以下に添付図面を参照して、この発明にかかる、ぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態)
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、この発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、ぱちんこ遊技機の一例を示す正面図である。図1に示すように、ぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部が配置されている。発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。
遊技領域103には、複数の釘が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD)などが用いられる。画像表示部104の下方には、甲第1始動口105が配設されており、画像表示部104の右下方には、乙第1始動口125が配設されている。さらに、画像表示部104の右側には第2始動口106が配設されている。甲第1始動口105、乙第1始動口125および第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
第2始動口106の近傍には、電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞しにくくさせる閉状態(閉鎖された状態)と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態(開放された状態)とをとる。これらの状態の切り替えは、電動チューリップ107が備えるソレノイドによっておこなわれる。
電動チューリップ107は、第2始動口106の上方に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放する。ゲート108は、画像表示部104の右側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。
電動チューリップ107は、時短付き遊技状態において、開放時間が長くなり、第2始動口106に遊技球をより導きやすくする。なお、時短付き遊技状態は、時短付き大当たり終了後に設定される遊技状態である。
本実施の形態にかかるぱちんこ遊技機100は、通常遊技状態において遊技者は左打ちをして甲第1始動口105および乙第1始動口125を狙って遊技する一方、時短付き遊技状態や大当たり遊技状態において遊技者は右打ちをして第2始動口106を狙って遊技するタイプの遊技機である。
具体的には、遊技者が左打ちをすると、打ち出された遊技球は、矢印130に示すように遊技領域103の左側を流下し、画像表示部104の下領域に手前側に突出して設けられる不図示のステージや、遊技盤101上に設けられる不図示の釘の配置により、甲第1始動口105や乙第1始動口125へ入賞可能になっている。一方、遊技者が右打ちをすると、打ち出された遊技球は、矢印140に示すように遊技領域103の右側を流下する。
なお、左打ちによって、甲第1始動口105または乙第1始動口125に入賞しなかった遊技球は、第2始動口106の側方に設けられる遮蔽部材141や、不図示の釘の配置により、第2始動口106にはほとんど入賞しないようになっている。同様に、右打ちにより第2始動口106に入賞しなかった遊技球は、遮蔽部材141や、不図示の釘の配置により、甲第1始動口105および乙第1始動口125にはほとんど入賞しないようになっている。
ここで、本実施の形態では、甲第1始動口105および乙第1始動口125は、打ち出された遊技球が入賞する割合を示した入賞割合がそれぞれ異なっている。例えば、甲第1始動口105への入賞割合は、250球打ち出され遊技球に対して20球入賞する程度としている。一方、乙第1始動口125への入賞割合は、250球打ち出された遊技球に対して1球入賞する程度としている。すなわち、甲第1始動口105へ20回入賞する間に、乙第1始動口125へは1回入賞する程度の比率になっている。なお、ここで挙げた入賞割合は一例に過ぎず、例えば、遊技盤に対する釘の角度(釘の開け閉め)によって入賞割合は異なる。
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり遊技状態となったときに間欠的に開放され、遊技球の入賞により所定個数(例えば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(例えば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄(以下「特図1」という)が表示される特図1表示部と、第2特別図柄(以下「特図2」という)が表示される特図2表示部とを有する。
遊技球が甲第1始動口105または乙第1始動口125へ入賞すると第1当たり抽選がおこなわれる。特図1表示部は、特図1を変動表示するとともに、第1当たり抽選の抽選結果を表す図柄で停止表示する。遊技球が第2始動口106へ入賞すると第2当たり抽選がおこなわれる。特図2表示部は、特図2を変動表示するとともに、第2当たり抽選の抽選結果を表す図柄で停止表示する。
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果を表す図柄である。普通図柄抽選は、上述したように電動チューリップ107を開状態とするか否かの抽選である。特別図柄表示部112および普通図柄表示部113としては、例えば7セグメントディスプレイが用いられる。
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留球数を表示する保留球表示部114が配置されている。保留球は、特別図柄または普通図柄の変動中に入賞した遊技球を保留状態として保持したものである。
保留球表示部114としては、例えばLEDが用いられる。この保留球表示部114としてのLEDは複数配置され、点灯/消灯によって保留球数を表す。なお、保留球の告知は、画像表示部104からの表示によってもおこなわれる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射し、その照射位置が遊技者の頭上から腹部に沿って移動するように、光の照射方向を上下方向に変更可能になっている。各ランプは、演出ライト部116に設けられた不図示のモータによって、光の照射方向を上下方向に変更するように駆動される。
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。
枠部材115において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付ける演出ボタン119が設けられている。また、枠部材115において、演出ボタン119の隣には、十字キー120が設けられている。さらに、枠部材115には、音声を出力するスピーカが組み込まれている。
また、図示を省略するが、例えば画像表示部104の周囲などの所定位置には、演出役物が設けられている。この演出役物は、ソレノイドやモータに接続されており、ソレノイドやモータの駆動によって駆動される。
なお、ぱちんこ遊技機100において、甲第1始動口105、乙第1始動口125および第2始動口106の配置位置は、上述した配置位置に限らない。例えば、甲第1始動口105および乙第1始動口125を右側領域に配置し、第2始動口106および電動チューリップ107を左打ちによって入賞可能な領域に配置するようにしてもよいし、甲第1始動口105、乙第1始動口125および第2始動口106を左打ちによってそれぞれ入賞可能な領域に配置するようにしてもよい。
(ぱちんこ遊技機の制御部の内部構成)
次に、図2を用いて、ぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成について説明する。図2は、ぱちんこ遊技機100の制御部の内部構成を示すブロック図である。図2に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部200は、遊技の進行を制御する主制御部201と、演出内容を制御する演出制御部202と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部203とを備えている。以下にそれぞれの制御部の構成について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部201は、CPU(Central Processing Unit)211と、ROM(Read Only Memory)212と、RAM(Random Access Memory)213と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
主制御部201は、CPU211がRAM213をワークエリアとして使用しながら、ROM212に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。具体的には、主制御部201は、当たり抽選や普通図柄抽選などのほか、遊技状態の設定などをおこない、遊技の進行を制御する。主制御部201は、主制御基板によって実現される。
CPU211は、予めROM212に記憶された各種プログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。ROM212には、保留記憶プログラム、当たり判定プログラム、当たり図柄判定プログラム、特別図柄変動プログラム、大入賞口制御プログラム、遊技状態設定プログラム、などが記憶されている。
保留記憶プログラムは、甲第1始動口SW220または乙第1始動口SW221によって検出された遊技球を特1保留球として記憶するとともに、第2始動口SW222によって検出された遊技球を特2保留球として記憶するプログラムである。当たり判定プログラムは、特1保留球および特2保留球に対する当たりの判定をおこなうプログラムである。当たりには、大当たりと小当たりとがある。
当たり図柄判定プログラムは、当たりの内容に相当する当たり図柄を判定するプログラムである。大当たり図柄には、獲得出玉の見込める長当たり図柄や、獲得出玉の見込めない短当たり図柄などがある。なお、特2保留球に対する当たり図柄判定は、特1保留球に対する当たり図柄判定よりも、遊技者にとって有利な当たり(長当たり)図柄に当選しやすくなっている。
特別図柄変動プログラムは、当たり判定や当たり図柄判定の判定結果を特別図柄として変動停止させるとともに、リーチの有無や保留球の数に応じて特別図柄の変動時間を異ならせるプログラムである。特1保留球に対する当たり判定および当たり図柄判定の判定結果は、特図1表示部112aの特図1として変動停止される一方、特2保留球に対する当たり判定および当たり図柄判定の判定結果は、特図2表示部112bの特図2として変動停止される。なお、特2保留球に対する特別図柄の変動は、特1保留球よりも優先しておこなわれるようになっている。
大入賞口制御プログラムは、当たり時に、短当たりまたは長当たりに応じた所定の開放時間を1ラウンドとして、例えば15ラウンド、大入賞口109を間欠的に開放させるプログラムである。長当たりは、1ラウンド毎の大入賞口109の開放時間を長くして(例えば30秒)、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)大入賞口109を開放させることにより、遊技者に多数の出玉を獲得させる大当たりである。
短当たりは、1ラウンド毎の大入賞口109の開放時間を短くして(例えば0.1秒)、所定ラウンド数(例えば15ラウンド)大入賞口109を開放させる、獲得出玉のほとんどない大当たりである。また、小当たりは、0.1秒の開放×15回を1ラウンドとして、短当たりにおける大入賞口109の挙動と同様の挙動とした、獲得出玉のほとんど見込めない当たりである。
遊技状態設定プログラムは、当たり図柄に応じて、当たり終了後の遊技状態を、低確率遊技状態または高確率遊技状態に設定するとともに、電チューサポートを付加する時短付き遊技状態または電チューサポートを付加しない時短無し遊技状態を設定するプログラムである。電チューサポートは、普通図柄の変動時間を短くするとともに、電動チューリップ107の開放時間を長くする機能である。時短付き遊技状態では右打ちによって遊技がおこなわれ、時短無し遊技状態では左打ちによって遊技がおこなわれる。
低確率遊技状態は、大当たりに当選しにくい遊技状態である。高確率遊技状態は、低確率遊技状態に比べて、10倍程度大当たりに当選しやすくなっている。ここで、大当たり、および大当たり後の遊技状態について、具体例を挙げて説明しておく。大当たりには、大当たり図柄に対応して、確変長当たり、確変短当たり(突確短当たり)、潜確短当たりがある。確変長当たり、および突確短当たりの場合、大当たり終了後に、時短遊技が付加される高確率遊技状態(確変遊技状態)に移行する。
潜確短当たりの場合、大当たり終了後に、時短遊技が付加されない高確率遊技状態(潜確遊技状態)に移行する。小当たりの場合、小当たり終了後には小当たり開始前の遊技状態に移行し、すなわち、遊技状態に変化はない。
主制御部201には、遊技球を検出する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の特図1表示部112a、特図2表示部112b、普通図柄表示部113、保留球表示部114などが接続される。
具体的に、上記の各種SWとしては、甲第1始動口SW220と、乙第1始動口SW221と、第2始動口SW222と、ゲートSW223と、大入賞口SW224と、普通入賞口SW225とがある。甲第1始動口SW220は、甲第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する。乙第1始動口SW221は、乙第1始動口125へ入賞した遊技球を検出する。第2始動口SW222は、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する。
ゲートSW223は、ゲート108を通過した遊技球を検出する。大入賞口SW224は、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する。普通入賞口SW225は、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する。それぞれのSW(220〜225)によって検出された検出結果は主制御部201へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどが用いられる。
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド231と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド232とが主制御部201に接続されている。主制御部201は、それぞれのソレノイド(231,232)に対する駆動を制御する。
さらに、主制御部201は、演出制御部202および賞球制御部203にも接続され、それぞれの制御部に対して各種コマンドを出力する。例えば、主制御部201は、演出制御部202に対しては変動開始コマンド、変動停止コマンドなどのコマンドを出力する。また、主制御部201は、賞球制御部203に対しては賞球コマンドを出力する。賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数を示す情報などが含まれている。
(2.演出制御部)
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100の演出内容を制御する機能を有する。演出統括部202aは、主制御部201から受信した各種コマンドに基づいて演出制御部202全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部202bは、演出統括部202aからの指示内容に基づいて画像および音声の制御をおこなう機能を有している。また、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部202aの構成について説明する。演出統括部202aは、CPU241と、ROM242と、RAM243と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)244と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU241は、予めROM242に記憶された各種プログラムに基づき、演出内容を決定する処理を実行する。ROM242には、CPU241が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムが記憶されている。RAM243は、CPU241のワークエリアとして機能する。CPU241が各種プログラムを実行することによりRAM243にセットされたデータは、所定のタイミングにて画像・音声制御部202bおよびランプ制御部202cに対して出力される。
演出統括部202aは、CPU241がRAM243をワークエリアとして使用しながら、ROM242に記憶された、演出図柄変動プログラム、演出選択プログラムなどの各種プログラムを実行することによって、演出制御部202全体を統括するように機能する。
演出図柄変動プログラムは、特別図柄の変動に対応させて、演出図柄を用いて変動演出をおこなうプログラムである。演出選択プログラムは、甲第1始動口105と乙第1始動口125とで異なる演出パターンテーブルを用いて演出パターンを選択するプログラムである。
RTC244は、実時間を計時出力する。RTC244は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されているときもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC244は、演出統括部202aなど演出制御部202内に配置する例に限らず、主制御部201に配置してもよい。また、RTC244は、単独で配置してもよい。
また、演出統括部202aには、演出ボタン119が接続されており、遊技者から演出ボタン119が操作(押下)された旨を示すデータが入力される。また、演出統括部202aには、十字キー120が接続されており、遊技者によって選択されたキーに対応するデータが入力される。
(2−2.画像・音声制御部)
次に、画像・音声制御部202bの構成について説明する。画像・音声制御部202bは、CPU251と、ROM252と、RAM253と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU251は、画像や音声の生成および出力処理を実行する。ROM252には、画像や音声の生成および出力処理のためのプログラム、当該処理に必要となる背景画像・演出図柄画像・キャラクタ画像など各種画像データや各種音声データなどが記憶されている。RAM253は、CPU251のワークエリアとして機能し、画像表示部104に表示させる画像データやスピーカ254から出力させる音声データが一時的に格納される。
すなわち、画像・音声制御部202bは、CPU251がRAM253をワークエリアとして使用しながら、ROM252に記憶された、表示内容選択プログラムなどの各種プログラムを実行することによって、演出統括部202aからの指示に基づいて画像および音声の制御をおこなうように機能する。表示内容選択プログラムは、甲第1始動口105と乙第1始動口125とで異なる表示演出パターンテーブルを用いて表示内容を選択するプログラムである。
また、CPU251は、演出統括部202aから指示された指示内容に基づいて、背景画像表示処理、演出図柄変動/停止表示処理、予告画像処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理と音声処理を実行する。このときには、CPU251は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM252から読み出してRAM253に書き込む。
RAM253に書き込まれた背景画像や演出図柄画像などの画像データは、画像・音声制御部202bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、演出図柄画像は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。また、予告画像は、演出図柄画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と演出図柄画像とが重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、演出図柄画像を優先してRAM253に記憶させる。
また、RAM253に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部202bに接続されたスピーカ254に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ254から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
次に、ランプ制御部202cの構成について説明する。ランプ制御部202cは、CPU261と、ROM262と、RAM263と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU261は、ランプを点灯させる処理などを実行する。ROM262には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、当該処理に必要となるランプ点灯に用いる制御データなどが記憶されている。RAM263は、CPU261のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部202cは、演出ライト部(枠ランプ)116と、盤ランプ264と演出役物265とに接続され、点灯制御するデータや動作制御するデータを出力する。これにより、ランプ制御部202cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯、演出役物265の動作を制御するように機能する。
演出制御部202は、演出統括部202aと、画像・音声制御部202bと、ランプ制御部202cとを用いて、それぞれ異なる基板によって構成されるものとしたが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成されるものとしてもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であっても、それぞれの機能は独立しているものとする。
(3.賞球制御部)
次に、賞球制御部203の構成について説明する。賞球制御部203は、CPU281と、ROM282と、RAM283と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU281は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM282には、当該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM283は、CPU281のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部203は、払出部(払出駆動モータ)291と、発射部292と、定位置検出SW293と、払出球検出SW294と、球有り検出SW295と、満タン検出SW296と接続される。
賞球制御部203は、払出部291に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部291は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部203は、払出部291に対して各入賞口(甲第1始動口105、乙第1始動口125第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部203は、発射部292に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部292は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイド等を備える。賞球制御部203は、発射部292のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部203には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW293、払出球検出SW294、球有り検出SW295、満タン検出SW296等がある。例えば、賞球制御部203は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
また、主制御部201には、盤用外部情報端子基板297が接続されており、主制御部201が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部203についても、枠用外部情報端子基板298が接続されており、賞球制御部203が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
上記構成の主制御部201と、演出制御部202と、賞球制御部203は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられるが、これに限らず、例えば、賞球制御部203は、主制御部201と同一のプリント基板上に設けることもできる。
(ぱちんこ遊技機の機能的構成)
次に、図3を用いて、ぱちんこ遊技機100の機能的構成について説明する。図3は、ぱちんこ遊技機100の機能的構成を示すブロック図である。図3において、ぱちんこ遊技機100の主制御部201は、甲第1始動口SW220と、乙第1始動口SW221と、第2始動口SW222と、特図1当たり判定部301と、特図1変動部302と、特図2当たり判定部303と、特図2変動部304とを備えている。
特図1当たり判定部301は、甲第1始動口SW220または乙第1始動口SW221によって遊技球が検出された場合、検出された遊技球に対して、大当たりや小当たりの判定をおこなう。特図1変動部302は、特図1当たり判定部301によって判定された当たり判定結果を特図1として変動させる。
特図2当たり判定部303は、第2始動口SW222によって遊技球が検出された場合、検出された遊技球に対して、大当たりや小当たりの判定をおこなう。特図2変動部304は、特図2当たり判定部303によって判定された当たり判定結果を特図2として変動させる。
特図1当たり判定部301と、特図1変動部302と、特図2当たり判定部303と、特図2変動部304とは、主制御部201のCPU211によって実現される。すなわち、CPU211が、ROM212に記憶されている各種プログラムを実行することにより、各部を実現する。
演出制御部202は、記憶部311と、取得部312と、選択部313と、実行部314とを備える。記憶部311は、甲第1始動口105または乙第1始動口125の始動口種別毎に演出内容を示す演出パターンをそれぞれ記憶する。演出パターンは、代表的には、特別図柄の変動に対応する変動演出パターン、または、画像表示部に表示させる表示演出パターンであるが、ランプの点灯パターンなどであってもよい。
変動演出パターンは、演出統括部202aのROM242に記憶されている。一方、表示演出パターンは、具体的には、ステップアップ演出やキャラクタ表示演出などであり、画像・音声制御部202bのROM252に記憶されている。なお、ステップアップ演出は、規定のステップ数を有し、一連の演出がステップ毎に段階的に展開される演出である。記憶部311は、演出統括部202aのROM242や、画像・音声制御部202bのROM252によって実現される。
取得部312は、遊技球が甲第1始動口105または乙第1始動口125に入賞した際に検出される、甲第1始動口105または乙第1始動口125の始動口種別を示す情報を取得する。始動口種別を示す情報は、例えば、特別図柄の変動開始時に主制御部201からコマンドにより送信される。
選択部313は、特図1変動部302による特別図柄の変動が開始される際、取得部312によって取得された始動口種別の情報に基づいて、記憶部311に記憶されている演出パターンを選択する。具体的には、選択部313は、甲第1始動口105への入賞球に対しては、甲第1始動口105用の演出パターンを選択する一方、乙第1始動口125への入賞球に対しては、乙第1始動口125用の演出パターンを選択する。実行部314は、選択部313によって選択された演出パターンを用いて演出を実行する。
特に、本実施の形態においては、甲第1始動口105および乙第1始動口125は、打ち出された遊技球が入賞する割合を示した入賞割合がそれぞれ異なるように配置されている。具体的には、例えば、特図1が例えば20回変動する場合、甲第1始動口105への入賞球が19回分となり、乙第1始動口125への入賞球が1回分となる比率になっている。
記憶部311は、各始動口105,125の入賞割合に応じて選択確率が異なる演出パターンを記憶する。具体的には、記憶部311は、入賞割合の低い始動口(乙第1始動口125)の演出パターンほど、入賞割合の高い始動口(甲第1始動口105)では選択されにくい演出パターンの選択確率を高くして、演出パターンを記憶する。
選択部313は、特別図柄の変動が開始される際、始動口種別の情報に基づいて、入賞割合に応じて異なる選択確率をもって、演出パターンを選択する。具体的には、選択部313は、特別図柄の変動が開始される際、入賞割合が低い始動口(乙第1始動口125)に対する演出パターンとして、通常では選択されにくい演出パターンを選択する。
さらに、本実施の形態において、記憶部311は、甲第1始動口105への入賞による大当たり時に用いられる演出パターンを記憶している。選択部313は、甲第1始動口105への入賞によって大当たりとなった場合、記憶部311に記憶されている大当たり用の演出パターンを用いて、乙第1始動口125への入賞にのみ選択可能な演出パターンを抽選により選択する。この選択部313による演出パターンの選択によって、甲第1始動口105への入賞により、甲第1始動口105への入賞によるハズレ時にはおこなわれることない乙第1始動口125用の演出がおこなわれた場合には、大当たりが確定となる。
取得部312と、選択部313と、実行部314とは、演出統括部202aのCPU241または画像・音声制御部202bのCPU251によって実現される。すなわち、演出統括部202aのCPU241または画像・音声制御部202bのCPU251が各種プログラムを実行することにより、各部を実現する。
(本実施の形態の概要)
次に、図4を用いて、本実施の形態の概要について説明する。図4は、演出制御部202がおこなう本実施の形態の概要を示したフローチャートである。図4において、演出制御部202は、特図1の変動開始か否かを判定する(ステップS401)。特図1の変動開始ではない場合(ステップS401:No)、そのまま処理を終了する。特図1の変動開始である場合(ステップS401:Yes)、甲第1始動口105への入賞による特図1の変動であるか否かを判定する(ステップS402)。
甲第1始動口105への入賞による特図1の変動である場合(ステップS402:Yes)、甲第1始動口用の演出を選択する(ステップS403)。この演出は、演出統括部202aによって選択されるリーチ演出や、画像・音声制御部202bによって選択されるステップアップ演出などの表示演出である。
この後、演出を実行し(ステップS404)、処理を終了する。一方、ステップS402において、甲第1始動口105への入賞ではない場合(ステップS402:No)、乙第1始動口用の演出を選択し(ステップS405)、ステップS404に移行する。
(主制御部の処理手順)
次に、図5を用いて、主制御部201の処理手順の内容について説明する。図5は、主制御部201がおこなうタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、電源供給期間中、所定期間(例えば4ms)毎に主制御部201が実行する主制御処理に割り込み動作する処理である。
図5において、主制御部201のCPU211は、乱数更新処理を実行する(ステップS501)。乱数更新処理では、大当たり乱数、大当たり図柄乱数などを、それぞれ、例えば+1して、各乱数の更新をおこなう処理である。
この後、各スイッチによって遊技球が検出された際におこなうスイッチ処理を実行する(ステップS502)。スイッチ処理には、図6を用いて後述する、甲第1始動口SW220、乙第1始動口SW221または第2始動口SW222によって遊技球が検出される毎に乱数を取得する始動口SW処理や、ゲートSW223によって遊技球が検出される毎に乱数を取得するゲートSW処理がある。
この後、普通図柄の変動および停止をおこなう普通図柄処理や、図7を用いて後述する特別図柄処理などの、図柄処理を実行する(ステップS503)。そして、電動チューリップ107を動作させるための電チュー処理や、大入賞口109を動作させるための大入賞口処理などの、電動役物処理を実行する(ステップS504)。この後、入賞した遊技球に対する賞球をおこなうための賞球処理を実行し(ステップS505)、各処理においてセットされたコマンドを出力するための出力処理を実行する(ステップS506)。
(始動口SW処理)
次に、図6を用いて、主制御部201がおこなう始動口SW処理について説明する。図6は、主制御部201がおこなう始動口SW処理を示すフローチャートである。なお、始動口SW処理は、図5のステップS502に示したスイッチ処理に含まれる処理内容である。
図6において、主制御部201のCPU211は、甲第1始動口105の甲第1始動口SW220がONであるか否かを判定する(ステップS601)。甲第1始動口SW220がONである場合(ステップS601:Yes)、甲第1始動口SW220の検知回数をカウントした第1始動口検知カウンタのカウント値U1が、「4」より小さいか否かを判定する(ステップS602)。
一方、甲第1始動口SW220がOFFである場合(ステップS601:No)、乙第1始動口SW221がONであるか否かを判定する(ステップS603)。乙第1始動口SW221がONである場合(ステップS603:Yes)、ステップS602に移行する。乙第1始動口SW221がOFFである場合(ステップS603:No)、ステップS609に移行する。
ステップS602において、カウント値U1が「4」である場合(ステップS602:No)、ステップS609に移行する。カウント値U1が「4」より小さい場合(ステップS602:Yes)、カウント値U1に「1」を加算する(ステップS604)。そして、乱数を取得するとともに、取得した乱数をRAM213に記憶する(ステップS605)。なお、乱数は、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数などである。当たり乱数は、大当たり、小当たり、ハズレ、のいずれか一つを決定するための乱数であり、例えば「0」〜「399」の400個の乱数から一つの当たり乱数が無作為に取得される。
図柄乱数は、当たりの種類(確変長当たり、通常長当たり、潜確短当たり、突確短当たり)を決定するための乱数であり、例えば「0」〜「249」の250個の乱数から一つの図柄乱数が無作為に取得される。リーチ乱数は、リーチ演出をおこなうか否かを決定するための乱数であり、例えば「0」〜「249」の250個の乱数から一つのリーチ乱数が無作為に取得される。
取得された各乱数は、RAM213に記憶される。なお、RAM213は、甲第1始動口105または乙第1始動口125への入賞による保留球4つ分の記憶領域を有している。さらに、この記憶領域に、甲第1始動口105への入賞によるものであるという情報、または、乙第1始動口125への入賞によるものであるという情報である、始動口種別情報を格納する(ステップS606)。
この後、事前判定処理をおこなう(ステップS607)。事前判定処理では、ステップS605において取得した当たり乱数を用いて、当たりか否かを判定する。なお、事前判定処理では、当たり判定のほかにも、図柄乱数を用いた図柄判定や、リーチ乱数を用いたリーチ判定をおこなう。この後、甲第1始動口105への入賞により保留球数が増加した旨を示す、特1保留球数増加コマンドをセットする(ステップS608)。
そして、第2始動口106の第2始動口SW222がONであるか否かを判定する(ステップS609)。第2始動口SW222がOFFである場合(ステップS609:No)、そのまま処理を終了する。第2始動口SW222がONである場合(ステップS609:Yes)、第2始動口SW222の検知回数をカウントした第2始動口検知カウンタのカウント値U2が、「4」より小さいか否かを判定する(ステップS610)。
カウント値U2が「4」である場合(ステップS610:No)、そのまま処理を終了する。カウント値U2が「4」より小さい場合(ステップS610:Yes)、カウント値U2に「1」を加算する(ステップS611)。そして、各乱数を取得するとともに、取得した乱数をRAM213に記憶する(ステップS612)。なお、RAM213は、第2始動口106への入賞による保留球4つ分の記憶領域を有している。この記憶領域には、第2始動口106への入賞によるものであるという情報、当たり乱数、図柄乱数、リーチ乱数の情報などが記憶される。
この後、事前判定処理をおこなう(ステップS613)。事前判定処理では、ステップS612において取得した当たり乱数を用いて、当たりか否かの判定や、図柄乱数を用いた図柄判定や、リーチ乱数を用いたリーチ判定がおこなわれる。この後、第2始動口106への入賞により保留球数が増加した旨を示す、特2保留球数増加コマンドをセットする(ステップS614)。
(特別図柄処理)
次に、図7を用いて、主制御部201がおこなう特別図柄処理について説明する。図7は、主制御部201がおこなう特別図柄処理を示すフローチャートである。この特別図柄処理は、図5に示したステップS503の図柄処理に含まれる処理内容である。
図7において、主制御部201のCPU211は、当たり遊技フラグがONであるか否かを判定する(ステップS701)。当たり遊技フラグは、ステップS714に示す停止中処理において、停止している特別図柄が当たりを示すものである場合に設定されるフラグである。
当たり遊技フラグがONであれば(ステップS701:Yes)、そのまま処理を終了する。当たり遊技フラグがONでなければ(ステップS701:No)、特別図柄の変動中であるか否かを判定し(ステップS702)、変動中である場合(ステップS702:Yes)、ステップS711に移行する。変動中ではない場合(ステップS702:No)、第2始動口106に入賞した遊技球の保留球数としての第2始動口検知カウンタのカウント値U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS703)。
カウント値U2が「1」以上である場合(ステップS703:Yes)、カウント値U2を「1」減算したものを新たな保留球数とし(ステップS704)、ステップS707に移行する。ステップS703において、カウント値U2が「1」以上ではない場合(ステップS703:No)、すなわちU2が「0」の場合、甲第1始動口105に入賞した遊技球の保留球数としての第1始動口検知カウンタのカウント値U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS705)。カウント値U1が「1」以上ではない場合(ステップS705:No)、すなわちU1が「0」の場合、そのまま処理を終了する。
カウント値U1が「1」以上である場合(ステップS705:Yes)、カウント値U1を「1」減算したものを新たな保留球数とし(ステップS706)、ステップS707に移行する。ステップS707では、当たり判定処理をおこなう(ステップS707)。当たり判定処理は、甲第1始動口105、乙第1始動口125または第2始動口106に遊技球が入賞した際に取得した当たり乱数が、予め設定される大当たり乱数または小当たり乱数に一致するか否かを判定する処理である。
なお、ステップS703〜ステップS706に示したように、甲第1始動口105または乙第1始動口125に入賞した遊技球よりも、第2始動口106に入賞した遊技球が先に消化されるようになっている。この後、変動パターン選択処理をおこなう(ステップS708)。この変動パターン選択処理は、詳細については図8を用いて後述するが、当たり判定処理の判定結果に応じて、特別図柄の変動パターンを選択する処理である。
この後、変動開始コマンドをRAM213にセットして(ステップS709)、特別図柄の変動を開始する(ステップS710)。そして、特別図柄の変動時間が、変動パターン選択処理によって選択された変動時間を経過したか否かを判定する(ステップS711)。変動時間が経過していない場合には(ステップS711:No)、そのまま処理を終了する。
変動時間が経過した場合には(ステップS711:Yes)、変動停止コマンドをセットして(ステップS712)、特別図柄の変動を停止する(ステップS713)。この後、停止中処理を実行し(ステップS714)、処理を終了する。なお、停止中処理は、停止している特別図柄が当たりを示すものである場合に当たりフラグを設定したり、時短遊技状態を示す時短遊技フラグを時短残余回数に応じてOFFにしたりする処理である。
(変動パターン選択処理)
次に、図8を用いて、図7のステップS708に示した変動パターン選択処理について説明する。図8は、主制御部201がおこなう変動パターン選択処理を示したフローチャートである。
図8において、主制御部201のCPU211は、当たり判定処理の結果、大当たりおよび小当たりを含む当たりであるか否かを判定する(ステップS801)。当たりである場合(ステップS801:Yes)、当たりの種別に応じて、大当たり用変動パターンテーブルまたは小当たり用変動パターンテーブルのいずれかの当たり用変動パターンテーブルをセットする(ステップS802)。なお、大当たり用変動パターンテーブルの詳細については、図9−1を用いて後述する。
そして、セットしたテーブルを用いて、変動パターン乱数判定処理をおこなう(ステップS803)。変動パターン乱数判定処理の結果、決定した変動パターンを設定し(ステップS804)、処理を終了する。ステップS801において、当たりではない場合(ステップS801:No)、リーチの有無を判定するリーチ判定処理をおこなう(ステップS805)。
そして、リーチであるか否かを判定する(ステップS806)。リーチである場合(ステップS806:Yes)、リーチ用変動パターンテーブルをセットし(ステップS807)、ステップS803に移行する。なお、リーチ用変動パターンテーブルの詳細については、図9−2を用いて後述する。リーチではない場合(ステップS806:No)、ハズレ用変動パターンテーブルをセットし(ステップS808)、ステップS803に移行する。
(大当たり用変動パターンテーブルの一例)
次に、図9−1を用いて、大当たり用変動パターンテーブルの一例について説明する。図9−1は、大当たり用変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。図9−1において、大当たり用変動パターンテーブル910は、複数の変動パターンと、各変動パターンに要する変動時間と、各変動パターンが選択される割合と、始動口種別と、メインコマンドとからなる。メインコマンドは、演出統括部202a側で変動パターンを特定するためのものである。
大当たり用変動パターンテーブル910を用いて具体例を挙げて説明する。変動時間が20秒である変動パターン「R1」が選択される割合は、第1始動口105,125および第2始動口106ともに「1/200」となっている。この変動パターン「R1」が選択された場合、演出統括部202a側で選択される演出内容は括弧内に示すノーマルリーチとなる。
また、変動時間が60秒である変動パターン「R2」が選択される割合は、第1始動口105,125では「2/200」となっており、第2始動口106では「1/200」となっている。この変動パターン「R2」が選択された場合、演出内容は括弧内に示す、アニメリーチとなる。なお、大当たり用変動パターンテーブル910において、変動時間が長いものほど割合が高くなっており、すなわち、大当たりの場合、変動時間が長いものほど選択されやすくなっている。メインコマンドは、いずれの変動パターンが選択された場合であっても、始動口種別毎に異なる。
(リーチ用変動パターンテーブルの一例)
次に、図9−2を用いて、リーチ用変動パターンテーブルの一例について説明する。図9−2は、リーチ用変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。図9−2において、リーチ用変動パターンテーブル920には、図9−1に示した大当たり用変動パターンテーブル910に記憶されている変動パターンと同様の変動パターンが記憶されている。
リーチ用変動パターンテーブル920では、変動時間が長いものほど割合が低くなっており、すなわち、変動時間が長いものほど選択されにくくなっている。メインコマンドは、いずれの変動パターンが選択された場合であっても、始動口種別毎に異なる。大当たり用変動パターンテーブル910およびリーチ用変動パターンテーブル920を用いることにより、変動パターンの変動時間が長いほど、大当たりに対する期待度が高くなっている。
(ハズレ用変動パターンテーブルの一例)
次に、図9−3を用いて、ハズレ用変動パターンテーブルの一例について説明する。図9−3は、ハズレ用変動パターンテーブルの一例を示した説明図である。図9−3において、ハズレ用変動パターンテーブル930には、第1始動口105,125に対してT1〜T3の変動パターンが記憶され、第2始動口106に対してT4,T5が記憶されている。変動時間は、T1が12秒、T2が8秒、T3が3秒、T4が13秒、T5が1秒になっている。
変動パターンT1は、第1始動口105,125への入賞球に対して保留球数が「2」以下のときに選択される。変動パターンT2は、第1始動口105,125への入賞球に対して保留球数が「3」のときに選択される。変動パターンT3は、第1始動口105,125への入賞球に対して保留球数が「4」のときに選択される。
変動パターンT4は、第2始動口106への入賞球に対して保留球数が「1」のときに選択される。変動パターンT5は、第2始動口106への入賞球に対して保留球数が「2」以上のときに選択される。メインコマンドは、いずれの変動パターンが選択された場合であっても、始動口種別毎に異なる。
ここで、変動パターンT4およびT5の変動時間について補足しておく。第2始動口106への入賞が見込めるのは時短付き遊技状態であり、この時短付き遊技状態においては迅速に遊技をおこなわせるために、変動パターンT5による1秒の変動がおこなわれる。一方、保留球数が「1」の場合には、第2始動口106へ入賞させる時間を確保するため変動パターンT4による13秒の変動がおこなわれる。
(演出統括部が実行する演出タイマ割込処理)
次に、図10を用いて、演出制御部202の演出統括部202aがおこなう演出タイマ割込処理について説明する。図10は、演出統括部202aがおこなう演出タイマ割込処理を示すフローチャートである。この演出タイマ割込処理は、演出統括部202aが、起動中、所定期間(例えば4ms)毎に演出統括部202aが実行する主演出制御処理に割り込み動作する処理である。
図10において、演出統括部202aのCPU241は、主制御部201からコマンドを受信した際におこなうコマンド受信処理を実行する(ステップS1001)。なお、コマンド受信処理については、図11を用いて後述する。そして、画像・音声制御部202bまたはランプ制御部202cに対してコマンドを送信するコマンド送信処理を実行し(ステップS1002)、処理を終了する。
(コマンド受信処理)
次に、図11を用いて、図10のステップS1001に示した、演出統括部202aがおこなうコマンド受信処理の詳細について説明する。図11は、演出統括部202aがおこなうコマンド受信処理を示したフローチャートである。図11において、演出統括部202aのCPU241は、主制御部201から保留球数増加コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1101)。
保留球数増加コマンドは、主制御部201の始動口SW処理においてセットされるコマンドである(図6のステップS608およびステップS614参照)。保留球数増加コマンドを受信しない場合(ステップS1101:No)、ステップS1104に移行する。保留球数増加コマンドを受信した場合(ステップS1101:Yes)、保留球数の加算をおこなう保留球数加算処理を実行する(ステップS1102)。
そして、保留球数が増加した旨を示す保留球数コマンドをセットする(ステップS1103)。この後、特別図柄の変動開始を示す変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1104)。なお、変動開始コマンドは、主制御部201による特別図柄処理においてセットされたコマンドである(図7のステップS709参照)。
変動開始コマンドを受信しない場合(ステップS1104:No)、ステップS1106に移行する。変動開始コマンドを受信した場合(ステップS1104:Yes)、演出選択処理を実行する(ステップS1105)。なお、演出選択処理は、詳細については、図12を用いて後述するが、変動開始コマンドを解析することによって得た特別図柄の変動時間の情報を用い、この変動時間と同一の再生時間を有する演出を選択することによっておこなわれる。
この後、演出図柄を停止させるための変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1106)。なお、変動停止コマンドは、特別図柄の変動停止を示すコマンドであり、主制御部201の特別図柄処理においてセットされるコマンドである(図7のステップS712参照)。
変動停止コマンドを受信しない場合(ステップS1106:No)、そのまま処理を終了する。変動停止コマンドを受信した場合(ステップS1106:Yes)、変動演出終了中処理を実行し(ステップS1107)、処理を終了する。なお、変動演出終了中処理は、遊技状態に応じた演出モードを変動回数に応じて終了させたりする処理である。
(演出選択処理)
次に、図12を用いて、図11のステップS1105に示した演出選択処理の詳細について説明する。図12は、演出統括部202aがおこなう演出選択処理を示したフローチャートである。図12において、演出統括部202aのCPU241は、変動開始コマンドの解析をおこなう(ステップS1201)。そして、変動開始コマンドの解析の結果、大当たりであるか否かを判定する(ステップS1202)。
大当たりである場合(ステップS1202:Yes)、大当たり用変動演出パターンテーブルをセットし(ステップS1203)、ステップS1207に移行する。大当たり用変動演出パターンテーブルの一例については、図13−1を用いて後述する。ステップS1202において、大当たりではない場合(ステップS1202:No)、リーチであるか否かを判定する(ステップS1204)。リーチである場合(ステップS1204:Yes)、リーチ用変動演出パターンテーブルをセットし(ステップS1205)、ステップS1207に移行する。リーチ用変動演出パターンテーブルの一例については、図13−2を用いて後述する。
ステップS1204において、リーチではない場合(ステップS1204:No)、ハズレ用変動演出パターンテーブルをセットし(ステップS1206)、ステップS1207に移行する。ハズレ用変動演出パターンテーブルの一例については、図13−3を用いて後述する。この後、セットした変動演出パターンテーブルを用いて、変動演出パターン選択処理を実行する(ステップS1207)。そして、変動演出開始コマンドをセットし(ステップS1208)、処理を終了する。
(大当たり用変動演出パターンテーブルの一例)
次に、図13−1を用いて、大当たり用変動演出パターンテーブルの一例について説明する。図13−1は、大当たり用変動演出パターンテーブルの一例を示した説明図である。図13−1において、大当たり用変動演出パターンテーブル1310は、メインコマンドと、演出パターンと、選択確率と、演出コマンドとからなる。
メインコマンドは、主制御部201の変動パターン選択処理(図8参照)において、大当たり用変動パターンテーブル(図9−1参照)を用いて選択されたものである。メインコマンドの括弧書きには、甲第1始動口105、乙第1始動口125または第2始動口106の始動口種別を示している。
具体例を挙げると、メインコマンドが甲第1始動口105への入賞による「r11」のノーマルリーチの場合、ノーマルリーチ1〜3の選択確率はそれぞれ「25/100」、「70/100」、「5/100」になっている。また、演出コマンドは、ノーマルリーチ1〜3それぞれ「er11」、「er12」、「er13」になっており、頭記号が「e」になっている。なお、ノーマルリーチ3は、詳細については、図13−2を用いて後述するが、甲第1始動口105への入賞によるハズレリーチ時には選択されない演出である。すなわち、ノーマルリーチ3は、大当たりではない場合、甲第1始動口105への入賞によっては選択されない演出である。
一方、「r11」と同様の変動時間となる、乙第1始動口125への入賞による「r12」のメインコマンドの場合、甲第1始動口105への入賞による「r11」では選択されにくいノーマルリーチ3が選択されやすくなっている。乙第1始動口125への入賞により大当たりに当選すること自体稀であるため、ノーマルリーチ3は、遊技者がほとんど見ることのできない稀な演出である。ノーマルリーチ1〜3の選択確率は順に「10/100」、「10/100」、「80/100」になっている。なお、演出コマンドは、ノーマルリーチ1〜3順に「Er11」、「Er12」、「Er13」になっており、頭記号が「E」になっている。
なお、第2始動口106への入賞による「r13」のメインコマンドの場合、ノーマルリーチ1,2の選択確率はそれぞれ「40/100」、「60/100」になっている。また、演出コマンドはノーマルリーチ1,2それぞれ「er21」、「er22」になっており、頭記号が「e」になっている。
同様に、メインコマンドが甲第1始動口105への入賞による「r21」のアニメリーチの場合、アニメリーチ1〜3の選択確率は、それぞれ「25/100」、「70/100」、「5/100」になっている。なお、アニメリーチ3は、詳細については、図13−2を用いて後述するが、甲第1始動口105への入賞によるハズレリーチ時には選択されない演出である。すなわち、アニメリーチ3は、大当たりではない場合、甲第1始動口105への入賞によっては選択されない演出である。
また、「r21」と同様の変動時間となる、乙第1始動口125への入賞による「r22」のメインコマンドの場合、甲第1始動口105への入賞による「r11」では選択されにくいアニメリーチ3が選択されやすくなっている。乙第1始動口125への入賞により大当たりに当選すること自体稀であるため、アニメリーチ3は、遊技者がほとんど見ることのできない稀な演出である。アニメリーチ1〜3の選択確率は順に「10/100」、「10/100」、「80/100」になっている。
このように、乙第1始動口125への入賞の場合、甲第1始動口105への入賞では選択されにくい演出が選択されやすくなっている。また、甲第1始動口105への入賞により、ノーマルリーチ3やアニメリーチ3が選択された場合には、大当たり確定の演出となる。
(リーチ用変動演出パターンテーブルの一例)
まず、図13−2を用いて、リーチ用変動演出パターンテーブルの一例について説明する。図13−2は、リーチ用変動演出パターンテーブルの一例を示した説明図である。図13−2において、リーチ用変動演出パターンテーブル1320には、図13−1に示した大当たり用変動演出パターンテーブル1310に記憶されている変動パターンと同様の変動演出パターンが記憶されている。
具体例を挙げると、メインコマンドが甲第1始動口105への入賞による「s11」のノーマルリーチの場合、ノーマルリーチ1,2の選択確率はそれぞれ「70/100」、「30/100」になっている。すなわち、大当たりの場合と異なり、ノーマルリーチ1の方が、ノーマルリーチ2よりも選択されやすくなっている。大当たり用変動演出パターンテーブル1310(図13−1参照)およびリーチ用変動演出パターンテーブル1320を用いることにより、ノーマルリーチ1に比べてノーマルリーチ2の方が大当たりに対する期待度が高くなるなっている。また、演出コマンドは、ノーマルリーチ1,2それぞれ「es11」、「es12」になっており、頭記号が「e」になっている。
また、「s11」と同様の変動時間となる、乙第1始動口125への入賞による「s12」のメインコマンドの場合、甲第1始動口105への入賞による「s11」では選択されることのないノーマルリーチ3が選択されることが可能になっている。ノーマルリーチ1〜3の選択確率は順に「60/100」、「35/100」、「5/100」になっている。
リーチ用変動演出パターンテーブル1320では、大当たり用変動演出パターンテーブル1310と同様に、乙第1始動口125への入賞の場合、甲第1始動口105への入賞によるハズレ時には選択されることのない演出(ノーマルリーチ3)が選択されることが可能になっている。ノーマルリーチ3は、図13−1に示した大当たり用変動演出パターンテーブル1310では選択されやすくなっており、すなわち、期待度の高い演出となっている。演出コマンドは、ノーマルリーチ1〜3順に「Es11」、「Es12」、「Es13」になっており、頭記号が「E」になっている。
(ハズレ用変動演出パターンテーブルの一例)
次に、図13−3を用いて、ハズレ用変動演出パターンテーブルの一例について説明する。図13−3は、ハズレ用変動演出パターンテーブルの一例を示した説明図である。図13−3において、ハズレ用変動演出パターンテーブル1330には、複数の演出パターンが記憶されている。
メインコマンドが「t11」または「t12」の場合、同一の12秒変動ハズレの演出パターンが選択される。演出コマンドは、メインコマンドが「t11」の場合には頭記号「e」の「e11」が画像・音声制御部202bへ送信され、また、メインコマンドが「t12」の場合には頭記号「E」の「E12」が画像・音声制御部202bへ送信される。8秒変動ハズレの場合や3秒変動ハズレの場合も同様に、同一の演出がおこなわれるとともに、始動口種別に応じて画像・音声制御部202bへ送信される演出コマンドが異なっている。
(ステップアップ演出処理)
次に、図14を用いて、画像・音声制御部202bがおこなうステップアップ演出処理について説明する。図14は、画像・音声制御部202bがおこなうステップアップ演出処理を示したフローチャートである。図14において、画像・音声制御部202bのCPU251は、演出統括部202aから変動演出開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS1401)。
変動演出開始コマンドを受信しない場合(ステップS1401:No)、そのまま処理を終了する。変動演出開始コマンドを受信した場合(ステップS1401:Yes)、変動演出開始コマンドの解析をおこなう(ステップS1402)。そして、ステップアップ演出をおこなうか否かの判定(図中「ステップアップ演出判定」という)をおこなう(ステップS1403)。
なお、ステップアップ演出は、例えば、迅速な遊技がおこなわれる第2始動口106への入賞が見込める時短遊技状態ではおこなわれないようになっている。この後、ステップアップ演出判定の結果、ステップアップ演出をおこなうか否かを判定する(ステップS1404)。ステップアップ演出をおこなわない場合(ステップS1404:No)、そのまま処理を終了する。
ステップアップ演出をおこなう場合(ステップS1404:Yes)、ステップ数を選択する(ステップS1405)。なお、ステップ数の選択に用いられるステップアップ選択テーブルについては、図16−1および図16−2を用いて後述する。
この後、演出コマンドの頭記号が「E」であるか否か、すなわち、乙第1始動口125への入賞によるコマンドであるか否かを判定する(ステップS1406)。なお、演出コマンドの頭記号については、図13−1〜図13−3の変動演出パターンテーブルに示した通りである。演出コマンドの頭記号が「E」である場合(ステップS1406:Yes)、乙第1始動口125用のステップアップ表示色を選択するためのテーブル(図中「乙第1始動口用表示演出パターンテーブル」)をセットする(ステップS1407)。
ステップアップ表示色とは、例えばステップアップ演出の文字や表示枠などの表示色である。なお、乙第1始動口用表示演出パターンテーブルの詳細については、図15−1を用いて後述する。この後、複数のステップアップ演出パターンの中から一のステップアップ演出を選択するための、表示演出パターン選択処理をおこなう(ステップS1408)。
そして、選択した表示演出パターンをセットし(ステップS1409)、処理を終了する。ステップS1406において、演出コマンドの頭記号が「E」ではない場合(ステップS1406:No)、大当たりであるか否かを判定する(ステップS1410)。
大当たりではない場合(ステップS1410:No)、ハズレ用の甲第1始動口105用のステップアップ表示色を選択するためのテーブル(図中「ハズレ甲第1始動口用表示演出パターンテーブル」)をセットし(ステップS1411)、ステップS1408に移行する。なお、ハズレ甲第1始動口用表示演出パターンテーブルの一例については、図15−2を用いて後述する。
ステップS1410において、大当たりである場合(ステップS1410:Yes)、大当たり用の甲第1始動口105用のステップアップ表示色を選択するためのテーブル(図中「大当たり甲第1始動口用表示演出パターンテーブル」)をセットし(ステップS1412)、ステップS1408に移行する。なお、大当たり甲第1始動口用表示演出パターンテーブルの一例については、図15−3を用いて後述する。
なお、本フローチャートでは、ステップアップ演出を例に挙げて説明したが、キャラクタ画像の表示演出などとすることも可能である。具体的には、キャラクタ画像を選択するための表示演出パターンテーブルを、甲第1始動口105用および乙第1始動口125用の複数記憶しておき、演出コマンド(Eまたはe)に応じて、表示演出パターンテーブルを用いるようにすればよい。
(表示演出パターンテーブルの一例)
次に、図15−1〜図15−3を用いて、表示演出パターンテーブルの一例について説明する。図15−1は、乙第1始動口用表示演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。図15−1において、乙第1始動口用表示演出パターンテーブル1510は、表示色と、範囲と、割合と、乱数値とからなる。表示色は、ステップアップ演出の文字や表示枠などの色を示している。
乙第1始動口用表示演出パターンテーブル1510において、具体例を挙げて説明する。表示色の選択される割合は、「白」が「10/100」、「紫」が「40/100」、「橙」が「40/100」、「赤」が「10/100」となっている。すなわち、表示色「白」および「赤」が選択されにくく、「紫」および「橙」が選択されやすくなっている。
なお、表示色「紫」および「橙」は、図15−2を用いて後述するが、甲第1始動口105への入賞球に対して選択されることはない。すなわち、表示色「紫」および「橙」は乙第1始動口125への入賞球に対してのみ選択される。
図15−2は、ハズレ甲第1始動口用表示演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。図15−2において、ハズレ甲第1始動口用表示演出パターンテーブル1520では、図15−1に示した乙第1始動口用表示演出パターンテーブル1510と異なり、表示色「紫」および「橙」が選択されないようになっている。代わりに、表示色「青」または「黄」が選択されるようになっている。ハズレ甲第1始動口用表示演出パターンテーブル1520では、表示色「白」が最も選択されやすくなっている。
図15−3は、大当たり甲第1始動口用表示演出パターンテーブルの一例を示す説明図である。図15−3において、大当たり甲第1始動口用表示演出パターンテーブル1530では、図15−2に示したハズレ甲第1始動口用表示演出パターンテーブル1520の表示色に加えて、「紫」および「橙」が選択可能になっている。すなわち、甲第1始動口105への入賞により、表示枠が「紫」または「橙」が選択された場合には、大当たり確定の演出となる。
(ステップアップ数選択テーブルの一例)
次に、図16−1および図16−2を用いて、ステップアップ数選択テーブルの一例について説明する。図16−1は、乙第1始動口用ステップアップ数選択テーブルの一例を示す説明図である。図16−2は、甲第1始動口用ステップアップ数選択テーブルの一例を示す説明図である。
図16−1において、乙第1始動口用ステップアップ数選択テーブル1610は、ステップアップ数と、範囲と、割合と、乱数値とからなる。ステップアップ数は、多いほど大当たりに対する期待度が高いものとなっている。
乙第1始動口用ステップアップ数選択テーブル1610を用いて、具体例を挙げて説明すると、ステップアップ数「3」が最も選択されやすくなっており、次にステップアップ数「2」が選択されやすくなっている。また、図16−2に示す甲第1始動口用ステップアップ数選択テーブル1620では、ステップアップ数が少ないものほど選択されやすくなっている。
このような、乙第1始動口用ステップアップ数選択テーブル1610および甲第1始動口用ステップアップ数選択テーブル1620を用いることにより、始動口種別に応じてステップアップ数を変えることができ、乙第1始動口125に対する期待度を高めるようにしている。
(ステップアップ演出の一例)
次に、図17を用いて、ステップアップ演出の一例について説明する。図17は、ステップアップ演出の一例を示す説明図である。図17において、符号SP1〜SP4は、一連(4ステップ)のステップアップ演出を示している。画像表示部104には、演出図柄の変動演出1701が表示されている。
第1のステップアップ演出SP1では、ステップ画像1710が表示され、最初のステップ演出を示している。このステップ画像の表示色は、図15−1〜図15−3に示した表示演出パターンテーブル1510〜1530を用いて選択される。第1のステップアップ演出SP1を表示させた後、所定時間経過後に第2のステップアップ演出SP2に移行する。第2のステップアップ演出SP2は、第1のステップアップ演出SP1のステップ画像1710よりも、大きい表示領域をもってステップ画像1720が表示されている。
第2のステップアップ演出SP2を表示させた後、所定時間経過後に第3のステップアップ演出SP3に移行する。第3のステップアップ演出SP3は、第2のステップアップ演出SP2のステップ画像1720よりも、大きい表示領域をもってステップ画像1730が表示されている。
同様に、第3のステップアップ演出SP3を表示させた後、所定時間経過後に第4のステップアップ演出SP4に移行する。第4のステップアップ演出SP4は、第3のステップアップ演出SP3のステップ画像1730よりも、さらに大きい表示領域をもってステップ画像1740が表示されている。なお、上限のステップ数が「1〜3」の場合には、それよりも大きいステップアップ演出には移行しないようになっている。
以上説明したように、本実施の形態では、遊技盤101上に複数設けられ同一の大当たり判定テーブルが用いられる甲第1始動口105および乙第1始動口125毎に、演出パターンを選択するようにしたので、遊技者に甲第1始動口105または乙第1始動口125を注視させながら、演出のバリエーションを増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態では、甲第1始動口105および乙第1始動口125は、打ち出された遊技球が入賞する割合を示した入賞割合がそれぞれ異なるように配置されており、各始動口105,125の入賞割合に応じて異なる選択確率をもって演出パターンを選択するようにした。このように、入賞割合に応じて、選択させる演出パターンを異ならせることにより、バリエーションに富んだ演出をおこなうことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、本実施の形態では、入賞割合の低い始動口(乙第1始動口125)の演出パターンほど、入賞割合の高い始動口(甲第1始動口105)では選択されにくい演出パターンの選択確率を高くして、演出パターンを選択するようにした。したがって、入賞しにくい乙第1始動口125への入賞球に対して珍しい演出をおこなうことができ、遊技者は大当たりへの期待感を高めて遊技をおこなうことができる。
さらに、本実施の形態では、始動口種別毎に記憶されている演出パターンとして、特別図柄の変動に対応する変動演出パターン、または、画像表示部に表示させる表示演出パターンを用いた。したがって、演出統括部202aによる変動演出パターンの選択、または画像・音声制御部202bによる表示演出パターンの選択の、少なくともいずれか一方の制御によって、演出のバリエーションを増やすことができる。
特に、本実施の形態のように、演出統括部202aによる変動演出パターンの選択、および画像・音声制御部202bによる表示演出パターンの選択の、両方をおこなうことによって、よりバリエーションに富んだ演出をおこなうことができ、遊技者の飽きを抑止し、演出効果を向上させることができる。
また、本実施の形態では、甲第1始動口105への入賞による大当たり時に用いられる演出パターンを記憶しておき、甲第1始動口105への入賞によって大当たりとなった場合、乙第1始動口125への入賞にのみ選択可能な演出パターンを抽選により選択するようにした。乙第1始動口125への入賞にのみ選択可能な演出パターンは、具体的には、図13−1に示したノーマルリーチ3やアニメリーチ3のほか、図15−3に示したステップアップ画像の表示色「紫」または「橙」などである。
したがって、甲第1始動口105への入賞により、甲第1始動口105への入賞によるハズレ時にはおこなわれることない乙第1始動口125用の演出がおこなわれた場合には、大当たり確定とすることができ、大当たり確定演出のバリエーションを容易に増やすことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、上述した実施の形態では、本発明の甲始動口および乙始動口として、特図1を変動させるための甲第1始動口105および乙第1始動口125としたが、これに限らず、特図2を変動させるための第2始動口106を複数設けるようにしてもよい。この場合、複数設けた第2始動口106に対して、それぞれ異なる演出パターンテーブルを用いるようにすればよい。