすれば当否判定の結果と前兆ランプ25の点灯との因果関係が明確になり、遊技者がその因果関係をより認識しやすくなる。一方、この確率をより高くすれば遊技者の意表を突いた演出が可能となる。
また、本実施形態では、演算によって出力待ち時間T3を設定する際に、変動パターンが「A」又は「B」の何れの場合であっても、特別経過時間Tbを用いて演算している。そのため、変動パターンが「A」で予告乱数C2が「1」の場合には、特別経過時間Taの経過後で特別経過時間Tbの経過する迄の間はタイミング信号が出力されることがない。例えば、上記したような特別経過時間Taが左の特別図柄13Aが停止表示される時間で、特別経過時間Tbが右の特別図柄13Cが停止表示される時間である場合には、変動パターンが「A」で予告乱数C2が「1」になると、左の特別図柄13Aが停止表示されてから右の特別図柄13Cが停止表示されて「リーチ」状態になるまでの間は、タイミング信号が出力されず、前兆ランプ25が点灯しない構成になっている。これにより、「リーチ」となるまで前兆ランプ25を点灯させず、落胆した遊技者の意表を突いて前兆ランプ25を点灯させることができる。
このように本実施形態のパチンコ遊技機10では、遊技の当否判定の結果を報知する特別図柄13A,13B,13Cの変動表示開始から、停止して判定結果を確定表示する前迄の間のタイミングで前兆ランプ25を点灯させることで、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示以外の演出を遊技者に提供することができる。ここで、前兆ランプ25が点灯するタイミングは、予め定められた特別経過時間Ta,Tbに基づくタイミングと、演算によって生成されるランダムなタイミングとから選択可能となっている。予め定められた特別経過時間Ta,Tbに基づくタイミングを選択した場合には、前兆ランプ25の点灯のタイミングが固定され、遊技者は当否判定結果と前兆ランプ25が点灯するタイミングとの間に規則性を見出し易くなり、当否の判定結果が当たりになる前兆の演出による楽しみを従来より多くの遊技者に享受させることが可能となる。また、演算によって生成されるランダムなタイミングを選択した場合には、判定結果と前兆前兆ランプ25の点灯との規則性を見い出した遊技者の意表を突いた演出が可能になり、趣向性が向上する。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、パチンコ遊技機10に本発明を適用していたが、コイン遊技機やスロットマシン、アレンジボール等に本発明を適用してもよい。
(2)前記実施形態では、前兆ランプ25の周囲には他のランプ(表示枠ランプ23A)が配置されていたが、図27に示すように、前兆ランプ25を単体で設ける方が好ましい。これにより、遊技者は前兆ランプ25が点灯したことをより把握し易くなる。
(3)前記実施形態では、出力待ち時間T3にランダムな値を設定する際に、カウンタ値(乱数シードC1等)から演算により生成した値を出力待ち時間T3に設定したが、出力待ち時間T3が取り得る値の候補を予め複数定め、その中からカウンタ値によって選択された値を出力待ち時間T3に設定してもよい。
(4)前記実施形態では、当否判定の結果が当たりとなる場合の前兆として前兆ランプ25を点灯させたが、前兆とするのはランプ等の点灯に限られない。例えば、スピーカ56Sから効果音等を出力させてもよいし、液晶表示画面34内に通常表示されない判定図柄とは別のキャラクタやコメント等を表示してもよい。また、前兆として駆動物を駆動させてもよい。
(5)前記実施形態では、当否判定の結果が当たりのとき出力待ち時間T3に設定する値は、予め定められた値の方がランダムな値よりも選択される確率が高くなっていたが、逆に、ランダムな値の方が選択される確率を高くしてもよい。このようにしても、遊技者は遊技を繰り返すうちに、前兆ランプ25が点灯する複数のタイミングのうちの幾つかが固定されたタイミングであることを見い出すことができる。
(6)前記実施形態では、前兆ランプ25が点灯しなくても当否判定の結果が当たりとなる場合があったが、前兆ランプ25が点灯したときは必ず当否判定の結果が当たりであり、当否判定の結果が当たりのときには必ず前兆ランプ25が点灯するようにしてもよい。これにより、当否判定の結果と前兆ランプ25の点灯との因果関係がより明確になり、遊技者がこの因果関係を認識し易くなる。
(7)前記実施形態では、前兆ランプ25が点灯すれば必ず当否判定の結果が当たりとなっていたが、前兆ランプ25が点灯すれば当否判定の結果が当たりであるという因果関係を遊技者が認識できる範囲内であれば、当否判定の結果が外れであっても前兆ランプ25を点灯させてもよい。これにより、この因果関係を認識した遊技者の意表を突いた演出が可能となる。
(8)前兆ランプ25を点灯させる際には、例えば、液晶表示画面34に通常(大当たり時でないとき)あまり出現しないキャラクタを表示する等の通常あまり行われない演出を併せて行うとよい。これにより、上記因果関係をさらに認識し易くなる。
(9)そして、上記因果関係を遊技者が認識できる範囲内であれば、当否判定の結果が外れであっても、この通常あまり行われない演出を前兆ランプ25の点灯とともに行ってもよい。これにより、上記因果関係を認識した遊技者の意表をついた演出が可能となる。
(10)前兆ランプ25を当否判定の結果が当たりでないときにも点灯させる際には、当否判定の結果が当たりのときの点灯と当たりでないときの点灯とを区別できるように差を設けてもよい。例えば、当たりときの点灯の方が、当たりでないときの点灯よりも光量を高くなるようにするとよい。
(11)前記実施形態では、式(1)を用いて出力待ち時間T3の値を求めたが、例えば次の式(2)を用いてもよい。
T3=T1−T2/(C1+1)・・・(2)
式(1)では、出力待ち時間T3の値が、特別経過時間Tbの経過後から変動表示規定時間T1の終了までの間で、偏りなくランダムに生成され得たが、式(2)を用いると変動表示規定時間T1の終了前のタイミングに偏ったランダムな値にすることができる。
(12)前記実施形態では、前兆ランプ25がタイミング信号を受信すると一時的に前兆ランプ25が点灯する構成であったが、タイミング信号を受信後、前兆ランプ25を点灯させ続けてもよい。また、特別経過時間Ta,Tbは、例えば、変動開始時や図柄停止時やリーチ時やスーパーリーチ(変動時間の長いリーチ)への発展時など演出に合わせたタイミングに設定することが好ましい。