(第1実施形態)
以下、本発明をパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11では、複数列(本実施形態では、3列)の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームと、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が実行される。本実施形態の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では、3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11で実行される図柄変動ゲームでは、表示演出を多様化するための飾り図柄を用いて行われる。
また、演出表示装置11の右下には、7セグメント型の特図表示装置12が配設されている。特図表示装置12では、複数種類の特別図柄(特図)を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否か(大当り抽選)などの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。
本実施形態において特図表示装置12には、複数種類(本実施形態では、101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄と、に分類される。また、大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において演出表示装置11には、各列に[1]〜[8]の8種類の数字が飾り図柄として表示されるようになっている。そして、演出表示装置11には、特図表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的には、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示される場合、原則として、演出表示装置11にも大当り図柄(大当りの図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態の大当りの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が同一の図柄組み合わせ([222][777]など)である。また、特図表示装置12にはずれ図柄が確定停止表示される場合、原則として、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれの図柄組み合わせ)が確定停止表示されるようになっている。本実施形態のはずれの図柄組み合わせは、全列の飾り図柄が異なる図柄組み合わせ([123]など)、又は1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄と異なる図柄組み合わせ([122][767]など)である。
また、本実施形態において、演出表示装置11における各列の飾り図柄は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置11において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に、変動表示された飾り図柄が一旦停止表示されるようになっている。そして、一旦停止表示された左図柄と右図柄が同一の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では、左列と右列)の飾り図柄が同一となって一旦停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では、中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。
なお、「変動表示」とは、演出表示装置11と、特図表示装置12に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態である。一方で、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。そして、特図表示装置12における図柄変動ゲームと、演出表示装置11における図柄変動ゲームは、その図柄変動ゲームに係る表示演出が同時に開始されるとともに、同時に終了する(すなわち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
また、本実施形態のパチンコ遊技機には、発射装置としての発射ハンドルが装備されている(図示しない)。この発射ハンドルは、パチンコ遊技機において遊技者が操作可能な位置に配置されている。そして、遊技者が発射ハンドルを操作することにより、遊技球が、遊技盤10の左側(演出表示装置11の左側)より遊技領域16に発射されるようになっている。
また、演出表示装置11の下方には、遊技球の入賞口としての入賞口18を有する始動入賞口19が配設されている。そして、始動入賞口19の奥方には、入賞した遊技球を検知する始動口スイッチSW1が配設されている。本実施形態では、始動口スイッチSW1(図2に示す)で、始動入賞口19に入賞した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数(本実施形態では、3個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。なお、本実施形態において、遊技盤10の左側より発射された遊技球が、符号Yに示すように遊技盤10の右側(演出表示装置11の右側)から転動するときには、遊技盤10の左側(演出表示装置11の左側)から転動するときよりも、始動入賞口19に遊技球が入賞し難くなるように、障害釘等が配設されている。
また、始動入賞口19の右方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉23を備えた特別入賞手段としての大入賞口24が配設されている。大入賞口24の奥方には、入賞した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図2に示す)が配設されている。大入賞口24は、入賞した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば、13個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口24は、大当り遊技中に大入賞口扉23の開動作によって開放されることで遊技球の入賞が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。なお、本実施形態において、遊技盤10の左側より発射された遊技球が、符号Yに示すように遊技盤10の右側から転動するときには、遊技盤10の左側から転動するときよりも、大入賞口24に遊技球が入賞し易くなるように、障害釘等が配設されている。
また、特図表示装置12の下方には、複数個(本実施形態では、2個)の特図保留発光部を備えた特図保留記憶表示装置13が配設されている。特図保留記憶表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した始動入賞口19に遊技球が入球(入賞)することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口19へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では、4個)まで累積される。そして、本実施形態における2個の特図保留発光部は、保留記憶数に応じて点灯、点滅又は消灯する。具体的には、保留記憶数が「0」の場合、2個の特図保留発光部は消灯し、保留記憶数が「1」の場合、左方の特図保留発光部が点灯して、右方の特図保留発光部が消灯するようになっている。また、保留記憶数が「2」の場合、2個の特図保留発光部が点灯し、保留記憶数が「3」の場合、左方の特図保留発光部が点滅して、右方の特図保留発光部が点灯するようになっている。また、保留記憶数が「4」の場合、2個の特図保留発光部が点滅するようになっている。なお、保留記憶数は、実行が保留されている図柄変動ゲームの数を示す。
本実施形態のパチンコ遊技機では、遊技者にとって有利な確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される場合がある。確変状態が付与された場合、大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率(通常確率)から高確率へ変動(向上)させる。また、確変状態は、次に大当り遊技が付与されるまでの間、付与される。このように確変状態が付与された場合は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて、特図表示装置12に大当り図柄が確定停止表示され、該図柄変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口24が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技中に大入賞口24は、規定個数(入球上限個数(本実施形態では、8個))の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、予め定めた規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後には、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、2種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、2種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特図表示装置12に確定停止表示される100種類の特図の大当り図柄は、図柄A、図柄Bに分類される。具体的には、図柄Aには特図表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち70種類の大当り図柄が振り分けられ、図柄Bには特図表示装置12に確定停止表示される大当り図柄のうち30種類の大当り図柄が振り分けられている。
図柄Aに分類される大当り図柄が特図表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定され、該遊技終了後から次に大当り遊技が付与されるまでの間、確変状態が付与される大当り遊技(以下、「15R確変大当り」と示す)である。また、図柄Bに分類される大当り図柄が特図表示装置12に確定停止表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定され、該遊技終了後に確変状態が付与されない(非確変状態が付与される)大当り遊技(以下、「15R非確変大当り」と示す)である。
15R確変大当り及び15R非確変大当りでは、オープニング時間として「10(秒)」が、エンディング時間として「11(秒)」がそれぞれ設定されている。また、15R確変大当り及び15R非確変大当りでは、各ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。また、15R確変大当り及び15R非確変大当りにおける各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「2(秒)」にそれぞれ設定されている。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図2にしたがって説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御指令(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御基板31が装着されている。演出制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)や各種の演出装置(例えば、音声出力手段としてのスピーカ14や遊技機に取付けられた装飾ランプ15等)を制御する。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1,SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特図表示装置12、特図保留記憶表示装置13が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選に当選した場合に、付与する大当り遊技の種類を決定する際に用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で非当選の場合に、図柄変動ゲームにてリーチ演出を実行するか否かを決定するためのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択する際に用いる乱数である。また、普図当り判定用乱数は、普図当り抽選(普図当り判定)で用いる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
主制御用ROM30bには、メイン制御プログラム、各種の判定値(大当り判定値など)や、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出時間(変動時間)を特定し得る。
変動パターンには、大当りのときに決定される大当り演出用の変動パターンと、はずれのときに決定されるはずれ演出用の変動パターンがある。また、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出を演出内容に含むはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチ演出を演出内容に含まないはずれ通常演出用の変動パターンと、がある。
また、リーチ演出は、演出表示装置11の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが表示されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当り、はずれの図柄組み合わせ)が導出されるまでの間に行われる演出である。なお、はずれ通常演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、はずれリーチ演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。また、大当り演出用の変動パターンに基づいて行われる図柄変動ゲームでは、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせが確定停止表示させるように展開される。
主制御用ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。なお、確変状態が付与されているときの大当り判定値(確変状態時の大当り判定値)は、少なくとも確変状態が付与されていないときの大当り判定値(非確変状態時の大当り判定値)を含むように定められている。また、主制御用ROM30bには、リーチ判定値が記憶されている。リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。
次に、図2に示す演出制御基板31について説明する。
演出制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する演出制御用CPU31aと、演出制御用CPU31aの制御プログラムを格納する演出制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる演出制御用RAM31cが設けられている。演出制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、演出制御用CPU31aには、演出表示装置11が接続されている。また、演出制御用CPU31aには、音声出力手段としてのスピーカ14や遊技機に取付けられた装飾ランプ15が接続されている。また、演出制御用ROM31bには、各種の画像表示用データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、演出制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
以下、主制御基板30及び演出制御基板31が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、始動入賞口19へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口スイッチSW1が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では、「4」)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、保留記憶数を書き換える。また、保留判定を肯定判定した主制御用CPU30aは、各種乱数の値を主制御用RAM30cから取得し、その値を保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、前述した各乱数の値も取得しない。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中、大当り遊技中か否かの実行条件判定を実行する。この実行条件判定の判定結果が肯定の場合、つまり、図柄変動ゲームの実行中、大当り遊技中である場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、実行条件判定の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、且つ大当り遊技ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に特別図柄入力処理において取得された各種乱数の値が設定されているか否かを判定する。当該判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。
続いて、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が、主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かの大当り判定をする。このとき、確変状態が付与されている場合には確変状態時の大当り判定値と、確変状態が付与されていない場合には非確変状態時の大当り判定値と、取得した当り判定用乱数の値が一致するか否かの大当り判定を行う。なお、確変状態時の大当り判定値の個数は、非確変状態時の大当り判定値の個数よりも多い個数が設定されている。この大当り判定の判定結果が肯定の場合、つまり、大当りの場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。このとき主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている特図振分用乱数の値に基づいて、図柄A、図柄Bのうち何れか1つの図柄を決定する。
また、大当り変動処理において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した変動パターン振分用乱数の値と、付与する大当り遊技の種類に基づいて、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。なお、本実施形態では、変動パターンが決定されるときの確変状態の付与態様によって、各変動パターンに振り分けられた変動パターン振分用乱数の個数や値を異ならせている。そのため、取得された変動パターン振分用乱数の値が同じであったとしても、変動パターンを決定する時点における確変状態の付与態様に応じて、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中でも決定される大当り演出用の変動パターンの種類が異なる場合がある。そして、主制御用CPU30aは、大当り変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。以上により、本実施形態の主制御用CPU30aは、大当り判定手段となる。
一方、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、当該リーチ判定値と一致するか否かのリーチ判定(リーチ抽選)を行う。このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ抽選に当選したことから、リーチ演出が行われてはずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する。リーチ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値を読み出し、当該変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類のはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。また、前述したように、本実施形態では、変動パターンが決定されるときの遊技状態(確変状態の付与有無)によって、各変動パターンに振り分けられた変動パターン振分用乱数の個数や値を異ならせている。そのため、取得された変動パターン振分用乱数の値が同じであったとしても、確変状態の付与態様に応じて、はずれリーチ演出用の変動パターンの中でも決定されるはずれリーチ演出用の変動パターンの種類が異なる場合がある。そして、主制御用CPU30aは、リーチ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
一方、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出が行われないではずれとなる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する。はずれ変動処理において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定する。また、はずれ図柄を決定した主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている変動パターン振分用乱数の値を読み出し、当該変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類のはずれ通常演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する。また、前述したように、本実施形態では、変動パターンが決定されるときの遊技状態(確変状態の付与有無)によって、各変動パターンに振り分けられた変動パターン振分用乱数の個数や値を異ならせている。そのため、取得された変動パターン振分用乱数の値が同じであったとしても、確変状態の付与態様に応じて、はずれ通常演出用の変動パターンの中でも決定されるはずれ通常演出用の変動パターンの種類が異なる場合がある。そして、主制御用CPU30aは、はずれ変動処理において変動パターンを決定すると、特別図柄開始処理を終了する。
また、特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定した内容にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで演出制御基板31(演出制御用CPU31a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力するとともに、特別図柄を変動表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。同時に、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理にて決定した特別図柄を指定する特別図柄指定コマンドを演出制御用CPU31aに出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(飾り図柄の確定停止表示)を指示する全図柄停止コマンドを前記変動時間の経過に伴って出力するとともに、決定した特別図柄を確定停止表示させるように特別図柄表示装置12の表示内容を制御する。
次に、大当り抽選に当選した場合に主制御用CPU30aが実行する当り遊技処理を説明する。
当り遊技処理において主制御用CPU30aは、最初にオープニング演出の実行を指示するオープニングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。次に、主制御用CPU30aは、大当り抽選に当選した場合には、オープニング演出の終了後、各ラウンド遊技を制御する。すなわち、主制御用CPU30aは、各ラウンド遊技の開始時にラウンド遊技の開始を指示するラウンドコマンドを演出制御用CPU31aに出力するとともに、大入賞口24の開放及び閉鎖を制御する。そして、主制御用CPU30aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出の実行を指示するエンディングコマンドを演出制御用CPU31aに出力する。その後、主制御用CPU30aは、エンディング演出の終了によって大当り遊技を終了させる。
また、主制御用CPU30aは、はずれの図柄変動ゲーム終了後、若しくは、当り遊技終了後、主制御用RAM30cに記憶されている各種主制御用設定フラグの値を設定する。主制御用設定フラグには、確変状態の付与態様を特定するための主制御用確変フラグがある。そして、主制御用CPU30aは、図柄Aを決定した場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、主制御用確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定する。一方で、主制御用CPU30aは、図柄Bを決定した場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、主制御用確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)を設定する。また、主制御用CPU30aは、はずれ図柄を決定した場合、主制御用確変フラグに新たな値を設定しない。また、主制御用CPU30aは、大当り遊技中は、主制御用確変フラグに、「0」を設定する。このように、主制御用CPU30aは、主制御用確変フラグを参照することにより、現時点での確変状態の付与態様(遊技状態)を特定することができる。
次に、演出制御基板31の演出制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種の処理について説明する。
演出制御基板31の演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドの指示内容に応じて演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄を決定する。以下、演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄の決定について説明する。
演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、奇数の数字図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ([111][333][555][777]の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、奇数の数字図柄によって構成される大当りの図柄組み合わせ([222][444][666][888])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含むはずれの図柄組み合わせ(例えば、[323])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定されるとともに、はずれ通常演出用の変動パターンが指定された場合、リーチの図柄組み合わせを含まないはずれの図柄組み合わせ(例えば、[426]や[211])の中から確定停止表示させる飾り図柄を決定する。
また、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、各列の飾り図柄を変動表示させて図柄変動ゲームを開始するように、演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、演出制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、確定停止表示させると決定した飾り図柄の図柄組み合わせを演出表示装置11に確定停止表示させる。
また、演出制御用CPU31aは、はずれの図柄変動ゲーム終了後、若しくは、当り遊技終了後、演出制御用RAM31cに記憶されている各種演出制御用設定フラグの値を設定する。演出制御用設定フラグには、確変状態の付与態様を特定するための演出制御用確変フラグがある。そして、演出制御用CPU31aは、図柄Aが指定された場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、演出制御用確変フラグに確変状態が付与されていることを示す値(本実施形態では、「1」)を設定する。一方で、演出制御用CPU31aは、図柄Bが指定された場合、当該図柄に基づく大当り遊技終了後に、演出制御用確変フラグに確変状態が付与されていないことを示す値(本実施形態では、「0」)を設定する。また、演出制御用CPU31aは、はずれ図柄が指定された場合、演出制御用確変フラグに新たな値を設定しない。演出制御用CPU31aは、演出制御用確変フラグを参照することにより、現時点での確変状態の付与態様を特定することができる。
そして、本実施形態では、図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する予告演出(大当り予告)が実行可能に構成されている。本実施形態の大当り予告は、画像表示部GHの表示領域の一部を区切った文字表示領域に、文字情報を表示させ、その後、文字表示領域を拡大することにより画像表示領域を形成し、当該画像表示領域で画像を表示させる演出内容となっている。以下、大当り予告を行うための制御、及び大当り予告の演出態様について詳しく説明する。
まず、大当り予告を行うための制御について説明する。
演出制御用ROM31bには、大当り予告の演出内容を特定するための複数種類の予告パターンが記憶されている。予告パターンは、大当り予告の演出内容毎に記憶されており、各予告パターンは、当該予告パターンにより特定される演出内容の大当り予告を実行させるための画像表示用データが対応付けられて記憶されている。この画像表示用データに基づき、文字表示領域が表示されるようになっている。なお、文字表示領域を表示させる際、本実施形態では、図4(a)に示すように、画像表示部GHの表示領域の一部を区切るように表示枠Wに囲まれて文字表示領域H1が形成されるようになっている。表示枠Wは、長方形状に形成されており、予め決められた色の中から演出制御用CPU31aにより決定された色で表示されるようになっている。
そして、同様に、この画像表示用データに基づき、画像表示領域H2が表示されるようになっている。本実施形態における画像表示領域H2は、図4(b)に示すように、文字表示領域H1を拡大することにより形成されるようになっており、文字表示領域H1と同様に表示枠Wに囲まれている。すなわち、文字表示領域H1が拡大する際、それを囲う表示枠Wも同様に拡大するようになっている。また、文字表示領域H1及び画像表示領域H2の右上において、共通識別部Kが表示されるようになっている。この共通識別部Kは、文字表示領域H1及び画像表示領域H2のいずれにも係わらず同じ表示態様で表示されるようになっている。このため、文字表示領域H1から画像表示領域H2に変更したとしても共通識別部Kが共通していることにより文字表示領域H1の表示枠Wが拡大して画像表示領域H2が形成されていることを遊技者に容易に認識させることができる。なお、本実施形態における共通識別部Kの表示態様は、複数種類用意され、演出制御用CPU31aにより決定された表示態様で表示されるようになっている。
また、予告パターンは、図3(b)に示すように、それぞれ文字表示領域H1に表示させる文字情報の種類を特定可能に構成されている。また、予告パターンは、図3(b)に示すように、それぞれ画像を表示させるか否かについての情報、及び画像を表示させる場合には、表示させる画像の種類を特定可能に構成されている。そして、大当り予告を実行させるための画像表示用データには、当該画像表示用データに対応付けられている予告パターンにより特定される文字情報を表示させるための文字予告データが含まれている。また、画像を表示させる場合、大当り予告を実行させるための画像表示用データには、当該画像表示用データに対応付けられている予告パターンにより特定される画像を表示させるための画像データが含まれている。なお、文字情報としては、テキストデータが主に記憶されており、画像データとしては、写真データなどの静止画のみならず、動画が記憶されている。
また、各予告パターンにおいて、図3(b)に示すように、文字情報が意味する(関連する)画像が表示されるように構成されている。例えば、「晴れるといいな」という文字情報が表示された場合には、晴れを示すような画像(太陽が昇っていく画像など)が表示されるようになっている。また、「歌うよ」という文字情報が表示された場合には、歌を歌っている人物の画像が表示されるようになっている。また、「赤くなるよ」という文字情報が表示された場合には、赤色の画像を表示させるようになっている。
また、各予告パターンは、図3(a)に示すように、変動パターンに対応付けられて記憶されており、指定された変動パターンの種類(大当り、はずれなど)によって各予告パターンの選択率が異なるようになっている。すなわち、演出内容によって大当り信頼度が認識できるように構成されている。そして、演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、大当り予告を実行させるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合(実行させる場合)には、演出制御用CPU31aは、指定された変動パターンに対応する予告パターンの中から変動パターンに応じた選択率で予告パターンを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームにおいて、決定した予告パターンにより特定される大当り予告を実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。具体的には、演出制御用CPU31aは、予告パターンに対応する画像表示用データを読み出し、当該画像表示用データに基づき大当り予告を実行させる。以上により、本実施形態における演出制御用CPU31aは、表示制御手段となる。また、画像表示用データを記憶している演出制御用ROM31bが、データ記憶手段となる。
なお、演出制御用CPU31aは、予告パターンに基づき大当り予告を実行させる際、変動パターンの種類に基づき、表示枠Wの表示色を決定し、決定した表示色に基づき表示枠Wを表示させる。具体的には、大当り演出用の変動パターンが指定された場合には、表示色として「白色」<「青色」<「赤色」<「金色」の順番で選択しやすくなっている(「金色」が出現しやすい)。一方、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合には、表示色として「赤色」<「青色」<「白色」の順番で選択しやすくなっている(「白色」が出現しやすい)。また、はずれ演出用の変動パターンが指定された場合には、表示色として「青色」<「白色」の順番で選択しやすくなっている(「白色」が出現しやすい)。以上により、表示枠Wの表示色が「白色」<「青色」<「赤色」<「金色」の順番で大当り信頼度が高くなり(「金色」が一番高い)、「金色」である場合には、大当りが確定することを認識できる。また、表示色が「赤色」である場合には、リーチ演出が確定することを認識できる。
また、演出制御用CPU31aは、予告パターンに基づき大当り予告を実行させる際、変動パターンの種類に基づき、共通識別部Kの表示態様を決定し、決定した表示態様に基づき共通識別部Kを表示させる。具体的には、大当り演出用の変動パターンが指定された場合には、共通識別部Kの表示態様として「GO!GO!!」<「GO!」<「GO」の順番で選択しやすくなっている(「GO」が出現しやすい)。一方、はずれリーチ演出用又ははずれ演出用の変動パターンが指定された場合には、共通識別部Kの表示態様として「GO!」<「GO」の順番で選択しやすくなっている(「GO」が出現しやすい)。
次に、大当り予告の演出態様について図4に基づき詳しく説明する。
図4では、文字情報を表示させた後、画像を表示させる予告パターンYP4に基づき大当り予告が実行されるものとして説明する。また、図4では、大当り演出用の変動パターンが決定されたものとして説明する。
図柄変動ゲームが開始されると、演出制御用CPU31aは、指定された変動パターンに基づき予告パターンを決定する。前提より演出制御用CPU31aは、予告パターンYP4を決定する。それと共に、演出制御用CPU31aは、表示枠Wの表示色及び共通識別部Kの表示態様を決定する。図4(a)においては、表示色として「白色」を決定し、共通識別部Kの表示態様として「GO!」を決定したものとして説明する。
そして、演出制御用CPU31aは、予告パターンYP4に対応する画像表示用データに基づき、画像表示部GHの表示領域を区切って、長方形状の文字表示領域H1を形成するように表示させる。その際、図4(a)に示すように、決定した表示色「白色」で表示された表示枠Wにより文字表示領域H1を区切るようにして表示させる。また、その際、表示枠Wの右上に決定した表示態様「GO!」で表示された共通識別部Kを表示させる。そして、演出制御用CPU31aは、文字表示領域H1を表示させると共に、予告パターンYP1により特定される文字情報「晴れるといいな」を文字表示領域H1内に表示させる。
その後、演出制御用CPU31aは、予告パターンYP4に対応する画像表示用データに基づき、文字表示領域H1及びそれを区切る表示枠Wを拡大して、画像表示領域H2及びそれを区切る表示枠Wを形成するように表示させる。その際、図4(b)に示すように、決定した表示色「白色」で表示された表示枠Wにより画像表示領域H2を区切るようにして表示させる。また、その際、表示枠Wの右上に決定した表示態様「GO!」で表示された共通識別部Kを表示させる。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示領域H2を表示させると共に、予告パターンYP4により特定される画像を画像表示領域H2内に表示させる。これにより、図4(b)に示すように、画像表示部GHには、晴れを示す画像(本実施形態では、太陽が昇っていく様子を示す画像)が表示される。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)演出制御用CPU31aは、大当り抽選の判定結果に応じて決定される変動パターンに基づき、予告パターンを決定し、当該予告パターンに対応する画像表示用データを読み出す。そして、画像表示用データに含まれる文字予告データにより特定される文字情報を前記表示手段の文字表示領域H1に表示させる。その後、演出制御用CPU31aは、文字表示領域H1を拡大して画像表示領域H2を形成させる。それとともに、読み出した文字予告データと関係付けられた画像データ、すなわち、文字予告データと共に画像表示用データに含まれる画像データに基づき、当該画像表示領域H2に拡大前の文字表示領域H1にて表示された文字情報と関連する画像を文字情報の代わりに表示させる。このように、文字情報が表示される文字表示領域H1を拡大させることにより画像表示領域H2を設定しており、遊技者に文字情報と、文字情報に関連する画像が同じ領域に表示されることを認識させることができる。このため、別々の表示領域で表示させる場合と比較して、遊技者に文字情報と画像との関連性について気付かせ易い。従って、文字情報が表示されたとき、それに関連する画像が出現するのではないかと遊技者に期待させることができる。また、文字表示領域H1が拡大して、拡大前に表示された文字情報と関連する画像を表示させている。これにより、遊技者は、文字情報と画像との関連性を容易に認識でき、文字情報から画像に発展したと理解することができる。従って、文字情報が出現したとき、遊技者に発展するのではないかと思わせることができ、遊技の興趣が向上する。そして、文字情報だけでなく、文字情報に関連する画像を表示させることにより、遊技者に対して大当り信頼度を容易に伝えることができるようになった。
(2)表示枠Wが設けられていることにより、他の表示領域と区別しやすく、また、文字表示領域H1が拡大して画像表示領域H2が設定されることを認識させやすくなる。さらに、表示枠Wの一部に文字表示領域H1と画像表示領域H2とで関連する共通識別部Kを設けたため、表示枠Wが共通であること、つまり、表示枠Wが拡大したことを遊技者に認識させやすくなっている。
(3)表示枠Wの表示態様(本実施形態では表示色)又は共通識別部Kの表示態様は、複数種類用意されており、大当り信頼度に応じて表示枠W又は共通識別部Kの表示態が変更される。これにより、遊技者に、表示枠W又は共通識別部Kの表示態様について注目させることができる。また、画像表示領域H2が表示された後も、表示枠W又は共通識別部Kの表示態様について注目させることができる。
(4)予告パターンには、文字情報が表示された後、画像表示領域H2及び画像が表示されることなく終了する予告パターンが存在する(例えば、予告パターンYP1,YP2)。すなわち、大当り予告が実行された場合、必ずしも画像が表示されるわけではない。また、図3(b)に示すように、大当り演出用の変動パターンが指定されたときには、はずれリーチ演出用又ははずれ演出用の変動パターンが指定されたときよりも高確率で画像が表示されるようになっている。すなわち、大当り予告において、画像が表示された方が、表示されないよりも大当り信頼度が高くなっている。このため、遊技者は、文字情報が出現した後、画像が表示されるか否かにより注目させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明及び図面は省略又は簡略する。
本実施形態の大当り予告では、文字表示領域H1に複数種類の文字情報を段階的に表示させることができるようになっている。その後、大当り予告では、文字表示領域H1を拡大して画像表示領域H2を形成させるとともに、画像表示領域H2に、文字表示領域H1にて最後に表示された文字情報と関連する画像を表示させるようになっている。以下、本実施形態における大当り予告を実行させるための制御及び大当り予告の演出態様について説明する。
まず、予告パターンについて説明する。本実施形態の予告パターンは、図5(b)に示すように、それぞれ文字表示領域H1に表示させる文字情報の種類及び表示順序を特定可能に構成されている。例えば、予告パターンYP25では、最初に(1段階目に)表示させる文字情報を「赤色になるよ」とし、次(2段階目)に表示させる文字情報を「晴れるといいな」とし、最後(3段階目)に表示させる文字情報を「歌うよ」としている。また、予告パターンは、図5(b)に示すように、それぞれ画像を表示させるか否かについての情報、及び画像を表示させる場合には、表示させる画像の種類を特定可能に構成されている。なお、表示させる画像は、それぞれ最後に表示される文字情報に対応する画像となっている。例えば、予告パターンYP25では、最後に表示される文字情報「歌うよ」に対応するように、歌を歌っている人物の画像が表示されるようになっている。
また、各予告パターンは、図5(a)に示すように、変動パターンに対応付けられて記憶されており、指定された変動パターンの種類(大当り、はずれなど)によって各予告パターンの選択率が異なるようになっている。本実施形態では、図5(a)に示すように、段階数が多いほど、大当り信頼度が高くなるように構成されている。
次に、大当り予告を実行させるための制御について説明する。演出制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、大当り予告を実行させるか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合(実行させる場合)には、演出制御用CPU31aは、指定された変動パターンに対応する予告パターンの中から変動パターンに応じた選択率で予告パターンを決定する。そして、演出制御用CPU31aは、図柄変動ゲームにおいて、決定した予告パターンにより特定される大当り予告を実行させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。具体的には、演出制御用CPU31aは、予告パターンに対応する画像表示用データを読み出し、当該画像表示用データに基づき大当り予告を実行させる。
次に、大当り予告の演出態様について図6に基づき詳しく説明する。
図6では、2種類の文字情報を表示させた後、画像を表示させる予告パターンYP24に基づき大当り予告が実行されるものとして説明する。また、図6では、大当り演出用の変動パターンが決定されたものとして説明する。
図柄変動ゲームが開始されると、演出制御用CPU31aは、指定された変動パターンに基づき予告パターンを決定する。前提より演出制御用CPU31aは、予告パターンYP24を決定する。そして、演出制御用CPU31aは、図6(a)に示すように、予告パターンYP24に対応する画像表示用データに基づき、画像表示部GHの表示領域を区切って、長方形状の文字表示領域H1を形成するように表示させる。そして、演出制御用CPU31aは、文字表示領域H1を表示させると共に、予告パターンYP24により特定される文字情報「赤色になるよ」を文字表示領域H1内に表示させる。
その後、演出制御用CPU31aは、図6(b)に示すように、予告パターンYP24に基づき、文字表示領域H1をそのまま表示する一方、文字情報の内容を「晴れるといいな」に変更する。次に、演出制御用CPU31aは、図6(c)に示すように、予告パターンYP24に対応する画像表示用データに基づき、文字表示領域H1及びそれを区切る表示枠Wを拡大して、画像表示領域H2及びそれを区切る表示枠Wを形成するように表示させる。そして、演出制御用CPU31aは、画像表示領域H2を表示させると共に、予告パターンYP24により特定される画像を画像表示領域H2内に表示させる。これにより、図6(c)に示すように、画像表示部GHには、晴れを示す画像(本実施形態では、太陽が昇っていく様子を示す画像)が表示される。
以上詳述したように、第2実施形態は、第1実施形態の(1)〜(4)の効果に加えて、以下の効果を有する。
(5)演出制御用CPU31aは、複数種類の文字情報を段階的に表示させた後、文字表示領域H1を拡大して画像表示領域H2を形成させるとともに、当該画像表示領域H2に、文字表示領域H1にて最後に表示された文字情報と関連する画像を表示させた。これにより、遊技者は、文字情報に関連する画像が表示されるか否かに注目するだけではなく、どのような文字情報が表示されるかについて段階毎に注目することとなり、遊技の興趣が向上する。また、文字情報の段階数により大当り信頼度が異なるため、文字情報の段階数についても注目させることができる。また、表示枠W及び文字表示領域H1は、段階数が上がっても共通して使用されるため、遊技者に同じ大当り予告が継続していることを認識させやすくなっている。また、画像が表示されたとしても、大当り予告が継続していることを認識させやすくなっている。
なお、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、特定のリーチ演出が実行されるときのみ、決定される予告パターンを設けても良い。例えば、歌を流して行われる歌リーチ演出(特定のリーチ演出)を演出内容に含む特別な変動パターンが選択されたときにのみ、予告パターンYP5又は予告パターンYP25を選択可能に構成しても良い。このようにすれば、予告パターンYP5,YP25に基づき、歌を歌っている人物の画像が表示された場合には、遊技者は、歌リーチ演出が実行されることを認識することができる。なお、特定のリーチ演出が出現した際の大当り確率は、他のリーチ演出(より詳しくは、一番出現率が高い通常のリーチ演出)が出現したときの大当り確率よりも高いことが望ましい。
・上記実施形態において、特定のリーチ演出が実行されるときにおいて、当該特定のリーチ演出の実行を文字情報によって示唆する予告パターンを、他の文字情報を表示させる予告パターンよりも高確率で決定する構成としても良い。例えば、太陽が表示されて行われる太陽リーチ演出(特定のリーチ演出)を演出内容に含む変動パターンが選択されたときに、当該太陽リーチ演出の実行を示唆する文字情報「晴れるといいな」を最終的に表示させる予告パターンYP2,YP4,YP22,YP24を他の予告パターンよりも高確率で選択する構成としても良い。このようにすれば、予告パターンYP2,YP4,YP22,YP24に基づき、文字情報が表示された場合には、遊技者は、太陽リーチ演出が実行されやすいことを認識することができる。
さらに、この場合において、文字情報に対応する画像の有無により、予告パターンの選択率をさらに変更しても良い。例えば、太陽リーチ演出(特定のリーチ演出)を演出内容に含む特定の変動パターンが選択されたときには、文字情報「晴れるといいな」に対応する画像を表示させる予告パターンYP4,YP24を、画像を表示させない予告パターンYP2,YP22と比較して高確率で選択するような構成にしても良い。これにより、画像が表示された場合には、遊技者に対して高確率で特定のリーチ演出が実行されることを認識させることができる。従って、遊技者に対して大当り予告の内容についてより注目させることができる。
・上記第2実施形態では、複数回の図柄変動ゲームに亘って大当り予告を実行させてもよい。その際、図柄変動ゲームが実行される毎に、文字情報を段階的に表示させるようにして、最後の段階の文字情報が表示された図柄変動ゲームにおいて、画像表示領域H2を形成し、画像を表示させても良い。また、この場合、最後の段階の文字情報が表示された図柄変動ゲームの演出内容を先読みして、予告パターンの種類(すなわち、文字情報の種類や段階数、画像表示の有無)を決定しても良い。
・上記第2実施形態において、1回の図柄変動ゲームにおいて全列の図柄が変動表示開始されてから全列の図柄が停止表示されるまでの変動サイクルが複数回実行される擬似連続変動ゲームが実行される場合に、複数回の変動サイクルに亘って大当り予告を実行させてもよい。その際、変動サイクルが実行される毎に、文字情報を段階的に表示させるようにして、最後の段階の文字情報が表示される最後の変動サイクルにおいて、画像表示領域H2を形成し、画像を表示させても良い。この場合、文字情報の表示段階数と、実行される変動サイクル数を一致させることとなる。
・上記実施形態において、リーチ演出が実行される図柄変動ゲーム(又は変動サイクル)では、画像表示領域H2及び画像が表示されるようにしてもよい。これにより、リーチ演出が行われる変動サイクルにおいて画像が表示されるため、画像が表示されたとき、遊技者の興趣をさらに向上させることができる。
・上記実施形態において、予め決められた遊技状態においてのみ、大当り予告を実行させても良い。例えば、始動入賞口19への入賞確率が通常よりも向上する変短状態中にのみ大当り予告を実行させても良い。また、確変状態中にのみ大当り予告を実行させても良い。逆に変短状態や確変状態などの特別状態が付与されていない通常状態中にのみ大当り予告を実行させてもよい。また、特定の演出モード(例えば、確変状態が付与されている可能性があることを示す確変示唆モード)中にのみ大当り予告を実行させてもよい。
・上記実施形態の大当り予告は、図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆していたが、確変状態が付与される可能性や、大当り遊技の種類などを示唆する予告演出として利用しても良い。
・上記実施形態において、表示枠Wの表示色は、複数種類無くても良い。1種類でも良い。また、共通識別部Kも無くても良い。また、共通識別部Kの表示態様が複数種類無くても良い。1種類でも良い。また、共通識別部Kの表示態様を任意に変更しても良い。例えば、キャラクタ画像を表示しても良い。
・上記実施形態において、音声出力手段を備えて、文字情報の表示と共に音声を出力しても良い。同様に、画像と共に音声を出力しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)画像表示領域に表示される画像は、静止画像又は動画であることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記表示制御手段は、前記大当り判定手段の判定結果に基づき、前記データ記憶手段から文字予告データを読み出し、読み出した文字予告データにより特定される文字情報を前記表示手段の文字表示領域に表示させた後、そのまま終了させる場合もあることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ハ)前記表示制御手段は、複数種類の文字情報を段階的に表示させた後、前記文字表示領域を拡大して画像表示領域を形成させるとともに、当該画像表示領域に、文字表示領域にて最後に表示された文字情報と関連する画像を表示させることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ニ)図柄変動ゲームは、全列の図柄が変動表示開始されてから全列の図柄が停止表示されるまでの変動サイクルが1回又は複数回実行されるように構成されており、前記表示制御手段は、複数回の変動サイクルに亘って予告演出を実行させ、変動サイクル毎に文字情報を段階的に表示させることを特徴とする技術的思想(ハ)に記載の遊技機。
(ホ)前記表示制御手段は、リーチ演出が行われる変動サイクルにおいて、画像表示領域を形成して、最後に表示された文字情報に関連する画像を表示させることを特徴とする技術的思想(ヘ)に記載の遊技機。